JPH09234318A - フィルター及びその製造方法 - Google Patents

フィルター及びその製造方法

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JPH09234318A
JPH09234318A JP7123896A JP7123896A JPH09234318A JP H09234318 A JPH09234318 A JP H09234318A JP 7123896 A JP7123896 A JP 7123896A JP 7123896 A JP7123896 A JP 7123896A JP H09234318 A JPH09234318 A JP H09234318A
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fibers
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重則 徳永
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智 緒方
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルターの濾過ライフの延長。 【解決手段】 熱可塑性繊維を含む不織繊維集合体が積
層された濾過層からなり、前記不織繊維集合体は、繊維
接合点が融着接合され、かつ該不織繊維集合体の各層片
面または両面に通水可能な凹凸部を有するフィルター。

Description

【発明の詳細な説明】
【0010】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィルターに関す
るものであって、特に液体濾過に好適なフィルターに関
するものである。
【0011】
【従来の技術】液体濾過用フィルターとして、カートリ
ッジフィルターがあるが、その中には繊維を用いたもの
があり、一般的には紡績糸、または、カード法、エアー
レイド法、ニードルパンチ法、メルトブロー法、スパン
ボンド法などにより形成された不織布が円筒状に巻かれ
ており、さまざまな産業分野で広く使用されている。例
としては、多孔管に紡績糸や紡毛糸を巻き付けたタイプ
のもの(実開昭61−12922号公報)や、多孔管に
メルトブローにより製造した不織布を巻き付けたタイプ
のもの(特公平1−297113号公報)、あるいはカ
ード機により熱接着性複合繊維を不織布にして円筒状に
巻き上げ成形したもの(特公昭53−43709号公
報)等が挙げられる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記に示されるフィル
ターは、一定の繊維径や繊維密度では濾過ライフが短い
ために、外層側の空隙率を大きくすることで、大きい粒
子を外層側で捕集し、細かい粒子を内層側で捕集するよ
うにして、フィルターの濾過ライフを延長させるように
しているが、孔径の細かい層が目詰まりし易く、濾過ラ
イフが短いという問題があり、改善が望まれていた。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するべく鋭意研究を重ねた結果、以下の構成をと
ることにより、所期の目的が達成される見通しを得て、
本発明を完成するに至った。本発明は以下の構成を有す
る。 (1) 熱可塑性繊維を含む不織繊維集合体が積層され
た濾過層からなるフィルターにおいて、該不織繊維集合
体の繊維接合点が融着接合され、かつ各層片面または両
面が通水可能な凹凸部を有することを特徴とするフィル
ター。 (2) 濾過層の密度が、内層よりも外層が粗構造であ
る(1)項に記載のフィルター。 (3) 凹凸部の数が、濾過体層の内層から外層につれ
て多くなる(1)項に記載のフィルター。 (4) 凹凸部の大きさが、濾過体層の内層より外層の
方が大きい(1)項に記載のフィルター。 (5) 熱可塑性繊維が、ポリオレフィン系繊維、ポリ
エステル系繊維、ポリアミド系繊維の群から選ばれた少
なくとも1種である(1)項に記載のフィルター。 (6) 熱可塑性繊維が、融点差10℃以上の高融点成
