JPH1117004A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体装置およびその製造方法

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JPH1117004A
JPH1117004A JP16304197A JP16304197A JPH1117004A JP H1117004 A JPH1117004 A JP H1117004A JP 16304197 A JP16304197 A JP 16304197A JP 16304197 A JP16304197 A JP 16304197A JP H1117004 A JPH1117004 A JP H1117004A
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JP
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film
semiconductor device
wiring
alloy
interlayer insulating
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JP16304197A
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Mitsuru Taguchi
充 田口
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リフロー性の良いAl合金膜による、エレク
トロマイグレーション耐性の大きい配線を有する半導体
装置およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 加熱時にH2 Oガス放出の殆ど無い、リ
フロー後のBPSG膜による層間絶縁膜12やプラズマ
CVD酸化膜による層間絶縁膜19と、層間絶縁膜1
2、19上の、加熱時にH2 Oガスを放出するO3 −T
EOS酸化膜による絶縁薄膜30、32と、絶縁薄膜3
0、32上のTiN/Ti膜15、34と、TiN/T
i膜膜15、34上のAl合金膜16、35とを有して
半導体装置を構成する。 【効果】 信頼性の高い、高集積化した半導体装置の作
製が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体装置およびそ
の製造方法に関し、さらに詳しくは、層間絶縁膜構造と
配線構造に特徴を有する半導体装置およびその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体装置の高集積化に伴い、配
線やコンタクトホール等の微細化、配線の多層化に対す
る技術開発が盛んに行われている。この配線等の微細化
を進める上で、金属膜をパターニングして配線を形成す
る微細加工技術、半導体装置の構成素子と配線および多
層配線の配線間等を接続する微細なコンタクトホールへ
の配線形成、例えば埋め込みプラグ形成等の配線形成技
術等の開発が重要である。また、半導体装置の高集積化
と共に高速化も要望されており、このために微細な配線
に大きな電流を流すので電流密度が高くなり、エレクト
ロマイグレーション(Electromigratio
n)の発生による配線の断線が問題となり、配線材料開
発や配線のEM耐性向上技術開発等が行われている。
【0003】ここで、配線材料に微量なSiやCuを含
むAl膜、所謂Al合金膜を用い、微細なコンタクトホ
ールへの配線形成にAl合金膜のリフロー法を用いる、
従来の高集積化した半導体装置およびその製造方法の一
例を、図9および図10を参照して説明する。まず、図
9(a)に示すように、常法に準ずる方法により、半導
体基板11に半導体装置の構成素子等を形成し、この半
導体装置の構成素子等が形成された半導体基板11上
に、BPSG(Boro−Phospho Silic
ateGlass)膜等による層間絶縁膜12を堆積
し、その後熱処理をしてリフローさせ平坦化を行う。次
に、MOSトランジスタのソース・ドレインの拡散層1
3等と配線を接続するためのコンタクトホールの開口1
4を形成する。
【0004】次に、図9(b)に示すように、スパッタ
リング法を用いて、Ti膜を堆積し、続いてTiN膜を
堆積し、拡散層13等とのオーミックコンタクト性を向
上させる膜として、又後述するAl合金膜16の半導体
基板11との反応による拡散層13の接合破壊等を防止
するバリア膜としてのTiN/Ti膜15を形成する。
その後、スパッタリング法を用いて、0.5%のCuを
含むAl膜、所謂Al合金膜16を堆積する。高集積化
した半導体装置では、コンタクトホールの開口14径が
小さく、開口14深さと開口14径の比、所謂アスペク
ト比が大きいので、上述のAl合金膜16の堆積後のコ
ンタクトホールの開口14には、通常図9(b)に示す
如く、Al合金膜16で充填されていない部分、所謂ボ
イド部17が発生する。
【0005】次に、図9(c)に示すように、Al合金
膜16を堆積した半導体基板11を高真空中で加熱し、
その後加熱状態にあるAl合金膜16を堆積した半導体
基板11に、高圧力のArガスによる圧力を加えてAl
合金膜16をリフローさせる、所謂高圧リフロー法によ
り、Al合金膜16を開口14内にリフローさせ、ボイ
ド部17を消滅させて開口14内をAl合金膜16で充
填する。
【0006】その後は、図面は省略するが、Al合金膜
16をパターニングして配線を形成し、更にその後、パ
ッシベーション膜形成、パッド部の開口形成等を行っ
て、半導体装置を作製する。
【0007】なお、多層配線構造の半導体装置の場合
は、図10に示すように、図9に示すAl合金膜16を
パターニングして形成した配線18上に層間絶縁膜19
を堆積し、層間絶縁膜19表面を、例えばCMP(Ch
emical Mechanical Polishi
ng)法等で平坦化した後、上述したと同様に、下層配
線である配線18と上層配線を接続するためのコンタク
トホールの開口形成、エレクトロマイグレーションを抑
制するためのTiN膜堆積、上層配線用のAl合金膜堆
積、Al合金膜の高圧リフローを行い、Al合金膜とT
iN膜をパターニングして、2層目の配線20を形成す
