JPH11168063A - ステージ装置、走査型露光装置及び露光方法 - Google Patents

ステージ装置、走査型露光装置及び露光方法

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JPH11168063A
JPH11168063A JP10267092A JP26709298A JPH11168063A JP H11168063 A JPH11168063 A JP H11168063A JP 10267092 A JP10267092 A JP 10267092A JP 26709298 A JP26709298 A JP 26709298A JP H11168063 A JPH11168063 A JP H11168063A
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exposure apparatus
axis
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Takechika Nishi
健爾 西
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  • Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ステージの小型・軽量化を図る。 【解決手段】 Y軸方向については、その方向のステー
ジWSTの位置を干渉計76Yにより直接計測し、X軸
方向については、異なる方向からステージWSTの位置
を計測する第1、第3の干渉計76X1、76X2の計
測値に基づいて演算によりステージWSTの位置を求め
る。これにより、第1ないし第3の反射面60a、60
b、60cを三角形状に配置することにより、ステージ
WSTとして三角形状のものを使用することが可能とな
るので、従来の矩形のステージに比べてステージを小型
・軽量化することができる。特に、走査方向に助走距離
を必要とする走査型露光装置の基板ステージとして好適
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステージ装置、走
査型露光装置及び露光方法に係り、更に詳しくは、精密
機器、例えば半導体回路素子や液晶表示素子等の回路デ
バイスをリソグラフィ工程で製造する際に用いられる露
光装置における基板の位置決め装置として好適なステー
ジ装置、このステージ装置を具備した走査型露光装置及
びこの露光装置に適用される露光方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、半導体デバイスの製造現場では、
波長365nmの水銀ランプのi線を照明光とした縮小
投影露光装置、所謂ステッパーを使って最小線幅が0.
3〜0.35μm程度の回路デバイス(64M(メガ)
ビットのD−RAM等)を量産製造している。同時に、
256Mビット、1G(ギガ)ビットD−RAMクラス
の集積度を有し、最小線幅が0.25μm以下の次世代
の回路デバイスを量産製造するための露光装置の導入が
始まっている。
【0003】その次世代の回路デバイス製造用の露光装
置として、KrFエキシマレーザ光源からの波長248
nmの紫外パルスレーザ光、或いはArFエキシマレー
ザ光源からの波長193nmの紫外パルスレーザ光を照
明光とし、回路パターンが描画されたマスク又はレチク
ル(以下、「レチクル」と総称する)と感応基板として
のウエハを縮小投影光学系の投影視野に対して相対的に
1次元走査することで、ウエハ上の1つのショット領域
内にレチクルの回路パターン全体を転写する走査露光動
作とショット間ステッピング動作とを繰り返す、ステッ
プ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置が有力視さ
れている。
【0004】かかるステップ・アンド・スキャン方式の
走査型露光装置としては、屈折光学素子(レンズ素子)
と反射光学素子(凹面鏡等)とで構成される縮小投影光
学系を搭載したパーキンエルマー社のマイクラ・スキャ
ン露光装置が、最初に製品化され、市販されている。そ
のマイクラ・スキャン露光装置は、例えば1989年の
SPIE,Vol.1088のp424〜433に詳細
に説明されているように、円弧スリット状に制限された
実効投影領域を介してレチクルのパターンの一部をウエ
ハ上に投影しつつ、レチクルとウエハとを投影倍率(1
/4縮小)に応じた速度比で相対移動させることで、ウ
エハ上のショット領域を露光するものである。
【0005】またステップ・アンド・スキャン方式の投
影露光方式として、エキシマレーザ光を照明光とし、円
形の投影視野を有する縮小投影光学系の実効投影領域を
多角形(六角形)に制限し、その実効投影領域の非走査
方向の両端を部分的にオーバーラップさせる方法、所謂
スキャン&ステッチング法を組合わせたものが、例えば
特開平2−229423号公報等に開示されている。ま
た、そのような走査露光方式を採用した投影露光装置
は、例えば特開平4−196513号公報、特開平4−
277612号公報、特開平4−307720号公報等
にも開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の走査型
露光装置では、ウエハ側のステージとして2次元平面
(XY平面)内を移動する四角形のXYステージが使用
されていた。そして、このXYステージのXY座標系上
の位置計測は、XYステージの直交する2辺に沿って設
けられた反射面(移動鏡とも呼ばれる)に対し、垂直に
測長ビームをそれぞれ照射する干渉計を用いて行われて
いた。
【0007】ところで、近年のウエハサイズは8インチ
から12,14,16インチというように大型化する傾
向にあり、これに伴い、それを保持するウエハステージ
が大型化、重量化する傾向にある。
【0008】また、露光装置にとってスループット(処
理能力)の向上は最も重要な課題の一つであり、これを
達成する必要から走査露光時のレチクルの加減速度が例
えば0.5G→4G、最高速度も350mm/s→15
00mm/sのように大きくなっており、これに伴って
ウエハステージの走査露光時の加減速度、最高速度も投
影倍率1/nに比例した大きさとなる。このため、露光
の前後に必要となる、プリスキャン時(目標速度(露光
時の走査速度)までの加速時間+加速終了後に速度が所
定の誤差範囲で目標速度に収束するまでの整定時間)及
びオーバースキャン時(露光終了後における次ショット
の走査開始位置までの走査方向移動時間)の移動距離も
これに応じて延ばす必要がある。そして、このようなプ
リスキャン時及びオーバースキャン時の移動距離の増加
によっても干渉計測長軸が移動鏡反射面から外れないよ
うにする必要があることから、移動鏡が大型化し、これ
に伴ってウエハステージが必然的に大型化、重量化する
傾向がある。
【0009】このようなウエハステージの大型化、重量
化は、必然的にウエハステージの位置制御応答性を悪化
させ、このため整定時間が長くなって、本来スループッ
トを向上させようとの観点から加減速度、最高速度を増
加したにもかかわらず結果的に却ってスループットを悪
化させるという不都合もあった。
【0010】更には、ウエハステージの位置制御精度を
向上させようとの観点からステージの回転を計測するた
め、干渉計の測長軸を複数化し、2軸以上の測長軸を有
する干渉計がウエハステージの位置制御用として用いら
れるようになっている。また、ウエハステージの回転に
よって干渉計測長に支障が生じないようにいわゆるダブ
ルパス化が行われている。これらの干渉計測長軸の複数
化やダブルパス化は、いずれも移動鏡長の延長に必然的
につながり、ますますステージが大型化、重量化する傾
向になっている。
【0011】また、ウエハステージの大型化はウエハス
テージ移動面積の増加、ひいては装置設置面積の増加
(フットプリントの増加)等の不都合を招くおそれがあ
った。
【0012】上記のようなステージの大型化に伴う不都
合は、露光装置に限らず位置決め用のステージ装置を備
えた機器であれば、同様に生じ得る。
【0013】本発明は、かかる事情を鑑みてなされたも
ので、その目的は、ステージの小型・軽量化を図ること
ができるステージ装置を提供することにある。
【0014】また、本発明の別の目的は、スループット
の向上を図ることができる走査型露光装置を提供するこ
とにある。
【0015】また、本発明のさらに別の目的は、ステー
ジの小型軽量化を図ることができる露光方法を提供する
ことにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
係るステージ装置は、基板(W)を保持して2次元平面
内を移動する第1可動体(WST)と;前記第1可動体
(WST)に設けられ、前記2次元平面内で所定の第1
軸(Y軸)及びこれに直交する第2軸(X軸)と交差す
る方向に沿って延びる第1反射面(60a)と;前記第
1反射面に垂直に測長ビームを照射してその反射光を受
光することにより前記第1可動体の第3軸方向の位置を
計測する第1の干渉計(76X1)と;前記第1の干渉
計の計測値に基づいて前記第1可動体の前記第1軸及び
第2軸で規定される直交座標系上の位置座標を演算する
演算装置(78)とを備えている。
【0017】これによれば、第1可動体に2次元平面内
で所定の第1軸及びこれに直交する第2軸と交差する方
向に沿って延びる第1反射面が設けられており、第1の
干渉計ではこの第1反射面に垂直に測長ビームを照射し
てその反射光を受光することにより第1可動体の前記測
長ビームの方向である第3軸方向の位置を計測する。そ
して、演算装置により第1の干渉計の計測値に基づいて
第1可動体の第1軸及び第2軸で規定される直交座標系
上の位置座標が、第1可動体が第3軸に直交する方向に
沿って移動する特殊の移動態様の場合を除き、演算され
る。
【0018】このため、第1可動体上には、上記直交座
標系上の座標軸に交差する方向の第1反射面のみを設け
れば足りるので、直交座標系上の各軸方向の第1可動体
の位置を干渉計を用いてそれぞれ計測していた従来例に
比べて、単一の干渉計で第1可動体に保持された基板の
位置計測、ひいては位置制御が可能になるとともに、反
射面の配置の自由度が向上し、その結果として基板を保
持する第1可動体の形状の設計の自由度が向上する。こ
のため、例えば第1可動体として正方形又は長方形状等
の矩形のステージを用いる必要がなくなり、かかる矩形
のステージ上に斜めに反射面を配置した場合のその反射
面より外側の部分を取り除いたような形状の第1可動体
を用いることが可能になる。従って、第1可動体、すな
わち基板を保持して2次元移動するステージを小型化す
ることが可能になる。
【0019】この場合において、請求項2に記載の発明
の如く、前記第1可動体(WST)に設けられ、前記第
2軸方向に延びる第2反射面(60b)と;前記第2反
射面に垂直に測長ビームを照射してその反射光を受光す
ることにより前記第1可動体の前記第1軸方向の位置を
計測する第2の干渉計(76Y)とを更に備え、前記演
算装置(78)が、前記第1の干渉計の計測値に基づい
て前記第1可動体の前記第2軸方向の位置座標を演算す
るようにしても良い。この場合には、第2の反射面は、
必ず第1軸に直交して配置する必要があるが、第1の反
射面の配置は或程度自由であり、請求項1に記載の発明
と同様に理由により、第1可動体、すなわち基板を保持
して2次元移動するステージを小型化することが可能に
なる。
【0020】この場合において、請求項3に記載の発明
の如く、前記演算装置(78)が、前記第1の干渉計
(76X1)の計測値と前記第2の干渉計(76Y)の
計測値との両者に基づいて前記第1可動体(WST)の
前記第1軸方向の位置及び前記第2軸方向の位置の少な
くとも一方を演算するようにしても良い。このようにす
れば、前記第2の干渉計(76Y)の計測値により前記
第1軸方向の計測を行い、その結果と第1の干渉計(7
6X1)の第1軸方向計測結果との差を求め、それに応
じて前記第1の干渉計(76X1)による前記第2軸方
向の計測誤差を補正する事ができる。これによりステー
ジの小型化を行いつつ、前記第1及び第2軸方向の計測
を精度良く行う事ができる。
【0021】上記請求項2に記載のステージ装置におい
て、請求項4に記載の発明の如く、前記第1可動体(W
ST)に設けられ、前記2次元平面内で前記第1軸及び
これに直交する第2軸と交差し、かつ前記第1反射面と
は異なる方向に延びる第3反射面(60b)と;前記第
3反射面に垂直に測長ビームを照射してその反射光を受
光することにより前記第1可動体の第4軸方向の位置を
計測する第3の干渉計(76X2)とを更に備え、前記
演算装置(78)が、前記第1及び第3の干渉計の計測
値に基づいて前記第1可動体の前記第1軸及び第2軸で
規定されるステージ座標系上の前記第2軸方向の位置を
演算するようにしても良い。
【0022】すなわち、第1軸方向については、その方
向の第1可動体の位置を直接計測する第2の干渉計の計
測値をそのまま用い、第2軸方向については、異なる方
向から第1可動体のそれぞれの方向の位置を計測する第
1、第3の計測値に基づいて演算により第1可動体の位
置を求めるのである。このようにすれば、結果的に、第
1、第2、及び第3の反射面を三角形状に配置すること
により、第1可動体として三角形状のものを使用するこ
とが可能となるので、従来の矩形のステージに比べて第
1可動体を高い剛性を維持しながら相当小型化できるこ
とは明らかである。
【0023】上記請求項1〜4に記載の各発明におい
て、請求項5に記載の発明の如く、前記第1の干渉計
(76X1)は、前記2次元平面と直交する方向に離れ
た2軸の測長ビームを前記第1反射面(60a)に照射
し、それぞれの反射光を受光することにより各測長軸毎
に前記第1可動体の第3軸方向の位置を計測し、前記演
算装置(78)は、前記第1の干渉計の前記計測値に基
づいて前記第1可動体(WST)の前記2次元平面に対
する傾斜をも算出するようにしても良い。
【0024】また、上記請求項1〜5に記載の各発明に
おいて、請求項6に記載の発明の如く、前記第1の干渉
計(76X1)は、前記2次元平面と平行な方向に離れ
た2軸の測長ビームを前記第1反射面(60a)に照射
し、それぞれの反射光を受光することにより各測長軸毎
に前記前記第1可動体の第3軸方向の位置を計測し、前
記演算装置(78)は、前記第1の干渉計の前記計測値
に基づいて前記第1可動体(WST)の前記2次元平面
内での回転をも算出するようにしても良い。
【0025】また、上記請求項2〜4に記載の各発明に
おいて、請求項7に記載の発明の如く、前記第2の干渉
計(76Y)は、前記第2反射面(60b)上で同一直
線上に無い3軸の測長ビームを前記第2反射面に照射
し、それぞれの反射光を受光することにより各測長軸毎
に前記第1可動体(WST)の前記第1軸方向の位置を
計測し、前記演算装置(78)は、前記第2の干渉計の
前記計測値に基づいて前記第1可動体の前記2次元平面
内での回転及び前記第1可動体の前記2次元平面に対す
る傾斜をも算出するようにしても良い。
【0026】また、上記請求項1〜7に記載の各発明に
おいて、第1可動体上に反射鏡を配置し、その反射面を
上記第1反射面としても勿論良いが、請求項8に記載の
発明の如く、前記第1反射面(60a)は、前記第1可
動体(WST)の端面に形成されていることが望まし
い。このようにすれば、第1可動体を一層軽量化できる
からである。同様に、請求項2、3、4、7に記載の各
発明において、請求項9に記載の発明の如く、前記第1
可動体(WST)はほぼ三角形状であり、前記第2反射
面(60b)は、前記第1可動体の端面に形成されてい
ても良い。
【0027】上記の請求項9に記載の発明において、請
求項10に記載の発明の如く、前記第1可動体の各頂角
近傍の所定の3点の内の少なくとも1点を前記第1、第
2、及び第3の干渉計の少なくとも1つの出力に応じて
前記2次元平面に垂直な方向に駆動する駆動装置を更に
備えていても良い。かかる場合には、駆動装置により第
1、第2、及び第3の干渉計の少なくとも1つの出力に
応じて、第1可動体の各頂角近傍の所定の3点の内の少
なくとも1点が2次元平面に垂直な方向に駆動されるの
で、第1可動体(基板)は2次元平面に対する傾斜が調
整されることになるが、この際に、第1可動体の重心位
置から遠い3つの頂点付近を駆動して傾斜調整がなされ
るので、その際高い制御応答(チルト駆動制御応答)を
得ることができる。
【0028】また、上記請求項4に記載のステージ装置
において、請求項11に記載の発明の如く、前記各干渉
計(76X1、76Y、76X2)が、それぞれの反射
面(60a、60b、60c)上で同一直線状にない3
軸の測長ビームを対応する反射面にそれぞれ照射し、そ
れぞれの反射光を受光して各測長軸毎に、前記第1可動
体(WST)の各測長軸の方向の位置を計測し、前記演
算装置(78)が前記第1、第2、及び第3の内の干渉
計の任意のいずれか、又は任意の2つ又は3つの干渉計
の各測長軸の計測値を用いて前記第1可動体(WST)
の前記2次元平面内の回転及び前記2次元平面に対する
傾斜を演算するようにしても良い。
【0029】この場合において、請求項12に記載の発
明の如く、前記第1可動体(WST)が、前記2次元平
面内で移動する第2プレート(52)と、この第2プレ
ート(52)上に搭載されたレベリング駆動機構(5
8)と、このレベリング駆動機構により支持され前記基
板(W)を保持する第1プレート(TB)とを有し、前
記第1プレート(TB)に前記第1、第2、及び第3反
射面が設けられ、前記レベリング駆動機構(58)が、
前記第1プレートを前記第1、第2、及び第3の干渉計
の測長軸のそれぞれのほぼ延長線上の異なる3点で支持
するとともに各支持点で前記2次元平面に垂直な方向に
独立して駆動可能な3つのアクチュエータ(ZACX
1、ZACY、ZACX2)を含み、前記演算装置(7
8)が、前記第1、第2、及び第3の干渉計の計測値を
用いて前記第1反射面、第2反射面、第3反射面の前記
2次元平面に対する傾斜をそれぞれ演算し、前記演算装
置の検算結果に応じて前記3つのアクチュエータを制御
するアクチュエータ制御装置(56)を更に備えていて
も良い。かかる場合には、それぞれの干渉計により計測
された対応する反射面のチルト角度に応じてアクチュエ
ータを独立に制御できるため、確実な傾斜調整が効率良
く可能になる。この場合において、前記第1プレート
(TB)が正三角形状である場合には、前記3つのアク
チュエータは第1プレートの正三角形状の頂点近傍にそ
れぞれ配置することが望ましい。このようにすると、上
記請求項10に記載の発明と同様に、高いチルト駆動制
御応答を得ることができる。
【0030】また、請求項1〜12に記載の各発明にお
いて、請求項13に記載の発明の如く、定盤(22)
と;前記第1可動体(WST)がその上部に配置される
とともに、前記定盤上に配置され、かつ前記定盤、及び
前記第1可動体の夫々に対して相対移動が可能な第2可
動体(38)とを更に備え、前記第1可動体の移動によ
って生じる反力に応じて前記第2可動体が移動するよう
に構成しても良い。このようにすれば、第1可動体の重
心移動による偏荷重を第2可動体の重心移動によりキャ
ンセルすることが可能となるので、ステージ装置全体の
重心を所定位置に保持できるからである。
【0031】この場合において、請求項14に記載の発
明の如く、前記定盤(22)上に設けられた前記第2可
動体(38)を所定の応答周波数で駆動可能な駆動系
(44)と;前記駆動系を介して数Hz以下の応答周波
数で前記第2可動体を位置制御する制御装置(78)と
を更に備えることが望ましい。このようにすれば、定盤
が傾斜した際等にも、第2可動体がその自重によって勝
手に移動しないように、上記の数Hz以下の応答周波数
で位置制御することが可能となるからである。
【0032】請求項15に記載の発明は、前記請求項4
に記載のステージ装置を備える走査型露光装置であっ
て、マスク(R)を保持するマスクステージ(RST)
と;前記マスクステージ(RST)と前記ステージ装置
を構成する第1可動体(WST)とを同期して前記第1
軸方向(Y方向)に沿って相対移動させるステージ制御
系(33、78、80)とを更に備え、前記ステージ制
御系による前記マスクステージと前記第1可動体との相
対移動時に前記マスクに形成されたパターンを前記第1
可動体上の基板(W)に転写することを特徴とする。こ
れによれば、上記の如く、第1可動体として従来の矩形
のステージに比べて相当小型の三角形状のものを使用す
ることが可能となるので、第1可動体の位置制御応答性
が向上し、ステージ制御系による第1軸方向の相対移動
時にマスクステージと第1可動体との同期整定時間が短
縮され、結果的にスループットが向上する。
【0033】この場合において、請求項16に記載の発
明の如く、前記第1及び第3の干渉計(76X1及び7
6X2)は、それぞれ2軸の干渉計であり、前記マスク
(R)及び前記基板(W)の夫々と直交する光軸を有す
る投影光学系(PL)と、前記投影光学系とは別個に設
けられたアライメント光学系(ALG)とを更に備える
場合には、前記第1及び第3の干渉計のそれぞれの1測
長軸(RIX11、RIX21)の延長した交点は前記投影
光学系中心とほぼ一致し、それぞれ残りの測長軸(RI
X12、RIX22)の延長した交点は前記アライメント光
学系中心とほぼ一致するように前記第1及び第3の干渉
計の各測長軸が設定されていることが望ましい。かかる
場合には、露光時及びアライメント時のいずれのときに
おいてもいわゆるアッベ誤差のない状態で基板の位置管
理が可能となり、重ね合わせ精度が向上するからであ
る。
【0034】また、上記請求項15又は16に記載の走
査型露光装置において、請求項17に記載の発明の如
く、前記基板(W)の周辺領域の走査露光時に前記第
1、第2、及び第3の干渉計(76RIX1、76Y、
76X2)の各測長軸が、前記第1、第2、及び第3反
射面(60a、60b、60c)の内の対応する反射面
からいずれも外れることがないように、露光の際の前記
第1可動体(WST)の加速度、最高速度及び整定時間
が決定されていることが望ましい。かかる場合には、第
1可動体の3つの側面の範囲内に反射面を設定できるの
で、第1可動体のバランスが良くなりその剛性を高める
ことが可能となるからである。
【0035】また、上記請求項15又は16に記載の走
査型露光装置において、請求項18に記載の発明の如
く、前記第1、第2、及び第3の干渉計(76X1、7
6Y、76X2)の各測長軸が、前記第1、第2、及び
第3反射面(60a、60b、60c)の内の対応する
反射面からいずれも外れることがない前記第1可動体
(WST)上の所定の位置に、前記第1、第2、及び第
3の干渉計の計測値を用いて露光処理に関連する所定の
計測を行うための基準マーク(FM)及びセンサ(KE
S)が配置されていることが望ましい。かかる場合に
は、基準マークを用いた例えばベースライン計測や、セ
ンサを用いた例えば結像特性計測、照射量計測のため
に、反射面を延長する必要がないので、このことも第1
可動体の軽量化につながるからである。
【0036】また、請求項19に記載の発明は、前記請
求項11又は12に記載のステージ装置を備える走査型
露光装置であって、マスク(R)を保持するマスクステ
ージ(RST)と;前記マスクステージと前記ステージ
装置を構成する前記第1可動体(WST)とを同期して
前記第1軸方向に沿って相対移動させるステージ制御系
(33、78、80)とを備え、前記ステージ制御系に
よる前記マスクステージと前記第1可動体との相対移動
時に、前記マスクに形成されたパターンを前記第1可動
体上の基板(W)に転写することを特徴とする。
【0037】この場合において、請求項20に記載の発
明の如く、前記マスクステージ(RST)が前記2次元
平面内で回動可能である場合には、前記演算装置(7
8)が、前記第2の干渉計(RIY)の計測値に基づい
て前記第1可動体(WST)の前記2次元平面内の回転
ずれ量を演算し、前記ステージ制御系(33、78、8
0)が、前記回転ずれ量が補正されるように前記マスク
ステージを回転制御するようにしても良い。このように
すれば、第1可動体側に回転制御機構を保持する必要が
無くなるので、その分ステージ装置の軽量化が可能にな
る。
【0038】請求項21に記載の発明は、前記請求項1
4に記載のステージ装置を備える走査型露光装置であっ
て、前記第1可動体(WST)の重量が前記第2可動体
(38)の重量の1/9以下であり、前記制御装置(7
8)が、露光又はアライメント前の前記第2可動体の応
答周波数と、それ以外の応答周波数を可変としたことを
特徴とする。これによれば、第1可動体の位置制御精度
を必要とする露光又はアライメントのときは第1可動体
の加減速時の応答できない程度に第2可動体の応答周波
数を低くすれば、第1可動体の重心移動による偏荷重を
第2可動体の重心移動によりキャンセルすることがで
き、しかもそのときその第2可動体が逆方向に移動する
距離を1/10以下にすることができ、上記の露光及び
アライメント以外の駆動動作時には第2可動体の応答周
波数を高くすることによりこの位置制御が可能となり、
結果的にフットプリントを小さくすることができる。
【0039】この場合において、請求項22に記載の発
明の如く、前記第2可動体(38)の2次元位置をモニ
タする位置計測装置(45)を更に備え、前記制御装置
(78)は、露光及びアライメント以外の前記第1可動
体(WST)の移動時に前記位置計測装置の計測結果に
基づいて前記第2可動体の位置を所定の位置に補正する
ようにしても良い。
【0040】請求項23に記載の発明に係るステージ装
置は、定盤(22)と;前記定盤(22)に対して相対
移動が可能であるとともに基板を保持する第1可動体
(WST)と;前記第1可動体がその上部に配置される
とともに、前記定盤上に配置され、かつ前記定盤と前記
第1可動体との夫々に対して相対移動する第2可動体
(38)と;前記第2可動体に設けられ、前記第1可動
体を2次元平面内で移動する駆動装置(42)とを備
え、前記第1可動体の移動によって生じる反力に応じて
前記第2移動体が移動するように構成されている。
【0041】これによれば、第1可動体の重心移動によ
る偏荷重を第2可動体の重心移動によりキャンセルする
ことが可能となるので、ステージ装置全体の重心を所定
位置に保持できる。
【0042】この場合において、請求項24に記載の発
明の如く、前記駆動装置(42)は、前記第2可動体上
で前記第1可動体を駆動するリニアアクチュエータを有
し、前記第1可動体(WST)及び前記第2可動体(3
8)はそれぞれ前記第2可動体及び前記定盤上で非接触
支持されていても良い。
【0043】また、上記請求項23又は24に記載のス
テージ装置において、請求項25に記載の発明の如く、
前記第1可動体(WST)は、前記2次元平面上で直交
する第1及び第2軸の各々と交差する方向に延びる第1
反射面(60a)と、前記第2軸方向に延びる第2反射
面(60b)と、前記第1軸に沿った方向に関して前記
第1反射面とほぼ対称に配置された第3反射面(60
