JPH111704A - 粉体成形方法 - Google Patents
粉体成形方法Info
- Publication number
- JPH111704A JPH111704A JP9150921A JP15092197A JPH111704A JP H111704 A JPH111704 A JP H111704A JP 9150921 A JP9150921 A JP 9150921A JP 15092197 A JP15092197 A JP 15092197A JP H111704 A JPH111704 A JP H111704A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- binder
- degreasing
- powder
- paraffin wax
- eva
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- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
- Powder Metallurgy (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】バインダに選択的な溶解性を持たせることがで
き、また人体や環境に有害な有機溶媒などを使用する必
要がなく処理時間を短くすることができる粉体成形方
法、特にMIM法を得ること。 【解決手段】金属またはセラミックスの粉体からなる原
料粉体をパラフィンワックスとEVAの混合体からなる
バインダと混練してフイードストックを作製する過程a
と、フイードストックの成形体を形成する過程bと、成
形体を超臨界状態の二酸化炭素により脱脂する過程c
と、脱脂後の前記成形体を焼結する過程dとを含む。
き、また人体や環境に有害な有機溶媒などを使用する必
要がなく処理時間を短くすることができる粉体成形方
法、特にMIM法を得ること。 【解決手段】金属またはセラミックスの粉体からなる原
料粉体をパラフィンワックスとEVAの混合体からなる
バインダと混練してフイードストックを作製する過程a
と、フイードストックの成形体を形成する過程bと、成
形体を超臨界状態の二酸化炭素により脱脂する過程c
と、脱脂後の前記成形体を焼結する過程dとを含む。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は粉体成形方法、特にMI
M(Metal Injection Moldin
g)法に関するものである。
M(Metal Injection Moldin
g)法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】MIMは重要な金属や金属間化合物やセ
ラミックの成形技術の一つである。MIMの成形プロセ
スは基本的には、金属、金属間化合物またはセラミック
スの粉体からなる原料粉体をバインダと混練してフイー
ドストックを作製する過程と、前記フイードストックの
成形体を形成する過程と、前記成形体を脱脂する過程
と、前記脱脂後の前記成形体を焼結する過程とからなる
ものである。
ラミックの成形技術の一つである。MIMの成形プロセ
スは基本的には、金属、金属間化合物またはセラミック
スの粉体からなる原料粉体をバインダと混練してフイー
ドストックを作製する過程と、前記フイードストックの
成形体を形成する過程と、前記成形体を脱脂する過程
と、前記脱脂後の前記成形体を焼結する過程とからなる
ものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしこれは現在でも
未完成な成形技術であり、各々の処理ステップごとに問
題点を抱えている。とくに脱脂ステップには多くの問題
を抱えており、その問題点の克服が重要な課題となって
いる。脱脂ステップは成形体からバインダを除去する過
程であるが、現在実生産プロセスとしては加熱脱脂方法
が主に使われている。この加熱脱脂方法は成形体を加熱
してバインダを気化させて除去するものであるが、この
方法は長い脱脂時間を必要とするだけでなく、脱脂でき
る製品サイズも限定される。しかも金属粉は脱脂中に酸
化される恐れがある。これらの問題を克服する方法とし
て抽出剤として溶媒を用いる溶媒抽出による脱脂プロセ
スが提案されている。この方法は加熱脱脂方法に比べて
