JPH11173401A - トルクコンバータ及びその調整方法 - Google Patents

トルクコンバータ及びその調整方法

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JPH11173401A
JPH11173401A JP30997397A JP30997397A JPH11173401A JP H11173401 A JPH11173401 A JP H11173401A JP 30997397 A JP30997397 A JP 30997397A JP 30997397 A JP30997397 A JP 30997397A JP H11173401 A JPH11173401 A JP H11173401A
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    • F16H41/00Rotary fluid gearing of the hydrokinetic type
    • F16H41/24Details
    • F16H2041/243Connections between pump shell and cover shell of the turbine
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
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    • F16H41/24Details
    • F16H41/28Details with respect to manufacture, e.g. blade attachment
    • F16H2041/285Details with respect to manufacture, e.g. blade attachment of stator blades

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  • Control Of Fluid Gearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ストール回転数を上げることにより、カップ
リングレンジにおける動力伝達損失を減少させ、自動車
の動力性能の構成要因である加速性能と燃費性能とを共
に大幅に向上することができるトルクコンバータ及びそ
の調整方法を提供する。 【解決手段】 ポンプ羽根車10の作動油の流路R1出
口側の羽根13の角度を、その放射方向から回転方向D
の反対方向に約20度乃至55度の角度で傾斜させる。
また、タービン羽根車20の作動油の流路R2入口側の
羽根23の角度を、その放射方向から回転方向Dと同方
向に約10度乃至30度の角度で傾斜させる。更に、ス
テータ羽根車30の羽根32の翼弦長Lと、流路出口に
おける羽根32の平均流線上のピッチTとの比を、T/
L=1〜1.5程度とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トルクコンバータ
に関するものであり、特に、3要素1段2層型トルクコ
ンバータ及び4要素1段2層型トルクコンバータに適用
可能で、ストール回転数を上昇して、エンジンパワーの
伝達効率を維持し、低中速走行性能を犠牲にすることな
く、特に高速速走行性能を飛躍的に高めることができ、
また、アクセルコントロールにより、エンジン回転数を
低中速状態に下げた場合においても、伝達動力の損失を
低減できるトルクコンバータ及びその調整方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車産業の進展及び自動車技術
の進歩等に伴い、自動車運転時の労力乃至疲労軽減、快
適性向上等の目的で、自動変速機が益々採用され、これ
に伴い、トルクコンバータの需要も一段と増大してい
