JPH11172150A - 非導電性遮光層用組成物、非導電性遮光層、およびカラーフィルター - Google Patents

非導電性遮光層用組成物、非導電性遮光層、およびカラーフィルター

Info

Publication number
JPH11172150A
JPH11172150A JP25807898A JP25807898A JPH11172150A JP H11172150 A JPH11172150 A JP H11172150A JP 25807898 A JP25807898 A JP 25807898A JP 25807898 A JP25807898 A JP 25807898A JP H11172150 A JPH11172150 A JP H11172150A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shielding layer
composition
conductive light
acrylate
meth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP25807898A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshio Yoshihara
俊夫 吉原
Shunsuke Sega
俊介 瀬賀
Akira Inoue
彰 井上
Hideaki Yamagata
秀明 山縣
Kokei Nishijima
弘敬 西島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP25807898A priority Critical patent/JPH11172150A/ja
Publication of JPH11172150A publication Critical patent/JPH11172150A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
  • Optical Filters (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】露光部の耐現像性を保持したまま、未露光部の
現像液に対する溶解性を向上させ、異物の付着を無くし
た非導電性遮光層用組成物、遮光能力や黒色度に優れた
非導電性遮光層およびカラーフィルターの提供。 【解決手段】平均分子量が2000〜20,000のア
ルカリ可溶性バインダー、光重合性モノマー、塗膜物性
改良剤、光重合性開始剤、少なくとも銅、マンガン、
鉄、亜鉛、ジルコニウムの5種の金属を含む複合金属酸
化物微粒子である顔料および溶剤を主成分とし、前記光
重合性モノマーが、多官能(メタ)アクリレート及び/
又は平均分子量1000〜10,000の直鎖状オリゴ
マーとからなり、非導電性遮光層は、上記組成物が、基
板に塗布乾燥され、パターン露光、及び現像処理されて
パターン形成され、カラーフィルターは、透明基板上
に、赤、緑、および青の画素および上記の非導電性遮光
層からなるブラックマトリックスが設けられたもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遮光能力が高く、
かつ、非導電性が要求される用途において有用な遮光層
用組成物、非導電性遮光層に関し、さらに、詳しくは液
晶表示装置などに用いられるカラーフィルターにおける
遮光層(ブラックマトリックス)の形成に有用な非導電
性遮光層用組成物、非導電性遮光層に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、液晶表示装置に使用するカラーフ
ィルターにおいて、表示画像のコントラストを高めるた
めに、ブラックマトリックスの形成方法として、非画素
領域に金属クロム膜をスパッタ法により形成した後、フ
ォトリソグラフィー法によりパターニングする方法、ま
たはカーボンブラック等の顔料をバインダー樹脂中に分
散してなる塗布膜を基板上に印刷、または上記と同様フ
ォトリソグラフィー法による形成方法が一般的であっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の方法で形成される遮光層は全て導電性を持つため、
該遮光層を透明電極間に用いる場合には、別途絶縁層を
設けねばならないこと、また、遮光層によって電極間の
短絡を起こしやすいこと、導電性の遮光層を通して隣接
する電極層間のクロストークが大きくなることなどの問
題点があった。さらに、金属クロム膜は遮光性は良好で
あるものの、金属特有の反射が大きいために、外光の映
り込みが生じ、画面が見づらくなるという欠点がある。
また、カーボンブラック等の顔料を用いて十分な遮光性
を得るためには、微細な顔料をバインダー樹脂中へ大
量、均一に分散する必要があるが、顔料の凝集等が起こ
りやすいため実現は非常に困難である。
【0004】本発明等は、先に、黒色度、絶縁性ともに
優れる銅、マンガン、鉄の複合金属酸化物微粒子を用い
た非導電性遮光層用組成物を提案(特願平8−9588
4号)したが、上記の金属の組合せにより得られる複合
金属酸化物微粒子は、アルカリ可溶性バインダー樹脂を
はじめ、他の成分との親和性に乏しく、十分な遮光性を
得るためにバインダー樹脂中へ顔料を大量に混入させた
場合、顔料が著しく凝集し、膜面の平滑性の低下や塗布
面内での遮光性の不均一化を引き起こすため、他の成分
が十分な特性を有しているにも係わらず、カラーフィル
ター用非導電性遮光層用組成物として使用するには一定
の課題を有することが判明した。
【0005】また、フォトリソグラフィー法により遮光
層を形成する場合、露光部は現像に耐えうる十分な強度
を有するが、未露光部の現像液に対する溶解性に一定の
課題があり、パターンの一部に未露光部が残ること、ま
た、現像液により基板から剥離した未露光部が溶解する
のではなく大きな塊のまま基板上、類は現像装置中に残
留する場合があり、基板上に異物となって製品欠陥が生
じる場合があることが判明した。
【0006】本発明の目的は、顔料が有する上記の課題
を解決し、遮光性や絶縁性などの特性は維持しつつ、ア
ルカリ可溶性バインダー樹脂をはじめとする他の成分中
に大量に混合した場合でも均一に分散し、長期にわたり
安定で、また、露光部の耐現像性を保持したまま、未露
光部の現像液に対する溶解性を向上させ、異物の付着を
無くした非導電性遮光層用組成物、遮光能力や黒色度に
優れた非導電性遮光層およびカラーフィルターを提供す
ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の非導電性遮光層
用組成物は、平均分子量が2000〜20,000のア
ルカリ可溶性バインダー、光重合性モノマー、塗膜物性
改良剤、光重合性開始剤、少なくとも銅、マンガン、
鉄、亜鉛、ジルコニウムの5種の金属を含む複合金属酸
化物微粒子である顔料および溶剤を主成分とし、前記光
重合性モノマーが、少なくとも3個以上の反応性二重結
合基を持つ多官能(メタ)アクリレートと、2個の反応
性二重結合基を持つ直鎖状(メタ)アクリレート及び/
又は平均分子量1000〜10,000の直鎖状オリゴ
マーとからなることを特徴とする。
【0008】複合金属酸化物微粒子は、その表面に亜鉛
及びジルコニウムを多く含有するものであることを特徴
とする。
【0009】顔料の粒子径が、0.01μm〜0.5μ
m、顔料の比表面積が15m2 /g〜40m2 /gであ
り、かつ、顔料が表面に0.1μmol/g〜40μm
ol/gの水酸基を有し、該水酸基が以下の定量法によ
り決定されるものであることを特徴とする。
【0010】(定量法)顔料2.0gに対し、0.01
Nの水酸化テトラブチルアンモニウム−エタノール溶液
30mlを添加し、1時間攪拌させて上澄み10mlを
採り、エタノール30mlを加え、0.01N過塩素酸
−エタノール溶液で定量した残留水酸化テトラブチルア
ンモニウム量を上記0.01Nの水酸化テトラブチルア
ンモニウム−エタノール溶液30ml中に含まれる水酸
化テトラブチルアンモニウム量から引いた値を顔料表面
の水酸基量とする。
【0011】顔料の表面には、疎水性基が共有結合によ
り結合されたことを特徴とする。
【0012】顔料粒子が、遷移(複合)金属水酸化物微
粒子、及び/又は遷移(複合)金属酸化物微粒子により
被覆されていることを特徴とする。
【0013】アルカリ可溶性バインダーが、反応性二重
結合基を0.1モル〜20モル%含み、かつ、酸価が5
0mgKOH/g〜250mgKOH/gのエポキシ樹
脂であることを特徴とする。
【0014】光重合性モノマーにおける3個以上の反応
性二重結合基を持つ多官能(メタ)アクリレートが、ジ
ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート又は
その誘導体であることを特徴とする。
【0015】上記の3個以上の反応性二重結合基を持つ
多官能(メタ)アクリレートが、その少なくとも一部に
1〜30モルのエチレンオキサイドを付加したものであ
ることを特徴とする。
【0016】上記の光重合性モノマーにおける2個の反
応性二重結合基を持つ直鎖状(メタ)アクリレートが、
1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート及び
その誘導体であることを特徴とする。
【0017】上記の塗膜物性改良剤が、疎水性の主鎖と
親水性の側鎖とからなるグラフト共重合物であることを
