JP2000045113A - 耐熱防護服 - Google Patents
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Abstract
を放出して、防護服内の温度・湿度を低減し、着衣者の
熱疲労による作業能率の低下を防止し、かつ着用者の活
動を容易にする。 【解決手段】 上着およびズボンを、それぞれ外衣と外
衣に着脱可能に又は縫い付けによって装着する内衣とに
よって構成した防火服10において、上着11の内衣3
0の少なくとも本体部28,33に設けた後身頃の裏側
布に放熱手段40を形成し、該放熱手段40は、連続線
条ランダムループのスプリング構造にした高機能クッシ
ョン材を組込んだ網状弾性体41によって構成される。
Description
消防隊員あるいは炉前作業等に従事する作業員などが作
業中に着用する耐熱防護服の改良に関する。
護服は、外部からの熱、炎、に対する反射機能あるいは
防水機能に重点をおいて着用者の身体を保護するために
開発設計されているが、耐熱防護服の内部構成の断熱性
能はあまり優れておらず、着用者は、作業中に熱中症に
かかったり、熱中症になる一歩手前で現場からの退却を
余儀なくされているのが現状である。また、近年、ガス
火災や液体火災が増加してきており、それに伴う爆発、
非常に強いレベルの放射熱、対流熱、接触熱に遭遇する
危険性が増加している。そのため、耐熱防護服に高度な
耐熱性、耐火性、断熱性等が要求されてきている。上記
要求に対処すべく、最近の耐熱防護服は、耐熱性,耐火
性を有する外衣、および防水性,断熱性を有する内衣か
ら構成されているもの、あるいは、これらの構成を一体
化したもの等、特に、断熱性能を向上させたものが開発
されている。
高まったとことで、逆に、前記防護服を着用した者が作
業活動することで、着用者の体内で発生した熱を防護服
の外部に放出しにくくなってしまっている。そして、人
体に過度な蓄熱が生じた場合は、そのヒートストレスの
ために、通常は一定に維持されている体温が急上昇し、
作業中、意識が朦朧となって動けなくなるといった熱中
症を引き起こしたり、極端な場合は、致命傷になり兼ね
ず、切実な問題点がある。
剤を使用したり、強制通気装置を取付けたり、さらには
透湿性の改良等種々研究されてきているが、未だに、人
体への影響、活動の制約、性能不足等の問題点をすべて
満足する構成までには至っておらず、特に、耐熱防護服
内部の蓄熱を如何に解消するかという点については解決
がなされていない現状にある。
服の外衣の表面が熱せられることにより、あるいは、着
衣者自身の体温の上昇により、外衣と着衣者の着衣との
間に蓄熱される高温,高湿の空気を、着衣中に耐熱防護
服の内側から外部に放出する機能を備える放熱手段を、
前記防護服の裏側に配設することにより、前記防護服内
の高温,高湿空気を大気中に放出させ、着衣者の熱疲労
による作業能力の低下を防止し、熱疲労による事故など
を防ぐ、耐熱性、耐火性にすぐれかつ衣服内の温度、湿
度を低く維持できるようにした耐熱防護服を提供するこ
とを目的とする。
の着衣可能構成とし、耐熱防護服とは別体構成とすると
共に、、前記防護服内側に重ね着することで、前記耐熱
防護服と着用者との間に発生蓄熱する高温,高湿空気を
衣服外部に放出するようにした耐熱防護服を提供するこ
とを目的とする。
防護機能を有する衣服または衣服システムの外衣の裏面
側の少なくとも一部分に、放熱手段を配設したことを特
徴とするものである。請求項2の発明は、前記請求項1
に記載の耐熱防護服において、前記放熱手段を、連続線
条ランダムループのスプリング構造にした高機能クッシ
ョン材を組込んだ網状弾性体で構成したものである。請
求項3の発明は、前記請求項2に記載の耐熱防護服にお
いて、前記連続線条ランダムループが、ゴム弾性素材か
ら形成されたものである。請求項4の発明は、前記請求
項1または請求項2に記載の耐熱防護服において、前記
放熱手段の圧縮方向の厚み寸法が、2〜100mmの厚さ
であることを特徴としたものである。請求項5の発明