る。かかるトルクコンバータの主要なものとして、ポン
プ羽根車、タービン羽根車及び単一のステータ羽根車の
3要素からなる3要素1段2層型トルクコンバータと、
この3要素1段2層型トルクコンバータにロックアップ
クラッチを追加した4要素1段2層型トルクコンバータ
があり、その伝達効率等の性能向上に向けて各種技術開
発が盛んに行なわれている。
【0003】そして、従来のトルクコンバータは、製品
コスト低減等の目的で、同一性能乃至同一特性のもの
を、走行性能の異なる自動車にも汎用的に搭載すること
が一般的に行なわれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、欧州車のよう
に高速走行性能を重視するタイプの自動車と、従来の日
本車のように市街走行等を考慮して中低速走行性能を重
視するタイプの自動車では、トルクコンバータに要求さ
れる性能乃至特性等も異なっていた。よって、中低速走
行に適したトルクコンバータであっても、現在の日本車
のように高回転出力型式エンジンを搭載した自動車にお
いて、そのエンジンの特性により、発進及び高速走行が
重視される場合には、その性能乃至特性が不適当となる
可能性があった。例えば、エンジン回転に伴いポンプ羽
根車が回転開始した後、タービン羽根車が回転開始する
ときのポンプ羽根車の回転数(ストール回転数)は、中
低速走行性能を重視する場合、比較的低いものとなって
いた。しかし、この場合、高速走行時、即ち、エンジン
回転数が高いときには、ポンプ羽根車の軸トルクとター
ビン羽根車の軸トルクとの比(トルク比)が、エンジン
特性以上に上昇し過ぎ、相対性の降下作用が発生してい
た。したがって、高回転出力型式エンジンを搭載した自
動車の動力性能の構成要因である加速性能と燃費性能と
が低下する可能性があった。
【0005】また、従来、トルクコンバータは、製品完
成後には、ストールテスト、タービン羽根車のエンドク
リアランス測定、ハウジングケース及びポンプケースか
らなる外殻の圧力漏れテスト、及び外殻内部の洗浄が行
なわれているのみであり、外殻を切断しての分解整備乃
至性能調整は行なわれていなかった。しかし、全般的な
性能向上のためには、車種または要求される走行特性等
に応じて、ポンプ羽根車、タービン羽根車またはステー
タ羽根車等の調整を行なうことが好ましかった。
【0006】そこで、本発明は、ストール回転数を上げ
ることにより、カップリングレンジにおける動力伝達損
失を減少させ、自動車の動力性能の構成要因である加速
性能と燃費性能とを共に大幅に向上することができるト
ルクコンバータ及びその調整方法の提供を課題とするも
のである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明にかかる
トルクコンバータは、ポンプ羽根車の作動油の流路出口
側の羽根の角度を、その放射方向から反回転方向に、既
存角度より約20度乃至55度の角度で傾斜させたもの
である。
【0008】請求項2の発明にかかるトルクコンバータ
は、更に、前記タービン羽根車の作動油の流路入口側の
羽根の角度を、その放射方向から回転方向と同方向に約
10度乃至30度の角度で傾斜させたものである。
【0009】請求項3の発明にかかるトルクコンバータ
は、更に、前記ステータ羽根車の羽根の翼弦長Lと、流
路出口における羽根の平均流線上のピッチTとの比を、
T/L=1〜1.5程度としたものである。
【0010】請求項4の発明にかかるトルクコンバータ
の調整方法は、ハウジングケースとポンプ羽根車のケー
スとの溶接部を切断して2分割する分割工程と、前記ポ
ンプ羽根車の作動油の流路出口側の羽根の角度を、その
放射方向から反回転方向に約20度乃至55度の角度で
傾斜させる第1の工程と、タービン羽根車の作動油の流
路入口側の羽根の角度を、その放射方向から回転方向と
同方向に約10度乃至30度の角度で傾斜させる第2の
工程とを有する羽根形状調整工程と、前記ハウジングケ
