JPH11169624A - 筒状フィルタ及びその製造方法 - Google Patents

筒状フィルタ及びその製造方法

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JPH11169624A
JPH11169624A JP9364207A JP36420797A JPH11169624A JP H11169624 A JPH11169624 A JP H11169624A JP 9364207 A JP9364207 A JP 9364207A JP 36420797 A JP36420797 A JP 36420797A JP H11169624 A JPH11169624 A JP H11169624A
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cylindrical filter
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Takashi Tokiwa
貴 常盤
Hitoshi Kobayashi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 濾過性能及び耐圧性の優れる筒状フィルタ、
及び筒状フィルタの製造方法を提供すること。 【解決手段】 本発明の筒状フィルタは、濾過材が複数
層巻回されており、しかも樹脂塊による凹凸を有する領
域を有するものである。本発明の筒状フィルタの製造方
法は、濾過材の一部又は全部を巻回した後に、濾過材と
加熱固体媒体とを接触させない融着手段により濾過材を
溶融させて、樹脂塊による凹凸を形成する方法、又は濾
過材を巻回しながら、濾過材と加熱固体媒体とを接触さ
せない融着手段により濾過材を溶融させて、樹脂塊によ
る凹凸を形成する方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は流体中の固形物を濾
過することのできる筒状フィルタ、好適には液体中の固
形物を濾過することのできる筒状フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】筒状フィルタとして、メルトブロー法や
ジェット紡糸法などにより製造した微細な繊維からなる
不織布を、不織布構成繊維を融着させることなく多孔筒
の周囲に巻回したものが知られている。この筒状フィル
タは優れた濾過性能を有するものの、保形性が悪く、流
体中の固形物を濾過する際に圧力が極端に高くなると変
形しやすく、耐圧性に劣る場合があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
を解決するためになされたものであり、濾過性能及び耐
圧性の優れる筒状フィルタ、及び筒状フィルタの製造方
法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の筒状フィルタ
は、濾過材が複数層巻回されており、しかも樹脂塊によ
る凹凸を有する領域を有するものである。このように、
本発明の筒状フィルタは樹脂塊による凹凸を有する領域
を有するため、この領域によって保形性が向上し、その
結果として耐圧性に優れている。また、濾過材が複数層
巻回されており内部濾過することもできるため濾過性能
も優れている。
【0005】本発明の筒状フィルタの製造方法は、濾過
材の一部又は全部を巻回した後に、濾過材と加熱固体媒
体とを接触させない融着手段により濾過材を溶融させ
て、樹脂塊による凹凸を形成する方法、又は濾過材を巻
回しながら、濾過材と加熱固体媒体とを接触させない融
着手段により濾過材を溶融させて、樹脂塊による凹凸を
形成する方法である。そのため、濾過材に異物を付着さ
せることなく、上記の耐圧性及び濾過性能の優れる筒状
フィルタを容易に製造することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の筒状フィルタは濾過材が
複数層巻回されたものである。そのため、流体中の固形
物を濾過材の表面及び内部で濾過することができ、濾過
性能が優れている。なお、濾過材は何層巻回されていて
も良いが、例えば筒状フィルタの直径が65mm程度の
