JPH11172510A - 防火服の内衣 - Google Patents

防火服の内衣

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JPH11172510A
JPH11172510A JP9339059A JP33905997A JPH11172510A JP H11172510 A JPH11172510 A JP H11172510A JP 9339059 A JP9339059 A JP 9339059A JP 33905997 A JP33905997 A JP 33905997A JP H11172510 A JPH11172510 A JP H11172510A
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JP
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cloth
garment
net
felt
inner garment
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JP9339059A
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Seiji Nakajima
誠二 中島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水の気化によって効率よく上着の肩部などを
冷却でき、フェルト15bに作業性よく水を含浸させ、
着用者の消火活動を容易にした防火服を提供する。 【解決手段】 上着およびズボンをそれぞれ外衣と内衣
とによって構成した防火服において、上着の内衣に設け
た表側布4と上部裏側布5とを透湿防水布とし、上部裏
側布5の後身頃8に形成した窓孔14を、表,裏網16
a,16bによって覆い、これらの下縁部に2つ折りし
た水受け布16cを連結し、表,裏網16a,16bの
側縁部と下縁部とを窓孔14の外側部に固着して収容袋
16を構成し、裏面に薄いゴム層15aがあるフェルト
15bの表面に網15cを設けた冷却シート15を水に
漬けて、収容袋16内に着脱可能に嵌合保持し、上着と
ズボンを着用して消火活動を行う際にフェルト15bに
含浸した水を効率よく気化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、消防隊員などが
火災の消火活動時に着用する防火服の内衣に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、防火服の上着として、左,右前身
頃および後身頃を有する本体部に左,右袖を取り付けた
外衣と内衣(2〜4重構造)とを備え、外衣の本体部裏
面に内衣の本体部を着脱可能に保持させ、外衣の左,右
袖内に内衣の左,右袖を着脱可能に嵌めたものが一般に
用いられている。
【0003】また、防火服のズボンとして、腰部を覆う
身頃部および左,右上脚部からなる本体部を有し、左,
右上脚部に、下方に延びる左,右下脚部をそれぞれ連結
した外衣と内衣とを備え、外衣内に内衣を着脱可能に装
着したものが一般に用いられている。そして、上着およ
びズボンの外衣は難燃性の布の縫製品であり、上着およ
びズボンの内衣は表布と裏布との間に不織布などの芯材
を介在させてキルティングしたものや、内衣の素材に透
湿防水布を使用して着用者の発汗する温度を外へ出す構
造としたものが広く用いられている。
【0004】しかし、従来の防火服は、内衣の素材の特
性から、着用者が発汗による湿度を外部へ放出して着用
者の体温を最適状態に維持するという透湿効果について
は、冬季の使用においては、ある程度期待できるが、気
温が20℃を超える初夏から秋にかけての消火活動など
では、外気温、火災の外気熱および着用者の体温の上昇
が激しく、ほとんどその効果を実感できない状態であ
り、熱疲労を伴う消火活動がしにくい。
【0005】そこで、この発明の出願人は、特願平9−