c)とを有し、前記第1、第2及び第3反射面にそれぞ
れ測長ビームを照射する3つの干渉計(76X1、76
X2、76Y)を更に備えていても良い。かかる場合に
は、2等辺三角形状の第1可動体を採用することができ
るので、従来の基板ステージに比較してその小型化が可
能である。
【0044】また、上記請求項23〜25に記載の各発
明において、請求項26に記載の発明の如く、前記第1
可動体(WST)は、前記基板(W)が載置される第1
プレート(TB)と、前記第1プレートを前記2次元平
面と垂直な方向に移動し、かつ前記2次元平面に対して
相対的に傾ける駆動機構(58)と;前記駆動機構が載
置される第2プレートとを有していても良い。
【0045】また、請求項23〜26に記載の各発明に
おいて、請求項27に記載の発明の如く、前記第1可動
体(WST)の質量は前記第2可動体(38)の質量の
ほぼ1/9以下であり、前記定盤(22)上で前記第2
可動体を低応答周波数で駆動する第2駆動装置(44、
78)を更に備えていることが望ましい。かかる場合に
は、第1可動体の重心移動による偏荷重は第2可動体の
重心移動によりキャンセルすることができ、しかもその
ときその第2可動体が逆方向に移動する距離を1/10
以下にすることができ、また、第2可動体は第1可動体
の加減速時の反力に対しては応答できない程度の低い応
答周波数で第2駆動装置により定盤上で駆動されるの
で、第1可動体の動きに影響を与えることなく第2可動
体を駆動することが可能になる。
【0046】請求項28に記載の発明は、前記請求項2
3に記載のステージ装置を備える走査型露光装置であっ
て、マスク(R)を保持するマスクステージ(RST)
と;前記マスク(R)及び前記基板(W)の夫々と直交
する光軸を有する投影光学系(PL)と;前記投影光学
系を支持するとともに、前記定盤(22)が懸架される
第1架台(16)と;前記第1架台を支持する防振装置
(20)とを備え、前記マスクステージと前記ステージ
装置とによって前記マスクと前記基板とを同期移動し
て、前記マスクのパターンを前記投影光学系を介して前
記基板上に転写することを特徴とする。これによれば、
上記のマスクパターンの転写時等の基板の第1可動体の
重心移動による偏荷重は第2可動体の重心移動によりキ
ャンセルすることができ、これにより防振装置の負荷を
軽減するとともに、偏荷重による第1架台部の歪を最小
限に抑えることが可能となり、結果的にマスクと基板の
位置決め精度を向上させることができる。
【0047】この場合において、請求項29に記載の発
明の如く、前記マスクステージが載置される第2架台
(26、28)と;前記防振装置(20)が配置される
床上に設けられるとともに、前記マスクステージの移動
によって生じる反力に応じた力を前記マスクステージ又
は前記第2架台に与えるアクチュエータを有するフレー
ム(72)とを更に備えていてもよい。かかる場合に
は、マスクステージの移動によって生じる反力に応じた
力がアクチュエータによりマスクステージ又は第2架台
に与えられるので、マスクステージの加減速時の振動が
第2架台を介して第1架台に伝わるのを防止することが
できる。また、ここではマスクステージを移動するアク
チュエータと前記第2架台に与えるアクチュエータを兼
用してもよい。
【0048】この場合において、請求項30に記載の発
明の如く、前記防振装置(20)が載置されるベースプ
レート(BS)と;前記ベースプレートと前記フレーム
(72)とを接続する弾性体(70)とを更に備えてい
ることが望ましい。かかる場合には、弾性体により第1
架台とフレームとの相互間で振動が伝達されるのを防止
することができるからである。
【0049】上記請求項28〜30に記載の各発明にお
いて、請求項31に記載の発明の如く、前記第1可動体
(WST)は、前記2次元平面上で前記基板(W)の走
査方向、及びこれと直交する非走査方向の夫々と交差す
る方向に沿って延びる第1反射面(70a)と前記非走
査方向に沿って延びる第2反射面(70b)と、前記走
査方向に関して前記第1反射面とほぼ対称に配置される
第3反射面(70c)とを有し、前記第1、第2及び第
3反射面にそれぞれ測長ビームを照射する3組みの干渉
計(76X1、76Y、76X2)とを備えていても良
い。かかる場合には、2等辺三角形状の第1可動体を採
用することができるので、従来の基板ステージに比較し
てその小型化が可能であることから、フットプリントを
より一層の小さくすることができ、第1可動体の位置制
御応答性の向上によりマスクと基板の同期整定時間の短
縮化およびこれによるスループットの向上が可能であ
る。この場合、位置決め精度の向上により重ね合わせ精
度の向上する。
【0050】また、上記請求項28〜31に記載の各発
明において、請求項32に記載の発明の如く、前記定盤
(22)に対する前記第2可動体(38)の相対位置を
計測する位置計測装置(45)と;前記基板(W)の露
光動作、及びアライメント動作以外では、前記位置計測
装置の出力に基づいて、前記第2可動体を前記定盤上の
所定点に位置決めする第2駆動装置(44、78)とを
更に備えていることが望ましい。かかる場合には、第2
駆動装置が基板の露光動作、及びアライメント動作以外
では、位置計測装置の出力に基づいて、第2可動体を定
盤上の所定点に位置決めするので、結果的にフットプリ
ントをより小さくすることが可能になる。
【0051】請求項33に記載の発明は、マスク(R)
と基板(W)とを同期移動して、前記マスクRのパター
ンを前記基板上に転写する走査型露光装置であって、前
記基板が同期移動される第1方向、及びこれに直交する
第2方向とそれぞれ交差する方向に沿って延びる第1反
射面(60a)と、前記第2方向に沿って延びる第2反
射面(60b)とを有し、前記基板を載置する基板ステ
ージ(WST)と;前記第1及び第2反射面にそれぞれ
測長ビームを照射する第1、第2の干渉計(76X1、
76Y)とを備えたことを特徴とする。
【0052】この場合において、請求項34に記載の発
明の如く、前記マスク及び前記基板の夫々とほぼ直交す
る光軸を有する投影光学系(PL)を更に備え、前記第
1及び第2の干渉計はそれぞれ測長軸が前記投影光学系
の光軸で交差するように配置されていても良い。
【0053】この場合において、請求項35に記載の発
明の如く、前記基板上のマークに光ビームを照射するオ
フアクシス・アライメントセンサ(ALG)を更に備
え、前記第1の干渉計(76X1)は、前記投影光学系
(PL)の光軸と交差する第1測長軸(RIX11)と、
前記オフアクシス・アライメントセンサの検出中心と交
差する第2測長軸(RIX12)とを有していても良い。
【0054】また、この場合において、請求項36に記
載の発明の如く、前記第2の干渉計(76Y)は、第2
方向に離れた2本の測長ビームを前記第2反射面(60
b)に照射し、前記オフアクシス・アライメントセンサ
(ALG)の検出中心は、前記2本の測長ビームによっ
て規定され、かつ前記投影光学系(PL)の光軸を通る
前記第2の干渉計の測長軸上に配置されていることが望
ましい。
【0055】また、この場合において、請求項37に記
載の発明の如く、前記基板ステージ(WST)は、前記
第1方向に関して前記第1反射面(60a)とほぼ対称
に配置される第3反射面(60c)を有し、前記第3反
射面に測長ビームを照射する第3の干渉計(76X2)
を更に備えていても良い。
【0056】また、この場合において、請求項38に記
載の発明の如く、前記第3の干渉計(76X2)は、前
記投影光学系の光軸と交差する第3測長軸(RIX21)
と、前記オフアクシス・アライメントセンサの検出中心
と交差する第4測長軸(RIX22)とを有していること
が望ましい。
【0057】請求項39に記載の発明は、マスク(R)
と感応基板(W)とを同期移動させることにより、前記
マスクのパターンを前記感応基板上に転写する露光方法
であって、前記感応基板(W)の前記同期移動方向及び
これに直交する非走査方向の内、少なくとも非走査方向
については、該非走査方向と異なる方向の第1測長ビー
ム(RIX1(又はRIX2))を用いて位置制御しつ
つ露光動作を行うことを特徴とする。
【0058】これによれば、少なくとも非走査方向につ
いては、これと異なる方向の第1測長ビームを用いて位
置制御が行われる。すなわち、走査方向に対して斜めに
交差する方向の第1測長ビームを用いて非走査方向の位
置制御が行われるので、前記第1測長ビームに直交する
方向の反射面を備えたステージであれば如何なる形状の
ステージでも感応基板のステージとして採用することが
可能であり、正方形又は長方形状等の矩形のステージを
用いる必要がなく、ステージの形状の設計の自由度が向
上し、結果的に感応基板のステージを小型化することが
可能になる。
【0059】この場合において、前記同期移動方向にお
ける前記感応基板(W)の位置制御をも同期移動方向と
異なる方向の測長ビームを用いて行いつつ、露光動作を
行っても良いが、請求項40に記載の発明の如く、前記
同期移動方向とほぼ平行な第2測長ビーム(RIY)を
用いて、前記同期移動方向における前記感応基板の位置
制御を行うことが好ましい。同期移動方向及び非走査方
向の位置制御をともにそれぞれの方向と異なる測長ビー
ムを用いて行う場合には、同期移動方向、非走査方向の
いずれについても位置制御のために三角関数演算により
位置を求める必要があるが、本発明の場合には、同期移
動方向についてはそのような三角関数演算が不要とな
る。
【0060】上記請求項39及び40に記載の各発明に
おいて、請求項41に記載の発明の如く、前記第1測長
ビーム(RIX1(又はRIX2))を用いた前記感応
基板(W)の前記非走査方向の位置制御時に、前記感応
基板を保持する第1可動体(WST)に対する、前記第
1測長ビームが照射される反射面(60a(又は60
c))の形成誤差に基づいて、前記マスク(R)と感応
基板の前記非走査方向の相対位置を制御しても良い。
【0061】ここで、形成誤差とは、反射面の調整後の
残留誤差を意味し、反射面が例えば第1可動体に取り付
けられた平面鏡等である場合には、第1可動体に対する
取付け誤差をも含む。
【0062】これによれば、第1測長ビームが照射され
る反射面の形成誤差に起因するマスクと感応基板の非走
査方向の相対位置誤差を補正することができるので、そ
の分重ね合せ精度を向上させることができる。この場合
において、相対位置誤差の補正のため、マスクの位置等
を補正しても良いが、請求項42に記載の発明の如く、
前記反射面の形成誤差に基づいて前記感応基板の前記非
走査方向の位置を補正しても良い。ここで、感応基板の
非走査方向の位置を補正するとは、位置の計測値の補
正、位置の目標値の補正のいずれをも意味し、結果的に
感応基板の非走査方向の位置が補正されれば良い。かか
る場合には、より安定した感応基板の位置制御が可能に
なる。
【0063】上記請求項41及び42に記載の各発明に
係る露光方法において、請求項43に記載の発明の如
く、前記反射面(60a(又は60c))は前記第1測
長ビーム(RIX1(又はRIX2))と直交し、前記
形成誤差は、前記同期移動方向又は前記非走査方向に対
する前記反射面の傾斜誤差を含んでいても良い。ここ
で、傾斜誤差には、取付けの際の残留傾斜誤差、及び反
射面そのものの表面又は表面形状の製造誤差に起因する
ものの両者を含む。表面の製造誤差としては代表的に曲
り(凹凸)が挙げられ、表面形状の製造誤差としては代
表的に反射面傾斜角度のずれが挙げられる。
【0064】上記請求項39〜43に記載の各発明に係
る露光方法において、請求項44に記載の発明の如く、
前記同期移動方向及び前記非走査方向と交差し、かつ前
記第1測長ビームと異なる方向の第3測長ビーム(RI
X2(又はRIX1))を用いて、前記感応基板(W)
の位置制御を行っても良い。この場合において、第3測
長ビームは感応基板の同期移動方向の位置制御に用いて
も良いが、例えば請求項45に記載の発明の如く、前記
非走査方向に関する前記感応基板(W)の位置制御時
に、前記第1測長ビームと前記第3測長ビームとを用い
ても良い。かかる場合には、感応基板の走査方向の位置
計測と独立して非走査方向の位置計測を行うことができ
るとともに、平均化効果により高精度な計測が可能とな
るので、位置制御のための演算が簡易化されるとともに
より正確な感応基板の位置制御が可能となる。
【0065】上記請求項39〜45に記載の各発明に係
る露光方法において、非走査方向への感応基板の移動に
おける加速時と減速時とで加速度の大きさ(絶対値)は
同一であっても良いが、請求項46に記載の発明の如
く、前記非走査方向への前記感応基板(W)の移動にお
ける加速時と減速時とで加速度の大きさを異ならせても
良い。この場合において、請求項47に記載の発明の如
く、前記減速時の加速度の大きさを前記加速時よりも小
さくすることが望ましい。かかる場合には、加速時と減
速時とで加速度の大きさを同一にした場合に比べると、
非走査方向の移動時間は全体として長くなるが、減速時
の加速度の大きさそのものが小さくなるので、その減速
に伴う感応基板の振動が小さくなり、感応基板の非走査
方向の移動が終了した時点における整定時間が短くなる
からである。従って、走査露光の終了から次の走査露光
の開始までの時間は全体としては殆ど変わらない。
【0066】請求項48に記載の発明は、マスク(R)
と基板(W)とを同期移動して前記マスクのパターンを
基板上に転写する走査型露光装置であって、請求項23
に記載のステージ装置と;前記ステージ装置を構成する
前記第2可動体(38)を駆動する駆動系(44)と;
前記駆動系の制御応答を、前記基板の走査露光動作を含
む複数の動作でそれぞれ可変とする制御装置(78)と
を備える。
【0067】例えば、基板の位置制御を高精度に行う必
要がある動作、例えば走査露光、アライメント等の際に
は、第2可動体が基板を保持する第1可動体の移動によ
る反力に応じて移動するようにする必要がある。かかる
場合、制御装置では駆動装置による第1可動体の駆動に
追従できないように駆動系の制御応答を設定する。一
方、基板の位置制御をそれほど高精度に行う必要がない
動作の際には、制御装置では、第2可動体が第1可動体
の移動による影響を受けず定盤に対する位置をほぼ維持
するように駆動系の制御応答を設定する。これにより、
第2可動体の必要ストロークを小さくすることができ
る。
【0068】この場合において、請求項49に記載の発
明の如く、前記制御装置(78)は、前記走査露光後に
おける前記ステージ装置を構成する前記第1可動体の非
走査方向に関する移動時に、前記第2可動体が前記ステ
ージ装置を構成する前記定盤に対する位置をほぼ維持す
るような制御が可能となるように前記駆動系の制御応答
を設定するようにしても良い。この場合、請求項50に
記載の発明の如く、前記制御装置(78)は、前記走査
露光後における前記第1可動体の非走査方向に関する移
動時に、前記駆動系の応答周波数を前記走査露光時より
も高く設定しても良い。
【0069】請求項51に記載の発明は、マスク(R)
を介した照明ビームにより感応基板(W)を露光する露
光装置であって、請求項1〜14、23〜27のいずれ
か一項に記載のステージ装置と;前記マスクに照明ビー
ムを照射する照明系とを備え、前記ステージ装置を構成
する前記第1可動体(WST)に保持される前記感応基
板を前記マスクを介して前記照明ビームで露光すること
を特徴とする。
【0070】これによれば、前述の如く、第1可動体、
すなわち基板を保持して移動するステージの小型化が少
なくとも可能になるので、結果的に露光装置のフットプ
リントを改善できるとともに、第1可動体の位置制御性
が向上して位置決め整定時間、あるいは定速度制御の際
の目標速度への整定時間等が向上する結果、スループッ
トの向上も可能となる。
【0071】この場合において、露光装置は、投影光学
系を備えないタイプのものであっても良いが、請求項5
2に記載の発明の如く、前記照明ビームが照射される前
記マスク(R)のパターン像を前記感応基板(W)上に
投影する投影光学系(PL)を更に備えていても良い。
【0072】この場合において、露光装置は、投影光学
系を介してマスクのパターンを感応基板のほぼ全面に転
写するタイプであっても良いが、請求項53に記載の発
明の如く、前記感応基板をステップ・アンド・リピート
方式、又はステップ・アンド・スキャン方式で露光する
ように、前記第1可動体を駆動する駆動系を更に備えて
いても良い。すなわち、かかる逐次移動型の露光装置の
場合、第1可動体のステッピング(マスクパターンの投
影位置に対する第1可動体の位置決め(ステップ・アン
ド・リピート方式の場合)、あるいは感応基板上の各区
画領域に対するマスクパターンの転写のための走査開始
位置への移動(ステップ・アンド・スキャン方式の場
合))が繰り返して行われるので、上記の第1可動体の
位置制御性向上が全体の露光時間短縮に寄与する割合が
大きくなる。
【0073】上記請求項51〜53に記載の各発明にお
いて、請求項54に記載の発明の如く、前記照明ビーム
は、遠紫外光、真空紫外光、X線、及び荷電粒子線のい
ずれかであっても良い。
【0074】請求項55に記載の発明は、マスク(R)
と、感応基板(W)とを同期移動させて、前記マスクの
パターンを前記感応基板上に転写する走査型露光装置で
あって、前記感応基板を保持するとともに、前記感応基
板が同期移動される第1方向、及び前記第1方向と直交
する第2方向の両方と交差する方向に沿って延びる第1
反射面(60a)を有する基板ステージ(WST)と;
前記第1反射面とほぼ直交する測長軸を有する第1の干
渉計(76X1)とを備える。
【0075】この場合、例えば、第1方向と第1反射面
との成す角をΘ、第1反射面の長さをLとすると、この
反射面の第1方向成分L1はLcosΘとなる。換言す
れば、基板ステージが第1方向に移動する場合を考える
と、第1方向に延びる長さL1の反射面に比べて1/c
osΘ(>1)倍だけ長い時間(移動距離)だけ第1反
射面には第1の干渉計の測長軸のビームが当たり続け、
切れることがない。従って、第1の干渉計を用いて少な
くとも基板ステージ(感応基板)の非走査方向の位置を
制御するものとすると、第1方向の反射面に干渉計ビー
ムを照射して感応基板の非走査方向の位置を制御する場
合ほど、感応基板周辺の領域の露光の際のいわゆるプリ
スキャン又はオーバースキャン距離を見込んで第1反射
面を余計に延ばさなくても、走査方向の移動ストローク
全域に渡り非走査方向の位置制御が可能となる。従っ
て、基板ステージの小型化が可能である。
【0076】請求項56に記載の発明は、マスク(R)
と感応基板(W)とを同期移動させて、前記マスクのパ
ターンを前記感応基板上に転写する走査型露光装置であ
って、前記感応基板を保持するとともに、前記感応基板
が同期移動される第1方向と鋭角に交差する方向に沿っ
て延びる第1反射面(60a)を有する基板ステージ
(WST)と;前記第1反射面とほぼ直交する測長軸を
有する第1の干渉計(76X1)とを備える。
【0077】これによれば、上記請求項55に記載の発
明と同様に、第1の干渉計を用いて少なくとも基板ステ
ージ(感応基板)の非走査方向の位置を制御するものと
すると、第1方向の反射面に干渉計ビームを照射して感
応基板の非走査方向の位置を制御する場合ほど、感応基
板周辺の領域の露光の際のいわゆるプリスキャン又はオ
ーバースキャン距離を見込んで第1反射面を余計に延ば
さなくても、走査方向の移動ストローク全域に渡り非走
査方向の位置制御が可能となる。従って、基板ステージ
の小型化が可能である
【0078】上記請求項55又は56に記載の各発明に
係る走査型露光装置において、請求項57に記載の発明
の如く、前記第1反射面(60a)は、前記感応基板
(W)の走査露光動作中に前記第1の干渉計(76X
1)の測長ビーム(RIX1)が実質的に外れないよう
に、その延設方向に関する前記基板ステージ(WST)
の移動範囲のほぼ全域に渡って形成されることが望まし
い。
【0079】ここで、「走査露光動作中」とは、感応基
板上の単一の区画領域に対する走査露光動作中、及び感
応基板上の複数の区画領域に対する連続した露光動作
中、すなわち区画領域間の移動動作を含む感応基板1枚
の全露光動作中のいずれをも含む趣旨である。また、
「実質的に外れないように」とは、第1反射面が一連の
反射面でなく、延設方向に所定のクリアランスを介して
隣接配置された複数の反射鏡の集合から成るような場合
に移動途中に瞬間的に外れる(この場合、干渉計のリセ
ットが必要となる)ことはあっても、測長ビームが反射
面全体の範囲外とはならないという意味である。
【0080】この場合において、請求項58に記載の発
明の如く、前記マスク(R)のパターンが前記感応基板
(W)上の複数の部分領域(S1、S2、S3、…)に
ステップ・アンド・スキャン方式で転写されるように前
記基板ステージ(WST)を駆動する駆動装置(48、
78)を更に備える場合には、前記部分領域の走査露光
における前記第1方向への前記基板ステージの移動中は
前記測長ビームが前記第1反射面(60a)から外れな
いことが望ましい。かかる場合、第1反射面が一連の反
射面でなく、延設方向に所定のクリアランスを介して隣
接配置された複数の反射鏡の集合から成るような場合で
あっても、部分領域間の感応基板の移動の際には、測長
ビームが第1反射面から瞬間的に外れることはあって
も、各部分領域の走査露光中には測長ビームが第1反射
面から外れることがないので、何ら不都合なく、各部分
領域に対する走査露光が行われる。
【0081】上記請求項55〜58に記載の各発明にお
いて、請求項60に記載の発明の如く、前記第1反射面
(60a)はその延設方向に関する長さが前記感応基板
(W)上の露光範囲よりも実質的に長く定められている
ことが望ましい。この場合において、露光範囲とは、感
応基板上に走査露光すべき領域が1領域である場合には
その領域の範囲を意味するが、感応基板上に走査露光す
べき部分領域が複数領域ある場合には、請求項61に記
載の発明の如く、前記露光範囲は、前記感応基板(W)
上で前記マスク(R)のパターンを転写すべき全ての部
分領域を含む。
【0082】上記請求項55〜60に記載の各発明にお
いて、請求項61に記載の発明の如く、前記第1の干渉
計(76X1)の計測値に基づいて、前記第1方向と直
交する第2方向に関する前記基板ステージ(WST)の
移動を制御する制御装置(78)を更に備えていても良
い。
【0083】上記請求項55及び56に記載の各発明に
係る走査型露光装置において、請求項62に記載の発明
の如く、前記基板ステージ(WST)は、前記第1方向
と直交する第2方向に沿って延びる第2反射面(60
b)を有し、前記第2反射面とほぼ直交する測長軸を有
する第2の干渉計(76Y)を更に備えていても良い。
【0084】この場合、第1の干渉計により基板ステー
ジの第1方向及び第2方向の位置計測を行うことは勿論
できるが、基板ステージの第1方向の位置計測を第2の
干渉計により、第2方向の位置計測を第1の干渉計を用
いてそれぞれ独立に行うことにより、基板ステージの2
次元方向の位置制御が可能になる。第1、第2の干渉計
を両方用いて基板ステージの第1方向の位置制御を行っ
ても良い。
【0085】この場合において、請求項63に記載の発
明の如く、前記第1の干渉計(76X1)の計測値に基
づいて前記第2方向に関する前記基板ステージ(WS
T)の移動を制御し、かつ前記第2の干渉計(76Y)
の計測値に基づいて前記第1方向に関する前記基板ステ
ージの移動を制御する制御装置(78)を更に備えてい
ることが望ましい。
【0086】上記請求項62に記載の走査型露光装置に
おいて、請求項64に記載の発明の如く、前記基板ステ
ージ(WST)は、前記第1方向、及び前記第1方向と
直交する第2方向と交差し、かつ前記第1反射面の延設
方向と異なる方向に沿って延びる第3反射面(60c)
を有し、前記第3反射面とほぼ直交する測長軸を有する
第3の干渉計(76X2)を更に備えていても良い。
【0087】また、請求項55及び56に記載の各発明
に係る走査型露光装置において、請求項65に記載の発
明の如く、前記基板ステージ(WST)は、前記第1方
向、及び前記第1方向と直交する第2方向と交差し、か
つ前記第1反射面の延設方向と異なる方向に沿って延び
る第3反射面(60c)を有し、前記第3反射面とほぼ
直交する測長軸を有する第3の干渉計(76X2)を更
に備えていても良い。かかる場合には、第1、第3の干
渉計の計測値に基づいて基板ステージの第1、第2方向
の位置を制御することができるとともに、第2方向につ
いては、平均化効果による高精度な位置計測、ひいては
高精度な位置制御が可能になる。
【0088】上記請求項64及び65に記載の各発明に
おいて、第1及び第3反射面はその延設方向の交差角が
鈍角、あるいは直角であっても良いが、請求項66に記
載の発明の如く、前記第1及び第3反射面(60a及び
60c)はその延設方向の交差角が鋭角となり、かつ当
該両反射面を上底及び下底以外の2辺とする台形が前記
感応基板(W)を包含することが望ましい。ここで、台
形は、上底=0、すなわち三角形をも含む概念である。
この場合において、上記台形は、感応基板に外接するも
のであることがより望ましい。
【0089】上記請求項64〜66に記載の各発明にお
いて、請求項67に記載の発明の如く、前記第1及び第
3反射面(60a及び60c)は、前記第1方向に関し
てほぼ対称に配置されることが望ましい。かかる場合に
は、第2方向の位置を求めるための演算が簡単になる。
【0090】上記請求項64及び65に記載の各発明に
係る走査型露光装置において、請求項68に記載の発明
の如く、前記第1及び第3の干渉計(76X1及び76
X2)の少なくとも一方の計測値に基づいて、前記第2
方向に関する前記基板ステージ(WST)の移動を制御
する制御装置(78)を更に備えていても良い。
【0091】上記請求項64に記載の発明に係る走査型
露光装置において、請求項69に記載の発明の如く、前
記第1、第2及び第3反射面(60a、60b及び60
c)は前記感応基板(W)を囲むように配置されること
が望ましい。かかる場合には、第1〜第3反射面の配置
の自由度が向上し、従って、基板ステージの形状の自由
度が向上する。例えば、基板ステージを感応基板に外接
する三角形状とした場合には、感応基板外周部の走査露
光の際のプリスキャン及びオーバースキャン距離を考慮
した正方形又は長方形ステージに比べて、基板ステージ
を大幅に小型化できる。
【0092】また、上記請求項64及び69に記載の走
査型露光装置において、請求項70に記載の発明の如
く、前記第1及び第3の干渉計(76X1、76X2)
の少なくとも一方の計測値に基づいて前記第2方向に関
する前記基板ステージ(WST)の移動を制御し、前記
第2の干渉計(76Y)の計測値に基づいて前記第1方
向に関する前記基板ステージの移動を制御する制御装置
(78)を更に備えていても良い。
【0093】上記請求項55〜63に記載の各発明に係
る走査型露光装置は、投影光学系を用いないタイプの露
光装置であっても勿論良いが、請求項71に記載の発明
の如く、前記マスク(R)のパターン像を前記感応基板
(W)上に投影する投影光学系(PL)を更に備えてい
