JPH1116743A - ガス絶縁変圧器 - Google Patents

ガス絶縁変圧器

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JPH1116743A
JPH1116743A JP17226497A JP17226497A JPH1116743A JP H1116743 A JPH1116743 A JP H1116743A JP 17226497 A JP17226497 A JP 17226497A JP 17226497 A JP17226497 A JP 17226497A JP H1116743 A JPH1116743 A JP H1116743A
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JP
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gas
transformer
impeller
blower
noise
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Application number
JP17226497A
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English (en)
Inventor
Susumu Yamazaki
山崎  進
Shigesaburo Komatsu
茂三郎 小松
Kiyoto Hiraishi
清登 平石
Toshimitsu Obata
俊光 小幡
Yasuhiro Mizuno
康宏 水野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷却ガスの冷却装置の小型化、低騒音化を図
り、全体として低騒音のガス絶縁変圧器を提供する。 【解決手段】 本発明は、鉄心2回りに巻いた巻線1を
外筒内3に内蔵した変圧器本体の横側に、変圧器本体内
からガスを導入し冷却するガス冷却装置を配管接続し、
冷却ガス循環経路を形成するガス絶縁変圧器であって、
ガス冷却装置は、変圧器本体上部から順次に、冷却器
4、消音器23A、ターボ形式ブロワ5、別の消音器2
3Bを下部まで配管接続しており、各消音器23A,B
は、筒体と、筒体入口から内部に延びる共鳴管と、共鳴
管を包むと共に筒体内周部に充填された高分子吸音材と
から構成され、ターボ形式ブロワ5は後向き羽根式であ
ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、変電所等に設置さ
れているガス絶縁変圧器に係り、特に該変圧器との間で
冷却ガス循環路を形成するガス冷却装置の静音化と効率
の向上を図ったガス絶縁変圧器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のガス絶縁変圧器の強制冷却装置
は、実開平3−71613号公報に記載されているよう
に、変圧器本体の横側に熱交換器(本発明で冷却器)
と、送風機(同ブロワ)を配管で接続し、変圧器内部か
ら熱交換器及び送風機を経るガス循環経路を形成して、
構成されている。このような冷却装置の運転時には、送
風機と変圧器間のガス配管を通じて、送風機の高い騒音
が変圧器全体に放射される。また送風機の上流に熱交換
器が近接して配置されているため、熱交換器によるガス
流の乱れが下流の送風機内の羽根車に流入して送風機の
騒音をさらに高くしており、このため送風機と変圧器が
同じレベルの高い騒音となって、変圧器周囲に騒音を放
散している。また従来の変圧器用消音器の吸音材はウレ
タンフォームを使用していた。さらに従来の送風機の形
態は、送風機単体での効率は高くても上流の熱交換器と
の接続形態を考慮した形態ではないため、送風機内の流
体損失が大きくなって送風機効率が大幅に低下し、この
ため送風機単体騒音がさらに高くなり送風機容積も大き
かった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】電力の消費が集中する
大都市では変電所をビル内に設置する傾向があり、変圧
器として、不燃で絶縁性に優れたガス(例えばSF6
