JPH11169666A - 廃棄物焼却装置 - Google Patents

廃棄物焼却装置

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JPH11169666A
JPH11169666A JP9363520A JP36352097A JPH11169666A JP H11169666 A JPH11169666 A JP H11169666A JP 9363520 A JP9363520 A JP 9363520A JP 36352097 A JP36352097 A JP 36352097A JP H11169666 A JPH11169666 A JP H11169666A
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dioxins
chloride
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incinerator
waste
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Kichiya Yano
吉弥 谷野
Yoshihisa Urakubo
喜久 浦久保
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  • Incineration Of Waste (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 外気と遮断される焼却炉と、該焼却炉に
空気を供給する手段と、前記焼却炉における燃焼によっ
て生じる燃焼ガス中に塩化物含有媒体を混合する手段
と、前記燃焼ガスの排出通路を備え、かつ前記燃焼ガス
の排出通路に、燃焼ガス中のダイオキシン類前駆体が反
応してダイオキシン類となり、さらに塩素化されるのに
適した所定の温度に保持する手段を備える廃棄物焼却装
置。 【効果】 塩化ビニル樹脂などの含塩素廃棄物等の焼却
に伴って発生する2,3,7,8−T4CDDのような
種々の高毒性のダイオキシン類を強制的に塩素化して低
毒性のダイオキシン類へ置換することにより、高毒性ダ
イオキシン類の排出が効果的に防止され得、これにより
深刻な環境汚染が予防されるようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、郊外に敷設される
公共のゴミ焼却場といった廃棄物焼却装置に関し、詳し
くは、廃棄物の焼却に伴って発生する高毒性ダイオキシ
ン類の排出を規制する装置に関する。さらに詳しくは、
燃焼によって生ずるガスに食塩水等の塩化物含有媒体を
噴霧することにより、焼却に伴って発生する高毒性ダイ
オキシン類を低毒性ダイオキシン類へ変換し、毒性の強
い高毒性ダイオキシン類が外部環境へ排出されるのを防
止する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、都市のゴミ焼却場などから発生
するダイオキシン類〔一般的には、2,3,7,8−T
4CDD(四塩化ダイオキシン)を示す場合が多い〕
は、発癌性や、胎児に対する催奇形性等を有した猛毒物
質として知られている。ダイオキシン類は、ゴミ焼却炉
周辺環境等の高い暴露を受ける条件下では、その暴露量
が健康リスク評価指針値(5pg−TEQ/kg/日)
と同程度になり得る場合があり、人体等の外部環境に与
える影響が大きいことが判ってきた。
【0003】このため、現在、環境庁より施策実施の指
針となるダイオキシン類に関する大気環境濃度として、
既設炉では0.8ng−TEG/Nm3以下、新設炉で
は0.1ng−TEG/Nm3 程度とすることが呈示さ
れており、工場や事業所等に設置されるゴミ焼却施設の
うち、ダイオキシン類の排出量が多いものでは対策の早
期導入が求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般にダイオキシン類
は、廃棄物の不完全燃焼により発生することが知られて
いる。従って、ダイオキシン類の発生防止方法として、
