JPH11172596A - 紙用処理剤及び紙の処理方法 - Google Patents
紙用処理剤及び紙の処理方法Info
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- JPH11172596A JPH11172596A JP33449497A JP33449497A JPH11172596A JP H11172596 A JPH11172596 A JP H11172596A JP 33449497 A JP33449497 A JP 33449497A JP 33449497 A JP33449497 A JP 33449497A JP H11172596 A JPH11172596 A JP H11172596A
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- urethane polymer
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 作業上ホルムアルデヒドの発生がなく、且つ
紙に処理した場合、紙の使用上ホルムアルデヒドの発生
がなく、少量で寸法安定性に対して優れた効果のある紙
用処理剤及びその処理方法を提供する。 【解決手段】 脂肪族イソシアネートと特定の構造を有
するポリエーテルモノオールとを反応させて得られる水
性ウレタンポリマー、特に好適には脂肪族イソシアネー
トが2,5−及び/又は2,6−ジイソシアナトメチル
ビシクロ[2.2.1]ヘプタンである水性ウレタンポ
リマーを含有する紙用処理剤及びその処理方法。
紙に処理した場合、紙の使用上ホルムアルデヒドの発生
がなく、少量で寸法安定性に対して優れた効果のある紙
用処理剤及びその処理方法を提供する。 【解決手段】 脂肪族イソシアネートと特定の構造を有
するポリエーテルモノオールとを反応させて得られる水
性ウレタンポリマー、特に好適には脂肪族イソシアネー
トが2,5−及び/又は2,6−ジイソシアナトメチル
ビシクロ[2.2.1]ヘプタンである水性ウレタンポ
リマーを含有する紙用処理剤及びその処理方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脂肪族ポリイソシ
アネートと特定のポリエーテルモノールとを反応させて
得られる水性ウレタンポリマーを含有することを特徴と
する紙用処理剤、及びそれを用いる紙の処理方法に関す
る。本発明の紙用処理剤及びそれを用いる紙の処理方法
は、紙の寸法安定性を向上させる処理剤及び処理方法と
して有用である。
アネートと特定のポリエーテルモノールとを反応させて
得られる水性ウレタンポリマーを含有することを特徴と
する紙用処理剤、及びそれを用いる紙の処理方法に関す
る。本発明の紙用処理剤及びそれを用いる紙の処理方法
は、紙の寸法安定性を向上させる処理剤及び処理方法と
して有用である。
【0002】
【従来の技術】紙用処理剤は、パルプ化工程及び抄紙工
程前半の紙料に添加される内添薬剤、抄紙工程後半で形
成された紙匹に含浸加工、サイズプレス、コーティン
グ、スプレー塗布等の方法で含浸される含浸薬剤があ
る。従来の内添薬剤としては、苛性ソーダや亜硫酸ソー
ダ等の漂白剤、ロジンやデンプン等のサイズ剤、ポリビ
ニルアルコール樹脂やポリアクリルアミド等の乾燥紙力
増強剤、メラミン・ホルマリン樹脂や尿素・ホルマリン
樹脂等の湿潤時紙力増強剤等が用いられていた。また、
含浸薬剤としては、ポリビニルアルコールやデンプン等
の表面強度向上剤、ゼラチン等のサイズ剤、樹脂系ラテ
ックス等の紙力増強剤等が用いられてきた。特にホルマ
リン系樹脂はサイズ剤、紙力増強剤、耐水処理剤、難燃
剤等幅広い用途で用いられてきた。
程前半の紙料に添加される内添薬剤、抄紙工程後半で形
成された紙匹に含浸加工、サイズプレス、コーティン
グ、スプレー塗布等の方法で含浸される含浸薬剤があ
る。従来の内添薬剤としては、苛性ソーダや亜硫酸ソー
ダ等の漂白剤、ロジンやデンプン等のサイズ剤、ポリビ
ニルアルコール樹脂やポリアクリルアミド等の乾燥紙力
増強剤、メラミン・ホルマリン樹脂や尿素・ホルマリン
樹脂等の湿潤時紙力増強剤等が用いられていた。また、
含浸薬剤としては、ポリビニルアルコールやデンプン等
の表面強度向上剤、ゼラチン等のサイズ剤、樹脂系ラテ
ックス等の紙力増強剤等が用いられてきた。特にホルマ
リン系樹脂はサイズ剤、紙力増強剤、耐水処理剤、難燃
剤等幅広い用途で用いられてきた。
【0003】しかしながら、ホルマリン系樹脂は原料と
して有毒なホルマリンを使用するため、作業環境性、安
全性に問題を有していた。さらに、含浸後の紙に含まれ
る未反応の過剰分や樹脂の分解によりホルムアルデヒド
が発生する恐れがあり、健康への被害が大きく問題視さ
れてきた。これを背景に、ホルマリン系樹脂を別の樹脂
で代替しようとする動きが盛んになってきたため、様々
な用途別に各々適した非ホルマリン系樹脂の開発が進め
られてきている。
して有毒なホルマリンを使用するため、作業環境性、安
全性に問題を有していた。さらに、含浸後の紙に含まれ
る未反応の過剰分や樹脂の分解によりホルムアルデヒド
が発生する恐れがあり、健康への被害が大きく問題視さ
れてきた。これを背景に、ホルマリン系樹脂を別の樹脂
で代替しようとする動きが盛んになってきたため、様々
