JPH11170690A - 印刷用シート、印刷シート及びその製造方法 - Google Patents

印刷用シート、印刷シート及びその製造方法

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JPH11170690A
JPH11170690A JP9363601A JP36360197A JPH11170690A JP H11170690 A JPH11170690 A JP H11170690A JP 9363601 A JP9363601 A JP 9363601A JP 36360197 A JP36360197 A JP 36360197A JP H11170690 A JPH11170690 A JP H11170690A
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JP
Japan
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porous layer
printing
ink
sheet
layer
Prior art date
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JP9363601A
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English (en)
Inventor
Tsuneyuki Amano
恒行 天野
Yoshihisa Yonemori
義久 米森
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Publication date
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  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種のプリンタを介しインク情報を臨機に付
与して印刷シートを発行でき、そのインク情報の耐擦過
性や耐引き掻き性、耐水性や耐溶剤性等の耐薬品性、色
濃度や彩度に優れ、付着した汚染も容易に除去できる印
刷シートを形成できる印刷用シートの開発。 【解決手段】 少なくとも表面を無孔質化できる多孔質
層(1)を少なくとも表面に有する印刷用シート、その
印刷用シートにおける多孔質層にインク情報(4)を有
し、かつその多孔質層の少なくとも表面が無孔質化処理
(11)されてなる印刷シート、及び前記印刷用シート
の多孔質層にインクを付与浸透させた後、その多孔質層
の少なくとも表面を無孔質化処理する印刷シートの製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、耐擦過性等の耐久性に優
れるインク情報を付与できる印刷用シート、及びその印
刷シートとその製造方法に関する。
【0002】
【発明の背景】従来、紙や布等の多孔性基材の多孔質層
内にインクを浸透させてなるプリンタや複写機等による
印刷シートが知られていた。かかる印刷シートは、イン
クが多孔質層内に浸透することで多孔質層にて保護さ
れ、付与したインク情報が摩擦や擦過や引き掻き等で消
失しにくい利点を有する。
【0003】しかしながら、多孔質層そのものは擦過や
引き掻き等に弱くて容易に損壊し、その損壊と共にイン
ク情報も消失する問題点があった。また、多孔質層にイ
ンク可溶性の液体が浸入した場合にもインク情報が消失
したり、にじんだりする問題点もあった。従ってインク
情報の耐久性が、多孔質層の強度やインクの耐水性、耐
溶剤性、耐薬品性等に制約される難点があった。
【0004】さらに多孔質層の乱反射性が浸透したイン
クの色濃度や彩度を低下させ、前記の液体浸入性等が付
着した汚染の除去を困難とする問題点もあった。プラス
チックフィルム等の無孔質基材では、インク本来の色特
性を発揮させ得て、かかる色濃度や彩度の低下問題を伴
わず付着汚染の除去も容易であるが、前記したインク情
報の耐久性は多孔質基材の場合に及ばない。
【0005】
【発明の技術的課題】本発明は、各種のプリンタを介し
インク情報を臨機に付与して印刷シートを発行でき、そ
のインク情報の耐擦過性や耐引き掻き性、耐水性や耐溶
剤性等の耐薬品性、色濃度や彩度に優れ、付着した汚染
も容易に除去できる印刷シートを形成できる印刷用シー
トの開発を課題とする。
【0006】
【課題の解決手段】本発明は、少なくとも表面を無孔質
化できる多孔質層を少なくとも表面に有することを特徴
とする印刷用シート、並びにその印刷用シートにおける
多孔質層にインク情報を有し、かつその多孔質層の少な