る。3層目以上の配線形成も、2層目の配線20形成の
場合と同様にして形成し、最終配線の形成後は、パッシ
ベーション膜形成、パッド部の開口形成等を行って、半
導体装置を作製する。
【0008】しかしながら、上述した半導体装置および
その製造方法においては、Al合金膜/TiN/Ti膜
や、Al合金膜/TiN膜で形成された配線のエレクト
ロマイグレーション耐性が弱いという問題がある。
【0009】一方、Al合金膜が(111)配向性を持
つ場合は、エレクトロマイグレーション耐性が大きくな
ることが知られている。Al合金膜が(111)配向性
を強くする方法としては、図11(a)に示すように、
加熱するとH2 Oガスを放出する、高温加熱処理がなさ
れていないBPSG膜上に、加熱した状態でTi膜を堆
積し、その後Ti膜上にTiN膜を堆積し、更にその後
Al合金膜を堆積する方法がある。この際、BPSG膜
上に堆積したTi膜が、加熱されたBPSG膜より放出
されるH2 Oガスの影響で、(002)配向性を示し、
このTi膜上のTiN膜が、下地Ti膜の(002)配
向を受けて、(111)配向性を示し、このTiN膜上
のAl合金膜が、下地TiN膜の(111)配向を受け
て、(111)配向性を強く示すという関係が知られて
いる。
【0010】また、図11(b)に示すように、高温加
熱処理がなされていないBPSG膜上に、加熱した状態
でTi膜を堆積し、その後Ti膜上にAl合金膜を堆積
する方法もある。この際、BPSG膜上に堆積したTi
膜が、加熱されたBPSG膜より放出されるH2 Oガス
の影響で、(002)配向性を示し、このTi膜上のA
l合金膜が、下地Ti膜の(002)配向を受けて、
(111)配向性を強く示すという関係が知られてい
る。
【0011】しかしながら、この(002)配向性を示
すTi膜を形成するために、下地層間絶縁膜として加熱
時にH2 Oガスを放出する層間絶縁膜を用いると、加熱
処理を伴うAl合金膜による配線形成において、放出さ
れるH2 OガスとAl合金膜が反応してAl合金膜によ
る配線の抵抗率を増加させたり、又TiN膜と接する部
分のAl合金膜が下地層間絶縁膜より放出されるH2
ガスで酸化するという現象がある。
【0012】Al合金膜による配線のエレクトロマイグ
レーション耐性を大きくするために、上述した方法でA
l合金膜の(111)配向性を図ると、微細なコンタク
トホールにAl合金膜を埋め込むための高圧リフローに
よるAl合金膜のリフロー性が、TiN膜とAl合金膜
間に形成されたAlの酸化膜により阻害され、コンタク
トホールへ埋め込む配線形成が難しくなる。
【0013】以上のように、従来の半導体装置およびそ
の製造方法においては、Al合金膜16による配線のエ
レクトロマイグレーション耐性があまり大きくなく、ま
たエレクトロマイグレーション耐性を向上させるAl合
金膜の(111)配向性を強くする方法は、高圧リフロ
ーによる微細なコンタクトホールへのAl合金膜の埋め
込み時にAl合金膜のリフロー性が阻害されるという問
題がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した半
導体装置およびその製造方法における問題点を解決する
ことをその目的とする。即ち本発明の課題は、リフロー
性の良いAl合金膜による、エレクトロマイグレーショ
ン耐性の大きい配線を有する半導体装置およびその製造
方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体装置およ
びその製造方法は、上述の課題を解決するために提案す
るものであり、本発明の半導体装置は、Al合金膜によ
る配線を有する半導体装置において、加熱時にH2 Oガ
ス放出の殆ど無い層間絶縁膜と、層間絶縁膜上の、加熱
時にH2 Oガスを放出する絶縁薄膜と、絶縁薄膜上のT
i系膜と、Ti系膜上の前記Al合金膜とを有すること
を特徴とするものである。
【0016】また、本発明の半導体装置は、Al合金膜
による溝配線を有する半導体装置において、加熱時にH
2 Oガス放出の殆ど無い層間絶縁膜と、層間絶縁膜上
の、加熱時にH2 Oガスを放出する絶縁薄膜と、絶縁薄
膜上の層間絶縁膜に設けられた配線溝と、配線溝のTi
系膜と、Ti系膜上のAl合金膜とを有することを特徴
とするものである。
【0017】更に、本発明の半導体装置の製造方法は、
Al合金膜による配線を有する半導体装置の製造方法に
おいて、加熱時にH2 Oガス放出の殆ど無い層間絶縁膜
を形成する工程と、層間絶縁膜上に、加熱時にH2 Oガ
スを放出する絶縁薄膜を形成する工程と、層間絶縁膜お
よび絶縁薄膜をエッチングしてコンタクトホールを形成
する工程と、スパッタリング法によりTi系膜を堆積す
る工程と、Al合金膜を堆積する工程と、リフロー法に
よりコンタクトホールにAl合金膜を埋め込む工程とを
有することを特徴とするものである。
【0018】更にまた、本発明の半導体装置の製造方法
は、Al合金膜による溝配線を有する半導体装置の製造
方法において、加熱時にH2 Oガス放出の殆ど無い層間
絶縁膜を形成する工程と、層間絶縁膜上に、加熱時にH
2 Oガスを放出する絶縁薄膜を形成する工程と、絶縁薄
膜上に、加熱時にH2 Oガス放出の殆ど無い層間絶縁膜
を形成する工程と、絶縁薄膜上の層間絶縁膜に配線溝を
形成する工程と、スパッタリング法によりTi系膜を堆
積する工程と、Al合金膜を堆積する工程と、リフロー
法により配線溝にAl合金膜を埋め込む工程と、配線溝
の上方のAl合金膜を除去して、配線溝に溝配線を形成
する工程とを有することを特徴とするものである。
【0019】本発明によれば、加熱時にH2 Oガス放出
の殆ど無い層間絶縁膜上に、加熱時にH2 Oガスを放出
する絶縁薄膜を形成し、その後上記の膜を有する半導体
ウェハを加熱した状態にして絶縁薄膜よりH2 Oガスを
放出させながらTi膜を堆積することで、(002)配
向性を持つTi膜を形成し、このTi膜上にTiN膜を
堆積することで、(111)配向性を持つTiN膜を形
成し、このTiN膜上にAl合金膜を堆積することで、
強い(111)配向性を持つAl合金膜を形成すること
ができる。従って、このAl合金膜による配線は、強い
(111)配向性を持つため、エレクトロマイグレーシ
ョン耐性が大きくなる。また、加熱時にH2 Oガスを放
出する絶縁薄膜は薄いために、Ti膜やTiN膜等のT
