JP3202395U - 防火服上着に着脱可能に取付けられる保冷剤ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】消防隊員の頸部を効果的に冷却して熱中症の予防が可能な保冷剤ユニットを提供する。【解決手段】人体の胴部及び両腕部を覆う上着本体51と、上着本体の首開口の部分に一体に縫着されて、首廻りを覆うような起立状態で使用可能な衿部Nとを備えた防火服上着Cに着脱可能に取付けられる保冷剤ユニットUであって、上着本体の後身頃の上端部の内側には、互いに引っ掛かり合いにより、別の布地部材を着脱可能に取付けるための面ファスナーが設けられ、収納袋に収納された薄板状の保冷剤Kは、収納袋に設けられた面ファスナーと面ファスナーとの引っ掛かり合いにより、人体の首部72の背面側に配置可能な構成とする。【選択図】図17

Description

本考案は、火元で消火活動を行う際の熱中症対策のために人体の首部背面の頸部を効果的に冷却するために防火服上着に着脱可能に取付けられる保冷剤ユニットに関するものである。
防火服上着としては、人体の胴部及び両腕部を覆う上着本体と、当該上着本体の首開口の部分に一体に縫着されて、首廻りを覆うような起立状態で使用可能な衿部と、当該衿部の周方向の一端部に別部材となって一体に縫着されて、前記衿部を起立させた状態で人体のあごを覆うあご覆い部と、当該あご覆い部の使用時又は非使用時において、当該あご覆い部の先端部を前記衿部の異なる部位に着脱可能に取付けるために当該衿部の裏面、及び当該あご覆い部の先端部の両面に一体に縫着された二組の引掛り部とを備え、冬季においては、前記衿部を起立状態にして、前記あご覆い部により消防隊員のあごを覆って使用すると共に、夏季においては、前記衿部を倒した状態で使用している。なお、あご覆い部は、使用時、及び非使用時のいずれの場合も、衿部の裏面側に縫着された面ファスナー等で構成される一組の引掛り部のいずれかに引っ掛けられることにより、使用時においては、あご覆い部の覆い姿勢を確定させ、非使用時には、あご覆い部の二枚重ねに折り畳まれた状態を維持させている。以下、あご覆い部として、別部材を使用している防火服上着を「第1型」と称する。
一方、別部材のあご覆い部の替わりに、衿部の一方の端部をそのまま周方向(長手方向)に延長させ、その延長部をあご覆い部として機能させている防火服上着も存在している。以下、衿部の一端の延長部をあご覆い部として機能させている防火服上着を「第2型」と称する。第2型の防火服上着では、あご覆い部の使用時には、当該あご覆い部及び衿部の双方に設けられた面ファスナー等の引掛り部により、あご覆い部のあごを覆う姿勢を保持させており、当該あご覆い部の非使用時には、衿部の裏面側に折り畳んで引掛り部により、その折畳み姿勢を保持させるか、或いはそのまま垂れ下げたままにしている。
しかし、いずれの型においても、冬季の気温の低い時期においては、衿を略起立姿勢にして使用するのみでは、防寒性が不十分であり、防火服上着の衿部の防寒構造の改良が求められていた。なお、衿部を略起立姿勢にしたり、或いはあご覆い部によりあごを覆うのは、防寒の目的のみならず、消防隊員の防火作業時において、首部及びあご部を危険物から保護する目的もあり、従って、夏季等の気温の高い時期においても、衿部を略起立姿勢にしたり、或いはあご覆い部によりあごを覆うこともある。
一方、夏季等の気温の高い時期における非防火作業時には、衿部を横に倒すこともある。そして、夏季、及び冬季を問わず、熱中症等の対策のために、消防隊員の人体を冷却させる手段として、特許文献1に記載のように、防火服上着の衿部にポケット袋部を形成して、当該ポケット袋部に冷却剤を装填する提案がなされている。夏季における熱中症等の対策のために人体を冷却させる際には、首部の背面側である頸部を冷却させるのが最も効果的であることが知られており、上記提案では、衿部の構造が複雑になるのに加えて、人体の冷却される部分は、肩又は背中の上部となって、熱中症対策のために人体を冷却させる場合には、適切な冷却部位とは言えない。
実用新案登録第3174763号公報
本考案は、消防隊員の頸部を効果的に冷却して熱中症の予防が可能な保冷剤ユニットの提供を課題としている。
上記課題を解決するための請求項1の考案は、人体の胴部及び両腕部を覆う上着本体と、当該上着本体の首開口の部分に一体に縫着されて、首廻りを覆うような起立状態で使用可能な衿部とを備えた防火服上着に着脱可能に取付けられる保冷剤ユニットであって、前記上着本体の後身頃の上端部の内側には、互いに引っ掛かり合いにより、別の布地部材を着脱可能に取付けるための引掛り部が設けられ、収納袋に収納された薄板状の保冷剤は、当該収納袋に設けられた引掛り部と前記引掛り部との引っ掛かり合いにより、人体の首部の背面側に配置可能であることを特徴としている。
請求項1の考案によれば、防火服上着の略起立姿勢の衿部により、収納袋に保冷剤が収納された保冷剤ユニットを首部の背面側の頸部に配置させることができて、人体に対する効果的な熱中症対策を実現できる。保冷剤は、薄板状であるために、人体の首部の背面側と防火服上着の衿部との隙間に首部の自由な動きを阻害することなく収容される。また、保冷剤ユニットを使用しない場合には、上着本体の後身頃の上端部の内側の引掛り部に対する引っ掛かりを解除して、上着本体から保冷剤ユニットを取り外せばよい。
請求項2の考案は、請求項1の考案において、前記引掛り部は、面ファスナーであることを特徴としている。
請求項2の考案によれば、面ファスナーは、薄くて、しかも大きな面積を確保できて、大きな引掛り力が得られるため、上着本体の後身頃の上端部の内側に保冷剤を収納した収納袋をしっかり取付けられて、簡単には取り外れない。
本考案によれば、防火服上着の略起立させた衿部を利用して、人体の首部の背面の頸部に保冷剤を配置することができて、最も効果的な熱中症対策を実現できる。