くとも表面が無孔質化処理されてなることを特徴とする
印刷シート、及び前記の印刷用シートにおける多孔質層
にインクを付与浸透させた後、その多孔質層の少なくと
も表面を無孔質化処理することを特徴とする印刷シート
の製造方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】本発明によれば、各種のプリンタを介しイ
ンク情報を臨機に付与して印刷シートを発行でき、その
インク情報が多孔質層内に浸透し、かつ表面の無孔質化
層で保護されて耐擦過性、耐引き掻き性、耐水性、耐溶
剤性等の耐薬品性、色濃度、彩度に優れる高耐久性の印
刷シートを形成することができる。また付着した汚染を
容易に払拭できて耐汚染性に優れ、墨汁等が浸透付着し
てインク情報の判読を阻害することなども防止すること
ができる。さらに多孔質層の無孔質化により別個のカバ
ー素材を必要としない利点も有している。
【0008 【発明の実施形態】本発明による印刷用シートは、少な
くとも表面を無孔質化できる多孔質層を少なくとも表面
に有するものからなる。その例を図1(a)、図2
(a)に示した。1が多孔質層であり、2は必要に応じ
て設けられる補強基材、21は接着層である。
【0009】なお図1(a)、図2(a)では、多孔質
層1にインク情報4を付与した印刷シートを粘着層3を
介して被着体5に接着した状態を示しており、図1
(b)、図2(b)では、その多孔質層1における表面
を無孔質化層11としたものを示している。
【0010】印刷用シートは、当該多孔質層をインク受
容層として有する適宜な形態物であってよい。ちなみに
その例としては、多孔質層そのものからなる単層シート
形態、図1に例示の如く多孔質層1と補強基材2との重
畳形態や、図2に例示の如く多孔質層1と補強基材2を
接着層21を介して接着した重畳形態、補強基材への多
孔質層の含浸形態、非印刷側裏面への粘着層3の付設形
態などがあげられる。
【0011】多孔質層は、例えば加熱による溶融処理や
溶剤による溶解処理などの適宜な方式で少なくとも表面
を無孔質化できるものからなっていればよい。ちなみに
その例としては、熱可塑性樹脂等からなる適宜な繊維の
1種又は2種以上を用いてその繊維を水中等で絡み合わ
せ、シート状に堆積脱水させてなる紙構造に準じたもの
があげられる。
【0012】また延伸処理法等による多孔質フィルムや
乳化液等のポリマー分散液の塗工膜、除去用微粒子混入
のポリマー液の塗工層よりその混入微粒子を溶出処理等
により除去したものや、ポリマーの溶剤による溶液を塗
工しその塗工層が溶剤を含有して未乾燥の状態にある内
に、塗工層に当該溶剤とは相溶性でポリマーは溶解しな
い凝固用溶剤を噴霧して当該塗工層を固化させたものな
ども多孔質層の例としてあげられる。
【0013】前記した凝固用溶剤噴霧方式による多孔質
層の形成方式は、多数の微細繊維が多数の微小な結節部
を形成しつつ立体的に展開してなる状態の多孔質層、す
なわち多数の微細繊維を種々の方向に派生する点(微小
な結節部)が微小距離で三次元空間に群在し、その点間
を前記派生の多数の微細繊維が連結する状態の連通構造
の多孔質層を形成でき、インク浸透性等のインク情報の
形成性に優れる利点などを有している。
【0014】なお前記の凝固用溶剤と相溶性を示して凝
固用溶剤との混合でポリマーを不溶化するポリマー用の
溶剤としては、例えばN−メチル−2-ピロリドンや
N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホル
ムアミドの如きアミド系溶剤、ヘキサンやヘプタン、シ
クロヘキサンやシクロヘプタン、ベンゼンやトルエン、
キシレンやアセトンの如き炭化水素系溶剤などが用いら
れる。
【0015】また凝固用溶剤としては、例えば水、メタ
ノールやエタノール、プロパノールの如きアルコール
類、エチレングリコールやプロピレングリコールの如き
グリコール類などが用いられる。ポリマー溶液には必要
に応じて、塗工性の向上等を目的とした増粘剤や親水性
の付与を目的とした親水性付与剤、形成される多孔質層
の強度や隠蔽性の向上、多孔構造の調節や、着色化によ
る付与インク情報とのコントラストの向上、耐熱性の向
上等を目的に充填剤や白色顔料等の着色剤や酸化防止剤
などの適宜な添加剤や薬剤などが配合される。
【0016】多孔質層の形成材としては、印刷用シート
の使用目的などに応じて適宜なものを用いてよく、特に
限定はない。一般にはプラスチック、特に熱可塑性樹脂
が用いられる。ちなみにその例としては、ポリエチレン
やポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体やエ