ス等)を変圧器内に高圧状態で封入したガス絶縁変圧器
が使用される趨勢にある。ガス絶縁変圧器は従来の油絶
縁変圧器に比べ冷却性能が低下するため、変圧器本体、
および強制冷却装置の容積が大きいこと、またガスは圧
縮性があるため騒音が高い等の短所があり、ガス絶縁変
圧器の小形化、低騒音化が期待されている。
【0004】このため変圧器本体では冷却性能向上によ
る本体の小形化の課題があり、冷却装置では、ガス強制
循環用ブロワの騒音低減と、ブロワ騒音が変圧器本体ま
で広がらないガス配管構造の改良による低騒音化、また
消音器に使用する吸音材は吸音性、耐熱性、ガス絶縁変
圧器への適合性(耐HF性)の3特性を満たす必要があ
り、さらにブロワ効率向上等による強制冷却装置の小形
化等の課題があった。
【0005】本発明の目的は、低騒音かつ化小型化を図
ったブロワと、吸音性、耐熱性、耐HF性の向上させた
消音器とを用いることにより、低騒音のガス絶縁変圧器
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のガス絶縁変圧器は、鉄心回りに巻回した巻
線を外筒内に内蔵した変圧器本体の横側に、この変圧器
本体内からガスを導入し冷却するガス冷却装置を配管で
接続し、変圧器内部とガス冷却装置間に冷却ガス循環経
路を形成する変圧器において、ガス冷却装置は、変圧器
本体上部から順次に、冷却器、消音器、ターボ形式ブロ
ワ及び別の消音器を変圧器本体の下部まで配管接続して
なり、さらに、両消音器は、それぞれ筒体と、この筒体
入口から内部に延びる共鳴管と、この共鳴管を包むとと
もに筒体内周部に充填された高分子吸音材とから構成さ
れ、またターボ形式ブロワとして後向き羽根式を用いた
ことを特徴とする。
【0007】上記のようにブロワの前後(冷却器とブロ
ワの間、およびブロワと変圧器本体の間)に小形で高性
能の消音器を接続し、かつ消音器を共鳴管と高分子吸音
材を併用するものとしたので、ブロワ騒音が変圧器本体
まで放射せず、ブロワ付近のみが騒音の音源となるのみ
で、ガス絶縁変圧器全体から発生する騒音を低くするこ
とができる。
【0008】そして高分子吸音材としては、エチレンプ
ロピレンゴムの発泡体又はクロロプレンゴムの発泡体を
用いるのがよい。これらの材料は、実施の形態の項で詳
述するように、吸音性、耐熱性、耐HF(フッ化水素)
性に優れており、冷却ガスとしてSF6を採用した場合
に好適である。
【0009】また、ターボ形式ブロワは、(1)回転軸心
から等距離に等配置され前縁が回転軸心から離れるにつ
れて後退する複数の羽根と、この羽根の前縁を固定する
ためにこの前縁に沿って後退しかつ前端には前方に延び
る平行リング部を有する略円錐環状の前端板と、この羽
根の後縁を固定する環状の後端板とから構成された羽根
車と;(2)羽根車を内蔵しこの羽根車の回転軸心に直交
方向に渦巻きこの渦巻き部の先端にガス出口を有する渦
巻き形ケーシングと;(3)渦巻き形ケーシングの前側カ
バーに取り付けられ後方に行くにつれて細くなる円錐形
状で後端に平行リング部を有し該平行リング部が羽根車
の前端板の平行リング部に間隙をもって挿入された吸込
管と、(4)渦巻き形ケーシングの後側カバーに取り付け
られ羽根車を回転駆動するモータと;から構成し、羽根
車の前端板が回転軸心となす傾斜角を回転軸心断面で4
5°〜75°とすることが好ましい。さらに、羽根車の
前端板のリング部内に挿入された吸込管の後端部の挿入
長さ、すなわち前端板の平行リング部と吸込管のの平行
リング部との重なり長さLを羽根車の外径Dの0.01
〜0.04とするのがよい。
【0010】本発明にかかるブロワにおいては、吸込管
の後縁部を羽根車の前端板前縁部に小さな間隙で挿入し
て軸方向に重複する形態としたので、この径方向間隙か
らの漏洩流を低減して、ブロワ効率を向上させている。
ところで、従来の吸込管形状は吸込管入口から吸込管出
口(軸方向に羽根車入り口の位置と同じ)まで流れ方向
に管径が直線状に減少する円錐形であり、吸込管出口で
羽根車内に急激に流入させる形態のため羽根車の前端板
側に大きな乱れが発生し、ブロワ効率が低く騒音が高か
った。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の一実