特徴とする。
【0018】上記の塗膜物性改良剤が、親水性の主鎖と
疎水性の側鎖とからなるグラフト共重合物であることを
特徴とする。
【0019】上記のグラフト共重合物の疎水部の平均分
子量が5000〜30,000で、親水部の平均分子量
が1000〜30,000であり、グラフト共重合物の
平均分子量が、1000〜100,000であることを
特徴とする。
【0020】上記の塗膜物性改良剤が、疎水部と親水部
を合わせもつブロック共重合物であることを特徴とす
る。
【0021】上記のブロック共重合物における疎水部と
親水部との割合(重量比)が9:1〜1:9であり、平
均分子量が1000〜50,000であることを特徴と
する。
【0022】上記の塗膜物性改良剤が、反応性二重結合
基を0モル〜50モル%含み、かつその酸価が0mgK
OH/g〜250mgKOH/gであることを特徴とす
る。
【0023】上記の非導電性遮光層用組成物が、更にフ
ッ素系界面活性剤、シコン系界面活性剤の少なくとも1
種を0.0001重量%〜1重量%含有することを特徴
とする。
【0024】上記の溶剤が、20℃において、純水10
0重量部に10重量部以上の可溶性を有することを特徴
とする。
【0025】上記の溶剤が、重量法による比蒸発速度に
おいて、n−酢酸ブチルを100とした時、10〜50
の比蒸発速度を有するものであることを特徴とする。
【0026】上記の溶剤の沸点が、大気圧下で100℃
〜200℃であることを特徴とする。
【0027】上記の溶剤の20℃における表面張力が、
10dyne/cm 〜50dyne/cm であることを特徴とする。
【0028】上記の光重合性開始剤が、アセトフェノン
化合物、イミダゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、
チオキサントン化合物の少なくとも1種以上からなるこ
とを特徴とする。
【0029】本発明の非導電性遮光層は、平均分子量が
2000〜20,000のアルカリ可溶性バインダー、
光重合性モノマー、塗膜物性改良剤、光重合性開始剤、
少なくとも銅、マンガン、鉄、亜鉛、ジルコニウムの5
種の金属を含む複合金属酸化物微粒子である顔料および
溶剤を主成分とし、前記光重合性モノマーが、少なくと
も3個以上の反応性二重結合基を持つ多官能(メタ)ア
クリレートと、2個の反応性二重結合基を持つ直鎖状
(メタ)アクリレート及び/又は平均分子量1000〜
10,000の直鎖状オリゴマーとからなる非導電性遮
光層用組成物が、基板に塗布され、次いで乾燥された
後、少なくともパターン露光、及び現像処理されてパタ
ーン形成されたことを特徴とする。
【0030】上記の非導電性遮光層の鉛筆硬度が1H以
上であることを特徴とする。
【0031】上記の非導電性遮光層は、下記の硬度測定
法によって定義されるダイナミック硬度が30以上であ
ることを特徴とする。
【0032】島津ダイナミック超微小硬度計(形式 D
UH−201s、(株)島津製作所製)を使用し、測定
モード:MODE5、押し込み深さ1μm、押し込み速
度0.014mN/sの条件で測定して得られるダイナ
ミック硬度 上記の非導電性遮光層は、下記で定義される光学濃度が
1〜4.5であることを特徴とする。
【0033】光学濃度=− log〔400nm〜700n
mの可視光領域での透過率〕 上記の非導電性遮光層の体積抵抗率が105 Ω・cm以
上であることを特徴とする。
【0034】上記の非導電性遮光層の膜厚が0.3μm
〜5μmであることを特徴とする。
【0035】本発明のカラーフィルターは、透明基板上
に、赤、緑、および青、またはイエロー、マゼンタ、シ
アンの画素およびブラックマトリックスが設けられ、該
ブラックマトリックスが、平均分子量が2000〜2
0,000のアルカリ可溶性バインダー、光重合性モノ
マー、塗膜物性改良剤、光重合性開始剤、少なくとも
銅、マンガン、鉄、亜鉛、ジルコニウムの5種の金属を
含む複合金属酸化物微粒子である顔料および溶剤を主成
分とし、前記光重合性モノマーが、少なくとも3個以上
の反応性二重結合基を持つ多官能(メタ)アクリレート
と、2個の反応性二重結合基を持つ直鎖状(メタ)アク
リレート及び/又は平均分子量1000〜10,000
の直鎖状オリゴマーとからなる非導電性遮光層用組成物
を、基板に塗布し、次いで乾燥した後、少なくともパタ
ーン露光、及び現像処理してパターン形成した非導電性
遮光層であることを特徴とする。
【0036】本発明のカラーフィルターは、透明基板上
に、赤、緑、および青、またはイエロー、マゼンタ、シ
アンの画素およびブラックマトリックスが設けられ、さ
らに、該表面に透明保護膜、または透明電極層、または
該表面に透明保護膜、透明電極層が順次設けられてな
り、前記ブラックマトリックスが、平均分子量が200
0〜20,000のアルカリ可溶性バインダー、光重合
性モノマー、塗膜物性改良剤、光重合性開始剤、少なく
とも銅、マンガン、鉄、亜鉛、ジルコニウムの5種の金
属を含む複合金属酸化物微粒子である顔料および溶剤を
主成分とし、前記光重合性モノマーが、少なくとも3個
以上の反応性二重結合基を持つ多官能(メタ)アクリレ
ートと、2個の反応性二重結合基を持つ直鎖状(メタ)
アクリレート及び/又は平均分子量1000〜10,0
00の直鎖状オリゴマーとからなる非導電性遮光層用組
成物を、基板に塗布し、次いで乾燥した後、少なくとも
パターン露光、及び現像処理してパターン形成した非導
電性遮光層であることを特徴とする。
【0037】上記の透明保護膜が、熱硬化エポキシ樹脂
及び/又は光硬化アクリル樹脂であることを特徴とす
る。
【0038】上記の非導電性遮光層上に透明保護膜を積
層した状態での鉛筆硬度が1H以上であることを特徴と
する。
【0039】上記の非導電性遮光層上に透明保護膜を積
層した状態での下記の硬度測定法によって定義されるダ
イナミック硬度が30以上であることを特徴とする。
【0040】島津ダイナミック超微小硬度計(形式 D
UH−201s、(株)島津製作所製)を使用し、測定
モード:MODE5、押し込み深さ1μm、押し込み速
度0.014mN/sの条件で測定して得られるダイナ
ミック硬度 上記の非導電性遮光層上に透明保護膜を積層した状態で
の下記で定義される光学濃度が1〜4.5であることを
特徴とする。
【0041】光学濃度=− log〔400nm〜700n
mの可視光領域での透過率〕 上記の非導電性遮光層上に透明保護膜を積層した状態で
の体積抵抗率が105Ω・cm以上であることを特徴と
する。
【0042】
【発明の実施の形態】本発明における遮光性顔料は、少
なくとも銅、マンガン、鉄、亜鉛、ジルコニウムの5種
の金属酸化物からなる複合金属酸化物微粒子である。こ
の複合金属酸化物微粒子においては、少なくとも銅、マ
ンガン、鉄の3種の金属酸化物よりなる複合金属酸化
物、例えばCuMn2 4 のMnの一部をFeで置き換
えた複合金属酸化物により遮光性、黒色度を得るもので
あるが、これら3種の複合金属酸化物のみであると、バ
インダー樹脂との親和性に劣り、大量、均一な混入が困
難なために、バインダー樹脂との親和性に優れる亜鉛、
ジルコニウムの金属酸化物を加えたものである。
【0043】また、この5種類の金属からなる複合金属
酸化物粒子の非導電性遮光層用組成物における親和性
は、他の成分と接触する顔料表面の性質にあるとの考え
からすると、顔料表面にジルコニウム及び亜鉛の酸化物
または両者を含む複合酸化物を多く含有するものとす
る。
【0044】さらに、この5種類の金属からなる複合金
属酸化物粒子の非導電性遮光層用組成物における均一分
散化には、その粒子径、比表面積、表面の官能基量とし
て最適値があることを見いだした。また、顔料の均一分
散化を容易に実現するために、顔料粒子表面に疎水基を
導入して疎水化するか、或いは、顔料粒子を遷移(複
合)金属水酸化物微粒子や遷移(複合)金属酸化物微粒
子で被覆して改質するものである。
【0045】また、アルカリ可溶性バインダーとして、
重合性を付与したエポキシ樹脂誘導体を採用することに
より、露光、および現像を含むパターン形成工程、特に
アルカリ現像液に長時間曝した場合でも基板への密着性
を損なわない骨格構造のアルカリ可溶性バインダーとな
しえるものである。
【0046】また、光重合性モノマーとして、多官能性
(メタ)アクリレートを使用することで、非導電性遮光
層の解像性の向上を図ることができ、実用上耐えうる強
度を持つ非導電性遮光層を形成できるものであり、ま
た、現像適性を向上させるために、2官能性直鎖状(メ
タ)アクリレート及びその誘導体及び/又は分子量10
00〜10,000の直鎖状オリゴマーを併用すること
で製品欠陥の原因となる異物の発生の生じない、かつ未
露光部の溶解性に優れた非導電性遮光層用組成物となし
うることを見出した。
【0047】本発明では、さらに、非導電性遮光層の塗
膜物性改良剤として、非導電性遮光層用組成物中に親水
部と組成物を合わせ持つ共重合物を含有させることで、
アルカリ可溶性パインダーであるエポキシ樹脂誘導体や
光重合性モノマーによる粘着性を見かけ上取り除くこと
ができるので、パターン形成工程中にカラーフィルター
パネルの製造上好ましくない異物が発生しても、その付
着を抑えることを可能とする。
【0048】以下、本発明を具体的に説明する。本発明
の非導電性遮光層用組成物における顔料は、特開平4−
50119号公報に開示される湿式法に準じ、銅、マン
ガン、鉄、ジルコニウム、及び亜鉛の5種類の水溶性金