脱脂時間を短縮することが可能であるが、有機溶媒を使
用するため人体および自然環境に対して問題が多い。こ
の様な理由から抽出剤として超臨界状態の二酸化炭素を
用いた脱脂手法が注目を集めている。超臨界状態は臨界
温度、臨界圧力を越えた物理状態であり、液体と気体の
中間の状態として了解されている。ま超臨界二酸化炭素
による脱脂ではすべてのバインダが溶解されれば金属粉
だけが残り、成形体は成形された形状を保つことができ
ない。このためバインダの一部が形状を維持するために
残留する必要がある。このためにはバインダに選択的な
溶解性が重要である。超臨界状態の二酸化炭素を用いた
脱脂手法としては従来幾つかの提案が成されているが
(例えば昭和61年特許出願公開第155265号、昭
和61年特許出願公開第261274号、昭和63年特
許出願公開第64977号、平成3年特許出願公開第1
3503、「粉体および粉末冶金」第43巻第10号第
1188〜1192、参照)、二酸化炭素を有機溶媒と
併用しているために環境に有害であったり、また脱脂剤
を二酸化炭素とした場合にバインダが選択的溶解性を現
す二酸化炭素とバインダの組み合わせについて、未だ満
足すべきものを得ていない。この発明は上記のごとき事
情に鑑みてなされたものであって、バインダに選択的な
溶解性を持たせることができ、また人体や環境に有害な
有機溶媒などを使用する必要がなく処理時間を短くする
ことができる粉体成形方法、特にMIM法を提供するこ
とを目的とするものである。
未完成な成形技術であり、各々の処理ステップごとに問
題点を抱えている。とくに脱脂ステップには多くの問題
を抱えており、その問題点の克服が重要な課題となって
いる。脱脂ステップは成形体からバインダを除去する過
程であるが、現在実生産プロセスとしては加熱脱脂方法
が主に使われている。この加熱脱脂方法は成形体を加熱
してバインダを気化させて除去するものであるが、この
方法は長い脱脂時間を必要とするだけでなく、脱脂でき
る製品サイズも限定される。しかも金属粉は脱脂中に酸
化される恐れがある。これらの問題を克服する方法とし
て抽出剤として溶媒を用いる溶媒抽出による脱脂プロセ
スが提案されている。この方法は加熱脱脂方法に比べて
脱脂時間を短縮することが可能であるが、有機溶媒を使
用するため人体および自然環境に対して問題が多い。こ
の様な理由から抽出剤として超臨界状態の二酸化炭素を
用いた脱脂手法が注目を集めている。超臨界状態は臨界
温度、臨界圧力を越えた物理状態であり、液体と気体の
中間の状態として了解されている。ま超臨界二酸化炭素
による脱脂ではすべてのバインダが溶解されれば金属粉
だけが残り、成形体は成形された形状を保つことができ
ない。このためバインダの一部が形状を維持するために
残留する必要がある。このためにはバインダに選択的な
溶解性が重要である。超臨界状態の二酸化炭素を用いた
脱脂手法としては従来幾つかの提案が成されているが
(例えば昭和61年特許出願公開第155265号、昭
和61年特許出願公開第261274号、昭和63年特
許出願公開第64977号、平成3年特許出願公開第1
3503、「粉体および粉末冶金」第43巻第10号第
1188〜1192、参照)、二酸化炭素を有機溶媒と
併用しているために環境に有害であったり、また脱脂剤
を二酸化炭素とした場合にバインダが選択的溶解性を現
す二酸化炭素とバインダの組み合わせについて、未だ満
足すべきものを得ていない。この発明は上記のごとき事
情に鑑みてなされたものであって、バインダに選択的な
溶解性を持たせることができ、また人体や環境に有害な
有機溶媒などを使用する必要がなく処理時間を短くする
ことができる粉体成形方法、特にMIM法を提供するこ
とを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】この目的に対応してこの
発明の粉体成形方法は、金属、金属間化合物またはセラ
ミックスの粉体からなる原料粉体をパラフィンワックス
とEVAの混合体からなるバインダと混練してフイード
ストックを作製する過程と、前記フイードストックの成
形体を形成する過程と、前記成形体を超臨界状態の二酸
化炭素により脱脂する過程と、前記脱脂後の前記成形体
を焼結する過程を含むことを特徴としている。
発明の粉体成形方法は、金属、金属間化合物またはセラ