ース及びポンプ羽根車のケースの切断部分を再接合可能
な形状に端面加工する端面加工工程と、ポンプ羽根車と
ステータ羽根車との間のスラストベアリングを、前記端
面加工工程における端面加工幅に応じ、所定厚さ小さい
ものに交換すると共に調整シムを付設して、前記ポンプ
羽根車とステータ羽根車との間隔を調整する間隔調整工
程と、前記ハウジングケース及びポンプ羽根車のケース
の端面を再接合する再接合工程とを備えたものである。
【0011】請求項5の発明にかかるトルクコンバータ
の調整方法は、前記羽根形状調整工程に、更に、ステー
タ羽根車の羽根の翼弦長Lと、流路出口における羽根の
平均流線上のピッチTとの比が、T/L=1〜1.5程
度となるようステータ羽根車の羽根のポンプ羽根車側の
部分を切断する第3の工程を追加したものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図1乃至図8に基づき説明する。
【0013】本実施形態のトルクコンバータは、3要素
1段2層型であり、基本構成としては、図1及び図2に
示すように、ポンプ羽根車10及びタービン羽根車20
を対向配置し、両者間にステータ羽根車30を配設した
ものである。また、全体的な構成は、従来と同様であ
り、図3に示すように、エンジンのクランクシャフト5
(入力軸)に直結されるハウジングケース41の周縁部
と、ポンプ羽根車10のポンプケース11の周縁部とを
溶接等により接合固着して、所定内部空間を有する外殻
を構成している。これにより、ポンプ羽根車10は、ハ
ウジングケース41を介して、エンジン回転に同期して
回転駆動されるようになっている。更に、ポンプ羽根車
10は、ポンプケース11中心部のハブ12を介して、
後段の遊星歯車機構からなる補助変速機のドライブシャ
フト7(出力軸)の外周に遊嵌され、ドライブシャフト
7とはフリーの状態で相対回転するようになっている。
【0014】一方、前記ドライブシャフト7の先端部に
は、タービン羽根車20が中心部のハブ21を介してス
プライン嵌合されており、タービン羽根車20の回転に
伴い、ドライブシャフト7が一体的に同一回転数で回転
するようになっている。また、ドライブシャフト7の外
周には、ステータシャフト9が相対回転自在に外嵌され
ている。そして、ステータシャフト9の先端部には、ス
テータ羽根車30の中心部のハブ31が、一方向クラッ
チ43を介して嵌合され、ポンプ羽根車10及びタービ
ン羽根車20の回転方向と同一方向にのみ回転自在とな
っている。なお、前記ポンプ羽根車10の中心部とステ
ータ羽根車30の中心部との間には、スラストベアリン
グ45が介装され、両者を相対回転自在としている。な
お、前記ポンプケース11,ハウジングケース41から
なる外殻内部には図示しない油圧機構により、作動油が
充填制御されるようになっている。
【0015】次に、ポンプ羽根車10、タービン羽根車
20及びステータ羽根車30の各羽根車の構成について
詳述する。
【0016】まず、ポンプ羽根車10は、図1及び図4
に示すように、ポンプケース11の内面においてハブ1
2の外周に、多数の羽根13を所定間隔で円周状に配し
て、隣接する羽根13間にポンプケース11の内周側か
ら外周側へと延びる作動油の流路R1を形成している。
これにより、ポンプ羽根車10がエンジン回転に伴い一
定方向Dに回転し、遠心力により前記流路R1の内周側
に位置する流入口R11から外周側に位置する流出口R
12へと作動油を圧送して排出するようになっている。
なお、前記流路R1の中央には整流リング14が設けら
れ、流路R1を流れる作動油を整流して乱流を防止する
ようになっている。更に、ポンプ羽根車10は、羽根1
3の前記流出口R12側の先端部分(流路R1出口側の
羽根13の角度A1)を、その放射方向rから回転方向
Dと反対方向に約10度乃至55度の角度で傾斜させ、
特に高速回転時のトルクを増大するようになっている。