属塩にアルカリを添加し、中和析出させ、その析出した
スラリー中に過酸化水素などの酸化剤を加え、液相中で
酸化した後、洗浄、乾燥、焼成および粉砕して製造する
ことができる。また、ジルコニウムや亜鉛の金属酸化物
を粒子表面に多く集めるためには、銅、マンガン、鉄の
水溶性金属塩にアルカリを添加し、中和析出させ、その
析出したスラリー中に過酸化水素などの酸化剤を加え、
液相中で酸化して複合金属酸化物を作製する工程の途
中、または作製後にジルコニウム、及び亜鉛の水溶性金
属塩を添加する方法等により調製することができる。
【0049】銅、マンガン、鉄からなる複合金属酸化物
は、例えば、CuMn2 4 のMnの一部をFeによっ
て置換したもので、組成比としては、CuOが25重量
%〜40重量%、Fe2 3 が5重量%〜30重量%、
およびMn2 3 が40重量%〜60重量%の範囲のも
のが挙げられる。
【0050】ジルコニウム及び亜鉛の複合金属酸化物の
含有量は、銅、マンガン、鉄からなる複合金属酸化物に
対し、0.1重量%〜50重量%、好ましくは0.1重
量%〜20重量%である。0.1重量%未満の場合には
アルカリ可溶性バインダー等との親和性に劣るため所望
の非導電性遮光層を得ることができず、また50重量%
を越えると顔料の黒色度が大幅に低下し、カラーフィル
ターとして使用した際に現認性に劣るので好ましくな
い。
【0051】また、本発明における顔料には、銅、マン
ガン、鉄、ジルコニウム、及び亜鉛の5種類の複合金属
酸化物に加え、コバルト、ニッケル等の金属酸化物も含
有していてもよい。
【0052】また、本発明の非導電性遮光層用組成物に
おいて使用する黒色顔料は、粒子径、比表面積、表面水
酸基量に夫々最適値が存在する。
【0053】粒子径については、0.01μm〜0.5
μm、好ましくは0.01μm〜0.3μmの範囲にあ
ることが好ましい。粒子径が0.01μm未満では遮光
性が十分でなく、0.5μmを越えると膜面の平滑性が
損なわれたり、パターン形成精度を大幅に低減させるた
め好ましくない。
【0054】比表面積としては、15m2 /g〜40m
2 /g、好ましくは18m2 /g〜35m2 /gの範囲
である。ここで比表面積が40m2 /gを越えるものと
なるには適性粒子径以下の顔料が含まれる場合と、適性
粒子径の範囲内であっても多孔質やアモルファス構造を
とる場合とが考えられる。適性粒子径未満の場合は遮光
性が十分にとれず、また、適性粒子径の範囲内であって
も顔料が多孔質体やアモルファス構造を取る場合には、
顔料自身の凝集力が強いと同時にバインダー成分をも強
固に吸着し凝集体を形成するため、顔料の分散性が著し
く阻害され好ましくない。比表面積が15m2 /g未満
では適性粒子径以上の顔料が含まれるために好ましくな
い。
【0055】さらに、粒子径、および比表面積が適性範
囲内にある場合でも、本発明で使用される顔料は表面の
水酸基量が0.1μmol/g〜40μmol/g、好
ましくは、0.5μmol/g〜25μmol/gであ
る必要がある。表面水酸基量が0.1μmol/g未満
では、顔料表面の溶剤やバインダー成分に対する親和性
が極端に落ちるために顔料の凝集や析出等が起こり、4
0μmol/gを越えると、比表面積が大きすぎる場合
と同様、顔料自身の凝集力や他のバインダー成分の吸着
力が強くなりすぎるため好ましくない。
【0056】なお、本発明における顔料表面の水酸基量
は、以下の定量法で決定するものである。
【0057】(定量法)顔料2.0gに対し、0.01
Nの水酸化テトラブチルアンモニウム−エタノール溶液
30mlを添加し、1時間攪拌させて上澄み10mlを
取り、エタノール30mlを加え、0.01N過塩素酸
−エタノール溶液で定量した残留水酸化テトラブチルア
ンモニウム量を、上記0.01Nの水酸化テトラブチル
アンモニウム−エタノール溶液30ml中に含まれる水
酸化テトラブチルアンモニウム量から引いた値を顔料表
面の水酸基量とする。
【0058】このような顔料は、市販されているものと
して、例えば大日精化工業(株)製「ダイピロキサイド
TMブラック♯3950」、「ダイピロキサイドTMブ
ラック#3952」、「ダイピロキサイドTMブラック
#9550」、「ダイピロキサイドTMブラック#35
50」、BASF社製「SICOCER F Black 2904」、「SI
COCER F Black 2912」、「SICOPUR SE 1435 」等が挙げ
られる。
【0059】また、上記の条件を満たす場合でも、本発
明に用いる顔料表面は本質的にアルカリ可溶性バインダ
ーや光重合性モノマーとの親和性に乏しいため、特に十
分な遮光性を実現するために多量の顔料を含有させるよ
うな場合には、顔料同士の凝集が起こりやすくなる。そ
のため、本発明の非導電性遮光層用組成物では、更に、
顔料粒子表面にアルキル基やフェニル基等の疎水性基を
共有結合により導入するか、または、顔料粒子表面に遷
移金属水酸化物粒子や遷移金属酸化物粒子を被覆するこ
とにより、アルカリ可溶性バインダーや光重合性モノマ
ーとの親和性を増大させ、顔料の凝集状態の緩和やアル
カリ可溶性バインダーや光重合性モノマーとの親和性の
向上をさせるとよい。
【0060】顔料表面に疎水性基を共有結合により導入
するには、例えば顔料表面の水酸基をシラン系、チタネ
ート系、アルミニウム系のカップリング剤で処理するこ
とによりアルキル化またはフェニル化すればよく、その
置換量は顔料に対して0.01重量%〜20重量%が適
当である。
【0061】また、顔料表面を、粒子径が0.005μ
m〜0.02μmのZr、Zn、Fe、Co、又はNi
等の遷移金属水酸化物微粒子、及び/又は遷移金属酸化
物微粒子で被覆してもよい。また、遷移金属は単独でも
また複合していてもよい。
【0062】被覆方法としては、遷移金属塩水溶液中に
顔料を分散させ、アルカリ溶液を滴下させて顔料表面に
遷移金属水酸化物微粒子及び/又は遷移金属酸化物微粒
子として中和析出・沈着させる等の公知の方法で被覆す
るとよい。顔料粒子表面への被覆量としては、0.01
重量%〜20重量%である。
【0063】次に、アルカリ可溶性バインダーとして
は、顔料粒子の分散性に寄与し、光重合性モノマーや光
重合性開始剤との相性が良く、また、アルカリ現像液に
対する溶解性や有機溶剤溶解性に優れることが要求され
る。また、露光、現像を含むパターン形成工程にあって
は、特にアルカリ現像液や洗浄液に長時間曝された場合
でも基板に対する密着性に優れることが要求され、更
に、カラーフィルター部材としての強度、軟化温度等が
適当であるものが好ましい。
【0064】このようなアルカリ可溶性バインダーとし
ては、エポキシ樹脂、特に、基本骨格がビスフェノール
Aとエピクロロヒドリンとの縮合反応物であって、分子
内に2個以上含まれるエポキシ基の開環反応を利用して
グリシジルメタクリレート等により反応性二重結合基や
環状酸無水物を付加し、得られるカルボキシル基等によ
り重合開始能やアルカリ現像性を付与したものが好まし
い。例えば、ビスフェノールA型ビニルエステルが挙げ
られ、アルカリに対する耐性や基板密着性、膜強度の実
現の上で上記特性を満たすものである。
【0065】また、本発明のアルカリ可溶性バインダー
においては、更に、反応性二重結合基の導入により重合
性のバインダーとすることで形成される遮光層の各種強
度を向上させることができる。導入される反応性二重結
合基は、0.1モル〜20モル%、好ましくは0.5モ
ル〜15モル%の範囲である。また、適度なアルカリ現
像液耐性を付与するためには、その酸価が50mgKO
H/g〜250mgKOH/g、好ましくは60mgK
OH/g〜150mgKOH/gの範囲である。
【0066】酸価数が250mgKOH/gを越える
と、露光・現像後においてパターン解像はされるが、ア
ルカリ現像液に対する耐性がなく、現像パターン面に小
さなクラックが発生し、ここからアルカリ現像液の浸透
が急速に生じて最終的にはガラス基板面からレジスト剥
がれ(剥離)を引き起こす。また、酸価数が70mgK
OH/g未満であると、アルカリに対する溶解性が無く
なり、未露光部でも溶解が起こらず、適切なパターン形
成が行えない。
【0067】アルカリ可溶性バインダーの平均分子量
は、2000〜20,000、好ましくは3000〜1
5,000の範囲である。2000未満ではバインダー
として十分に機能せず、20,000を越えると顔料同
士の凝集物を作りやすく、顔料凝集に起因する組成物寿
命や、基板密着性、パターン形成性や塗膜の平滑性の低
下を引き起こすため好ましくない。また、アルカリ可溶
性バインダーとして、上述したエポキシ樹脂を使用する
と、非導電性遮光層用組成物中での顔料に対する分散安
定化の効果も有する。
【0068】アルカリ可溶性バインダーとして好ましい
エポキシ樹脂としては、例えば昭和高分子(株)製「ビ
スフェノールA型エポキシアクリレート、VR−60T
H、二重結合基20モル%、酸価70mgKOH/g、
平均分子量7,000」、「ビスフェノールA型エポキ
シアクリレート、VR−90TH、二重結合基26モル
%、酸価125mgKOH/g、平均分子量350
0」、「クレゾール型ノボラック型エポキシアクリレー
ト、二重結合基38モル%、酸価110mgKOH/
g、平均分子量7500」、「フェノールノボラック型
エポキシアクリレート、二重結合基38モル%、酸価1
20mgKOH/g、平均分子量5500」等が挙げら
れる。
【0069】アルカリ可溶性バインダーは、非導電性遮
