JPH11166630A - 回転軸シール構造 - Google Patents

回転軸シール構造

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JPH11166630A
JPH11166630A JP9331589A JP33158997A JPH11166630A JP H11166630 A JPH11166630 A JP H11166630A JP 9331589 A JP9331589 A JP 9331589A JP 33158997 A JP33158997 A JP 33158997A JP H11166630 A JPH11166630 A JP H11166630A
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JP
Japan
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oil
lip
space
dust lip
crankshaft
Prior art date
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Application number
JP9331589A
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English (en)
Inventor
Yoshihisa Suzuki
良尚 鈴木
Eiichi Kamiyama
栄一 神山
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 主リップ、ダストリップおよび回転軸により
囲まれた空間内とダストリップより外側とを連通する連
通部の位置を工夫することにより、オイルシールの耐久
性の向上と、オイルの漏出防止とを両立させる。 【解決手段】 連通部24が上部側においてダストリッ
プ16の先端に切り欠きとして形成されているので、オ
イル室からオイルが空間22内へ漏出しても直ちに外部
へ漏れない。しかもクランク軸6の回転数に応じてオイ
ルがオイル室側に排出されれば、レベルH1に達せず、
空間22内のオイルが漏出することはない。更に、オイ
ルが空間22からオイル室側に排出された分、連通部2
4を介して外部側から空間22に空気が入るので、空間
22は負圧になることはなく、オイルシール4がクラン
ク軸6に強く押しつけられず、主リップ14およびダス
トリップ16が摩耗するのが防止でき、オイルシール4
の耐久性を高めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転軸シール構造
に関し、特に、ほぼ水平方向に配置された回転軸を、リ
ング状のシール体で取り囲み、該シール体に設けられた
主リップとダストリップとを前記回転軸の周面に接触さ
せることで、前記主リップ側から前記ダストリップ側へ
液体が漏出するのを防止する回転軸シール構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、内燃機関などのクランク軸のオイ
ルシールには、図8に示すごとく、オイルシール50の
主体となる主リップ52と外部からの塵埃の侵入を防止
するためのダストリップ54とを備えたものが採用され
ている。この主リップ52とダストリップ54とには、
シール効果を生じさせるために、クランク軸56に対し
てある程度の締代が設けられている。図8では、クラン
ク軸56の外径Mから主リップ52あるいはダストリッ
プ54の内径mを引いた、M−mの値が締代に該当す
る。
【0003】しかし、単に締代のみが形成されていたの
では、主リップ52の形状によるオイルの流れや主リッ
プ52の内周面52aに形成されているスパイラル状の
溝52bの吸引作用により、主リップ52、ダストリッ
プ54およびクランク軸56により囲まれた密閉空間5
8内のオイルが主リップ52とクランク軸56との接触
面を介してオイル室側に吸引されることで、密閉空間5
8内が負圧となる場合がある。このような現象が生じる
と、密閉空間58内の圧力と外部の大気圧との差によ
り、オイルシール50がクランク軸56に強く押しつけ
られて、主リップ52やダストリップ54が摩耗し、オ
イルシール50の耐久性が低下するおそれがある。
【0004】この問題を解決するものとして、特開平8
−61512号公報に記載されているごとくの構成が提