分と低融点成分で形成される熱可塑性複合繊維である
(1)項に記載のフィルター。 (7) 熱可塑性繊維が、メルトブロー法で得られた繊
維である(1)項に記載のフィルター。 (8) 不織繊維集合体が、熱可塑性繊維と他の繊維の
混繊および/または混綿である(1)項に記載のフィル
ター。 (9) 熱融着性繊維を含有する表面が凹凸のある不織
繊維集合体を円筒状の物体に捲回させた後、それを加熱
し、熱融着性繊維を融着させることを特徴とする中空で
円筒状のフィルターの製造方法。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明は、フィルターに使用される不織繊維集合
体の片面または両面に通水可能な凹凸部を形成させ、こ
の不織繊維集合体を複数層巻回したり、積層したり、ひ
だ折り加工することで濾過面積増加による捕集量の向上
と濾過ライフの延命を狙いとしたフィルターを特徴とし
ている。つまり、本発明のフィルターは凹凸部が形成さ
れていることで、各層における不織繊維集合体の表面積
が増加し、また、各層間に空間が形成されることで、各
層が面で接しているフィルターより捕集される粒子量が
増加するという作用効果の特徴を持っている。これらの
作用効果により、濾過層に平担な不織繊維集合体を用い
た通常のフィルターに対して、凹凸部を有することで同
じ濾過精度を保ちながら、優れたロングライフを実現す
るものである。
【0015】本発明における不織繊維集合体とは熱融着
性繊維を含み、これを熱融着させることにより繊維の交
点が接着している不織布状態のものである。接着強度を
向上させるために必要によりバインダーを添加すること
もできる。本発明における凹凸部とは、不織繊維集合体
を構成している繊維が、不織繊維集合体の片面若しくは
両面上に凹面、凸面若しくは両者を形成しているもので
あり、凹凸部は他の部分と同様に通水性を有するもので
ある。凸部の形状は、例えば図1〜4に示すような半球
形、円錐形、三角錐形、四角錐形などを挙げることがで
きるが、これらの形状に限定されるものではない。これ
らのものでは半球形若しくは円錐形のものが好ましく、
半球形のものがより好ましい。凸面先端部は鋭角、曲
面、平面の形状をとることができ、斜面については直線
的でも凸の曲率、凹の曲率をもつ面でもかまわない。凹
部の形状については特に限定されないが上述した凸部の
形状を空間部と不織繊維集合体部を入れ替えた形状を例
示することができる。両面に凹凸部を形成している場合
には、凹凸部の形状は、両面で同じでも異なっていても
よい。凹凸部の位置も両面で同じ位置でもずれていても
かまわない。要は、濾過精度を有し捕集量の増大と優れ
たロングライフに寄与するものであればよい。
【0016】片面側だけに凸部を形成している不織繊維
集合体の反対面は、平面または凹凸面の何れの形状をも
とることができるが、凹面が好ましい。凹面の位置につ
いては、凸部と対応する同じ位置が好ましく、特に不織
繊維集合体の厚みが薄い場合は、凸部が形成されてる場
所と同じ位置になり、凸部形状を反転させた形状で凹面
を形成することが好ましい。また、図5に示すように不
織繊維集合体の断面が波形状になるように凹凸を形成し
てもよい。図6に示すように凸部1のサイズは、凸部高
さ3が0.5mmから3mm程度ものが望ましく、凸部
最大幅4は、凸部高さ3と同じ幅から凸部間隔(凸部と
隣の凸部との間隔)の1/2までが望ましい。また、凸
部1が無い平坦部厚み5は2mm以下が望ましい。図5
に示すように不織繊維集合体断面が波形状をとるもの
は、表裏の凸先端を挟む距離が1mmから5mm程度の
ものが望ましい。凸部の数については、凸部のサイズに
よるが片側で1cm2 当たり5〜100個が適当であ
る。この数は、あまり少ないと凸部による効果が薄れる
ため出来る限り多い方がよい。
【0017】凹凸を形成する不織繊維集合体の一部を構
成している熱可塑性繊維は、高融点成分と低融点成分か
らなる並列型もしくは低融点成分を外側に配した鞘芯型
や偏芯型の複合繊維、または高融点成分からなる繊維と
低融点繊維からなる繊維を混綿や混繊などの方法により
混合したものからなり、通常の紡糸方法によって得られ