光層用組成物中の全固形分の5重量%〜80重量%、好
ましくは5重量%〜60重量%の範囲である。
【0070】なお、本発明のアルカリ可溶性バインダー
には、例えば特願平8−95884号に記載される高分
子量のものでも、アルカリ可溶性バインダーとして好ま
しいエポキシ樹脂の作用を損なわない範囲において併用
してもよい。
【0071】次に、光重合性モノマーとしては、一つの
分子中に3個以上の二重結合官能基を持つ多官能アクリ
レートや多官能メタアクリレート(以下、アクリレート
体とメタクリレート体とを同時に示す場合(メタ)アク
リレートと称する)と、2個の二重結合基を持つ直鎖状
(メタ)アクリレート及び/又は平均分子量1000〜
10,000の直鎖状オリゴマーとの混合物が好ましく
用いられる。
【0072】多官能(メタ)アクリレートにおいて、官
能基数が6を越えると、膜自身が固くなる反面、脆くな
るため十分な強度が発現し得ず、4未満では効果が不十
分で、この場合も強度が不十分となることが考えられる
が、実使用上は3個以上の二重結合基を有していればよ
い。特に5個の二重結合基を持つジペンタエリスリトー
ルペンタ(メタ)アクリレート及びその誘導体が好まし
い。
【0073】その他にも、例えば、ポリエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ
アクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペ
ンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペン
タエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペン
タエリスリトールヘキサアクリレート、ヘキサンジオー
ルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパント
リ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(ア
クリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(ア
クリロイルオキシエチル)シアヌレート、グリセリント
リ(メタ)アクリレート等が例示される。また、トリメ
チロールプロパンやグリセリン等の多官能アルコールに
おける水酸基の少なくとも一部にエチレンオキシドやプ
ロピレンオキシド等のアルキレンオキサイドを1モル〜
30モル、好ましくは3モル〜20モル付加反応した後
に(メタ)アクリレート化したものが挙げられる。ま
た、ポリエステルアクリレート類も挙げられる。
【0074】上記のアクリレート体とメタクリレート体
とはそれぞれ単独、また混合して使用してもよく、ま
た、モノマーの他にプレポリマー、即ち、2量体や3量
体も有効である。
【0075】また、2個の二重結合基を持つ直鎖状(メ
タ)アクリレート及び/又は平均分子量1000〜1
0,000の直鎖状オリゴマーは、現像液による未露光
部の溶解性を改良することを目的として添加され、未露
光部の基板上での残留や基板上への異物の付着を防止す
ることができる。これらはいずれも上述のアルカリ可溶
性バインダーや多官能(メタ)アクリレートの両者に親
和性を有し、未露光部の溶解性不良の原因と考えられる
両者の強固な絡み合い構造を解きほぐす効果を有するも
のである。
【0076】2個の二重結合基を持つ直鎖状(メタ)ア
クリレートとして、好ましくは1,6−ヘキサンジオー
ルジ(メタ)アルカリ可溶性バインダーであるが、実使
用上においては2個の二重結合基を有していれば好まし
く使用される。
【0077】その他にも、例えば、ポリエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)
アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ポリエーテルジ(メタ)アクリレート、エ
チレンオキサイド付加ビスフェノールAジ(メタ)アク
リレート、プロピレンオキサイド付加ビスフェノールA
ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ
(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メ
タ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)
アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリ
コールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸
ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートカプロ
ラクトン付加物、トリメチロールプロパンジ(メタ)ア
クリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)
アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリ
レートモノステアレート、イソシアヌル酸エチレンオキ
サイド変性ジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0078】また、平均分子量1000〜10,000
の直鎖状オリゴマーとしては、この分子量のオリゴマー
であれば使用できるが、特にアルカリ可溶性バインダー
や多官能(メタ)アクリレートの両者との相溶性を考慮
すると(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸
エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリ
ル酸ブチル等の(メタ)アクリレートオリゴマー単独、
またはこれらのコオリゴマーが特に好ましい。
【0079】上記の光重合性モノマーの含有量は、非導
電性遮光層用組成物中の全固形分の5重量%〜50重量
%、好ましくは5重量%〜40重量%であり、多官能
(メタ)アクリレート、二官能性(メタ)アクリレー
ト、平均分子量1000〜10,000の直鎖状オリゴ
マーのそれぞれの含有量は、光重合性モノマーの含有量
の範囲で適宜調整されるとよい。
【0080】本発明を実現する上で、上記アルカリ可溶
性バインダーと光重合性モノマーを組み合わせることで
好適な非導電性遮光層を形成することが可能であるが、
アルカリ可溶性バインダーとして用いるエポキシ樹脂
は、好ましい分子量範囲である2000〜20,000
では粘着性であり、非導電性遮光層自体がべとつき、製
造中にゴミ等が表面に付着しやすく、カラーフィルター
の欠陥を生じやすくなる。そのため、本発明の非導電性
遮光層用組成物においては、塗膜物性改良剤を添加して
「べとつき」を取り除くことが望ましい。
【0081】塗膜物性改良剤としては、現像性や解像性
等の非導電性遮光層の特性を保持したまま、べとつきの
みを取り除ける特性を有することが望ましく、アルカリ
可溶性バインダーとの相溶部(親水部)と非相溶部(疎
水部)を合わせ持つグラフト共重合物やブロック共重合
物が挙げられる。このような塗膜物性改良剤を非導電性
遮光層中に添加すると、非導電性遮光層中に不均質部
(疎水部)を均一に分布させることができ、非導電性遮
光層の特性を保持しながら、べとつきのみを取り除くこ
とができる。
【0082】塗膜物性改良剤の相溶部(親水部)とは、
OH基やCOOH基等の親水性官能基を持つ高分子量
体、例えばポリアクリル酸、ポリビニルピロリドン、ポ
リビニルアルコール、ポリメタクリル酸−2−ヒドロキ
シエチル、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等、ま
た、主鎖中にCO結合を持つ高分子量体、例えば、ポリ
エチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のこ
とである。また、疎水部とは、骨格中に親水部を持たな
いポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリブテン
等である。
【0083】塗膜物性改良剤の平均分子量は、グラフト
共重合物の場合、疎水部が1000〜30,000、好
ましくは2000〜20,000、親水部が1000〜
30,000、好ましくは2000〜20,000であ
り、グラフト共重合物の平均分子量は1000〜10
0,000、好ましくは4000〜80,000であ
る。グラフト共重合物においては、疎水部を主鎖とし、
親水部を側鎖としてもよく、また、親水部を主鎖とし、
疎水部を側鎖としてもよい。
【0084】塗膜物性改良剤が、疎水部と親水部を合わ
せもつブロック共重合物の場合、疎水部と親水部との割
合(重量比)が9:1〜1:9、好ましくは8:2〜
2:8とするとよく、また、平均分子量は1000〜5
0,000、好ましくは2000〜40,000であ
る。
【0085】それぞれの分子量が上記の範囲未満の場
合、「べとつき」の除去効果がほとんどなく、上記範囲
を越えると、顔料の凝集を引き起こすため好ましくな
い。
【0086】塗膜物性改良剤は、アルカリ可溶性バイン
ダー同様に反応性二重結合基やアルカリ溶解性の酸価を
有するものとしてもよく、その量はそれぞれ0モル%〜
50モル%、0mgKOH/g〜250mgKOH/g