な用途別に各々適した非ホルマリン系樹脂の開発が進め
られてきている。
【0004】また、ホルマリン系樹脂は上記用途目的を
達成すると同時に、寸法安定性に対しても若干の効果を
有していたので、比較的大量に塗工することにより必要
な寸法安定効果を得ていた。しかし、前述の理由によ
り、ホルマリン系樹脂の使用削減が課題となってきたた
め、少量で寸法安定性に優れた非ホルマリン系寸法安定
剤が強く望まれていた。現在使われている紙力増強剤や
表面強度増強剤を用いても、寸法安定性に対して多少の
効果があるものの、十分な効果は得られていない。
達成すると同時に、寸法安定性に対しても若干の効果を
有していたので、比較的大量に塗工することにより必要
な寸法安定効果を得ていた。しかし、前述の理由によ
り、ホルマリン系樹脂の使用削減が課題となってきたた
め、少量で寸法安定性に優れた非ホルマリン系寸法安定
剤が強く望まれていた。現在使われている紙力増強剤や
表面強度増強剤を用いても、寸法安定性に対して多少の
効果があるものの、十分な効果は得られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、作業
上ホルムアルデヒドの発生がなく、且つ紙に処理した場
合、紙の使用上ホルムアルデヒドの発生がなく、少量で
寸法安定性に対して優れた効果のある紙用処理剤及びそ
の処理方法を提供することを課題とする。
上ホルムアルデヒドの発生がなく、且つ紙に処理した場
合、紙の使用上ホルムアルデヒドの発生がなく、少量で
寸法安定性に対して優れた効果のある紙用処理剤及びそ
の処理方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討を行った結果、脂肪族イソシア
ネートと特定の構造を有するポリエーテルモノオールと
を反応させて得られる水性ウレタンポリマーを含有する
紙用処理剤が、寸法安定性向上の点で非常に優れること
を見い出し、更に検討を重ねて本発明に到達した。
を解決するため鋭意検討を行った結果、脂肪族イソシア
ネートと特定の構造を有するポリエーテルモノオールと
を反応させて得られる水性ウレタンポリマーを含有する
紙用処理剤が、寸法安定性向上の点で非常に優れること
を見い出し、更に検討を重ねて本発明に到達した。
【0007】即ち本発明は、(1)脂肪族ポリイソシア
ネートと、式(1)〔化2〕
ネートと、式(1)〔化2〕
【化2】 (式中、R1は水素またはメチル基を示し、R2は炭素数
1〜8の炭化水素基を示し、nは3以上の整数を示す)
で表されるポリエーテルモノオールとを反応させて得ら
れる水性ウレタンポリマーを含有することを特徴とする
紙用処理剤であり、(2)脂肪族イソシアネートが2,
5−及び/又は2,6−ジイソシアナトメチルビシクロ
[2.2.1]ヘプタンである前記(1)記載の紙用処
理剤であり、(3)前記(1)記載の紙用処理剤を用い
る紙の処理方法、及び(4)前記(2)記載の紙用処理
剤を用いる紙の処理方法である。
1〜8の炭化水素基を示し、nは3以上の整数を示す)
で表されるポリエーテルモノオールとを反応させて得ら
れる水性ウレタンポリマーを含有することを特徴とする
紙用処理剤であり、(2)脂肪族イソシアネートが2,
5−及び/又は2,6−ジイソシアナトメチルビシクロ
[2.2.1]ヘプタンである前記(1)記載の紙用処
理剤であり、(3)前記(1)記載の紙用処理剤を用い
る紙の処理方法、及び(4)前記(2)記載の紙用処理
剤を用いる紙の処理方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明に係る紙用処理剤に含有される水性ウレタンポリ
マーは、脂肪族ポリイソシアネートとポリエーテルモノ
オールとを反応させることにより製造することができ
る。
本発明に係る紙用処理剤に含有される水性ウレタンポリ
マーは、脂肪族ポリイソシアネートとポリエーテルモノ
オールとを反応させることにより製造することができ
る。
【0009】本発明において使用される脂肪族ポリイソ
シアネートとしては、1分子当り2個以上、好ましくは
1分子当り2〜4個のイソシアナト基を有する脂肪族ポ
リイソシアネートであれば特に限定されないが、好まし
くは1,6−ジイソシアナトヘキサン、1−イソシアナ
ト−3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチル
シクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート)、1,
3−及び/又は1,4−ジイソシアナトメチルベンゼン
(キシリレンジイソシアネート)、2,5−及び/又は
2,6−ジイソシアナトメチルビシクロ[2.2.1]
ヘプタン、4,4’−ジイソシアナトジシクロヘキシル
メタン、1,3−ジイソシアナト−4−メチルシクロヘ
キサン及び/又は1,3−ジイソシアナト−2−メチル
シクロヘキサン、1,3−及び/又は1,4−ジイソシ
アナトメチルシクロヘキサンからなる群から選ばれる1
種又は2種以上の脂肪族ポリイソシアネートであり、更
に好ましくは2,5−及び/又は2,6−ジイソシアナ
トメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタンである。ま
た、脂肪族ポリイソシアネートを2量化(ダイマー化)