たものやメルトブロー法、スパンボンド法などにより得
られたものである。特に繊維径の細い繊維を必要とする
ときは、メルトブロー法やスパンボンド法等の紡糸方法
が好ましく、高融点成分と低融点成分をノズルより交互
の位置から押し出される方法を行えば、混繊されたウェ
ブを直接製造することができるため生産性に優れてい
る。高融点成分と低融点成分からなる繊維を使用する理
由は、凹凸部を形成する際に加熱することで、低融点側
を溶かし、繊維同士を熱接着させることで凹凸部の形状
を保つことにある。更には、不織布強度が高い、繊維の
脱落がないといった利点も挙げられる。
【0018】繊維を形成している 高融点成分と低融点
成分は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ−4−メ
チルペンテン、プロピレンと他のαオレフィンとの2元
または3元共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリカーボネ
ード等の熱可塑性成分が挙げられる。これらの中から高
融点成分の方が低融点成分より高融点であり、かつ、そ
の融点差が10℃以上、好ましくは15℃以上になるよ
うな組み合わせを適宜選択する。これらの樹脂の内では
ポリオレフィン同士の組み合わせが耐薬品性の面で好ま
しい。複合繊維の場合も、混繊の場合も高融点成分と低
融点成分の重量比率は(複合比、混繊比)は80:20
から20:80である。低融点成分が下限未満であると
繊維同士の熱接着点が少なくなり、保形性が低下する。
また、上限を超えると、加熱の際に繊維が溶けすぎて形
状が崩れ易くなる。より好ましくは60:40から4
0:60である。
【0019】本発明で用いられる熱可塑性繊維以外の繊
維の例としては木綿、絹、羊毛、パルプ等の天然繊維、
ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維等の無機若しくは金属
繊維、レーヨン等の再生繊維、アセテート等の半合成繊
維等を挙げることができる。全繊維中にしめる熱可塑性
繊維の比率は30重量%以上が好ましく、より好ましく
は50重量%以上である。
【0020】繊維径は、濾過精度に合わせて選ばれ、高
精度のものは、メルトブロー法やスパンボンド法などよ
って製造された0.01〜3d/fのものが用いられ、
それ以外は、3〜100d/f程度の繊維が用いられ
る。繊維断面の形状は円形でも異形断面でもよく、異形
断面糸を用いれば、濾過精度の向上が計れる。また、混
繊や混綿による低融点成分繊維と高融点成分繊維の繊維
径は異なっていてもよい。凹凸を形成する不織繊維集合
体の目付は、通常20〜300g/m2までのものが用
いられ、この値より目付が少ないと厚みが薄くなるた
め、凹凸を形成しにくくなったり、凹凸形状の保持力が
弱くなってしまう。また、目付が多いと凹凸の形成は容
易になるが、厚みが増すため、巻き取りずらくなり、更
に巻き数が減るためにフィルター全体の凹凸数が減り、
濾過ライフが短くなってしまう。
【0021】凹凸部製法の一例としては、カード法、エ
アーレイド法、ニードルパンチ法、スパンボンド法、メ
ルトブロー法などの方法により製造された不織繊維集合
体を、図7に示すような凹部6のある加熱ロール7とシ
リンダーロール8の少なくとも一対(二対以上でも可)
を装備して、両者の間に目的とする凹凸部形成に必要な
間隙を設け、その間隔を通過させることで加熱ロール7
の凹部6に接した不織繊維集合体の部分に凸部1が形成
される。凹部を設けた平板でプレスしても製造可能であ
るが、ロール式の方が不織布集合体を連続して流せるの
で生産性に優れている。凹凸部を形成された不織繊維集
合体は、遠赤外線ヒーターやエアースルー型ドライヤー
に通すことで、不織繊維集合体内部の繊維まで充分に熱
接着を行なわせることができ、不織繊維集合体の強度を
高めると共に凹凸部の保形性を向上させることができ
る。下側のロールについては、フラットタイプのもの、
上側と同じように凹部を持ったタイプのもの、上側の凹
部に合わさるように凸部を持ったタイプのものが適宜用
いられる。ロールは、鉄、アルミ、銅などを用いた金属