ミックスの粉体からなる原料粉体をパラフィンワックス
とEVAの混合体からなるバインダと混練してフイード
ストックを作製する過程と、前記フイードストックの成
形体を形成する過程と、前記成形体を超臨界状態の二酸
化炭素により脱脂する過程と、前記脱脂後の前記成形体
を焼結する過程を含むことを特徴としている。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、この発明の詳細を一実施の
形態を示す図面について説明する。以下に説明する実施
例は原料粉体として、金属間化合物粉を使用した場合の
実施例であるが、原料粉体として、金属間化合物やセラ
ミックスも使用可能である。
形態を示す図面について説明する。以下に説明する実施
例は原料粉体として、金属間化合物粉を使用した場合の
実施例であるが、原料粉体として、金属間化合物やセラ
ミックスも使用可能である。
【0006】この発明の粉体の成形方法は図1に示すよ
う、金属またはセラミックスの粉体からなる原料粉体を
バインダと混練してフイードストックを作製するフイー
ドストック作製過程aと、フイードストックの成形体を
製造する成形体製造過程bと、成形体を脱脂して脱脂体
を製造する脱脂過程cと、脱脂体を焼結する焼結過程d
とを含んでいる。
う、金属またはセラミックスの粉体からなる原料粉体を
バインダと混練してフイードストックを作製するフイー
ドストック作製過程aと、フイードストックの成形体を
製造する成形体製造過程bと、成形体を脱脂して脱脂体
を製造する脱脂過程cと、脱脂体を焼結する焼結過程d
とを含んでいる。
【0007】フイードストック作製過程aにおいては目
的の金属粉とバインダを混練する。バインダはEVA
(エチレンー酢酸ビニル共重合体)とパラフィンワック
スを主成分とするバインダを用いる。ここでEVAは超
臨界状態の二酸化炭素に溶けにくい成分(不溶解成分)
であり、同時に金属粉の分散性を高め、脱脂後の脱脂体
の強度を保つための骨材の役割を果たす。パラフィンワ
ックスは超臨界状態の二酸化炭素に溶け易い成分(溶解
成分)である。バインダのEVAとパラフィンワックス
の混合割合はパラフィンワックス25〜98%であり、
残部をEVAとする。パラフィンワックスには融点が3
1℃以上(二酸化炭素の臨界温度)のものを用いる。こ
のバインダを80〜120℃程度の温度において原料粉
末に混合する。混合割合は実体積で金属粉を30〜75
%程度とし、残部をバインダとする。 次に成形体製造
過程bではフイードストックを射出成形し、形状を与え
てフイードストックの成形体を製造する。
的の金属粉とバインダを混練する。バインダはEVA
(エチレンー酢酸ビニル共重合体)とパラフィンワック
スを主成分とするバインダを用いる。ここでEVAは超
臨界状態の二酸化炭素に溶けにくい成分(不溶解成分)
であり、同時に金属粉の分散性を高め、脱脂後の脱脂体
の強度を保つための骨材の役割を果たす。パラフィンワ
ックスは超臨界状態の二酸化炭素に溶け易い成分(溶解
成分)である。バインダのEVAとパラフィンワックス
の混合割合はパラフィンワックス25〜98%であり、
残部をEVAとする。パラフィンワックスには融点が3
1℃以上(二酸化炭素の臨界温度)のものを用いる。こ
のバインダを80〜120℃程度の温度において原料粉
末に混合する。混合割合は実体積で金属粉を30〜75
%程度とし、残部をバインダとする。 次に成形体製造
過程bではフイードストックを射出成形し、形状を与え
てフイードストックの成形体を製造する。
【0008】次に脱脂過程cでは超臨界脱脂用の高圧装
置に成形体をセットし、35〜100℃に加熱して、脱
脂剤によって脱脂を行う。ここで使用する脱脂剤は超臨
界状態の二酸化炭素であり、他の成分例えば有機溶媒な
どを含まない。脱脂温度はパラフィンワックスの融点付
近に設定すると効率良く脱脂できる。脱脂圧力は臨界圧
力(73気圧)以上とする。脱脂効率は高圧ほど良い。
置に成形体をセットし、35〜100℃に加熱して、脱
脂剤によって脱脂を行う。ここで使用する脱脂剤は超臨
界状態の二酸化炭素であり、他の成分例えば有機溶媒な
どを含まない。脱脂温度はパラフィンワックスの融点付
近に設定すると効率良く脱脂できる。脱脂圧力は臨界圧
力(73気圧)以上とする。脱脂効率は高圧ほど良い。
【0009】ここで使用する高圧装置1は図2に示すよ