防寒衿体A1 を衿部Nに取付けた防火服上着Cの使用状態の斜視図である。 防火服上着Cの正面図である。 (a),(b)は、それぞれ防火服上着Cの衿部Nを略起立させた状態の正面図、及び側面図である。 (a),(b)は、それぞれ防寒衿体A1 の正面図、及び背面図である。 (a),(b)は、それぞれ図4(a)のX1 −X1 線、及びX2 −X2 線の断面図である。 防火服上着Cの衿部Nに防寒衿体A1 を取付ける前の状態の防火服上着Cの正面図である。 同じく取付けられた状態の正面図である。 同じく取付けられた状態の背面図である。 同じく取付けられた状態の側面図である。 同じく取付けられた状態の側面断面図である。 同じく取付けられた状態の模式的横断面図である。 (a),(b)は、それぞれ衿部N’を略起立させた状態、及び展開させた状態の防火服上着C’の部分正面図である。 防火服上着C’の衿部N’に防寒衿体A2 を取付けた状態の模式的横断面図である。 本考案に係る保冷剤ユニットUを構成する保冷剤Kと、当該保冷剤Kを収納する収納袋Bとを分離させた状態の斜視図である。 収納袋Bに保冷剤Kが収納された状態の模式的縦断面図である。 保冷剤Kが収納された収納袋Bと、当該収納袋Bが取付けられる衿部Nとの関係を示す防火服上着Cの部分正面図である。 (a),(b)は、それぞれ収納袋Bに収納された保冷剤Kの使用状態の側面図及び背面図である。
以下、実施例を挙げて、本考案について更に詳細に説明する。
最初に、図1ないし図3を参照して、「第1型」の防火服上着Cについて、防寒衿体A1 ,A2 が取付けられる衿部Nを中心にして、簡単に説明する。防火服上着Cは、人体の胴部及び両腕部を覆う上着本体51と、当該上着本体51の上端の首開口の部分に一体に縫着されて、首廻りを覆うような起立状態で使用可能な衿部Nと、当該衿部Nの周方向(長手方向)の一端に近い部分に別部材となって一体に縫着されて、前記衿部Nを起立させた状態で、人体のあごを覆うあご覆い部Sとを備えている。防火服業界では、あご覆い部は、「チンストラップ(chin strap)」とも称される。あご覆い部Sの先端部の表裏両面には、各平ファスナーF21,F22が一体に縫着されている。また、衿部Nの裏面側(当該衿部Nの起立状態で外側となる側)の周方向(長手方向)の一方の端部には、あご覆い部Sの裏面側の平ファスナーF21と引っ掛かり合う平ファスナーF23が縫着され、当該衿部Nの裏面側における他方の端部の側であって、前記あご覆い部Sの一体縫着部52(図3参照)よりも背面側の部分には、当該あご覆い部Sの表面側の平ファスナーF22と引っ掛かり合う平ファスナーF24が縫着されている。また、上着本体51の後身頃16の上端部の内側には、後述の保冷剤Kを収納した収納袋Bを着脱可能に取付けるための平ファスナーF25が縫着されている。なお、平ファスナーとは、マジックファスナー(登録商標)として市販されていて、シート材に植設されている無数のループ片と、別のシート材に植設されて、当該ループ片に引っ掛かる無数の引掛り片との引っ掛かりにより、二つのシート材を分離可能に結合させる面状のファスナーを指す。
よって、図2に示されるように、衿部Nを略起立させた状態で、あご覆い部Sを人体のあごの部分にあてがって、当該あご覆い部Sの平ファスナーF21と、衿部Nの平ファスナーF22との引っ掛かりによって、当該あご覆い部Sが人体のあごを覆った状態を維持できる。一方、あご覆い部Sの非使用時には、図3(b)に示されるように、あご覆い部Sを背面側に反転させて、その表面側に縫着された平ファスナーF22と、衿部Nの平ファスナーF24との引っ掛かりにより、衿部Nの一方の側部に配置させている。そして、衿部Nを横に倒して使用する場合には、背面側に反転されたあご覆い部Sは、横に倒された衿部Nと、上着本体51の肩部との間に挟まれた状態となって配置される。
次に、図4ないし図11を参照して、防火服上着Cの衿部Nに着脱可能に取付けられる防寒衿体A1 の構成、及び当該衿部Nに対する防寒衿体A1 の取付けについて説明する。防寒衿体A1 を構成する衿体本体10は、図4、図5、図10及び図11に示されるように、その幅及び周長(わん曲方向に沿った長さ)が、いずれも防火服上着Cの衿部Nの幅及び周長よりも僅かに長くなっていて、展開形状が環形の一部となるような形状の布地11,12を二枚重ねにして、計4辺のうち下側である下辺側のみを開口させ、残りの上辺側、及び両側辺側の3辺の縁部を互いに縫着して(図5において、上辺側、及び両側辺側の各縫着部がそれぞれ13,14で示されている)、変則袋状に形成されている。防寒衿体A1 は、衿部Nに取付けられた状態で表側(当該衿部Nの起立状態で、内面側)に配置される布地11の幅は、裏側となる布地12よりも全長に亘って幅が僅かに広くなっており、特に、布地11の周方向(長手方向)に沿って中央部の幅は、他の部分に比較して、別の布地12に対して幅が広くなる割合が大きくなっている。図5(b)において、各布地11,12の周方向(長手方向)の中央部の幅が、それぞれW1 ,W2 で示されている。布地11における他の布地12よりも幅が広くなっている部分は、別の余幅布地11aが余幅状態となって縫着されて形成されている。また、前記「環形の一部となるような形状」とは、所定幅のリング体を所定の中心角で切断した形状を指す。
衿体本体10は、火災現場の火元に対する防炎性が求められ、防炎性の高い繊維であるアラミド繊維が100%の素材、或いは当該アラミド繊維を高い割合で含む素材により形成される。防寒衿体A1 を形成する素材の防炎性は、防火服の素材に求められるのと同程度であって、火元から離した瞬間に消火されて、焦げた部分が炭化する程度である。