製のものが一般的で、表面を鏡面加工したものやテフロ
ンコート加工したものが用いられる。
【0022】ロールの表面温度は、不織繊維集合体に用
いられている低融点成分繊維の融点以上の温度に設定さ
れ、両ロール間の間隙長による不織繊維集合体の圧密状
態やラインスピード等を適宜変更して調節される。特に
大切なことは、加熱ロールの温度が高すぎると凹凸部が
溶融し、表面がフィルム化して通水性を持たなくなるた
め注意を要する。つまり、ロール通過時にエンボス加工
で形成されるような繊維が扁平化して通水性のないフィ
ルム化した凹凸部の形成は避けなければならない。ま
た、平坦部についてもフィルム化していないことが必要
である。本発明のフィルターにとって構成上重要なこと
は、凸部1を決してフィルム化させずに通水可能な多孔
質構造に形成させることである。この凸部1によって濾
過面積の増加と併せて、積層不織繊維集合体の場合に生
じる凸部で各層の間に空間ができることで粒子の捕集量
を増加させるのである。捕集量の増加は、濾過ライフの
延命にもつながるものである。
【0023】エアースルー型ドライヤーの加熱設定温度
についても、低融点成分繊維の融点以上の温度から高融
点成分繊維の融点以下の温度に設定し、形成された凹凸
部が加熱されすぎることで変形しないようにすることが
必要である。メルトブロー法やスパンボンド法などによ
り製造される高精度濾過用の繊維径が細く、繊維密度の
高い不織繊維集合体に対して凹凸を形成するには、図8
に示すように紡糸後に繊維を吸引するサクションコンベ
アのネット9や網状物の表面に凸部10をもたせた構造
にすることにより、紡糸の際にネット9上にウェブが形
成される段階で凸部を形成させることができる。また、
凸部を付けなくても、ネット9や網状物の形状を凹凸の
大きいタイプにすることでも波形状の凸部を形成するこ
とができる。サクション部がドラム型のものについて
も、ネット表面を前記と同じ構造にすることで、凸部を
持ったウェブを製造することができる。サクションコン
ベアで凸部を形成されたウェブについては、遠赤外線ヒ
ーターやエアースルー型ドライヤーを通して加熱するこ
とで繊維間の熱接着を充分に行なわせた方が、凸部形状
が崩れにくくなる。
【0024】また、上記以外の方法として、多数の穴が
開いたパンチング板を連結したコンベアーを用いたエア
ースルー型ドライヤーに不織繊維集合体を通すことで、
熱風により柔らかくなった繊維がコンベアー側からサク
ションされることで、パンチング板の穴の開いた部分で
凸部を形成させる方法もある。上記のような方法で凹凸
部を形成された不織布からフィルターを製造する方法と
しては、特公昭56−43139号公報で示されるよう
な装置を用いて、該不織繊維集合体を遠赤外線ヒーター
で熱接着成分が溶けるような温度で加熱した直後に、金
属製の中芯に巻き付けることにより筒状フィルターを得
ることができる。不織繊維集合体を溶融する装置は、遠
赤外線ヒーターに限らず、エアースルー型ドライヤー等
を用いてもかまわない。また、特公昭56−49605
号公報で示される方法により、凹凸部が形成されていな
い通常の不織繊維集合体、もしくは凹凸部が形成されて
いる不織繊維集合体を巻回しフィルターを成形している
途中に、メディア層となる凹凸部が形成された不織繊維
集合体を挿入するという方法もある。なお、濾過ライフ
を充分に延ばすためには、流体が流れてくる方向に対し
て凸部が向くように巻回すると効果が大きい。
【0025】メルトブロー法において凹凸部をもつ不織
繊維集合体を直接形成する場合は、該ウェブを前記と同
様な方法で加熱して中芯に巻き付けている際に、フィル
ターの径が大きくなるに従いメルトブローの熱風や吐出
量を変化させ、順次または段階的に繊維径をかえれば、
密度勾配の付いたフィルターが製造できる。また、特開
平1−297113号公報で示されるように、多孔性コ
アに凸部を形成した不織繊維集合体を巻回することでフ
ィルターを製造することができる。この際、外層に行く
程孔径の大きい不織繊維集合体を巻回すれば深層濾過タ
イプのフィルターを製造することができる。また、凹凸
部を形成した不織繊維集合体を平板の状態で積層した