る場合には、前記第1の干渉計(76X1)の測長軸
(RIX11)が前記投影光学系の光軸と交差することが
望ましい。かかる場合には、露光時においていわゆるア
ッベの誤差の無い状態で感応基板の位置管理が可能とな
る。
【0094】この場合において、請求項72に記載の発
明の如く、前記感応基板(W)上のマークを検出するオ
フアクシス・アライメント系(ALG)を更に備える場
合には、前記第1の干渉計(76X)は、前記オフアク
シス・アライメント系の検出中心を通る、前記測長軸
(RIX11)とほぼ平行な別の測長軸(RIX12)を有
し、前記測長軸方向に関する2つの位置情報を出力する
ことを特徴としても良い。かかる場合には、露光時に加
え、アライメント時においてもいわゆるアッベの誤差の
無い状態で感応基板の位置管理が可能となる。
【0095】上記請求項64〜70に記載の各発明に係
る走査型露光装置において、請求項73に記載の発明の
如く、前記マスク(R)のパターン像を前記感応基板
(W)上に投影する投影光学系(PL)を更に備え、前
記第1及び第3の干渉計(76X1、及び76X2)の
測長軸は前記投影光学系の光軸で交差することが望まし
い。かかる場合には、露光時においていわゆるアッベの
誤差の無い状態で感応基板の位置管理が可能となる。
【0096】上記請求項62、63、64、69、70
に記載の各発明に係る走査型露光装置において、請求項
74に記載の発明の如く、前記マスク(R)のパターン
像を前記感応基板(W)上に投影する投影光学系(P
L)を更に備え、前記第1及び第2の干渉計の測長軸は
前記投影光学系の光軸で交差することが望ましい。
【0097】この場合において、請求項75に記載の発
明の如く、前記第2の干渉計は、前記投影光学系(P
L)の光軸で前記第1の干渉計(76X1)の測長軸と
交差する測長軸とほぼ平行な別の測長軸を有していても
良い。かかる場合には、第2の干渉計により、例えばヨ
ーイング、チルト等の計測が可能になる。同様理由によ
り、第1、第3の干渉計にも測長軸を2本以上設けても
良い。
【0098】請求項76に記載の発明は、マスク(R)
と感応基板(W)とを同期移動させて、前記マスクのパ
ターンを前記感応基板上に転写する走査型露光装置であ
って、前記感応基板を保持し、互いに延設方向が鋭角に
交差するように配置される第1及び第2の測長用基準面
を少なくとも有する基板ステージ(WST)と;前記同
期移動時に前記第1及び第2の測長用基準面と交差する
第1方向に沿って前記基板ステージを駆動する駆動装置
(48、78、)とを備える。
【0099】これによれば、第1及び第2の測長用基準
面の少なくとも一方が第1方向に対して直角以外の角度
で(斜めに)交差するので、その斜めに交差する測長用
基準面を用いて、基板ステージの第1方向に直交する方
向である非走査方向の位置を計測することができる。従
って、上記請求項55に記載の発明と、同様の理由によ
り、第1方向に延びる反射面を用いて感応基板の非走査
方向の位置を制御する場合ほど、感応基板周辺の領域の
露光の際のいわゆるプリスキャン又はオーバースキャン
距離を見込んで測長用基準面を余計に延ばさなくても、
走査方向の移動ストローク全域に渡り非走査方向の位置
制御が可能となる。従って、基板ステージの小型化が可
能である。また、この場合、第1及び第2の測長用基準
面の両方を用いれば、基板ステージの同期移動方向及び
非走査方向の位置制御が可能である。
【0100】この場合において、第1方向は第1及び第
2の測長用基準面と交差する方向であれば良く、例えば
請求項77に記載の発明の如く、前記第1方向は、前記
第1及び第2の測長用基準面の1つとほぼ直交していて
も良く、この場合は、直交しない方の測長用基準面を基
板ステージの非走査方向の位置計測に用いることができ
る。あるいは請求項78に記載の発明の如く、前記第1
方向は、前記第1及び第2の測長用基準面の両方と直交
しなくても良い。かかる場合には、第1及び第2の測長
用基準面をともに用いて基板ステージの第1方向(同期
移動方向)及び非走査方向の位置を計測することによ
り、両方向について平均化効果により高精度な位置計測
が可能となる。
【0101】上記請求項78に記載の発明において、請
求項79に記載の発明の如く、前記第1及び第2の測長
用基準面(60a、60c)は前記第1方向に関してほ
ぼ対称に配置されることが望ましい。かかる場合には、
第1及び第2の測長用基準面を同時に用いて基板ステー
ジの所定方向(例えば第2方向)の位置計測を行う際の
演算が簡単になる。また、例えば基板ステージの第1方
向の位置計測を、第1及び第2の測長用基準面を同時に
用いて行う場合には、平均化効果によりその位置計測精
度が向上する。
【0102】請求項80に記載の発明は、マスク(R)
と感応基板(W)とを同期移動させて、前記マスクのパ
ターンを前記感応基板上に転写する走査型露光装置であ
って、前記感応基板を保持し、三角形状に配置される第
1、第2及び第3の測長用基準面(60a、60b、6
0c)を有する基板ステージ(WST)と;前記同期移
動時に前記3つの基準面と交差する第1方向に沿って前
記基板ステージを駆動する駆動装置(48、78、)と
を備える。
【0103】これによれば、上記請求項76に記載の発
明と同様に、第1方向に延びる反射面を用いて感応基板
の非走査方向の位置を制御する場合ほど、感応基板周辺
の領域の露光の際のいわゆるプリスキャン又はオーバー
スキャン距離を見込んで測長用基準面を余計に延ばさな
くても、走査方向の移動ストローク全域に渡り非走査方
向の位置制御が可能となる。従って、基板ステージの小
型化が可能である。この場合、3つの測長用基準面が三
角形状に配置されるので、この三角形を感応基板に外接
するような形状にし、該三角形と同一形状に基板ステー
ジを設定することにより、基板ステージを最大限小型化
することができる。
【0104】この場合において、請求項81に記載の発
明の如く、前記3つの基準面の1つは、前記第1方向と
直交する第2方向に沿って配置されていても良い。かか
る場合、基板ステージはその第2方向に沿った基準面を
底辺とする二等辺三角形(正三角形を含む)であること
が望ましい。
【0105】上記請求項80及び81に記載の各発明に
係る走査型露光装置において、請求項82に記載の発明
の如く、前記第1、第2、第3の測長用基準面(60
a、60b、60c)は、反射面であり、前記第1の測
長用基準面(60a)と直交する第1測長軸を有する第
1の干渉計(76X1)と、前記第2の測長用基準面
(60b)と直交する第2測長軸を有する第2の干渉計
(76Y)と、前記第3の測長用基準面(60c)と直
交する第3測長軸を有する第3の干渉計(76X2)と
を更に備える場合には、前記基板ステージ(WST)
は、前記3つの測長軸の各延長線上にそれぞれ配置され
た前記感応基板の姿勢を制御する3つのアクチュエータ
(ZACX1、ZACY、ZACX2)とを有していて
も良い。かかる場合には、感応基板のいわゆるレベリン
グ(チルト)の制御に際して、それぞれの測長用基準面
のチルト角度に応じて3つのアクチュエータを独立に制
御できるため、確実な傾斜調整が効率良く可能になる。
【0106】上記請求項55〜81に記載の各発明に係
る走査型露光装置において、請求項83に記載の発明の
如く、前記基板ステージ(WST)は、前記感応基板
(W)を保持し、前記第1反射面又は前記第1測長用基
準面がその端面に形成されるほぼ三角形状の可動体(T
B)と、前記可動体(TB)の3つの頂部付近にそれぞ
れ配置される3つのアクチュエータ(ZACX1、ZA
CY、ZACX2)とを有していても良い。かかる場合
には、感応基板のいわゆるレベリング(チルト)の制御
に際して、少なくとも第1反射面又は第1測長用基準面
のチルト角度に応じて対応するアクチュエータを独立に
制御できるため、その第1反射面又は第1測長用基準面
の延びる方向の軸回りについては確実な傾斜調整が効率
良く可能になることに加え、可動体の重心位置から遠い
3つの頂点付近の所定の1つを駆動して傾斜調整がなさ
れるので、その際高い制御応答(チルト駆動制御応答)
を得ることができる。
【0107】この場合において、請求項84に記載の発
明の如く、前記基板ステージ(WST)が配置される第
1定盤(38)と、前記基板ステージを前記第1定盤に
対して少なくとも3自由度で駆動する第1の平面磁気浮
上型リニアアクチュエータ(42)とを更に備えていて
も良い。かかる場合には、基板ステージを構成する可動
体に保持された感応基板を、第1定盤に対して6自由度
で駆動することが可能になり、感応基板の6自由度方向
の位置・姿勢制御を実現できる。ここで、第1の平面磁
気浮上型リニアアクチュエータとして基板ステージを6
自由度で駆動するものを用いても良く、かかる場合可動
体は3つのアクチュエータによって少なくとも3自由度
方向で駆動されるので、いわゆる粗微動構造の基板ステ
ージが実現される。
【0108】この場合において、請求項85に記載の発
明の如く、前記第1定盤(38)が配置される第2定盤
(22)と、前記第1定盤を前記第2定盤に対して相対
駆動可能な第2の平面磁気浮上型リニアクチュエータ
(44)とを更に備えている場合に、前記基板ステージ
の移動に伴って前記第1定盤を前記第2定盤に対して相
対移動するようにしても良い。このようにすれば、基板
ステージの重心移動による偏荷重及び反力を第1定盤の
重心移動によりキャンセルすることが可能となるので、
基板ステージ、第1定盤、第2定盤を含む系全体の重心
を所定位置に保持できる。
【0109】上記請求項55〜82に記載の各発明に係
る走査型露光装置において、請求項86に記載の発明の
如く、前記基板ステージは、前記感応基板(W)を保持
し、前記第1反射面又は前記第1測長用基準面がその端
面に形成されるほぼ三角形状の可動体であっても良い。
かかる場合には、例えば基板ステージを三角形板状部材
によって形成することが可能になるので、基板ステージ
の軽量化が可能になる。
【0110】この場合において、請求頂87に記載の発
明の如く、前記可動体(WST)が配置される第1定盤
(38)と、前記可動体を前記第1定盤に対して6自由
度で駆動する第1の平面磁気浮上型リニアクチュエータ
とを更に備えていても良い。かかる場合には、上述した
チルト駆動のためのアクチュエータが不要になるので、
その分基板ステージの構成の簡略化・軽量化が可能であ
る。
【0111】この場合において、請求項88に記載の発
明の如く、前記第1定盤(38)が配置される第2定盤
(22)と、前記第1定盤を前記第2定盤に対して相対
駆動可能な第2の平面磁気浮上型リニアクチュエータ
(44)とを更に備えている場合に、前記可動体(WS
T)の移動に伴って前記第1定盤を前記第2定盤に対し
て相対移動するようにしても良い。このようにすれば、
可動体(基板ステージ)の重心移動による偏荷重及び反
力を第1定盤の重心移動によりキャンセルすることが可
能となるので、基板ステージ、第1定盤、第2定盤を含
む系全体の重心を所定位置に保持できる。
【0112】上記請求項83〜88に記載の各発明に係
る走査型露光装置において、請求項89に記載の発明の
如く、前記感応基板上のマークを検出するアライメント
系(ALG)を更に備えている場合には、前記アライメ
ント系によって検出される基準マーク(FM)を前記可
動体の1つの頂部付近に配置しても良い。かかる場合に
は、可動体の1つの頂部付近を基準マークの配置のため
に有効に利用することにより基板ステージを大型化する
ことなく、基準マークを配置することができる。また、
この場合、第1反射面又は第1測長用基準面に対向する
頂部に基準マークを配置することにより、基準マークを
用いた例えばベースライン計測の際等に第1反射面又は
第1測長用基準面を延長する必要がないので、このこと
も基板ステージの小型・軽量化につながる。
【0113】上記請求項83〜89に記載の各発明に係
る走査査型露光装置において、請求項90に記載の発明
の如く、前記可動体の1つの頂部付近に、前記マスク
(R)に照射される露光用照明光の少なくとも一部を検
出する受光面が配置される光検出器(KES)を更に備
えていても良い。かかる場合も、可動体の1つの頂部付
近を光検出器の配置のために有効に利用することにより
基板ステージを大型化することなく、光検出器を配置す
ることができる。
【0114】請求項91に記載の発明は、マスク(R)
のパターンを感応基板(W)上に転写する露光装置であ
って、前記感応基板を保持し、互いに延設方向が鋭角に
交差するように配置される第1及び第2反射面(例えば
60a及び60b(又は60c))を少なくとも有する
基板ステージ(WST)と;前記第1反射面と直交する
測長軸を有する第1の干渉計(76X1)と;前記第2
反射面と直交する測長軸を有する第2の干渉計(76
Y)とを備える。
【0115】これによれば、第1反射面と第2反射面の
少なくとも一方が、直交座標系の座標軸のいずれかと直
角以外で交差する方向に延びるので、その反射面につい
ては上記直交2軸方向の反射面を有する基板ステージに
比べて、上記直交座標系のいずれかの座標軸方向移動の
際には、干渉計のビームが長い時間当たり続ける。従っ
て、例えば、ステッパ等の静止型露光装置の場合であっ
ても、基板ステージの端部に空間像計測器、基準マーク
等を配置して、ステージを移動しながら計測を行う場合
などには、その移動の際の助走距離等を考慮して直交座
標系の座標軸のいずれかと交差する方向の反射面を余計
に延ばさなくても、その計測が可能となり、基準マーク
等の配置の自由度が向上する。かかる意味で、第1反射
面と第2反射面がともに、直交座標系の所定の座標軸に
交差することが望ましい。
【0116】この場合において、請求項92に記載の発
明の如く、前記第1及び第2反射面(60a及び60b
(又は60c))は、当該両反射面を上底及び下底以外
の2辺とする台形が前記感応基板(W)を包含するよう
に配置されることが望ましい。ここで、台形は、上底=
0、すなわち三角形をも含む概念である。この場合にお
いて、上記台形は、感応基板に外接するものであること
がより望ましい。
【0117】上記請求項91及び92に記載の各発明に
おいて、請求項93に記載の発明の如く、前記第1及び
第2反射面はそれぞれ前記基板ステージ(WST)上で
前記感応基板(W)をほぼ包含する三角形の2辺に沿っ
て形成されていても良い。
【0118】上記請求項91〜93に記載の各発明に係
る露光装置において、請求項94に記載の発明の如く、
前記第1反射面、又は前記第2反射面はその延設方向に
関する長さが前記感応基板上の露光範囲よりも実質的に
長く定められていることが望ましい。この場合におい
て、露光範囲とは、感応基板上にマスクのパターンを転
写すべき領域が1領域である場合にはその領域の範囲を
意味するが、感応基板上にマスクパターンを転写すべき
部分領域が複数領域ある場合には、請求項95に記載の
発明の如く、前記露光範囲は、前記感応基板(W)上で
前記マスク(R)のパターンを転写すべき全ての部分領
域を含む。
【0119】上記請求項91〜95に記載の各発明に係
る露光装置において、請求項96に記載の発明の如く、
前記マスクのパターン像を前記感応基板上に縮小投影す
る投影光学系と、前記感応基板がステップ・アンド・リ
ピート方式又はステップ・アンド・スキャン方式で露光
されるように前記基板ステージを駆動する駆動装置とを
更に備えていても良い。
【0120】上記請求項76に記載の走査型露光装置に
おいて、請求項97に記載の発明の如く、前記第1方向
は前記第1及び第2の測長用基準面の少なくとも1つと
交差することが望ましい。
【0121】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図1
から図16に基づいて説明する。
【0122】図1には、本発明に係るステージ装置を感
応基板の位置決め装置として具備する一実施形態の走査
型露光装置10の斜視図が示され、図2には、その内部
構成が概略的に示されている。この走査型露光装置10
は、半導体素子を製造するリソグラフィ装置として現在
主流となりつつある、ステップ・アンド・スキャン方式
により露光動作を行う投影露光装置である。この走査型
露光装置10は、マスクとしてのレチクルR(図2参
照)に描画された回路パターンの一部の像を投影光学系
PLを介して感応基板(又は基板)としてのウエハW上
に投影しつつ、レチクルとウエハWとを投影光学系PL
の視野に対して1次元方向(ここではY方向)に相対走
査することによって、レチクルRの回路パターンの全体
をウエハW上の複数のショット領域の各々にステップ・
アンド・スキャン方式で転写するものである。
【0123】この走査型露光装置10は、図1に示され
るように、エキシマレーザ光源11と、露光装置本体1
2と、それらを統括制御する主制御システムとしての制
御ラック14とで構成されている。エキシマレーザ光源
11は、通常露光装置本体12が設置される超クリーン
ルームから隔離された別の部屋(クリーン度の低いサー
ビスルーム)に設置される。また、露光装置本体12
は、通常、超クリーンルーム内に設置され、内部空間が
高度に防塵されるとともに、高精度な温度制御がなされ
たエンバイロメンタル・チャンバに収納されているが、
図1ではこのチャンバ内に収納された本体構造のみが概
略的に示されている。
【0124】次に、これら図1及び図2に基づいてエキ
シマレーザ光源11、露光装置本体12及び制御ラック
14の構成について説明する。
【0125】前記エキシマレーザ光源11は、操作パネ
ル11Aを備えている。また、エキシマレーザ光源11
には、該操作パネル11Aとインターフェイスされる制
御用コンピュータ11B(図1では図示せず、図2参
照)が内蔵され、この制御用コンピュータ11Bは通常
の露光動作の間は、露光装置制御用のミニコンピュータ
から成る主制御装置50の指令に応答してエキシマレー
ザ光源11のパルス発光を制御する。
【0126】エキシマレーザ光源11は、露光光源とし
て用いられるもので、例えば波長248nmのKrFエ
キシマレーザ光、或いは波長193nmのArFエキシ
マレーザ光をパルス発光する。ここで、エキシマレーザ
光源11からの紫外域のパルスレーザ光を露光用照明光
として用いるのは、256M〜4Gbit クラス以上の半
導体メモリ素子(D−RAM)相当の集積度と微細度と
を持つマイクロ回路デバイスの量産製造に必要とされる
最小線幅0.25〜0.10μm程度のパターン解像力
を得るためである。
【0127】そのパルスレーザ光(エキシマレーザ光)
の波長幅は、露光装置の照明系や投影光学系PLを構成
する各種の屈折光学素子に起因した色収差が許容範囲内
になるように狭帯化されている。狭帯化すべき中心波長
の絶対値や狭帯化幅(0.2pm〜300pmの間)の
値は、前記操作パネル11A上に表示されるとともに、
必要に応じて操作パネル11Aから微調整できるように
なっている。また操作パネル11Aからはパルス発光の
モード(代表的には自励発振、外部トリガー発振、メン
テナンス用発振の3つのモード)が設定できる。
【0128】このように、エキシマレーザを光源とする
露光装置の一例は、特開昭57−198631号公報、
特開平1−259533号公報、特開平2−13572
3号公報、特開平2−294013号公報等に開示さ
れ、エキシマレーザ光源をステップ・アンド・スキャン
露光に利用した露光装置の一例は、特開平2−2294
23号公報、特開平6−132195号公報、特開平7
−142354号公報等に開示されている。従って図1
の走査型露光装置10においても、上記の各特許公報に
開示された基礎技術をそのまま、或いは部分的に変更し
て適用することが可能である。
【0129】前記露光装置本体12は、架台部16、レ
チクルステージRST、照明光学系18、投影光学系P
L、LC/MAC系、ステージ装置1、ウエハ搬送ロボ
ット19及びアライメント系等を備えている。
【0130】これを更に詳述すると、図1に示されるよ
うに、架台部(第1架台)16は、床面上に4つの防振
装置20を介して支えられている。各防振装置20は、
露光装置本体12の自重を不図示のエアシリンダ(防振
パッド)を介して支えるとともに、露光装置本体12全
体の傾き、Z方向の変位、及び露光装置本体全体の図1
におけるX,Y方向の変位を、不図示の制御系によるフ
ィードバック制御やフィードフォワード制御によりアク
ティブに補正するためのアクチュエータと各種のセンサ
類とを備えている。この種のアクティブ防振装置につい
ては、例えば特開平9−74061号公報等に開示され
ている。
【0131】架台部16は、床面に平行な定盤22とこ
の定盤22に対向して上方に設けられた支持板部24と
を備え、その形状は内部を空洞にした箱状とされてい
る。支持板部24は、中央に円形の開口部が形成された
矩形の板状部材から成り、この中央開口部内に投影光学
系PLが当該支持板部24に直交した状態で挿入されて
いる。そして、この投影光学系PLは、その外周部の一
部に設けられたフランジ部を介して支持板部24に保持
されている。
【0132】支持板部24の上面には、投影光学系PL
を囲むように4本の脚部26が立設されている。これら
の4本の脚部26の上部には、当該4本の脚部26に支
持されると共にこれらの上端を相互に接続するレチクル
ベース定盤28が設けられている。これら4本の脚部2
6とレチクルベース定盤28とによって第2コラム(第
2架台)が構成されている。
【0133】レチクルベース定盤28の上面にはガイド
28bがY方向に沿って延設されている。また、レチク
ルベース定盤28の中央部には、開口28a(図2参
照)が形成されている。この開口28aに対向して照明
光学系18の射出端部が配置されている。
【0134】レチクルベース定盤28上には、レチクル
Rを吸着保持してガイド28bに沿ってY方向に移動す
る前記レチクルステージRSTが配置されている。この
レチクルステージRSTは、駆動系29(図2参照)を
構成するリニアモータ等によって駆動され、このレチク
ルステージRSTは、レチクルベース定盤28上をY方
向に大きなストロークで直線移動するとともに、X方向
とθ方向に関してもボイスコイルモータ(VCM)、ピ
エゾ素子等によって微小駆動が可能な構成となってい
る。
【0135】レチクルステージRSTの一部には、図2
に示されるように、その位置や移動量を計測するための
レチクルレーザ干渉計30からの測長ビームを反射する
移動鏡31が取り付けられている。ここで、実際には、
レチクルレーザ干渉計は、Y方向(走査方向)位置計測
用のレチクルY干渉計とX方向位置計測用のレチクルX
干渉計と、θ方向(回転方向)計測用のレチクルθ干渉
計とが設けられ、それらの各干渉計に対応した移動鏡が
レチクルステージRST上に固定されているが、図2に
おいては、これらが代表的にレチクルレーザ干渉計3
0、移動鏡31として示されている。そして、上記3つ
のレチクル干渉計によってレチクルステージRSTの
X,Y,θ方向計測がそれぞれ行われるが、以下の説明
においては、便宜上、レーザ干渉計30によってX,
Y,θ方向位置計測が同時に個別に行われるものとす
る。
【0136】その干渉計30によって計測されるレチク
ルステージRST(即ちレチクルR)の位置情報(又は
速度情報)はレチクルステージコントローラ33に送ら
れる。レチクルステージコントローラ33は、基本的に
は干渉計30から出力される位置情報(或いは速度情
報)が指令値(目標位置、目標速度)と一致するように
レチクルステージRSTを移動させる駆動系(リニアモ
ータ、ボイスコイルモータ、ピエゾモータ等)29を制
御する。
【0137】前記照明光学系18は、図1に示されるよ
うに、ビーム受光系32をその背面部に収納し、このビ
ーム受光系32とこれに接続された遮光性の管34とか
ら成るBMU(ビームマッチングユニット)を介してエ
キシマレーザ光源11に接続されている。BMUを構成
するビーム受光系32内には、管34を介して導かれた
エキシマレーザ光源11からのエキシマレーザ光(以
下、適宜、「パルス照明光」又は「パルス紫外光」とも
呼ぶ)が、照明光学系18の光軸に対して、常に所定の
位置関係で入射するように、エキシマレーザ光の照明光
学系18への入射位置や入射角度を最適に調整する複数
の可動反射鏡(図示せず)が設けられている。
【0138】照明光学系18は、図2に示されるよう
に、可変減光器18A、ビーム整形光学系18B、第1
フライアイレンズ系18C、振動ミラー18D、集光レ
ンズ系18E、照明NA補正板18F、第2フライアイ
レンズ系18G、照明系開口絞り板18H、ミラー18
J、第1リレーレンズ18K、固定レチクルブラインド
18L、可動レチクルブラインド18M、第2リレーレ
ンズ18N、照明テレセン補正板(傾斜可能な石英の平
行平板)18P、ミラー18Q、及び主コンデンサーレ
ンズ系18R等を備えている。ここで、この照明光学系
18の上記構成各部について説明する。
【0139】可変減光器18Aは、エキシマレーザ光の
パルス毎の平均エネルギーを調整するためのもので、例
えば減光率が異なる複数の光学フィルタを切り換え可能
に構成して減光率を段階的に変更するものや、透過率が
連続的に変化する2枚の光学フィルタの重なり具合を調
整することにより減光率を連続的に可変にするものが用
いられる。この可変減光器18Aを構成する光学フィル
タは、主制御装置50によって制御される駆動機構35
によって駆動される。
【0140】ビーム整形光学系18Bは、可変減光器1
8Aによって所定のピーク強度に調整されたエキシマレ
ーザ光の断面形状を該エキシマレーザ光の光路後方に設
けられた後述するダブルフライアイレンズ系の入射端を
構成する第1フライアイレンズ系18Cの入射端の全体
形状と相似になるように整形して該第1フライアイレン
ズ系18Cに効率よく入射させるもので、例えばシリン
ダレンズやビームエキスパンダ(いずれも図示省略)等
で構成される。
【0141】前記ダブルフライアイレンズ系は、照明光
の強度分布を一様化するためのもので、ビーム整形光学
系18B後方のエキシマレーザ光の光路上に順次配置さ
れた第1フライアイレンズ系18Cと、集光レンズ18
Eと、第2フライアイレンズ系18Gとから構成され
る。この場合、第1フライアイレンズ系18Cと集光レ
ンズ18Eとの間には、被照射面(レチクル面又はウエ
ハ面)に生じる干渉縞や微弱なスペックルを平滑化する
ための振動ミラー18Dが配置されている。この振動ミ
ラー18Dの振動(偏向角)は駆動系36を介して主制
御装置50によって制御されるようになっている。
【0142】第2フライレンズ系18Gの入射端側に
は、照明光の被照射面における開口数の方向性(照明N
A差)を調整する照明NA補正板18Fが配置されてい
る。
【0143】本実施形態のようなダブルフライアイレン
ズ系と振動ミラー18Bとを組み合わせた構成について
は、例えば特開平1−235289号公報、特開平7−
142354号公報に詳しく開示されている。
【0144】前記第2フライアイレンズ系18Gの射出
面の近傍に、円板状部材から成る照明系開口絞り板18
Hが配置されている。この照明系開口絞り板18Hに
は、ほぼ等角度間隔で、例えば通常の円形開口より成る
開口絞り、小さな円形開口より成りコヒーレンスファク