案されている。すなわち、ダストリップの全周にわたっ
て突部と谷部とを形成することで、谷部をクランク軸に
対して非接触状態として、その谷部を介して前記密閉空
間と外部と連通させて、主リップ、ダストリップおよび
クランク軸により囲まれた空間が密閉状態にならないよ
うにしている。
【0005】このような構成にすることで、前記密閉空
間が負圧となるような状況下でも、谷部から大気が導入
されるので、主リップ、ダストリップおよびクランク軸
により囲まれた空間が負圧になるのを防止することがで
きる。このため、オイルシールがクランク軸に強く押し
つけられることがなく、主リップやダストリップが摩耗
するのを防止できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この構成で
は、主リップ、ダストリップおよびクランク軸により囲
まれた空間内に存在するオイルが谷部を介して外部に漏
出するのを防止することができないという問題が発生し
た。
【0007】すなわち、主リップ部分では、通常は前記
空間内部のオイルを、主リップ側であるシリンダブロッ
ク内側のオイル室側へ排出する作用が生じているが、内
燃機関の回転数などの運転状態によっては、排出する作
用よりもオイル室側から、主リップとクランク軸との接
触部分を介して、前記空間内部へ漏出する作用が一時的
に高くなる場合がある。このような場合は、前記空間内
部にオイルが蓄積することになる。特に、自動車などの
内燃機関はクランク軸がほぼ水平に配置されているの
で、オイルの蓄積は、重力によりオイルシールの下部側
から蓄積し始める。
【0008】ところが、前述したごとくダストリップに
谷部が存在すると、下部から空間内に充満し始めたオイ
ルが、直ちに谷部から外部に漏出してしまうのである。
このように従来の技術では、オイルシールの耐久性の向
上と、オイルの漏出防止とを両立させることはできなか
った。
【0009】本発明は、主リップ、ダストリップおよび
回転軸により囲まれた空間内とダストリップより外側と
を連通する連通部の位置を工夫することにより、シール
体の耐久性の向上と、液体の漏出防止とを両立させるこ
とを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の回転軸シ
ール構造は、ほぼ水平方向に配置された回転軸を、リン
グ状のシール体で取り囲み、該シール体に設けられた主
リップとダストリップとを前記回転軸の周面に接触させ
ることで、前記主リップ側から前記ダストリップ側へ液
体が漏出するのを防止する回転軸シール構造であって、
前記ダストスリップの内、下部側以外の部分に、前記主
リップ、前記ダストリップおよび前記回転軸により囲ま
れた空間内と前記ダストリップより外側とを連通する連
通部を設けたことを特徴とする。
【0011】本発明の回転軸シール構造は、回転軸に対
して全周にわたって、ダストリップに連通部を設けるの
ではなく、ダストリップの下部側以外の部分に、連通部
を設けている。
【0012】したがって、主リップ、ダストリップおよ
び回転軸により囲まれた空間内の液体が主リップ側から
吸引される場合には、前記連通部が、前記空間内に外気
を導入することにより、前記空間が負圧になるのを防止
する。このため、シール体が回転軸に強く押しつけられ
ないようにすることができるので、主リップやダストリ
ップが摩耗するのを防止でき、シール体の耐久性を高め
ることができる。
【0013】前記空間内に主リップ側より液体が侵入し
てくる場合には、ほぼ水平方向に配置された回転軸を取
り囲んでいるダストリップの下部側に対応する空間内に
液体が蓄積し始めるので、侵入してきた液体が直ちに連
通部より外部に漏出することはない。そして、通常、空
間の下部側がすべて液体に満たされる前に、空間内の液
体が主リップ側へ吸引される状態になるのが普通であ
る。このように、空間の下部側に充満してきた液体が除
去されるので、液体が外部に漏出するのを防止すること
ができる。
【0014】このような作用により、シール体の耐久性
の向上と、液体の漏出防止とを両立させることができ
る。また、回転軸の全周にわたって連通部を設けなくて
もよいので、一層、製造コストを低減できる。
【0015】
【発明の実施の形態】[実施の形態1]図1は、上述し
た発明が適用された回転軸シール構造の構成を表す正面
図であり、図2はそのA−A断面図である。本回転軸シ
ール構造は内燃機関のクランク軸のオイルシール構造に