の範囲にあるものが好ましい。
【0087】塗膜物性改良剤は、顔料表面に吸着し、液
中での顔料の凝集を防ぐ、いわゆる分散安定化剤として
の効果も合わせ持つ。
【0088】このような塗膜物性改良剤として、例えば
綜研化学(株)製「L−20−3(櫛形ポリマー)、二
重結合基0モル%、酸価0mgKOH/g、平均分子量
56,000」、「L−403A、二重結合基0モル
%、酸価0mgKOH/g、平均分子量30,00
0」、「LH−448、二重結合基0モル%、酸価0m
gKOH/g、平均分子量30,000」や、公知の方
法で得られるエチレン性不飽和二重結合を含有する主鎖
ポリ(メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル)/側鎖ポ
リメタクリル酸メチルのグラフトポリマー(二重結合基
5モル%、酸価7mgKOH/g、平均分子量18,0
00」、エチレン性不飽和二重結合を含有する主鎖ポリ
メタクリル酸メチル)/側鎖ポリ(メタクリル酸−2−
ヒドロキシエチル)のグラフトポリマー(二重結合基5
モル%、酸価7mgKOH/g、平均分子量13,60
0」等が挙げられる。
【0089】塗膜物性改良剤の含有量は、非導電性遮光
層用組成物の全固形分の0.1重量%〜50重量%、好
ましくは0.1重量%〜30重量%である。
【0090】光重合性開始剤としては、チオキサントン
系、アセトフェノン系、ベンゾフェノン系、ベンゾイン
エーテル系、パーオキシド系、ビイミダゾール系、イミ
ダゾール系の化合物の単独、または2種以上の混合使用
が挙げられる。また、感度の向上などの必要性に応じ
て、上記の光重合開始剤に加えて、アミン系やキノン系
の光重合促進剤の添加も有効である。光重合開始剤や光
重合促進剤の含有量は、非導電性遮光層用組成物の全固
形分の0.5重量%〜40重量%、好ましくは5重量%
〜40重量%である。
【0091】また、フッ素系またはシリコン系界面活性
剤を非導電性遮光層用組成物の全固形分の0.0001
重量%〜1重量%、好ましくは0.001量%〜0.0
1量%含有させるとよい。
【0092】本発明の非導電性遮光層用組成物には、以
上の成分の他に、組成物が塗布される基板との密着性を
付与するために、組成物中にシランカップリング剤やチ
タネートカップリング剤、アルミニウムカップリング剤
等を添加することができる。さらに、必要に応じて公知
の添加剤、例えば分散剤、可塑剤等を添加することがで
きる。
【0093】溶剤としては、エチレングリコールモノメ
チルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル
アセテート、エチレングリコールモノエチルエーテル、
グリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレング
リコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモ
ノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモ
ノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエー
テルアセテート、エチレングリコールジエチルエーテ
ル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレン
グリコールイソアミルエーテル、メトキシメトキシエー
テル、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレン
グリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチ
レングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチ
レングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチ
ルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコ
ールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメ
チルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエ
チルエーテル、1−ブトキシエトキシプロパノール、ジ
プロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メチル
−3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシ
ブチルアセテート、メチルアミルケトン、乳酸メチル、
乳酸エチル、メチル−α−ヒドロキシイソブチレート、
メチル−β−メトキシイソブチレート等が挙げられる。
【0094】上記の溶剤において、非導電性遮光層用組
成物の塗布適性、アルカリ可溶性バインダー等のポリマ
ーやモノマー、光重合開始剤に対する溶解性、ならびに
顔料の分散性を考慮して、上記に示す1種又は2種以上
の溶剤を適宜選択して用いることができるが、好ましく
は多価アルコールまたはその誘導体を1種以上含むこと
が望ましい。特に、顔料の分散性を考慮すると、20℃
において、純水100重量部に対して10重量部以上、
好ましくは20重量部以上の溶解性を持つ多価アルコー
ルまたはその誘導体が有効である。また、コーティング
適性を考慮すると、n−酢酸ブチルを100とした重量
法による比蒸発速度が10〜50、好ましくは20〜4
0の溶剤が好ましい。さらに、大気圧下の沸点が100
℃〜200℃、好ましくは110℃〜190℃のもの、
更に、表面張力としては、20℃において、10dyne/c
m 〜50dyne/cm 、好ましくは20dyne/cm 〜40dyne
/cm のものを使用するとよい。これらにより非導電性遮
光層の表面が柚子肌状となるを防止することができる。
【0095】本発明の非導電性遮光層用組成物は、公知
の方法で基板上に塗布、および乾燥させることにより、
基板上に非導電性遮光層を形成することができる。塗布
の方法の具体例としては、スピンナー、ホワイラーロー
ラーコーター、カーテンコーター、ナイフコーター、バ
ーコーター、エクストルーダー等が挙げられ、乾燥後膜
厚0.3μm〜5μm、好ましくは0.3μm〜2.5
μmで塗工される。
【0096】非導電性遮光層を形成した基板の露光に際
しては、光源は非導電性遮光層の感光性に応じて選択さ
れ、超高圧水銀灯、キセノン灯、カーボンアーク灯、ア
ルゴンレーザー等の公知のものが使用できる。
【0097】パターン露光した非導電性遮光層を現像す
るための現像液として好適に用いられるものはアルカリ
水系現像剤である。アルカリ水系現像液とは、現像を水
系で行なうため、狭義には現像時にOH- を放出する現
像液である。このアルカリ水系現像液のpHは、最適に
は7.5〜12までの領域である。使用するアルカリ成
分は、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸
ナトリウム、さらに有機アンモニウム系化合物、例えば
水酸化テトラエチルアンモニウムで、その他、硫化物、
酸化物或いは弱酸の陰イオン(例えば、F- 、CN
- 等)等により加水分解されたものが挙げられる。ま
た、このpH領域の緩衝溶液を調製してアルカリ水系現
像液として使用してもよい。
【0098】本発明では、公知の方法に従って、透明基
板上に赤、緑および青、または、イエロー、マゼンタ、
シアンの画素、および本発明の非導電性遮光層からなる
ブラックマトリックスをそれぞれ設け、その表面に透明
保護膜を設けるか、または、各画素及びブラックマトリ
ックスの表面に透明電極層を設けるか、または、各画素
及びブラックマトリックスの表面に透明保護膜を設け、
その透明保護膜上に透明電極層を設けてカラーフィルタ
とされる。
【0099】透明保護層は、イオン性物質のパシベーシ
ョン防止等を目的として設けられ、例えばグリシジルエ
ーテル、グリシジルエステル、グリシジルアミン、線状
脂肪族エポキサイド、脂環族エポキサイド等の重合物ま
たは付加重合物である熱硬化性エポキシ樹脂及び/又は
(メタ)アクリレート類等の重合物及び付加重合物であ
る光硬化性アクリル樹脂を上記の各画素およびブラック
マトリックス上に、硬化または乾燥後膜厚0.5μm〜
5μmで形成されるとよい。
【0100】得られたカラーフィルターは、例えばスペ
ーサーを介して対向電極側と積層され液晶表示装置に組
み上げられるが、そのためには、非導電性遮光層自体、
また、透明保護膜が積層された非導電性遮光層として
は、下記のごとき、硬度、光学濃度、体積抵抗率、平滑
性が要求される。
【0101】硬度としては、鉛筆硬度で1H以上、好ま
しくは4H〜5Hの硬度、または、島津ダイナミック超
微小硬度計(形式 DUH−201s、(株)島津製作
所製)を使用し、測定モード:MODE5、押し込み深
さ1μm、押し込み速度0.014mN/sの条件で測
定して得られるダイナミック硬度で30以上、好ましく
は40以上の硬度とするとよい。
【0102】光学濃度としては、式 光学濃度=− log〔400nm〜700nmの可視光領
域での透過率〕 で定義される光学濃度が1〜4.5、好ましくは2.0
〜4.0のものとするとよい。体積抵抗率としては、1
5 Ω・cm以上、好ましくは、107 Ω・cm以上と
するとよい。表面平滑性(表面粗さ)としては、±0.