タであるσ値を小さくするための開口絞り、輪帯照明用
の輪帯状の開口絞り、及び変形光源法用に例えば4つの
開口を偏心させて配置して成る変形開口絞り等が配置さ
れている。この照明系開口絞り板18Hは、主制御装置
50により制御される不図示のモータ等により回転され
るようになっており、これによりいずれかの開口絞りが
パルス照明光の光路上に選択的に設定され、ケーラー照
明における光源面形状が輪帯、小円形、大円形、或いは
4つ目等に制限される。
【0145】照明系開口絞り板18H後方のパルス照明
光の光路上に、反射率が大きく透過率が小さなビームス
プリッタ18Jが配置され、更にこの後方の光路上に、
固定レチクルブラインド18L及び可動レチクルブライ
ンド18Mを介在させて第1リレーレンズ18K及び第
2リレーレンズ18Nから成るリレー光学系が配置され
ている。
【0146】固定レチクルブラインド18Lは、レチク
ルRのパターン面に対する共役面から僅かにデフォーカ
スした面に配置され、レチクルR上の照明領域を規定す
る所定形状の開口部が形成されている。本実施形態で
は、この開口部が走査露光時のレチクルRの移動方向
(Y方向)と直交したX方向に直線的に伸びたスリット
状又は矩形状に形成されているものとする。
【0147】また、固定レチクルブラインド18Lの近
傍に走査方向の位置及び幅が可変の開口部を有する可動
レチクルブラインド18Mが配置され、走査露光の開始
時及び終了時にその可動レチクルブラインド18Mを介
して照明領域を更に制限することによって、不要な部分
の露光が防止されるようになっている。この可動レチク
ルブラインド18Mは、駆動系42を介して主制御装置
50によって制御される。
【0148】リレー光学系を構成する第2リレーレンズ
18Nの出口部分には、照明テレセン補正板18Pが配
置されており、さらにこの後方のパルス照明光の光路上
には、第2リレーレンズ18N及び照明テレセン補正板
18Pを通過したパルス照明光をレチクルRに向けて反
射するミラー18Qが配置され、このミラー18Q後方
のパルス照明光の光路上に主コンデンサーレンズ系18
Rが配置されている。
【0149】このようにして構成された照明光学系18
の作用を簡単に説明すると、エキシマレーザ光源11か
らのエキシマレーザ光が管34、ビーム受光系32を介
して照明光学系18内に入射すると、このエキシマレー
ザ光は可変減光器18Aにより所定のピーク強度に調整
された後、ビーム整形光学系18Bに入射する。そし
て、このエキシマレーザ光は、ビーム整形光学系18B
で後方の第1フライアイレンズ系18Cに効率よく入射
するようにその断面形状が整形される。次いで、このエ
キシマレーザ光が第1フライアイレンズ系18Cに入射
すると、第1フライアイレンズ系18Cの射出端側に多
数の2次光源が形成される。これらの多数の点光源の各
々から発散するパルス紫外光は、振動ミラー18D、集
光レンズ系18E、照明NA補正板18Fを介して第2
フライアイレンズ系18Gに入射する。これにより、第
2フライアイレンズ系18Gの射出端に多数の微少な光
源像を所定形状の領域内に一様分布させた個々の光源像
から成る多数の2次光源が形成される。この多数の2次
光源から射出されたパルス紫外光は、照明系開口絞り板
18H上のいずれかの開口絞りを通過した後、反射率が
大きく透過率が小さなビームスプリッタ18Jに至る。
【0150】このビームスプリッタ18Jで反射された
露光光としてのパルス紫外光は、第1リレーレンズ18
Kによって固定レチクルブラインド18Lの開口部を一
様な強度分布で照明する。但し、その強度分布には、エ
キシマレーザ光源11からのパルス紫外光の可干渉性に
依存した干渉縞や微弱なスペックルが数%程度のコント
ラストで重畳し得る。そのためウエハ面上には、干渉縞
や微弱なスペックルによる露光量むらが生じ得るが、そ
の露光量むらは先に挙げた特開平7−142354号公
報のように、走査露光時のレチクルRやウエハWの移動
とパルス紫外光の発振とに同期させて振動ミラー18D
を振ることで平滑化される。
【0151】こうして固定レチクルブラインド18Lの
開口部を通ったパルス紫外光は、可動レチクルブライン
ド18Mを通過した後、第2リレーレンズ18N及び照
明テレセン補正板18Pを通過してミラー18Qによっ
て光路が垂直下方に折り曲げられた後、主コンデンサレ
ンズ系18Rを経て、レチクルステージRST上に保持
されたレチクルR上の所定の照明領域(X方向に直線的
に伸びたスリット状又は矩形状の照明領域)を均一な照
度分布で照明する。ここで、レチクルRに照射される矩
形スリット状の照明光は、図1中の投影光学系PLの円
形投影視野の中央にX方向(非走査方向)に細長く延び
るように設定され、その照明光のY方向(走査方向)の
幅はほぼ一定に設定されている。
【0152】一方、ビームスプリッタ18Jを透過した
パルス照明光は、不図示の集光レンズを介して光電変換
素子よりなるインテグレータセンサ46に入射し、そこ
で光電変換される。そして、このインテグレータセンサ
46の光電変換信号が、後述するピークホールド回路及
びA/D変換器を介して主制御装置50に供給される。
インテグレータセンサ46としては、例えば遠紫外域で
感度があり、且つエキシマレーザ光源11のパルス発光
を検出するために高い応答周波数を有するPIN型のフ
ォトダイオード等が使用できる。このインテグレータセ
ンサ46の出力と、ウエハWの表面上でのパルス紫外光
の照度(露光量)との相関係数は予め求められて、主制
御装置50内のメモリに記憶されている。
【0153】前記投影光学系PLとしては、ここでは、
物体面(レチクルR)側と像面(ウエハW)側の両方が
テレセントリックで円形の投影視野を有し、石英や螢石
を光学硝材とした屈折光学素子(レンズ素子)のみから
成る1/4(又は1/5)縮小倍率の屈折光学系が使用
されている。そして、レチクルR上の回路パターン領域
のうちのパルス紫外光によって照明された部分からの結
像光束が、投影光学系PLを介して、後述するウエハス
テージWST上のホルダに静電吸着されたウエハW上の
レジスト層に1/4又は1/5に縮小されて投影され
る。
【0154】なお、投影光学系PLを特開平3−282
527号公報に開示されているように屈折光学素子と反
射光学素子(凹面鏡やビームスプリッタ等)とを組み合
わせたいわゆるカタディオプトリック系としてもよいこ
とは勿論である。
【0155】前記LC/MAC系は、投影光学系PLの
各種光学特性(結像性能)を微調整するもので、本実施
形態では、投影光学系PL内の物体面に近い位置に設け
られ光軸方向への微小移動及び光軸直交面に対する微小
傾斜が可能なテレセン部レンズ系G2とこのレンズ系G
2を光軸方向(傾斜を含む)に微動させる駆動機構96
とから成るMACと、投影光学系PL内の外気に対して
密封された特定の空気間隔室(密封室)内の気体圧力を
パイプ94を介して例えば±20mmHg程度の範囲内で加
減圧することによって投影像の結像倍率を微調整するレ
ンズコントローラ102とを含んで構成されている。前
記MACは投影像の倍率又はディストーション(等方的
な歪曲収差、又は樽形、糸巻き形、台形等の非等方的な
歪曲収差等)を調整することができる。
【0156】この場合、レンズコントローラ102はレ
ンズ系G2の駆動機構96に対する制御系にもなってお
り、レンズ系G2の駆動によって投影像の倍率を変える
か、投影光学系PL内の密封室の圧力制御によって投影
像の倍率を変えるかを切替え制御したり、或いは併用制
御したりする。レンズコントローラ102も主制御装置
50の管理下に置かれている。
【0157】但し、波長193nmのArFエキシマレ
ーザ光源を照明光とした場合は、照明光路内と投影光学
系PLの鏡筒内とが窒素ガスやヘリウムガスで置換され
るため、投影光学系PL内の特定の空気間隔室内の屈折
率を変更しにくいので、この空気間隔室内の圧力を加減
圧する機構を省略してもよい。
【0158】また、投影光学系PL内の像面に近い位置
には、投影される像のうち特に像高の大きい部分(投影
視野内の周辺に近い部分)に生じ易いアス・コマ収差を
低減させるためのアス・コマ収差補正板G3が含まれて
いる。
【0159】さらに、本実施形態では、円形視野内の実
効的な像投影領域(固定レチクルブラインド18Lの開
口部で規定)に形成される投影像に含まれるランダムな
ディストーション成分を有効に低減させるための像歪み
補正板G1が、投影光学系PLのレンズ系G2とレチク
ルRとの間に配置されている。この補正板G1は、数ミ
リ程度の厚みを持つ平行な石英板の表面を局所的に研磨
し、その研磨部分を通る結像光束を微小に偏向させるも
のである。このような補正板G1の作り方の一例は、特
開平8−203805号公報に詳細に開示されており、
本実施形態においても基本的にはその公報に示された手
法を応用するものとする。
【0160】次に、本実施形態の特徴的な構成要素であ
るステージ装置1について詳述する。
【0161】このステージ装置1は、図1及び図2に示
されるように、前記架台部(第1コラム)16を構成す
る定盤22と、この定盤22上にXY面内で相対移動可
能に支持された第2可動体としての可動型定盤38と、
この可動型定盤38上にXY面内で該可動型定盤38に
対して相対移動可能に支持された第1可動体(及び基板
ステージ)としてのウエハステージWSTとを備えてい
る。
【0162】ウエハステージWSTは、投影光学系PL
下方で可動型定盤38上に設けられた駆動装置としての
第1の平面磁気浮上型リニアアクチュエータ42(図5
(B)参照)によって浮上支持されるとともに、投影光
学系PLの光軸AXと直交するXY2次元平面内で自在
に駆動されるようになっている。また、可動型定盤38
は、ウエハステージWSTと同様に、定盤22上に設け
られた第2の平面磁気浮上型リニアアクチュエータ44
(図5(B)参照)によって浮上支持されるとともに、
XY2次元平面内で自在に駆動されるようになってい
る。なお、図2においては、図示の便宜上、上記の平面
磁気浮上型リニアアクチュエータ42、44が纏めて駆
動系48として図示されている。この駆動系48、すな
わち平面磁気浮上型リニアアクチュエータ42、44
は、ウエハステージコントローラ78によって制御され
るようになっている。なお、可動型定盤38の制御方
法、役割等については後に詳述する。
【0163】前記ウエハステージWSTは、可動型定盤
38上をXY2次元平面内で自在に移動可能な第2プレ
ートとしての移動ステージ52と、この移動ステージ5
2上に搭載された駆動機構としてのレベリング駆動機構
58と、このレベリング駆動機構58により支持されウ
エハWを保持する第1プレートとしての基板テーブルT
Bとを備えている。
【0164】移動ステージ52は、本実施形態では正三
角形状に形成され、その一端面がレチクルステージRS
Tの走査方向であるY軸方向(第1軸方向)に直交する
向きで可動型定盤38上に配置されている。
【0165】前記基板テーブルTBは、移動ステージ5
2と全く同一形状の正三角形状に形成され、平面視で見
て移動テーブル52に重なる状態でレベリング駆動機構
58を構成する3つのアクチュエータZACに支持され
ている。この基板テーブルTB上には、ほぼ円形のウエ
ハホルダ54が設けられており(図3(C)参照)、こ
のウエハホルダ54にウエハWが静電吸着され、平坦化
矯正されて保持されている。このウエハホルダ54はウ
エハWの露光時の熱蓄積による膨脹変形を押さえるため
に温度制御されている。
【0166】前記レベリング駆動機構58は、基板テー
ブルTBを正三角形の3つの頂点近傍でそれぞれ支持す
るとともに各支持点でXY平面に垂直なZ方向に独立し
て駆動可能な3つのアクチュエータ(ピエゾ、ボイスコ
イルモータ等)ZACX1、ZACX2、ZACY(図
3(A)参照)と、これら3つのアクチュエータZAC
X1、ZACX2、ZACYを独立に制御することによ
り基板テーブルTBを光軸AXの方向(Z方向)に微動
するとともに、XY平面に対して傾斜させるアクチュエ
ータ制御装置56とによって構成される。アクチュエー
タ制御装置56に対する駆動指令はウエハステージコン
トローラ78から出力される。
【0167】なお、図2では図示が省略されているが、
投影光学系PLの結像面とウエハW表面とのZ方向の偏
差(フォーカス誤差)や傾斜(レベリング誤差)を検出
するフォーカス・レベリングセンサが投影光学系PLの
近傍に設けられ、ウエハステージコントローラ78はそ
のセンサからのフォーカス誤差信号やレベリング誤差信
号に応答してアクチュエータ制御装置56に駆動指令を
出力する。そのようなフォーカス・レベリング検出系の
一例は、特開平7−201699号公報に詳細に開示さ
れている。
【0168】ウエハステージWST、すなわち基板テー
ブルTBの図3(A)の各干渉計ビームの方向の位置
は、図2に示されるレーザ干渉計システム76によって
逐次計測され、その位置情報は演算装置としてのウエハ
ステージコントローラ78に送られる。ウエハステージ
コントローラ78は、所定の演算によりXY座標位置を
求め、この求めた座標位置と位置決めすべき目標位置情
報とに基づいてウエハステージWSTを駆動させるため
の指令信号を駆動系48へ出力する。
【0169】ここで、図3(A)〜(C)を用いて上記
レーザ干渉計システム76の具体的な構成について詳述
する。
【0170】図3(A)には、レーザ干渉計システム7
6を構成する第1、第2、及び第3の干渉計76X1、
76Y、76X2及びそれら3つの干渉計からの干渉計
ビームRIX1、RIY、RIX2が基板テーブルTB
とともに平面図にて示されている。
【0171】この図3(A)からもわかるように、本実
施形態では、基板テーブルTBは平面視で正三角形状に
形成され、その3つの側面にはそれぞれ鏡面加工がなさ
れて第1、第2、及び第3の反射面60a、60b、6
0cが形成されている。そして、第2の干渉計76Y
は、走査方向であるY軸方向(第1軸方向)の干渉計ビ
ームRIYを第2反射面60bに垂直に照射し、その反
射光を受光することにより、基板テーブルTBのY軸方
向位置(或いは速度)を計測するようになっている。ま
た、第1の干渉計76X1は、Y軸方向に対して所定角
度θ1(θ1はここでは−60°)傾斜した方向の干渉
計ビームRIX1を第1反射面60aに垂直に照射し、
その反射光を受光することにより干渉計ビームRIX1
の方向である第3軸方向の位置(或いは速度)を計測す
るようになっている。同様に、第3の干渉計76X2
は、Y軸方向に対して所定角度θ2(θ2はここでは+
60°)傾斜した方向の干渉計ビームRIX2を第3反
射面60cに垂直に照射し、その反射光を受光すること
により干渉計ビームRIX2の方向である第4軸方向の
位置(或いは速度)を計測するようになっている。
【0172】ところで、ウエハステージWSTのXY移
動や基板テーブルTBの微動によってXY面内で生じ得
る微小回転誤差(ヨーイング成分も含む)が露光精度に
悪影響を与えることを考慮して、本実施形態ではレーザ
干渉計システム76を構成する各干渉計としては、複数
軸の干渉計が用いられている。
【0173】図3(B)には、第2の干渉計76Yから
の干渉計ビームRIYが該干渉計を構成する一部の光学
系とともにより詳細に示されている。この図3(B)に
示されるように、基板テーブルTBの第2反射面60b
には、干渉計76Yから射出された平面視で見て2軸の
測長ビームである第1、第2の測長ビームRIY1、R
IY2が照射されている。これらの測長ビームRIY1
RIY2は、同一水平面上でX方向に所定距離離れて第
2反射面60bに垂直に照射されている。このらの測長
ビームRIY1、RIY2は、不図示の光源から射出され
て直線偏光光束として、それぞれ偏光ビームスプリッタ
62A,62Bを透過後、λ/4板64A,64Bを介
して円偏光となり第2の反射面60bを照射する。その
戻り光は、再びλ/4板64A,64Bを透過後最初の
偏光条件と直交した直線偏光光束となり、偏光ビームス
プリッタ62A,62Bにてそれぞれ反射され、コーナ
ーキューブ部66A,66Bに入射する。ここで、3面
にて反射した光束は再び偏光ビームスプリッタ62A,
62B、λ/4板64A,64Bを通過して円偏光にな
って第2反射面60bに達する。そして、その反射光が
λ/4板64A,64Bを通過する際に最初と同じ偏光
条件の直線偏光となって偏光ビームスプリッタ62A,
32Bを通過後、入射光束と平行に干渉計本体側に戻る
ようになっている。すなわち、各測長ビームRIY1
RIY2による計測はいわゆるダブルパス構成によって
行われるようになっている。
【0174】前記戻り光束は、干渉計本体部内で不図示
の固定鏡からの参照ビームの戻り光束と重なり、それら
の重なり光束の干渉縞をカウントすることで、通常の倍
の精度で基板テーブルTBの第2反射面60bの図3
(B)中の一点鎖線で示す軸Y 1、Y2上の位置をそれぞ
れ独立に計測可能となっている。また、これらの測長ビ
ームRIY1、RIY2による計測値の差に基づいて基板
テーブルTBの回転を求めることができる。
【0175】しかし、回転計測ができるのみでは、特
に、本実施形態のように、基板テーブル側面を鏡面加工
して移動鏡とする構成の場合には、十分でない。このよ
うな場合には、干渉計からの測長ビームをウエハW表面
と同一高さに設定できないからである。かかる点を考慮
して、図3(C)に示されるように、第2の干渉計76
Yからは測長ビームRIY1(又はRIY2)の照射位置
からXY平面に直交する面方向(下向)に所定距離離れ
た位置に照射される第3の測長ビームRIY3が照射さ
れている。従って、測長ビームRIY1(又はRIY2
と測長ビームRIY 3との差に基づいて基板テーブルT
BのXY面に対する傾斜を求めることができる。
【0176】かかる意味からすれば、測長ビームRIY
1又はRIY2の照射位置からそれぞれXY平面に直交す
る面方向(下向)に所定距離離れた位置に、第3の測長
ビーム、第4の測長ビームをそれぞれ照射するようにし
ても良い。すなわち、基板テーブルTBのXY面内の回
転及びXY面内に対する傾斜を求めることができるよう
に、第2反射面60b上で、同一直線状にない少なくと
も3本の測長ビームを干渉計76Yから第2反射面に照
射するような構成が望ましい。また、当然ながら、計測
精度の向上のためには、第3、第4の測長ビームによる
計測もいわゆるダブルパス構成であることが望ましい。
【0177】その他の干渉計76X1、76X2も上記
の干渉計76Yと同様に、3本の測長ビームを第1反射
面60a、第3反射面60cに照射し、それぞれの反射
光を受光することにより第1反射面、第3反射面の各測
長ビームの照射ポイントの各測長ビーム方向の位置をそ
れぞれ独立して計測するようになっている。図3(A)
においては、干渉計76X1、76X2、76Yからの
それぞれ3本(又は4本)の測長ビームが、代表的に干
渉計ビームRIX1、RIX2、RIYとして示されて
いるものである。
【0178】この場合、図3(A)に示されるように、
正三角形状の基板テーブルTBの各側面の反射面60
a,60b,60cに、干渉計76X1,76Y,76
X2が少なくも各3本の測長ビームからな成る干渉計光
束を垂直に照射し、各干渉計光束の対向する位置であっ
て基板テーブルTBの各頂点付近にチルト,Z方向を駆
動するためのアクチュエータZACX1,ZACY,Z
ACX2が配置されている。このため、それぞれの干渉
計により計測された対応する反射面のチルト角度に応じ
てアクチュエータZACX1,ZACY,ZACX2を
独立に制御できるため、効率良く確実に基板テーブルT
Bの傾斜調整を行うことができることに加え、基板テー
ブルTBの重心から最も遠い位置にあるアクチュエータ
ZACX1,ZACY,ZACX2を駆動制御するの
で、高いチルト駆動制御応答が得られる構成となってい
る。
【0179】図2に戻り、基板テーブルの一部には、投
影光学系PLを通して投影されるレチクルR上のテスト
パターンの像やアライメントマークの像を光電検出する
ための空間像検出器KESが固定されている。この空間
像検出器KESは、その表面がウエハWの表面の高さ位
置とほぼ同じになるように取り付けられている。ただし
実際には、基板テーブルTBをZ方向の全移動ストロー
ク(例えば1mm)の中心に設定したときに、投影光学系
PLの結像面と空間像検出器KESの表面とが合致する
ように設定されている。
【0180】空間像検出器KESは、露光量計測、照度
ムラ計測、結像特性計測等に用いられるものである。こ
こで、空間像検出器KESの構成及びそれを用いた結像
特性計測について詳述する。図4には、図2中の基板テ
ーブルTB上に取り付けられた空間像検出器KESの構
成とそれに関連した信号処理系の構成が概略的に示され
ている。
【0181】この図4において、空間像検出器KES
は、基板テーブルTB上のウエハWの表面とほぼ同じ高
さ(例えば±1mm程度の範囲)になるように設けられ
た遮光板140、その遮光板140の所定位置に形成さ
れた数十μm〜数百μm程度の矩形開口(ナイフエッジ
開口)141、開口141を透過した投影光学系PLか
らの結像光束を大きなNA(開口数)で入射する石英の
光パイプ142、及び光パイプ142によってほぼ損失
なく伝送される結像光束の光量を光電検出する半導体受
光素子(シリコンフォトダイオード、PINフォトダイ
オード等)143とを備えている。
【0182】本実施形態の如く、露光用照明光をエキシ
マレーザ光源11から得る場合、空間像検出器KESの
受光素子143からの光電信号は、エキシマレーザ光源
11のパルス発光に応答したパルス波形となる。すなわ
ち、投影光学系PLの物体面に設置された不図示のテス
トレチクル上のある物点からの像光路をMLeとする
と、その像光路MLeが空間像検出器KESの矩形開口
141に合致するように基板テーブルTB(即ちウエハ
ステージWST)をX,Y方向に位置決めした状態で、
図2中のエキシマレーザ光源11をパルス発光させる
と、受光素子143からの光電信号も時間幅が10〜2
0ns程度のパルス波形となる。
【0183】これを考慮して、本実施形態では、空間像
検出器KESの信号処理系内に、受光素子143からの
光電信号を入力し増幅するとともに、前述したレーザ干
渉計システム76のレシーバ76Eで作られる10nm
毎の計数用パルス信号に応答してサンプル動作とホール
ド動作とを交互に行うサンプルホールド回路(以下「S
/H回路」という)150Aが設けられている。この
他、上記信号処理系内には、S/H回路150Aの出力
をデジタル値に変換するA−D変換器152Aと、その
デジタル値を記憶する波形メモリ回路(RAM)153
Aと、波形解析用コンピュータ154とを備えている。
また、この場合、RAM153Aのアドレスカウンタと
してレーザ干渉計システム76から送られてくる10n
m毎の計数用パルス信号を計数するアップダウンカウン
タ151が設けられている。
【0184】本実施形態では、エキシマレーザ光源11
の制御用コンピュータ11B(図2参照)は、レーザ干
渉計システム76からの計測値に基づきウエハステージ
コントローラ78で演算され、後述する同期制御系8
0、主制御装置50に送られる座標位置情報に応じてパ
ルス発光のトリガを行う。すなわち、本実施形態ではエ
キシマレーザ光源11のパルス発光が基板テーブルTB
の座標位置に応じて行われ、そのパルス発光に同期して
S/H回路150Aが受光素子143からのパルス信号
波形のピーク値をホールドするようになっている。そし
て、このS/H回路150Aでホールドされたピーク値
は、A−D変換器152Aによってデジタル値に変換さ
れ、そのデジタル値は波形メモリ回路(RAM)153
Aに記憶される。RAM153Aの記憶動作時の番地
(アドレス)は、前記アップダウンカウンタ151によ
って作られ、基板テーブルTBの位置とRAM153A
の記憶動作時の番地(アドレス)とが一義的に対応付け
られる。
【0185】ところで、エキシマレーザ光源11からの
パルス光のピーク強度は各パルス毎に数%程度の変動が
ある。そこで、その変動による像計測精度の劣化を防止
するために、本実施形態の信号処理回路内には、図4に
示されるように、前述した照明光学系内に設けられた強
度検出用の光電検出器(インテグレータセンサ)46か
らの光電信号(パルス波形)が入力されるS/H回路1
50B(これは前記SH回路150Aと同様の機能を有
する)、該S/H回路150Bの出力をデジタル値に変
換するA−D変換器152Bと、そのデジタル値を記憶
する波形メモリ回路(RAM)153B(記憶動作時の
アドレス生成はRAM153Aと共通)とが設けられて
いる。
【0186】これによって基板テーブルTBの位置とR
AM153Bの記憶動作時の番地(アドレス)とが一義
的に対応付けられた状態で、エキシマレーザ光源11か
らの各パルス光のピーク強度がRAM153Bに記憶さ
れる。
【0187】以上のようにして各RAM153A,15
3Bに記憶されたデジタル波形は波形解析用のコンピュ
ータ(CPU)154に読み込まれ、RAM153Aに
記憶された像強度に応じた計測波形がRAM153Bに
記憶された照明パルス光の強度ゆらぎ波形で規格化(除
算)される。規格化された計測波形は波形解析用コンピ
ュータ154内のメモリに一時的に保持されるととも
に、計測すべき像強度の中心位置が各種の波形処理プロ
グラムによって求められる。
【0188】本実施形態では、空間像検出器KESの開
口141のエッジを使ってテストレチクル上のテストパ
ターン像を検出するので、波形解析用コンピュータ15
4によって解析される像の中心位置は、テストパターン
像の中心と開口141のエッジとがXY面内で合致する
場合にレーザ干渉計システム76によって計測される基
板テーブルTB(ウエハステージ14)の座標位置とし
て求まる。
【0189】こうして解析されたテストパターン像の中
心位置の情報は主制御装置50に送られ、主制御装置5
0はテストレチクル上の複数点(例えば理想格子点)に
形成されたテストパターンの各投影像の位置を順次計測
するための動作を、エキシマレーザ光源11の制御用コ
ンピュータ11B、ウエハステージコントローラ78、
及び波形解析用コンピュータ154に指示する。
【0190】上記のようにして、空間像検出器KESに
よって投影光学系PLの結像性能や照明光学系の照明特
性を計測し、その計測結果に基づいて図2中に示した各
種の光学要素や機構を調整することができる。
【0191】更に、本実施形態の基板テーブルTB上に
は、その表面がウエハWの表面の高さ位置とほぼ同じに
なるようにされた基準マーク板FMが設けられている
(図5(A)参照)。この基準マーク板FMの表面には
後述する各種アライメント系によって検出可能な基準マ
ークが形成され、それらの基準マークは、各アライメン
ト系の検出中心点のチェック(キャリブレーション)、
それら検出中心点間のベースライン長の計測、レチクル
Rのウエハ座標系に対する位置チェック、又はレチクル
Rのパターン面と共役な最良結像面のZ方向の位置チェ
ック等のために使われる。なお、上記基準マークは、前
述したKESの表面に形成すれば、同一基準板にてX、
Y、Zチルト方向のキャリブレーションが可能となるの