チレン・酢酸ビニル共重合体の如きオレフィン系樹脂、
ポリスチレンやポリ塩化ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニ
ル共重合体やポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラールや
ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタールやポリ水
酸化ビニルの如きビニル系樹脂、エチルセルロースや酢
酸セルロースの如きセルロース系樹脂、ポリエチレンテ
レフタレーやポリエチレンナフタレートの如きポリエス
テル系樹脂、ポリフッ化ビニリデンの如きフッ素系樹脂
があげられる。
【0017】また、ポリウレタン系樹脂やポリアミド系
樹脂、キシレン系樹脂やポリカーボネート系樹脂、ポリ
メチルメタクリレートやポリアクリレートの如きアクリ
ル系樹脂、アセタール系樹脂やポリ塩化ビニリデン、ス
チレン・イソプレン共重合体やスチレン・ブタジエンゴ
ム、ニトリルゴムやポリブタジエン、アクリルゴム・ス
チレン・アクリロニトリル共重合体やEPDM・スチレ
ン・アクリロニトリル共重合体の如きゴム系ポリマー、
ポリイミドやポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテ
ルスルホンやポリエーテルイミド、ポリスルホンやポリ
フェニレンサルファイド、ポリアミドイミドやポリエス
テルイミドなども多孔質層の形成材の例としてあげられ
る。多孔質層の形成には、2種以上のプラスチックをブ
レンドして用いることもできる。
【0018】加熱により無孔質化する際の低エネルギー
性や耐薬品性、汎用性などが望まれる用途の場合には、
ポリエチレンやポリプロピレンの如きオレフィン系樹脂
などが特に好ましく用いうる。また耐候性等が望まれる
屋外用途の場合には、フッ素系樹脂等のプラスチックや
アクリルゴム・スチレン・アクリロニトリル共重合体、
EPDM・スチレン・アクリロニトリル共重合体等のゴ
ム系ポリマーなどが好ましく用いうる。
【0019】本発明において多孔質層は、その孔にイン
クが浸透した状態のインク情報を形成することを目的と
するものである。インクの浸透性や鮮明なインク情報の
形成性などの点より好ましい多孔質層は、その孔の平均
孔径が50μm以下、就中0.01〜40μm、特に0.
05〜20μmで、最大孔径が100μm以下、就中80
μm以下、特に50μm以下のものである。
【0020】また、インクの浸透性や層の強度などの点
より好ましい多孔質層は、気孔率、すなわち多孔質層に
占める孔の容積率が30〜90%、就中35〜85%、
特に40〜80%のものである。なお孔は、独立孔又は
/及び連続孔のいずれの状態で存在していてもよいが、
インクの浸透性などの点より少なくとも層厚方向に連通
性を有していることが好ましい。
【0021】多孔質層には、その孔中へのインクの浸透
性の向上等を目的に、例えばプラズマ処理やコロナ処
理、ケミカルエッチング処理などの表面処理を施すこと
もできる。また多孔質層内への界面活性剤の配合や、多
孔質層表面に界面活性剤のコート層を設ける方式もイン
クの浸透性の向上等に有効である。
【0022】図1や図2に例示の如く印刷用シートは、
多孔質層1をインク受容層として補強基材2にラミネー
トしたものであってもよい。その場合、例えば多孔質層
を補強基材の両面に設ける方式などにより、多孔質層の
単層シートからなる場合と同様に両面印刷式のシートと
することもできる。多孔質層と補強基材とのラミネート
は、例えば補強基材上に多孔質層を塗工形成する方式や
含浸形成する方式、多孔質層と補強基材を接着剤を介し
て又は加熱下に接着する方式、プラスチックフィルムを
押出成形しつつそれをロール等を介し多孔質層と圧着し
て密着させる方式などの適宜な方式で行うことができ、
特に限定はない。
【0023】補強基材としては、印刷用シートの使用目
的などに応じて例えば、紙や不織布、布や金属箔、ネッ
トや樹脂フィルム、それらの複合体などの適宜な材質や
形態等からなるものを用いうる。補強基材の選択で、曲
面密着性等の柔軟さや耐熱性などの物性を適宜に調節で
き、付与するインク情報とのコントラストの向上等をそ
の補強基材を介して行うこともできる。
【0024】ちなみに前記した紙としては、例えば上質
紙やアート紙、コート紙やグラシン紙の如き天然紙、ポ
リプロピレン合成紙などがあげられる。また樹脂フィル
ムとしては、上記多孔質層の形成材料として例示したプ
ラスチックからなるもののほか、エポキシアクリル系樹
脂やウレタンアクリル系樹脂、ポリエステルアクリル系