i系膜堆積時の加熱後には、絶縁薄膜からのH2 Oガス
放出が殆どなくなり、加熱状態でのAl合金膜の堆積時
や、Al合金膜のリフロー時に、H2 Oガスの放出によ
るAl合金膜の酸化が抑制されるので、Al合金膜のリ
フロー性の劣化がなく、微細で、アスペクト比の大きい
コンタクトホールや、溝配線用の配線溝へのリフロー法
によるAl合金膜の埋め込み性能が確保できる。従っ
て、信頼性の良い、高集積化した半導体装置の作製が可
能となる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例につき、添付図
面を参照して説明する。なお従来技術の説明で参照した
図9および図10中の構成部分と同様の構成部分には、
同一の参照符号を付すものとする。
【0021】実施例1 本実施例は、Al合金膜による配線を有する、高集積化
した半導体装置およびその製造方法に本発明を適用した
例であり、これを図1および図2を参照して説明する。
まず、図1(a)に示すように、常法に準ずる方法によ
り、半導体基板11に半導体装置の構成素子等を形成
し、この半導体装置の構成素子等も形成された半導体基
板11上に、BPSG(Boro−Phospho S
ilicateGlass)膜等による層間絶縁膜12
を膜厚約700nm程度堆積し、その後約700℃程度
の高温熱処理をしてリフローさせ、層間絶縁膜12表面
の平坦化を行う。このリフロー後のBPSG膜は、その
後加熱処理時に、H2 Oガスを殆ど放出しないものとな
っている。なお、BPSG膜の代わりに、プラズマCV
D法によるプラズマCVD酸化膜を堆積し、その後CM
P(Chemical Mechanical Pol
ishing)法等でプラズマCVD酸化膜表面を平坦
化させてもよい。
【0022】次に、有機SOG(Spin−On−Gl
ass)、無機SOG、O3 −TEOS(Tetrae
thyl orthosilicate)酸化膜等の加
熱時にH2 Oガスを放出する絶縁薄膜、例えばO3 −T
EOS酸化膜による絶縁薄膜30を膜厚約50nm程度
堆積する。このO3 −TEOS酸化膜による絶縁薄膜3
0の堆積条件は、例えば下記のようなものである 〔絶縁薄膜30の堆積条件〕 TEOSガス流量 : 40 sccm O2 ガス流量 : 3 slm O3 ガス流量 : 150 sccm 圧力 : 常圧 温度 : 400 ℃ その後、MOSトランジスタのソース・ドレインの拡散
層13等と配線を接続するための、コンタクトホールの
開口14を層間絶縁膜12に形成する。
【0023】次に、図1(b)に示すように、例えばD
Cマグネトロンスパッタ装置を用いたスパッタリング法
によるTi系膜の形成、即ち拡散層13等とのオーミッ
クコンタクト性を向上させる膜として、又後述するAl
合金膜16の半導体基板11との反応による拡散層13
の接合破壊等を防止するバリア膜としての、膜厚約20
nm程度のTi膜と膜厚約50nm程度のTiN膜とに
よるTiN/Ti膜15の形成を行う。上述したTi膜
およびTiN膜の堆積条件は、例えば下記のようなもの
とする。 〔Ti膜の堆積条件〕 Arガス流量 : 50 sccm 圧力 : 0.4 Pa 温度 : 400 ℃ DCパワー : 6 kW 〔TiN膜の堆積条件〕 Arガス流量 : 20 sccm N2 ガス流量 : 70 sccm 圧力 : 0.4 Pa 温度 : 400 ℃ DCパワー : 12 kW
【0024】スパッタリング法によるTi膜堆積時に、
Ti膜の下地膜である、加熱時にH2 Oガスを放出する
絶縁薄膜30よりH2 Oガスが放出されるので、Ti膜
が(002)配向性を持つ膜となる。また、Ti膜が
(002)配向性を持つと、このTi膜上のTiN膜
は、(111)配向性を持つ膜となる。
【0025】その後、DCマグネトロンスパッタ装置を
用いたスパッタリング法により、上述の堆積膜を持つ半
導体基板11を高温にした状態で、例えば0.5%のC
uを含むAl膜、所謂Al合金膜16を堆積する。この
Al合金膜16の堆積条件は、例えば下記のようなもの
である。 〔Al合金膜16の堆積条件〕 Arガス流量 : 100 sccm 圧力 : 0.4 Pa 温度 : 400 ℃ DCパワー : 15 kW
【0026】上述の高温状態でのAl合金膜16堆積時
においては、絶縁薄膜30からのH2 Oガスの放出がT
iN/Ti膜15堆積時の加熱でほぼ放出されているの
で、H2 OガスとAl合金膜16とが反応することによ
るAl合金膜16による配線の抵抗率の増加がない。こ
の様に、Al合金膜16堆積時に絶縁薄膜30から放出
されるH2 OガスによるAl合金膜16への悪影響を出
来るだけ受けないようにするため、絶縁薄膜30は薄い
方がよく、一方、上述したTi膜を(002)配向させ
るためには、Ti膜の堆積時にある程度のH2 Oガス放
出を確保する必要がある。そこで、絶縁薄膜30の膜厚
Tとしては、20nm≦T≦100nmの範囲とし、上
述した実施例においては絶縁薄膜30の膜厚Tを50n
mとした。
【0027】高集積化した半導体装置では、コンタクト
ホールの開口14径が小さく、開口14深さと開口14
径の比、所謂アスペクト比が大きいので、上述のAl合
金膜16の堆積後のコンタクトホール部1の開口14に
は、通常図1(b)に示す如く、Al合金膜16で充填
されていない部分、所謂ボイド部17が発生する。
【0028】次に、図1(c)に示すように、Al合金
膜16を堆積した半導体基板11を高真空中で加熱し、
その後加熱状態にあるAl合金膜16を堆積した半導体
基板11に、高圧力のArによる圧力を加えてAl合金
膜16をリフローさせる、所謂高圧リフロー法により、
Al合金膜16を開口14内にリフローさせ、ボイド部
17を消滅させて開口14内をAl合金膜16で充填す
る。このAl合金膜16のリフロー時の加熱の際にも、
絶縁薄膜30からのH2 Oガスの放出が殆どないので、
TiN膜と接する部分のAl合金膜が放出されるH2
ガスで酸化されることがなく、従ってAl合金膜のリフ
ロー性が劣化しない。上述した高圧リフロー法によるA
l合金膜16のリフロー条件は、例えば下記のようなも
のである。 〔Al合金膜16のリフロー条件〕 プロセスガス : Ar 圧力 : 7E7 Pa 温度 : 450 ℃ 時間 : 1 min
【0029】その後は、図面は省略するが、Al合金膜