変則袋状をした衿体本体10は、防火服上着Cの衿部Nの全体を内部に収容して、当該衿部Nに覆い被せられた形態となって、当該衿部Nに取付けられ、この状態で、激しい防火活動によっても、衿部Nから取り外さないことが必要となる。上記したように、衿部Nの裏面側(当該衿部Nの起立状態で外側となる側)には、あご覆い部Sの使用時、及び非使用時の双方において、当該あご覆い部Sの先端部の表裏両面に一体に縫着された各平ファスナーF21,F22を引っ掛けるための2つの平ファスナーF23,F24が縫着されており、衿部Nに対して防寒衿体A1 が容易に取り外されないように取付けるには、既存の前記各平ファスナーF23,F24を利用している。即ち、防寒衿体A1 の側には、当該防寒衿体A1 を防火服上着Cの衿部Nに対して外れないように取付けるための各平ファスナーF1 ,F2 と、防火服上着Cの衿部Nに防寒衿体A1 を取付けた状態においても、あご覆い部Sの使用を可能とするための各平ファスナーF3 ,F4 がそれぞれ縫着されている。
即ち、防火服上着Cの衿部Nに防寒衿体A1 を覆い被せて取付けた状態で、当該衿部Nの裏側に縫着された各平ファスナーF23,F24と対向する布地12における当該各平ファスナーF23,F24と対応する部分には、それぞれ各平ファスナーF1 ,F2 が縫着されている。即ち、防寒衿体A1 を構成していて、衿部Nの裏面側に配置される布地12の内面側には、前記各平ファスナーF1 ,F2 がそれぞれ縫着され、当該布地12の外面側における当該各平ファスナーF1 ,F2 と同一の部位には、防火服上着Cの衿部Nに防寒衿体A1 を取付けた状態において、あご覆い部Sの使用を可能とするための各平ファスナーF3 ,F4 がそれぞれ縫着されている。また、防寒衿体A1 を構成する布地11の余幅部を形成する余幅布地11aの外面側における当該防寒衿体A1 の周方向(長手方向)の中央部には、上着本体51の後身頃16の上端部の内側に縫着された平ファスナーF25に対して引っ掛けられる平ファスナーF5 が縫着されている。
また、衿体本体10を構成していて、防火服上着Cの衿部Nの裏面側に配置される布地12におけるあご覆い部Sの一体縫着部52に対応する部分には、当該あご覆い部Sを挿通させて、その全体を衿体本体10の外側に露出させるための挿通孔15が幅方向に形成されている。
このため、図6ないし図11に示されるように、防火服上着Cの衿部Nを起立状態にさせておいて、当該衿部Nの全体を衿体本体10の内部に収容した状態で、当該衿部Nに衿体本体10を覆い被せ、その途中において、衿体本体10を構成する布地12の挿通孔15に、衿部Nに基端部が一体に縫着されたあご覆い部Sを挿通させて、当該あご覆い部Sを衿体本体10の外側に露出させると、衿体本体10の布地12の内面側に縫着された2つの各平ファスナーF1 ,F2 が、防火服上着Cの衿部Nの2つの各平ファスナーF23,F24にそれぞれ引っ掛かり合って、防火服上着Cの衿部Nに衿体本体10が着脱可能となって取付けられる。防火服上着Cの衿部Nに対する防寒衿体A1 の取付けは、前記した2箇所における平ファスナーによる引っ掛かりのみならず、衿体本体10の布地12に形成された挿通孔15に、衿部Nに基端部が一体に縫着されたあご覆い部Sが挿通されていて、当該挿通構造によって、激しい消火活動によっても、防火服上着Cの衿部Nから防寒衿体A1 が取り外されることはない。
そして、防寒衿体A1 が覆い被せられた衿部Nを起立状態にして、衿体本体10の布地12の挿通孔15から引き出されたあご覆い部Sによって、人体のあご71(図10参照)を覆った状態で、当該あご覆い部Sの裏面側の平ファスナーF21と、衿体本体10の裏側の布地12に縫着された平ファスナーF3 とを互いに引っ掛けると、図1に示されるように、人体の首部72とあご71とが一体となって覆われる。なお、図11から明白なように、衿体本体10の裏側の布地12の外面側に縫着されている2つの各平ファスナーF3,F4 は、それぞれ防火服上着Cの衿部Nの裏面側に縫着されている各平ファスナーF23,F24と同一の位置に配置されているので、あご覆い部Sは、防寒衿体A1 を使用しない場合と全く同様にして、取り扱うことができる。
また、あご覆い部Sを使用しない場合には、図9で2点鎖線で示されるように、当該あご覆い部Sを背面側に反転させて、その表面側に縫着されている平ファスナーF22と、衿体本体10の裏面側の布地12に縫着された平ファスナーF4 とを引っ掛け合せて、あご覆い部Sを非使用状態にしておく。なお、防火服上着Cを装着しているが、消火活動を行なわない場合には、あご覆い部Sを非使用状態にして、衿部Nを倒しておくことも可能である。
このように、防火服上着Cの衿部Nの全体を変則袋状をした防寒衿体A1 に収容して、当該衿部Nを防寒衿体A1 で覆うことにより、衿部Nは、三重布地構造となって、保温性が高まり、人体の首部が防寒される。
次に、図12及び図13を参照して、「第2型」の防火服上着C’の衿部N’に取付けられる防寒衿体A2 について説明する。なお、防寒衿体A2 及び防火服上着C’の説明に際しては、防寒衿体A1 に対応する部分には、同一符号に「’」を付する。防火服上着C’の衿部N’の一方の端部は、そのまま周方向(長手方向)に人体のあごを覆うことのできる長さだけ延長されて、当該延長部があご覆い部S’として機能している。衿部N’におけるあご覆い部S’が設けられていない側の端部の裏面側には、平ファスナーF23が縫着され、あご覆い部S’の表面側には、平ファスナーF21が縫着され、衿部N’を略起立させた状態で、あご覆い部S’により人体のあごを覆って、各平ファスナーF23,F21を互いに引っ掛かり合せる。