場合には、濾過性能に優れるように20層以上巻回され
ているのが好ましい。また、濾過材はどのように巻回さ
れていても良く、例えば、平巻き状に巻回することもで
きるし、螺旋状に巻回することもできる。
【0007】なお、濾過材は多孔筒の周囲に巻回されて
いても良いし、巻回されていなくても良い。後者の場合
には、例えば、芯材の周囲に濾過材構成繊維の融着成分
が融着可能な状態で複数層巻回し、冷却した後にこの芯
材を抜き取れば、この融着した領域が多孔筒と同様の働
きをする。なお、多孔筒を使用する場合、多孔筒の材
質、穴の形状、大きさ、穴の比率などは特に限定されな
い。
【0008】本発明で使用する濾過材としては、例えば
織物、編物、不織布、或いはこれらの複合体などを使用
できる。これらの中でも濾過性能に優れる不織布を好適
に使用できる。
【0009】以下、この好適である不織布をもとに説明
すると、本発明においては樹脂塊による凹凸を形成でき
るように、溶融可能な繊維を含んでいる必要があり、溶
融可能な繊維のみからなるのが好ましい。この溶融可能
な繊維を構成する樹脂成分としては、例えば、ポリアミ
ド、ポリエステル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタ
ン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレンなど
があり、これら樹脂成分1種類からなる単一繊維、或い
はこれら樹脂成分2種類以上からなる複合繊維を使用す
ることができる。これらの中でも、ポリエチレンやポリ
プロピレンなどのポリオレフィン系樹脂を含む繊維は耐
薬品性に優れ、汎用性にも優れているため好適に使用で
きる。
【0010】このような繊維からなる不織布(濾過材)
は、例えば、カード法、エアレイ法、メルトブロー法、
スパンボンド法などの乾式法や、湿式法により繊維ウエ
ブを形成した後、ニードルや流体流による絡合処理、繊
維ウエブを構成する繊維を融着する融着処理、バインダ
ーによる接着処理、或いはステッチ処理などの結合処理
を実施することにより製造することができる。なお、メ
ルトブロー法やスパンボンド法により繊維ウエブを形成
した場合には、その繊維ウエブを不織布(濾過材)とし
て使用することができる。
【0011】上記の繊維ウエブの製造方法の中でも、繊
維油剤などの余分なものが付着していない、メルトブロ
ー法やスパンボンド法が好適である。また、上記の結合
方法の中でも、ニードルや流体流による絡合処理、繊維
ウエブを構成する繊維を融着する融着処理、或いはステ
ッチ処理などの結合処理は、筒状フィルタの使用中に余
分なものが脱落しない不織布(濾過材)を製造できるた
め好適であり、フィルム化することなく緻密かつ均一な
構造の不織布を製造でき、しかも繊維ウエブに余分なも
の(例えば油剤)が付着していたとしても洗い流すこと
のできる、流体流による絡合処理が特に好適である。
【0012】このようにして製造される濾過材の厚さは
0.1〜1.5mmであるのが好ましい。厚さが0.1
mm未満であると、流体中の固形物を内部濾過すること
が困難になる傾向があり、1.5mmを越えると、濾過
材の層数が減少し、濾過寿命が短くなる場合があるため
で、0.2〜1.2mmであるのがより好ましい。な
お、厚さは1cm2あたり20g荷重時(圧力1.96
kPa)の値をいう。
【0013】また、濾過材の面密度は10〜120g/
2であるのが好ましい。面密度が10g/m2未満であ
ると、厚さが0.1mm以上の濾過材を形成しにくく、
120g/m2を越えると、濾過材の厚さが1.5mm
を越えやすくなるためで、15〜100g/m2である
のがより好ましい。
【0014】更に、濾過材の見掛密度は0.05〜0.
5g/cm3であるのが好ましい。見掛密度が0.05
g/cm3未満であると、濾過精度が著しく低下する場
合があり、0.5g/cm3を越えると、濾過材が目詰
まりしやすいため使用寿命が短くなる傾向があるため
で、0.06〜0.3g/cm3であるのがより好まし
い。
【0015】濾過材を構成する繊維の平均繊維径は特に
限定するものではないが、濾過性能及び使用寿命に優れ
るように、0.5〜85μmであるのが好ましく、0.