16をパターニングして配線を形成し、更にその後、パ
ッシベーション膜形成、パッド部の開口形成等を行っ
て、半導体装置を作製する。
【0030】なお、多層配線構造の半導体装置の場合
は、図2に示すように、図1(c)に示すAl合金膜1
6およびTiN/Ti膜15をパターニングして、Al
合金膜16およびTiN/Ti膜15による配線31を
形成する。その後、加熱時にH2 Oガスの放出が殆どな
い層間絶縁膜、例えばプラズマCVD酸化膜による層間
絶縁膜19を堆積した後、層間絶縁膜19表面を、例え
ばCMP法等で平坦化する。
【0031】次に、有機SOG、無機SOG、O3 −T
EOS酸化膜等の加熱時にH2 Oガスを放出する絶縁薄
膜、例えばO3 −TEOS酸化膜による絶縁薄膜32を
膜厚約50nm程度堆積する。なお、この絶縁薄膜32
の膜厚Tの範囲も、上述した絶縁薄膜30と同様な効果
を持たせるために、20nm≦T≦100nmとする。
【0032】次に、上述したと同様にして、下層配線で
ある配線31と上層配線を接続するためのコンタクトホ
ールの開口33形成、スパッタリング法によるTi系膜
堆積、例えばTi膜とTiN膜とによるTiN/Ti膜
34堆積、Al合金膜35堆積、高圧リフロー法による
Al合金膜35のコンタクトホールへの埋め込み、Al
合金膜35およびTiN/Ti膜34をパターニングし
て、Al合金膜35およびTiN/Ti膜34による2
層目の配線36形成等を行う。この様にして形成された
配線36も、加熱時にH2 Oガスを放出する絶縁薄膜3
2により、Ti膜が(002)配向性を持ち、Ti膜の
(002)配向性を受けてTiN膜が(111)配向性
を示し、TiN膜の(111)配向性を受けてAl合金
膜35が、エレクトロマイグレーション耐性の大きな
(111)配向性を持つ。3層目以上の配線形成も、2
層目の配線36形成の場合と同様にして形成し、最終配
線の形成後は、パッシベーション膜形成、パッド部の開
口形成等を行って、半導体装置を作製する。
【0033】上述したAl合金膜による配線を有する半
導体装置およびその製造方法は、エレクトロマイグレー
ション耐性の大きい(111)配向性を持つAl合金膜
による配線が形成でき、しかも微細で、アスペクト比の
大きいコンタクトホールへのリフロー法によるAl合金
膜の埋め込み性能が確保できる。従って、信頼性の良
い、高集積化した半導体装置の作製が可能となる。
【0034】実施例2 本実施例は、Al合金膜によるコンタクトホールの配線
と、Al合金膜による溝配線を有する、高集積化した半
導体装置およびその製造方法に本発明を適用した例であ
り、これを図3〜図5を参照して説明する。まず、図3
(a)に示すように、常法に準ずる方法により、半導体
基板11に半導体装置の構成素子等を形成し、この半導
体装置の構成素子等も形成された半導体基板11上に、
BPSG膜等による層間絶縁膜12を膜厚約700nm
程度堆積し、その後約700℃程度の高温熱処理をして
リフローさせ、層間絶縁膜12表面の平坦化を行う。こ
のリフロー後のBPSG膜は、その後加熱処理時に、H
2 Oガスを殆ど放出しないものとなっている。なお、B
PSG膜の代わりに、プラズマCVD法によるプラズマ
CVD酸化膜を堆積し、その後CMP法等でプラズマC
VD酸化膜表面を平坦化させてもよい。
【0035】次に、有機SOG、無機SOG、O3 −T
EOS酸化膜等の加熱時にH2 Oガスを放出する絶縁薄
膜、例えば有機SOG膜による絶縁薄膜40を膜厚約5
0nm程度形成する。この有機SOG膜による絶縁薄膜
40の形成方法は、例えば有機SOGをイソプロピルア
ルコールに溶かして粘性を調整した有機SOG溶液を使
用するスピンコーティング法を用い、スピンコートの回
転数を調整して膜厚約50nm程度の有機SOG膜を塗
布し、その後N2 ガス雰囲気中で約400℃の加熱処理
(キュア)を行うことで形成する。なお、この絶縁薄膜
40の膜厚T範囲も、実施例1と同様な効果を持たせる
ために、20nm≦T≦100nmとする。その後、プ
ラズマCVD法により、後述する溝配線45形成用の層
間絶縁膜として、プラズマCVD酸化膜41を膜厚約5
00nm程度堆積する。
【0036】次に、図3(b)に示すように、パターニ
ングしたフォトレジスト(図示省略)をマスクとして、
プラズマCVD酸化膜41を、例えばRIE(Reac
tive Ion Etching)等の異方性エッチ
ングによりエッチングして、後述する溝配線45形成用
の配線溝42を形成する。図3(b)に示す配線溝42
は、配線溝42の長手方向の概略断面を示したもので、
配線溝42幅は、半導体装置の高集積化の程度により決
まるが、例えば0.4μm程度である。なお、プラズマ
CVD酸化膜41の異方性エッチングは、例えば平行平
板型RIE装置を用いたエッチングで、エッチング条件
としては、例えば下記の様なものである。 〔プラズマCVD酸化膜41のエッチング条件〕 CHF3 ガス流量 : 75 sccm O2 ガス流量 : 8 sccm 圧力 : 7 Pa RFパワー : 1.2 kW なお、上述したエッチング条件でのプラズマCVD酸化
膜41と有機SOG膜による絶縁薄膜40とのエッチン
グ選択比があまり大きくないこともあって、エッチング
停止時点を厳密に制御し、絶縁薄膜40を残存させた状
態とする。
【0037】次に、配線溝42部の有機SOG膜による
絶縁薄膜40表面の吸湿性を向上させるための酸素プラ
ズマ処理を行う。この酸素プラズマ処理の条件として
は、例えば次のようなものである。 〔酸素プラズマ処理条件〕 O2 ガス流量 : 100 sccm 圧力 : 15 Pa RFパワー : 500 kW 温度 : 200 ℃ 時間 : 1 min なお、上述した酸素プラズマ処理で、有機SOG膜によ
る絶縁薄膜40表面の吸湿性を向上させたが、有機SO
G膜による絶縁薄膜40自体は、加熱処理でH2 Oガス
を絶縁薄膜40内部より放出させるため、この酸素プラ
ズマ処理は省いてもよい。
【0038】次に、図3(c)に示すように、パターニ
ングしたフォトレジスト(図示省略)をマスクとして、
絶縁薄膜40および層間絶縁膜12を、例えばRIE等
の異方性エッチングによりエッチングして、MOSトラ
ンジスタのソース・ドレインの拡散層13等と後述する
溝配線45を接続するためのコンタクトホールの開口4