したもの、3量化(イソシアヌレート化)したもの、及
び炭素数12以下で活性水素基を2つ以上有する多官能
化合物でプレポリマー化したものも好適に用いられる。
炭素数12以下で活性水素基を2つ以上有する多官能化
合物としては、グリセリン、トリメチロールプロパン、
トリエタノールアミン、ジエチレントリアミン等を例示
することができる。
シアネートとしては、1分子当り2個以上、好ましくは
1分子当り2〜4個のイソシアナト基を有する脂肪族ポ
リイソシアネートであれば特に限定されないが、好まし
くは1,6−ジイソシアナトヘキサン、1−イソシアナ
ト−3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチル
シクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート)、1,
3−及び/又は1,4−ジイソシアナトメチルベンゼン
(キシリレンジイソシアネート)、2,5−及び/又は
2,6−ジイソシアナトメチルビシクロ[2.2.1]
ヘプタン、4,4’−ジイソシアナトジシクロヘキシル
メタン、1,3−ジイソシアナト−4−メチルシクロヘ
キサン及び/又は1,3−ジイソシアナト−2−メチル
シクロヘキサン、1,3−及び/又は1,4−ジイソシ
アナトメチルシクロヘキサンからなる群から選ばれる1
種又は2種以上の脂肪族ポリイソシアネートであり、更
に好ましくは2,5−及び/又は2,6−ジイソシアナ
トメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタンである。ま
た、脂肪族ポリイソシアネートを2量化(ダイマー化)
したもの、3量化(イソシアヌレート化)したもの、及
び炭素数12以下で活性水素基を2つ以上有する多官能
化合物でプレポリマー化したものも好適に用いられる。
炭素数12以下で活性水素基を2つ以上有する多官能化
合物としては、グリセリン、トリメチロールプロパン、
トリエタノールアミン、ジエチレントリアミン等を例示
することができる。
【0010】本発明に好ましく使用される脂肪族ポリイ
ソシアネートは、各々公知の方法で製造することができ
る。例えば、2,5−及び/又は2,6−ジイソシアナ
トメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタンは、特開平3
−220167号公報に記載の、酢酸イソアミルとo−
ジクロロベンゼンの混合溶媒を用い2,5−及び/又は
2,6−ジアミノメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ
ンと塩酸ガスで2,5−及び/又は2,6−ジアミノメ
チルビシクロ[2.2.1]ヘプタンの塩酸塩を得、1
60℃でホスゲンを理論量の約2.2倍吹き込みホスゲ
ン化を行い、反応終了後、不活性ガスを吹き込み系内の
ホスゲンを除去し、その後溶媒を除き、減圧下精留する
方法等で製造される。
ソシアネートは、各々公知の方法で製造することができ
る。例えば、2,5−及び/又は2,6−ジイソシアナ
トメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタンは、特開平3
−220167号公報に記載の、酢酸イソアミルとo−
ジクロロベンゼンの混合溶媒を用い2,5−及び/又は
2,6−ジアミノメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ
ンと塩酸ガスで2,5−及び/又は2,6−ジアミノメ
チルビシクロ[2.2.1]ヘプタンの塩酸塩を得、1
60℃でホスゲンを理論量の約2.2倍吹き込みホスゲ
ン化を行い、反応終了後、不活性ガスを吹き込み系内の
ホスゲンを除去し、その後溶媒を除き、減圧下精留する
方法等で製造される。
【0011】本発明において、脂肪族ポリイソシアネー
トと反応させるポリエーテルモノオールは、式(1)
〔化3〕
トと反応させるポリエーテルモノオールは、式(1)
〔化3〕
【化3】 で表わされる化合物である。ここで、R1は水素原子ま
たはメチル基を示し、R2は炭素数1〜8の炭化水素基
を示し、nは3以上の整数を示す。
たはメチル基を示し、R2は炭素数1〜8の炭化水素基
を示し、nは3以上の整数を示す。
【0012】式(1)のポリエーテルモノオールのR2
で表される炭化水素基としては、炭素数1〜8の炭化水
素基であれば特に限定されないが、メチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシル
基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基等の脂肪
族炭化水素基、フェニル基、トリル基等の芳香族炭化水
素基、及びフェニルメチル基、2−フェニルエチル基等
の芳香脂肪族炭化水素基等を例示することができる。
で表される炭化水素基としては、炭素数1〜8の炭化水
素基であれば特に限定されないが、メチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシル
基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基等の脂肪
族炭化水素基、フェニル基、トリル基等の芳香族炭化水
素基、及びフェニルメチル基、2−フェニルエチル基等