5〜70μmであるのがより好ましい。なお、本発明に
おける平均繊維径とは、濾過材から無作為に選んだ10
0点(又は100本)において測定した繊維径の平均値
をいい、繊維が異形断面形状を有する場合には、その断
面積と同じ面積を有する円の直径を繊維径とみなす。
【0016】また、濾過材の最多孔径は特に限定するも
のではないが、濾過精度及び使用寿命に優れるように、
1〜80μmであるのが好ましく、1〜65μmである
のがより好ましい。なお、本発明における最多孔径は孔
径分布測定機(COULTER社製、COULTER
POROMETER)を用いて孔径を測定した結果、孔
径分布の最も多い孔径値をいう。
【0017】本発明の筒状フィルタは上述のような濾過
材を1種類以上、複数層巻回したものである。好適に
は、平均繊維径、平均最多孔径、厚さ、面密度、製造方
法、構成繊維、或いは繊維組織構造(例えば織物と不織
布)などの1つ以上の点において相違する、種類の異な
る濾過材を2種類以上巻回するのが好ましい。この平均
繊維径及び最多孔径の点において差のある濾過材を2種
類以上使用する場合、隣接する濾過材において、平均繊
維径の差が0.3〜35μm、最多孔径の差が3〜30
μmとなるように濾過材を組合わせるのが好ましい。
【0018】例えば、平均繊維径及び/又は最多孔径の
点において異なる濾過材を2種類使用し、処理流体の通
過方向が筒状フィルタの外側から内側である場合には、
平均繊維径及び/又は最多孔径のより小さい濾過材が内
側となるように巻回するのが好ましく、逆に、処理流体
の通過方向が筒状フィルタの内側から外側である場合に
は、平均繊維径及び/又は最多孔径のより大きい濾過材
が内側となるように巻回するのが好ましい。このように
することにより、大きい固形物から順に段階的に濾過す
ることができるため、濾過寿命の長い筒状フィルタとす
ることができる。この処理流体の通過方向がフィルタの
外側から内側である場合の平均繊維径及び/又は最多孔
径のより小さい濾過材が内側となるように巻回した状態
としては、(1)平均繊維径及び/又は最多孔径のより
小さい濾過材のみが複数層巻回された領域と、平均繊維
径及び/又は最多孔径のより大きい濾過材のみが複数層
巻回された領域とを有する場合と、(2)平均繊維径及
び/又は最多孔径のより小さい濾過材と、平均繊維径及
び/又は最多孔径のより大きい濾過材が交互に巻回され
た領域を有する場合がある。逆に、処理流体の通過方向
が筒状フィルタの内側から外側である場合には、各領域
の配置が上記とは逆になる。なお、濾過材が3種類以上
からなる場合には、上述と同様の関係が成り立つように
巻回するのが好ましい。
【0019】なお、濾過材の物性(例えば繊維径や平均
最多孔径)が、濾過材の長さ方向において、連続的又は
不連続的に変化する場合には、1種類の濾過材を使用す
るだけで十分な場合もある。例えば、処理流体の通過方
向が筒状フィルタの外側から内側である場合には、濾過
性能のより優れる領域(例えば、繊維径や平均最多孔径
のより小さい領域)が内側となるように濾過材を巻回す
るのが好ましく、処理流体の通過方向が筒状フィルタの
内側から外側である場合には、濾過性能のより優れる領
域(例えば、繊維径や平均最多孔径のより小さい領域)
が外側となるように濾過材を巻回するのが好ましい。
【0020】本発明の筒状フィルタは樹脂塊による凹凸
を有する領域を有するため剛性があり、その結果として
耐圧性が優れている。また、凹凸であることによって濾
過性能の低下を抑制、場合によっては濾過性能を向上さ
せることができる。この凹凸とは、濾過材を構成する繊
維が実質的に繊維形状を留めておらず、溶融して凝集し
た樹脂塊からなる凸部と、この樹脂塊が存在しない凹部
とを有する状態をいう。このような状態は目視或いは顕
微鏡などによって容易に確認することができる。なお、
このような凹凸は均一に分布していても不均一に分布し
ていても良いが、濾過性能が向上するように、不均一に
分布しているのがより好ましい。
【0021】この樹脂塊による凹凸は耐圧性が向上する
ように、濾過材の濾過領域の一部又は全部に存在する。
この「濾過領域」とは流体中の固形物を濾過する領域を
いい、より具体的には濾過材の両端部以外の流体が通過