3を形成する。
【0039】次に、図4(d)に示すように、例えばD
Cマグネトロンスパッタ装置をもちいたスパッタリング
法によるTi系膜の形成、即ち拡散層13等とのオーミ
ックコンタクト性を向上させる膜として、又後述するA
l合金膜16の半導体基板11との反応による拡散層1
3の接合破壊等を防止するバリア膜としての、膜厚約2
0nm程度のTi膜と膜厚約50nm程度のTiN膜と
によるTiN/Ti膜15の形成を行い、続いてAl合
金膜16を堆積する。なお、このTi膜、TiN膜およ
びAl合金膜16の堆積条件としては、例えば実施例1
と同様とする。スパッタリング法によるTi膜堆積時
に、Ti膜の下地膜である、加熱時にH2 Oガスを放出
する絶縁薄膜40からH2 Oガスが放出されるので、T
i膜が(002)配向性を持つ膜となる。また、Ti膜
が(002)配向性を持つと、このTi膜上のTiN膜
は、(111)配向性を持つ膜となる。更に(111)
配向性を持つ、配線溝42底部のTiN膜上に堆積する
Al合金膜16は、下地TiN膜の配向性を受けて、エ
レクトロマイグレーション耐性の大きい、(111)配
向性を持つAl合金膜16となる。
【0040】高集積化した半導体装置では、コンタクト
ホールの開口43径が小さく、開口43深さと開口43
径の比、所謂アスペクト比が大きいこと、および配線溝
42の深さと幅の比が大きいことにより、上述のAl合
金膜16の堆積後のコンタクトホールの開口43部や配
線溝42部には、通常図4(d)に示す如く、Al合金
膜16で充填されていない部分、所謂ボイド部17が発
生する。
【0041】次に、図4(e)に示すように、Al合金
膜16を堆積した半導体基板11を高真空中で加熱し、
その後加熱状態にあるAl合金膜16を堆積した半導体
基板11に、高圧力のArガスによる圧力を加えてAl
合金膜16をリフローさせる、所謂高圧リフロー法によ
り、Al合金膜16をリフローさせ、ボイド部17を消
滅させて開口43および配線溝42をAl合金膜16で
充填する。なお、上述した高圧リフロー法によるAl合
金膜16のリフロー条件は、例えば実施例1と同様とす
る。この高圧リフロー法によるAl合金膜16のリフロ
ー後においても、Al合金膜16の堆積時に配線溝42
底部に形成された(111)配向性を持つAl合金膜1
6とAl合金膜16の下地の(111)配向性を持つT
iN膜の影響を受けて、リフローで配線溝42に充填さ
れたAl合金膜16は(111)配向性を持つAl合金
膜16となる。
【0042】次に、図4(f)に示すように、プラズマ
エッチングによるエッチバック法を用いて、プラズマC
VD酸化膜41上のAl合金膜16およびTiN/Ti
膜15をエッチバックし、コンタクトホールの開口43
部のコンタクトホール配線44と配線溝42部の溝配線
45とより成る配線46を形成する。なお、図4(f)
に示す配線46形成には、CMP法を用いてAl合金膜
16、TiN/Ti膜15およびプラズマCVD酸化膜
41表面の一部を除去し、配線溝42部の溝配線45を
形成する方法により、配線46を形成してもよい。
【0043】その後、図面は省略するが、パッシベーシ
ョン膜形成、パッド部の開口形成等を行って、半導体装
置を作製する。
【0044】なお、多層配線構造の半導体装置の場合
は、図5に示すように、図4(f)に示す配線46形成
後に、加熱時にH2 Oガスの放出が殆どない層間絶縁
膜、例えばプラズマCVD酸化膜による層間絶縁膜47
を堆積する。次に、有機SOG、無機SOG、O3 −T
EOS酸化膜等の加熱時にH2 Oガスを放出する絶縁薄
膜、例えば有機SOGによる絶縁薄膜48を、スピンコ
ーティング法により、膜厚約50nm程度形成する。な
お、この絶縁薄膜48の膜厚Tの範囲も、実施例1と同
様な効果を持たせるために、20nm≦T≦100nm
とする。その後、加熱時にH2 Oガスの放出が殆どない
層間絶縁膜、例えばプラズマCVD法によるプラズマC
VD酸化膜49を膜厚約500nm程度堆積する。
【0045】次に、下層配線である配線46を形成した
上述と同様の方法により、プラズマCVD酸化膜49に
配線溝を形成し、その後、配線溝部の絶縁薄膜48表面
の吸湿性向上のための酸素プラズマ処理をし、更にその
後、絶縁薄膜48および層間絶縁膜47をパターニング
して、下層配線である配線46と後述する上層配線であ
る配線54の溝配線部とを接続するコンタクトホールの
開口を形成する。その後、スパッタリング法によるTi
系膜を形成、例えばTi膜とTiN膜を堆積したTiN
/Ti膜52を形成し、更にAl合金膜53を堆積す
る。
【0046】次に、高圧リフロー法による、Al合金膜
53のコンタクトホールの開口および配線溝への埋め込
み、その後プラズマエッチングによるエッチバック法
で、層間絶縁膜59上のAl合金膜53およびTiN/
Ti膜52をエッチバックし、コンタクトホールの開口
のコンタクトホール配線と配線溝部の溝配線より成る配
線54を形成する。
【0047】この様にして形成された配線54の溝配線
も、加熱時にH2 Oガスを放出する絶縁薄膜48によ
り、Ti膜が(002)配向性を持ち、Ti膜の(00
2)配向性を受けてTiN膜が(111)配向性を示
し、TiN膜の(111)配向性を受けてAl合金膜5
3が(111)配向性をもつので、エレクトロマイグレ
ーション耐性の大きな溝配線となる。3層目以上の配線
形成も、2層目の配線54形成の場合と同様にして形成
し、最終層の配線の形成後は、パッシベーション膜形
成、パッド部の開口形成等を行って、半導体装置を作製
する。
【0048】上述したAl合金膜によるコンタクトホー
ルの配線と、Al合金膜による溝配線を有する半導体装
置およびその製造方法は、エレクトロマイグレーション
耐性の大きい(111)配向性を持つAl合金膜による
溝配線が形成でき、しかも微細で、アスペクト比の大き
いコンタクトホールや、深さと幅に比が大きい配線溝へ
のリフロー法によるAl合金膜16の埋め込み性能が確
保でき、ボイド部の無い、Al合金膜によるコンタクト
ホールの配線と溝配線が形成できる。従って、信頼性の
良い、高集積化した半導体装置の作製が可能となる。
【0049】実施例3 本実施例は、コンタクトホールの埋め込みプラグと、A
l合金膜による溝配線を有する半導体装置およびその製
造方法に本発明を適用した例であり、これを図6〜図8