【0017】タービン羽根車20は、図1及び図5に示
すように、前記ポンプ羽根車10の羽根13に対応し
て、ハブ21に延設されたタービンケース21aの内面
に多数の羽根23を所定間隔で円周状に配し、前記ポン
プ羽根車10の作動油の流路R1と対応するよう、前記
羽根23間に外周側から内周側へと延びる作動油の流路
R2を形成している。これにより、タービン羽根車20
は、前記流路R2の外周側に位置する流入口R21から
内周側に位置する流出口R22へと、前記ポンプ羽根車
10からの作動油を流入させて、前記ポンプ羽根車10
との間に作動油の環流路Rを形成するようになってい
る。なお、前記流路R2の中央には整流リング24が設
けられ、流路R2を流れる作動油を整流して乱流を防止
するようになっている。更に、タービン羽根車20は、
前記ポンプ羽根車10の羽根13角度に対応して、羽根
23の前記流入口R21側の先端部分(流路R2入口側
の羽根23の角度A2)を、その放射方向rから回転方
向Dと同方向に約10度乃至30度の角度で傾斜させ、
ポンプ羽根車10からの作動油を一層効率良く受け止め
て、特に高速回転時のトルク比を増大するようになって
いる。
【0018】ステータ羽根車30は、図6及び図7に示
すように、前記ポンプ羽根車10及びタービン羽根車2
0の羽根13,23の内周側(前記環流路Rの内周側)
部分に対応して、ハブ31の周囲に多数の羽根32を所
定間隔で円周状に配し、前記タービン羽根車20の流路
R2の流出口R22及びポンプ羽根車10の流路R1の
流入口R11と対応するよう、前記羽根32間にタービ
ン羽根車20側からポンプ羽根車10側へと延びる作動
油の流路R3を形成している。これにより、ステータ羽
根車30は、前記タービン羽根車20からポンプ羽根車
10に循環する作動油の方向を、前記ポンプ羽根車10
を付勢する方向に転換するようになっている。更に、ス
テータ羽根車30は、羽根32の翼弦長Lと、流路R3
出口における羽根32の平均流線上のピッチTとの比
が、T/L=1〜1.5程度となる形状となっている。
【0019】次に、上記のように構成された本実施形態
のトルクコンバータの動作を図8に基づき説明する。
【0020】まず、エンジンが運転開始してクランクシ
ャフト5が回転すると、ポンプ羽根車10が、ハウジン
グケース41を介して、エンジンと同一回転数で回転方
向Dに回転する。すると、ポンプ羽根車10の回転によ
る遠心力により、流路R1内の作動油が流出口R12か
ら排出され、タービン羽根車20の流入口R21へ圧送
される。このとき、ポンプ羽根車10の羽根13の流出
口R12側の先端部分が、その放射方向rから回転方向
Dの反対方向に約20度乃至55度の角度A1で傾斜し
ているため、特に高速回転時のトルクが増大する。
【0021】タービン羽根車20の流路R2の流入口R
21へ流入した作動油は、タービン羽根車20の羽根2
3に回転方向Dへの圧力を加えつつ、流路R2に案内さ
れて流出口R22から排出される。このとき、タービン
羽根車20は、ポンプ羽根車10の羽根13の角度に対
応して、羽根2の流入口R21側の先端部分を、その放
射方向rから回転方向Dと同方向に約10度乃至30度
の角度A2で傾斜させているため、ポンプ羽根車10か
らの作動油を効率良く受け止めて、特に高速回転時のト
ルク比が増大する。よって、ストール回転数が上昇し、
ポンプ羽根車10が高回転数のときに、タービン羽根車
20が回転を開始して、コンバータレンジに入る。
【0022】タービン羽根車20の流路R2の流出口R
22から排出された作動油は、ステータ羽根車30の流
路R3の流入口R31に流入し、その流出口R32から
ポンプ羽根車10に向けて流出する。このとき、タービ
ン羽根車20から排出され、ポンプ羽根車10のトルク
を打ち消す方向に流動する作動油の流動方向R2が、ス
テータ羽根車30の羽根32により、ポンプ羽根車10
のトルクを増大する方向R3に転換される。また、ステ