する領域を指す。
【0022】この凹凸領域は複数層巻回された濾過材の
どこに存在していても良いが、一般的に凹凸領域は濾過
精度に寄与するというよりはむしろ、処理流体の拡散や
粗い固形物を濾過する層として作用するため、処理流体
の通過方向における最上流層を構成する濾過材が凹凸領
域に含まれているのが好ましい。例えば、処理流体の通
過方向が筒状フィルタの外側から内側である場合には、
最外層を構成する濾過材が樹脂塊による凹凸を有するの
が好ましい。
【0023】なお、この凹凸領域は濾過材一層のみから
構成されていても良いし、二層以上の濾過材から構成さ
れていても良い。
【0024】また、2種類以上の濾過材を巻回した場
合、平均繊維径及び最多孔径の最も小さい濾過材は微細
な固形物を濾過するために使用するのが好ましいため、
この平均繊維径及び最多孔径の最も小さい濾過材以外の
濾過材が凹凸領域を構成しているのが好ましい。
【0025】本発明の筒状フィルタにおいては、隣接す
る濾過材同士は全層にわたって融着していても、層の一
部において融着していても、全く融着していなくても良
い。しかしながら、濾過性能に優れるように、多孔筒を
使用する場合には、凹凸領域以外には隣接する濾過材同
士が融着していないのが好ましく、また、多孔筒を使用
しない場合には、筒状フィルタの最内層を構成する濾過
材と隣接する濾過材とを含む隣接する濾過材同士が融着
している領域、又は筒状フィルタの最外層を構成する濾
過材と隣接する濾過材とを含む隣接する濾過材同士が融
着している領域と、凹凸領域以外には隣接する濾過材同
士が融着していないのが好ましい。
【0026】なお、本発明の好適である、多孔筒の周囲
に濾過材が複数層巻回され、処理流体の通過方向におけ
る最上流層を構成する濾過材が凹凸領域に含まれている
場合、濾過材の厚さが0.1〜1.5mmであり、しか
も筒状フィルタの耐圧強度が0.55〜0.75MPa
であるのが好ましい。つまり、厚さが0.1mm未満の
濾過材を多孔筒の周囲に巻回すれば濾過材の全長が長く
なるために、耐圧性の優れた筒状フィルタを製造するこ
とができるが、本発明においては、濾過材の内部でも濾
過を実施することができるように、厚さが0.1〜1.
5mmの濾過材を使用すると、単に多孔筒の周囲に濾過
材を巻回しただけでは耐圧強度が0.4MPa以下程度
の筒状フィルタしか得られない。しかしながら、上述の
ような凹凸領域を形成することにより、上記のような範
囲の耐圧強度の筒状フィルタ、つまり濾過性能、耐圧性
のいずれにも優れる筒状フィルタを得ることができた。
より好ましい耐圧強度は0.6〜0.75MPaであ
る。
【0027】なお、この耐圧強度は次の方法により得ら
れる値をいう。つまり、JIS8種の塵埃を水に分散し
た濃度100ppmの試験液を均一に撹拌しながら、筒
状フィルタに流量25L/minで通水させる。そし
て、筒状フィルタが変形した時における負荷圧力を耐圧
強度とする。
【0028】本発明の筒状フィルタの製造方法として
は、多孔筒の周囲に濾過材を巻回する場合、濾過材の一
部又は全部を多孔筒の周囲に巻回した後に、或いは濾過
材を巻回しながら、濾過材と加熱固体媒体とを接触させ
ない融着手段により濾過材を溶融させて、樹脂塊による
凹凸を形成する。そのため、濾過材に異物を付着させる
ことなく、上述のような筒状フィルタを容易に製造する
ことができる。
【0029】また、濾過材と加熱固体媒体とを接触させ
ない融着手段とは、例えば、熱風吹き付け、レーザー照
射、遠赤外線照射などがある。なお、これらの手段を併
用しても良い。このように、濾過材と加熱固体媒体とを
接触させないため凹凸領域を形成しやすく、しかも濾過
材がフィルム化しないため目詰まりが生じにくいため、
濾過寿命の長い筒状フィルタを製造することができる。
また、加熱固体媒体と接触しないため、異物が付着する
こともない。
【0030】上記の融着手段の中でも、熱風吹き付け手
段は不均一な凹凸領域を形成しやすいため好適である。
なお、レーザー照射、遠赤外線照射と同時に気体(好ま
しくは温風又は熱風)を吹き付けても同様の効果が得ら
れる。
【0031】この熱風吹き付け条件について説明する