は、上着およびズボンを、それぞれ外衣と外衣に着脱可
能に上着およびズボンを、それぞれ外衣と外衣に着脱可
能に又は縫い付けによって装着する内衣とによって構成
した耐熱防護服において、上着の内衣の少なくとも本体
部に設けた裏側布の一部に放熱手段を設けたものであ
る。
とも一般消防服、特殊耐熱服、または炉前服等を指し、
いずれも上衣,ズボンを含むものとする。
熱性、耐火性、断熱性のことである。前記耐熱防護服
に、耐熱性、耐火性を付与するためには、ポリベンゾオ
キサゾ−ル(PBO)、ガラス、アラミド、ポリイミド
等の繊維を使用した編織物を使用する方法が挙げられ
る。前記方法によれば、表面がアルミナイズドされてい
ることで、輻射熱反射効果により高い耐熱性、耐火性、
断熱性を付与することが可能となる。また、断熱性を付
与するためには、アラミド、ポリイミド繊維等からなる
積層不織布等を使用する方法が挙げられる。また、外衣
表面がアルミナイズドしないアラミド難燃繊維を使用す
る方法もある。
の衣服1枚の状態を指し、衣服システムとは、外衣,内
衣を重ね着した状態のトータルの着用衣服を指すもので
あって、衣服1枚で本発明の性能を全て実現する方法で
も、複数の衣服を重ね着することにより、本発明の性能
を実現する方法でも包含するものとする。
と衣服との間の蓄熱空気を外部に放散させる構成、言い
換えれば、着衣者の衣服の襟元、袖口、ウエスト、裾等
の衣服の開口部から、外部に空気が放散されると同時に
体内の熱も放出するという換気による放熱効果(ポンプ
効果)がより顕著になる特徴を含む構成の総称である。
施形態を示すが、本発明の耐熱防護服は、以下の実施形
態に限定されるものではないことを承知されたい。ま
た、使用素材から明らかなように、衣服または衣服シス
テムは、基本的な耐熱防護機能は備わったものである。
護服について、外衣と内衣とで構成される消防服につい
て、図1〜図5を参照して説明する。図中、10は消防
服であって、該消防服10は、外衣11と内衣30とか
ら構成されており、外衣11は、左,右前身頃12、後
身頃13、左,右肩布14、衿15と、左,右袖16、
および左,右袖16の前袖部17、上,下後袖部18,
19、左,右袖口布20と、左,右まち部21、左,右
見返し22、後見返し23、前当て布24等により本体
部28が形成されており、この本体部28にポケット2
5、これらのフラップ25a、ベルト返し用のループ部
26、衿止め27、および反射シート29が付加されて
構成されたものであって、アルミナイズドされたポリベ
ンゾオキサゾール(PBO)繊維から構成される表地と
フッソ多孔質フィルムをアラミド繊維からなる布帛に加
工した中間地と、アラミド繊維混紡の不織布とアラミド
繊維からなる布帛をキルティングした裏地とが使用され
ている。
図3に良く示されているように、左,右前身頃31と後
身頃32とを縫い付けて本体部33を構成し、本体部3
3の上部左,右両側に袖ぐり34を形成し、これらの袖
ぐり34の周縁部には、左,右袖35の基端部を周方向
の大部分に左,右まち部36を介して連結してある。
上,下後袖37,38を縫い付けると共に、上,下後袖
部37、38の対向縁部を連結して筒状に構成し、下後
袖部38の肘側縫い付け部の長手方向中間部にタック
(襞)38aを形成して、肘の前曲げ余裕部39を左,
右袖35に設けてある。
に前端を位置させ、後身頃32の上端近くに後端を位置
させ、袖35の基端部の周方向に沿う半分以上をまち部
36を介して後側に偏して袖ぐり34の前身頃31と、
後身頃32の上部に縫い付け、袖35の基端部の周方向
に沿う残った部分を袖ぐり34を形成する前身頃31お
よび後身頃32の上端部に直接縫い付けて、腕の肩から
の前後および上曲げ余裕部39を本体部33と左,右袖
35との連結部にそれぞれ形成してある。
側に形成した放熱手段であって、この放熱手段40は、
図4にて部分拡大断面図で示すように、内衣30の後身
頃32の裏面側のキルテイング布32aの表面に、ポリ
エステル系エラストマーなどの弾性樹脂を連続線条ラン
ダムループのスプリング構造にして形成した、嵩密度0.