適用された例を示している。
【0016】回転軸シール構造は、シール体としてのオ
イルシール4とオイルシール4の中心孔4aを貫通する
クランク軸6とを備えている。なお、クランク軸6は、
図1では断面で示され、図2では貫通位置のみを一点鎖
線で示している。
【0017】オイルシール4は、断面L字状の金属補強
環8と、この断面L字状の金属補強環8の外周に設けら
れた周壁10とを備え、オイルシール4はこの周壁10
にてシリンダブロック(図示していない)に直接または
間接に装着される。また、周壁10よりも内側、すなわ
ち中心孔4a側には、基部12を介して、シリンダブロ
ックの内側であるオイル室方向および中心孔4a方向
に、斜めに突出する主リップ14と、シリンダブロック
の外部側(大気側)および中心孔4a方向に、斜めに突
出するダストリップ16とが設けられている。これら主
リップ14とダストリップ16とは、中心孔4aの全周
を取り囲むように設けられている。主リップ14および
ダストリップ16の内径dは、クランク軸6の外径Dよ
り小さく、その差(D−d)が締代に該当する。
【0018】主リップ14の外周面側には環状のバネ1
8が装着されており、このバネ18により、主リップ1
4に、クランク軸6との間をシールするのに必要な緊迫
力が与えられている。また、オイルシール4の中心孔4
aにクランク軸6が挿入された場合には、主リップ14
の内周面14aがクランク軸6の周面6aに接触する
が、この内周面14aには、スパイラル状の溝20が形
成されている。このスパイラル状の溝20は、クランク
軸6が回転する際に、主リップ14、ダストリップ16
およびクランク軸6の周面6aに囲まれている空間22
からオイルをオイル室側へ排出する作用を果たす。
【0019】ダストリップ16の内、上部側における部
分の先端には、3つの切り欠き状連通部24が形成され
ている。この連通部24はクランク軸6が中心孔4aに
貫通された状態でも、クランク軸6の周面6aに対して
非接触となり、空間22と外部側との連通状態を維持す
る。
【0020】なお、オイルシール4は、断面L字状の金
属補強環8およびバネ18を除いて、合成ゴム等の柔軟
な弾性材料にて成形されている。本実施の形態において
は、上述したごとく形成されたオイルシール4が取り付
けられているので、次のような作用効果を生じる。
【0021】すなわち、クランク軸6が非常に低い回転
にある場合などに、主リップ14とクランク軸6の周面
6aとの接触部分から、オイル室からのオイルが空間2
2内へ、一時的ににじむようにして漏出したとすると、
空間22の下部側から蓄積し始める。しかし、切り欠き
状連通部24はダストリップ16の上部側(ダストリッ
プ16の下部側以外の部分に含まれる)に存在するた
め、連通部24に達するまでは、図1に示したレベルH
1まで蓄積する必要がある。したがって、オイルが空間
22内へ漏出しても直ちに外部へのオイル漏れは生じな
い。
【0022】しかもクランク軸6の回転が通常の回転数
に上昇すれば、前述したスパイラル状の溝20や主リッ
プ14の形状による作用により、空間22内のオイル
は、主リップ14とクランク軸6の周面6aとの接触部
分からオイル室側に排出されるので、空間22内のオイ
ルがレベルH1に達することはなく、実質的に空間22
内のオイルが外部側に漏出することはない。したがっ
て、本実施の形態の回転軸シール構造であれば、オイル
の漏出を十分に防止できる。
【0023】更に、オイルが空間22からオイル室側に
排出された分、連通部24を介して外部側から空気が入
るので、空間22は負圧になることはない。このよう
に、空間22内が外気と同じ圧力に維持されているの
で、オイルシール4がクランク軸6に強く押しつけられ
ることがなく、主リップ14およびダストリップ16が
摩耗するのが防止でき、オイルシール4の耐久性を高め
ることができる。
【0024】また、本実施の形態においては、連通部2
4が、ダストリップ16の内、オイルシール4の下部側
以外の部分の先端に設けられた切り欠きとして形成され
ている。このような切り欠き形状は形成が容易であり、
特に型成形の場合は成形型の製造が容易であり、製造コ
ストが抑えられる。
【0025】さらに、従来技術と異なり、クランク軸6
の全周にわたって連通部24を設けなくてもよく、ダス
トリップ16の上部のみでよいので、一層、製造コスト
を低減できる。また、このように連通部24も少なくて
済むことから、ダストリップ16の本来の機能である、