と、濾過材表面に吹き付ける熱風の温度は濾過材を完全
に溶融させて樹脂塊を形成できるように、濾過材を構成
する繊維の融点よりも30℃以上高い温度であるのが好
ましく、50℃以上高い温度であるのがより好ましい。
なお、濾過材を構成する繊維が2種類以上の樹脂を含ん
でいる場合には、最も融点の高い樹脂の融点よりも30
℃以上、好ましくは50℃以上高い温度の熱風を濾過材
表面に吹き付けるのが好ましい。また、風量は不均一な
凹凸領域を形成できるように、0.3Nm3/min以
上であるのが好ましく、0.5Nm3/min以上であ
るのがより好ましい。更に、熱風を吹き付ける時間は濾
過材が完全に溶融するように、0.1秒以上であるのが
好ましく、0.5秒以上であるのがより好ましい。
【0032】より具体的な筒状フィルタの製造方法は多
孔筒を使用する場合、まず、多孔筒及び所要長の濾過材
を用意する。次いで、多孔筒の周囲に濾過材の全部を巻
回した後、上述のような融着手段により凹凸領域を形成
するか、多孔筒の周囲に濾過材の一部を巻回した後、上
述のような融着手段により凹凸領域を形成するか、或い
は多孔筒の周囲に濾過材を巻回しながら凹凸領域を形成
する。なお、必要であれば、凹凸領域を形成した後に更
に濾過材を巻回する。
【0033】なお、処理流体の通過方向が筒状フィルタ
の外側から内側であり、平均繊維径及び/又は最多孔径
の異なる2種類の濾過材を巻回する場合、(1)多孔筒
の周囲に平均繊維径及び/又は最多孔径のより小さい濾
過材、平均繊維径及び/又は最多孔径のより大きい濾過
材の順に巻回しながら、一部を巻回した後、或いは全部
を巻回した後、上述のような融着手段により凹凸領域を
形成したり、(2)平均繊維径及び/又は最多孔径のよ
り大きい濾過材の上に平均繊維径及び/又は最多孔径の
より小さい濾過材を積層した後、この積層濾過材の平均
繊維径及び/又は最多孔径のより小さい濾過材が多孔筒
側となるように多孔筒の周囲に巻回しながら、一部を巻
回した後、全部を巻回した後に、上述のような融着手段
により凹凸領域を形成する。前者の場合には、平均繊維
径及び/又は最多孔径のより小さい濾過材のみが複数層
巻回された領域と、平均繊維径及び/又は最多孔径のよ
り大きい濾過材のみが複数層巻回された領域とを有する
筒状フィルタを製造することができ、後者の場合には、
平均繊維径及び/又は最多孔径のより小さい濾過材と平
均繊維径及び/又は最多孔径のより大きい濾過材が交互
に巻回された領域を有する筒状フィルタを製造すること
ができる。なお、3種類以上の濾過材からなる場合にも
同様に製造することができる。また、処理流体の通過方
向が逆の場合には、濾過材の配置が逆になるように巻回
すれば良い。
【0034】なお、濾過材を多孔筒に巻き付ける際の荷
重は一定であっても、巻き始めから巻き終わりまで連続
的に、又は不連続的に可変であっても良いが、一定荷重
であると、品質のより安定した筒状フィルタを製造でき
る。この荷重が一定であっても、巻き始めの濾過材の方
がより大きな力が加わり、多孔筒に近い濾過材程、緻密
な構造となるため、処理流体が筒状フィルタの外側から
内側へ通過する場合に好適である。
【0035】他方、多孔筒を使用しない筒状フィルタ
は、多孔筒の代りに芯材の周囲に濾過材が融着可能な状
態で必要な分だけ巻回し、冷却した後にこの芯材を抜き
取って、多孔筒に相当するものを形成した後、多孔筒を
使用する場合と全く同様にして製造することができる。
したがって、詳細な説明は割愛する。
【0036】本発明の筒状フィルタは濾過性能及び耐圧
性に優れているため、各種流体(例えば液体、気体)中
に含まれる固形物を濾過するために使用することができ
る。例えば、食品・飲料、電子、医薬、化学、水処理、
写真、塗料、メッキ、染色、機械・鉄鋼など各製造プロ
セスにおいて使用する、或いは使用した液体などの濾過
に使用することができる。
【0037】以下に、本発明の実施例を記載するが、本
発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0038】
【実施例】(実施例1)濾過材Aとして、スパンボンド
法により製造した繊維ウエブをニードルにより絡合し
た、面密度100g/m2、厚さ1mm、見掛密度0.