045g/cm3 で、かつ厚みが20mmの高機能クッショ
ン材を、内衣の首部,肩部、左右胸部、背中中央部分に
当たる一部分にほぼ裃状に配設し、このクッション材の
表面42を難燃処理を施したネット体43で覆った網状
弾性体41で構成され、前記ネット体43の端部分43
aを前記後身頃32の裏面側表布であるキルテイング布
32aに縫い付けなどの手段で固定するようにしてい
る。
有しない網状の形態をとるものであり、ランダムな構造
であっても、蜂の巣構造等の規則正しい構造であっても
よく、身体の一部に応力集中が生じることなく自然な着
心地を与えるために、使用面積を比較的多くすることが
重要であり、その点からは、前記弾性体41自身に流動
する空気層を有する網状クッション構造が望ましい。ま
た、該網状弾性体41構造において、ランダムな構造を
とるほうが空気が流動し易く、より望ましい。
維が互いに交絡し、接触した部位が融着した接点を有し
ており、連続線条ランダムループを有したスプリング構
造をとるものである。前記弾性樹脂は、ポリエステル
系、ナイロン系、ウレタン系、ポリベンゾオキシゾー
ル、アラミドエラストマー等から構成される。
ラストマーであると、取扱い性、耐熱性、クッション性
のバランスがとれており望ましい。なお、本発明の網状
弾性体41を形成する場合には、該弾性体41の嵩密度
が0.005〜0.150g/cm3 であると通気性に優れ、
また、0.01〜0.10g/cm3 であると、通気性とクッ
ション性のバランスがとれて望ましい。さらには、0.0
2〜0.08g/cm3 であるとよりバランスがとれて望ま
しい。更にはまた、通気性は少なくとも200cc/cm2
/secは必要であり、好ましくは、300cc/cm2/sec
以上であると放熱効果(ポンプ効果)が顕著に表れる。
構成においては、圧縮方向の厚さが2〜100mmであ
る。厚みが2mm未満であると、体内で発生する熱を換気
により放散させる効果が小さく、身体への負担を軽減す
ることが難しい。また、厚みが100mmを越えると、着
用者が動きにくくなり活動に支障をきたす。特に、厚み
が5〜40mmの範囲のものであれば放熱効果と動作性の
バランスがとれており望ましい。
41の配設位置は、特に限定するものではなく、背中、
胸部、肩、膝、大腿部等どこに配置しても良く、かつ、
分割して配置しても、分解せず一体物として配置しても
良い。望ましくは、肩から背中にかけて一体物で配置す
ると、着用時のバランスがとれて動き易く、かつ軽量感
を感じさせ得る。さらには、背中は、上方から下方に向
かって幅を狭くし、両腕の脇の下部分を覆わない形態に
配置すると非常に動きやすく好ましい。
性樹脂を連続線条ランダムループのスプリング構造とし
たものを使用したので、圧縮回復性にすぐれ、適度の反
発力で元に戻り、長期使用によるへたりに対して耐久性
があり、かつスプリング構造であるため大きな空隙があ
り、通気性,熱拡散性に優れると共に、大きな空隙があ
るため水切り性がよく、洗濯・乾燥性にすぐれたもので
ある。尚、前記網状弾性体41は、必要に応じて難燃
化、抗菌化も可能である。
と外衣11の本体部28とを内,外に重ねると共に、内
衣30の左,右袖35を外衣11の左,右袖16内にそ
れぞれ嵌め、内衣30を外衣11に対し着脱可能にして
ある。すなわち、内衣30の左,右前身頃31の下端部
より対向側縁および後身頃32の上縁部と、外衣11の
左,右前見返し22の下端部より上の対向側側部および
後見返し23の下縁部とを、一連の装着用ファスナー3
0a,30bによって内衣30の本体部33を外衣11
の本体部28に着脱可能に装着してある。
右袖35外周面の裾口近くに難燃性の網状体で通気性を
有する左,右連通筒44の基端部をそれぞれ連結し、
左,右袖35の連通筒44から突出した袖口端部に先端
側に突出するジャージなどの弾性があり拡径可能な左,
右袖口筒45を内,外2重に折り返して連結し、左,右
連通筒44の先端と、外衣11の左,右袖16の先端部
に設けた筒状の袖口布20とを、これらの周方向全体に
わたって、袖口用ベルベット式ファスナー46によって
着脱自在に連結してある。
1、後身頃32と、左,右袖35の前袖部35a、上,