防寒衿体A2 は、衿部N’の幅及び長さに対応した幅及び長さを有していて、環形の一部となるような形状をなしている。衿部N’の裏面側に配置される布地12’における当該衿部N’の平ファスナーF23に対応する部分には、その表裏両面の同一の位置にそれぞれ平ファスナーF6 ,F7 が縫着されている。また、衿部N’の表面側に配置される布地11’におけるあご覆い部S’の平ファスナーF21に対応する部分には、その表裏両面の同一の位置にそれぞれ平ファスナーF8 ,F9 が縫着されている。なお、防寒衿体A1 と同様に、衿部N’の表面側に配置される布地11’は、その開口部の側において幅が広くなった余幅布地11a’が設けられ、この余幅布地11a’の外面側には、防火服上着C’の後身頃16の上端部の裏面に縫着された平ファスナーF25に引っ掛けられる平ファスナーF5 が縫着されている。
従って、防火服上着C’の衿部N’に防寒衿体A2 を覆い被せて、当該衿部N’の長手方向の一端部、及びあご覆い部S’の自由端部にぞれぞれ縫着された各平ファスナーF23,F21と、防寒衿体A2 を構成する各布地11’,12’の対応部分に縫着された各平ファスナーF6 ,F9 とを互いに引っ掛け合せると、当該衿部N’に対して防寒衿体A2 が着脱可能となって取付けられる。この状態で、あご覆い部S’により人体のあごを覆って、当該あご覆い部S’の部分を覆う防寒衿体A2 に縫着された平ファスナーF8 と、当該平ファスナーF8 と対向する平ファスナーF7 とを引っ掛け合せて、あご覆い部S’により人体のあごを覆った状態を維持させる。
上記した各防寒衿体A1 ,A2 においても、平ファスナーは、互いに重なりあった状態で配置されるが、平ファスナー自体が嵩張らない構造であるため、大きな嵩張り部が発生するのを防止して、違和感なく防寒衿体A1 ,A2 の使用ができる。
次に、図14ないし図17を参照して、本考案の実施例について説明する。保冷剤ユニットUは、方形状の収納袋Bに保冷剤Kが収納されたものであって、収納袋Bを構成する表裏の各布地21,22は、その幅に差を有していて、各布地21,22の開口23を形成する部分の端部の内側には、それぞれ平ファスナーF11,F12が対向する形態で縫着されている。このため、幅の広い布地21に縫着される平ファスナーF11の幅は、幅の狭い布地22に縫着される平ファスナーF12の幅よりも狭くなっていて、平ファスナーF11の露出部は、上着本体51の後身頃16の上端部の内側に縫着された平ファスナーF25と引っ掛け合って、薄板状の保冷剤Kを収納した収納袋Bの開口23の部分を上着本体51の後身頃16の上端部の内側に取付けて、使用状態において、人体の首部72と当該収納袋Bを防火服上着Cの衿部Nとの間に略起立姿勢で保冷剤ユニットUを配置可能とする部分である。なお、収納袋Bは、前記衿体本体10と同様に、防炎素材で形成され、薄板状の保冷剤Kは、樹脂パック24に密封状態で収容されている。
図15及び図16に示されるように、樹脂パック24に密封収容された保冷剤Kを収納袋Bの開口23から、当該収納袋Bの内部に収納した状態において、開口23の部分を密着させると、対向配置された各平ファスナーF11,F12が互いに引っ掛かり合って、収納袋Bの内部に保冷剤Kが収納された保冷剤ユニットUとなる。
そして、保冷剤ユニットUを構成する収納袋Bの布地22を防火服上着Cの衿部Nと対向するように配置して、別の布地21の開口23の部分に露出している平ファスナーF11と、上着本体51の後身頃16に縫着された平ファスナーF25とを引っ掛かり合せると、起立状態の衿部Nの内側に保冷剤ユニットUが配置され、この状態で、防火服上着Cを着衣すると、図17に示されるように、保冷剤ユニットUは、人体の首部72の背面側である頸部73の部分に配置される。保冷剤K自体は薄板状であるために、保冷剤ユニットUは、人体の首部72の背面側と防火服上着Cの衿部Nとの隙間に、首部72の自由な動きを阻害することなく収容される。なお、各平ファスナーF11,F12の引っ掛かりの解除により、保冷剤Kの交換も容易に行える。
このように、人体の首部72の背面側と防火服上着Cの衿部Nとの隙間に、首部72の自由な動きを阻害することなく、大きな面積を有する保冷剤ユニットUが収容されるために、火元で消火活動を行う消防隊員の熱中症対策に対して効果的である。
また、保冷剤Kを使用しない場合には、上着本体51の後身頃16の上端部の内側の引掛り部に対する引っ掛かりを解除して、上着本体51から保冷剤Kを収納した収納袋Bを取り外せばよい。
なお、上記実施例では、収納袋Bと防火服上着Cとの引っ掛り合いは、当該収納袋Bの下端部のみであるが、収納袋Bを構成する布地22と防火服上着Cの衿部Nとを、当該収納袋Bの上端部において、引っ掛かり合せることにより、収納袋Bの上下端部の2箇所において、防火服上着Cに対して引っ掛け合せることにより、当該防火服上着Cに対する保冷剤ユニットUの取付けが安定する。
なお、上記においては、防火服上着の衿部に対する防寒衿体の取付け、及び後身頃に対する収納袋の取付けのための引掛り部は、いずれも平ファスナーで構成されており、平ファスナーは、防火服上着を着衣した場合においても、嵩張らないという利点がある。しかし、本考案における引掛り部は、ぼたん類、ひも類で構成することも可能である。
1,A2 :防寒衿体
B:収納袋
C:防火服上着
1 〜F9 :衿体本体に縫着された平ファスナー
11,F12:保冷剤の収納袋に縫着された平ファスナー
21〜F25:防火服上着に縫着された平ファスナー
K:保冷剤
N:防火服上着の衿部
S:あご覆い部
U:保冷剤ユニット
10:衿体本体
11:衿体本体を構成する表面側布地
12:衿体本体を構成する裏面側布地
15:挿通孔
16:防火服上着の後身頃
21,22:保冷剤の収納袋を構成する布地
51:上着本体
71:人体のあご
72:人体の首部
73:人体の頸部
本考案は、火元で消火活動を行う際の熱中症対策のために人体の首部背面の頸部を効果的に冷却するために防火服上着に着脱可能に取付けられる保冷剤ユニットに関するものである。