で各基準板に対応した累積誤差を軽減する事ができる。
【0192】図1に示されるウエハ搬送ロボット19
は、不図示のウエハ載置部からウエハステージWSTま
でウエハWを搬送するウエハ搬送系の一部を構成するも
ので、所定のローディング位置(受渡し位置)に移動し
てきたウエハステージWSTのホルダとの間でウエハW
の受け渡しを行うロボットアーム(ウエハロード/アン
ロードアーム)21を備えている。
【0193】本実施形態の走査型露光装置10では、ア
ライメント系として、投影光学系PLを介さないでウエ
ハW上の各ショット領域毎に形成されたアライメントマ
ークや、基準マーク板FM上の基準マークを光学的に検
出するオフアクシス・アライメントセンサ(アライメン
ト光学系)が用いられている。このアライメント光学系
ALGは、図2に示されるように、投影光学系PLの側
方に配置されている。このアライメント光学系は、ウエ
ハW上のレジスト層に対して非感光性の照明光(一様照
明又はスポット照明)を対物レンズを通して照射し、ア
ライメントマークや基準マークからの反射光を対物レン
ズを介して光電的に検出する。光電検出されたマーク検
出信号は、信号処理回路68に入力されるが、この信号
処理回路68には、ウエハステージコントローラ78、
同期制御系80及び主制御装置50を介してレーザ干渉
計システムの計測値が入力されている。そして、信号処
理回路68は、上記の光電検出されたマーク検出信号を
所定のアルゴリズムの下で波形処理し、この処理結果と
レーザ干渉計システム76の計測値とに基づいて、マー
クの中心がアライメント光学系ALG内の検出中心(指
標マーク、撮像面上の基準画素、受光スリット、或いは
スポット光等)と合致するようなウエハステージWST
の座標位置(ショットアライメント位置)、或いは検出
中心に対するウエハマーク、基準マークの位置ずれ量を
求めるようになっている。その求められたアライメント
位置または位置ずれ量の情報は、主制御装置50に送ら
れ、ウエハステージWSTのアライメント時の位置決
め、ウエハW上の各ショット領域に対する走査露光の開
始位置の設定等に使われる。
【0194】さらに、本実施形態の走査型露光装置10
では、レチクルステージRSTとウエハステージWST
とを同期移動させるための同期制御系80が、制御系内
に設けられている。この同期制御系80は、特に走査露
光時に、レチクルステージRSTとウエハステージWS
Tとを同期移動させる際に、レチクルステージコントロ
ーラ33による駆動系29の制御とウエハステージコン
トローラ78による駆動系48の制御とを相互に連動さ
せるために、レチクルレーザ干渉計30、干渉計システ
ム76で計測されるレチクルRとウエハWの各位置や各
速度の状態をリアルタイムにモニタし、それらの相互の
関係が所定のものとなるように管理する。その同期制御
系80は、主制御装置50からの各種のコマンドやパラ
メータによって制御される。
【0195】さらに、本実施形態の走査型露光装置10
では、図1及び図2では図示を省略したが、実際には、
走査露光の際に質量RmのレチクルステージRSTの等
速移動の前後のプリスキャン時、オーバースキャン時に
発生する加減速度Arに応じて、質量Rmのレチクルス
テージRSTからレチクルベース定盤28に作用する反
力−Ar×Rmが支柱26を介して架台部16に伝わら
ないようにするために、リアクションアクチュエータ7
4が設けられている。
【0196】このリアクションアクチュエータ74は、
図6に示されるように、架台部16を支えるベース板B
Sに対し弾性体70でラフに位置決めされたリアクショ
ンフレーム72によって支持されており、レチクルステ
ージRST,レチクルベース定盤28等の重量によって
決定される重心部とほぼ同じ高さに配置されている。
【0197】リアクションアクチュエータ74として
は、実際には、左右一対のリアクションアクチュエータ
74L、74Rが設けられているが、図6ではこれらが
代表的にリアクションアクチュエータ74として示され
ている。このリアクションアクチュエータ74は、レチ
クルステージRSTの加減速時に、上記重心の横シフト
及び回転をキャンセルするように反力と反対の力をレチ
クルベース定盤28に与えるように、不図示の制御装置
により制御されるようになっており、これによりレチク
ル加減速時の振動が支柱26を介して架台部16に伝わ
らないようになっている。
【0198】このようなリアクションアクチュエータ
は、送りねじ方式のレチクルステージを用いる場合よ
り、リニアモータあるいは2次元磁気浮上型リニアアク
チュエータ等を用いる場合に、その必要性及び効果が高
いものと言える。
【0199】次に、図1に示される制御ラックの構成に
ついて説明する。
【0200】制御ラック14は、露光装置本体12各部
のユニット(エキシマレーザ光源11、照明光学系1
8、レチクルステージRST、ウエハステージWST、
搬送ロボット19等)の各々を個別に制御する分散型シ
ステムとして構築され、各ユニット制御用のプロセッサ
・ボードの複数を収納するプロセッサ・ボード・ラック
部104、各プロセッサ・ボードを統括的に制御する主
制御装置(ミニコンピュータ)50(図2参照)を収納
するラック部、そしてオペレータとのマン・マシン・イ
ンターフェイス用の操作パネル106、及びディスプレ
ー108等を収納するラック部等を積み重ねたシングル
・ラック構成となっている。この制御ラック14によっ
て露光装置本体12の全体的な動作が管理される。
【0201】プロセッサ・ボード・ラック部104内の
各プロセッサ・ボードにはマイクロプロセッサ等のユニ
ット側コンピュータが設けられ、これらのユニット側コ
ンピュータが主制御装置(ミニコンピュータ)50と連
携することによって複数枚のウエハの一連の露光処理が
実行される。
【0202】その一連の露光処理の全体的なシーケンス
は主制御装置50内の不図示のメモリに記憶された所定
のプロセスプログラムに従って統括制御される。
【0203】プロセスプログラムはオペレータが作成し
た露光処理ファイル名のもとに、露光すべきウエハに関
する情報(処理枚数、ショットサイズ、ショット配列デ
ータ、アライメントマーク配置データ、アライメント条
件等)、使用するレチクルに関する情報(パターンの種
別データ、各マークの配置データ、回路パターン領域の
サイズ等)、そして露光条件に関する情報(露光量、フ
ォーカスオフセット量、走査速度のオフセット量、投影
倍率オフセット量、各種の収差や像歪みの補正量、照明
系のσ値や照明光NA等の設定、投影光学系のNA値設
定等)をパラメータ群のパッケージとして記憶するもの
である。
【0204】主制御装置50は、実行指示されたプロセ
スプログラムを解読してウエハの露光処理に必要な各構
成要素の動作を、対応するユニット側コンピュータにコ
マンドとして次々に指令していく。このとき、各ユニッ
ト側コンピュータは1つのコマンドを正常終了すると、
その旨のステータスを主制御装置50に送出し、これを
受けた主制御装置50はユニット側コンピュータに対し
て次のコマンドを送る。
【0205】このような一連の動作のなかで、例えば、
ウエハ交換のコマンドが主制御装置50から送出される
と、ウエハステージWSTの制御ユニットであるウエハ
ステージコントローラ78と、ウエハ搬送ロボット19
の制御ユニットとが協同して、ウエハステージWSTと
アーム21(ウエハW)とは図1のような位置関係に設
定される。
【0206】さらに主制御装置50内のメモリには、複
数のユーティリティソフトウェアが格納されている。そ
のソフトウェアの代表的なものは、投影光学系や照明
光学系の光学特性を自動的に計測し、投影像の質(ディ
ストーション特性、アス・コマ特性、テレセン特性、照
明開口数特性等)を評価するための計測プログラム、
評価された投影像の質に応じた各種の補正処理を実施す
るための補正プログラムの2種類である。
【0207】次に、可動型定盤38の役割及びその制御
方法について、図5(A)、(B)を参照しつつ説明す
る。図5(A)には、定盤22付近の概略平面図が示さ
れ、図5(B)には図5(A)の矢印A方向から見た概
略正面図が示されている。図5(A)では、ウエハステ
ージWSTが矢印Bの距離だけ移動した時の加減速によ
る可動型定盤38への反力による可動型定盤38の移動
距離が矢印Cにて示されている。
【0208】可動型定盤38の上面には、ウエハステー
ジWSTの下面に設けられた不図示の永久磁石とともに
平面磁気浮上型リニアアクチュエータ42を構成する複
数のコイル(図示省略)がXY2次元方向に張り巡らさ
れている。そして、ウエハステージWSTは、平面磁気
浮上型リニアアクチュエータ42によって可動型定盤3
8の上方に浮上支持されるととももに、前記コイルに流
す電流を制御することにより任意の2次元方向に駆動さ
れる構成となっている。
【0209】同様に、定盤22の上面には、可動型定盤
38の下面に設けられた不図示の永久磁石とともに平面
磁気浮上型リニアアクチュエータ44を構成する複数の
コイル(図示省略)がXY2次元方向に張り巡らされて
いる。そして、可動型定盤38は、平面磁気浮上型リニ
アアクチュエータ44によって定盤22の上方に浮上支
持されるととももに、前記コイルに流す電流を制御する
ことにより任意の2次元方向に駆動される構成となって
いる。
【0210】この場合、ウエハステージWSTと可動型
定盤38、可動型定盤38と定盤22とは、それぞれ非
接触のため、それぞれの間の摩擦が非常に小さくなって
いる結果、ウエハステージWST、可動型定盤38を含
む系全体として運動量保存則が成立する。
【0211】従って、ウエハステージWSTの質量を
m、可動型定盤38の質量をMとし、ウエハステージW
STが可動型定盤38に対し速度vで移動すると、運動
量保存則から可動型定盤38は、これと反対方向にV=
mv/(M+m)の速度で定盤12に対し移動すること
となる。しかるに、加速度は速度の時間微分であるか
ら、ウエハステージWSTが加速度aで移動した場合
(力F=maが作用した場合)、可動型定盤38は力F
の反力により逆方向にA=ma/(M+m)の加速度を
受けることとなる。
【0212】この場合、ウエハステージWSTは可動型
定盤38上に載っているので、該ウエハステージWST
は、定盤22に対しv×(1−m/(M+m))の速
度、従ってa×(1−m/(M+m))の加速度で移動
する。このため、ウエハステージWSTの質量m(重量
mg)と可動型定盤38の質量M(重量Mg)とが近い
と所望のウエハステージWSTの加速度、最高速度を得
られなくなる。また、移動距離は速度に比例するため、
可動型定盤38の移動量が大きくなり、フットプリント
が悪化することとなる。
【0213】例えば、m:M=1:4とすると、12イ
ンチウエハ全面露光のために300mmウエハステージ
WSTを移動したい場合、前記式V=mv/(M+m)
より、300mmの1/5である60mm分の可動型定
盤38のストロークを確保することが必要になる。
【0214】そこで、本実施形態では、ウエハステージ
加速度、最高速度、フットプリントの悪化を1桁以下に
抑えるため、ウエハステージWSTの質量mと可動型定
盤38の質量Mの比がm:M=1:9以下になるよう
に、すなわちウエハステージWSTの重量が可動型定盤
38の重量の1/9以下になるように設定している。
【0215】また、可動型定盤38の必要ストロークを
小さくするために、ウエハステージコントローラ78で
は、可動型定盤38駆動用の平面磁気浮上型リニアアク
チュエータ44に対する制御応答を露光,アライメント
時とその他の時とで可変するようにしている。
【0216】これを更に詳述する。露光の際は、ウエハ
ステージWSTとレチクルステージRSTが同期して移
動するが、可動型定盤38駆動用の平面磁気浮上型リニ
アアクチュエータ44の制御応答を数Hzにて制御すれ
ば、数十Hzで制御されるウエハステージWST駆動用
の平面磁気浮上型リニアアクチュエータ42の可動型定
盤38に対する反力には殆ど追従できず、運動量保存則
から可動型定盤38が自由に運動してその反力を吸収し
てしまい、その反力の影響が外部に及ばない。
【0217】また、ウエハステージコントローラ78で
は、レチクルステージRSTの位置やウエハステージW
STの位置の変化にて露光装置本体12が全体的に傾い
た場合に、平面磁気浮上型リニアアクチュエータ44の
制御応答を数Hzにて制御することにより、その傾き方
向に可動型定盤38が移動する低周波位置ずれを防止す
るようになっている。
【0218】また、m:M=1:9に設定しても、ウエ
ハステージWSTが300mmフルに移動すれば、可動
型定盤38も30mm程度反対方向に動くが、ショット
露光間の非スキャン方向ステッピング長はせいぜい30
mm程度なので、その時の可動型定盤38の移動は3m
m程度である。そこで、本実施形態では、ウエハステー
ジコントローラ78が、スキャン露光後の同期制御性能
に影響を及ぼさないウエハステージ減速時(非スキャン
方向ステッピング加速時)に可動型定盤38駆動用の平
面磁気浮上型リニアアクチュエータ44のステッピング
と同方向応答周波数を数十Hzに上げ、可動型定盤38
の定盤22に対するXY方向の相対移動の位置を検出す
る位置計測装置としてのリニアエンコーダ45(図5
(B)参照)を用いたフィードバック制御により、可動
型定盤38がステッピング前の元の位置に戻るように制
御するようになっている。これにより、可動型定盤38
の移動量を小さくすることが可能となり(図5(A)中
の仮想線38’参照)、更に、その間可動型定盤38と
定盤22が固定状態と考えることができるので、ウエハ
加速度、最高速度も10%向上させることができる。
【0219】このような制御方法は、それ以外のアライ
メント間でのウエハステージWSTの移動や、ウエハを
交換する際のローディング位置への移動時にも同様に適
用することができる。
【0220】また、架台部16を支持する防振装置20
には、床振動等の高周波振動防止のためのエアパット及
び、それに伴う低周波振動除去のためのリニアアクチュ
エータが搭載されているが、レチクルステージRST、
ウエハステージWSTの位置により僅かに装置が傾くこ
とがある。この場合、防振装置20を構成する前記リニ
アアクチュエータに所定の電圧をかけ続けて傾きを修正
する必要があるが、常時アクチュエータに負荷をかける
ので、アクチュエータ等の部品の寿命を縮めることにな
る。このような場合に、本実施形態では、ウエハステー
ジコントローラ78が上記の如くして可動型定盤38を
所定量移動させて、装置全体の重心を強制することで、
装置傾きを修正し、リニアアクチュエータに負荷がかか
らないようにすることができ、アクチュエータ等の部品
の寿命を延ばすことが可能になる。
【0221】上記のような種々の工夫により、本実施形
態では、可動型定盤38の形状及びその移動範囲を、ウ
エハステージWSTの形状と移動範囲に応じて、図5
(A)中の実線及び仮想線でそれぞれ示すような頂点の
無い三角形状としている。この場合、ウエハステージW
STのスキャン方向(走査方向)は図5(A)中の紙面
上下方向である。本実施形態では、定盤22をほぼ正方
形に形成し、これを支持する4つの防振装置20を剛性
を上げるために4角形の配置としているが、スペースを
有効に生かすために、定盤22の形状を図5(A)中の
仮想線38’で示されるのと同様の形状にし、防振装置
20を図5(A)中の点線20’で示されるような3点
配置としても良い。これにより、明らかに、フットプリ
ントを改善することが可能である。但し、この場合に
は、防振装置の剛性を上げることが必要である。
【0222】なお、これまでの説明から明らかなよう
に、本実施形態では、第2可動体としての可動型定盤3
8を所定の応答周波数で駆動可能な駆動系が平面磁気浮
上型リニアアクチュエータ44で構成され、この駆動系
を介して数Hz以下の応答周波数で可動型定盤38を位
置制御する制御装置がウエハステージコントローラ78
によって構成されている。さらに、本実施形態では、平
面磁気浮上型リニアアクチュエータ44とウエハステー
ジコントローラ78とによって、定盤22上で可動型定
盤38を低応答周波数で駆動し、またウエハWの露光動
作、及びアライメント動作以外では位置計測装置(リニ
アエンコーダ45)の出力に基づいて、可動型定盤38
を定盤22上の所定点に位置決めする第2駆動装置が構
成されている。
【0223】次に、レチクルステージRSTとウエハス
テージWSTとを走査方向(Y方向)に相対移動させる
ステージ制御系(ウエハステージコントローラ78、レ
チクルステージコントローラ33、同期制御系80)に
よって行われる1つのショット領域の露光の際のウエハ
ステージの基本的な走査手順について図7を参照しつ
つ、簡単に説明する。
【0224】図7(A)には、投影光学系PLの有効フ
ィールドPL’に内接するウエハ上のスリット状の照明
領域(レチクルR上の照明領域と共役な領域;以下「照
明スリット」という)STとショット領域S1との関係
が平面図にて示され、図7(B)には、ステージ移動時
間とステージ速度との関係が示されている。なお、実際
には、ショット領域S1が照明スリットSTに対して矢
印Yの反対方向に移動することで露光が行なわれるのだ
が、ここでは、図7(B)のステージ移動時間とステー
ジ速度の関係表と対応付けるため、ウエハ上照明スリッ
トSTがショット領域S1に対し移動するように示され
ている。
【0225】まず、基本的(一般的な)走査手順として
は、ショット領域S1のショット端から所定量離れた位
置に照明スリットSTの中心Pが位置付けられ、ウエハ
ステージWSTの加速が開始される。ウエハステージW
STが所定の速度に近づいた時点で、レチクルRとウエ
ハWの同期制御が開始される。このウエハステージの開
始時点から同期制御の開始時点までの時間t1を、加速
時間と呼ぶ。同期制御開始後、ウエハとレチクルの変位
誤差が所定の関係になるまでレチクルステージRSTに
よる追従制御が行われ、露光が開始される。この同期制
御開始後、露光開始までの時間t2を、整定時間と呼
ぶ。
【0226】上記の加速開始から露光開始までの時間
(t1+t2)がプリスキャン時間と呼ばれる。加速時
間t1での平均加速度をa、整定時間をt2とすると、
プリスキャン時における移動距離は(1/2)・a・t
2+a・t1・t2で表わされる。
【0227】また、等速移動により露光が行われる露光
時間t3は、ショット長をL、照明スリットSTの走査
方向の幅をwとした場合、t3=(L+w)/(a・t
1)となり、移動距離はL+wとなる。
【0228】このt3の終了時点でショット領域S1に
対するレチクルパターンの転写は終了するが、スループ
ット向上のため、ステップ・アンド・スキャン方式で
は、通常レチクルRを交互スキャン(往復スキャン)さ
せることで、順次次のショットに対する露光を行なうの
で、前記プリスキャンでの移動距離と同じ距離だけ、露
光終了時点から更にレチクルRを移動して、レチクルR
を次ショット露光のための走査開始位置まで戻す(従っ
て、これに対応してウエハWも走査方向に移動させる)
ことが必要である。このための時間が、等速度オーバー
スキャン時間t4、減速オーバースキャン時間t5であ
り、総じて(t4+t5)がオーバースキャン時間であ
る。このオーバースキャン時間における移動距離は、減
速オーバースキャン時間t5における減速度をbとする
と、−(1/2)・b・t52−b・t5・t4とな
り、この距離が(1/2)・a・t12+a・t1・t
2となるようにt4、t5、減速度bが設定される。
【0229】一般の制御系ではa=−bなので、t1=
t5、t2=t4に設定するのが最も容易な制御法とな
る。このように、スキャン露光では等速同期スキャンを
行なうために、プリスキャン距離及び、オーバースキャ
ン距離が必要となり、ウエハ周辺ショットを露光する場
合であっても、プリスキャン及びオーバースキャン時の
間で干渉計光束が反射面(移動鏡)から外れることがあ
ってはならない。そのため、反射面をその分長くしてお
く必要がある。
【0230】次に、図7(C)を用いて本実施形態にお
ける基板テーブルTBの各反射面の長さの設定について
説明する。図7(C)には、ウエハステージWST(基
板テーブルTB)が矢印Y方向にスキャンすることでウ
エハ周辺のショット領域Sを露光する場合のウエハ周辺
ショットSと移動鏡長延長分(L0,L1+L2,L
3)との関係が示されている。この図7(C)におい
て、干渉計ビームRIX1、RIX2の延長線がウエハ
W外周と交差する時の反射面60a、60cの長さが最
低必要な反射面の長さとなる。これに、ショットSがウ
エハW外周に欠けた状態で露光できるとした時の欠け分
仮想ショット長をL3、前述したプリスキャン及びオー
バースキャンに要する距離をL1+L2、干渉計ビーム
をXY面内で2本の測長ビームとした場合の該2本の測
長ビームの中心位置(点線部)と各測長ビームの中心ま
での距離と各ビーム半径と所定のマージンとの総和をL
0とすると、反射面の延長分はL0+L1+L2+L3
となり、その値が基板テーブルTBの三角形の頂点より
も小さくなるように、反射面の長さが設定されている。
これにより、スキャン露光時に反射面から測長ビームが
外れるという不都合を防止している。但し、ウエハ外周
でのショットはショット長L分完全に露光する必要は無
いので、ウエハ上に露光される部分のみを露光するよう
に制御することで、移動鏡の延長分をL0+L1+L2
としても良い。
【0231】1つのショット領域の露光の際のウエハス
テージの基本的な走査手順は、先に説明した通りである
が、隣接した複数のショット領域に順次レチクルパター
ンを露光する場合のウエハステージWST(基板テーブ
ルTB)の移動制御方法について、次に説明する。ここ
では、一例として図8(A)に示される隣接したショッ
トS1,S2,S3を順次露光する場合について説明す
る。
【0232】図8(A)は、ショットS1,S2,S3
を順次露光する場合のウエハ上照明スリットSTの中心
Pが各ショット上を通過する軌跡を示したものである。
この図8(A)から明らかなように、ウエハステージコ
ントローラ78及び同期制御系80では、スキャン方向
(Y方向)へのウエハステージWSTのプリスキャン及
びオーバースキャンと、非スキャン方向(X方向)への
ウエハステージWSTのステッピングを同じタイミング
で行っている。ところで、前述の如く、プリスキャン時
間にはレチクルRをウエハWに完全に追従させるための
整定時間t2が含まれるため、非スキャン方向に関する
加減速制御はできるだけ整定時間t2の開始時点より早
く終了していることが望ましい。これを実現するため、
本実施形態では、ウエハステージコントローラ78及び
同期制御系80では、露光終了に続くウエハステージW
STのスキャン方向での等速オーバスキャン時間t4の
間に、ウエハステージWSTの非スキャン方向でのステ
ッピングを開始することとしており、その等速オーバス
キャン時間t4分だけ早く非スキャン方向に発生する加
減速制御を終了するような制御を行う。図8(B)に
は、この場合のウエハステージWSTのスキャン方向の
速度Vyと時間の関係が示され、図8(C)にはそれに
対応した非スキャン方向の速度Vxと時間の関係が示さ
れている。このウエハステージの移動制御方法による
と、整定時間t2の間はスキャン方向の同期制御のみに
専念できるので、整定時間t2(従ってt4も)の短縮
が可能となる。
【0233】ここで、ステッピング方向をX軸、スキャ
ン方向をY軸とし、ショットS1の露光時スキャン速度
を−VY、ステッピング時最高速度をVXとした場合に
ついて、時間配分を各軸について具体的に考えるものと
する。
【0234】まずスキャン方向について考えると、ショ
ットS1の露光が終了して等速オーバスキャン時間t4
後に、ウエハステージWSTは減速(図8(A)中の−
Y方向に速度を有する時の+Y方向の加速)を開始す
る。このときの減速度をayとすると、図8(A)中の
点O(0,0)を基準点としてウエハステージWST
は、時間t4の間に−VY・t4だけスキャン方向に進
み、その後は、時間t4経過の時点を時間の基準点とし
て、−VY・t+(1/2)・ay・t2というように
変化し、−VY・t+(1/2)・ay・t2=−VY
・t・(1/2)を満足する時点、すなわちt=ty
=VY/ay(図8(B参照)となった時点でショット
S2に対するプリスキャンが開始される分岐点B(図8
(A)参照)となる。その後加速期間は、加速開始点を
時間の基準として1/2・ay・t2の軌跡を取り、ty
1=VY/ayとなるまで加速し続け、その後、レチク
ルRとウエハWの同期制御期間としてのt2を経て、露
光が開始される。露光時間t3はt3=(ショット長L
y+照明スリット幅w)/VYで表わされる。
【0235】次にステッピング方向を考えると、ショッ
トS1の露光が終了後すぐに、ウエハステージWSTは
加速を開始する。加速度をaxとすると、ウエハステー
ジWSTのX座標は図6(A)中の点0を基準点として
(1/2)・ax・t2となり、t=tx5=VX/ax
(図8(C)参照)にて最高速度に達する。ここで、ス
テッピング長Lx≦ax・tx2の場合は、tx5=√
(Lx/ax)の時点から減速(+X方向に速度を有す
る時の−X方向の加速)を開始する。その後減速期間は
減速開始点を時間の基準点として、ax・tx5・t−
(1/2)・ax・t2のように変化し、ax・tx5・
t−(1/2)・ax・t2=(1/2)・ax・tx
・tとなる時点、すなわち減速開始点から時間tx5を
経過する時点まで減速して停止する。
【0236】すなわち、スキャン方向は、図8(B)に
示されるように、前ショットの露光終了時点からt4+
y5+ty1+t2で次ショットの露光を開始するが、
ステッピング方向には図6(C)に示されるように、前
ショットの露光終了時点からtx5+t4+tx1の時点
では加減速が終了しており、これより、ty1=tx1,
y5=tx5とした場合、前述の如くt2=t4である
ことを考慮すると、スキャン方向の整定時間t2のにお
ける同期制御開始よりt4だけ早くステッピング動作が
終了することが分かる。
【0237】このことを、別の表現にすれば、スキャン
方向の速度がゼロとなる点、すなわち減速が終了して次
ショットの露光のための加速が開始される点である図8
(A)のB点(Bx,By)のX座標BxがショットS
1とS2の境界よりS2寄りとなるように、ウエハステ
ージWSTのスキャン方向のオーバースキャン及びプリ
スキャン動作に並行して、非スキャン方向のステッピン
グ動作が行われるように、ウエハステージコントローラ
78及び同期制御系80が、ウエハステージWSTの
X、Yそれぞれの方向の移動を制御するようになってい
るということである。
【0238】また、今までの説明ではステッピング時の
加速度を±axとしていたが、加速時のaxに対し減速
時の加速度を−bxとし、|−bx|<axとなる条件
に設定すれば、加速時と減速時とで加速度の大きさを同
一にした場合に比べると、ステッピング時間は長くかか
るものの、減速時の加速度の大きさそのものが小さくな
るので、その減速に伴うウエハステージWSTを含む装