下後袖37,38と、左,右まち部36とは、表布,裏
布間に不織布、網状体等の心材を介在させてキルテイン
グしたものとし、内衣30の周縁部の少なくともファス
ナー装着部以外の部分には布製の縁保護テープ47を横
断面コ字状に縫い付けてある。なお、外衣11の本体部
および左,右袖と、内衣30の本体部と袖部とは、ほぼ
相似で、外衣11よりも内衣30を若干小さくしてあ
る。
ボン50は外衣51と内衣61とからなり、それぞれ本
体部52,62と左,右脚部53,63とを備えてい
る。54は腰背当て、55はつりベルトである。
衣61の本体部62は、左,右前身頃64と、左,右後
身頃65とを縫い付けることで、筒状の左,右脚部63
と、これらの上方に連なる身頃部66とを構成し、身頃
部66の後側に脚曲げ余裕部67を形成すると共に、正
面に前あわせ部68を形成してあり、前記左,右脚部6
3には、連結部の前側に膝曲げ余裕部69を形成してあ
る。
には多数の上部止め具70を所要間隔で固定し、外衣の
ズボン51の本体部52の内面に設けた止め具59に着
脱可能に係合させ、また内衣の左,右脚部63の下端部
外面にも複数の下部止め具71を所要間隔で固定し、ズ
ボンの外衣の左,右脚部の内面に設けた止め具72に着
脱可能に係合させることで、ズボンの外衣51内にズボ
ンの内衣61を着脱可能に嵌めて保持できるようにして
ある。前記内衣61を構成するズボン50の本体部の
左,右前身頃、左,右後身頃および左,右脚部は、それ
ぞれ表布と裏布とによって構成し、表布と裏布とを難燃
処理を施した織布を用いている。
膝曲げ余裕部69より上方の左,右大腿部、および上方
の腰回り部73に位置させて、裏側布正面部に高機能ク
ッション材を配設し、前記クッション材を難燃性のネッ
ト体81で覆って取り付けてなる前述と同様の網状弾性
体82である。
服10は、該防火服10の上着の内衣30,ズボン50
の内衣61の裏面側に、それぞれ高機能クッション材を
組込んで構成した放熱手段40,80としての網状弾性
体がそれぞれ配設された構成となっているので、上着,
ズボンを使用者が着用して火災現場で消火活動を行う場
合、外衣および内衣が火災の熱で加熱され防火服10の
内部が高温となるが、防火服10の着用者の着衣と内衣
30との間に空間部が形成されることで、内衣30と着
用者の着衣との間に空気層が形成され高熱が直接着用者
の体内に熱伝導されることがなく、前記空間部が急速に
高温になることが防止でき、着用者の熱疲労を軽減し、
消火活動を容易にできる。
を設けたことにより、消火作業時に酸素ボンベなど重量
のある消火器具を背負う必要が生じた場合には、放熱手
段40がクッションとして機能し、かつ着衣者の着衣と
防火服10の内衣30間に保留された高温の空気を、ク
ッション作用に伴うポンプ機能により防火服の首部から
衿部を介して外気に放出することが可能となる。また、
この発明における消防服の上着の外衣と内衣の左,右袖
の結合部分には、通気性を有する連通筒44を介して連
結しているので、外衣と内衣との空間に保留される高温
の空気は連通筒44の通気孔より外部に放出される。
の耐熱防護服を実際に着用して運動を行い衣服内温度を
測定することにより、着用者の体内で発生する熱の放熱
効果について、前記放熱手段の備えていない従来の衣服
を着用した場合とを比較検討した結果を次に示す。ま
た、同時に暑熱感、むれ感、動作性、および軽量感につ
いても被験者にヒヤリングした。
65%において、安静10分の後トレッドミル5度の角
度での歩行を4Km/hrの速度で20分実施し、その後、
10分間の休憩をとった。また、酸素ボンベなどの呼吸
器を背負って付けた場合と、付けない場合の、両方につ
いてテストした。尚、着用テストは、横浜市消防訓練セ
ンターで行った。 テストの結果、 本発明の耐熱防護服: A)呼吸器のある場合の背中の衣服内温度: 31.1℃ B)呼吸器のない場合の背中の衣服内温度: 29.8℃ C)呼吸器のある場合の背中側首出口の衣服内温度: 27.1℃ D)呼吸器のない場合の背中側首出口の衣服内温度: 27.3℃ 従来の耐熱防護服: A)呼吸器のある場合の背中の衣服内温度: 35.3℃ B)呼吸器のない場合の背中の衣服内温度: 32.3℃ C)呼吸器のある場合の背中側首出口の衣服内温度: 28.0℃ D)呼吸器のない場合の背中側首出口の衣服内温度: 29.3℃ であった。