防塵効果も高い状態に維持できる。
【0026】なお、連通部24の高さeとしては、例え
ば、締代(D−d)の半分前後に設定するがこれより低
くても高くてもよい。 [実施の形態2]図3は本実施の形態の回転軸シール構
造の構成を表す正面図であり、図4はそのB−B断面図
である。本実施の形態と前記実施の形態1との違いは、
オイルシール4−2において、連通部26が貫通孔とし
てダストリップ16の上部に形成されている点のみであ
り、他の構成は実施の形態1と同じである。
【0027】本実施の形態においては、上述したごとく
形成されたオイルシール4−2が取り付けられているの
で、次のような作用効果を生じる。すなわち、クランク
軸6が非常に低い回転にある場合などに、主リップ14
とクランク軸6の周面6aとの接触部分から、オイル室
からのオイルが空間22内へ一時的に漏出したとする
と、空間22の下部側から蓄積し始める。しかし、貫通
孔状連通部26はダストリップ16の上部側(ダストリ
ップ16の下部側以外の部分に含まれる)に存在するた
め、連通部26に達するまでは、図3に示したレベルH
2まで蓄積する必要があるので、オイルが空間22内へ
漏出しても直ちに外部へのオイル漏れは生じない。
【0028】しかもクランク軸6の回転が通常の回転数
に上昇すれば、前述したスパイラル状の溝20や主リッ
プ14の形状の作用により、主リップ14とクランク軸
6の周面6aとの接触部分から、空間22内のオイルは
オイル室側に排出されるので、実施の形態1の場合と同
様に実質的に空間22内のオイルが外部に漏出すること
はない。したがって、本実施の形態の回転軸シール構造
であれば、オイルの漏出を十分に防止できる。
【0029】更に、オイルが空間22からオイル室側に
排出された分、連通部26を介して外部側から空気が入
るので、空間22は負圧になることはない。このよう
に、空間22内が外気と同じ圧力に維持されているの
で、オイルシール4−2がクランク軸6に強く押しつけ
られることがなく、主リップ14およびダストリップ1
6が摩耗するのを防止でき、オイルシール4−2の耐久
性を高めることができる。
【0030】また、本実施の形態においては、連通部2
6が、ダストリップ16の内、オイルシール4−2の上
部側の部分に設けられた貫通孔として形成されている。
このような貫通孔は形成が容易であり、製造コストが抑
えられる。
【0031】さらに、従来技術と異なり、クランク軸6
の全周にわたって連通部26を設けなくてもよく、ダス
トリップ16の上部のみでよいので、一層、製造コスト
を低減できる。また、このように連通部26も少なくて
済むことから、ダストリップ16の本来の機能である、
防塵効果も高い状態に維持できる。
【0032】また、本実施の形態の連通部26は、貫通
孔としていることにより、ダストリップ16の先端はク
ランク軸6の全周にわたってすべてクランク軸6の周面
6aに接触する。このため、万一、空間22に侵入した
オイルがダストリップ16の上部側に達するほどに蓄積
したとしても、切り欠きの場合よりも貫通孔26の場合
は更に上方に形成されていることから、すなわち、H2
>H1であることから、切り欠きの場合よりもオイルの
漏出の防止効果が高い。
【0033】[実施の形態3]図5は本実施の形態の回
転軸シール構造の構成を表す正面図であり、図6はその
C−C断面図である。本実施の形態と前記実施の形態
1,2との違いは、オイルシール4−3における連通部
28が切り欠きや貫通孔として形成されているのではな
く、上部側においてダストリップ16の先端部16aが
クランク軸6の周面6aから離れた状態にあり、このダ
ストリップ16の先端部16aとクランク軸6の周面6
aとの間隙として連通部28が形成されている点であ
る。オイルシール4−3の他の構成は実施の形態1,2
と同じである。
【0034】また、オイルシール4−3の配置は、実施
の形態1,2の場合とは異なっている。すなわち、主リ
ップ14の内周面14aの中心を回転中心として、上部
をオイル室側に傾けるようにして、オイルシール4−3
の軸4bをクランク軸6の軸6bに対して角度θ回転さ
せた状態で、オイルシール4−3はシリンダブロックに
取り付けられている。このことにより、ダストリップ1
6の先端部16aの位置では、図示するごとく、距離g
の偏心が生じる。このことにより、上部側においてダス
トリップ16の先端部16aがクランク軸6の周面6a
に対して非接触状態となり、連通部28が形成される。