り、ひだ折り加工するとこでもフィルターの濾材として
使用でき、ひだ折り加工によるものは、濾過面積の増加
に加えて、凹凸部による濾過面積の増加が加わり、より
濾過ライフの長いフィルターが製造できる。
【0026】本発明のフィルターは、凹凸部による濾過
面積の増加により、平面的な不織繊維集合体を用いたフ
ィルターと比較して濾過精度の優れた構造となってい
る。また、繊維形成成分を高収縮成分と低収縮成分で形
成することで、凹凸部を含めた不織布繊維集合体の強度
を向上させて、凹凸部が潰れずに適度な空間を安定して
保つことができるので濾過ライフの長い構造となってい
る。
【0027】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を詳細
に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではない。なお、各例において用いた測定方法を以下に
示す。平均繊維径 溶融紡糸で得られた繊維については、繊維の光学顕微鏡
画像を画像処理装置に取り込み、繊維径を50本測定
し、その平均値を平均繊維径とした。メルトブロー法に
より得られる細繊度のウェブは、ウェブを構成する繊維
の電子顕微鏡画像を画像処理装置に取り込み、繊維径を
50本測定し、その平均を平均繊維径とした。
【0028】捕集効率(濾過精度) 循環式濾過試験機のハウジングにフィルターを取付け、
毎分30リットルの流量で通水循環をしながら、ACフ
ァインテストダスト(ACFTD、中位径6.6〜8.
6μm)またはACコーズテストダスト(ACCTD、
中位径27〜31μm)を0.5g/minで添加し、
5分後の原液とフィルター通過後の液をサンプリングす
る。それぞれの液の粒度分布を光遮断式粒度分布測定機
で濾過精度を測定し、粒子がフィルターに捕集された割
合を示す捕集効率を求めた。 濾過ライフ 前記、循環式濾過精度試験機において、ハウジングにフ
ィルターを取付け、毎分30リットルの流量で通水循環
をしながら、ACFTDまたはACCTDを0.5g/
minで添加して、ハウジング入口側と出口側との差圧
を測定する。差圧が2.0kg/cm2を示すまでの時
間を濾過ライフとした。捕集量 濾過ライフ測定終了後のフィルターをオーブンで乾燥
後、重量を測定し、濾過前のフィルター重量との差を捕
集量とした。
【0029】(実施例1)高融点成分がポリプロピレン
(MFR20g/10分(230℃)、mp.162
℃)、低融点成分が高密度ポリエチレン(MFR16g
/10分(190℃)、mp.135℃)からなる並列
型複合繊維(複合比率50:50、クリンプ数13山/
25mm、繊維径3デニール、カット長51mm)を、
カード機にて目付100g/m2のウェブと目付70g
/m2のウェブを製造した。次にそれぞれのウェブを上
側のロールが半球形凹面をもち、下側のロールがフラッ
トになった直径300mmのステンレス製ロールを両ロ
ールの間隙を0.5mmにして、表面温度140℃に設
定したものに通すことで、平坦部厚みが0.6mm、凸
部高さ1.0mm、凸部の数25個/cm2の不織布と
した2種類を形成した。凸部は、図1に示すような半球
形をしており、フィルム化されていない多孔質構造であ
った。目付100g/m2の不織布を特公昭56−43
139号公報で示されるような装置を用い、エアースル
ー型ドライアーで加熱して、凸部が外側になるようにス
テンレスパイプに巻き取り、外径が約50mmになった
後、その外側に目付70g/m2の不織布を同じように
加熱し巻き取り、冷却後にステンレスパイプを抜き、切
断して、内径30mm、外径70mm、長さ250m
m、空隙率87%の円筒形フィルターを製造した。測定
結果は表1に示した。
【0030】(比較例1)実施例1と同じ繊維を用い
て、カード機にて目付100g/m2と目付70g/m2
のウェブにした後、上側下側とも同じ直径300mmの
フラットロールを両ロールの間隙0.5mm、表面温度
140℃に設定したものに通すことで、不織布厚みを
0.6mmにした不織布の2種類を形成した。目付10
0g/m2の不織布を実施例1と同じ方法でステンレス