高い燃焼温度を維持する、酸素が十分供給されるよう炉
内の撹拌を十分行う等の方法が挙げられているが、廃棄
物焼却に起因したダイオキシン類の発生経路は、複雑多
岐に亘るため、その発生経路を完全に予測し、かつ、そ
の発生を回避するための手段を予め講じることは事実上
困難である。
【0005】また、ダイオキシン類は、高温で十分燃焼
させたとしても、一度高温での燃焼により生成したクロ
ロベンゼン化合物(一般に燃焼温度800℃以上で発
生)等が前駆体として、例えば、排出工程(500℃〜
700℃)等の焼却工程の最終段階において燃焼ガスが
冷却するに伴い、雰囲気中の酸素と可逆的に反応するこ
とにより二次的に発生することが知られている。クロロ
ベンゼン化合物等のダイオキシン類発生源を、雰囲気酸
素と反応しないように温度等を制御しながら選択的に除
去回収する等ということは極めて困難であり、このよう
な場合、クロロベンゼン化合物を完全に消失させ得ない
限り、仮に、焼却過程におけるダイオキシン類の発生自
体を防止する手段を講じたとしても、その防止効果を十
分に期待することは難しい。これらが、ダイオキシン類
の発生を防止する廃棄物焼却装置の実現を難しくする要
因であり、従来、ダイオキシン類の排出を防止する技術
は確立されていない。
【0006】ところで、ダイオキシン類は、以下の構造
式により代表的に表されるが、その毒性〔例えば、国際
毒性等価係数(I−TEF):2,3,7,8−T4
DDの毒性を1とした時の他の異性体の相対的な毒性を
表わすもの〕は一様ではなく、図4に示す表のように、
その構造に依存して異なる値をとる。ダイオキシン類の
中で最も毒性の高いものとして知られる 2,3,7,
8−T4CDD(四塩化ダイオキシン)と比較して、ダ
イオキシン骨格中のベンゼン環の残りの水素を塩素で置
換するに従って毒性が低下し、1,2,3,4,5,
6,7,8,9位の全ての水素を塩素で置換した構造の
8CDD は、2,3,7,8−T4CDD の0.0
01 倍の毒性しか有しないことが知られている。従っ
て、 2,3,7,8−T4CDDとO8CDD とで
は、排出後、周囲の環境に及ぼす影響に格段の差があ
る。
【0007】そこで本発明は、この性質に着目すること
により、焼却雰囲気中に塩化物含有媒体を添加すること
により、高温焼却時に発生する種々のダイオキシン類を
強制的に塩素化して、毒性の低いダイオキシン類へ置換
することにより、2,3,7,8−T4CDD(四塩化
ダイオキシン)のような高毒性ダイオキシン類が排出さ
れるのを防止し、環境への影響を低減することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1発明は、外気と遮断
される焼却炉と、該焼却炉に空気を供給する手段と、前
記焼却炉における燃焼によって生じる燃焼ガス中に塩化
物含有媒体を混合する手段と、前記燃焼ガスの排出通路
を備え、かつ前記燃焼ガスの排出通路に、燃焼ガス中の
ダイオキシン類前駆体が反応してダイオキシン類とな
り、さらに塩素化されるのに適した所定の温度に保持す
る手段を備えて廃棄物焼却装置を構成したことを特徴と
する。
【0009】第2発明は、第1発明において、塩化物含
有媒体が塩化ナトリウム水溶液であることを特徴とす
る。
【0010】第3発明は、第1又は第2発明において、
塩化物含有媒体を混合する手段が、塩化物含有媒体を噴
霧するものであることを特徴とする。
【0011】第4発明は、第1〜第3発明において、塩
化物含有媒体を混合する手段を、焼却炉に空気を供給す
る手段に備え付けてあることを特徴とする。
【0012】第5発明は、第1〜第4発明において、塩
化物含有媒体を混合する手段を焼却炉内に備え付けてあ
ることを特徴とする。
【0013】第6発明は、第1〜第5発明において、塩
化物含有媒体を混合する手段を燃焼ガスの通路に備え付
けられていることを特徴とする。
【0014】第7発明は、第1〜第6発明において、燃
焼ガス又は煤塵に含まれるダイオキシン類を除去可能な
手段を備えてあることを特徴とする。
【0015】第8発明は、第7発明において、ダイオキ
シン類を除去可能な手段が、塩素化されたダイオキシン