ータ羽根車30は、羽根32の翼弦長Lと、流路R3出
口における羽根32の平均流線上のピッチTとの比を、
T/L=1〜1.5程度となるようにし、従来の0.5
〜1.0より大きなものとしている。即ち、ステータ羽
根車30の羽根32の長さLが従来よりかなり短いもの
となっている。したがって、ステータ羽根車30におけ
る作動油通過時間が長くなり、高い流動作用によって、
より高回転域での伝達動力の損失が減少して、トルク増
大効率を向上することができる。なお、ここでいう流動
作用とは、流れの速さをいう。
【0023】即ち、上記のように構成したトルクコンバ
ータは、コンバータレンジにおいて、ポンプ羽根車10
が回転すると共にタービン羽根車20及びステータ羽根
車30が停止状態にある最大ストール比状態では、作動
油による流体エネルギー保持を高める方向に角度を変更
したポンプ羽根車10から排出された作動油が、高回転
域で流圧を強く受け止める方向に角度を変更されたター
ビン羽根車20に流入するため、タービン羽根車20
は、遅い段階で回転を開始する。また、タービン羽根車
20の羽根23に衝突して流路R2を転じた後、その流
出口R22から排出された作動油は、ステータ羽根車3
0に流入して、ステータ羽根車30の羽根32に衝突
し、作動油の流入口R31側の羽根32先端を短くされ
たステータ羽根車30によって、より高い変転及び流速
の上昇をもって流出される。その後、ステータ羽根車3
0より流出した作動油は、ポンプ羽根車10の流入口R
11に流入して、上記工程を繰り返す。
【0024】そして、コンバータレンジにおいては、ポ
ンプ羽根車10及びタービン羽根車20が回転すると共
にステータ羽根車30が停止状態にあり、かつ、タービ
ン羽根車20がポンプ羽根車10の半分の回転速度の状
態では、羽根13角度を変更されたポンプ羽根車10か
ら排出された作動油は、エネルギーを保持し、タービン
羽根車20へとタービン羽根車20を回転付勢する方向
に流入し、タービン羽根車20の回転を更に加速する。
また、タービン羽根車20から排出された作動油は、ス
テータ羽根車30に上記の場合よりは高い圧力で衝突し
た後、ポンプ羽根車10に向け還流する。
【0025】こうして、コンバータレンジが終了してク
ラッチポイントに達し、カップリングレンジとなるま
で、タービン羽根車20の回転を加速する方向に作動油
流路Rが保持される。その後、カップリングレンジにお
いて、トルクコンバータは、通常のトルクコンバータと
同様、最大トルク比の状態で動作する。このとき、作動
油の流路は図6のR33に示すようになり、ステータ羽
根車30の羽根32の背面に衝突して、ステータ羽根車
30が一方向クラッチ43を介して回転方向Dに回転し
て、トルク比の低下を防止する。
【0026】次に、本実施形態のトルクコンバータの調
整方法を図9及び図10に基づき説明する。
【0027】本実施形態にかかるトルクコンバータの調
整方法は、図9及び図10に示すように、例えば、従来
の汎用トルクコンバータを使用し、まず、分割工程S1
において、ハウジングケース41とポンプ羽根車10の
ポンプケース11との溶接部42を切断して2分割す
る。次に、羽根形状調整工程S2において、ポンプ羽根
車10、タービン羽根車20及びステータ羽根車30の
少なくともいずれか1つの羽根13,23,32形状を
調整する。具体的には、第1の工程において、ポンプ羽
根車10の作動油の流路R1出口側の羽根13の角度
を、その放射方向rから回転方向Dの反対方向に約20
度乃至55度の角度A1で傾斜させる。次に、第2の工
程において、タービン羽根車20の作動油の流路R2入
口側の羽根23の角度を、その放射方向rから回転方向
Dと同方向に約10度乃至30度の角度A2で傾斜させ
る。そして、第3の工程において、ステータ羽根車30
の羽根32の翼弦長Lと、流路R3出口における羽根3
2の平均流線上のピッチTとの比が、T/L=1〜1.