を参照して説明する。まず、図6(a)に示すように、
常法に準ずる方法により、半導体基板11に半導体装置
の構成素子等を形成し、この半導体装置の構成素子等も
形成された半導体基板11上に、BPSG膜等による層
間絶縁膜12を膜厚約700nm程度堆積し、その後約
700℃程度の高温熱処理をしてリフローさせ、層間絶
縁膜12表面の平坦化を行う。このリフロー後のBPS
G膜は、その後加熱処理時に、H2 Oガスを殆ど放出し
ないものとなっている。なお、BPSG膜の代わりに、
プラズマCVD法によるプラズマCVD酸化膜を堆積
し、その後CMP法等でプラズマCVD酸化膜表面を平
坦化させてもよい。
【0050】次に、有機SOG、無機SOG、O3 −T
EOS酸化膜等の加熱時にH2 Oガスを放出する絶縁薄
膜60、例えば有機SOG膜による絶縁薄膜60を膜厚
約50nm程度形成する。この有機SOG膜による絶縁
薄膜60の形成方法は、実施例2と同様なものとし、こ
の絶縁薄膜60の膜厚Tの範囲としては、実施例1と同
様な効果を持たせるために、20nm≦T≦100nm
とする。
【0051】次に、図6(b)に示すように、絶縁薄膜
60と層間絶縁膜12をパターニングして、MOSトラ
ンジスタのソース・ドレインの拡散層13等と上層配線
とを接続するためのコンタクトホールの開口14を形成
する。その後、スパッタリング法により、Ti膜および
TiN膜を堆積してTiN/Ti膜61を形成し、更に
その後CVD法を用いて、例えばブランケットW膜を堆
積し、続いて絶縁薄膜60上のブランケットW膜および
TiN/Ti膜61をエッチバックすることで、コンタ
クトホールの開口14部に埋め込みプラグとしてのタン
グステンプラグ62を形成する。
【0052】次に、図6(c)に示すように、プラズマ
CVD法により、プラズマCVD酸化膜63を膜厚約5
00nm程度堆積し、続いてプラズマCVD酸化膜63
をパターニングして、配線溝64を形成する。なお、こ
の実施例では埋め込みプラグがタングステンプラグ62
であるので、このタングステンプラグ62表面の酸化を
避けるため、配線溝64底部の絶縁薄膜60の吸湿性向
上のための酸素プラズマ処理は行わない。
【0053】次に、図7(d)に示すように、スパッタ
リング法によるTi系膜の形成、例えばTi膜を膜厚約
20nm程度堆積し、更にTiN膜を膜厚約50nm程
度堆積したTi膜とTiN膜とによるTiN/Ti膜6
5の形成を行い、その後Al合金膜66を膜厚約500
nm程度堆積する。
【0054】スパッタリング法によるTi膜堆積時に、
Ti膜の下地膜である、加熱時にH2 Oガスを放出する
絶縁薄膜60からH2 Oガスが放出されるので、Ti膜
が(002)配向性を持つ膜となる。また、Ti膜が
(002)配向性を持つと、このTi膜上のTiN膜
は、(111)配向性を持つ膜となる。更に(111)
配向性を持つ、配線溝64底部のTiN膜上に堆積する
Al合金膜66は、下地TiN膜の配向性を受けて、エ
レクトロマイグレーション耐性の大きい、(111)配
向性を持つAl合金膜66となる。
【0055】高集積化した半導体装置では、配線溝64
の深さと幅の比が大きいことにより、上述のAl合金膜
66の堆積後の配線溝64部には、通常図7(d)に示
す如く、Al合金膜66で充填されていない部分、所謂
ボイド部17が発生する。
【0056】次に、図7(e)に示すように、高圧リフ
ロー法により、Al合金膜66を配線溝64内にリフロ
ーさせ、ボイド部17を消滅させて配線溝64内をAl
合金膜66で充填する。なお、上述した高圧リフロー法
によるAl合金膜66のリフロー条件は、例えば実施例
1と同様とする。この高圧リフロー法によるAl合金膜
66のリフロー後においても、Al合金膜66の堆積時
に配線溝64底部に形成された(111)配向性を持つ
Al合金膜66とAl合金膜66の下地の(111)配
向性を持つTiN膜の影響を受けて、リフローで配線溝
64に充填されたAl合金膜66は(111)配向性を
持つAl合金膜66となる。
【0057】次に、プラズマエッチングによるエッチバ
ック法を用いて、プラズマCVD酸化膜63上のAl合
金膜66およびTiN/Ti膜65をエッチバックし、
配線溝64部に溝配線67を形成する。なお、図7
(e)に示す溝配線67形成には、CMP法を用いてA
l合金膜66、TiN/Ti膜65およびプラズマCV
D酸化膜63表面の一部を除去し、配線溝64部に溝配
線67を形成してもよい。
【0058】その後、図面は省略するが、パッシベーシ
ョン膜形成、パッド部の開口形成等を行って、半導体装
置を作製する。
【0059】なお、多層配線構造の半導体装置の場合
は、図8に示すように、図7(e)に示す溝配線67形
成後に、加熱時にH2 Oガスの放出が殆どない層間絶縁
膜、例えばプラズマCVD酸化膜による層間絶縁膜68
を堆積する。次に、有機SOG、無機SOG、O3 −T
EOS酸化膜等の加熱時にH2 Oガスを放出する絶縁薄
膜、例えば有機SOGによる絶縁薄膜69を、スピンコ
ーティング法により、膜厚約50nm程度形成する。な
お、この絶縁薄膜69の膜厚Tの範囲も、実施例1と同
様な効果を持たせるために、20nm≦T≦100nm
とする。
【0060】次に、上述したと同様にして、下層配線で
ある溝配線67と後述する上層配線である溝配線とを接
続するコンタクトホールの開口を形成し、TiN膜の堆
積とブランケットW膜を堆積し、その後エッチバックし
てコンタクトホールの開口にタングステンプラグ70を
形成する。次に、上述したと同様にして、プラズマCV
D酸化膜71を堆積し、このプラズマCVD酸化膜71
をパターニングして溝配線形成用の配線溝を形成する。
その後、スパッタリング法により、Ti系膜の形成、例
えばTi膜とTiN膜を堆積したTiN/Ti膜72の
形成を行い、続いてAl合金膜73を堆積する。
【0061】次に、高圧リフロー法による、Al合金膜
73の配線溝への埋め込み、その後プラズマエッチング
によるエッチバック法で、プラズマCVD酸化膜71上
のAl合金膜73およびTiN/Ti膜72をエッチバ
ックし、配線溝部に溝配線74を形成する。
【0062】この様にして形成された溝配線74も、加
熱時にH2 Oガスを放出する絶縁薄膜69により、Ti
膜が(002)配向性を持ち、Ti膜の(002)配向