類を吸着するフィルタ−であることを特徴とする。
【0016】第9発明は、第1〜第8発明において、未
反応の塩化物を回収する手段を備えてあることを特徴と
する。
【0017】第10発明は、第1〜第9発明において、
燃焼ガス中のダイオキシン類前駆体が反応してダイオキ
シン類となり、さらに塩素化されるのに適した所定の温
度に保持する手段として、500〜700℃に保持する
手段を備えてあることを特徴とする。
【0018】本発明の請求項1に係る発明においては、
燃焼時あるいは燃焼後に発生する2,3,7,8−T4
CDDのような種々の高毒性ダイオキシン類を強制的に
塩素化して、ダイオキシン骨格中のベンゼン環の残りの
水素を塩素で置換することにより低い毒性のダイオキシ
ン類(O8CDD等)へ置換し、高毒性ダイオキシン類
が排出するのを防止する点に技術思想を有する。
【0019】本願発明では、上記塩素化は、塩化物含有
媒体を燃焼ガス中に添加することにより行う。燃焼ガス
中に添加された塩化物はダイオキシン類と反応し、順次
ダイオキシン類の塩素化が進行し、これにより毒性の低
いダイオキシンを生成する。従って、燃焼ガス中に、塩
化物を分散して存在させ、かつ効率良く塩素化反応が進
行するよう、外気と遮断される焼却炉と、該焼却炉に燃
焼のための空気を供給する手段と、前記焼却炉における
燃焼によって生じる燃焼ガス中に塩化物含有媒体を混合
する手段と、前記燃焼ガスの排出通路で構成される。
【0020】さらに、一度高温での燃焼により生成した
クロロベンゼン化合物等のダイオキシン類前駆体は、排
出工程において燃焼ガスが冷却するに伴い、雰囲気中の
酸素と可逆的に反応し、ダイオキシン類が二次的に発生
する。従って、本願発明では、燃焼ガス排出後に高毒性
のダイオキシン類が発生するのをを防止し、低毒性のダ
イオキシン類へ確実に置換されるように、上記構成に加
えて、燃焼ガスの排出通路(煙道部分)に燃焼ガス中の
ダイオキシン類前駆体が反応してダイオキシン類とな
り、さらに塩素化されるのに適した所定の温度に保持す
る手段を備える。
【0021】上記構成により、燃焼中あるいは燃焼後に
発生するダイオキシン類が効率よく塩素化され、毒性の
低いダイオキシン類へと置換され、燃焼ガスが大気中に
排出されても、高毒性のダイオキシンが環境中に放出さ
れる量が格段に低減される。
【0022】本発明において、燃焼ガス中に混合される
塩化物としては、塩素原子を含み、廃棄物の燃焼温度下
で、分解して、あるいは直接にダイオキシン類と反応す
るものであれば特に限定されず、塩化ナトリウム、塩化
カリウム等のアルカリ金属塩酸塩、塩化カルシウム等の
アルカリ土類金属塩酸塩等が挙げられる。また、上記塩
化物としては、単純塩の他、複塩、錯塩も含まれ、また
1種を使用しても、2種以上を併用しても良い。好まし
くは、請求項2に記載したように、塩化ナトリウム(N
aCl)を用いるのが良い。なお、使用される塩化物の
量は、廃棄物から発生すると予想されるダイオキシン類
を塩素化するに必要な塩素原子の量から推定して、過剰
量となるようにするのが好ましい。
【0023】本発明において、上記塩化物を燃焼ガス中
に混合するために媒体を用いるが、該媒体としては燃焼
ガス中に上記塩化物を混合分散させることが可能なもの
であれば特に限定されないが、実用上、液体状の溶媒を
用いるのが好ましい。液体状の溶媒としては、本発明の
作用を阻害しない範囲で、使用する塩化物の種類等によ
り適宜選択すれば良いが、好ましくは水性媒体が良く、
特に水が好ましい。また、塩化物含有媒体として、既存
の海水等を使用しても良い。塩化物と媒体の比率は、本
発明の作用を阻害しない範囲で適宜選択すれば良い。ま
た、塩化物含有媒体には、本発明の作用を阻害しない範
囲で、他の添加剤等を加えても良い。
【0024】本発明において、塩化物含有媒体を混合す
る手段としては、特に限定されず、燃焼ガス中に塩化物
が分散された状態とすることが可能な手段であれば特に
限定されないが、媒体として液体状の溶媒を用いる場
合、請求項3に記載したようにノズル等を用いて噴霧す
る方法を用いるのが好ましい。また、該塩化物含有媒体
の混合は、連続的に燃焼ガス中に混合してもよいし、断