3μm、好ましくは±0.1μmとするとよい。
【0103】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0104】 (実施例1) (1)黒色顔料分散液の調製 ・非導電性黒色顔料(CuMn2 4 のMnの30重量%をFeに置換した複合 金属酸化物微粒子の表面付近にジルコニウムをZrO2 換算で前記複合金属酸化 物に対し2.5重量%、亜鉛をZnO2 換算で1.0重量%付与した複合金属酸 化物微粒子、大日精化工業(株)製「TMブラック♯3952」、粒子径0.1 μm、比表面積30m2 /g、水酸基量30μmol/g) ・・・・ 23重量部 ・高分子分散剤(ビックケミー・ジャパン(株)製 Disperbyk 11 1) ・・・・ 2重量部 ・溶剤(ジエチレングリコールジメチルエーテル)・・ 75重量部 上記成分を混合し、サンドミルにて十分に分散し、黒色
顔料分散液を調製した。
【0105】 (2)非導電性遮光層用組成物の調製 ・(1)で作製した黒色顔料分散液 ・・・・ 61重量部 ・アルカリ可溶性バインダー(ビスフェノールA型エポキシアクリレート、昭和 高分子(株)製「VR−60TH」、平均分子量7000、反応性二重結合基2 0モル%、酸価70mgKOH/g) ・・・・ 2.8重量部 ・光重合性モノマー(ジペンタエリスリトールペンタアクリレート) ・・・・ 3.5重量部 ・2官能性モノマー(1,6−ヘキサンジオールジアクリレート) ・・・・ 0.7重量部 ・直鎖状オリゴマー(メタクリル酸メチル−メタクリル酸ブチルコオリゴマー、 平均分子量2,000) ・・・・ 0.3重量部 ・塗膜物性改良剤(櫛形ポリマー、綜研化学(株)製 L−20−3、平均分子 量56,000、反応性二重結合基0モル%、酸価0mgKOH/g) ・・・・ 0.7重量部 ・光重合性開始剤 2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)− ブタノン−1 ・・・・ 1.6重量部 4,4−ジエチルチオキサントン ・・・・ 0.3重量部 2,4−ジエチルチオキサントン ・・・・ 0.1重量部 ビイミダゾール ・・・・ 0.4重量部 ・溶剤(ジエチレングリコールジメチルエーテル)・・・ 30重量部 上記成分を十分に混合して、本発明の非導電性遮光層用
組成物を得た。
【0106】(3)非導電性遮光層の作製 ガラス基板上に(2)で作製した非導電性遮光層用組成
物をスピンコーターで塗布し、100℃で3分間乾燥さ
せ、膜厚約1μmの遮光層を形成した。
【0107】(4)露光、および現像 上記遮光層に対して、窒素気流下、超高圧水銀等で遮光
パターンを露光した後、1%水酸化カリウム水溶液で現
像した。
【0108】 (比較例) (1)黒色顔料分散液の調製 ・非導電性黒色顔料(CuMn2 4 のMnの30重量%をFeに置換した複合 金属酸化物微粒子、大日精化工業(株)製「TMブラック♯3950」、粒子径 0.1μm、比表面積20m2 /g、水酸基量13μmol/g) ・・・・ 23重量部 ・高分子分散剤(ビックケミー・ジャパン(株)製 Disperbyk 11 1) ・・・・ 2重量部 ・溶剤(ジエチレングリコールジメチルエーテル)・・ 75重量部 上記成分を混合し、サンドミルにて十分に分散し、黒色
顔料分散液を調製した。
【0109】 (2)非導電性遮光層用組成物の調整 ・(1)で作製した黒色顔料分散液 ・・・・ 61重量部 ・アルカリ可溶性バインダー{ベンジルメタクリレート・スチレン・メタクリル 酸共重合物(重量比1:1:1、平均分子量約3万)} ・・・・ 3重量部 ・光重合性モノマー(ジペンタエリスリトールペンタアクリレート) ・・・・ 4重量部 ・光重合性開始剤: 2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)− ブタノン−1 ・・・・ 1.6重量部 4,4−ジエチルチオキサントン ・・・・ 0.3重量部 2,4−ジエチルチオキサントン ・・・・ 0.1重量部 ビイミダゾール ・・・・ 0.4重量部 ・溶剤(ジエチレングリコールジメチルエーテル)・・ 30重量部 上記成分を十分に混合して非導電性遮光層用組成物を得
た。
【0110】(3)遮光層の作製 ガラス基板上に(2)で作製した非導電性遮光層用組成
物をスピンコーターで塗布し、100℃で3分間乾燥さ
せ、膜厚約1μmの遮光層を形成した。
【0111】(4)露光、および現像 上記遮光層に対して、窒素気流下、超高圧水銀灯で遮光
層パターンを露光した後、1%水酸化カリウム水溶液で
現像した。
【0112】以上の非導電性遮光層用組成物の特性比較
結果を以下に示す。
【0113】(1)非導電性遮光層用組成物溶液の経時
変化 実施例の組成物溶液は1ヵ月以上に渡り粘度や粒度分布
に変化が認められなかったが、比較例の組成物溶液は3
日後に沈澱物が認められ、7日後に溶液全体が流動性を
失った。
【0114】(2)遮光層の平滑性 実施例の組成物溶液からの遮光層は完全に平滑であった
が、比較例の遮光層は膜中に数μmの凝集物を確認し
た。
【0115】(3)現像、洗浄中の基板密着性 比較例の遮光層は現像によるパターン形成時の未露光部
が溶解しきれずに、適切なパターン形成ができず、ま
た、現像により一度基板から剥がれ落ちた未露光部が大
きな塊として基板上に多数付着したが、実施例の遮光層
は現像、洗浄中の剥がれや欠落、及び基板上への未露光
部の付着は認められなかった。
【0116】(実施例2)ガラス基板上に、赤、緑およ
び青の画素を形成すると共に、実施例1で作製した非導
電性遮光層用組成物をスピンコーターで塗布し、100
℃で3分間乾燥させ、膜厚約1μmの遮光層を形成し
た。上記遮光層に対して、窒素気流下、超高圧水銀等で
遮光パターンを露光した後、1%水酸化カリウム水溶液
で現像した。次いで、赤、緑および青の画素および遮光
層上に、熱硬化性エポキシ樹脂であるo−クレゾールノ
ボラックエポキシ樹脂のジエチレングリコールジメチル
エーテル溶液をスピンコーターで塗布した後、加熱硬化
させ、膜厚1.5μmの透明保護層を設けた。
【0117】得られた遮光層と透明保護層の積層物は、
鉛筆硬度は4H、また、島津ダイナミック超微小硬度計
(形式 DUH−201s、(株)島津製作所製)を使
用し、測定モード:MODE5、押し込み深さ1μm、
押し込み速度0.014mN/sの条件で測定して得ら
れるダイナミック硬度は45、コニカ(株)製「PDA
−65」で測定して得られる光学濃度は、3、体積抵抗
率としては、1011Ω・cm、表面平滑性(表面粗さ)
としては、±0.1μmであった。
【0118】
【発明の効果】本発明によれば、遮光性顔料の均一分散
化が容易であり、長期にわたり安定で、かつ、遮光能力
が高く、アルカリ現像液に長時間さらされた場合でも、
基板密着性に優れ、また、未露光部の溶解性に優れるこ
とによるパターン形成性に優れた非導電性遮光層用組成
物、および非導電性遮光層を得ることができ、優れたカ
ラーフィルターとできる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G02F 1/1335 G02F 1/1335 // G03F 7/004 505 G03F 7/004 505 7/027 501 7/027 501 (72)発明者 山縣 秀明 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 西島 弘敬 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内

Claims (34)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均分子量が2000〜20,000の
    アルカリ可溶性バインダー、光重合性モノマー、塗膜物