の芳香脂肪族炭化水素基等を例示することができる。
【0013】また、式(1)のポリエーテルモノオール
のnの数は、3以上の整数であり、好ましくは3以上3
00以下の整数であり、更に好ましくは3以上100以
下の整数である。nが2または1のものを用いて脂肪族
ポリイソシアネートと反応させた場合、得られたウレタ
ン化合物の水溶性が低くなって満足な水性液を調製する
ことが困難になる場合が多いため好ましくない。また、
nが非常に大きくなると、ポリエーテルモノオールの分
子量が大きくなって単位重量当りのOH基数が減少し脂
肪族ポリイソシアネート成分との反応に際して十分な反
応活性が得られなかったり、取り扱いが困難になったり
といった不都合が生じる場合がある。このため、実用上
のnの数は好ましくは3以上300以下、更に好ましく
は3以上100以下の範囲である。
のnの数は、3以上の整数であり、好ましくは3以上3
00以下の整数であり、更に好ましくは3以上100以
下の整数である。nが2または1のものを用いて脂肪族
ポリイソシアネートと反応させた場合、得られたウレタ
ン化合物の水溶性が低くなって満足な水性液を調製する
ことが困難になる場合が多いため好ましくない。また、
nが非常に大きくなると、ポリエーテルモノオールの分
子量が大きくなって単位重量当りのOH基数が減少し脂
肪族ポリイソシアネート成分との反応に際して十分な反
応活性が得られなかったり、取り扱いが困難になったり
といった不都合が生じる場合がある。このため、実用上
のnの数は好ましくは3以上300以下、更に好ましく
は3以上100以下の範囲である。
【0014】本発明に用いる式(1)のポリエーテルモ
ノオール化合物としては、トリエチレングリコールモノ
メチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチル
エーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテ
ルをはじめとし、nの数のより大きなポリエチレングリ
コールモノエーテル、ポリプロピレングリコールモノエ
ーテル、及びエチレン鎖とプロピレン鎖が混合したポリ
エチレンポリプロピレングリコールモノエーテル等及び
それらの混合物を例示することができるが、これらには
限定されない。
ノオール化合物としては、トリエチレングリコールモノ
メチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチル
エーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテ
ルをはじめとし、nの数のより大きなポリエチレングリ
コールモノエーテル、ポリプロピレングリコールモノエ
ーテル、及びエチレン鎖とプロピレン鎖が混合したポリ
エチレンポリプロピレングリコールモノエーテル等及び
それらの混合物を例示することができるが、これらには
限定されない。
【0015】これらポリエーテルモノオールは公知のい
かなる方法でも製造できるが、一般的には、R2で表わ
される炭素数1〜8の炭化水素基を有するアルコールを
出発物質として、エチレンオキシド及び/又はプロピレ
ンオキシドを重合させる方法で製造される。このような
方法で製造した場合、一般的にnの数の異なる化合物の
混合物が得られるが、本発明においてはこのような混合
物も好適に用いられる。
かなる方法でも製造できるが、一般的には、R2で表わ
される炭素数1〜8の炭化水素基を有するアルコールを
出発物質として、エチレンオキシド及び/又はプロピレ
ンオキシドを重合させる方法で製造される。このような
方法で製造した場合、一般的にnの数の異なる化合物の
混合物が得られるが、本発明においてはこのような混合
物も好適に用いられる。
【0016】本発明に係る紙用処理剤に含有される水性
ウレタンポリマーは、脂肪族ポリイソシアネートとポリ
エーテルモノオールとを反応させて得られたものであれ
ば特に限定されないが、通常は脂肪族ポリイソシアネー
トに含まれるNCO基とポリエーテルモノオールに含ま
れるOH基との比が、NCO基/OH基=0.5〜4.
0、好ましくはNCO基/OH基=0.8〜2.0にな
るような割合で反応させたものである。このような反応
物は、NCO基とOH基の比や脂肪族ポリイソシアネー
トの種類及び1分子当りのNCO基の数等によって変化
するが、NCO基がすべてポリエーテルモノオールと反
応した化合物、一部のNCO基が未反応である化合物、
未反応の脂肪族ポリイソシアネート、及び未反応のポリ
エーテルモノオールの混合物となる。NCO基/OH基
比が0.5未満の場合、未反応のポリエーテルモノオー
ルが多くなり、得られた反応物のウレタンとしての性質
が低下するため好ましくない。またNCO基/OH基比
が4.0を越えると、一部のNCO基が未反応である化
合物や未反応の脂肪族ポリイソシアネートが多くなり、
得られた反応物を水性液とすることが困難になったり水
中での安定性が低下したりするため好ましくない。
ウレタンポリマーは、脂肪族ポリイソシアネートとポリ
エーテルモノオールとを反応させて得られたものであれ
ば特に限定されないが、通常は脂肪族ポリイソシアネー
トに含まれるNCO基とポリエーテルモノオールに含ま
れるOH基との比が、NCO基/OH基=0.5〜4.