続的に混合してもよいが、断続的に添加されるのが好ま
しい。
【0025】本発明において、塩化物含有媒体を混合す
る手段は、燃焼ガスが最終的に排出される段階で、高毒
性のダイオキシン類が塩素化されているよう、廃棄物の
量、廃棄物焼却装置のサイズ等により、その配置位置を
設定すれば良く、配置位置は一箇所でも複数箇所でも良
い。その配置位置としては、次のような例が挙げられ
る。すなわち、請求項4に記載されるように、空気を供
給する手段に備え付け、塩化物含有媒体を空気と混合し
て焼却炉内に供給する。あるいは、請求項5に記載され
るように、焼却炉内に備え付け、焼却炉内の燃焼ガスに
直接供給する。さらに、請求項6に記載されるように、
燃焼ガスの排出通路(煙道部)に備え付け、二次生成し
たダイオキシン類と合わせて塩素化しても良い。また、
上記のような設置位置を複数組合せても良い。
【0026】本発明の廃棄物焼却装置は、上記作用によ
り高毒性のダイオキシン類を低毒性のダイオキシン類に
置換しており、高毒性のダイオキシン類の排出は軽減さ
れているが、請求項7に記載するように、燃焼ガスまた
は煤塵に含まれる低毒性のダイオキシン類を除去する手
段を備え、塩素化された低毒性のダイオキシン類を極力
捕捉するのがより好ましい。ダイオキシン類を除去する
手段としては、請求項8に記載するように、吸着により
ダイオキシン類を捕捉するフィルタ等、例えば活性炭フ
ィルタ、ゼオライトフィルタ等が挙げられる。上記ダイ
オキシン類を除去する手段は、燃焼ガスの排出通路(煙
道部)の、ダイオキシン類の塩素化反応が十分に進行し
た地点から排出口付近までの間に備えられる。
【0027】本発明の廃棄物焼却装置は、請求項9に記
載するように塩化物の量が過剰となるように塩化物含有
媒体を供給する場合、 未反応の塩化物を回収する手段
を備えているのが好ましい。
【0028】本発明において、前述の燃焼ガスの排出通
路(煙道部分)に燃焼ガス中のダイオキシン類前駆体が
反応してダイオキシン類となり、さらに塩素化されるの
に適した所定の温度に保持する手段としては、好ましく
は500℃〜700℃に温度制御し得る手段が挙げられ
る。
【0029】本発明の廃棄物焼却装置は、上記構成を備
え、かつ焼却炉内をダイオキシン類の塩素化に適切な状
態とする種々の機能を有する。本発明の廃棄物焼却装置
により、廃棄物を燃焼する際のダイオキシン類の塩素化
の条件は、廃棄物の量、廃棄物焼却装置のサイズ、塩化
物含有媒体を混合する手段等各手段の配置、使用する塩
化物含有媒体の種類等により適宜設定する。
【0030】本発明の廃棄物焼却装置は、廃棄物の供給
手段、焼却灰の回収手段、ダイオキシン類以外の有毒ガ
スを処理する手段、燃焼ガス中の集塵手段等の、通常廃
棄物焼却装置が備える他の構成を、本発明の作用を阻害
しない範囲で備えていてもよい。
【0031】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照しながら本願発
明による廃棄物焼却装置の好適な実施態様について詳述
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。図
1に本発明の廃棄物焼却装置の主要構造部分を示す。1
は焼却炉、2は空気を供給する手段、3は塩化物含有媒
体を供給する手段、4は煙道部(燃焼ガスの排出通
路)、5は燃焼ガスを所定の温度に保持する手段であ
る。
【0032】この廃棄物焼却装置には、焼却炉7に空気
を供給する手段であるエアブロワ2aと、焼却炉1に食
塩水(塩化ナトリウム水溶液、濃度5重量%)を混合す
る手段である食塩水タンク3a、ポンプ3b、食塩水供
給ライン3c、バルブ3d、噴霧ノズル3eと、煙道部
4に設置された温度制御装置5aとを備えてある。
【0033】エアブロワ2aは空気(又は酸素)を強制
的に焼却炉1の上面に備えた供給口2bから炉内に送り
込むことにより、通常の燃焼に必要とされる量よりも過
剰の空気(即ち、酸素)を供給可能に構成されている。
尚、空気の供給経路にアキュムレータ2cを設けても良
い。焼却炉1に食塩水を混合する手段3は、食塩水タン