パイプに巻き取り、外径が50mmになった後、その外
側に目付70g/m2の不織布を同じように加熱し巻き
取り、内径30mm、外径70mm、長さ250mm、
空隙率78%の円筒形フィルターを製造した。測定結果
は表1に示した。
【0031】(実施例2)実施例1で用いたものと同じ
並列型複合繊維を用いてカード機にて目付100g/m
2のウェブと目付70g/m2のウェブ製造した後、上側
のロールが半球形凹面をもち、下側のロールがフラット
になった直径300mmのステンレス製ロール2種類を
両ロールの間隙0.5mm、表面温度140℃に設定し
たものに通すことで、目付100g/m2のウェブを平
坦部厚みが0.6mm、凸部高さ1mm、凸部の数25
個/cm2の不織布とし、目付70g/m2のウェブを平
坦部厚みが0.6mm、凸部高さ1mm、凸部の数36
個/cm2の不織布とした2種類を形成した。凸部は、
図1に示したような半球形をしており、フィルム化され
ていない多孔質構造であった。実施例1と同じ製造方法
で、凸部が外側を向くように目付100g/m2の不織
布をステンレスパイプに巻き外径が約50mmになった
後、目付70g/m2の不織布をその外側に巻くこと
で、内径30mm、外径70mm、長さ250mm、空
隙率83%の円筒形フィルターを製造した。測定結果は
表1に示した。
【0032】(実施例3)実施例1で用いたものと同じ
繊維を用いてカード機にて目付100g/m2のウェブ
と目付70g/m2のウェブ製造した後、上側のロール
が半球形凹面をもち、下側のロールがフラットになった
直径300mmのステンレス製ロール2種類を両ロール
の間隙0.5mm、表面温度140℃に設定したものを
通すことで目付100g/m2のウェブを平坦部厚みが
0.6mm、凸部高さ1mm、凸部の数25個/cm2
の不織布とし、目付70g/m2のウェブを平坦部厚み
が0.6mm、凸部高さ1.5mm、凸部の数25個/
cm2の不織布とした2種類を形成した。凸部は、図1
に示したような半球形をしており、フィルム化されてい
ない多孔質構造であった。実施例1と同じ製造方法で、
凸部が外側を向くように目付100g/m2の不織布を
ステンレスパイプに巻き取り、外径が約50mmになっ
た後、目付70g/m2の不織布をその外側に巻くこと
で、内径30mm、外径70mm、長さ250mm、空
隙率89%の円筒形フィルターを製造した。測定結果は
表1に示した。
【0033】(実施例4)孔径0.3mmの穴が1.0
mmピッチで501個の1列に並んだメルトブロー用混
繊紡糸口金を用い、紡糸温度320℃でポリプロピレン
(MFR18g/10分(230℃)、mp.165
℃)とポリプロピレンコポリマー(MFR20g/10
分(230℃)、mp.145℃)とを混繊比率50:
50(重量%)で紡糸孔の交互の位置から押し出し、圧
力を1.4〜0.4kg/cm2に順次変化させた36
0℃の加圧空気を用いて、吸引装置を装備したナイロン
製コンベアネット上に吹き付け、目付50g/m2のウ
ェブを製造した。凸部はフィルム化されていない多孔質
構造であった。コンベアネット表面には2mm間隔で高
さ1mm、直径0.5mmの円柱状にナイロン繊維が立
っており、このコンベアネットから得られるウェブは、
凸部高さ1mm、凸部の数36個/cm2 の図2に示さ
れるような円錐形の凸部が形成された。凸部はフィルム
化されていない多孔質構造であった。また、ウェブの平
均繊維径は、最も細いところで5μm、最も太いところ
で12μmであった。該ウェブをネットコンベアーで移
送しながら、エアースルー型ドライヤーで熱処理し、外
側にいくほど繊維径が太くなるようにステンレスパイプ
に巻き取った。冷却後、ステンレスパイプを抜き取り、
切断をして内径30mm、外径68mm、長さ250m
m、空隙率80%の円筒形フィルターを得た。測定結果
は表1に示した。
【0034】(比較例2)実施例3と同じ原料と方法を
用いて紡糸した。但し、コンベアネットはナイロンの凸
面がついていないものを使用した。得られたウェブの平
均繊維径は、最も細いところで5μm、最も太いところ
で12μmであった。該ウェブを実施例1と同じ加工機