樹脂やアクリル酸エステル系樹脂、アルキッドアクリル
系樹脂やシリコーンアクリル系樹脂、ポリエン/ポリチ
オール型スピラン系樹脂やアミノアルキッド系樹脂等の
紫外線硬化系樹脂からなるものなどもあげられる。
【0025】多孔質層や補強基材の厚さは、印刷用シー
トの使用目的などに応じて適宜に決定することができ
る。一般にはインクの浸透量や薄型化などの点より、3
〜500μm、就中5〜300μm、特に7〜200μm
の厚さとされる。
【0026】なお多孔質層や補強基材等の印刷用シート
形成層には、種々の添加剤ないし薬剤等を1種又は2種
以上含有させることができる。その例としては、耐久性
の向上等を目的とした紫外線吸収剤や酸化防止剤や老化
防止剤、付与するパターンとのコントラストの向上等を
目的とした白色顔料等の着色剤やその他の充填剤などが
あげられる。なお補強基材上に多孔質層を形成する場
合、基材との密着力の向上等を目的にプライマー層等の
中間層を設けることもできる。
【0027】本発明の印刷用シートには、その非印刷側
裏面に必要に応じて粘着層を設けることもできる。その
粘着層の形成には、例えばゴム系やアクリル系、シリコ
ーン系やビニルアルキルエーテル系、ポリビニルアルコ
ール系やポリビニルピロリドン系、ポリアクリルアミド
系やセルロース系、ウレタン系やポリエステル系、ポリ
アミド系などの適宜な粘着剤を1種又は2種以上用いう
る。なお粘着層は、被着体への取付けを目的とするもの
で、被着体に取付けるまでの適宜な段階で設けることが
でき、インク情報を付与する前の印刷用シートに予め設
けることもできるし、印刷シートとしたのちに設けるこ
ともできる。
【0028】粘着層の付設は、ドクターブレード法等の
適宜な塗工方式で印刷用シート又は印刷シートに直接付
設する方式、あるいはセパレータ上に粘着層を形成して
それを印刷用シート又は印刷シートに移着する方式など
の適宜な方式で行うことができる。付設する粘着層の厚
さは、使用目的に応じて決定でき一般には1〜500μ
mとされる。なお設けた粘着層に対しては、それを被着
体に接着するまでの間、セパレータ等で被覆して汚染等
を防止することが好ましい。
【0029】本発明の印刷用シートは、上記した如くイ
ンクの内部浸透性(吸収性)を示すことから、各種のプ
リンタ用紙やラベル用紙、その他の印刷用紙などの種々
の印刷方法、就中、印刷時に液状のインクにより印刷す
る方法による用紙として用いることができる。
【0030】印刷シートは、印刷用シートの多孔質層に
インク情報ないしパターンを付与することにより形成す
ることができる。その付与方法は任意で、例えば手書法
や印刷法、マスクを介したインク塗布法などの適宜な方
法を採ることができる。また印刷法にては、スクリーン
印刷法やグラビア印刷法のほか、熱溶融型や熱昇華型、
熱転写型やインクジェット型、XYプロッタ型やワイヤ
ドット型、インパクト型の如き各種のプリンタによる印
刷法も採ることができ、印刷装置について特に限定はな
く適宜なものを用いうる。
【0031】就中、インクジェット方式や熱転写方式、
電子写真方式などのオンデマンド印刷による印刷法が印
刷精度やインクの内部浸透性、印刷シートの臨機形成性
などの点より好ましい。前記の熱転写方式や電子写真方
式にても、熱転写方式では熱転写時に、電子写真方式で
は定着時に加熱溶融されてインクが液状化され、インク
が多孔質層の内部に浸透したインク情報が形成される。
従って固体状のインクにてもそれを加熱溶融する方式な
どにより液状化することで、多孔質層の内部にインクが
浸透したインク情報を形成することができる。
【0032】なお前記においてインクやインクシートな
どについては適宜なものを用いうる。また付与するイン
ク情報は任意で、印字パターンや絵柄パターン、バーコ
ードパターンなどの文字や図形や記号等からなる任意な
情報を付与してよい。なお識別ラベル等を形成する場合
などには、印刷用シートとインク情報とに良好なコント
ラスト、ないし色調の相違が形成されるようにすること
が好ましい。印刷用シートは、長尺シートや単品シー
ト、さらには打抜きシートなどの適宜な形態で印刷に供
することができる。
【0033】本発明による印刷シートは、図1(b)や
図2(b)に例示した如く、印刷用シートの多孔質層1
にインク情報4を付与形成した後、その多孔質層の少な
くとも表面を無孔質化処理して無孔質化層11を形成し
たものである。かかる無孔質化層の形成により、それが
インク情報の保護層として機能して耐擦過性や耐引き掻
き性、耐水性や耐溶剤性等の耐薬品性に優れる高耐久性
の印刷シートとすることができる。また無孔質化により
多孔質に基づく光の乱反射による白色化や不透明化ない