231079号(平成9年8月28日出願)の防火服の
内衣として、上着およびズボンを、それぞれ外衣と外衣
に着脱可能にまたは縫い付けによって装着する内衣とに
よって構成した防火服の内衣において、上着の内衣の本
体部に設けた左,右前身頃および後身頃を、表側布と上
部裏側布と上部裏側布の下縁部に連結した下部裏側布と
によって構成し、前記本体部に形成した左,右袖ぐりの
周縁部に、表面布と裏面布とによって2重筒状に形成し
た内衣の左,右袖の基端部をそれぞれ連結し、前記表側
布、上部裏側布および表面布をそれぞれ透湿防水布と
し、表側布の上部と上部裏側布との間の後身頃または後
身頃および左,右前身頃の上部に、裏面側にゴム層が薄
く形成してあるフェルトを介在させて位置決め保持し、
前記フェルトと対向させて上部裏側布に給水孔を形成
し、上着の内衣を構成したものおよび、ズボンの内衣の
本体部に、身頃部と身頃部の下方にそれぞれ連結した筒
状の左,右上脚部を設け、左,右上脚部の下方に筒状の
左,右下脚部を連結させ、前記内衣の本体部の表布およ
び裏布と左,右下脚の表布とをそれぞれ透湿防水布と
し、左,右上脚部の大腿部に位置する表布と裏布との間
に、裏面側にゴム層が薄く形成してあるフェルトをそれ
ぞれ介在させて位置決め保持し、表布と裏布との一方
に、前記フェルトと対向させて給水孔を形成し、ズボン
の内衣を構成したものを先に出願している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】出願人が先に発明した
特願平9−231079号の防火服の内衣は、上着また
は上着とズボンの内衣の所要部分に水を含浸させたフェ
ルトを配設し、この水を着用者自身または外界からの熱
エネルギーによって気化させ、この気化熱により内衣内
の温度を冷却するようにしたものであって、温度が高く
なれば、その状況に応じて気化が進んで冷却エネルギー
が増し、逆に温度が低くなれば、冷却エネルギーも少な
くなるように、熱エネルギーの大きさにより気化量を自
動的に変化させる、すなわち、熱エネルギーの量に比例
して気化量(冷却)が自動変化するようにして、内衣内
の温度を規制し、着用者の消火活動をしやすくし、ま
た、2〜3日放置すると、水が蒸発するようにしてい
る。この発明は、特願平9−231079号の発明を改
良して、水を効率よく気化させて内衣内の温度をより低
くし、また作業性よくフェルトに水を含浸させることが
できて使いやすい、防火服の内衣の提供を目的としてい
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、上着
およびズボンを、それぞれ外衣と外衣に着脱可能にまた
は縫い付けによって装着する内衣とによって構成した防
火服の内衣において、上着の内衣の本体部に設けた左,
右前身頃および後身頃を、表側布と上部裏側布と上部裏
側布の下縁部に連結した下部裏側布とによって構成し、
前記本体部に形成した左,右袖ぐりの周縁部に、表面布
と裏面布とによって2重筒状に形成した内衣の左,右袖
の基端部をそれぞれ連結し、前記表側布、上部裏側布お
よび表面布をそれぞれ透湿防水布とし、前記上部裏側布
の後身頃に1ないし左右複数の窓孔を形成し、窓孔を覆
う表,裏網の下縁部に2つ折りした防水布からなる水受
け布の表,裏上縁部を連結し、表,裏網の左,右縁部お
よび下縁部を窓孔の外側部に固着し、かつ水受け布の
左,右両端部を閉じ、上面が開口した収容袋を構成し、
裏面に薄いゴム層が形成してあるフェルトの表面に網糸
が細い網を重ね、この網とフェルトを連結した冷却シー
トを構成し、前記ゴム層を裏側に配置し、冷却シートを
収容袋内に着脱可能に嵌めて位置決め保持し、上着の内
衣を構成したものである。
【0008】請求項2の発明は、請求項1に記載した防
火服の内衣において、上部裏側布の左,右前身頃の上部
に窓孔をそれぞれ形成し、前記窓孔を覆う表,裏網の下
縁部に防水布からなる2つ折りした水受け布の表,裏上
縁部を連結し、表,裏網の下縁部および下縁部以外の周