防火服上着としては、人体の胴部及び両腕部を覆う上着本体と、当該上着本体の首開口の部分に一体に縫着されて、首廻りを覆うような起立状態で使用可能な衿部と、当該衿部の周方向の一端部に別部材となって一体に縫着されて、前記衿部を起立させた状態で人体のあごを覆うあご覆い部と、当該あご覆い部の使用時又は非使用時において、当該あご覆い部の先端部を前記衿部の異なる部位に着脱可能に取付けるために当該衿部の裏面、及び当該あご覆い部の先端部の両面に一体に縫着された二組の引掛り部とを備え、冬季においては、前記衿部を起立状態にして、前記あご覆い部により消防隊員のあごを覆って使用すると共に、夏季においては、前記衿部を倒した状態で使用している。なお、あご覆い部は、使用時、及び非使用時のいずれの場合も、衿部の裏面側に縫着された面ファスナー等で構成される一組の引掛り部のいずれかに引っ掛けられることにより、使用時においては、あご覆い部の覆い姿勢を確定させ、非使用時には、あご覆い部の二枚重ねに折り畳まれた状態を維持させている。以下、あご覆い部として、別部材を使用している防火服上着を「第1型」と称する。
一方、別部材のあご覆い部の替わりに、衿部の一方の端部をそのまま周方向(長手方向)に延長させ、その延長部をあご覆い部として機能させている防火服上着も存在している。以下、衿部の一端の延長部をあご覆い部として機能させている防火服上着を「第2型」と称する。第2型の防火服上着では、あご覆い部の使用時には、当該あご覆い部及び衿部の双方に設けられた面ファスナー等の引掛り部により、あご覆い部のあごを覆う姿勢を保持させており、当該あご覆い部の非使用時には、衿部の裏面側に折り畳んで引掛り部により、その折畳み姿勢を保持させるか、或いはそのまま垂れ下げたままにしている。
しかし、いずれの型においても、冬季の気温の低い時期においては、衿を起立姿勢にして使用するのみでは、防寒性が不十分であり、防火服上着の衿部の防寒構造の改良が求められていた。なお、衿部を起立姿勢にしたり、或いはあご覆い部によりあごを覆うのは、防寒の目的のみならず、消防隊員の防火作業時において、首部及びあご部を危険物から保護する目的もあり、従って、夏季等の気温の高い時期においても、衿部を起立姿勢にしたり、或いはあご覆い部によりあごを覆うこともある。
一方、夏季等の気温の高い時期における非防火作業時には、衿部を横に倒すこともある。そして、夏季、及び冬季を問わず、熱中症等の対策のために、消防隊員の人体を冷却させる手段として、特許文献1に記載のように、防火服上着の衿部にポケット袋部を形成して、当該ポケット袋部に冷却剤を装填する提案がなされている。夏季における熱中症等の対策のために人体を冷却させる際には、首部の背面側である頸部を冷却させるのが最も効果的であることが知られており、上記提案では、衿部の構造が複雑になるのに加えて、人体の冷却される部分は、肩又は背中の上部となって、熱中症対策のために人体を冷却させる場合には、適切な冷却部位とは言えない。
実用新案登録第3174763号公報
本考案は、消防隊員の頸部を効果的に冷却して熱中症の予防が可能な保冷剤ユニットの提供を課題としている。
上記課題を解決するための請求項1の考案は、人体の胴部及び両腕部を覆う上着本体と、当該上着本体の首開口の部分に一体に縫着されて、首廻りを覆うような起立状態で使用可能な衿部とを備えた防火服上着に着脱可能に取付けられる保冷剤ユニットであって、
保冷剤が収納される収納袋には、収納袋側引掛り部が下方に延出して一体に設けられ、
前記上着本体の後身頃の上端部の内側には、前記収容袋の収納袋側引掛り部に引っ掛かり合う後身頃側引掛り部が設けられ、
前記保冷剤は、前記収納袋側、及び後身頃側の各引掛り部の引っ掛かり合いにより、人体の首部の背面側に配置可能であることを特徴としている。
請求項1の考案によれば、防火服上着の起立姿勢の衿部により、収納袋に保冷剤が収納された保冷剤ユニットを首部の背面側の頸部に配置させることができて、人体に対する効果的な熱中症対策を実現できる。保冷剤は、薄板状であるために、人体の首部の背面側と防火服上着の衿部との隙間に首部の自由な動きを阻害することなく収容される。また、保冷剤ユニットを使用しない場合には、上着本体の後身頃の上端部の内側の引掛り部に対する引っ掛かりを解除して、上着本体から保冷剤ユニットを取り外せばよい。
請求項2の考案は、請求項1の考案において、前記後身頃側、及び収納袋側の各引掛り部は、いずれも面ファスナーであることを特徴としている。
請求項2の考案によれば、後身頃側及び収納袋側の各引掛り部を構成する面ファスナーは、薄くて、しかも大きな面積を確保できて、大きな引掛り力が得られるため、上着本体の後身頃の上端部の内側に保冷剤を収納した収納袋をしっかり取付けられて、簡単には取り外れない。
本考案によれば、防火服上着の起立させた衿部を利用して、人体の首部の背面の頸部に保冷剤を配置することができて、最も効果的な熱中症対策を実現できる。
防寒衿体A1 を衿部Nに取付けた防火服上着Cの使用状態の斜視図である。 防火服上着Cの正面図である。 (a),(b)は、それぞれ防火服上着Cの衿部Nを起立させた状態の正面図、及び側面図である。 (a),(b)は、それぞれ防寒衿体A1 の正面図、及び背面図である。 (a),(b)は、それぞれ図4(a)のX1 −X1 線、及びX2 −X2 線の断面図である。 防火服上着Cの衿部Nに防寒衿体A1 を取付ける前の状態の防火服上着Cの正面図である。 同じく取付けられた状態の正面図である。 同じく取付けられた状態の背面図である。 同じく取付けられた状態の側面図である。 同じく取付けられた状態の側面断面図である。 同じく取付けられた状態の模式的横断面図である。 (a),(b)は、それぞれ衿部N’を起立させた状態、及び展開させた状態の防火服上着C’の部分正面図である。 防火服上着C’の衿部N’に防寒衿体A2 を取付けた状態の模式的横断面図である。 本考案に係る保冷剤ユニットUを構成する保冷剤Kと、当該保冷剤Kを収納する収納袋Bとを分離させた状態の斜視図である。 収納袋Bに保冷剤Kが収納された状態の模式的縦断面図である。 保冷剤Kが収納された収納袋Bと、当該収納袋Bが取付けられる衿部Nとの関係を示す防火服上着Cの部分正面図である。 (a),(b)は、それぞれ収納袋Bに収納された保冷剤Kの使用状態の側面図及び背面図である。