    性改良剤、光重合性開始剤、少なくとも銅、マンガン、
    鉄、亜鉛、ジルコニウムの5種の金属を含む複合金属酸
    化物微粒子である顔料および溶剤を主成分とし、前記光
    重合性モノマーが、少なくとも3個以上の反応性二重結
    合基を持つ多官能(メタ)アクリレートと、2個の反応
    性二重結合基を持つ直鎖状(メタ)アクリレート及び/
    又は平均分子量1000〜10,000の直鎖状オリゴ
    マーとからなることを特徴とする非導電性遮光層用組成
    物。
  2. 【請求項2】 複合金属酸化物微粒子が、その表面に亜
    鉛及びジルコニウムを多く含有するものであることを特
    徴とする請求項1記載の非導電性遮光層用組成物。
  3. 【請求項3】 顔料の粒子径が、0.01μm〜0.5
    μm、顔料の比表面積が15m2 /g〜40m2 /gで
    あり、かつ、顔料が表面に0.1μmol/g〜40μ
    mol/gの水酸基を有し、該水酸基が以下の定量法に
    より決定されるものであることを特徴とする請求項1記
    載の非導電性遮光層用組成物。 (定量法)顔料2.0gに対し、0.01Nの水酸化テ
    トラブチルアンモニウム−エタノール溶液30mlを添
    加し、1時間攪拌させて上澄み10mlを採り、エタノ
    ール30mlを加え、0.01N過塩素酸−エタノール
    溶液で定量した残留水酸化テトラブチルアンモニウム量
    を上記0.01Nの水酸化テトラブチルアンモニウム−
    エタノール溶液30ml中に含まれる水酸化テトラブチ
    ルアンモニウム量から引いた値を顔料表面の水酸基量と
    する。
  4. 【請求項4】 顔料の表面には、疎水性基が共有結合に
    より結合されたことを特徴とする請求項1記載の非導電
    性遮光層用組成物。
  5. 【請求項5】 顔料粒子が、遷移(複合)金属水酸化物
    微粒子、及び/又は遷移(複合)金属酸化物微粒子によ
    り被覆されていることを特徴とする請求項1記載の非導
    電性遮光層用組成物。
  6. 【請求項6】 アルカリ可溶性バインダーが、反応性二
    重結合基を0.1モル〜20モル%含み、かつ、酸価が
    50mgKOH/g〜250mgKOH/gのエポキシ
    樹脂であることを特徴とする請求項1記載の非導電性遮
    光層用組成物。
  7. 【請求項7】 光重合性モノマーにおける3個以上の反
    応性二重結合基を持つ多官能(メタ)アクリレートが、
    ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート又
    はその誘導体であることを特徴とする請求項1記載の非
    導電性遮光層用組成物。
  8. 【請求項8】 3個以上の反応性二重結合基を持つ多官
    能(メタ)アクリレートが、その少なくとも一部に1〜
    30モルのエチレンオキサイドを付加したものであるこ
    とを特徴とする請求項7記載の非導電性遮光層用組成
    物。
  9. 【請求項9】 光重合性モノマーにおける2個の反応性
    二重結合基を持つ直鎖状(メタ)アクリレートが、1,
    6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート及びその
    誘導体であることを特徴とする請求項1記載の非導電性
    遮光層用組成物。
  10. 【請求項10】 塗膜物性改良剤が、疎水性の主鎖と親
    水性の側鎖とからなるグラフト共重合物であることを特
    徴とする請求項1記載の非導電性遮光層用組成物。
  11. 【請求項11】 塗膜物性改良剤が、親水性の主鎖と疎
    水性の側鎖とからなるグラフト共重合物であることを特
    徴とする請求項1記載の非導電性遮光層用組成物。
  12. 【請求項12】 グラフト共重合物の疎水部の平均分子
    量が5000〜30,000で、親水部の平均分子量が
    1000〜30,000であり、グラフト共重合物の平
    均分子量が、1000〜100,000であることを特
    徴とする請求項10、又は請求項11記載の非導電性遮
    光層用組成物。
  13. 【請求項13】 塗膜物性改良剤が、疎水部と親水部を
    合わせもつブロック共重合物であることを特徴とする請
    求項1記載の非導電性遮光層用組成物。
  14. 【請求項14】 ブロック共重合物における疎水部と親
    水部との割合(重量比)が9:1〜1:9であり、平均
    分子量が1000〜50,000であることを特徴とす
    る請求項13記載の非導電性遮光層用組成物。
  15. 【請求項15】 塗膜物性改良剤が、反応性二重結合基
    を0モル〜50モル%含み、かつその酸価が0mgKO
    H/g〜250mgKOH/gであることを特徴とする
    請求項1記載の非導電性遮光層用組成物。
  16. 【請求項16】 非導電性遮光層用組成物が、更にフッ
    素系界面活性剤、シコン系界面活性剤の少なくとも1種
    を0.0001重量%〜1重量%含有することを特徴と
    する請求項1記載の非導電性遮光層用組成物。
  17. 【請求項17】 溶剤が、20℃において、純水100
    重量部に10重量部以上の可溶性を有することを特徴と
    する請求項1記載の非導電性遮光層用組成物。
  18. 【請求項18】 溶剤が、重量法による比蒸発速度にお
    いて、n−酢酸ブチルを100とした時、10〜50の
    比蒸発速度を有するものである請求項1記載の非導電性
    遮光層用組成物。
  19. 【請求項19】 溶剤の沸点が、大気圧下で100℃〜
    200℃であることを特徴とする請求項1記載の非導電
    性遮光層用組成物。
  20. 【請求項20】 溶剤の20℃における表面張力が、1
    0dyne/cm 〜50dyne/cm であることを特徴とする請求
    項1記載の非導電性遮光層用組成物。
  21. 【請求項21】 光重合性開始剤が、アセトフェノン化
    合物、イミダゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、チ
    オキサントン化合物の少なくとも1種以上からなること
    を特徴とする請求項1記載の非導電性遮光層用組成物。
  22. 【請求項22】 平均分子量が2000〜20,000
    のアルカリ可溶性バインダー、光重合性モノマー、塗膜
    物性改良剤、光重合性開始剤、少なくとも銅、マンガ
    ン、鉄、亜鉛、ジルコニウムの5種の金属を含む複合金
    属酸化物微粒子である顔料および溶剤を主成分とし、前
    記光重合性モノマーが、少なくとも3個以上の反応性二
    重結合基を持つ多官能(メタ)アクリレートと、2個の
    反応性二重結合基を持つ直鎖状(メタ)アクリレート及
    び/又は平均分子量1000〜10,000の直鎖状オ
    リゴマーとからなる非導電性遮光層用組成物が、基板に
    塗布され、次いで乾燥された後、少なくともパターン露
    光、及び現像処理されてパターン形成されたことを特徴
    とする非導電性遮光層。
  23. 【請求項23】 鉛筆硬度が1H以上である請求項22
    記載の非導電性遮光層。
  24. 【請求項24】 下記の硬度測定法によって定義される
    ダイナミック硬度が30以上である請求項22記載の非
    導電性遮光層。島津ダイナミック超微小硬度計(形式
    DUH−201s、(株)島津製作所製)を使用し、測
    定モード:MODE5、押し込み深さ1μm、押し込み
    速度0.014mN/sの条件で測定して得られるダイ
    ナミック硬度
  25. 【請求項25】 下記で定義される光学濃度が1〜4.