置振動自体を小さく抑えられるという効果がある。従っ
て、非スキャン方向のステッピングが終了した時点にお
ける整定時間が短くなる。
【0239】また、上記の説明では、ステッピング長L
x≦ax・tx2の場合を説明したが、Lx>ax・t
x2の場合、tx6=(Lx−ax・tx2)/VXを
満足する時間tx6だけ最高速度VXにて走査後に減速
動作に入るようにウエハステージWSTのX方向位置を
制御すればよいこととなる。但し、いずれにしてもt4
+ty5+ty1≧tx5+tx6+tx1となるように加
速度ax,最高速度VXを設定することが重要である。
このようにすれば、ステッピング時間は全てプリスキャ
ン及びオーバスキャンと並行動作されることとなり、ス
ループットが向上する。
【0240】次に、上述したプリスキャンとオーバース
キャンに関連して必要となるウエハステージ非走査方向
計測用反射面(移動鏡)の延長距離とウエハ1枚を露光
するのに要する時間との、スキャン速度に対する関係に
ついて説明する。
【0241】図9(A)、(B)には、前述したt4+
y5+ty1≧tx5+(tx6)+tx1の場合に、ス
リット幅8mm、ショット長33mm、ショット幅25
mm、ショット数65(12インチウエハで33×25
のショットサイズでとれるウエハショット数)、最小パ
ルス数32、レーザ周波数1k〜2kHz可変制御、干
渉計ビーム径5mm、ダブルパス干渉計間隔19mm、
ヨーイング計測用干渉計間隔35mmとした時の、従来
の4角形型ステージを用いたステップ・アンド・スキャ
ン方式の投影露光装置の実測データが示されている。こ
の内、図9(A)は投影倍率を1/4倍として,(レチ
クル加速度Ar,整定時間t2)=(3G,22m
s)、(4G,36ms)、(4G,22ms)の3条
件で、レチクルスキャン最高速度Vrを変化させたとき
に必要となるウエハ側移動鏡の延長距離を示し、図9
(B)は、図9(A)と同じ条件下でレチクルスキャン
最高速度Vrを変化させたときにウエハ1枚露光する間
の時間を示している。
【0242】また、図10(A)には、図9(A)に対
応するグラフが、横軸をレチクルスキャン最高速度、縦
軸を移動鏡の延長距離として示され、図10(B)に
は、図9(B)に対応するグラフが、横軸をレチクルス
キャン最高速度、縦軸をウエハ1枚露光する間の時間と
して示されている(ウエハ加速度、速度はレチクル条件
に投影倍率をかけたものである)。
【0243】これら図9、図10からわかるように、例
えば、(4G,36ms)の条件ではVrを2000m
m/sとした時、移動鏡延長距離61mm,露光時間1
6.5秒/ウエハとなり、最もスループットが向上す
る。しかしながら、露光所要時間はVrが1500mm
/sのときと2000mm/sとときとを比べても僅か
に0.2秒しか差が無く、その他のウエハ交換時間、ア
ライメント時間を15秒とした場合でも、時間当たりの
ウエハ処理枚数は、3600/(16.7+15)=1
14.28枚/h、3600/(16.5+15)=1
13.56枚/hであり、1枚程度の差にしかならな
い。これに対し、同じ条件での移動鏡の延長分の差は6
1.0−41.1=19.9mm(片方向)となり、一
辺が300mmの4角形ステージを考えると、ステージ
の面積の増加分、すなわち重量の増加分は19.9×2
/300で約13%にもなり、制御性に大きな影響があ
る。従って、スキャン時加速度Ar/4(ウエハ側加速
度でay)とスキャン速度Vr/4(ウエハ側速度でV
Y)はty1+t2+t3+t4+ty5が最も小さくな
る時の条件(ty1=ty5、t2=t4、ayを固定と
する)、即ち、VY/ay+t2+(Ly+w)/VY
の極小点によって定められるウエハ速度条件に対し、ス
ループット劣化が1%以内で抑えられるところまで速度
条件を落として設定する方が、ウエハステージ制御性の
観点からは効率が良い。
【0244】例えば、(4G,36ms)、(4G,2
2ms)の条件を比較してみると、ウエハステージ制御
性が低下したことによる整定時間の悪化の方が、はるか
にスループットを悪化させていることが確認できる。
【0245】以上は、従来の4角形ステージについての
ものであるが、これに比べれば影響の程度には差がある
ものの、本実施形態の正三角形状のウエハステージWS
Tの場合にも同様のことが言え、上記と同様の観点から
速度条件を設定することが望ましい。
【0246】次に、図11を用いて、図2の干渉計シス
テムを構成する第1、第2、及び第3の干渉計76X
1、76Y、76X2の測長ビームの装置中での配置及
びウエハステージコントローラ78による基板テーブル
TBのX、Y位置及び回転の演算方法等について詳述す
る。図11は、ウエハWを交換するためのローディング
ポジションにウエハステージWSTが位置する可動型定
盤38近傍の平面図である。
【0247】この図11に示されるように、XY座標系
(ステージ座標系)上でのウエハステージWSTの位置
をモニタするための干渉計76X1,76Y,76X2
は、平面視でそれぞれ測長ビームを2本有し、これら各
2本の測長ビームは、ヨーイング計測用にそれぞれ2本
の独立した光束として基板テーブルTBの3つの反射面
60a、60b、60cを照射している(なお、傾斜方
向計測用の干渉計測長ビームは図示が省略されてい
る)。
【0248】第1、第3の干渉計76X1,76X2か
らそれぞれ射出される一方の測長ビーム(第1測長軸R
IX11、第3測長軸RIX21の測長ビーム)の延長線及
び、第2の干渉計16Yから射出している2本の測長ビ
ームの中心線の延長線が交差する位置に投影光学系PL
の光軸が位置しており、また、干渉計76X1,76X
2からそれぞれ射出している残りの測長ビーム(第2測
長軸RIX12、第4測長軸RIX22の測長ビーム)の延
長線が交差する位置であって、第2の干渉計16Yから
射出している2本の測長ビームの中心線の延長線が交差
する位置に、アライメント光学系ALGの検出中心が位
置している。
【0249】この場合、ウエハステージコントローラ7
8では、常に、干渉計76Yから射出される2本の測長
ビームによるY軸方向位置の計測値y1,y2の平均値
(y1+y2)/2を基板テーブルTBのY位置として
算出する。すなわち、干渉計76Yの実質的な測長軸
は、投影光学系PLの光軸及びアライメント光学系AL
Gの検出中心を通るY軸である。この干渉計76Yから
射出される2本の測長ビームは、いかなる場合にも基板
テーブルTBの第2反射面60bから外れることがない
ようになっている。また、基板テーブルTBの回転(ヨ
ーイング)は、干渉計76X1,76X2、76Yのい
ずれの各2つの計測値を用いても求めることはできる
が、後述するように、アライメントの際に干渉計76X
1,76X2の測長ビームの1本が基板テーブル反射面
から外れる可能性があるため、ウエハステージコントロ
ーラ78では、基板テーブルTBの回転も干渉計76Y
から射出される2本の測長ビームによるY軸方向位置の
計測値のy1,y2の差に基づいて演算するようになっ
ている。なお、干渉計76X1,76X2、76Yのそ
れぞれの計測値に基づいて各々回転を求められる場合に
は、ウエハステージコントローラでは、それぞれ求めた
回転量の任意のいずれか、あるいは任意の2つ又は3つ
の加算平均により回転を求めるようにしても良い。
【0250】また、本実施形態では、第1の干渉計76
X1は、Y軸方向に対して所定角度θ1(θ1はここで
は−60°)傾斜した方向の干渉計ビームRIX1を第
1反射面60aに垂直に照射し、第3の干渉計76X2
は、Y軸方向に対して所定角度θ2(θ2はここでは+
60°)傾斜した方向の干渉計ビームRIX2を第3反
射面60cに垂直に照射する。
【0251】従って、干渉計ビームRIX1の反射光に
基づいて計測される計測値をX1、干渉計ビームRIX
2に基づいて計測される計測値をX2とすると、次式
(1)により、ウエハステージWSTのX座標位置を求
めることができる。 X={(X1/sinθ1)−(X2/sinθ2)}×(1/2)…(1)
【0252】この場合、干渉計ビームRIX1とRIX
2とは、Y軸に関して対称な方向となっているので、s
inθ1=sinθ2=sinθであるから、 X=(X1−X2)/(2sinθ)…(1’) によりウエハステージWSTのX座標位置を求めること
ができる。
【0253】但し、いわゆるアッベ誤差が生じないよう
にすることが重要であるから、ウエハステージコントロ
ーラ78では、露光時には干渉計76X1、76X2か
ら投影光学系PLの光軸に向けてそれぞれ射出される第
1、第3測長軸の測長ビームの計測値を用いて、上式
(1)’によりウエハステージWSTのX位置を演算
し、アライメント時には干渉計76X1、76X2から
アライメント光学系ALGの検出中心に向けてそれぞれ
射出される第2、第4測長軸の測長ビームの計測値を用
いて、上式(1)’によりウエハステージWSTのX位
置を演算するようになっている。
【0254】但し、ウエハステージWSTの走査方向に
対して、第1、第3反射面60a、60cの傾きが予め
定められた角度(θ1+90°)、(θ2−90°)に
それぞれなるように設定する必要がある。予め第1、第
3反射面60a、60cの傾きがそのようになるように
調整し、その後、ウエハステージWST上の基準マーク
板FMを用いたレチクルアライメント時にθ1及びθ2
の残留傾き差を計測し、その差分に基づいて、上記式
(1)又は(1)’で求めたXを補正することで安定し
たステージ位置の計測を行なうことができる。
【0255】また、本実施形態の場合、従来の2方向干
渉計と異なり、相互に120°回転した位置に各干渉計
光束があるので、一方向から干渉計光路用空調を行なう
と、少なくとも1ヶ所はウエハステージWSTの影に隠
れて空調が困難となる。そのため、3ヶ所の内、少なく
とも2ヶ所に対して独立に空調を行なう吹き出し口をを
設けており、3ヶ所の干渉計光束に対し淀みなく温調さ
れた気体を送風できるような構成となっている。この送
風方法としては干渉計側からステージに向けて送風する
光束平行空調方法と、光束の上から下に向けて送風する
光束直交空調方法があるが、熱源の位置に応じて熱源が
風下にくるように、各軸独立に空調方法を選択すれば良
い。
【0256】次に、本実施形態の走査型露光装置10に
おけるウエハ交換から露光終了までの動作を、ウエハス
テージWSTに関する動作を中心として図11から図1
4を参照しつつ説明する。
【0257】図11に示されるウエハローディング位置
では、干渉計システム76の全ての干渉計からの全ての
測長ビームが基板テーブルTBのそれぞれの反射面に照
射されている。これは、ウエハ交換と同時に基準マーク
板FM上の異なるマークを投影光学系PL内を透過する
露光光を用いる不図示のレチクルアライメントセンサ
と、前記アライメント光学系(オフアクシス・アライメ
ントセンサ)ALGとにより同時に観察できるように、
基準マーク板FMを基板テーブルTBの三角形頂点部の
一端に配置したため、このときに測長ビームが基板テー
ブルTBのそれぞれの反射面から外れないようにしたも
のである。これにより、ウエハ交換と同時に、アンロー
ドされる露光済みウエハの露光の際に、反射面(移動
鏡)からその測長ビームが外れたアライメント光学系A
LG用の干渉計のリセット動作、レチクルアライメント
及びベースライン計測を行なうことが可能になってい
る。このレチクルアライメント、ベースライン計測には
特開平7−176468号公報に開示されるクイックア
ライメントモードが使用される。図11には、ウエハW
上の1回のスキャンで露光可能なショットを実線で書き
入れており、四角形の破線は、プリスキャン、オーバー
スキャンでウエハステージWSTが移動しなければなら
ない位置を示している。
【0258】上記のウエハ交換及びベースライン計測が
終了した時点でアライメント、例えば特開昭61−44
429号公報に開示されるエンハンスト・グローバル・
アライメント(EGA)によるサンプルアライメントが
実行される。すなわち、ウエハステージWSTは、図1
2のウエハW上に記入された矢印(→)に従った順序
で、ウエハ上の少なくとも3つのショット(図12では
8個のショット)にそれぞれ形成されたアライメントマ
ークがアライメント光学系ALGで検出されるように移
動されるとともに、各マーク検出位置におけるウエハス
テージWSTの位置、すなわちアライメント光学系AL
Gの検出中心点(又は光軸)を測長軸が通る干渉計の計
測値を用いて、代表的な複数のマークの位置を計測す
る。この場合のアライメントマークの計測順序は次のよ
うにして決められる。
【0259】すなわち、ウエハの露光終了がローディン
グ位置に近い左上ショットとなるので、最もスループッ
トが早い完全交互スキャンを行なった時に、総露光ショ
ット行が偶数行の場合は左下ショット、奇数行の場合は
右下ショットが露光開始点となる。従って、基準マーク
板FMでの計測後、その位置に近いショットからアライ
メントが開始され露光開始ショット位置に近い位置でア
ライメントが終了するような効率の良い(処理時間が早
い)アライメントマークの計測順序がをウエハステージ
コントローラ78では決定するのである。
【0260】上記の計測順序に従ったEGA計測が終了
すると、ウエハステージコントローラ78によりウエハ
ステージWSTの位置計測に用いる干渉計の測長軸が露
光用干渉計光軸(第1、第3測長軸)に切り換えられた
後、ウエハW上の複数ショット領域に対するステッピン
グ・アンド・スキャン方式の露光が開始される。この場
合、図13にも示されるように、総露光行が偶数行なの
で、左下より露光が開始され、順次交互にスキャン露光
が行なわれる。最初の1行が左→右の順で露光される
と、次の行は右→左へと交互にステッピングが行なわ
れ、最終的に図14のように左上の露光が終了した時点
で、図のウエハ交換位置までウエハステージWSTが移
動するという動作を繰り返すというシーケンスとなる。
上記の交互スキャンの際に、前述した効率の良いステッ
ピング制御が行われることは、図13及び図14からも
分かる通りである。
【0261】以上説明したように、本実施形態に係る走
査型露光装置10及びこれを構成するステージ装置1に
よると、露光時に、ウエハWの非走査方向の位置を、走
査方向であるY軸に対してそれぞれθ1、θ2の角度を
成す2つの異なる方向に光軸を有する第1、第3の干渉
計76X1、76X2の計測値に基づいて演算で求め、
ウエハWの走査方向の位置はY軸方向の測長軸を有する
第2の干渉計76Yにて測長を行なうようにしたので、
基板テーブルTB(従ってウエハステージWST)の形
状を三角形状(上記実施形態では正三角形状)にするこ
とが可能となる。これにより、図15に示されるよう
に、高加減速、最高速度上昇時にも従来の四角形形状の
ステージst3に比べて、ウエハステージWSTの軽量
化を図れるとともに、フットプリントを改善し、スルー
プットを向上させることができる。図15は、干渉計多
軸化及びプリスキャン、オーバースキャンによって図中
に矢印(→)にて表示される干渉計光軸がケラレないよ
うにするための移動鏡距離悪化分Dx,Dyにより、四
角形形状ステージst3が、ウエハを保持するために必
要最低限の大きさの四角形形状ステージst1に比べて
著しく大きくなっているのに対し、本実施形態のステー
ジWSTでは同じDx,Dyの距離悪化分があってもス
テージ形状は、四角形形状ステージst3に比べてはる
かに小さいもので済むことを示している。
【0262】また、走査方向の位置を計測する第2の干
渉計76Yの計測値に基づきウエハステージWSTのヨ
ーイングを算出するようにしたので、そのヨーイング量
を露光時のウエハステージ回転誤差としてレチクルRを
保持するレチクルステージ側で補正することが可能であ
るから、ウエハステージWSTに回転制御機構が不要と
なり、その分ウエハステージを軽量化することができ
る。
【0263】また、第1、第3の干渉計76X1、76
X2のそれぞれの1光軸(第1測長軸、第3測長軸)の
延長した交点は投影光学系PLの光軸と一致し、それぞ
れ他方の光軸(第2測長軸、第4測長軸)の延長した交
点はアライメント光学系ALGの検出中心と一致させて
いるので、露光時及びアライメント時にもアッベ誤差の
ないステージ位置の計測が可能となり、重ね合わせ精度
が向上する。
【0264】また、第1、第2及び第3の干渉計はウエ
ハWを保持するウエハステージWSTのそれぞれ異なる
側面に形成された第1、第2及び第3の反射面との距離
を測長し、ウエハステージ周辺の露光時に、レチクルR
とウエハWの相対走査時にウエハの助走,等速移動まで
の整定時間によるプリスキャン距離及び、ウエハWの露
光後の等速移動時間及び減速時間によるオーバスキャン
距離により各干渉計光軸がウエハステージWSTのそれ
ぞれ異なる第1、第2及び第3の反射面から外れないよ
うに、ウエハステージWSTの加速度及び、最高速度、
整定時間を決定することとしたので、余分に反射面を延
ばす必要がない。このため、ウエハステージ(基板テー
ブルTB)の3つの側面の範囲内に反射面を設定できる
ので、ウエハステージWSTのバランスが良くなり、ス
テージ剛性を高めることが可能となり、その結果、ウエ
ハステージのフォーカス,チルト制御応答を向上させる
ことができる。
【0265】また、前記第1、第2及び第3の各干渉計
光軸が前記ウエハステージのそれぞれ異なる第1、第2
及び第3の反射面から外れないウエハステージ上の位置
に、ベースライン計測、結像特性計測、照射量計測を行
なう基準マーク板FM及び空間像検出器kESを配置す
ることとしたので、基準マーク板FM及び空間像検出器
kESによる計測のために移動鏡(あるいは反射面)を
延ばす必要が無くなることもウエハステージWSTの軽
量化につながる。
【0266】また、ウエハステージWSTを駆動するた
めの駆動系が設置された可動型定盤38はウエハステー
ジWSTの移動時加減速に伴う反力に応じて移動するよ
うに構成したので、ウエハステージWSTの重心移動に
よる偏荷重を可動型定盤38の重心移動によりキャンセ
ルすることが可能となり、これにより防振装置20の負
荷を軽減することができるとともに、偏荷重によるボデ
ィの歪を最小限に抑えることが可能となり、レチクルR
とウエハWの位置決め精度を向上させることができる。
【0267】また、前記可動型定盤38は数Hzの応答
周波数で駆動制御可能であり、ウエハステージWSTの
移動の際の加減速時にはその反力を打ち消すように駆動
制御し、また、ステージ姿勢(偏荷重)により可動型定
盤38が任意の方向に移動しないように前記応答周波数
で制御することもできるので、レチクルの位置可変や、
環境変化による偏荷重の防止が可能となる。
【0268】更に、ウエハステージWSTの重量が可動
型定盤38の重量の1/9以下になるように設定されて
いるので、可動型定盤38がウエハステージWSTの移
動時加減速に伴う反力に応じて移動する距離が、ウエハ
ステージWSTの移動距離の1/10以下になり、可動
型定盤38の必要移動範囲を小さく設定することができ
る。
【0269】また、位置制御精度を必要とする露光及び
アライメント前の可動型定盤38の応答周波数と、それ
以外の応答周波数を可変とし、可動型定盤38は2方向
の位置がリニアエンコーダ45によってモニタされてお
り、位置制御精度を必要とする露光及びアライメント以
外の駆動動作時に可動型定盤38の位置を所定の位置に
補正することとしたので、ウエハ加減速時の反作用にて
可動型定盤38が逆方向に移動する距離を1桁以上少な
くすることができる。すなわち、露光及びアライメント
時に高精度で制御することが可能な上に、その他の条件
にて可動型定盤38の位置を任意の位置に設定し直すこ
とが可能となり、フットプリントを小さくすることがで
きる。
【0270】さらに、本実施形態の走査型露光装置10
では、レチクルRとウエハWの露光前のウエハ助走(加
速時間)によるプリスキャン及び、ウエハの露光後の等
速移動時間と減速時間によるオーバスキャンと同期して
次のショットを露光するためのウエハの非計測方向(非
スキャン方向)へのステッピングを行い、非スキャン方
向へのステッピング動作が、ウエハプリスキャンから露
光動作に移るまでの整定時間前には終了することととし
たので、スキャン前後のプリスキャン、オーバースキャ
ン時間を隣のショットにステッピングするステッピング
時間に完全にオーバーラップさせることができ、これに
より整定時間ではスキャン方向のウエハとレチクルとの
同期制御のみを行えば良いので結果的に整定時間を短縮
することができ、その分スループットを向上させること
が可能となる。
【0271】また、本実施形態では、ウエハの露光後の
等速移動時間と減速時間によるオーバスキャンに対応す
る部分の非スキャン方向加速度が、ウエハ助走(加速時
間)によるプリスキャンに対応する部分の非スキャン方
向負の加速度より絶対値が大きくなるような制御も可能
なので、高加速によるボディの揺れ等を同期制御のため
の整定時間前には完全に減衰させられるため、その分制
御性が良くなり、スループットを向上させることが可能
となる。
【0272】なお、上記実施形態では、第1可動体とし
てのウエハステージWSTが第1、第2、及び第3の反
射面(60a、60b、60c)の全てを備え、これに
対応して干渉計も第1、第2、及び第3の干渉計を備え
たステージ装置1及びこれを含む走査型露光装置10に
ついて説明したが、本発明がこれに限定されることのな
いことは勿論であり、第1可動体は、第1反射面のみま
たは第3反射面のみ、これらのいずれかと第2反射面と
を備えていても良く、これに対応して第1の干渉計の
み、第3の干渉計のみ、あるいはこれらのいずれかと第
2の干渉計とを備えていても良い。
【0273】例えば、第1可動体が走査方向(第1軸方
向)及び非走査方向(第2軸方向)と交差する第1反射
面のみを備えている場合を、上記実施形態の符号を用い
て説明すれば、非走査方向については、第1の干渉計の
計測値X1を用い、X=X1/|sinθ1|、走査方
向についてはY=X1/|cosθ1|により、第1可
動体の(X、Y)座標位置を算出できるので、演算装置
としてのウエハステージコントローラ78が、このよう
な計算を行えば良い。
【0274】また、例えば、第1可動体が走査方向(第
1軸方向)及び非走査方向(第2軸方向)と交差する第
1反射面と非走査方向の第2反射面とを備えている場合
には、演算装置としてのウエハステージコントローラ7
8が、非走査方向についてはX=X1/|sinθ1|
の演算を行い、走査方向については第2の干渉計の計測
値をそのまま用いれば良い。
【0275】また、上記実施形態では、第1可動体とし
てのウエハステージWSTが移動ステージ52、レベリ
ング駆動機構、基板テーブルTB等を備えた場合につい
て説明したが、本発明がこれに限定されることはなく、
例えば、単なる板状の部材を第1可動体として用いても
構わない。かかる板状部材であっても、いわゆる2次元
平面モータ等を用いれば、XY平面に対する傾斜駆動、
Z方向駆動は可能だからである。この場合において、第
1可動体が三角形状である場合には、XY平面に対する
傾斜駆動を行うときには、を前記第1、第2、及び第3
の干渉計(76X1,76Y,76X2)の少なくとも
1つの出力に応じてXY平面に垂直な方向に駆動するよ
うに駆動装置としての2次元平面モータを構成するコイ
ルの内の第1可動体の各頂角近傍の所定の3点の内の少
なくとも1点に対応するコイルによりZ方向の駆動力を
与えるようにすることが望ましい。このようにすれば、
重心位置から遠い3つの頂点付近を駆動して傾斜調整が
なされるので、その際高い制御応答(チルト駆動制御応
答)を得ることができるからである。
【0276】また、上記実施形態では、第1、第2、及
び第3反射面60a、60b、60cの全てを基板テー
ブルTBの側面に鏡面加工にて形成する場合について説
明したが、本発明がこれに限定されるものではなく、い
ずれか任意の1つ又は2つを平面鏡から成る移動鏡の反
射面にて構成しても構わないことは勿論である。
【0277】なお、上記実施形態では、投影光学系PL
として、石英や螢石を光学硝材とした屈折光学素子(レ
ンズ)のみで構成される縮小投影レンズを用いる場合に
ついて説明したが、本発明がこれに限定されることはな
く、その他のタイプの投影光学系であっても全く同様に
適用できるものである。そこで、図16を参照して、そ
の他のタイプの投影光学系について簡単に説明する。
【0278】図16(A)は、屈折光学素子(レンズ
系)GS1〜GS4、凹面鏡MRs、ビームスプリッタ
PBSを組み合わせた縮小投影光学系であり、この系の
特徴はレチクルRからの結像光束を大きなビームスプリ
ッタPBSを介して凹面鏡MRsで反射させて再びビー
ムスプリッタPBSに戻し、屈折レンズ系GS4で縮小
率を稼いで投影像面PF3(ウエハW)上に結像する点
であり、詳しくは特開平3−282527号公報に開示
されている。
【0279】図16(B)は、屈折光学素子(レンズ
系)GS1〜GS4、小ミラーMRa、凹面鏡MRsを
組み合わせた縮小投影光学系であり、この系の特徴は、
レチクルRからの結像光束を、レンズ系GS1,GS
2,凹面鏡MRsからなるほぼ等倍の第1結像系PL
1、偏心配置の小ミラーMRa、そしてレンズ系GS
3,GS4で構成されてほぼ所望の縮小率を持った第2
結像系PL2を通して投影像面PF3(ウエハW)上に
結像させる点であり、詳しくは特開平8−304705
号公報に開示されている。
【0280】なお、上記実施形態では、アライメント光
学系としてオフアクシス・アライメントセンサALGを
用いる場合について説明したが、これに限らず、TTL
(スルー・ザ・レンズ)タイプ等のオンアクシス・アライ
メント光学系を用いても勿論良い。かかる場合には、第
2の干渉計16Yと同様に、第1、第3の干渉計76X
1、76X2から射出している2本の光束(測長ビー
ム)の中心線の延長線が交差する位置に投影光学系PL
の光軸が位置するようにし、3ヶ所全ての2軸光束で計
測した結果の差分の平均値によりウエハステージヨーイ
ングを決定すれば、ヨーイング計測精度が1/√3に向
上する。
【0281】また、上記実施形態では露光用照明光とし
て波長が100nm以上の紫外光、具体的はKrFエキ
シマレーザ又はArFエキシマレーザを用いる場合つい
て説明したが、これに限らず、例えばg線、i線などの
KrFエキシマレーザと同じ遠紫外域に属する遠紫外
(DUV)光、あるいはArFエキシマレーザと同じ真
空紫外域に属するF2レーザ(波長157nm)などの
真空紫外(VUV)光を用いることができる。なお、Y
AGレーザの高調波などを用いても良い。
【0282】さらに、DFB半導体レーザ又はファイバ
ーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長
レーザを、例えばエルビウム(又はエルビウムとイット
リビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増
幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高
調波を用いても良い。
【0283】例えば、単一波長レーザの発振波長を1.