縁部の一部を窓孔の外側に固着し、かつ水受け布の左,
右両端部を閉じ、表,裏網の周縁の他部が開口した収容
袋を構成し、裏面に薄いゴム層が形成してあるフェルト
の表面に網糸が細い網を重ね、この網とフェルトとを連
結した冷却シートを構成し、ゴム層を裏側に配置して冷
却シートを収容袋内に着脱可能に位置決め保持したもの
である。
【0009】請求項3の発明は、請求項1または2に記
載した防火服の内衣において、ズボンの内衣の本体部
に、身頃部と身頃部の下方にそれぞれ連結した筒状の
左,右上脚部を設け、左,右上脚部の下方に筒状の左,
右下脚部を連結させ、ズボンの内衣の本体部の表布およ
び裏布と、左,右下脚部の表布とをそれぞれ透湿防水布
とし、左,右下脚部に設けた裏布の大腿部の少なくとも
正面部に窓孔を形成し、窓孔を覆う表,裏網の下縁部に
防水布からなる2つ折りした水受け布の表,裏上縁部を
連結し、表,裏網の左,右縁部および下縁部を窓孔の外
側に固着しかつ水受け布の左,右両端部を閉じて、上面
が開口した収容部を構成し、裏面に薄いゴム層が形成し
てあるフェルトの表面に網糸が細い網を重ね、この網と
フェルトとを連結した冷却シートを構成し、ゴム層を裏
側に配置して、冷却シートを収容袋内に着脱可能に嵌め
て位置決め保持し、ズボンの内衣を構成したものであ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】図1,図2に示すように、この発
明の一実施形態に係る防火服の上着(コート状のものを
含む)の内衣1は、本体部2と左,右袖3とを備えてい
る。上着の内衣1の本体部2は、表側布4と上部裏側布
5および下部裏側布6とからなり、上部裏側布5の下縁
部と下部裏側布6の上縁部とを縫い付けて連結し、左,
右前身頃7および後身頃8を構成し、上端に開口する
左,右袖ぐり2aを形成してある。
【0011】前記左,右袖3は、表面布9と裏面布10
とを重ね、これらの両側縁部を縫い合せて筒状に形成
し、裏面布10の先端部を外周側に折り返し、折り返し
部10aによって表面布9の先端部を挟み、3重にして
縫い付け、表面布9と裏面布10との基端部を袖ぐり2
aの縁部に縫い付け、本体部2の周縁部を、2つ折りし
た縁布11によって挟み、縁布11と共に縫い付けてあ
る。
【0012】前記内衣1の本体部2の表側布4と、上部
裏側布5、および左,右袖3の表面布9は、難燃素材ま
たは難燃処理を施した透湿防水布を用い、本体部2の下
部裏側布6、および左,右袖3の裏面布10は綿のジャ
ージなど、従来公知の布を用い、必要に応じ難燃処理を
施す。そして、左,右一方の前身頃7の下部から後身頃
8の上縁部を経て左,右他方の前身頃7の下部に至る歯
付きファスナ12の一片の布部を縁布11に縫い付け、
左,右袖3の裏面布10の折り返し部10a外面には複
数のベルベット式ファスナ13の他片を周方向に適宜の
間隔で縫い付け、前記歯付きファスナ12の一片を、防
火服の上着の外衣に設けた歯付きファスナの一片に、ま
た前記ベルベット式ファスナ13の他片を前記外衣の
左,右袖の内周面に設けたベルベット式ファスナに、そ
れぞれ取り外し可能に係合させることで、外衣に対し内
衣を着脱可能にしてある。
【0013】前記上部裏側布5の後身頃8には左右方向
に並べて2つの窓孔14を形成し、これらの窓孔14の
裏面側に冷却シート15の収容袋16を設けてある。前
記収容袋16は、図3の(A),(B)および図4にも
示すように、比較的網目が大きい表,裏網16a,16
bの下縁部に2つ折りした透湿防水布からなる水受け布
16cの表,裏上縁部を縫い付けてある。
【0014】裏網16bの上縁部を2つ折りした縁布1
6dによって挟み、裏網16bと縁布16dとを縫い付
け、表網16aの上縁部を上部裏側布6の窓孔14上側
部に縫い付け、表,裏網16a,16bの左,右縁部、
縁布16dおよび2つ折りした水受け布16cの左,右
端部を重ねて、これらを上部裏側布6の窓孔14の外側
部に縫い付け、水受け布16cの表上縁部を上部裏側布
6の窓孔14の下側部に縫い付け、表,裏網16a,1