施の形態について説明する。図1は、一実施の形態とな
るガス絶縁変圧器の概略図である。このガス絶縁変圧器
は、大別して、変圧器本体および強制冷却装置から構成
されている。図1に示すように、変圧器本体は、鉄心2
を取り巻く巻線1とそれら内蔵した変圧器外筒3とから
構成され、そして強制冷却装置は、変圧器外筒3の側面
上部に配管7を介して接続された冷却器4と、それに順
次接続された消音器23A、ブロワ5及びもう一つの消
音器23Bとから構成されており、そして消音器23B
は変圧器外筒3の側面下部に配管接続されている。変圧
器外筒3内の下部には、消音器23Bを経て流入した冷
却ガスが巻線1及び鉄心2の方向に流れるように、仕切
板8を設けている。かくして変圧器本体と強制冷却装置
とを通じて冷却ガスの循環経路が形成されている。
【0012】このような構成のガス絶縁変圧器におい
て、冷却ガス(例えばSF6ガス)9は、変圧器外筒3内
で、熱発生のある巻線1や鉄心2等を冷却し、ガス配管
7を通って、冷却器4へ流入して冷却器4内で冷却さ
れ、さらに冷却器4から消音器23Aを介してブロワ5
に吸引され、ブロワ5から消音器23Bを介して変圧器
外筒3内へ圧送される。ブロワ5は、羽根が回転方向に
後向き形状のターボ形式で、図1に示すように閉回路の
配管形態で使用される循環ブロワである。
【0013】本実施の形態では、ブロワ5の上流側に消
音器23Aを設けているので、冷却器4による乱れがブ
ロワ5に流入してブロワ騒音が増加するのを防ぎ、また
ブロワ5のもう一つの消音器23Bを設けているので、
ブロワ騒音が変圧器外筒3に伝搬して変圧器本体全体の
騒音が高くなるのを防いで、ガス絶縁変圧器の低騒音化
を図っている。これらの消音器は2つの作用効果があ
り、まず1番目は、ブロワ5の上流側に設けた消音器2
3Aは、その上流側の冷却器4(フィン付管を備えた空
冷熱交換器)による乱れを減衰することで、新たなブロ
ワ4騒音が発生するのを防ぐことができる。2番目は消
音器本体の機能で、広い周波数域の騒音を低減できる。
【0014】図2に本発明にかかる消音器23の構造を
示す。消音器23は、外筒24と、外筒24の内周部に
充填された吸音材27と、外筒24一端の軸心部に形成
された入口から挿入され吸音材27に包まれた共鳴管2
5と、共鳴管25に続いて外筒24の他端側の出口まで
設けられた中空円筒状の金網28とから構成されてい
る。金網28はそれを包む吸音材27を支えている。こ
のように、消音器23は、吸音材27による抵抗型消音
機能と共鳴管による共鳴型消音機能を備えた複合型構造
としている。抵抗型消音部は広い周波数域のブロワ騒音
を低減すると同時に、共鳴型消音部ではブロワ5の羽根
車の回転音(回転数×羽根数の周波数の騒音)と高次音
(回転音周波数の2〜4倍の周波数の騒音)、卓越音が
低減できるので、騒音の音色をソフトにすることができ
る。この消音器を図1に示すように冷却器4とブロワ5
の間、及びブロワ5と変圧器外筒3の間に挿入すれば、
ブロワ騒音が変圧器本体まで放射するのを防いで、ブロ
ワ5付近のみが騒音の音源となり、ガス絶縁変圧器周囲
の騒音が大幅に低減する。本発明では、吸音材27とし
てエチレンプロピレンゴムの発泡体を使用した。
【0015】本発明に適用される吸音材は図3に示すよ
うな吸音性、耐熱性、ガス絶縁変圧器への適合性(耐H
F(フッ化水素)性)の3特性を満たす必要がある。吸
音性はガス絶縁変圧器の運転に伴い発生する騒音を吸収
する能力であり、吸音材を連続発泡の発泡体とすること
により高い吸音性を得ることができる。耐熱性はガス絶
縁変圧器の運転温度に長期間耐える能力である。また、
ガス絶縁変圧器への適合性はガス絶縁変圧器に使用され
る不燃で絶縁性に優れたガス中で長期間耐える能力であ
る。電気学会技術報告第459号によるとガス絶縁変圧
器の絶縁性ガスとして一般に広く使用されているSF6
ガスは変圧器内部の水分により加水分解を起こしてHF
ガスを発生することが知られている。このHFガスは材
料の特性に悪い影響を及ぼす為、ガス絶縁変圧器への適
合性は絶縁性ガスがSF6ガスの場合には耐HF性とな
る。
【0016】以上の耐熱性、耐HF性については加熱劣