0、好ましくはNCO基/OH基=0.8〜2.0にな
るような割合で反応させたものである。このような反応
物は、NCO基とOH基の比や脂肪族ポリイソシアネー
トの種類及び1分子当りのNCO基の数等によって変化
するが、NCO基がすべてポリエーテルモノオールと反
応した化合物、一部のNCO基が未反応である化合物、
未反応の脂肪族ポリイソシアネート、及び未反応のポリ
エーテルモノオールの混合物となる。NCO基/OH基
比が0.5未満の場合、未反応のポリエーテルモノオー
ルが多くなり、得られた反応物のウレタンとしての性質
が低下するため好ましくない。またNCO基/OH基比
が4.0を越えると、一部のNCO基が未反応である化
合物や未反応の脂肪族ポリイソシアネートが多くなり、
得られた反応物を水性液とすることが困難になったり水
中での安定性が低下したりするため好ましくない。
【0017】本発明に係る紙用処理剤に含有される水性
ウレタンポリマーを得るための脂肪族ポリイソシアネー
トとポリエーテルモノオールとの反応方法としては、一
般的に知られているポリイソシアネートとポリオール化
合物との反応方法を応用することができ特に限定されな
いが、例えば、脂肪族ポリイソシアネートにポリエーテ
ルモノオールを加えていくか又はポリエーテルモノオー
ルに脂肪族ポリイソシアネートを加えていく方法で行う
ことができる。反応は、無溶媒又はNCO基に対して不
活性な溶媒の存在下のどちらでも行うことができる。反
応に際しては、触媒は使用しても使用しなくても良い
が、使用する場合は有機スズ系触媒等の有機金属系触媒
が好ましく用いられる。触媒使用量は、脂肪族ポリイソ
シアネートに対して、通常0.001〜5重量%、好ま
しくは0.01〜2重量%の範囲である。反応温度は、
使用する脂肪族ポリイソシアネートの種類、触媒の使用
有無、及び溶媒の使用有無によって変化するが、通常0
〜200℃の範囲であり、好ましくは40〜150℃の
範囲である。
ウレタンポリマーを得るための脂肪族ポリイソシアネー
トとポリエーテルモノオールとの反応方法としては、一
般的に知られているポリイソシアネートとポリオール化
合物との反応方法を応用することができ特に限定されな
いが、例えば、脂肪族ポリイソシアネートにポリエーテ
ルモノオールを加えていくか又はポリエーテルモノオー
ルに脂肪族ポリイソシアネートを加えていく方法で行う
ことができる。反応は、無溶媒又はNCO基に対して不
活性な溶媒の存在下のどちらでも行うことができる。反
応に際しては、触媒は使用しても使用しなくても良い
が、使用する場合は有機スズ系触媒等の有機金属系触媒
が好ましく用いられる。触媒使用量は、脂肪族ポリイソ
シアネートに対して、通常0.001〜5重量%、好ま
しくは0.01〜2重量%の範囲である。反応温度は、
使用する脂肪族ポリイソシアネートの種類、触媒の使用
有無、及び溶媒の使用有無によって変化するが、通常0
〜200℃の範囲であり、好ましくは40〜150℃の
範囲である。
【0018】本発明に係る紙用処理剤の調製方法は、固
形分として前記水性ウレタンポリマーを水で希釈し、混
合することにより得られる。この際、固形分(不揮発成
分)と水の割合は任意の割合で混合してよい。また、こ
の紙用処理剤は非常に優れた安定性を有し、長期貯蔵が
可能である。
形分として前記水性ウレタンポリマーを水で希釈し、混
合することにより得られる。この際、固形分(不揮発成
分)と水の割合は任意の割合で混合してよい。また、こ
の紙用処理剤は非常に優れた安定性を有し、長期貯蔵が
可能である。
【0019】紙用処理剤は、そのまま用いても、使用す
る直前に希釈してもなんら差し支えない。また、必要に
より紙力増強剤、レベリング剤、消泡剤、浸透剤、着色
顔料、増粘剤等の各種添加剤を混合してよく、紙用処理
剤を調製する時に添加しても、使用する直前に添加して
もよい。
る直前に希釈してもなんら差し支えない。また、必要に
より紙力増強剤、レベリング剤、消泡剤、浸透剤、着色
顔料、増粘剤等の各種添加剤を混合してよく、紙用処理
剤を調製する時に添加しても、使用する直前に添加して
もよい。
【0020】本発明の紙用処理剤を含浸薬剤として用い
る際の水性ウレタンポリマー濃度は、固形分量として、
通常0.1〜25重量%、好ましくは1〜10重量%の
範囲である。
る際の水性ウレタンポリマー濃度は、固形分量として、
通常0.1〜25重量%、好ましくは1〜10重量%の
範囲である。
【0021】本発明でいう紙とは、木材、わら、竹や
葦、サトウキビ粕など、セルロース系のパルプ繊維及び
/又は古紙パルプ原料を主成分とする紙料を用いた紙で
あればよく、紙料中に合成樹脂を含有していてもよい。
具体的には段ボール原紙、各種印刷用紙、各種包装用紙
等があげられる。
葦、サトウキビ粕など、セルロース系のパルプ繊維及び
/又は古紙パルプ原料を主成分とする紙料を用いた紙で
あればよく、紙料中に合成樹脂を含有していてもよい。
具体的には段ボール原紙、各種印刷用紙、各種包装用紙
等があげられる。
【0022】本発明に係る紙用処理剤を用いた紙の処理
方法は、少なくとも内添又は含浸工程と熱処理工程とを
含むことを特徴とする。
方法は、少なくとも内添又は含浸工程と熱処理工程とを
含むことを特徴とする。
【0023】内添工程は、紙用処理剤を紙料中に添加す
る工程であり、含浸工程は、抄紙工程で形成された紙匹
に紙用処理剤を含浸する方法であるか、一旦抄造、乾燥
された原紙に対して再加工する工程であってもよい。こ