6bの左,右方向中央部を複数の窓孔14間の上部裏側
布6上下方向全体にわたって縫い付け、収容袋16の上
面のみを開口させてある。なお、水受け布16cの左,
右両端部は適宜の手段で水漏れを防止するように閉じて
ある。また、収容袋16の表,裏網16a,16b内面
の上端部左,右方向中央にはベルベット式ファスナ16
eをそれぞれ縫い付けてある。
【0015】前記冷却シート15は、裏面にゴム層15
aが形成してあるフェルト15bの表面側に網目が小さ
く網糸が細い網15cを重ね、ゴム層15a、フェルト
15bおよび網糸が細い網15cの外周部全体を2つ折
りした縁によって挟み、これらを縫い付けてあり、冷却
シート15外面の上端部左右方向中央部にはベルベット
式ファスナ15eをそれぞれ縫い付けてある。なお、フ
ェルト15bは、厚さ5mmの芳香族ポリアミド・フェル
トを用い、ゴム層15aは厚さを0.05mm程度にして前
記フェルト15aの裏面全体にコーティングしたもので
ある。
【0016】そして、冷却シート15は、収容袋16内
に着脱可能に嵌め、冷却シート15の表,裏面に設けた
前記ファスナ15eを収容袋16の表,裏面に設けた前
記ファスナ16eに係脱可能にそれぞれ係合させること
で、収容袋16内に冷却シート15をゴム層15aを裏
面側に配置した状態で保持してある。
【0017】図5に示すように、防火服のズボンの内衣
21は、本体部22と、左,右下脚部23とを備えてい
る。ズボンの内衣21の本体部22は、左,右前身頃2
4と左,右後身頃25とを縫い付けることで、筒状の
左,右上脚部26と、これらの上方に連なる身頃部27
とを構成し、身頃部27の後側に脚曲げ余裕部26aを
形成するとともに正面に前合せ部22cを形成してあ
り、左,右下脚部23は、筒状に形成し、上端部を左,
右上脚部26の下端部に縫い付けて連結し、連結部の前
側に膝曲げ余裕部26aを形成してある。
【0018】また、内衣21の本体部22の上端部外面
には多数の上部止め具28を所要間隔で固定し、外衣の
ズボンの本体部の内面に設けた止め具に着脱可能に係合
させ、また内衣の左,右下脚部23の下端部外面にも複
数の下部止め具29を所要間隔で固定し、ズボンの外衣
の左,右下脚部の内面に設けた止め具に着脱可能に係合
させることで、ズボンの外衣内にズボンの内衣21を着
脱可能に嵌めて保持できるようにしてある。前記内衣2
1を構成するズボンの本体部22の左,右前身頃24、
左,右後身頃25および左,右上脚部26は、それぞれ
表布30と裏布31とによって構成し、表布30と裏布
31とを難燃処理を施した透湿防水布としてある。
【0019】図5,図6に示すように、左,右上脚部2
6の膝曲げ余裕部26aより上方の左,右大腿部26b
に配置して、裏布31に窓孔33を形成し、これらの窓
孔33の裏面側に冷却シート34の収容袋35を設けて
ある。前記収容袋35は、比較的網目が大きい表,裏網
35a,35bの下縁部に2つ折りした透湿防水布から
なる水受け布35cの表,裏上縁部を縫い付けてある。
【0020】裏網35bの上縁部を2つ折りした縁布3
5dによって挟み、裏網35bと縁布35とを縫い付
け、表網35aの上縁部を裏布31の窓孔33上側部に
縫い付け、表,裏網35a,35bの左,右縁部、縁布
35dおよび2つ折りした水受け布35cを重ねて、こ
れらを裏布31の窓孔33外側部に縫い付け、2つ折り
した水受け布35cの表面側上縁部を裏布31の窓孔3
3下側部に縫い付けることで、収容部35を上方に開口
させてあり、収容袋35の上端部左右方向中央の表,裏
面にベルベット式ファスナ35eをそれぞれ縫い付けて
ある。
【0021】前記冷却シート34は、裏面に薄いゴム層
34aが形成してある。フェルト34bの表面側に網目
が小さく網糸が細い網34cを重ね、ゴム層34a、フ
ェルト34bおよび網34cの外周部全体を2つ折りし
た縁布34dによって挟み、これらを縫い付けてあり、
冷却シート34の上端部左,右方向中央の表,裏面にベ
ルベット式ファスナ34eをそれぞれ縫い付けてある。