性を受けてTiN膜が(111)配向性を示し、TiN
膜の(111)配向性を受けてAl合金膜73が(11
1)配向性をもつので、エレクトロマイグレーション耐
性の大きな溝配線74となる。3層目以上の配線形成
も、2層目の配線形成の場合と同様にして形成し、最終
層の配線の形成後は、パッシベーション膜形成、パッド
部の開口形成等を行って、半導体装置を作製する。
【0063】上述したコンタクトホールの埋め込みプラ
グと、Al合金膜による溝配線を有する半導体装置およ
びその製造方法は、エレクトロマイグレーション耐性の
大きい(111)配向性を持つAl合金膜による溝配線
が形成でき、しかも微細で、アスペクト比の大きい配線
溝部へのリフロー法によるAl合金膜の埋め込み性能が
確保でき、ボイド部の無い、Al合金膜による溝配線が
形成できる。従って、信頼性の良い、高集積化した半導
体装置の作製が可能となる。
【0064】以上、本発明を3例の実施例により説明し
たが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるもので
はない。例えば、本発明の実施例1〜3においては、A
l合金膜を0.5%のCuを含むAl膜として説明した
が、微量のSiを含むAl膜や、微量のCuとSiとを
含むAl膜等のAl合金膜であってもよい。また、本発
明の実施例1〜3においては、Ti系膜をTi膜とTi
N膜とから成るTiN/Ti膜として説明したが、Ti
膜のみでもよい。更に、本発明の実施例3においては、
コンタクトホールの埋め込みプラグにブランケットW膜
を用いたタングステンプラグを用いて説明したが、埋め
込みプラグとしてWの選択成長法によるタングステンプ
ラグ、MoやPt等の高融点金属プラグを用いてもよ
い。また、本発明の実施例1〜3においては、Al合金
膜のリフローを高圧リフローとして説明したが、加熱の
みでAl合金膜をリフローさせてもよい。その他、本発
明の技術的思想の範囲内で、プロセス装置やプロセス条
件は適宜変更が可能である。
【0065】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の半導体装置およびその製造方法は、加熱時にH2 Oガ
ス放出の殆ど無い層間絶縁膜上に、加熱時にH2 Oガス
を放出する絶縁薄膜を形成し、その後加熱した状態で、
絶縁薄膜上にTi膜およびTiN膜、更にAl合金膜を
堆積することで、リフロー性の良いAl合金膜による、
エレクトロマイグレーション耐性の大きい配線を有する
半導体装置を作製することができる。従って、信頼性の
高い、高集積化した半導体装置の作製が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した実施例1の工程を工程順に説
明する、半導体装置の概略断面図で、(a)は層間絶縁
膜と絶縁薄膜をパターニングしてコンタクトホールの開
口を形成した状態、(b)はTi膜とTiN膜を堆積し
てTiN/Ti膜を形成した後に、Al合金膜を堆積し
た状態、(c)は高圧リフロー法によりコンタクトホー
ルの開口にAl合金膜をリフローさせた状態である。
【図2】本発明を適用した実施例1の、多層配線構成の
半導体装置の第1層配線後の工程を説明する、半導体装
置の概略断面図である。
【図3】本発明を適用した実施例2の前半の工程を工程
順に説明する、半導体装置の概略断面図で、(a)は絶
縁薄膜上にプラズマCVD酸化膜を形成した状態、
(b)はプラズマCVD酸化膜をパターニングして、配
線溝を形成した状態、(c)は絶縁薄膜と層間絶縁膜を
パターニングして、コンタクトホールの開口を形成した
状態である。
【図4】本発明を適用した実施例2の後半の工程を工程
順に説明する、半導体装置の概略断面図で、(d)はT
i膜とTiN膜を堆積してTiN/Ti膜を形成した後
に、Al合金膜を堆積した状態、(e)は高圧リフロー
法により、コンタクトホールの開口や配線溝にAl合金
膜をリフローさせた状態、(f)はエッチバック法を用
いて、コンタクトホール配線と溝配線で構成される配線
を形成した状態である。
【図5】本発明を適用した実施例2の、多層配線構成の
半導体装置の第1層配線後の工程を説明する、半導体装
置の概略断面図である。
【図6】本発明を適用した実施例3の前半の工程を工程
順に説明する、半導体装置の概略断面図で、(a)は層
間絶縁膜上に絶縁薄膜を形成した状態、(b)はコンタ
クトホールの開口にタングステンプラグを形成した状
態、(c)はプラズマCVD酸化膜を堆積した後、プラ
ズマCVD酸化膜をパターニングして配線溝を形成した
状態である。
【図7】本発明を適用した実施例3の後半の工程を工程
順に説明する、半導体装置の概略断面図で、(d)はT
i膜とTiN膜を堆積してTiN/Ti膜を形成した後
に、Al合金膜を堆積した状態、(e)は高圧リフロー
法により、配線溝にAl合金膜をリフローさせた後、エ
ッチバック法を用いて、配線溝部に溝配線を形成した状
態である。
【図8】本発明を適用した実施例3の、多層配線構成の
半導体装置の第1層配線後の工程を説明する、半導体装
置の概略断面図である。
【図9】従来例の半導体装置の工程を工程順に説明す
る、半導体装置の概略断面図で、(a)は層間絶縁膜を
パターニングしてコンタクトホールの開口を形成した状
態、(b)はTi膜とTiN膜を堆積してTiN/Ti
膜を形成した後に、Al合金膜を堆積した状態、(c)
は高圧リフロー法によりコンタクトホールの開口にAl
合金膜をリフローさせた状態である。
【図10】従来例の半導体装置の、多層配線構成の半導
体装置の第1層配線後の工程を説明する、半導体装置の
概略断面図である。
【図11】Al合金膜の(111)配向性を持たせる従
来技術を説明する図で、(a)はAl合金膜/TiN膜
/Ti膜/BPSG膜構成を採る場合の図で、(b)は
Al合金膜/Ti膜/BPSG膜構成を採る場合の図で
ある。
【符号の説明】
11…半導体基板、12,19,47,68…層間絶縁
膜、13…拡散層、14,33,43…開口、15,3
4,52,61,65,72…TiN/Ti膜、16,
35,53,66,73…Al合金膜、17…ボイド
部、18,20,31,36,46,54…配線、3
0,32,40,48,60,69…絶縁薄膜、41,
49,63,71…プラズマCVD酸化膜、42,64