れらの方法のうち、紙匹に含有させる方法が特に好まし
く用いられる。
る工程であり、含浸工程は、抄紙工程で形成された紙匹
に紙用処理剤を含浸する方法であるか、一旦抄造、乾燥
された原紙に対して再加工する工程であってもよい。こ
れらの方法のうち、紙匹に含有させる方法が特に好まし
く用いられる。
【0024】含浸方法は、サイズプレス、含浸加工、コ
ーティング、スプレー塗布等の一般的な方法を適宜選択
して行うことができるが、、好ましくはサイズプレス、
含浸加工で含浸させる方法がよい。サイズプレス、含浸
加工で行う際の含浸時間は、紙の種類によっても異なる
が、通常1秒〜10分、好ましくは10秒〜5分の範囲
である。
ーティング、スプレー塗布等の一般的な方法を適宜選択
して行うことができるが、、好ましくはサイズプレス、
含浸加工で含浸させる方法がよい。サイズプレス、含浸
加工で行う際の含浸時間は、紙の種類によっても異なる
が、通常1秒〜10分、好ましくは10秒〜5分の範囲
である。
【0025】熱処理工程は、必要により予備乾燥した
後、熱処理する。この際、紙の熱処理方式は懸垂式であ
っても抄紙工程のような連続式であってもよく、熱処理
装置としては、一般に用いられる乾燥機、抄紙機ドライ
ヤー、ヤンキードライヤー等を用いることができる。
後、熱処理する。この際、紙の熱処理方式は懸垂式であ
っても抄紙工程のような連続式であってもよく、熱処理
装置としては、一般に用いられる乾燥機、抄紙機ドライ
ヤー、ヤンキードライヤー等を用いることができる。
【0026】熱処理温度は、一般には水の蒸発する温度
であればよいが、好ましくは50℃以上から紙に影響を
及ぼさない範囲の温度、即ち、120℃位迄がよい。ま
た、熱処理時間は、熱処理温度や装置等によって異な
り、特に限定するものではないが、好ましくは10秒〜
15分の範囲である。
であればよいが、好ましくは50℃以上から紙に影響を
及ぼさない範囲の温度、即ち、120℃位迄がよい。ま
た、熱処理時間は、熱処理温度や装置等によって異な
り、特に限定するものではないが、好ましくは10秒〜
15分の範囲である。
【0027】本発明に係る処理方法による処理剤の固形
分としての含浸量は、処理される紙の重量に対して、通
常0.5〜20重量%であり、好ましくは1〜15重量
%の範囲である。含浸量が0.5重量%未満であると、
紙に占める固形分が少なすぎて十分な寸法安定性の効果
が得られない。また、20重量%を越えると、寸法安定
性の効果はでるものの、使用量に見合った効果は得られ
ず、不経済である。
分としての含浸量は、処理される紙の重量に対して、通
常0.5〜20重量%であり、好ましくは1〜15重量
%の範囲である。含浸量が0.5重量%未満であると、
紙に占める固形分が少なすぎて十分な寸法安定性の効果
が得られない。また、20重量%を越えると、寸法安定
性の効果はでるものの、使用量に見合った効果は得られ
ず、不経済である。
【0028】本発明の紙用処理剤は、耐熱性、耐候性、
耐黄変性に優れ、この水溶液は安定性が良好で取り扱い
も容易であるという高い性能を有しており、寸法安定性
に対して効果があり、特に水中における寸法安定性に対
して優れた効果があるため、壁紙、フィルター、家庭用
紙等の加工薬品として使用でき、特に壁紙に好適に使用
される。
耐黄変性に優れ、この水溶液は安定性が良好で取り扱い
も容易であるという高い性能を有しており、寸法安定性
に対して効果があり、特に水中における寸法安定性に対
して優れた効果があるため、壁紙、フィルター、家庭用
紙等の加工薬品として使用でき、特に壁紙に好適に使用
される。
【0029】
【実施例】以下、実施例を示して本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、
以下例中に於いて用いる%は特記のない限り重量基準を
示す。
するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、
以下例中に於いて用いる%は特記のない限り重量基準を
示す。
【0030】合成例1 温度計、滴下ロート及び撹拌装置を備えた1リッターの
フラスコに、2,5−及び2,6−ジイソシアナトメチ
ルビシクロ[2.2.1]ヘプタンの混合物(以下NB
DIと記す)78.5g(0.38モル)を入れ、撹拌
しながら120℃に昇温した。ここにポリエチレングリ
コールモノメチルエーテル(平均分子量:550、商品
名:ユニオックスM−550(日本油脂株式会社製))
421.5g(0.77モル)を1時間かけて滴下し、
滴下終了後撹拌しながら120℃で2時間、更に140
℃で2時間反応させてウレタンポリマーを得た。反応終
了後、JIS K1603に従いNCO濃度を測定した
ところ、0.1%以下であった。
フラスコに、2,5−及び2,6−ジイソシアナトメチ
ルビシクロ[2.2.1]ヘプタンの混合物(以下NB
DIと記す)78.5g(0.38モル)を入れ、撹拌
しながら120℃に昇温した。ここにポリエチレングリ
コールモノメチルエーテル(平均分子量:550、商品
名:ユニオックスM−550(日本油脂株式会社製))
421.5g(0.77モル)を1時間かけて滴下し、
滴下終了後撹拌しながら120℃で2時間、更に140
℃で2時間反応させてウレタンポリマーを得た。反応終
了後、JIS K1603に従いNCO濃度を測定した
ところ、0.1%以下であった。
【0031】合成例2 ポリエチレングリコールモノメチルエーテルを522.