で熱処理し、外側にいくほど繊維径が太くなるようにス
テンレスパイプに巻き取った。冷却後、ステンレスパイ
プを抜き取り、切断して内径30mm、外径68mm、
長さ250mm、空隙率72%の円筒形フィルターを得
た。測定結果は表1に示した。表1の結果より表面に凹
凸部を形成した不織繊維集合体をフィルターにすること
で、凹凸部のない不織繊維集合体を用いたフィルターと
比べると、同等の捕集効率を示しているにも関わらず、
濾過ライフが向上し、捕集量を著しく増大することが確
認された。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】本発明のフィルターは、不織繊維集合体
の各層片面または両面に通水可能な凹凸部を有すること
により、各層における濾過面積が増加し、また、凹凸部
により各層の間に空間ができることで粒子の捕集量が増
加する。そのために、凹凸部を有しないフィルターに比
べ、同じ濾過精度で濾過ライフを増加させる効果を有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】半球形凸部の斜視図である。
【図2】円錘形凸部の斜視図である。
【図3】三角錘形凸部の斜視図である。
【図4】四角錘形凸部の斜視図である。
【図5】波形状凸部の斜視図である。
【図6】半球形凸部の横断面図である。
【図7】凸部形成用ロールの横断面図である。
【図8】凸部形成用コンベアネットの斜視図である。
【符号の説明】
1 凸部 2 不織繊維集合体平担部 3 凸部高さ 4 凸部最大幅 5 平坦部厚み 6 凹部 7 加熱ロール 8 シリンダロール 9 ネット 10 凸部

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性繊維を含む不織繊維集合体が積
    層された濾過層からなるフィルターにおいて、該不織繊
    維集合体の繊維接合点が融着接合され、かつ各層片面ま
    たは両面が通水可能な凹凸部を有することを特徴とする
    フィルター。
  2. 【請求項2】 濾過層の密度が、内層よりも外層が粗構
    造である請求項1に記載のフィルター。
  3. 【請求項3】 凹凸部の数が、濾過体層の内層から外層
    につれて多くなる請求項1に記載のフィルター。
  4. 【請求項4】 凹凸部の大きさが、濾過体層の内層より
    外層の方が大きい請求項1に記載のフィルター。
  5. 【請求項5】 熱可塑性繊維が、ポリオレフィン系繊
    維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維の群から選
    ばれた少なくとも1種である請求項1に記載のフィルタ
    ー。
  6. 【請求項6】 熱可塑性繊維が、融点差10℃以上の高
    融点成分と低融点成分で形成される熱可塑性複合繊維で
    ある請求項1に記載のフィルター。
  7. 【請求項7】 熱可塑性繊維が、メルトブロー法で得ら
    れた繊維である請求項1に記載のフィルター。
  8. 【請求項8】 不織繊維集合体が、熱可塑性繊維と他の
    繊維の混繊および/または混綿である請求項1に記載の
    フィルター。
  9. 【請求項9】 熱融着性繊維を含有する表面が凹凸のあ
    る不織繊維集合体を円筒状の物体に捲回させた後、それ
    を加熱し、熱融着性繊維を融着させることを特徴とする
    中空で円筒状のフィルターの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003033725A (ja) * 2001-07-24 2003-02-04 Nagasawa Wire Cloth Co 金網と、金網製フィルターと、振動篩い機
JP2015097979A (ja) * 2013-11-18 2015-05-28 Jnc株式会社 フィルター
JP2022087132A (ja) * 2014-12-01 2022-06-09 愛三工業株式会社 燃料用フィルタ

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