1g/cm3、平均繊維径35μm、最多孔径30μm
のポリプロピレン製不織布(幅25cm、長さ320c
m)を用意した。
【0039】また、濾過材Bとして、メルトブロー法に
より製造した(特に結合処理なし)、面密度80g/m
2、厚さ1mm、見掛密度0.08g/cm3、平均繊維
径6μm、最多孔径25μmのポリプロピレン製不織布
(幅25cm、長さ40cm)を用意した。
【0040】更に、円形状の穴(穴の比率:表面積全体
に対して6%)を有し、内径が2.8cmで肉厚が2.
6mmのポリプロピレン製多孔筒(長さ25cm、)を
用意した。
【0041】次いで、濾過材Aの上に濾過材Bの一端が
一致するように積層し、次いでこの積層濾過材を多孔筒
の周囲に、多孔筒と濾過材Bとが接触するように、一定
荷重(0.39MPa)で平巻き状に巻き付け、内径
2.8cm、外径6.3cm、長さ25cmの筒状フィ
ルタ前駆体を製造した。この筒状フィルタ前駆体は不織
布Aと不織布Bとが交互に巻回された領域を有してい
た。
【0042】次いで、筒状フィルタ前駆体の最外層を構
成する濾過材Aに対して、温度285℃、風量0.5N
3/minの熱風を2秒間吹き付けることにより、最
外層を含む約2層の濾過材Aのみからなる不均一な凹凸
領域を有する筒状フィルタを製造した。
【0043】(比較例1)実施例1の筒状フィルタ前駆
体を筒状フィルタとした。
【0044】(実施例2)濾過材Aとして、水流絡合法
により製造した、面密度60g/m2、厚さ0.7m
m、見掛密度0.086g/cm3、平均繊維径40μ
m、最多孔径32μmのポリプロピレン製不織布(幅2
5cm、長さ340cm)を使用したこと以外は、実施
例1と全く同様にして、内径2.8cm、外径6.3c
m、長さ25cmの筒状フィルタ前駆体を製造した。こ
の筒状フィルタ前駆体は不織布Aと不織布Bとが交互に
巻回された領域を有していた。
【0045】次いで、筒状フィルタ前駆体の最外層を構
成する濾過材Aに対して、温度330℃、風量0.8N
3/minの熱風を2秒間吹き付けることにより、最
外層を含む約2層の濾過材Aのみからなる不均一な凹凸
領域を有する筒状フィルタを製造した。
【0046】(比較例2)実施例2の筒状フィルタ前駆
体を筒状フィルタとした。
【0047】(実施例3)実施例1と同じ濾過材Aと濾
過材B以外に、濾過材Cとして、スパンボンド法により
製造した繊維ウエブを熱エンボス加工処理した、面密度
15g/m2、厚さ0.2mm、見掛密度0.075g
/cm3、平均繊維径50μm、最多孔径50μmのポ
リプロピレン製不織布(幅25cm、長さ320cm)
を用意した。
【0048】次いで、濾過材Cと濾過材Aとが完全に一
致するように積層した後、更に濾過材Aの一端と濾過材
Bの一端とが一致するように濾過材Aの上に積層した。
次いでこの積層濾過材を、実施例1と同じ多孔筒の周囲
に、多孔筒と濾過材Bとが接触するように、一定荷重
(0.39MPa)で平巻き状に巻き付け、内径2.8
cm、外径6.3cm、長さ25cmの筒状フィルタ前
駆体を製造した。この筒状フィルタ前駆体は不織布A、
不織布B、及び不織布Cとが交互に巻回された領域を有
していた。
【0049】次いで、筒状フィルタ前駆体の最外層を構
成する濾過材Cに対して、温度290℃、風量0.5N
3/minの熱風を2秒間吹き付けることにより、最
外層を含む約3層の濾過材A及び濾過材Cからなる不均
一な凹凸領域を有する筒状フィルタを製造した。
【0050】(比較例3)実施例3の筒状フィルタ前駆
体を筒状フィルタとした。
【0051】(通水抵抗)実施例1〜3及び比較例1〜
3の筒状フィルタに対して、流量25L/minでそれ
ぞれ通水した際の初期圧力損失を測定し、この値を通水
抵抗とした。この結果は表1に示す通り、実施例1〜3
の筒状フィルタは凹凸領域の存在によって通水抵抗が上
昇することはない。
【0052】
【表1】
【0053】(濾過精度)JIS8種の塵埃を水に分散
させた濃度10ppmの試験液に含まれる粒子数を、粒
度分布測定機(COULTER社製、COULTER
MultisizerII)により各粒径別に計測した。
次いで、この試験液を均一に撹拌しながら、実施例1〜