5g(0.95モル)使用した以外は合成例1と同様の
方法で反応を行い、ウレタンポリマーを得た。
5g(0.95モル)使用した以外は合成例1と同様の
方法で反応を行い、ウレタンポリマーを得た。
【0032】合成例3 還流冷却器、温度計、滴下ロート及び撹拌装置を備えた
1リッターのフラスコに、NBDIを20.6g(0.
10モル)、ジブチルチンジラウレート0.03g、及
びアセトン120gを入れ、撹拌しながら60℃に昇温
してアセトンが穏やかに還流する状態にした。ここにポ
リエチレングリコールモノメチルエーテル(平均分子
量:2000、商品名:ユニオックスM−2000(日
本油脂株式会社製))400.0g(0.20モル)を
アセトン200gに溶解させた溶液を1時間かけて滴下
し、滴下終了後撹拌しながら更にアセトン還流条件で3
時間反応させた。反応終了後、ロータリーエバポレータ
ーで減圧下にアセトンを留去し、ウレタンポリマーを得
た。得られたウレタンポリマーは無色の粘稠液状であ
り、そのNCO濃度は0.1%以下であった。
1リッターのフラスコに、NBDIを20.6g(0.
10モル)、ジブチルチンジラウレート0.03g、及
びアセトン120gを入れ、撹拌しながら60℃に昇温
してアセトンが穏やかに還流する状態にした。ここにポ
リエチレングリコールモノメチルエーテル(平均分子
量:2000、商品名:ユニオックスM−2000(日
本油脂株式会社製))400.0g(0.20モル)を
アセトン200gに溶解させた溶液を1時間かけて滴下
し、滴下終了後撹拌しながら更にアセトン還流条件で3
時間反応させた。反応終了後、ロータリーエバポレータ
ーで減圧下にアセトンを留去し、ウレタンポリマーを得
た。得られたウレタンポリマーは無色の粘稠液状であ
り、そのNCO濃度は0.1%以下であった。
【0033】合成例4 ポリエチレングリコールモノメチルエーテルのかわりに
ポリエチレンポリプロピレングリコールモノメチルエー
テル(平均分子量:750、商品名:ユニオックスM−
750i(日本油脂株式会社製))135.5g(0.
18モル)を使用した以外は合成例3と同様の方法で反
応を行いウレタンポリマーを得た。
ポリエチレンポリプロピレングリコールモノメチルエー
テル(平均分子量:750、商品名:ユニオックスM−
750i(日本油脂株式会社製))135.5g(0.
18モル)を使用した以外は合成例3と同様の方法で反
応を行いウレタンポリマーを得た。
【0034】合成例5 NBDIのかわりに1,6−ジイソシアナトヘキサン6
7.2g(0.40モル)を使用した以外は合成例1と
同様の方法で反応を行い、5%濃度の水性液を調製した
ところ、水性液は均一な透明溶液となった。
7.2g(0.40モル)を使用した以外は合成例1と
同様の方法で反応を行い、5%濃度の水性液を調製した
ところ、水性液は均一な透明溶液となった。
【0035】実施例1 合成例1で得られた水性ウレタンポリマー15gを蒸留
水285gで希釈し、固形分が5%濃度の紙用処理剤を
調製した。この紙用処理剤を平型容器(縦0.300m
×横0.350m×深さ0.050m)に入れ、ここに
坪量80g/m 2の未加工原紙をA列4番大(縦0.2
97m×横0.210m)にカットした試験用紙を2分
間浸して水性ウレタンポリマー溶液を含浸させた。次に
この用紙を取り出し、予備乾燥として角型ろ紙(JIS
P3801[ろ紙(化学分析用)]に規定される1種
に相当、縦0.35m×横0.35m)に載せて表面に
付いた余分の溶液を吸い取り、105℃の乾燥器中で1
0分間、懸垂式で乾燥させた。温度20℃、湿度65%
の恒温恒湿室で一昼夜調湿した後、用紙の重量を測定し
たところ、水性ウレタンポリマーは2.4g/m2含浸
されていた。こうして得られた水性ウレタンポリマー含
浸紙と、蒸留水を用いて空試験した紙とを用意し、上記
と同サイズの平型容器に蒸留水1lを入れ、液温を20
℃に調整した。この調整液に試験用紙を10分間浸して
湿潤時の寸法安定性(水中伸度=湿潤時の長さの伸び/
乾燥時の長さ×100(%))を測定した。その結果、
空試験紙の水中伸度が1.65%であったのに対し、水
性ウレタンポリマー含浸紙の水中伸度は1.18%であ
り、28.5%の水中伸度抑制効果が得られた。
水285gで希釈し、固形分が5%濃度の紙用処理剤を
調製した。この紙用処理剤を平型容器(縦0.300m
×横0.350m×深さ0.050m)に入れ、ここに
坪量80g/m 2の未加工原紙をA列4番大(縦0.2
97m×横0.210m)にカットした試験用紙を2分
間浸して水性ウレタンポリマー溶液を含浸させた。次に
この用紙を取り出し、予備乾燥として角型ろ紙(JIS
P3801[ろ紙(化学分析用)]に規定される1種
に相当、縦0.35m×横0.35m)に載せて表面に
付いた余分の溶液を吸い取り、105℃の乾燥器中で1
0分間、懸垂式で乾燥させた。温度20℃、湿度65%