51〜1.59μmの範囲内とすると、発生波長が18
9〜199nmの範囲内である8倍高調波、又は発生波
長が151〜159nmの範囲内である10倍高調波が
出力される。特に、発振波長を1.544〜1.553
μmの範囲内とすると、発生波長が193〜194nm
の範囲内の8倍高調波、すなわちArFエキシマレーザ
とほぼ同一波長となる紫外光が得られ、発振波長を1.
57〜1.58μmの範囲内とすると、発生波長が15
7〜158nmの範囲内の10倍高調波、すなわちF2
レーザとほぼ同一波長となる紫外光が得られる。
【0284】また、発振波長を1.03〜1.12μm
の範囲内とすると、発生波長が147〜160nmの範
囲内である7倍高調波が出力され、特に発振波長を1.
099〜1.106μmの範囲内とすると、発生波長が
157〜158nmの範囲内の7倍高調波、すなわちF
2レーザとほぼ同一波長となる紫外光が得られる。な
お、単一波長発振レーザとしてはイットリビウム・ドー
プ・ファイバーレーザを用いる。
【0285】また、上記実施形態の露光装置において、
露光用照明光としては波長100nm以上の光に限ら
ず、波長100nm未満の光を用いても良いことは勿論
である。例えば、近年、70nm以下のパターンを露光
するために、SORやプラズマレーザを光源として、軟
X線領域(例えば5〜15nmの波長域)のEUV(Ex
treme Ultraviolet)光を発生させるとともに、その露
光波長(例えば13.5nm)の基で設計されたオール
反射縮小光学系、及び反射型マスクを用いたEUV露光
装置の開発が行なわれている。この装置においては、円
弧照明を用いてマスクとウエハを同期走査してスキャン
露光する構成が考えられるので、かかる装置も本発明の
適用範囲に含まれるものである。
【0286】また、電子線又はイオンビームなどの荷電
粒子線を用いる露光装置にも本発明を適用することがで
きる。なお、電子線露光装置はペンシルビーム方式、可
変成形ビーム方式、セルプロジェクション方式、ブラン
キング・アパーチャ・アレイ方式、及びマスク投影方式
のいずれであっても良い。マスク投影方式は、マスク上
で互いに分離した250nm角程度の多数のサブフィー
ルドに回路パターンを分解して形成し、マスク上で電子
線を第1方向に順次シフトさせるとともに、第1方向と
直交する第2方向にマスクを移動するのに同期して、分
解パターンを縮小投影する電子光学系に対してウエハを
相対移動し、ウエハ上で分解パターンの縮小像を繋ぎ合
せて合成パターンを形成するものである。
【0287】なお、上記実施形態では、EUV露光装置
や電子線露光装置などでチャンバ内が真空になることを
も想定してステージの駆動系を磁気浮上型リニアアクチ
ュエータとし、チャック系にも静電吸着方式を用いる等
の工夫を行なっているが、露光波長が100nm以上の
光露光装置に於いては、エアフローによるステージ駆動
系や吸着にバキュームを用いても構わない。
【0288】ところで、上記実施形態ではステップ・ア
ンド・スキャン方式の縮小投影露光装置(スキャニング
・ステッパ)に本発明が適用された場合について説明し
たが、レチクルとウエハとをほぼ静止させた状態で、投
影光学系を介してレチクルのパターンをウエハに転写す
る動作を繰り返すステップ・アンド・リピート方式の縮
小投影露光装置(ステッパ)、あるいはミラープロジェ
クション・アライナ、プロキシミティ方式の露光装置
(例えばX線が照射される円弧状照明領域に対してマス
クとウエハとを一体的に相対移動する走査型のX線露光
装置)などにも本発明を適用できる。
【0289】また、半導体素子の製造に用いられる露光
装置だけでなく、液晶表示素子などを含むディスプレイ
の製造に用いられる、デバイスパターンをガラスプレー
ト上に転写する露光装置、薄膜磁気ヘッドの製造に用い
られる、デバイスパターンをセラミックウエハ上に転写
する露光装置、撮像素子(CCDなど)の製造に用いら
れる露光装置などにも本発明を適用することができる。
【0290】さらに、レチクル又はマスクを製造するた
めに、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パター
ンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。ここ
で、DUV光やVUV光などを用いる露光装置では一般
的に透過型レチクルが用いられ、レチクル基板としては
石英ガラス、フッ素がドープされた石英ガラス、蛍石、
あるいは水晶などが用いられる。また、EUV露光装置
では反射型マスクが用いられ、プロキシミティ方式のX
線露光装置、又はマスク投影方式の電子線露光装置など
では透過型マスク(ステンシルマスク、メンブレンマス
ク)が用いられ、マスク基板としてはシリコンウエハな
どが用いられる。
【0291】また、本発明は前述した露光装置を始めと
する、半導体素子などのマイクロデバイスの製造工程で
使用されるリソグラフィ装置だけでなく、例えばレーザ
リペア装置、検査装置などにも適用できる。さらに、マ
イクロデバイスの製造工程で使用される各種装置以外で
あっても本発明を適用できる。
【0292】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るステ
ージ装置によれば、ステージの小型・軽量化を図ること
ができるという優れた効果がある。
【0293】また、本発明に係る走査型露光装置によれ
ば、スループットの向上を図ることができるという効果
がある。
【0294】また、本発明に係る露光方法によれば、ス
テージの小型・軽量化を図ることができるという効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態の走査型露光装置を示す斜視図であ
る。
【図2】図1の走査型露光装置の内部構成を概略的に示
す図である。
【図3】図2のレーザ干渉計システムをより詳細に説明
するための図であって、(A)はレーザ干渉計システム
を構成する3つの干渉計からの干渉計ビームを基板テー
ブルTBとともに示す平面図、(B)は第2の干渉計か
らの干渉計ビームを該干渉計を構成する一部の光学系と
ともにより詳細に示す図、(C)は第2の干渉計からの
測長ビームRIY1(又はRIY2)と測長ビームRIY
3の位置関係を説明するための図である。
【図4】基板テーブル上に取り付けられた空間像検出器
の構成とそれに関連した信号処理系の構成を概略的に示
す図である。
【図5】可動型定盤の役割及びその制御方法について説
明するための図であって、(A)は定盤付近の概略平面
図、(B)は(A)の矢印A方向から見た概略正面図で
ある。
【図6】リアクションアクチュエータ及びリアクション
フレームを説明するための図である。
【図7】(A)は投影光学系の有効フィールドに内接す
るウエハ上のスリット状の照明領域とショット領域S1
との関係を示す平面図、(B)はステージ移動時間とス
テージ速度との関係を示す線図、(C)はウエハ周辺の
ショット領域Sを露光する場合のウエハ周辺ショットS
と移動鏡長延長分との関係を説明するための図である。
【図8】(A)はショットS1,S2,S3を順次露光
する場合のウエハ上照明スリットSTの中心Pが各ショ
ット上を通過する軌跡を示す図、(B)は(A)の場合
のウエハステージのスキャン方向の速度と時間の関係を
示す線図、(C)はそれに対応した非スキャン方向の速
度と時間の関係を示す線図である。
【図9】(A)は投影倍率を1/4倍として,(レチク
ル加速度Ar,整定時間t2)=(3G,22ms)、
(4G,36ms)、(4G,22ms)の3条件で、
レチクルスキャン最高速度Vrを変化させたときに必要
となるウエハ側移動鏡の延長距離を示す図表、(B)は
(A)と同じ条件下でレチクルスキャン最高速度Vrを
変化させたときにウエハ1枚露光する間の時間を示す図
表である。
【図10】(A)は図9(A)に対応するグラフを横軸
をレチクルスキャン最高速度、縦軸を移動鏡の延長距離
として示す図、(B)は図9(B)に対応するグラフを
横軸をレチクルスキャン最高速度、縦軸をウエハ1枚露
光する間の時間として示す図である
【図11】ウエハWを交換するためのローディングポジ
ションにウエハステージが位置するときの可動型定盤近
傍の平面図である。
【図12】行われるアライメント測の際のステージのウ
エハステージの移動の様子を示す可動型定盤近傍の平面
図である。
【図13】露光開始時の位置にウエハステージが位置す
るときの可動型定盤近傍の平面図である。
【図14】露光終了時の位置にウエハステージが位置す
るときの可動型定盤近傍の平面図である。
【図15】本実施形態の効果を説明するための図であっ
て、干渉計多軸化及びプリスキャン、オーバースキャン
に起因する移動鏡距離悪化分があっても、本実施形態の
ウエハステージが従来の四角形形状ステージに比べ、小
型にできることを示す図である。
【図16】(A)は投影光学系を反射屈折光学系とした
一例を示す図、(B)は投影光学系を反射屈折光学系と
したその他の例を示す図である。
【符号の説明】
1…ステージ装置、10…走査型露光装置、16…架台
部(第1架台)、20…防振装置、22…定盤、26…
脚部(第2架台の一部)、28… レチクルベース定盤
(第2架台の一部)、33…レチクルステージコントロ
ーラ(ステージ制御系の一部)、38…可動型定盤(第
2可動体)、42…第1の平面磁気浮上型リニアアクチ
ュエータ(駆動装置)、44…第2の平面磁気浮上型リ
ニアアクチュエータ(駆動系、第2駆動装置の一部)、
45…リニアエンコーダ(位置計測装置、位置検出
器)、52…移動ステージ(第2プレート)、56…駆
動系(アクチュエータ制御装置)、58…レベリング駆
動機構(駆動機構)、60a…第1反射面、60b…第
2反射面、60c…第3反射面、66…同期制御系(ス
テージ制御系の一部)、70…弾性体、72…リアクシ
ョンフレーム(アクチュエータを有するフレーム)、7
6X1…第1の干渉計、76Y…第2の干渉計、76X
2…第3の干渉計、78…ウエハステージコントローラ
(ステージ制御系の一部、演算装置、制御装置、第2駆
動装置の一部)、R…レチクル(マスク)、PL…投影
光学系、ALG…アライメント光学系(オフアクシス・
アライメントセンサ)、FM…基準マーク板、KES…
空間像検出器(センサ)、BS…ベースプレート、RI
X11…第1測長軸、RIX12…第2測長軸、RIX21…
第3測長軸、RIX22…第4測長軸、W…ウエハ(基
板、感応基板)、WST…ウエハステージ(第1可動
体、基板ステージ)、TB…基板テーブル(第1プレー
ト)、ZACX1、ZACX2、ZACY…アクチュエ
ータ、RST…レチクルステージ(マスクステージ)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 21/30 518 520A

Claims (97)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板を保持して2次元平面内を移動する
    第1可動体と;前記第1可動体に設けられ、前記2次元
    平面内で所定の第1軸及びこれに直交する第2軸と交差
    する方向に沿って延びる第1反射面と;前記第1反射面
    に垂直に測長ビームを照射してその反射光を受光するこ
    とにより前記第1可動体の第3軸方向の位置を計測する
    第1の干渉計と;前記第1の干渉計の計測値に基づいて
    前記第1可動体の前記第1軸及び第2軸で規定される直
    交座標系上の位置座標を演算する演算装置とを備えるス
    テージ装置。
  2. 【請求項2】 前記第1可動体に設けられ、前記第2軸
    方向に延びる第2反射面と;前記第2反射面に垂直に測
    長ビームを照射してその反射光を受光することにより前
    記第1可動体の前記第1軸方向の位置を計測する第2の
    干渉計とを更に備え、前記演算装置が、前記第1の干渉
    計の計測値に基づいて前記第1可動体の前記第2軸方向
    の位置座標を演算することを特徴とする請求項1に記載
    のステージ装置。
  3. 【請求項3】 前記演算装置が、前記第1の干渉計の計
    測値と前記第2の干渉計の計測値との両者に基づいて前
    記第1可動体の前記第1軸方向の位置及び前記第2軸方
    向の位置の少なくとも一方を演算することを特徴とする
    請求項2に記載のステージ装置。
  4. 【請求項4】 前記第1可動体に設けられ、前記2次元
    平面内で前記第1軸及びこれに直交する第2軸と交差
    し、かつ前記第1反射面とは異なる方向に延びる第3反
    射面と;前記第3反射面に垂直に測長ビームを照射して
    その反射光を受光することにより前記第1可動体の第4
    軸方向の位置を計測する第3の干渉計とを更に備え、 前記演算装置が、前記第1及び第3の干渉計の計測値に
    基づいて前記第1可動体の前記第1軸及び第2軸で規定
    されるステージ座標系上の前記第2軸方向の位置を演算
    することを特徴とする請求項2に記載のステージ装置。
  5. 【請求項5】 前記第1の干渉計は、前記2次元平面と
    直交する方向に離れた2軸の測長ビームを前記第1反射
    面に照射し、それぞれの反射光を受光することにより各
    測長軸毎に前記第1可動体の第3軸方向の位置を計測
    し、 前記演算装置は、前記第1の干渉計の前記計測値に基づ
    いて前記第1可動体の前記2次元平面に対する傾斜をも
    算出することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項
    に記載のステージ装置。
  6. 【請求項6】 前記第1の干渉計は、前記2次元平面と
    平行な方向に離れた2軸の測長ビームを前記第1反射面
    に照射し、それぞれの反射光を受光することにより各測
    長軸毎に前記前記第1可動体の第3軸方向の位置を計測
    し、 前記演算装置は、前記第1の干渉計の前記計測値に基づ
    いて前記第1可動体の前記2次元平面内での回転をも算
    出することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に
    記載のステージ装置。
  7. 【請求項7】 前記第2の干渉計は、前記第2反射面上
    で同一直線上に無い3軸の測長ビームを前記第2反射面
    に照射し、それぞれの反射光を受光することにより各測
    長軸毎に前記第1可動体の前記第1軸方向の位置を計測
    し、 前記演算装置は、前記第2の干渉計の前記計測値に基づ
    いて前記第1可動体の前記2次元平面内での回転及び前
    記第1可動体の前記2次元平面に対する傾斜をも算出す
    ることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載
    のステージ装置。
  8. 【請求項8】 前記第1反射面は、前記第1可動体の端
    面に形成されていることを特徴とする請求項1〜7のい
    ずれか一項に記載のステージ装置。
  9. 【請求項9】 前記第1可動体はほぼ三角形状であり、
    前記第2反射面は、前記第1可動体の端面に形成されて
    いることを特徴とする請求項2、3、4、7のいずれか
    一項に記載のステージ装置。
  10. 【請求項10】 前記第1可動体の各頂角近傍の所定の
    3点の内の少なくとも1点を前記第1、第2、及び第3
    の干渉計の少なくとも1つの出力に応じて前記2次元平
    面に垂直な方向に駆動する駆動装置を更に備えることを
    特徴とする請求項9に記載のステージ装置。
  11. 【請求項11】 前記各干渉計が、それぞれの反射面上
    で同一直線状にない3軸の測長ビームを対応する反射面
    にそれぞれ照射し、それぞれの反射光を受光して各測長
    軸毎に、前記第1可動体の各測長軸の方向の位置を計測
    し、 前記演算装置が前記第1、第2、及び第3の干渉計の内
    の任意のいずれか、又は任意の2つ又は3つの干渉計の
    各測長軸の計測値を用いて前記第1可動体の前記2次元
    平面内の回転及び前記2次元平面に対する傾斜を演算す
    ることを特徴とする請求項4に記載のステージ装置。
  12. 【請求項12】 前記第1可動体が、前記2次元平面内
    で移動する第2プレートと、この第2プレート上に搭載
    されたレベリング駆動機構と、このレベリング駆動機構
    により支持され前記基板を保持する第1プレートとを有
    し、 前記第1プレートに前記第1、第2及び第3反射面が設
    けられ、 前記レベリング駆動機構が、前記第1プレートを前記第
    1、第2、及び第3の干渉計の測長軸のそれぞれのほぼ
    延長線上の異なる3点で支持するとともに各支持点で前
    記2次元平面に垂直な方向に独立して駆動可能な3つの
    アクチュエータを含み、 前記演算装置が、前記第1、第2、及び第3の干渉計の
    計測値を用いて前記第1反射面、第2反射面、第3反射
    面の前記2次元平面に対する傾斜をそれぞれ演算し、 前記演算装置の演算結果に応じて前記3つのアクチュエ
    ータを制御するアクチュエータ制御装置を更に備えるこ
    とを特徴とする請求項11に記載のステージ装置。
  13. 【請求項13】 定盤と;前記第1可動体がその上部に
    配置されるとともに、前記定盤上に配置され、かつ前記
    定盤、及び前記第1可動体の夫々に対して相対移動が可
    能な第2可動体とを更に備え、 前記第1可動体の移動によって生じる反力に応じて前記
    第2可動体が移動するように構成されていることを特徴
    とする請求項1〜12のいずれか一項に記載のステージ
    装置。
  14. 【請求項14】 前記定盤上に設けられた前記第2可動
    体を所定の応答周波数で駆動可能な駆動系と;前記駆動
    系を介して数Hz以下の応答周波数で前記第2可動体を
    位置制御する制御装置とを更に備えることを特徴とする
    請求項13に記載のステージ装置。
  15. 【請求項15】 前記請求項4に記載のステージ装置を
    備える走査型露光装置であって、 マスクを保持するマスクステージと;前記マスクステー
    ジと前記ステージ装置を構成する第1可動体とを同期し
    て前記第1軸方向に沿って相対移動させるステージ制御
    系とを備え、 前記ステージ制御系による前記マスクステージと前記第
    1可動体との相対移動時に前記マスクに形成されたパタ
    ーンを前記第1可動体上の基板に転写することを特徴と
    する走査型露光装置。
  16. 【請求項16】 前記第1及び第3の干渉計は、それぞ
    れ2軸の干渉計であり、 前記マスク及び前記基板の夫々と直交する光軸を有する
    投影光学系と、 前記投影光学系とは別個に設けられたアライメント光学
    系とを更に備え、 前記第1及び第3の干渉計のそれぞれの1測長軸の延長
    した交点は前記投影光学系中心とほぼ一致し、それぞれ
    残りの測長軸の延長した交点は前記アライメント光学系
    中心とほぼ一致するように前記第1及び第3の干渉計の
    各測長軸が設定されていることを特徴とする請求項15
    に記載の走査型露光装置。
  17. 【請求項17】 前記感応基板の周辺領域の走査露光時
    に前記第1、第2、及び第3の干渉計の各測長軸が、前
    記第1、第2、及び第3反射面の内の対応する反射面か
    らいずれも外れることがないように、露光の際の前記第
    1可動体の加速度、最高速度及び整定時間が決定されて
    いることを特徴とする請求項15又は16に記載の走査
    型露光装置。
  18. 【請求項18】 前記第1、第2及び第3の干渉計の各
    測長軸が、前記第1、第2、及び第3反射面の内の対応
    する反射面からいずれも外れることがない前記第1可動
    体上の所定の位置に、前記第1、第2、及び第3の干渉
    計の計測値を用いて露光処理に関連する所定の計測を行
    うための基準マーク及びセンサが配置されていることを
    特徴とする請求項15又は16に記載の走査型露光装
    置。
  19. 【請求項19】 前記請求項11又は12に記載のステ
    ージ装置を備える走査型露光装置であって、 マスクを保持するマスクステージと;前記マスクステー
    ジと前記ステージ装置を構成する前記第1可動体とを同
    期して前記第1軸方向に沿って相対移動させるステージ
    制御系とを備え、 前記ステージ制御系による前記マスクステージと前記第
    1可動体との相対移動時に、前記マスクに形成されたパ
    ターンを前記第1可動体上の基板に転写することを特徴
    とする走査型露光装置。
  20. 【請求項20】 前記マスクステージが前記2次元面内
    で回動可能であり、 前記演算装置が、前記第2の干渉計の計測値に基づいて
    前記第1可動体の前記2次元平面内の回転ずれ量を演算
    し、 前記ステージ制御系が、前記回転ずれ量が補正されるよ
    うに前記マスクステージを回転制御することを特徴とす
    る請求項19に記載の走査型露光装置。
  21. 【請求項21】 前記請求項14に記載のステージ装置
    を備える走査型露光装置であって、 前記第1可動体の重量が前記第2可動体の重量の1/9
    以下であり、 前記制御装置が、露光又はアライメント前の前記第2可
    動体の応答周波数と、それ以外の応答周波数を可変とし
    たことを特徴とする走査型露光装置。
  22. 【請求項22】 前記第2可動体の2次元位置をモニタ
    する位置計測装置を更に備え、 前記制御装置は、露光及びアライメント以外の前記第1
    可動体の移動時に前記位置計測装置の計測結果に基づい
    て前記第2可動体の位置を所定の位置に補正することを
    特徴とする請求項21記載の走査型露光装置。
  23. 【請求項23】 定盤と;前記定盤に対して相対移動が
    可能であるとともに基板を保持する第1可動体と;前記
    第1可動体がその上部に配置されるとともに、前記定盤
    上に配置され、かつ前記定盤と前記第1可動体との夫々
    に対して相対移動する第2可動体と;前記第2可動体に
    設けられ、前記第1可動体を2次元平面内で移動する駆
    動装置とを備え、 前記第1可動体の移動によって生じる反力に応じて前記
    第2移動体が移動するように構成されていることを特徴
    とするステージ装置。
  24. 【請求項24】 前記駆動装置は、前記第2可動体上で
    前記第1可動体を駆動するリニアアクチュエータを有
    し、 前記第1可動体及び前記第2可動体はそれぞれ前記第2
    可動体及び前記定盤上で非接触支持されていることを特
    徴とする請求項23記載のステージ装置。
  25. 【請求項25】 前記第1可動体は、前記2次元平面上
    で直交する第1及び第2軸の各々と交差する方向に延び
    る第1反射面と、前記第2軸方向に延びる第2反射面
    と、前記第1軸に沿った方向に関して前記第1反射面と
    ほぼ対称に配置された第3反射面とを有し、 前記第1、第2及び第3反射面にそれぞれ測長ビームを
    照射する3つの干渉計を更に備えることを特徴とする請
    求項23又は24記載のステージ装置。
  26. 【請求項26】 前記第1可動体は、前記基板が載置さ
    れる第1プレートと、前記第1プレートを前記2次元平
    面と垂直な方向に移動し、かつ前記2次元平面に対して
    相対的に傾ける駆動機構と;前記駆動機構が載置される
    第2プレートとを有することを特徴とする請求項23〜
    25のいずれか一項に記載のステージ装置。