し半透明化が緩和されて透明化され、インク本来の色濃
度や彩度が再現される。
【0034】従って印刷シートの形成は、多孔質層に適
宜な方式でインクを浸透させた後、その多孔質層の少な
くとも表面を例えば多孔質層可溶性の溶剤と接触させる
溶解方式や加熱による溶融方式などの適宜な方式で無孔
質化処理することにより行うことができる。先に付与し
たインク情報の温存性などの点より好ましい無孔質化処
理方式は、加熱による溶融方式、特に加熱加圧による溶
融押圧方式である。従ってかかる加熱方式や加熱加圧方
式は、熱可塑性樹脂からなる多孔質層に好ましく適用す
ることができる。
【0035】なお前記の加熱加圧方式には、例えば加熱
プレス方式やサーマルヘッド押圧方式、加熱ロール方式
などの適宜な加熱加圧手段を採用することができる。上
記の如く、多孔質層の無孔質化による方法は、別個のカ
バー素材を必要とせず、その実用上の利点が大きい。
【0036】
【実施例】実施例1 厚さ75μmの白色PETフィルムの上に、ポリエチレ
ンフィルムからなる厚さ50μmのホットメルト接着剤
を介して、厚さ26μm、平均孔径0.2μm、最大孔径
0.5μm、気孔率65%の多孔質フィルム(セルガー
ド社製、K−817)を100℃にてラミネートして印
刷用シートを得、その多孔質層にインクジェットプリン
タ(セイコーエプソン社製、MJ−930C、以下同
じ)にて水性インクによるカラー印刷を行った後、それ
をプレス装置を介し1.0kgf/cm2、180℃、15秒
間の条件で加熱加圧処理して多孔質層の表面を無孔質化
し、印刷シートを得た。
【0037】実施例2 インクジェットプリンタによる印刷に代えて、油性イン
クのマジック(ゼブラ社製、マッキー、以下同じ)にて
図形を手書きしたほかは実施例1に準じて印刷シートを
得た。
【0038】実施例3 微粉珪酸20部(重量部、以下同じ)とジオクチルフタ
レート45部をヘンシェルミキサにて混合した後、それ
にポリエチレン35部を添加して再度ヘンシェルミキサ
にて混合し、その混合物をTダイを介した二軸押出方式
にて厚さ90μmのフィルムに成形し、得られたフィル
ムをトリクロロエタンに15分間浸漬してジオクチルフ
タレートを抽出後乾燥させ、ついで55℃の25重量%
苛性ソーダ中に90分間浸漬して微粉珪酸を抽出し乾燥
させた。
【0039】次に前記で得たフィルムをロール延伸機に
て115℃で延伸処理し、120℃で5秒間熱処理し
て、厚さ30μm、平均孔径0.2μm、最大孔径0.3
μm、気孔率60%の多孔質フィルムを得、それを多孔
質層の形成に用いたほかは実施例1に準じて印刷用シー
トと印刷シートを得た。
【0040】実施例4 実施例3の印刷用シートを用いたほかは実施例2に準じ
て印刷シートを得た。
【0041】比較例1 加熱加圧処理による多孔質層表面の無孔質化処理を施さ
ないほかは実施例1に準じて印刷シートを得た。
【0042】比較例2 加熱加圧処理による多孔質層表面の無孔質化処理を施さ
ないほかは実施例2に準じて印刷シートを得た。
【0043】比較例3 加熱加圧処理による多孔質層表面の無孔質化処理を施さ
ないほかは実施例3に準じて印刷シートを得た。
【0044】比較例4 加熱加圧処理による多孔質層表面の無孔質化処理を施さ
ないほかは実施例4に準じて印刷シートを得た。
【0045】比較例5 印刷用シートとして坪量70g/m2の上質紙を用いた
ほかは実施例1に準じて印刷シートを得た。
【0046】比較例6 印刷用シートとして坪量70g/m2の上質紙を用いた
ほかは実施例2に準じて印刷シートを得た。
【0047】比較例7 印刷用シートとして厚さ100μmの白色PETフィル
ムを用い、加熱加圧処理を施さないほかは実施例1に準
じて印刷シートを得た。
【0048】比較例8 印刷用シートとして厚さ100μmの白色PETフィル
ムを用い、加熱加圧処理を施さないほかは実施例2に準
じて印刷シートを得た。
【0049】評価試験 実施例、比較例で得た印刷シートについて下記の特性を
調べた。 印刷適性 印刷状態より正常な印刷が可能であるか否かを判定し、
インクが正常に定着している場合を○、定着していない
場合を×として評価した。
【0050】色濃度 比較例5,6の場合を基準(3)として、印刷されたイ
ンク情報の色濃度を1(淡)〜5(濃)の5段階で目視
評価した。
【0051】耐水性 水を含浸させたウエスにて印刷シートの表面を約2kgf
の荷重で50往復擦り、付与したインク情報の残存状態
より耐性を判定し、インク情報に変化がない場合を○、
変化はあったがインク情報の判読が可能な場合を△、イ
ンク情報が判読できない状態に変化した場合を×として
評価した。