なお、冷却シート34および収容袋35は、前述した上
着の冷却シート15および収容袋16と同構成で、これ
らと形状,大きさが異なるだけである。
【0022】そして、ズボンの冷却シート34は収容袋
35内に着脱可能に嵌め、収容袋35の表,裏面に設け
たファスナ34eを収容袋36の表,裏面に設けたファ
スナ36eに係脱可能にそれぞれ係合させることで、冷
却シート34をゴム層34aを裏面側に配置した状態で
保持してある。なお、ズボンの本体部22の上縁部、前
合せ部22c、および左,右下脚部23の下縁部には、
布製の縁保護テープ36を2つ折りして縫い付けてあ
る。さらに、ズボンの外衣と内衣の装着において、上着
の外衣と内衣の取付けと同様にファスナを介して装着す
るうよにしてもよいことは勿論である。
【0023】前述したこの発明の一実施形態に係る防火
服の上着(コート状のものを含む)の内衣1,ズボンの
内衣21は、収容袋16,35内に保持した冷却シート
15,34を、前記内衣1,21外に取り出して容器内
の水中に入れることで、冷却シート15,34のフェル
ト15b,34bに水を十分に含浸させる。その後、冷
却シート15,34を収容袋16,35内に収容して、
冷却シート15,34のベルベット式ファスナ15e,
34eを収容袋16,35のベルベット式ファスナ16
e,35eにそれぞれ係合させることで、冷却シート1
5,34を収容袋16,35内に位置決め保持させ、こ
の状態で、上着,ズボンを使用者が着用して火災現場に
向かう。
【0024】火炎現場で消火活動時に、上着およびズボ
ンの外衣が火災の熱で加熱されると、上着の内衣1の後
身頃8、ズボンの内衣21の左,右大腿部26bに配置
した冷却シート15,34のフェルト15b,34bに
含浸させた水が気化し、各フェルト15b,34bの裏
面にはゴム層15a,34aがあるため、気化した水蒸
気が窓孔14,33を経て表側布4,表布30外に透過
し、上着,ズボンの各フェルト15b,34bと対向す
る部分やこれらの近くが一定温度以上になることを防止
し、上着,ズボンを着用した消防隊員などの消火活動が
しやすくなる。
【0025】図8は、この発明の防火服の内衣を着用し
た状態における冷却効果の実験結果を表図に表わしたも
のであって、横軸に外気温度および平均湿度を、縦軸に
冷却温度を示し、この発明の防火服の内衣の着用者の体
温が36℃の場合、および着用者が消火活動などにより
体温が41℃に上がった状態での、二通りの冷却温度を
示している。
【0026】図8によれば、例えば、外気温度30℃
(平均湿度52%)の条件下で、防火服の内衣の着用者
の体温が36℃であれば、点Aに示すように冷却温度
は、1〜2℃前後と少なく、着用者にあまり冷却効果を
与えることがないが、着用者が消火活動などによって、
体温が41℃に上がった場合においては、点Bに示すよ
うに冷却温度は12〜13℃となり、着用者に対する冷
却効率が著しくなることが認められた。また、外気温度
70℃(平均湿度28%)、外気温度60℃(平均湿度
31%)の条件下においては、着用者の体温が36℃或
いは41℃の状態であっても、ほぼ24℃程度乃至18
℃程度の温度を下げる効果があり、この冷却効果は先に
出願した防火服の内衣に比べて著しい。
【0027】また、各フェルト15b,34bに含浸さ
せる水の量は、比較的少なく、含浸させた水の重量によ
り、上着は約200〜250g、ズボンは約250g程
度重くなるが消火活動の動作を阻害することがなく、熱
エネルギーが大きいと水の気化速度が早くなり、連続使
用時間が短くなる。さらに、収容袋16,35の下部に
は透湿防水布を2つ折りした水受け布16c,35cが
設けてあるため、フェルト15b,34bに含浸させた
水が漏れても、収容袋16,35外には漏れにくい。
【0028】なお、冷却シート15,34のフェルト1
5b,34bに水を含浸させるには、水道の蛇口から冷
却シート15,34に水をかけたり、消火活動中にフェ
ルト15b,34bの水が蒸発した場合には、消火水で