ク3a中の食塩水をポンプ3bで汲み上げ、食塩水供給
ライン3cを通して焼却路1の壁面に装備された噴霧ノ
ズル3eから焼却炉1内に噴霧供給するものである。食
塩水供給ライン3cの途中には、供給量調節のためのバ
ルブ3dが装備されている。
【0034】焼却炉1内で塩化ビニル樹脂などの廃棄物
の燃焼により発生した燃焼ガス中には、種々の高毒性の
ダイオキシン類が含まれている。この図2に例示される
ような高毒性ダイオキシンは燃焼ガス中に噴霧混合され
た食塩水中の塩化ナトリウムと反応し、図3に例示され
るような塩素化された低毒性ダイオキシンとなる。
【0035】一方、焼却炉1内で発生した燃焼ガスは、
煙道部(燃焼ガスの排出通路)4を通じて外部へ排出さ
れる。焼却炉1内は、概して高温となるため、クロロベ
ンゼン化合物等のダイオキシン類前駆体も生成するが、
これらダイオキシン類前駆体が煙道部4において燃焼ガ
スが冷却すると、雰囲気中の酸素と可逆的に反応し、ダ
イオキシン類が二次的に発生する。従って、煙道部4に
は、燃焼ガス中のダイオキシン類前駆体が反応してダイ
オキシン類となり、さらに塩素化されるための温度を保
持する手段5を備える。即ち、温度を保持する手段5
は、燃焼ガスの温度を上記反応に適する500〜700
℃に保てるよう、煙道部4の側壁に埋設装備されたクー
ラーとヒータからなる温度制御装置5aからなる。温度
制御装置5aは、煙道部4における適所に図示しない温
度センサを備え、それら温度センサの検出温度に基づい
て加熱又は冷却作動するように制御される。
【0036】上記のような構成とすることにより、焼却
炉1内で発生した燃焼ガス中のダイオキシン類前駆体
は、煙道部4内で反応してダイオキシン類となり、さら
に塩素化されて低毒性ダイオキシンとなる。また、焼却
炉1内で塩素化されずに排出された高毒性ダイオキシン
を塩素化することもできる。
【0037】さらに、煙道部4内の、上記温度制御装置
設置部より以降に、低毒性ダイオキシンを吸着除去でき
る活性炭フィルター6を着脱自在に装備してあり、主に
塩素化された低毒性ダイオキシン類(煤塵中に含まれる
ものを含む)を除去し、燃焼ガス中の低毒性ダイオキシ
ン類濃度を低下させる。高毒性のダイオキシン類も吸着
できるフィルターであれば、万が一、塩素化されない高
毒性のダイオキシン類も除去でき、さらに好都合であ
る。
【0038】廃棄物の焼却後には、焼却灰および未反応
の塩化物が残留するため、両者を回収する回収手段とし
て、排出コンベア7等の回収手段を備えていても良い。
また、該回収手段により回収された焼却灰より未反応の
塩化物を分離回収するのが好ましい。
【0039】尚、空気供給手段2として、複数の空気供
給ライン(エアブロワ等)を設置しても良い。例えば、
空気供給ラインを2つ設置し、燃焼用の酸素を供給する
ものと、排出雰囲気を形成するためのものとしても良
い。
【0040】前述したように、ダイオキシン類の生成プ
ロセスは焼却路1及び煙道部4における全ての箇所にお
いて可能性があるので、エアブロワ2aの供給口2bや
噴霧ノズル3eは、図1に示す箇所以外に、焼却炉1や
煙道部4における様々な壁面部分に備え付けることが考
えられる。例えば、供給口2bと噴霧ノズル3eとを共
に煙道部4に配設する構造でも良く、又、それら供給口
2bや噴霧ノズル3eを複数箇所に設けても良い。
【0041】又、焼却炉1における廃棄物の供給口8に
閉塞可能な揺動シャッター9を設け、これを閉じ作動さ
せて焼却炉1の外気遮断作用を一層強化できるようにし
ても良い。
【0042】なお、上記実施形態には、主要構造部のみ
を示したが、本発明の廃棄物焼却炉には、通常一般の焼
却炉に使用される種々の装置が、本発明の作用を阻害し
ない範囲で備えられていてもよい。例えば煙道部4に
は、低毒性ダイオキシン捕捉用のフィルター以降に、水
噴霧装置等の冷却装置、集塵装置、誘引通風機、煙突等
を有していても良い。あるいは、焼却炉への廃棄物投入
工程として、供給ピットやフィーダー等を有していても
良い。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本願発明の廃棄物