うに、液体二酸化炭素ボンベ2、高圧液体ポンプ3、ポ
ンプヘッドクーラ4、オートクレープ5、バインダトラ
ッパー6、減圧バルブ7、流量計8から構成され、成形
体をオートクレープ5内にセットした後、液体二酸化炭
素を液体二酸化炭素ボンベ2より汲み上げ、高圧液体ポ
ンプ3によりオートクレープ5に送る。ポンプヘッドは
278〜268Kに冷却されており、加圧途中で二酸化
炭素が臨界状態になることはない。オートクレープ5内
は臨界温度以上に加熱されており、二酸化炭素は臨界状
態となって成形体中のバインダを抽出する。二酸化炭素
はバインダトラッパー6内の活性炭によりバインダ成分
を取り除かれた後、減圧されて放出される。一例として
脱脂圧力は200気圧程度、脱脂時間は15分から3時
間程度とする。適正な脱脂時間は、温度、圧力、バイン
ダの構成、成形体の形状によって変化する。脱脂中は徐
々に二酸化炭素を排出しても良いが、排出せずに脱脂炉
内に活性炭などの吸着剤を一緒にセットして脱脂される
バインダを吸着剤に吸着させても良い。
うに、液体二酸化炭素ボンベ2、高圧液体ポンプ3、ポ
ンプヘッドクーラ4、オートクレープ5、バインダトラ
ッパー6、減圧バルブ7、流量計8から構成され、成形
体をオートクレープ5内にセットした後、液体二酸化炭
素を液体二酸化炭素ボンベ2より汲み上げ、高圧液体ポ
ンプ3によりオートクレープ5に送る。ポンプヘッドは
278〜268Kに冷却されており、加圧途中で二酸化
炭素が臨界状態になることはない。オートクレープ5内
は臨界温度以上に加熱されており、二酸化炭素は臨界状
態となって成形体中のバインダを抽出する。二酸化炭素
はバインダトラッパー6内の活性炭によりバインダ成分
を取り除かれた後、減圧されて放出される。一例として
脱脂圧力は200気圧程度、脱脂時間は15分から3時
間程度とする。適正な脱脂時間は、温度、圧力、バイン
ダの構成、成形体の形状によって変化する。脱脂中は徐
々に二酸化炭素を排出しても良いが、排出せずに脱脂炉
内に活性炭などの吸着剤を一緒にセットして脱脂される
バインダを吸着剤に吸着させても良い。
【0010】次に焼結過程dでは脱脂された製品を焼結
し、目的の製品を得る。焼結温度焼結時間、焼結雰囲気
および昇温時間は用いた金属粉、脱脂条件に応じて決定
する。
し、目的の製品を得る。焼結温度焼結時間、焼結雰囲気
および昇温時間は用いた金属粉、脱脂条件に応じて決定
する。
【0011】
【実験例】金属粉として平均粒径6.3μmのSUS3
04Lステンレス粉(太平洋金属株式会社製)を用い、
混合割合が75%対25%のEVAとパラフィンワック
スからなるバインダで混練しフイードストックを作製す
る。この時パラフィンワックスには融点が49℃のもの
を用いた。このバインダを110℃程度の温度において
原料粉末に混合した。混合割合は金属粉とバインダをそ
れぞれ58%、42%の割合で混合しフイードストック
を作製した。次に日精樹脂製のMIM用射出成形機を用
いて成形を行った。射出成形時のノズル温度は100℃
前後に調整した。金型は室温に保持した。次に脱脂過程
では圧力容器を55℃に加熱して、超臨界状態の二酸化
炭素によって脱脂を行った。脱脂圧力は200気圧であ
る。脱脂時間は昇圧時間を15分、保持時間を30分、
減圧時間を20分とした。次にこれを焼結した。ここで
はステンレス粉を用いたため、焼結温度を1200〜1
350℃とした。雰囲気は真空、或いは水素還元雰囲気
において行った。焼結温度までの昇温速度は400℃/
時間とした。以上の条件で脱脂した脱脂体を焼結した。
他のバインダを用いた場合と比較して保形性が良い。焼
結体は水素雰囲気において焼結した場合、収縮率が15
%、相対密度が96%であり、また、引張り強度が約4
50MPaと加熱脱脂された製品と同等あるいはそれ以
上の良好な品質を示した。
04Lステンレス粉(太平洋金属株式会社製)を用い、
混合割合が75%対25%のEVAとパラフィンワック
スからなるバインダで混練しフイードストックを作製す
る。この時パラフィンワックスには融点が49℃のもの
を用いた。このバインダを110℃程度の温度において
原料粉末に混合した。混合割合は金属粉とバインダをそ
れぞれ58%、42%の割合で混合しフイードストック
を作製した。次に日精樹脂製のMIM用射出成形機を用
いて成形を行った。射出成形時のノズル温度は100℃