ない適当な水を含浸させても使用でき、多数の冷却シー
ト15,34を水に漬けて複数の人が分配して用いるこ
とも可能である。
【0029】上着,ズボンの内衣1,21の各フェルト
15b,34bに含浸させた水は、2〜3日程度放置す
ることで蒸発して大気に放散されるので、前記内衣1,
21の保守を必要としないが、冷却シート15,34を
収容袋16,35外に取り出して放置することで、内衣
1,21および冷却シート15,34がより短時間で乾
燥する。
【0030】この発明による他の実施形態に係る上着の
内衣1は、図7に示すように、上部裏側布6の左,右前
身頃7にそれぞれ窓孔14を形成し、これらの裏面側に
冷却シート15の収容袋16を付加してもよく、窓孔1
4,シート15および収容袋16の形状,大きさを一実
施形態と変える以外、一実施形態のものと同様な構成と
使用とにより、上着のフェルト15aと対向する部分や
これらの近くが一定温度以上になることを防止できる。
なお、他の実施形態の収容袋16は上縁以外の外側縁に
冷却シート15を出し入れする開口を設けてもよい。
【0031】この発明において、上着の内衣1の後身頃
8に設ける窓孔14は1つまたは左右方向に並べ、2つ
〜3つなど複数形成し、前記窓孔14の数に対応させて
収容袋16,冷却シート15を設ければよい。
【0032】この発明において、ズボンの左,右大腿部
に配置した収容袋,冷却シートを省略して、ズボンの内
衣は従来のものを用いてもよい。
【0033】この発明において、上着,ズボンの内衣を
対応する外衣に着脱可能に取り付ける部材は、必ずし
も、前記実施形態のものに限られることなく、適宜変更
でき、外衣と内衣とを縫い付けてもよい。
【0034】この発明において、収容袋内に冷却シート
を着脱可能に保持する部材は、ベルベット式ファスナに
限られることなく、雄,雌ホックなどを用いてもよく、
収容袋の水受け布は透湿防水布に限られることなく適宜
の防水布を用いることができ、冷却シートのフェルトと
網とはキルティングなどで連結してもよい。
【0035】この発明において、ズボンの内衣に設ける
窓孔は、左,右下脚部の裏布の大腿部に複数ずつ窓孔収
容部,冷却シートをそれぞれ設けて正面部のみではな
く、両側部も冷却できるようにしてもよい。
【0036】この発明において、上着の内衣に設けた後
身頃は、下縁の左右方向中央から上方に所要長さだけ切
り込みを形成して、着用者の活動をより容易にしたり、
後身頃の下部を左,右前身頃の下縁から突出させるな
ど、適宜変更できる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
係る防火服の内衣は、上着の本体部に設けた上部裏側布
の後身頃に1ないし左右複数の窓孔を形成し、窓孔を覆
う表,裏網の下縁部に防水布からなる2つ折りした水受
け布の表,裏上縁部を連結し、表,裏網の左,右縁部お
よび下縁部を窓孔の外側部に固着し、かつ水受け布の
左,右端部を閉じ、上面が開口した収容袋を構成し、裏
面に薄いゴム層が形成してあるフェルトの表面に網糸が
細い網を重ね、この網とフェルトとを連結した冷却シー
トを構成し、前記ゴム層を裏側に配置し、冷却シートを
収容袋内に着脱可能に嵌めて位置決め保持させたので、
次の効果がある。
【0038】すなわち、所要数の冷却シートを収容袋か
ら取り出した状態で、容器内の水中に入れるなどによ
り、冷却シートのフェルトに水を十分に含浸させて、冷
却シートを収容袋に嵌めて位置決め保持するが、この操
作は複数の消防隊員の冷却シートのフェルトに水を同時
に含浸させることなどによって、冷却シートの収容袋内
に容易にかつ速やかに保持できて、作業性がよい。
【0039】また、水を含浸させた冷却シートを収容袋
内に保持して、消防隊員が上着を着用し、消火活動を行
うと、上着の外衣が火災などの熱によって加熱されて
も、冷却シートのフェルトに含浸させた水が急速に気化
し、気化した水蒸気が窓孔から内衣の表側布の上部に直
接送られることで、上着の後身頃の上部である着用者の
肩部や背中の上部を効率よく冷却し、高温になるのを防