化試験を行い、適合しているか、適合していないかを判
断した。以下に加熱劣化試験の試験方法を述べる。試験
材料は吸音性を満足する高分子材料の発泡体を用いた。
まず、試験材料をゴム材についてはJIS K 6301
(加硫ゴム物理試験方法)に規定する3号形ダンベル状
に、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂についてはJIS
K 7113(プラスチック試験方法)に規定する1号形
ダンベル状に加工し、110℃で3時間乾燥を行った。
次に乾燥後の試験片を圧力容器に入れ、圧力容器内を真
空引きした後、SF6ガスを圧力容器内に充填した。こ
の試験片、SF6ガスを入れた圧力容器を2個用意し、
1個には内部にHFガスを圧力容器内での濃度が10 v
ol.ppm となるように充填した。この圧力容器2個を恒
温槽に入れ、155℃で30日加熱し、劣化した試験片
を圧力容器から取り出し、ゴム材についてはJIS K
6301、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂については
JIS K 7113に規定する引張試験を行った。以上
が加熱劣化試験の方法であり、2個の圧力容器の内、S
6ガスのみ充填した圧力容器による試験がSF6ガス中
加熱劣化試験で、HFガスを添加した圧力容器による試
験がHFガス含有SF6ガス中加熱劣化試験である。
【0017】この2種の加熱劣化試験の結果を図4に示
す。尚、図4において縦軸の引張強度残率とは各材料の
劣化前の引張強度に対する劣化後の引張強度の割合であ
る。また、SF6ガス中加熱劣化試験は耐熱性の試験評
価であり、HFガス含有SF6ガス中加熱劣化試験とは
ガス絶縁変圧器への適合性の評価試験である。図4より
耐熱性の評価試験とガス絶縁変圧器への適合性の評価試
験の2種評価試験において引張強度残率50%以上であ
るのはゴム材では、(A)エチレンプロピレンゴム、(C)
ブチルゴム、(D)クロロプレンゴム、(E)クロロスルホ
ン化ポリエチレンゴム、(F)ニトリルゴム、(G)アクリ
ルゴム、(H)エピクロルヒドリンゴム、(J)フッ素ゴ
ム、(K)水素化ニトリルゴムのそれぞれの発泡体であ
り、熱可塑性樹脂では(N)ポリフェニレンオキサイドの
発泡体、熱硬化性樹脂では(O)フェノール樹脂、(P)ポ
リエステル樹脂の発泡体であり、これら高分子材料の発
泡体は本発明の吸音材として適用可能である。尚、本発
明で適用した(A)エチレンプロピレンゴムの発泡体は吸
音性、耐熱性、ガス絶縁変圧器への適合性の3特性に加
えてコストを考慮した結果、最適な材料であり、勿論、
エチレンプロピレンゴムの発泡体以外でも耐熱性、ガス
絶縁変圧器への適合性を満たす先述の高分子材料の発泡
体であれば本発明の効果は同様に得られる。
【0018】図5、6により本発明にかかるターボ式ブ
ロワ5を説明する。図5はこのブロワ5の縦断面図、図
6は図5のY−Y’断面図である。ブロワ5は、概略、
羽根車11と、羽根車11を内蔵しこの羽根車11の回
転軸心と直交する方向に渦巻く渦巻き形ケーシング14
と、渦巻き形ケーシング14の前側カバー14a軸心部
に設けた吸込管13と、羽根車11を回転させるモータ
6とから構成されている。そして吸込管13には冷却ガ
ス9eを導入する配管16がフランジ10で接続されて
いる。
【0019】羽根車11は、回転方向に後向き羽根であ
って上流側先端が後退角を有する複数のターボ形状の羽
根11aと、各羽根11a先端を固定する円錐環状板で
かつ中心穴内縁から前方に延びるリング部11cを有す
る前端板11bと、各羽根11a後端を固定する環状の
後端板11dとからなる。各羽根11a先端の後退角
は、該先端を形成する線(図5中でF点とG点とを結ぶ
線)と羽根車11軸心との傾斜角θを45°〜75°の
範囲になるように、形成されている。また、渦巻き形ケ
ーシング14は、渦巻き状側板14aと、側板14aの
前端を覆う前側カバー14bと、側板14aの後端を覆
う後側カバー14cとからなる。また、吸込管13は、
渦巻き形ケーシング14の前側カバー14aの軸心部に
取り付けられ後方に向かってすぼまる管13aと該管1
3a後端から延びるリング部13bとからなる。そし