    5である請求項22記載の非導電性遮光層。 光学濃度=− log〔400nm〜700nmの可視光領
    域での透過率〕
  26. 【請求項26】 体積抵抗率が105 Ω・cm以上であ
    る請求項22記載の非導電性遮光層。
  27. 【請求項27】 膜厚が0.3μm〜5μmである請求
    項22記載の非導電性遮光層。
  28. 【請求項28】 透明基板上に、赤、緑、および青、ま
    たはイエロー、マゼンタ、シアンの画素およびブラック
    マトリックスが設けられ、該ブラックマトリックスが、
    平均分子量が2000〜20,000のアルカリ可溶性
    バインダー、光重合性モノマー、塗膜物性改良剤、光重
    合性開始剤、少なくとも銅、マンガン、鉄、亜鉛、ジル
    コニウムの5種の金属を含む複合金属酸化物微粒子であ
    る顔料および溶剤を主成分とし、前記光重合性モノマー
    が、少なくとも3個以上の反応性二重結合基を持つ多官
    能(メタ)アクリレートと、2個の反応性二重結合基を
    持つ直鎖状(メタ)アクリレート及び/又は平均分子量
    1000〜10,000の直鎖状オリゴマーとからなる
    非導電性遮光層用組成物を、基板に塗布し、次いで乾燥
    した後、少なくともパターン露光、及び現像処理してパ
    ターン形成した非導電性遮光層であることを特徴とする
    カラーフィルター。
  29. 【請求項29】 透明基板上に、赤、緑、および青、ま
    たはイエロー、マゼンタ、シアンの画素およびブラック
    マトリックスが設けられ、さらに、該表面に透明保護
    膜、または透明電極層、または該表面に透明保護膜、透
    明電極層が順次設けられてなり、前記ブラックマトリッ
    クスが、平均分子量が2000〜20,000のアルカ
    リ可溶性バインダー、光重合性モノマー、塗膜物性改良
    剤、光重合性開始剤、少なくとも銅、マンガン、鉄、亜
    鉛、ジルコニウムの5種の金属を含む複合金属酸化物微
    粒子である顔料および溶剤を主成分とし、前記光重合性
    モノマーが、少なくとも3個以上の反応性二重結合基を
    持つ多官能(メタ)アクリレートと、2個の反応性二重
    結合基を持つ直鎖状(メタ)アクリレート及び/又は平
    均分子量1000〜10,000の直鎖状オリゴマーと
    からなる非導電性遮光層用組成物を、基板に塗布し、次
    いで乾燥した後、少なくともパターン露光、及び現像処
    理してパターン形成した非導電性遮光層であることを特
    徴とするカラーフィルター。
  30. 【請求項30】 透明保護膜が、熱硬化エポキシ樹脂及
    び/又は光硬化アクリル樹脂であることを特徴とする請
    求項29記載のカラーフィルター。
  31. 【請求項31】 非導電性遮光層上に透明保護膜を積層
    した状態での鉛筆硬度が1H以上である請求項29記載
    のカラーフィルター。
  32. 【請求項32】 非導電性遮光層上に透明保護膜を積層
    した状態での下記の硬度測定法によって定義されるダイ
    ナミック硬度が30以上である請求項29記載のカラー
    フィルター。島津ダイナミック超微小硬度計(形式 D
    UH−201s、(株)島津製作所製)を使用し、測定
    モード:MODE5、押し込み深さ1μm、押し込み速
    度0.014mN/sの条件で測定して得られるダイナ
    ミック硬度
  33. 【請求項33】 非導電性遮光層上に透明保護膜を積層
    した状態での下記で定義される光学濃度が1〜4.5で
    ある請求項29記載のカラーフィルター。 光学濃度=− log〔400nm〜700nmの可視光領
    域での透過率〕
  34. 【請求項34】 非導電性遮光層上に透明保護膜を積層
    した状態での体積抵抗率が105 Ω・cm以上である請
    求項29記載のカラーフィルター。
JP25807898A 1997-10-09 1998-09-11 非導電性遮光層用組成物、非導電性遮光層、およびカラーフィルター Pending JPH11172150A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25807898A JPH11172150A (ja) 1997-10-09 1998-09-11 非導電性遮光層用組成物、非導電性遮光層、およびカラーフィルター

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27712697 1997-10-09
JP9-277126 1997-10-09
JP25807898A JPH11172150A (ja) 1997-10-09 1998-09-11 非導電性遮光層用組成物、非導電性遮光層、およびカラーフィルター

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11172150A true JPH11172150A (ja) 1999-06-29

Family

ID=26543533

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25807898A Pending JPH11172150A (ja) 1997-10-09 1998-09-11 非導電性遮光層用組成物、非導電性遮光層、およびカラーフィルター

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11172150A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004086145A1 (ja) * 2003-03-24 2004-10-07 Dai Nippon Printing Co. Ltd. 硬化性樹脂組成物、感光性パターン形成用硬化性樹脂組成物、カラーフィルター、液晶パネル用基板、及び、液晶パネル
JP2006509886A (ja) * 2002-12-13 2006-03-23 サン・ケミカル・コーポレーション 乾式リソグラフィック印刷に適したエネルギー硬化可能で水洗可能な印刷インキ
WO2007032552A1 (en) * 2005-09-16 2007-03-22 Fujifilm Corporation Photosensitive composition, transfer material, light shielding film and production method thereof, color filter for display device, substrate for display device, and display device
JP2007286203A (ja) * 2006-04-13 2007-11-01 Fujifilm Corp 感光性組成物及びそれを用いた感光性転写材料、表示装置用遮光膜及びその製造方法、ブラックマトリクス、遮光膜付基板並びに表示装置
JP2008268943A (ja) * 2007-03-29 2008-11-06 Fujifilm Corp 固体撮像素子用着色光硬化性組成物、カラーフィルタ及びその製造方法、並びに固体撮像素子
JP2012068630A (ja) * 2010-08-26 2012-04-05 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd 黒色膜、黒色膜付き基材及び画像表示装置、並びに黒色樹脂組成物及び黒色材料分散液

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006509886A (ja) * 2002-12-13 2006-03-23 サン・ケミカル・コーポレーション 乾式リソグラフィック印刷に適したエネルギー硬化可能で水洗可能な印刷インキ
WO2004086145A1 (ja) * 2003-03-24 2004-10-07 Dai Nippon Printing Co. Ltd. 硬化性樹脂組成物、感光性パターン形成用硬化性樹脂組成物、カラーフィルター、液晶パネル用基板、及び、液晶パネル
US7537810B2 (en) 2003-03-24 2009-05-26 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Curable resin composition, photosensitive pattern-forming curable resin composition, color filter, substrate for liquid crystalline panel, and liquid crystalline panel
US8029877B2 (en) 2003-03-24 2011-10-04 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Curable resin composition, curable resin composition for forming photosensitive pattern, color filter, liquid crystal panel substrate and liquid crystal panel
WO2007032552A1 (en) * 2005-09-16 2007-03-22 Fujifilm Corporation Photosensitive composition, transfer material, light shielding film and production method thereof, color filter for display device, substrate for display device, and display device
JP2007286203A (ja) * 2006-04-13 2007-11-01 Fujifilm Corp 感光性組成物及びそれを用いた感光性転写材料、表示装置用遮光膜及びその製造方法、ブラックマトリクス、遮光膜付基板並びに表示装置
JP2008268943A (ja) * 2007-03-29 2008-11-06 Fujifilm Corp 固体撮像素子用着色光硬化性組成物、カラーフィルタ及びその製造方法、並びに固体撮像素子
JP2012068630A (ja) * 2010-08-26 2012-04-05 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd 黒色膜、黒色膜付き基材及び画像表示装置、並びに黒色樹脂組成物及び黒色材料分散液

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5403175B2 (ja) カラーフィルタ用色材分散液、カラーフィルタ用着色樹脂組成物、カラーフィルタ、並びに、液晶表示装置及び有機発光表示装置
CN1821870B (zh) 光敏胶组合物及使用该组合物制造的等离子体显示板
JP2000104005A (ja) 顔料分散剤、感光性着色組成物及び遮光層用組成物
US6001533A (en) Composition for forming non-conductive light-shielding layer, and non-conductive light-shielding layer containing same
JPH11209554A (ja) 光重合性顔料分散剤、感光性着色組成物及び遮光層用組成物
JPH11209558A (ja) 光重合性顔料分散剤、感光性着色組成物及び遮光層用組成物
JPH07140654A (ja) 感放射線性組成物
TW200831618A (en) Pigment dispersed composition for black matrix and photoresist including the same
JP5895925B2 (ja) 非水系分散剤、カラーフィルタ用色材分散液、カラーフィルタ、液晶表示装置及び有機発光表示装置
JP2000104006A (ja) 顔料分散剤、感光性着色組成物及び遮光層用組成物
JP6113466B2 (ja) ブラックマトリックス用顔料分散組成物及びそれを含有するブラックマトリックス用顔料分散レジスト組成物
CN101359177A (zh) 含无机粉体的树脂组合物、图案形成方法及电极制造方法
JPH11172150A (ja) 非導電性遮光層用組成物、非導電性遮光層、およびカラーフィルター
TW200424219A (en) Photosensitive resin composition using photopolymer
JPH1090511A (ja) 非導電性遮光層用組成物、非導電性遮光層及びカラーフイルター
JPH11202123A (ja) 非導電性遮光層用組成物、非導電性遮光層、およびカラーフィルター
JPH11172128A (ja) 非導電性遮光層用組成物、非導電性遮光層、およびカラーフィルター
CN101432375A (zh) 印刷用糊膏组合物
JPH10133365A (ja) 非導電性遮光層用組成物、非導電性遮光層及びカラーフイルター
KR101642844B1 (ko) 컬러필터용 감광성 착색 조성물 및 컬러필터
JPH1090512A (ja) 非導電性遮光層用組成物、非導電性遮光層及びカラーフイルター
JPH11349842A (ja) 光重合性顔料分散剤、感光性着色組成物及び遮光層用組成物
JP2002296770A (ja) 感光性着色組成物
JPH1090510A (ja) 非導電性遮光層用組成物、非導電性遮光層、及びカラーフイルター
CN101558334B (zh) 用于显示面板的滤光片和制备该滤光片的方法