止して、着用者の熱疲労を軽減し、消火活動がしやすく
なり、疲労による事故を未然に防ぐことができ、さら
に、火災などの外気の熱エネルギーがない時でも、着用
者の体温によって、冷却シートのフェルトに含浸させた
水を気化させ、冷却させることができる。
【0040】請求項2の発明に係る防火服の内衣は、請
求項1に記載した防火服の内衣の前記効果に加え、上着
の上部裏面布の左,右前身頃の上部に設けた窓孔を覆う
左,右収容部に、フェルトに水を含浸させた冷却シート
を、窓孔を覆う収容部内に嵌合保持させた状態で消火活
動を行うことで、着用者の左,右胸部を所定湿度の範囲
で冷却でき、着用者の熱疲労を防止できて好ましい。
【0041】請求項3の発明に係る防火服の内衣は、請
求項1または2に記載した効果に加え、ズボンの内衣の
左,右下脚部に設けた裏布の大腿部の少なくとも正面側
部に窓孔を形成し、窓孔を覆う表,裏網の下縁部に防水
布からなる2つ折りした水受け布の表,裏上縁部を連結
し、表,裏網の左,右縁部および下縁部を窓孔の外側部
に固着し、かつ水受け布の左,右端部を閉じ、上面が開
口した収容袋を構成し、裏面に薄いゴム層が形成してあ
るフェルトの表面に網糸が細い網を重ね、この網とフェ
ルトとを連結した冷却シートを構成し、前記ゴム層を裏
側に配置し、冷却シートを収容袋内に着脱可能に嵌めて
位置決め保持させたので、フェルトに水を含浸させた冷
却シートを収容袋内に保持して、消防隊員などが消火活
動を行うことで、ズボンの左,右大腿部やこれらの近く
を所定の範囲で冷却し、高温になることをフェルトに含
浸した水の気化によって防止できる。
【0042】請求項1〜3の各発明は、内衣の上着,ズ
ボンに設けた収容部に嵌めた冷却シートを、収容部から
取り出して放置することで、冷却シートのフェルトに含
浸させた水が短い時日で蒸発して乾燥し、前記上着,ズ
ボンが濡れた場合に、これらの各部材も短時間に乾くの
で、上着,ズボンの保管,管理が不要であると共に、冷
却シートが使用によって劣化したり破損したりした場合
には、新品の冷却シートに交換することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る防火服の上着の内
衣を示した一部切欠き正面図。
【図2】図1に示した上着の内衣の背面図。
【図3】図1に示した上着の内衣の部分横断説明図で、
(A)はA−A線断面図、(B)はB−B線断面図。
【図4】図1に示した要部の拡大説明図。
【図5】この発明の一実施形態に係る防火服のズボンの
内衣を示した一部切り欠き正面図。
【図6】図5に示したズボンの要部のC−C線断面図。
【図7】この発明による他の実施形態に係る上着の内衣
を示した要部の説明図。
【図8】この発明の防火服の内衣を着用した状態におけ
る冷却温度を示す表図。
【符号の説明】
1 上着の内衣 2 本体部 3 袖 4 表側布 5 上部裏面布 6 下部裏側布 7 前身頃 8 後身頃 9 表面布 10 裏面布 11 縁布 12 歯付きファスナ 13 ベルベット式ファスナ 14 窓孔 15 冷却シート 15a ゴム層 15b フェルト 15c 網糸が細い網 15d 縁布 15e ファスナ 16 収容袋 16a 表網 16b 裏網 16c 水受け布 16d 縁布 16e ファスナ 21 ズボンの内衣 22 本体部 23 下脚部 24 前身頃 25 後身頃 26 上脚部 27 身頃部 28 上部止め具 29 下部止め具 30 表布 31 上裏布 32 下裏布 33 窓孔 34 冷却シート 34a ゴム層 34b フェルト 34c 網 34d 縁布 34e ベルベット式ファスナ 35 収容袋 35a 表網 35b 裏網 35c 水受け布 35d 縁布 35e ベルベット式ファスナ 36 縁保護テープ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上着およびズボンを、それぞれ外衣と外
    衣に着脱可能にまたは縫い付けによって装着する内衣と