前後に調整した。金型は室温に保持した。次に脱脂過程
では圧力容器を55℃に加熱して、超臨界状態の二酸化
炭素によって脱脂を行った。脱脂圧力は200気圧であ
る。脱脂時間は昇圧時間を15分、保持時間を30分、
減圧時間を20分とした。次にこれを焼結した。ここで
はステンレス粉を用いたため、焼結温度を1200〜1
350℃とした。雰囲気は真空、或いは水素還元雰囲気
において行った。焼結温度までの昇温速度は400℃/
時間とした。以上の条件で脱脂した脱脂体を焼結した。
他のバインダを用いた場合と比較して保形性が良い。焼
結体は水素雰囲気において焼結した場合、収縮率が15
%、相対密度が96%であり、また、引張り強度が約4
50MPaと加熱脱脂された製品と同等あるいはそれ以
上の良好な品質を示した。
【0012】
【発明の効果】従来不溶解バインダとしてポリエチレ
ン、ポリプロピレン、溶解バインダとしてパラフィンワ
ックスを用いることが多いが、これらのバインダは良好
な混練体を得るにはステアリン酸などの分散剤を混合す
る必要がある。しかし、これらの分散剤は二酸化炭素に
溶解しにくく、強度、保形性が悪い。しかも脱脂の妨げ
となり、脱脂効率を低下させる。これに対して、この発
明で使用するEVAは不溶解性バインダ(骨材)として
十分の強度があり、かつ、それ自身が粉体とのなじみが
良く分散剤を必要としないことによって、バインダ中の
不溶解性バインダ分量を増やすことができる。その結果
脱脂効率を下げづ、かつ、脱脂後十分な強度を持つ脱脂
が可能となる。またこのバインダはエントレーナを用い
る必要がないので環境に対して安全である。以上の説明
から明らかな通り、この発明によれば、バインダに選択
的な溶解性を持たせることができ、また人体や環境に有
害な有機溶媒などを使用する必要がなく処理時間を短く
することができる粉体成形方法、特にMIM法を得るこ
とができる。
ン、ポリプロピレン、溶解バインダとしてパラフィンワ
ックスを用いることが多いが、これらのバインダは良好
な混練体を得るにはステアリン酸などの分散剤を混合す
る必要がある。しかし、これらの分散剤は二酸化炭素に
溶解しにくく、強度、保形性が悪い。しかも脱脂の妨げ
となり、脱脂効率を低下させる。これに対して、この発
明で使用するEVAは不溶解性バインダ(骨材)として
十分の強度があり、かつ、それ自身が粉体とのなじみが
良く分散剤を必要としないことによって、バインダ中の
不溶解性バインダ分量を増やすことができる。その結果
脱脂効率を下げづ、かつ、脱脂後十分な強度を持つ脱脂
が可能となる。またこのバインダはエントレーナを用い
る必要がないので環境に対して安全である。以上の説明
から明らかな通り、この発明によれば、バインダに選択
的な溶解性を持たせることができ、また人体や環境に有
害な有機溶媒などを使用する必要がなく処理時間を短く
することができる粉体成形方法、特にMIM法を得るこ
とができる。
【図1】本発明に係わる粉体成形方法の各過程を示す説
明図図
明図図
【図2】高圧装置を示す構成説明図
a フイードストック作製過程 b 成形体製造過程 c 脱脂過程 d 焼結過程 1 高圧装置 2 液体二酸化炭素ボンベ 3 高圧液体ポンプ 4 ポンプヘッドクーラ 5 オートクレープ 6 バインダトラッパー 7 減圧バルブ 8 流量計
Claims (7)
- 【請求項1】金属、金属間化合物またはセラミックスの
粉体からなる原料粉体をパラフィンワックスとEVAの
混合体からなるバインダと混練してフイードストックを
作製する過程と、前記フイードストックの成形体を形成
する過程と、前記成形体を超臨界状態の二酸化炭素によ
り脱脂する過程と、前記脱脂後の前記成形体を焼結する
過程と含むことを特徴とする粉体成形方法 - 【請求項2】 前記バインダにおけるパラフィンワック
スとEVAの混合割合はパラフィンワックスが25〜9
8%とし残部をEVAとしたことを特徴とする請求項1
記載の粉体成形方法。 - 【請求項3】前記パラフィンワックスの融点は31℃以
上であることを特徴とする請求項1記載の粉体成形方
法。 - 【請求項4】前記フイードストックにおける原料粉体と
バインダの混合割合は実体積で原料粉体を31〜75%
とし残部をバインダとすることを特徴とする請求項1記
載の粉体成形方法。 - 【請求項5】前記脱脂過程は前記成形体を35〜100
℃に加熱して行うことを特徴とする請求項1記載の粉体