…配線溝、44…コンタクトホール配線、45,67,
74…溝配線、62,70…タングステンプラグ

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Al合金膜による配線を有する半導体装
    置において、 加熱時にH2 Oガス放出の殆ど無い層間絶縁膜と、 前記層間絶縁膜上の、加熱時にH2 Oガスを放出する絶
    縁薄膜と、 前記絶縁薄膜上のTi系膜と、 前記Ti系膜上の前記Al合金膜とを有することを特徴
    とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 Al合金膜による溝配線を有する半導体
    装置において、 加熱時にH2 Oガス放出の殆ど無い層間絶縁膜と、 前記層間絶縁膜上の、加熱時にH2 Oガスを放出する絶
    縁薄膜と、 前記絶縁薄膜上の層間絶縁膜に設けられた配線溝と、 前記配線溝のTi系膜と、 前記Ti系膜上の前記Al合金膜とを有することを特徴
    とする半導体装置。
  3. 【請求項3】 前記層間絶縁膜は、リフロー熱処理後の
    BPSG膜およびプラズマCVD酸化膜の内、いずれか
    一方の膜であることを特徴とする、請求項1又は請求項
    2に記載の半導体装置。
  4. 【請求項4】 前記絶縁薄膜の膜厚Tは、20nm≦T
    ≦100nmであることを特徴とする、請求項1又は請
    求項2に記載の半導体装置。
  5. 【請求項5】 前記絶縁薄膜は、有機SOG膜、無機S
    OG膜およびO3 −TEOS酸化膜のうち、何れか一つ
    の膜であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に
    記載の半導体装置。
  6. 【請求項6】 前記Ti系膜は、Ti膜およびTi膜と
    TiN膜とより成るTiN/Ti膜の内、いずれか一方
    の膜であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に
    記載の半導体装置。
  7. 【請求項7】 前記Al合金膜は、SiおよびCuのう
    ち、少なくとも何れか一方を含むAl膜であることを特
    徴とする、請求項1又は請求項2に記載の半導体装置。
  8. 【請求項8】 Al合金膜による配線を有する半導体装
    置の製造方法において、 加熱時にH2 Oガス放出の殆ど無い層間絶縁膜を形成す
    る工程と、 前記層間絶縁膜上に、加熱時にH2 Oガスを放出する絶
    縁薄膜を形成する工程と、 前記層間絶縁膜および前記絶縁薄膜をエッチングしてコ
    ンタクトホールを形成する工程と、 スパッタリング法によりTi系膜を堆積する工程と、 前記Al合金膜を堆積する工程と、 リフロー法により前記コンタクトホールに前記Al合金
    膜を埋め込む工程とを有することを特徴とする半導体装
    置の製造方法。
  9. 【請求項9】 Al合金膜による溝配線を有する半導体
    装置の製造方法において、 加熱時にH2 Oガス放出の殆ど無い層間絶縁膜を形成す
    る工程と、 前記層間絶縁膜上に、加熱時にH2 Oガスを放出する絶
    縁薄膜を形成する工程と、 前記絶縁薄膜上に、加熱時にH2 Oガス放出の殆ど無い
    層間絶縁膜を形成する工程と、 前記絶縁薄膜上の前記層間絶縁膜に配線溝を形成する工
    程と、 スパッタリング法によりTi系膜を堆積する工程と、 前記Al合金膜を堆積する工程と、 リフロー法により前記配線溝に前記Al合金膜を埋め込
    む工程と、 前記配線溝の上方の前記Al合金膜を除去して、前記配
    線溝に前記溝配線を形成する工程とを有することを特徴
    とする半導体装置の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記層間絶縁膜は、リフロー熱処理後
    のBPSG膜およびプラズマCVD酸化膜の内、いずれ
    か一方の膜であることを特徴とする、請求項8又は請求
    項9に記載の半導体装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記絶縁薄膜の膜厚Tは、20nm≦
    T≦100nmであることを特徴とする、請求項8又は
    請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記絶縁薄膜は、有機SOG膜、無機
    SOG膜およびO3 −TEOS酸化膜のうち、何れか一
    つの膜であることを特徴とする、請求項8又は請求項9
    に記載の半導体装置の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記Ti系膜は、Ti膜およびTi膜
    とTiN膜とより成るTiN/Ti膜の内、いずれか一
    方の膜であることを特徴とする、請求項8又は請求項9
    に記載の半導体装置の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記Al合金膜は、SiおよびCuの
    うち、少なくとも何れか一方を含むAl膜であることを
    特徴とする、請求項8又は請求項9に記載の半導体装置
    の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記リフロー法は、高圧リフロー法で
    あることを特徴とする、請求項8又は請求項9に記載の
    半導体装置の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6429493B1 (en) 1998-10-20 2002-08-06 Seiko Epson Corporation Semiconductor device and method for manufacturing semiconductor device
US6614119B1 (en) 1997-10-02 2003-09-02 Seiko Epson Corporation Semiconductor device and method of fabricating the same

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