の恒温恒湿室で一昼夜調湿した後、用紙の重量を測定し
たところ、水性ウレタンポリマーは2.4g/m2含浸
されていた。こうして得られた水性ウレタンポリマー含
浸紙と、蒸留水を用いて空試験した紙とを用意し、上記
と同サイズの平型容器に蒸留水1lを入れ、液温を20
℃に調整した。この調整液に試験用紙を10分間浸して
湿潤時の寸法安定性(水中伸度=湿潤時の長さの伸び/
乾燥時の長さ×100(%))を測定した。その結果、
空試験紙の水中伸度が1.65%であったのに対し、水
性ウレタンポリマー含浸紙の水中伸度は1.18%であ
り、28.5%の水中伸度抑制効果が得られた。
【0036】実施例2〜5 合成例2〜5で得られた水性ウレタンポリマーを用い
て、実施例1と同様な条件で固形分が5%の紙用処理剤
を調製した。この紙用処理剤を用いて、実施例1と同様
の操作で樹脂加工紙を作成し、水中伸度について測定評
価を行った。
て、実施例1と同様な条件で固形分が5%の紙用処理剤
を調製した。この紙用処理剤を用いて、実施例1と同様
の操作で樹脂加工紙を作成し、水中伸度について測定評
価を行った。
【0037】比較例1 水性ウレタンポリマーのかわりにポリアクリルアミド系
紙力増強剤であるサンタックスSP−67(三井化学株
式会社製)を使用した以外は実施例1と同様の方法で測
定を行った。
紙力増強剤であるサンタックスSP−67(三井化学株
式会社製)を使用した以外は実施例1と同様の方法で測
定を行った。
【0038】比較例2 水性ウレタンポリマーのかわりにエポキシポリアミド系
紙力増強剤であるユーラミンP−5600(三井化学株
式会社製)を使用した以外は実施例1と同様の方法で測
定を行った。これら樹脂加工紙の水中伸度についての評
価結果を表1にまとめた。
紙力増強剤であるユーラミンP−5600(三井化学株
式会社製)を使用した以外は実施例1と同様の方法で測
定を行った。これら樹脂加工紙の水中伸度についての評
価結果を表1にまとめた。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】本発明は、実施例からも明らかなように
水性ウレタンポリマーを用いることにより、寸法安定性
に優れた、紙用処理剤及び紙の処理方法を提供すること
が可能となった。
水性ウレタンポリマーを用いることにより、寸法安定性
に優れた、紙用処理剤及び紙の処理方法を提供すること
が可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 直樹 福岡県大牟田市浅牟田町30番地 三井化学 株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】 脂肪族ポリイソシアネートと、式(1)
〔化1〕 【化1】 (式中、R1は水素原子またはメチル基を示し、R2は炭
素数1〜8の炭化水素基を示し、nは3以上の整数を示
す)で表されるポリエーテルモノオールとを反応させて
得られる水性ウレタンポリマーを含有することを特徴と
する紙用処理剤。 - 【請求項2】 脂肪族イソシアネートが2,5−及び/
又は2,6−ジイソシアナトメチルビシクロ[2.2.
1]ヘプタンである請求項1記載の紙用処理剤。 - 【請求項3】 請求項1記載の紙用処理剤を用いる紙の
処理方法。 - 【請求項4】 請求項2記載の紙用処理剤を用いる紙の
処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33449497A JPH11172596A (ja) | 1997-12-04 | 1997-12-04 | 紙用処理剤及び紙の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33449497A JPH11172596A (ja) | 1997-12-04 | 1997-12-04 | 紙用処理剤及び紙の処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11172596A true JPH11172596A (ja) | 1999-06-29 |
Family
ID=18278037
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33449497A Pending JPH11172596A (ja) | 1997-12-04 | 1997-12-04 | 紙用処理剤及び紙の処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11172596A (ja) |
-
1997
- 1997-12-04 JP JP33449497A patent/JPH11172596A/ja active Pending
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