て、吸込管13と羽根車11は、羽根車11の前端のリ
ング11cの内径に、吸込管13のリング部13bが挿
入されて、リング11cの内径とリング部13bの外径
間に小さな間隙(2〜6mm)を設け、さらに両リング
部の重なり長さLL、すなわち図5中で吸込管13の後
縁Dと羽根車側板19の内周側前縁Eとの軸方向長さで
重なるように、配置されている。
【0020】本発明では、吸込管13後縁のリング部1
3bを、羽根車11の前端板のリング部11cの内周に
挿入して、両リングを小さな間隙で重複させ、径方向間
隙からの漏洩流を低減させている。さらに羽根車11の
前端板11bを回転軸心に対して適宜に傾斜させ、吸込
管13後縁から羽根車11入口への傾斜流れに対応させ
て前端板11b付近の乱れを小さくしている。これらに
より、ブロワ効率が大幅に向上し、騒音も大幅に低減さ
れる。
【0021】なお、上記のブロワは、回転方向に対して
羽根が中心側から外径側に後退する後向き羽根式である
が、それの代わりに羽根が羽根車の径方向に設けられた
径向き羽根式てあっても、同様に、羽根の先端を後退角
にすることにより、また吸入管後縁と羽根車前縁を小さ
な間隙でラップさせることにより、ブロワ効率を向上さ
せ、騒音を低減することができる。
【0022】以上の閉回路配管形態で使用するガス絶縁
変圧器用ガスブロワに関する発明により、従来の冷却器
による乱れの低減によるブロワ騒音の増加を無くすると
同時に、ブロワ騒音の変圧器全体への伝搬の防止によ
り、変圧器全体の騒音を従来に比べ大幅に低減でき、ガ
ス循環用ブロワ効率も大幅に向上し、ガス送風装置の容
積が従来に比べ大幅に小形化される。
【0023】
【実施例】本発明のガス絶縁変圧器と従来のガス絶縁変
圧器それぞれの性能を比較した。本発明のガス絶縁変圧
器は、図1に示すように、冷却器、消音器、ブロワ、も
う一つの消音器を備えたもので、消音器として図2に示
す構成のものを、ブロワとして図6に示すものを用い
た。
【0024】本発明では、ブロワの前後に抵抗型消音
部と共鳴型消音部とから成る複合型消音構造の小形で高
性能の消音器を挿入することで、変圧器本体付近の騒音
はブロワ付近の騒音と比べて約7dB低くなる。抵抗
型消音部を構成する吸音材の材質を吸音性、耐熱性、ガ
ス変圧器への適合性を満たしたエチレンプロピレンゴム
の発泡体とし、長期間使用した場合でもガス(例えばS
6ガス)に対して腐食、変質がない。吸込管後縁部
と羽根車前端板側板の内周側前縁部とを軸方向に小さな
間隙で重複する形態とすれば、この径方向間隙からの漏
洩流を低減して、ブロワ効率は2%向上し、騒音も1d
B低減している。さらに、羽根車側板の回転軸に対す
る傾斜角θを45°〜75°とすれば、従来の羽根車側
板が回転軸に対し直角となる形状に比べ、吸込管後縁か
らの傾斜流れに対応させて羽根車側板を傾斜させている
ので、側板付近の乱れが小さくなり、従来に比べブロワ
効率は4%向上し、騒音も3dB低減する。
【0025】以上〜により、従来の変圧器用ガスブ
ロワと比較して、ブロワ効率は6%向上し、ブロワ容積
を約10%小形化でき、さらに変圧器全体の騒音が11
dB低減できる。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、ガス絶縁変圧器は、変
圧器本体の横側に設けたガス冷却装置として、変圧器本
体上部から配管で順次に、冷却器、消音器、ターボ形式
ブロワ、別の消音器を下部まで接続し、またターボ形式
ブロワとして後向き羽根式を、ブロワの前後の消音器と
して共鳴管と高分子吸音材を併用するものを備えたもの
としたので、ブロワ騒音が変圧器本体まで放射せず、ブ
ロワ付近のみが騒音源となるのみで、ガス絶縁変圧器全
体から発生する騒音を低くすることができる。
【0027】そして高分子吸音材としては、エチレンプ
ロピレンゴムの発泡体又はクロロプレンゴムの発泡体を
用い、各材料は吸音性、耐熱性、耐フッ化水素性に優れ
ており、冷却ガスとしてSF6を用いた場合に好適であ
る。
【0028】また、ターボ形式ブロワにおいて、羽根車
は前縁が後退する複数の羽根の前縁に取り付けられた略
円錐環状の前端板を有するので、前方から流入した冷却
ガスが前端板近傍で乱れるのを小さくすることができ