なく、動作性がよく、軽量感については、軽く感じてい
る、との回答結果であった。これに対して従来例では、
暑熱感では非常に暑く、大いにむれ感があり、やや動作
性に問題があり、軽量感については、非常に重く感じ
る、との回答結果であった。
けることで、衣服内の背中温度が低く、また、背中側首
出口も衣服内温度が低くなる傾向を示し、放熱効果が認
められたものと判断できる。
る網状弾性体の構造は、独立気泡を有しない網状の形態
をとるランダムな構造について説明したが、特にこのよ
うな構成に限定されことなく、蛇腹構造であっても良
く、該蛇腹構造は、蛇腹の形態をとる素材が、折り畳み
回復という圧縮変形をすることにより放熱効果(ポンプ
効果)をもつものであれば良い。
を一部融着させた繊維構造物、織物等があげられ、ポリ
エステル、ポリベンゾオキサゾール、アラミド、ポリイ
ミド、等の繊維から構成することができる。また、編物
を構成する繊維の繊維長手方向が経方向、緯方向の平面
方向だけでなく、厚み方向にも存在する立体編物構造で
あってもよく、ポリエステル、ナイロン、ポリベンゾオ
キサゾール、アラミド、各種エラストマーからなる繊維
等が使用できる。
位置は、前記実施形態に限定されることなく、耐熱防護
機能を有する衣服の裏側、または内衣の表側,裏側等、
衣服に一体化して存在しても、あるいは衣服と一体化せ
ず単体の衣服として存在しても構わない。単体の衣服と
は、放熱手段の機能だけを有するベスト等があてはま
る。一体化とは、本発明の放熱手段を衣服に固定するこ
とであり、縫製、接着、あるいはネットを衣服に取り付
けて、該ネットと衣服との間の袋状部分に挿入する方法
等が挙げられる。ネットを使用する場合は、本発明の放
熱手段を抜き差し出来る状態としても構わない。
を防火服の内衣の裏面側に配設した構成のものについて
説明したが、これに限定されることなく、耐炎性および
耐熱性に優れた外衣であれば、外衣の裏面側に直に前記
放熱手段を配設して防護服内の温度を低減できるように
することも勿論可能である。
熱防護服は、耐熱性、耐火性に優れた性能を有しなが
ら、放熱手段を設けることにより、従来にない衣服内の
空気を流動させポンプ効果(換気効果)により外部に空
気を放出し、衣服内の温度と湿度を低くする効果を有す
る。このような効果は、身体への蓄熱が減少するので、
体温が上昇し難く作業中の熱中症を起こす危険性を少な
くする。しかも、動作性は阻害されることなく、着用し
たときに軽さを感じるという効果がある。
時に酸素ボンベなど重量のある消火器具を背負う必要が
生じた場合は、放熱手段がクッションとして機能し、か
つ着衣者の着衣と防火服の内衣間に保留された高温の空
気を、クッション作用に伴うポンプ機能により防火服の
首部から衿部を介して外気に放出することで防火服内側
の空気温度・湿度の上昇および高温化を軽減することが
可能となるので、耐熱防護服着用者の熱疲労を軽減し、
かつ消火活動などの作業性を向上出来る。
で、一般防火服の上衣を示す一部切欠き正面図。
図。
Claims (5)
- 【請求項1】 耐熱防護機能を有する衣服または衣服シ
ステムの外衣の裏面側の少なくとも一部分に、放熱手段
を配設したことを特徴とする耐熱防護服。 - 【請求項2】 前記放熱手段は、連続線条ランダムルー
プのスプリング構造にした高機能クッション材を組込ん
だ網状弾性体で構成されたものである請求項1記載の耐
熱防護服。 - 【請求項3】 前記連続線条ランダムループが、ゴム弾
性素材から形成されたことを特徴とする請求項2記載の
耐熱防護服。 - 【請求項4】 前記放熱手段の圧縮方向の厚み寸法が、
2〜100mmの厚さであることを特徴とする請求項1ま
たは請求項2記載の耐熱防護服。 - 【請求項5】 上着およびズボンを、それぞれ外衣と外
衣に着脱可能に又は縫い付けによって装着する内衣とに
よって構成した耐熱防護服において、上着の内衣の少な
くとも本体部に設けた裏側布の一部に放熱手段を配設し
たことを特徴とする耐熱防護服。
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