以下、実施例を挙げて、本考案について更に詳細に説明する。
最初に、図1ないし図3を参照して、「第1型」の防火服上着Cについて、防寒衿体A1 ,A2 が取付けられる衿部Nを中心にして、簡単に説明する。防火服上着Cは、人体の胴部及び両腕部を覆う上着本体51と、当該上着本体51の上端の首開口の部分に一体に縫着されて、首廻りを覆うような起立状態で使用可能な衿部Nと、当該衿部Nの周方向(長手方向)の一端に近い部分に別部材となって一体に縫着されて、前記衿部Nを起立させた状態で、人体のあごを覆うあご覆い部Sとを備えている。防火服業界では、あご覆い部は、「チンストラップ(chin strap)」とも称される。あご覆い部Sの先端部の表裏両面には、各平ファスナーF21,F22が一体に縫着されている。また、衿部Nの裏面側(当該衿部Nの起立状態で外側となる側)の周方向(長手方向)の一方の端部には、あご覆い部Sの裏面側の平ファスナーF21と引っ掛かり合う平ファスナーF23が縫着され、当該衿部Nの裏面側における他方の端部の側であって、前記あご覆い部Sの一体縫着部52(図3参照)よりも背面側の部分には、当該あご覆い部Sの表面側の平ファスナーF22と引っ掛かり合う平ファスナーF24が縫着されている。また、上着本体51の後身頃16の上端部の内側には、後述の保冷剤Kを収納した収納袋Bを着脱可能に取付けるための平ファスナーF25が縫着されている。なお、平ファスナーとは、マジックファスナー(登録商標)として市販されていて、シート材に植設されている無数のループ片と、別のシート材に植設されて、当該ループ片に引っ掛かる無数の引掛り片との引っ掛かりにより、二つのシート材を分離可能に結合させる面状のファスナーを指す。
よって、図2に示されるように、衿部Nを起立させた状態で、あご覆い部Sを人体のあごの部分にあてがって、当該あご覆い部Sの平ファスナーF21と、衿部Nの平ファスナーF22との引っ掛かりによって、当該あご覆い部Sが人体のあごを覆った状態を維持できる。一方、あご覆い部Sの非使用時には、図3(b)に示されるように、あご覆い部Sを背面側に反転させて、その表面側に縫着された平ファスナーF22と、衿部Nの平ファスナーF24との引っ掛かりにより、衿部Nの一方の側部に配置させている。そして、衿部Nを横に倒して使用する場合には、背面側に反転されたあご覆い部Sは、横に倒された衿部Nと、上着本体51の肩部との間に挟まれた状態となって配置される。
次に、図4ないし図11を参照して、防火服上着Cの衿部Nに着脱可能に取付けられる防寒衿体A1 の構成、及び当該衿部Nに対する防寒衿体A1 の取付けについて説明する。防寒衿体A1 を構成する衿体本体10は、図4、図5、図10及び図11に示されるように、その幅及び周長(わん曲方向に沿った長さ)が、いずれも防火服上着Cの衿部Nの幅及び周長よりも僅かに長くなっていて、展開形状が環形の一部となるような形状の布地11,12を二枚重ねにして、計4辺のうち下側である下辺側のみを開口させ、残りの上辺側、及び両側辺側の3辺の縁部を互いに縫着して(図5において、上辺側、及び両側辺側の各縫着部がそれぞれ13,14で示されている)、変則袋状に形成されている。防寒衿体A1 は、衿部Nに取付けられた状態で表側(当該衿部Nの起立状態で、内面側)に配置される布地11の幅は、裏側となる布地12よりも全長に亘って幅が僅かに広くなっており、特に、布地11の周方向(長手方向)に沿って中央部の幅は、他の部分に比較して、別の布地12に対して幅が広くなる割合が大きくなっている。図5(b)において、各布地11,12の周方向(長手方向)の中央部の幅が、それぞれW1 ,W2 で示されている。布地11における他の布地12よりも幅が広くなっている部分は、別の余幅布地11aが余幅状態となって縫着されて形成されている。また、前記「環形の一部となるような形状」とは、所定幅のリング体を所定の中心角で切断した形状を指す。
衿体本体10は、火災現場の火元に対する防炎性が求められ、防炎性の高い繊維であるアラミド繊維が100%の素材、或いは当該アラミド繊維を高い割合で含む素材により形成される。防寒衿体A1 を形成する素材の防炎性は、防火服の素材に求められるのと同程度であって、火元から離した瞬間に消火されて、焦げた部分が炭化する程度である。
変則袋状をした衿体本体10は、防火服上着Cの衿部Nの全体を内部に収容して、当該衿部Nに覆い被せられた形態となって、当該衿部Nに取付けられ、この状態で、激しい防火活動によっても、衿部Nから取り外さないことが必要となる。上記したように、衿部Nの裏面側(当該衿部Nの起立状態で外側となる側)には、あご覆い部Sの使用時、及び非使用時の双方において、当該あご覆い部Sの先端部の表裏両面に一体に縫着された各平ファスナーF21,F22を引っ掛けるための2つの平ファスナーF23,F24が縫着されており、衿部Nに対して防寒衿体A1 が容易に取り外されないように取付けるには、既存の前記各平ファスナーF23,F24を利用している。即ち、防寒衿体A1 の側には、当該防寒衿体A1 を防火服上着Cの衿部Nに対して外れないように取付けるための各平ファスナーF1 ,F2 と、防火服上着Cの衿部Nに防寒衿体A1 を取付けた状態においても、あご覆い部Sの使用を可能とするための各平ファスナーF3 ,F4 がそれぞれ縫着されている。