  27. 【請求項27】 前記第1可動体の質量は前記第2可動
    体の質量のほぼ1/9以下であり、 前記定盤上で前記第2可動体を低応答周波数で駆動する
    第2駆動装置を更に備えることを特徴とする請求項23
    〜26のいずれか一項に記載のステージ装置。
  28. 【請求項28】 前記請求項23に記載のステージ装置
    を備える走査型露光装置であって、 マスクを保持するマスクステージと;前記マスク及び前
    記基板の夫々と直交する光軸を有する投影光学系と;前
    記投影光学系を支持するとともに、前記定盤が懸架され
    る第1架台と;前記第1架台を支持する防振装置とを備
    え、 前記マスクステージと前記ステージ装置とによって前記
    マスクと前記基板とを同期移動して、前記マスクのパタ
    ーンを前記投影光学系を介して前記基板上に転写するこ
    とを特徴とする走査型露光装置。
  29. 【請求項29】 前記マスクステージが載置される第2
    架台と;前記防振装置が配置される床上に設けられると
    ともに、前記マスクステージの移動によって生じる反力
    に応じた力を前記マスクステージ又は前記第2架台に与
    えるアクチュエータを有するフレームとを更に備えたこ
    とを特徴とする請求項28に記載の走査型露光装置。
  30. 【請求項30】 前記防振装置が載置されるベースプレ
    ートと;前記ベースプレートと前記フレームとを接続す
    る弾性体とを更に備えたことを特徴とする請求項29に
    記載の走査型露光装置。
  31. 【請求項31】 前記第1可動体は、前記2次元平面上
    で前記基板の走査方向、及びこれと直交する非走査方向
    の夫々と交差する方向に沿って延びる第1反射面と前記
    非走査方向に沿って延びる第2反射面と、前記走査方向
    に関して前記第1反射面とほぼ対称に配置される第3反
    射面とを有し、前記第1、第2及び第3反射面にそれぞ
    れ測長ビームを照射する3組みの干渉計を備えることを
    特徴とする請求項28〜30のいずれか一項に記載の走
    査型露光装置。
  32. 【請求項32】 前記定盤に対する前記第2可動体の相
    対位置を検出する位置計測装置と;前記基板の露光動
    作、及びアライメント動作以外では、前記位置計測装置
    の出力に基づいて、前記第2可動体を前記定盤上の所定
    点に位置決めする第2駆動装置とを更に備えたことを特
    徴とする請求項28〜31のいずれか一項に記載の走査
    型露光装置。
  33. 【請求項33】 マスクと基板とを同期移動して、前記
    マスクのパターンを前記基板上に転写する走査型露光装
    置であって、 前記基板が同期移動される第1方向、及びこれに直交す
    る第2方向とそれぞれ交差する方向に沿って延びる第1
    反射面と、前記第2方向に沿って延びる第2反射面とを
    有し、前記基板を載置する基板ステージと;前記第1及
    び第2反射面にそれぞれ測長ビームを照射する第1、第
    2の干渉計とを備えたことを特徴とする走査型露光装
    置。
  34. 【請求項34】 前記マスク及び前記基板の夫々とほぼ
    直交する光軸を有する投影光学系を更に備え、 前記第1及び第2の干渉計はそれぞれ測長軸が前記投影
    光学系の光軸で交差するように配置されていることを特
    徴とする請求項33に記載の走査型露光装置。
  35. 【請求項35】 前記基板上のマークに光ビームを照射
    するオフアクシス・アライメントセンサを更に備え、 前記第1の干渉計は、前記投影光学系の光軸と交差する
    第1測長軸と、前記オフアクシス・アライメントセンサ
    の検出中心と交差する第2測長軸とを有することを特徴
    とする請求項34に記載の走査型露光装置。
  36. 【請求項36】 前記第2の干渉計は、第2方向に離れ
    た2本の測長ビームを前記第2反射面に照射し、 前記オフアクシス・アライメントセンサの検出中心は、
    前記2本の測長ビームによって規定され、かつ前記投影
    光学系の光軸を通る前記第2の干渉計の測長軸上に配置
    されていることを特徴とする請求項35に記載の走査型
    露光装置。
  37. 【請求項37】 前記基板ステージは、前記第1方向に
    関して前記第1反射面とほぼ対称に配置される第3反射
    面を有し、 前記第3反射面に測長ビームを照射する第3の干渉計を
    更に備えたことを特徴とする請求項36に記載の走査型
    露光装置。
  38. 【請求項38】 前記第3の干渉計は、前記投影光学系
    の光軸と交差する第3測長軸と、前記オフアクシス・ア
    ライメントセンサの検出中心と交差する第4測長軸とを
    有することを特徴とする請求項37に記載の走査型露光
    装置。
  39. 【請求項39】 マスクと感応基板とを同期移動させる
    ことにより、前記マスクのパターンを前記感応基板上に
    転写する露光方法であって、 前記感応基板の前記同期移動方向及びこれに直交する非
    走査方向の内、少なくとも非走査方向については、該非
    走査方向と異なる方向の第1測長ビームを用いて位置制
    御しつつ露光動作を行うことを特徴とする露光方法。
  40. 【請求項40】 前記同期移動方向とほぼ平行な第2測
    長ビームを用いて、 前記同期移動方向における前記感応基板の位置制御を行
    うことを特徴とする請求項39に記載の露光方法。
  41. 【請求項41】 前記第1測長ビームを用いた前記感応
    基板の前記非走査方向の位置制御時に、前記感応基板を
    保持する第1可動体に対する、前記第1測長ビームが照
    射される反射面の形成誤差を用いて、前記マスクと感応
    基板との非走査方向の相対位置を制御することを特徴と
    する請求項39又は40に記載の露光方法。
  42. 【請求項42】 前記反射面の形成誤差を用いて、前記
    感応基板の前記非走査方向の位置を補正することを特徴
    とする請求項41に記載の露光方法。
  43. 【請求項43】 前記反射面は前記第1測長ビームと直
    交し、前記形成誤差は、前記同期移動方向又は前記非走
    査方向に対する前記反射面の傾斜誤差を含むことを特徴
    とする請求項41又は42に記載の露光方法。
  44. 【請求項44】 前記同期移動方向及び前記非走査方向
    と交差し、かつ前記第1測長ビームと異なる方向の第3
    測長ビームを用いて、前記感応基板の位置制御を行うこ
    とを特徴とする請求項39〜43のいずれか一項に記載
    の露光方法。
  45. 【請求項45】 前記非走査方向に関する前記感応基板
    の位置制御時に、前記第1測長ビームと前記第3測長ビ
    ームとを用いることを特徴とする請求項44に記載の露
    光方法。
  46. 【請求項46】 前記非走査方向への前記感応基板の移
    動における加速時と減速時とで加速度の大きさを異なら
    せることを特徴とする請求項39〜45のいずれか一項
    に記載の露光方法。
  47. 【請求項47】 前記減速時の加速度の大きさを前記加
    速時よりも小さくすることを特徴とする請求項46に記
    載の露光方法。
  48. 【請求項48】 マスクと基板とを同期移動して前記マ
    スクのパターンを基板上に転写する走査型露光装置であ
    って、 請求項23に記載のステージ装置と;前記ステージ装置
    を構成する前記第2可動体を駆動する駆動系と;前記駆
    動系の制御応答を、前記基板の走査露光動作を含む複数
    の動作でそれぞれ可変とする制御装置とを備える走査型
    露光装置。
  49. 【請求項49】 前記制御装置は、前記走査露光後にお
    ける前記ステージ装置を構成する前記第1可動体の非走
    査方向に関する移動時に、前記第2可動体が前記ステー
    ジ装置を構成する前記定盤に対する位置をほぼ維持する
    ような制御が可能となるように前記駆動系の制御応答を
    設定することを特徴とする請求項48に記載の走査型露
    光装置。
  50. 【請求項50】 前記制御装置は、前記走査露光後にお
    ける前記第1可動体の非走査方向に関する移動時に、前
    記駆動系の応答周波数を前記走査露光時よりも高く設定
    することを特徴とする請求項49に記載の走査型露光装
    置。
  51. 【請求項51】 マスクを介した照明ビームにより感応
    基板を露光する露光装置であって、 請求項1〜14、23〜27のいずれか一項に記載のス
    テージ装置と;前記マスクに照明ビームを照射する照明
    系とを備え、 前記ステージ装置を構成する前記第1可動体に保持され
    る前記感応基板を前記マスクを介して前記照明ビームで
    露光することを特徴とする露光装置。
  52. 【請求項52】 前記照明ビームが照射される前記マス
    クのパターン像を前記感応基板上に投影する投影光学系
    を更に備えたことを特徴とする請求項51に記載の露光
    装置。
  53. 【請求項53】 前記感応基板をステップ・アンド・リ
    ピート方式、又はステップ・アンド・スキャン方式で露
    光するように、前記第1可動体を駆動する駆動系を更に
    備えたことを特徴とする請求項52に記載の露光装置。
  54. 【請求項54】 前記照明ビームは、遠紫外光、真空紫
    外光、X線、及び荷電粒子線のいずれかであることを特
    徴とする請求項51〜53のいずれか一項に記載の露光
    装置。
  55. 【請求項55】 マスクと感応基板とを同期移動させ
    て、前記マスクのパターンを前記感応基板上に転写する
    走査型露光装置であって、 前記感応基板を保持するとともに、前記感応基板が同期
    移動される第1方向、及び前記第1方向と直交する第2
    方向の両方と交差する方向に沿って延びる第1反射面を
    有する基板ステージと;前記第1反射面とほぼ直交する
    測長軸を有する第1の干渉計とを備える走査型露光装
    置。
  56. 【請求項56】 マスクと感応基板とを同期移動させ
    て、前記マスクのパターンを前記感応基板上に転写する
    走査型露光装置であって、 前記感応基板を保持するとともに、前記感応基板が同期
    移動される第1方向と鋭角に交差する方向に沿って延び
    る第1反射面を有する基板ステージと;前記第1反射面
    とほぼ直交する測長軸を有する第1の干渉計とを備える
    走査型露光装置。
  57. 【請求項57】 前記第1反射面は、前記感応基板の走
    査露光動作中に前記第1の干渉計の測長ビームが実質的
    に外れないように、その延設方向に関する前記基板ステ
    ージの移動範囲のほぼ全域に渡って形成されることを特
    徴とする請求項55又は56に記載の走査型露光装置。
  58. 【請求項58】 前記マスクのパターンが前記感応基板
    上の複数の部分領域にステップ・アンド・スキャン方式
    で転写されるように前記基板ステージを駆動する駆動装
    置を更に備え、 前記部分領域の走査露光における前記第1方向への前記
    基板ステージの移動中は前記測長ビームが前記第1反射
    面から外れないことを特徴とする請求項57に記載の走
    査型露光装置。
  59. 【請求項59】 前記第1反射面はその延設方向に関す
    る長さが前記感応基板上の露光範囲よりも実質的に長く
    定められていることを特徴とする請求項55〜58のい
    ずれか一項に記載の走査型露光装置。
  60. 【請求項60】 前記露光範囲は、前記感応基板上で前
    記マスクのパターンを転写すべき全ての部分領域を含む
    ことを特徴とする請求項59に記載の走査型露光装置。
  61. 【請求項61】 前記第1の干渉計の計測値に基づい
    て、前記第1方向と直交する第2方向に関する前記基板
    ステージの移動を制御する制御装置を更に備えたことを
    特徴とする請求項55〜60のいずれか一項に記載の走
    査型露光装置。
  62. 【請求項62】 前記基板ステージは、前記第1方向と
    直交する第2方向に沿って延びる第2反射面を有し、 前記第2反射面とほぼ直交する測長軸を有する第2の干
    渉計を更に備えたことを特徴とする請求項55又は56
    に記載の走査型露光装置。
  63. 【請求項63】 前記第1の干渉計の計測値に基づいて
    前記第2方向に関する前記基板ステージの移動を制御
    し、かつ前記第2の干渉計の計測値に基づいて前記第1
    方向に関する前記基板ステージの移動を制御する制御装
    置を更に備えたことを特徴とする請求項62に記載の走
    査型露光装置。
  64. 【請求項64】 前記基板ステージは、前記第1方向、
    及び前記第1方向と直交する第2方向と交差し、かつ前
    記第1反射面の延設方向と異なる方向に沿って延びる第
    3反射面を有し、 前記第3反射面とほぼ直交する測長軸を有する第3の干
    渉計を更に備えたことを特徴とする請求項62に記載の
    走査型露光装置。
  65. 【請求項65】 前記基板ステージは、前記第1方向、
    及び第1方向と直交する第2方向と交差し、かつ前記第
    1反射面の延設方向と異なる方向に沿って延びる第3反
    射面を有し、 前記第3反射面とほぼ直交する測長軸を有する第3の干
    渉計を更に備えたことを特徴とする請求項55又は56
    に記載の走査型露光装置。
  66. 【請求項66】 前記第1及び第3反射面はその延設方
    向の交差角が鋭角となり、かつ当該両反射面を上底及び
    下底以外の2辺とする台形が前記感応基板を包含するこ
    とを特徴とする請求項64又は65に記載の走査型露光
    装置。
  67. 【請求項67】 前記第1及び第3反射面は、前記第1
    方向に関してほぼ対称に配置されることを特徴とする請
    求項64〜66のいずれか一項に記載の走査型露光装
    置。
  68. 【請求項68】 前記第1及び第3の干渉計の少なくと
    も一方の計測値に基づいて、前記第2方向に関する前記
    基板ステージの移動を制御する制御装置を更に備えるこ
    とを特徴とする請求項64又は65に記載の走査型露光
    装置。
  69. 【請求項69】 前記第1、第2及び第3反射面は前記
    感応基板を囲むように配置されることを特徴とする請求
    項64に記載の走査型露光装置。
  70. 【請求項70】 前記第1及び第3の干渉計の少なくと
    も一方の計測値に基づいて前記第2方向に関する前記基
    板ステージの移動を制御し、前記第2の干渉計の計測値
    に基づいて前記第1方向に関する前記基板ステージの移
    動を制御する制御装置を更に備えたことを特徴とする請
    求項64又は69に記載の走査型露光装置。
  71. 【請求項71】 前記マスクのパターン像を前記感応基
    板上に投影する投影光学系を更に備え、前記第1の干渉
    計の測長軸が前記投影光学系の光軸と交差することを特
    徴とする請求項55〜63のいずれか一項に記載の走査
    型露光装置。
  72. 【請求項72】 前記感応基板上のマークを検出するオ
    フアクシス・アライメント系を更に備え、前記第1の干
    渉計は、前記オフアクシス・アライメント系の検出中心
    を通る、前記測長軸とほぼ平行な別の測長軸を有し、前
    記測長軸方向に関する2つの位置情報を出力することを
    特徴とする請求項71に記載の走査型露光装置。
  73. 【請求項73】 前記マスクのパターン像を前記感応基
    板上に投影する投影光学系を更に備え、前記第1及び第
    3の干渉計の測長軸は前記投影光学系の光軸で交差する
    ことを特徴とする請求項64〜70のいずれか一項に記
    載の走査型露光装置。
  74. 【請求項74】 前記マスクのパターン像を前記感応基
    板上に投影する投影光学系を更に備え、前記第1及び第
    2の干渉計の測長軸は前記投影光学系の光軸で交差する
    ことを特徴とする請求項62、63、64、69、70
    のいずれか一項に記載の走査型露光装置。
  75. 【請求項75】 前記第2の干渉計は、前記投影光学系
    の光軸で前記第1の干渉計の測長軸と交差する測長軸と
    ほぼ平行な別の測長軸を有することを特徴とする請求項
    74に記載の走査型露光装置。
  76. 【請求項76】 マスクと感応基板とを同期移動させ
    て、前記マスクのパターンを前記感応基板上に転写する
    走査型露光装置であって、 前記感応基板を保持し、互いに延設方向が鋭角に交差す
    るように配置される第1及び第2の測長用基準面を少な
    くとも有する基板ステージと;前記同期移動時に第1方
    向に沿って前記基板ステージを駆動する駆動装置とを備
    える走査型露光装置。
  77. 【請求項77】 前記第1方向は、前記第1及び第2の
    測長用基準面の1つとほぼ直交することを特徴とする請
    求項76に記載の走査型露光装置。
  78. 【請求項78】 前記第1方向は、前記第1及び第2の
    測長用基準面の両方と直交しないことを特徴とする請求
    項76に記載の走査型露光装置。
  79. 【請求項79】 前記第1及び第2の測長用基準面は前
    記第1方向に関してほぼ対称に配置されることを特徴と
    する請求項78に記載の走査型露光装置。
  80. 【請求項80】 マスクと感応基板とを同期移動させ
    て、前記マスクのパターンを前記感応基板上に転写する
    走査型露光装置であって、 前記感応基板を保持し、三角形状に配置される第1、第
    2及び第3の測長用基準面を有する基板ステージと;前
    記同期移動時に前記3つの基準面と交差する第1方向に
    沿って前記基板ステージを駆動する駆動装置とを備える
    走査型露光装置。
  81. 【請求項81】 前記3つの基準面の1つは、前記第1
    方向と直交する第2方向に沿って配置されることを特徴
    とする請求項80に記載の走査型露光装置。
  82. 【請求項82】 前記第1、第2、第3の測長用基準面
    は、反射面であり、前記第1の測長用基準面と直交する
    第1測長軸を有する第1の干渉計と;前記第2の測長用
    基準面と直交する第2測長軸を有する第2の干渉計と;
    前記第3の測長用基準面と直交する第3測長軸を有する
    第3の干渉計とを更に備え、 前記基板ステージは、前記3つの測長軸の各延長線上に
    それぞれ配置された前記感応基板の姿勢を制御する3つ
    のアクチュエータを有することを特徴とする請求項80
    又は81に記載の走査型露光装置。
  83. 【請求項83】 前記基板ステージは、前記感応基板を
    保持し、前記第1反射面又は前記第1の測長用基準面が
    その端面に形成されるほぼ三角形状の可動体と、前記可
    動体の3つの頂部付近にそれぞれ配置される3つのアク
    チュエータとを有することを特徴とする請求項55〜8
    1のいずれか一項に記載の走査型露光装置。
  84. 【請求項84】 前記基板ステージが配置される第1定
    盤と;前記基板ステージを前記第1定盤に対して少なく
    とも3自由度で駆動する第1の平面磁気浮上型リニアア
    クチュエータとを更に備えることを特徴とする請求項8
    3に記載の走査型露光装置。
  85. 【請求項85】 前記第1定盤が配置される第2定盤
    と;前記第1定盤を前記第2定盤に対して相対駆動可能
    な第2の平面磁気浮上型リニアアクチュエータとを更に
    備え、 前記基板ステージの移動に伴って前記第1定盤を前記第
    2定盤に対して相対移動することを特徴とする請求項8
    4に記載の走査型露光装置。
  86. 【請求項86】 前記基板ステージは、前記感応基板を
    保持し、前記第1反射面又は前記第1の測長用基準面が
    その端面に形成されるほぼ三角形状の可動体であること
    を特徴とする請求項55〜82のいずれか一項に記載の
    走査型露光装置。
  87. 【請求項87】 前記可動体が配置される第1定盤と;
    前記可動体を前記第1定盤に対して6自由度で駆動する
    第1の平面磁気浮上型リニアクチュエータとを更に備え
    たことを特徴とする請求項86に記載の走査型露光装
    置。
  88. 【請求項88】 前記第1定盤が配置される第2定盤
    と;前記第1定盤を前記第2定盤に対して相対駆動可能
    な第2の平面磁気浮上型リニアクチュエータとを更に備
    え、 前記可動体の移動に伴って前記第1定盤を前記第2定盤
    に対して相対移動することを特徴とする請求項87に記
    載の走査型露光装置。
  89. 【請求項89】 前記感応基板上のマークを検出するア
    ライメント系を更に備え、 前記アライメント系によって検出される基準マークを前
    記可動体の1つの頂部付近に配置したことを特徴とする
    請求項83〜88のいずれか一項に記載の走査型露光装
    置。
  90. 【請求項90】 前記可動体の1つの頂部付近に、前記
    マスクに照射される露光用照明光の少なくとも一部を検
    出する受光面が配置される光検出器を更に備えたことを
    特徴とする請求項83〜89のいずれか一項に記載の走
    査型露光装置。
  91. 【請求項91】 マスクのパターンを感応基板上に転写
    する露光装置であって、 前記感応基板を保持し、互いに延設方向が鋭角に交差す
    るように配置される第1及び第2反射面を少なくとも有
    する基板ステージと;前記第1反射面と直交する測長軸
    を有する第1の干渉計と;前記第2反射面と直交する測
    長軸を有する第2の干渉計とを備える露光装置。
  92. 【請求項92】 前記第1及び第2反射面は、当該両反
    射面を上底及び下底以外の2辺とする台形が前記感応基
    板を包含するように配置されることを特徴とする請求項
    91に記載の露光装置。
  93. 【請求項93】 前記第1及び第2反射面はそれぞれ前
    記基板ステージ上で前記感応基板をほぼ包含する三角形
    の2辺に沿って形成されることを特徴とする請求項91
    又は92に記載の露光装置。
  94. 【請求項94】 前記第1反射面、又は前記第2反射面
    はその延設方向に関する長さが前記感応基板上の露光範
    囲よりも実質的に長く定められていることを特徴とする
    請求項91〜93のいずれか一項に記載の露光装置。
  95. 【請求項95】 前記露光範囲は、前記感応基板上で前
    記マスクのパターンを転写すべき全ての部分領域を含む
    ことを特徴とする請求項94に記載の露光装置。
  96. 【請求項96】 前記マスクのパターン像を前記感応基
    板上に縮小投影する投影光学系と、前記感応基板がステ
    ップ・アンド・リピート方式又はステップ・アンド・ス
    キャン方式で露光されるように前記基板ステージを駆動
    する駆動装置とを更に備えたことを特徴とする請求項9
    1〜95のいずれか一項に記載の露光装置。
  97. 【請求項97】 前記第1方向は前記第1及び第2の測
    長用基準面の少なくとも1つと交差することを特徴とす
    る請求項76に記載の走査型露光装置。
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