る。また、吸込管後端の平行リング部が羽根車の前端板
のリング部に間隙をもって挿入されて、ガス流れ方向に
重なる部分を設けたので、冷却ガスが吸込管から羽根車
に流れ込む際に、上記間隙からの漏洩流れを低減でき、
ブロワの効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態となるガス絶縁変圧器の
構成を示す図である。
【図2】本発明にかかる消音器の構成図である。
【図3】本発明にかかる消音器用の消音材に要求される
特性を示す図である。
【図4】各種消音材の加熱劣化試験の結果を示す図であ
る。
【図5】本発明にかかるターボ式ブロワの構成図であ
る。
【図6】図5のY−Y断面図である。
【符号の説明】
1 巻線 2 鉄心 3 変圧器外筒 4 冷却器 5 ブロワ 6 モータ 7、7a、7b 配管 8 ガス仕切板 9、9a〜9e 冷却ガス 10 モータ 11 羽根車 11a 羽根 11b 前端板 11c 平行リング部 11d 後端板 13 吸込管 13a 管 13b 平行リング部 14 渦巻き形ケーシング 14a 渦巻き状側板 14b 前側カバー 14b 後側カバー 15 吸込口 20 吐出口 22 回転方向 23、23A、23B 消音器 24 外筒 25 共鳴管 26 接続管 27 吸音材 28 金網
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H02K 5/24 G10K 11/16 B (72)発明者 小幡 俊光 茨城県日立市国分町一丁目1番1号 株式 会社日立製作所国分工場内 (72)発明者 水野 康宏 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄心回りに巻回した巻線を外筒内に内蔵
    した変圧器本体の横側に該変圧器本体内からガスを導入
    し冷却するガス冷却装置を配管接続し、変圧器内部とガ
    ス冷却装置間に冷却ガス循環経路を形成するガス絶縁変
    圧器において、ガス冷却装置は、変圧器本体上部から順
    次に、冷却器、消音器、ターボ形式ブロワ及び別の消音
    器を変圧器本体の下部まで配管接続してなり、さらに、
    両消音器は、それぞれ筒体と、該筒体入口から内部に延
    びる共鳴管と、該共鳴管を包むとともに該筒体内周部に
    充填された高分子吸音材とから構成され、ターボ形式ブ
    ロワは後向き羽根式であることを特徴とするガス絶縁変
    圧器。
  2. 【請求項2】 高分子吸音材がエチレンプロピレンゴム
    の発泡体又はクロロプレンゴムの発泡体からなることを
    特徴とする請求項1記載のガス絶縁変圧器。
  3. 【請求項3】 ターボ形式ブロワは、回転軸心から等距
    離に等配置され前縁が回転軸心から離れるにつれて後退
    する複数の羽根、該羽根の前縁を固定するために該前縁
    に沿って後退しかつ前端には前方に延びる平行リング部
    を有する略円錐環状の前端板、及び該羽根の後縁を固定
    する環状の後端板とから構成された羽根車と、羽根車を
    内蔵し該羽根車の回転軸心に直交方向に渦巻き該渦巻き
    部の先端にガス出口を有する渦巻き形ケーシングと、渦
    巻き形ケーシングの前側カバーに取り付けられ後方に行
    くにつれて細くなる円錐形状で後端に平行リング部を有
    し該平行リング部が羽根車の前端板の平行リング部に間
    隙をもって挿入された吸込管と、該ケーシング後側カバ
    ーに取り付けられ羽根車を回転駆動するモータとから構
    成され、羽根車の前端板が回転軸心となす傾斜角を回転
    軸心断面で45°〜75°としたことを特徴とするガス
    絶縁変圧器。
  4. 【請求項4】 羽根車の前端板の平行リング部内に挿入
    された吸込管の平行リング部の挿入長さ、すなわち前端
    板の平行リング部と吸込管の平行リング部との重なり長
    さLを羽根車の外径Dの0.01〜0.04としたこと
    を特徴とする請求項1記載のガス絶縁変圧器。
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