5程度となるよう、ステータ羽根車30の羽根32のポ
ンプ羽根車10側である流入口R31側の部分を切断す
る。
【0028】続いて、端面加工工程S3において、前記
ハウジングケース41及びポンプ羽根車10のポンプケ
ース11の切断部分を再接合可能な形状に端面加工す
る。即ち、ポンプケース11の先端部11aを二点鎖線
位置から切断する。そして、間隔調整工程S4におい
て、ポンプ羽根車10とステータ羽根車30との間のス
ラストベアリング45を、前記端面加工工程S3におけ
る端面加工幅に応じ、所定厚さの薄形のものに交換す
る。同時に、スラストベアリング45に調整シムを付設
して、前記ポンプ羽根車10とステータ羽根車30との
間隔を調整する。即ち、端面加工により減少したポンプ
羽根車10とステータ羽根車30との間の間隔を、スラ
ストベアリング45の交換及び調整シムの付設により調
整する。なお、交換するベアリングとしては、肉厚が薄
く、外部負荷にも強いニードルローラベアリングを使用
することが好ましい。その後、再接合工程S5におい
て、前記ハウジングケース41及びポンプ羽根車10の
ポンプケース11の端面を溶接等により再接合する。
【0029】このようなトルクコンバータの調整方法に
よって、ハウジングケース41とポポンプケース11と
からなる外郭の前後方向が広まり、内部空間が増大す
る。このため、ステータ羽根車20とハウジングケース
41との隙間が増大し、ポンプ羽根車10からタービン
羽根車20へ作動油が遅れて循環するので、ポンプ羽根
車10とタービン羽根車20との回転同期時期が高くな
り、また増圧されて、効率よく動力の伝達ができる。
【0030】なお、ここでは、再接合工程S5でハウジ
ングケース41及びポンプ羽根車10のポンプケース1
1の端面を溶接等により再接合する場合に、図11に示
すように、ハウジングケース41の端面にポンプ羽根車
10のポンプケース11が被さる接合状態の場合につい
て説明したが、逆に、ポンプ羽根車10のポンプケース
11の端面にハウジングケース41が被さるように接合
してもよい。
【0031】ところで、上記実施形態では3要素1段2
層型のトルクコンバータについて説明したが、4要素1
段2層型のトルクコンバータにも具体化でき、同様の効
果を奏する。
【0032】また、上記実施形態のトルクコンバータ及
びその調整方法は、逆回転をするエンジン、トルクコン
バータについても当然のことながら応用は可能であり、
同様の作用効果を奏する。
【0033】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明のトルク
コンバータでは、コンバータレンジでのポンプ羽根車及
びタービン羽根車間の流動作用及び伝達動力を高め、か
つ、コンバータレンジを長期に終了してカップリングレ
ンジとすることができ、高回転域でのエネルギー損失を
大きく減少することができる。したがって、高回転型式
エンジンでのカップリングレンジを使用する高速走行時
に、カップリングレンジのスリップ量を減少して、燃費
性能を向上することができる。また、発進走行からの加
速は、前記流動作用及び伝達動力が高い程、反応が良く
なるため、ストレスのない良好な発進加速性能を得るこ
とができる。しかも、現在の高速道路網の拡充に伴なう
高速走行の一般化において、本発明は、従来よりストー
ル回転数が高く、より高回転でコンバータレンジに入る
ため、高速時でのコントロールが可能となり、また、コ
ントロールが容易となる。更に、エンジン回転特性と変
速機の回転差が少なくなり、全般的にシフトショックが
緩和される。
【0034】請求項2の発明のトルクコンバータでは、
タービン羽根車が、ポンプ羽根車と協働して、請求項1
の発明と同様の効果を増大できる。
【0035】請求項3の発明のトルクコンバータでは、
ステータ羽根車が、ポンプ羽根車及びタービン羽根車と
協働して、請求項1の発明と同様の効果を一層増大でき
る。
【0036】請求項4乃至5の発明では、例えば、既存
の汎用トルクコンバータを改良乃至改造して、請求項1
乃至請求項3に記載の効果を有するトルクコンバータを
安価に製造することができ、また、車種や要求される動
力性能等に応じて、最適な性能のトルクコンバータを提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施形態にかかるトルクコン
バータの基本構成及び作動油の流路を示す説明図であ
る。
【図2】図2は本発明の一実施形態であるトルクコンバ
ータの基本構成を示す分解斜視図である。