即ち、防火服上着Cの衿部Nに防寒衿体A1 を覆い被せて取付けた状態で、当該衿部Nの裏側に縫着された各平ファスナーF23,F24と対向する布地12における当該各平ファスナーF23,F24と対応する部分には、それぞれ各平ファスナーF1 ,F2 が縫着されている。即ち、防寒衿体A1 を構成していて、衿部Nの裏面側に配置される布地12の内面側には、前記各平ファスナーF1 ,F2 がそれぞれ縫着され、当該布地12の外面側における当該各平ファスナーF1 ,F2 と同一の部位には、防火服上着Cの衿部Nに防寒衿体A1 を取付けた状態において、あご覆い部Sの使用を可能とするための各平ファスナーF3 ,F4 がそれぞれ縫着されている。また、防寒衿体A1 を構成する布地11の余幅部を形成する余幅布地11aの外面側における当該防寒衿体A1 の周方向(長手方向)の中央部には、上着本体51の後身頃16の上端部の内側に縫着された平ファスナーF25に対して引っ掛けられる平ファスナーF5 が縫着されている。
また、衿体本体10を構成していて、防火服上着Cの衿部Nの裏面側に配置される布地12におけるあご覆い部Sの一体縫着部52に対応する部分には、当該あご覆い部Sを挿通させて、その全体を衿体本体10の外側に露出させるための挿通孔15が幅方向に形成されている。
このため、図6ないし図11に示されるように、防火服上着Cの衿部Nを起立状態にさせておいて、当該衿部Nの全体を衿体本体10の内部に収容した状態で、当該衿部Nに衿体本体10を覆い被せ、その途中において、衿体本体10を構成する布地12の挿通孔15に、衿部Nに基端部が一体に縫着されたあご覆い部Sを挿通させて、当該あご覆い部Sを衿体本体10の外側に露出させると、衿体本体10の布地12の内面側に縫着された2つの各平ファスナーF1 ,F2 が、防火服上着Cの衿部Nの2つの各平ファスナーF23,F24にそれぞれ引っ掛かり合って、防火服上着Cの衿部Nに衿体本体10が着脱可能となって取付けられる。防火服上着Cの衿部Nに対する防寒衿体A1 の取付けは、前記した2箇所における平ファスナーによる引っ掛かりのみならず、衿体本体10の布地12に形成された挿通孔15に、衿部Nに基端部が一体に縫着されたあご覆い部Sが挿通されていて、当該挿通構造によって、激しい消火活動によっても、防火服上着Cの衿部Nから防寒衿体A1 が取り外されることはない。
そして、防寒衿体A1 が覆い被せられた衿部Nを起立状態にして、衿体本体10の布地12の挿通孔15から引き出されたあご覆い部Sによって、人体のあご71(図10参照)を覆った状態で、当該あご覆い部Sの裏面側の平ファスナーF21と、衿体本体10の裏側の布地12に縫着された平ファスナーF3 とを互いに引っ掛けると、図1に示されるように、人体の首部72とあご71とが一体となって覆われる。なお、図11から明白なように、衿体本体10の裏側の布地12の外面側に縫着されている2つの各平ファスナーF3,F4 は、それぞれ防火服上着Cの衿部Nの裏面側に縫着されている各平ファスナーF23,F24と同一の位置に配置されているので、あご覆い部Sは、防寒衿体A1 を使用しない場合と全く同様にして、取り扱うことができる。
また、あご覆い部Sを使用しない場合には、図9で2点鎖線で示されるように、当該あご覆い部Sを背面側に反転させて、その表面側に縫着されている平ファスナーF22と、衿体本体10の裏面側の布地12に縫着された平ファスナーF4 とを引っ掛け合せて、あご覆い部Sを非使用状態にしておく。なお、防火服上着Cを装着しているが、消火活動を行なわない場合には、あご覆い部Sを非使用状態にして、衿部Nを倒しておくことも可能である。
このように、防火服上着Cの衿部Nの全体を変則袋状をした防寒衿体A1 に収容して、当該衿部Nを防寒衿体A1 で覆うことにより、衿部Nは、三重布地構造となって、保温性が高まり、人体の首部が防寒される。
次に、図12及び図13を参照して、「第2型」の防火服上着C’の衿部N’に取付けられる防寒衿体A2 について説明する。なお、防寒衿体A2 及び防火服上着C’の説明に際しては、防寒衿体A1 に対応する部分には、同一符号に「’」を付する。防火服上着C’の衿部N’の一方の端部は、そのまま周方向(長手方向)に人体のあごを覆うことのできる長さだけ延長されて、当該延長部があご覆い部S’として機能している。衿部N’におけるあご覆い部S’が設けられていない側の端部の裏面側には、平ファスナーF23が縫着され、あご覆い部S’の表面側には、平ファスナーF21が縫着され、衿部N’を起立させた状態で、あご覆い部S’により人体のあごを覆って、各平ファスナーF23,F21を互いに引っ掛かり合せる。
防寒衿体A2 は、衿部N’の幅及び長さに対応した幅及び長さを有していて、環形の一部となるような形状をなしている。衿部N’の裏面側に配置される布地12’における当該衿部N’の平ファスナーF23に対応する部分には、その表裏両面の同一の位置にそれぞれ平ファスナーF6 ,F7 が縫着されている。また、衿部N’の表面側に配置される布地11’におけるあご覆い部S’の平ファスナーF21に対応する部分には、その表裏両面の同一の位置にそれぞれ平ファスナーF8 ,F9 が縫着されている。なお、防寒衿体A1 と同様に、衿部N’の表面側に配置される布地11’は、その開口部の側において幅が広くなった余幅布地11a’が設けられ、この余幅布地11a’の外面側には、防火服上着C’の後身頃16の上端部の裏面に縫着された平ファスナーF25に引っ掛けられる平ファスナーF5 が縫着されている。