【0052】耐溶剤性 トルエンを含浸させたウエスにて印刷シートの表面を約
2kgfの荷重で50往復擦り、付与したインク情報の残
存状態より耐性を判定し、インク情報に変化がない場合
を○、変化はあったがインク情報の判読が可能な場合を
△、インク情報が判読できない状態に変化した場合を×
として評価した。
【0053】耐擦過性 砂消しゴムにて印刷シートの表面を約2kgfの荷重で2
0往復擦り、付与したインク情報の残存状態より耐性を
判定し、インク情報に変化がない場合を○、変化はあっ
たがインク情報の判読が可能な場合を△、インク情報が
判読できない状態に変化した場合を×として評価した。
【0054】耐汚染性 ラベルにコーヒを滴下して1分後ウエスにて拭き取り、
その汚染状態より耐性を判定し、汚染がない場合を○、
シミが残存した場合を△、コーヒ液の殆どが残存した場
合を×として評価した。
【0055】前記の結果を次表に示した。
【0056】表より、多孔質層の少なくとも表面を無孔
質化することで、インク情報の耐久性が飛躍的に向上
し、インク情報の鮮明さないし判読性も大きく向上する
ことがわかる。なお比較例6における耐水性では紙自体
が変形した。
【図面の簡単な説明】
【図1】印刷シート例の断面図
【図2】他の印刷シート例の断面図
【符号の説明】
1:多孔質層 11:無孔質化層 2:補強基材 21:接着層 3:粘着層 4:インク情報 5:被着体

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも表面を無孔質化できる多孔質
    層を少なくとも表面に有することを特徴とする印刷用シ
    ート。
  2. 【請求項2】 請求項1において、多孔質層が熱可塑性
    樹脂を成分とする印刷用シート。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、多孔質層が界
    面活性剤を含有する、若しくは表面に界面活性剤層を有
    する、又はプラズマ処理された印刷用シート。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3において、多孔質層が紫外
    線吸収剤、酸化防止剤、老化防止剤又は充填剤の1種又
    は2種以上を含有する印刷用シート。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4において、多孔質層が平均
    孔径0.01〜20μm、最大孔径50μm以下の少なく
    とも層厚方向に連通性の孔を有して、気孔率が30〜9
    0%である印刷用シート。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5に記載の印刷用シートにお
    ける多孔質層にインク情報を有し、かつその多孔質層の
    少なくとも表面が無孔質化処理されてなることを特徴と
    する印刷シート。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5に記載の印刷用シートにお
    ける多孔質層にインクを付与浸透させた後、その多孔質
    層の少なくとも表面を無孔質化処理することを特徴とす
    る印刷シートの製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項7において、印刷時に液状のイン
    クを用いる印刷シートの製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項7又は8において、インクの付与
    をインクジェット方式、熱転写方式、又は電子写真方式
    にて行う印刷シートの製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項7〜9において、無孔質化処理
    を加熱方式若しくは加熱加圧方式又は多孔質層可溶性の
    溶剤との接触方式にて行う印刷シートの製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項10において、加熱加圧手段が
    加熱プレス方式、サーマルヘッド押圧方式又は加熱ロー
    ル方式である製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008055905A (ja) * 2006-08-22 2008-03-13 Oce Technol Bv セルフラミネーティング記録媒体上に相変化インクイメージを形成する方法

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