成形方法。 - 【請求項6】前記脱脂過程の脱脂圧力はバインダの臨界
圧力以上とすることを特徴とする請求項1記載の粉体成
形方法。 - 【請求項7】金属、金属間化合物またはセラミックスの
粉体からなる原料粉体をパラフィンワックスとEVAの
混合体からなるバインダと混練してフイードストックを
作製する過程と、前記フイードストックの成形体を形成
する過程と、前記成形体を超臨界状態の二酸化炭素によ
り脱脂する過程と、前記脱脂後の前記成形体を焼結する
過程と含む粉体成形方法であって、前記バインダにおけ
るパラフィンワックスとEVAの混合割合はパラフィン
ワックスが25〜98%とし残部をEVAとし、前記パ
ラフィンワックスの融点は31℃以上であり、前記フイ
ードストックにおける原料粉体とバインダの混合割合は
実体積で原料粉体を30〜75%とし残部をバインダと
し、前記脱脂過程は前記成形体を35〜100℃に加熱
して行い、前記脱脂過程の脱脂圧力はバインダの臨界圧
力以上とすることを特徴とする請求項1記載の粉体成形
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9150921A JPH111704A (ja) | 1997-06-09 | 1997-06-09 | 粉体成形方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9150921A JPH111704A (ja) | 1997-06-09 | 1997-06-09 | 粉体成形方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH111704A true JPH111704A (ja) | 1999-01-06 |
Family
ID=15507324
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9150921A Pending JPH111704A (ja) | 1997-06-09 | 1997-06-09 | 粉体成形方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH111704A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100361741B1 (ko) * | 1999-12-24 | 2002-11-23 | 주식회사 풍산 | 분말사출성형용 결합제 및 이를 이용한 혼합체의 강도향상방법 |
KR100463232B1 (ko) * | 2001-10-12 | 2004-12-23 | 한국과학기술연구원 | 혼합유체를 이용한 성형물 중의 왁스류의 탈지방법 |
JP2010037568A (ja) * | 2008-07-31 | 2010-02-18 | Nippon Piston Ring Co Ltd | 粉末射出成形体用バインダーおよび粉末射出成形体の脱脂方法 |
CN102328073A (zh) * | 2011-07-22 | 2012-01-25 | 浙江一火科技有限公司 | 一种穿鳃水泵钳棘轮销及其制造方法 |
CN102328075A (zh) * | 2011-07-22 | 2012-01-25 | 浙江一火科技有限公司 | 一种不锈钢康复医疗器械及其制造方法 |
JP2014519546A (ja) * | 2011-04-13 | 2014-08-14 | コミッサリア ア レネルジー アトミーク エ オ ゼネルジ ザルタナテイヴ | 有利には超臨界co2の使用と共に、有機糸または繊維の使用に基づいて、粉末射出成形を用いて構成要素を製造する方法 |
-
1997
- 1997-06-09 JP JP9150921A patent/JPH111704A/ja active Pending
Cited By (6)
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KR100361741B1 (ko) * | 1999-12-24 | 2002-11-23 | 주식회사 풍산 | 분말사출성형용 결합제 및 이를 이용한 혼합체의 강도향상방법 |
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