    によって構成した防火服の内衣において、 上着の内衣の本体部に設けた左,右前身頃および後身頃
    を、表側布と上部裏側布と上部裏側布の下縁部に連結し
    た下部裏側布とによって構成し、前記本体部に形成した
    左,右袖ぐりの周縁部に、表面布と裏面布とによって2
    重筒状に形成した内衣の左,右袖の基端部をそれぞれ連
    結し、前記表側布、上部裏側布および表面布をそれぞれ
    透湿防水布とし、 前記上部裏側布の後身頃に1ないし左右複数の窓孔を形
    成し、窓孔を覆う表,裏網の下縁部に2つ折りした防水
    布からなる水受け布の表,裏上縁部を連結し、表,裏網
    の左,右縁部および下縁部を窓孔の外側部に固着し、か
    つ水受け布の左,右両端部を閉じ、上面が開口した収容
    袋を構成し、裏面に薄いゴム層が形成してあるフェルト
    の表面に網糸が細い網を重ね、この網とフェルトを連結
    した冷却シートを構成し、前記ゴム層を裏側に配置し、
    冷却シートを収容袋内に着脱可能に嵌めて位置決め保持
    し、上着の内衣を構成したことを特徴とする防火服の内
    衣。
  2. 【請求項2】 上部裏側布の左,右前身頃の上部に窓孔
    をそれぞれ形成し、前記窓孔を覆う表,裏網の下縁部に
    防水布からなる2つ折りした水受け布の表,裏上縁部を
    連結し、表,裏網の下縁部および下縁部以外の周縁部の
    一部を窓孔の外側に固着し、かつ水受け布の左,右両端
    部を閉じ、表,裏網の周縁の他部が開口した収容袋を構
    成し、裏面に薄いゴム層が形成してあるフェルトの表面
    に網糸が細い網を重ね、この網とフェルトとを連結した
    冷却シートを構成し、ゴム層を裏側に配置して冷却シー
    トを収容袋内に着脱可能に位置決め保持したことを特徴
    とする請求項1に記載した防火服の内衣。
  3. 【請求項3】 ズボンの内衣の本体部に、身頃部と身頃
    部の下方にそれぞれ連結した筒状の左,右上脚部を設
    け、左,右上脚部の下方に筒状の左,右下脚部を連結さ
    せ、ズボンの内衣の本体部の表布および裏布と、左,右
    下脚部の表布とをそれぞれ透湿防水布とし、左,右下脚
    部に設けた裏布の大腿部の少なくとも正面部に窓孔を形
    成し、窓孔を覆う表,裏網の下縁部に防水布からなる2
    つ折りした水受け布の表,裏上縁部を連結し、表,裏網
    の左,右縁部および下縁部を窓孔の外側に固着しかつ水
    受け布の左,右両端部を閉じて、上面が開口した収容部
    を構成し、裏面に薄いゴム層が形成してあるフェルトの
    表面に網糸が細い網を重ね、この網とフェルトとを連結
    した冷却シートを構成し、ゴム層を裏側に配置して、冷
    却シートを収容袋内に着脱可能に嵌めて位置決め保持
    し、ズボンの内衣を構成したことを特徴とする請求項1
    または2に記載した防火服の内衣。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012113222A1 (zh) * 2011-02-27 2012-08-30 Qin Changchun 能降温可延长在火海中救援时间的消防避火服
CN105249579A (zh) * 2015-10-28 2016-01-20 江苏云蝠服饰股份有限公司 磁性自发热防水防火袖套面料
US9271530B2 (en) 2012-01-10 2016-03-01 Nichiyou Hatsumei Gallery Co., LTD Wearable implement
CN108477705A (zh) * 2018-05-31 2018-09-04 邦威防护科技股份有限公司 电焊高温防护袋
CN115531756A (zh) * 2022-10-14 2022-12-30 福州春晖制衣有限公司 一种长袖阻燃服及其阻燃方法

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