焼却装置によれば、塩化ビニル樹脂などの含塩素廃棄物
等の焼却に伴って発生する2,3,7,8−T4CDD
のような種々の高毒性のダイオキシン類を強制的に塩素
化して低毒性のダイオキシン類へ置換することにより、
高毒性ダイオキシン類の排出が効果的に防止され得、こ
れにより深刻な環境汚染が予防されるようになる。
【0044】そして、ダイオキシン類を吸着するフィル
タを併用すれば、高毒性のものだけでなく低毒性のダイ
オキシン類の排出も規制又は解消することが可能であ
り、一層好ましいものになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の廃棄物焼却装置の主要な構成部分を示
す概略系統図である。
【図2】高毒性ダイオキシン類の化学式の例を示す図で
ある。
【図3】低毒性ダイオキシン類の化学式の例を示す図で
ある。
【図4】ダイオキシン類の毒性比較を示す図である。
【符号の説明】
1 焼却炉 2 空気を供給する手段 2a エアブロワ 2b 供給口 2c アキュムレーター 3 塩化物含有媒体を供給する手段 3a 食塩水タンク 3b ポンプ 3c 食塩水供給ライン 3d バルブ 3e 噴霧ノズル 4 煙道部(燃焼ガスの排出通路) 5 燃焼ガスを所定の温度に保持する手段 5a 温度制御装置 6 フィルター 7 排出コンベア 8 廃棄物の供給口 9 揺動シャッター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F23G 5/50 ZAB F23G 5/50 ZABN ZABM F23J 15/00 F23J 15/00 J

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外気と遮断される焼却炉と、該焼却炉に
    空気を供給する手段と、前記焼却炉における燃焼によっ
    て生じる燃焼ガス中に塩化物含有媒体を混合する手段
    と、前記燃焼ガスの排出通路を備え、かつ前記燃焼ガス
    の排出通路に、燃焼ガス中のダイオキシン類前駆体が反
    応してダイオキシン類となり、さらに塩素化されるのに
    適した所定の温度に保持する手段を備える廃棄物焼却装
    置。
  2. 【請求項2】 前記塩化物含有媒体が塩化ナトリウム水
    溶液である請求項1に記載の廃棄物焼却装置。
  3. 【請求項3】 前記塩化物含有媒体を混合する手段が、
    該塩化物含有媒体を噴霧するものである請求項1又は2
    に記載の廃棄物焼却装置。
  4. 【請求項4】 前記塩化物含有媒体を混合する手段を、
    前記焼却炉に空気を供給する手段に備え付けてある請求
    項1〜3のいずれか1項に記載の廃棄物焼却装置。
  5. 【請求項5】 前記塩化物含有媒体を混合する手段を前
    記焼却炉内に備え付けてある請求項1〜4のいずれか1
    項に記載の廃棄物焼却装置。
  6. 【請求項6】 前記塩化物含有媒体を混合する手段を前
    記燃焼ガスの排出通路に備え付けてある請求項1〜5の
    いずれか1項に記載の廃棄物焼却装置。
  7. 【請求項7】 前記燃焼ガス又は煤塵に含まれるダイオ
    キシン類を除去する手段を備えてある請求項1〜6のい
    ずれか1項に記載の廃棄物焼却装置。
  8. 【請求項8】 前記ダイオキシン類を除去する手段が、
    塩素化されたダイオキシン類を吸着するフィルタである
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の廃棄物焼却装置。
  9. 【請求項9】 未反応の塩化物を回収する手段を備えて
    ある請求項1〜8のいずれか1項に記載の廃棄物焼却装
    置。
  10. 【請求項10】 燃焼ガス中のダイオキシン類前駆体が
    反応してダイオキシン類となり、さらに塩素化されるの
    に適した所定の温度に保持する手段が、500〜700
    ℃に保持する手段である請求項1〜9のいずれか1項に
    記載の廃棄物焼却装置。
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