【図3】図3は本発明の一実施形態であるトルクコンバ
ータの概略構成を示す断面図である。
【図4】図4は本発明の一実施形態であるトルクコンバ
ータのポンプ羽根車の羽根角度を示す説明図である。
【図5】図5は本発明の一実施形態であるトルクコンバ
ータのタービン羽根車の羽根角度を示す説明図である。
【図6】図6は本発明の一実施形態であるトルクコンバ
ータのステータ羽根車を示す斜視図である。
【図7】図7は本発明の一実施形態であるトルクコンバ
ータのステータ羽根車の羽根長さを示す説明図である。
【図8】図8は本発明の一実施形態であるトルクコンバ
ータの動作時における作動油の流動状態を示す説明図で
ある。
【図9】図9は本発明の一実施形態にかかるトルクコン
バータの調整方法を示す工程図である。
【図10】図10は本発明の一実施形態であるトルクコ
ンバータの調整方法における外殻の要部を示す説明図で
あり、(a)は分割工程前の状態、(b)は分割工程直
後の状態、(c)は端面加工工程後の状態を示す。
【符号の説明】
10 ポンプ羽根車 11 ポンプケース 13 羽根 20 タービン羽根車 23 羽根 30 ステータ羽根車 32 羽根 41 ハウジングケース A1,A2 角度 D 回転方向 L 翼弦長 r 放射方向 R1,R2,R3 流路 T ピッチ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の羽根を所定間隔で円周状に配し、
    前記羽根間に作動油の流路を形成するポンプ羽根車と、
    前記ポンプ羽根車の羽根に対向して多数の羽根を所定間
    隔で円周状に配し、それらの羽根間に前記ポンプ羽根車
    の流路と対向する作動油の流路を形成するタービン羽根
    車と、前記ポンプ羽根車及びタービン羽根車間で、それ
    らの羽根の内周側に対向して多数の羽根を円周状に配
    し、前記タービン羽根車からポンプ羽根車に環流する作
    動油の方向を、前記ポンプ羽根車を回転付勢する方向に
    転換するステータ羽根車とを具備するトルクコンバータ
    において、 前記ポンプ羽根車の作動油の流路出口側の羽根の角度
    を、既存の羽根角度よりその放射方向から回転方向に約
    20度乃至55度の角度で反回転方向に傾斜させたこと
    を特徴とするトルクコンバータ。
  2. 【請求項2】 前記タービン羽根車の作動油の流路入口
    側の羽根の角度を、その放射方向から回転方向と同方向
    に約10度乃至30度の角度で傾斜させたことを特徴と
    する請求項1に記載のトルクコンバータ。
  3. 【請求項3】 前記ステータ羽根車の羽根の翼弦長L
    と、流路出口における羽根の平均流線上のピッチTとの
    比を、T/L=1〜1.5程度としたことを特徴とする
    請求項2に記載のトルクコンバータ。
  4. 【請求項4】 ハウジングケースとポンプ羽根車のケー
    スとの溶接部を切断して2分割する分割工程と、 前記ポンプ羽根車の作動油の流路出口側の羽根の角度
    を、その放射方向から反回転方向に約20度乃至55度
    の角度で傾斜させる第1の工程と、タービン羽根車の作
    動油の流路入口側の羽根の角度を、その放射方向から回
    転方向と同方向に約10度乃至30度の角度で傾斜させ
    る第2の工程とを有する羽根形状調整工程と、 前記ハウジングケース及びポンプ羽根車のケースの切断
    部分を再接合可能な形状に端面加工する端面加工工程
    と、 前記ポンプ羽根車とステータ羽根車との間のスラストベ
    アリングを、前記端面加工工程における端面加工幅に応
    じ、所定厚さの薄形のものに交換すると共に調整シムを
    付設して、前記ポンプ羽根車とステータ羽根車との間隔
    を調整する間隔調整工程と、 前記ハウジングケース及びポンプ羽根車のケースの端面
    を再接合する再接合工程とを具備することを特徴とする
    トルクコンバータの調整方法。
  5. 【請求項5】 前記羽根形状調整工程は、更に、ステー
    タ羽根車の羽根の翼弦長Lと、流路出口における羽根の
    平均流線上のピッチTとの比が、T/L=1〜1.5程
    度となるようにステータ羽根車の羽根のポンプ羽根車側
    の部分を切断する第3の工程を有することを特徴とする
    請求項4に記載のトルクコンバータの調整方法。
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