従って、防火服上着C’の衿部N’に防寒衿体A2 を覆い被せて、当該衿部N’の長手方向の一端部、及びあご覆い部S’の自由端部にぞれぞれ縫着された各平ファスナーF23,F21と、防寒衿体A2 を構成する各布地11’,12’の対応部分に縫着された各平ファスナーF6 ,F9 とを互いに引っ掛け合せると、当該衿部N’に対して防寒衿体A2 が着脱可能となって取付けられる。この状態で、あご覆い部S’により人体のあごを覆って、当該あご覆い部S’の部分を覆う防寒衿体A2 に縫着された平ファスナーF8 と、当該平ファスナーF8 と対向する平ファスナーF7 とを引っ掛け合せて、あご覆い部S’により人体のあごを覆った状態を維持させる。
上記した各防寒衿体A1 ,A2 においても、平ファスナーは、互いに重なりあった状態で配置されるが、平ファスナー自体が嵩張らない構造であるため、大きな嵩張り部が発生するのを防止して、違和感なく防寒衿体A1 ,A2 の使用ができる。
次に、図14ないし図17を参照して、本考案の実施例について説明する。保冷剤ユニットUは、方形状の収納袋Bに保冷剤Kが収納されたものであって、収納袋Bを構成する表裏の各布地21,22は、その幅に差を有していて、各布地21,22の開口23を形成する部分の端部の内側には、それぞれ平ファスナーF11,F12が対向する形態で縫着されている。このため、幅の広い布地21に縫着される平ファスナーF11の幅は、幅の狭い布地22に縫着される平ファスナーF12の幅よりも狭くなっていて、平ファスナーF11の露出部は、上着本体51の後身頃16の上端部の内側に縫着された平ファスナーF25と引っ掛け合って、薄板状の保冷剤Kを収納した収納袋Bの開口23の部分を上着本体51の後身頃16の上端部の内側に取付けて、使用状態において、人体の首部72と当該収納袋Bを防火服上着Cの衿部Nとの間に起立姿勢で保冷剤ユニットUを配置可能とする部分である。なお、収納袋Bは、前記衿体本体10と同様に、防炎素材で形成され、薄板状の保冷剤Kは、樹脂ユニット24に密封状態で収容されている。
図15及び図16に示されるように、樹脂パック24に密封収容された保冷剤Kを収納袋Bの開口23から、当該収納袋Bの内部に収納した状態において、開口23の部分を密着させると、対向配置された各平ファスナーF11,F12が互いに引っ掛かり合って、収納袋Bの内部に保冷剤Kが収納された保冷剤ユニットUとなる。
そして、保冷剤ユニットUを構成する収納袋Bの布地22を防火服上着Cの衿部Nと対向するように配置して、別の布地21の開口23の部分に露出している平ファスナーF11と、上着本体51の後身頃16に縫着された平ファスナーF25とを引っ掛かり合せると、起立状態の衿部Nの内側に保冷剤ユニットUが配置され、この状態で、防火服上着Cを着衣すると、図17に示されるように、保冷剤ユニットUは、人体の首部72の背面側である頸部73の部分に配置される。保冷剤K自体は薄板状であるために、保冷剤ユニットUは、人体の首部72の背面側と防火服上着Cの衿部Nとの隙間に、首部72の自由な動きを阻害することなく収容される。なお、各平ファスナーF11,F12の引っ掛かりの解除により、保冷剤Kの交換も容易に行える。
このように、人体の首部72の背面側と防火服上着Cの衿部Nとの隙間に、首部72の自由な動きを阻害することなく、大きな面積を有する保冷剤ユニットUが収容されるために、火元で消火活動を行う消防隊員の熱中症対策に対して効果的である。
また、保冷剤Kを使用しない場合には、上着本体51の後身頃16の上端部の内側の引掛り部に対する引っ掛かりを解除して、上着本体51から保冷剤Kを収納した収納袋Bを取り外せばよい。
なお、上記実施例では、収納袋Bと防火服上着Cとの引っ掛り合いは、当該収納袋Bの下端部のみであるが、収納袋Bを構成する布地22と防火服上着Cの衿部Nとを、当該収納袋Bの上端部において、引っ掛かり合せることにより、収納袋Bの上下端部の2箇所において、防火服上着Cに対して引っ掛け合せることにより、当該防火服上着Cに対する保冷剤ユニットUの取付けが安定する。
なお、上記においては、防火服上着の衿部に対する防寒衿体の取付け、及び後身頃に対する収納袋の取付けのための引掛り部は、いずれも平ファスナーで構成されており、平ファスナーは、防火服上着を着衣した場合においても、嵩張らないという利点がある。しかし、本考案における引掛り部は、ぼたん類、ひも類で構成することも可能である。
1,A2 :防寒衿体
B:収納袋
C:防火服上着
1 〜F9 :衿体本体に縫着された平ファスナー
11:保冷剤の収納袋に縫着された平ファスナー(収納袋側引掛り部)
12:保冷剤の収納袋に縫着された平ファスナー
21〜F 24 防火服上着に縫着された平ファスナー
25防火服上着の後身頃に縫着された平ファスナー(後身頃側引掛り部)
K:保冷剤
N:防火服上着の衿部
S:あご覆い部
U:保冷剤ユニット
10:衿体本体
11:衿体本体を構成する表面側布地
12:衿体本体を構成する裏面側布地
15:挿通孔
16:防火服上着の後身頃
21,22:保冷剤の収納袋を構成する布地
51:上着本体
71:人体のあご
72:人体の首部
73:人体の頸部

Claims (2)

  1. 人体の胴部及び両腕部を覆う上着本体と、当該上着本体の首開口の部分に一体に縫着されて、首廻りを覆うような起立状態で使用可能な衿部とを備えた防火服上着に着脱可能に取付けられる保冷剤ユニットであって、
    前記上着本体の後身頃の上端部の内側には、互いに引っ掛かり合いにより、別の布地部材を着脱可能に取付けるための引掛り部が設けられ、収納袋に収納された薄板状の保冷剤は、当該収納袋に設けられた引掛り部と前記引掛り部との引っ掛かり合いにより、人体の首部の背面側に配置可能であることを特徴とする防火服上着に着脱可能に取付けられる保冷剤ユニット。
  2. 前記引掛り部は、面ファスナーであることを特徴とする請求項2に記載の防火服上着に着脱可能に取付けられる保冷剤ユニット。
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