3及び比較例1〜3の筒状フィルタのそれぞれに、流量
25L/minで1分間通水した後の濾液を採取して、
この1分後の濾液に含まれる粒子数を、上記と同じ粒度
分布測定機により各粒径別に計測した。次いで、それぞ
れの粒径における捕集効率を下記の式から算出し、10
0%の捕集効率が得られる粒径を、その筒状フィルタの
濾過精度とした。この結果も表1に示す通り、実施例1
〜3の筒状フィルタは凹凸領域の存在によっても、濾過
精度は低下せず、同等以上のものが得られることがわか
る。 捕集効率[%]={(A−B)/A}×100 A:濾過前の粒子数、B:濾過後の粒子数
【0054】(濾過寿命)JIS8種の塵埃を水に分散
させた濃度100ppmの試験液を均一に撹拌しなが
ら、実施例1〜3及び比較例1〜3の筒状フィルタのそ
れぞれに流量25L/minで通水させた。そして、筒
状フィルタが変形するまでに処理された総通水量を濾過
寿命とした。この結果も表1に示す通り、実施例1〜3
の筒状フィルタは凹凸領域の存在によって濾過寿命が著
しく伸びることがわかる。
【0055】(耐圧強度の測定)上記の濾過寿命時にお
ける負荷圧力を耐圧強度とした。この結果も表1に示す
通り、実施例1〜3の筒状フィルタは凹凸領域の存在に
よって、耐圧強度が著しく向上することがわかる。
【0056】
【発明の効果】本発明の筒状フィルタは、濾過材が複数
層巻回されており、しかも樹脂塊による凹凸を有する領
域を有するものである。このように、本発明の筒状フィ
ルタは樹脂塊による凹凸を有する領域を有するため、こ
の領域によって保形性が向上し、その結果として耐圧性
に優れている。また、濾過材が複数層巻回されており内
部濾過することもできるため濾過性能も優れている。
【0057】本発明の筒状フィルタの製造方法は、濾過
材の一部又は全部を巻回した後に、濾過材と加熱固体媒
体とを接触させない融着手段により濾過材を溶融させ
て、樹脂塊による凹凸を形成する方法、又は濾過材を巻
回しながら、濾過材と加熱固体媒体とを接触させない融
着手段により濾過材を溶融させて、樹脂塊による凹凸を
形成する方法である。そのため、濾過材に異物を付着さ
せることなく、上記の耐圧性及び濾過性能の優れる筒状
フィルタを容易に製造することができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 濾過材が複数層巻回されており、しかも
    樹脂塊による凹凸を有する領域を有することを特徴とす
    る筒状フィルタ。
  2. 【請求項2】 樹脂塊による凹凸を有する領域に、処理
    流体の通過方向における最上流層を構成する濾過材が含
    まれていることを特徴とする、請求項1記載の筒状フィ
    ルタ。
  3. 【請求項3】 濾過材の一部又は全部を巻回した後に、
    濾過材と加熱固体媒体とを接触させない融着手段により
    濾過材を溶融させて、樹脂塊による凹凸を形成すること
    を特徴とする、筒状フィルタの製造方法。
  4. 【請求項4】 濾過材を巻回しながら、濾過材と加熱固
    体媒体とを接触させない融着手段により濾過材を溶融さ
    せて、樹脂塊による凹凸を形成することを特徴とする、
    筒状フィルタの製造方法。
  5. 【請求項5】 濾過材と加熱固体媒体とを接触させない
    融着手段が、熱風吹き付け、レーザー照射、遠赤外線照
    射の中から選ばれる少なくとも1つからなることを特徴
    とする、請求項3又は請求項4記載の筒状フィルタの製
    造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4604351B2 (ja) * 1999-03-30 2011-01-05 チッソ株式会社 フィルターカートリッジ
JP4785253B2 (ja) * 1999-03-30 2011-10-05 ポール・コーポレーション メルトブローン成形された芯材を有する、メルトブローン成形されたフィルタカートリッジを形成するための方法および装置、ならびにそれによって形成されたフィルタカートリッジ

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