【0035】本実施の形態においては、上述したごとく
配置されたオイルシール4−3が取り付けられているの
で、次のような作用効果を生じる。すなわち、クランク
軸6が非常に低い回転にある場合などに、主リップ14
とクランク軸6の周面6aとの接触部分から、オイル室
からのオイルが空間22内へ一時的に漏出したとする
と、空間22の下部側から蓄積し始める。しかし、間隙
状連通部28はダストリップ16の上部側(ダストリッ
プ16の下部側以外の部分に含まれる)に存在するた
め、連通部28に達するまでは、図5に示したレベルH
3まで蓄積する必要があるので、オイルが空間22内へ
漏出しても直ちに外部へのオイル漏れは生じない。
【0036】しかもクランク軸6の回転が通常の回転数
に上昇すれば、前述したスパイラル状の溝20や主リッ
プ14の形状の作用により、主リップ14とクランク軸
6の周面6aとの接触部分から、空間22内のオイルは
オイル室側に排出されるので、実施の形態1,2の場合
と同様に実質的に空間22内のオイルが外部に漏出する
ことはない。したがって、本実施の形態の回転軸シール
構造であれば、オイルの漏出を十分に防止できる。
【0037】更に、オイルが空間22からオイル室側に
排出された分、連通部28を介して外部側から空気が入
るので、空間22は負圧になることはない。このよう
に、空間22内が外気と同じ圧力に維持されているの
で、オイルシール4−3がクランク軸6に強く押しつけ
られることがなく、主リップ14およびダストリップ1
6が摩耗するのを防止でき、オイルシール4−3の耐久
性を高めることができる。
【0038】また、本実施の形態においては、連通部2
8はダストリップ16の先端部16aとクランク軸6の
周面6aとの間隙にすぎないので、従来から用いられて
いるオイルシールを転用することができ、特にオイルシ
ール4−3については特別に切り欠きや貫通孔を形成す
る必要がないので新たな設備を作る必要がなくなり、製
造コストの上昇を招かない。また、シリンダブロックへ
角度θを設けた取り付けをするための取り付け部材もわ
ずかに変更するのみで済み、全体としてもコストアップ
を抑制することができる。
【0039】また、わざわざ、ダストリップ16の先端
部16aとクランク軸6の周面6aとの間に間隙を作る
ため、従来のように、クランク軸6の全周にわたって精
度よくダストリップ16の先端部16aを、クランク軸
6の周面6aに接触させる必要がなくなる。このこと
は、オイルシール4−3の成形精度が低くてもよいこと
を意味することから、製造が容易となり、製造コストを
更に抑える効果がある。
【0040】また、レベルH3の調節も、前記取り付け
部材の形状を変更するのみでよく容易に調整することが
でき、極めて調節の自由度が高い。なお本実施の形態に
おける主リップ14に対するダストリップ16の関係
は、主リップ14の軸に対してダストリップ16の軸を
上方に偏心させて配置したものとみることができる。
【0041】[その他の実施の形態] ・間隙状連通部としては、実施の形態3に示したごとく
形成する以外に、図7に示すごとく、オイルシール4−
4の下部側以外の部分のダストリップ16の一部16c
の長さを、クランク軸6の周面6aに接触しない長さに
することにより間隙を形成して、間隙状連通部30とし
てもよい。このようにすれば、オイルシール4−4をク
ランク軸6に対して偏心させることなく取り付けること
ができる。
【0042】更に、実施の形態3の場合と同様に、従来
のように、クランク軸6全周にわたって、クランク軸6
の周面6aに精度よくダストリップ16の先端部16a
を接触させる必要がなくなり、オイルシール4−4の成
形精度が低くてもよくなり、製造コストを抑える効果が
ある。なお、図7における主リップ14に対するダスト
リップ16の関係は、主リップ14の軸に対してダスト
リップ16の軸を上方に偏心させて形成させた構成とみ
ることができる。
【0043】・上述した各実施の形態では、本発明を内
燃機関のクランク軸のオイルシールに適用した構成例を
示したが、本発明は、これ以外に、内燃機関の吸気弁や
排気弁のカム軸のオイルシール、燃料噴射用のインジェ
クションポンプのプーリのオイルシール、内燃機関のオ
イルポンプ軸がクランク軸とは別の軸で形成されている
場合のポンプ軸のオイルシールなど、あるいは内燃機関
以外において回転軸のオイルや水その他の液体のシール
に適用することができる。
【0044】・また、実施の形態3では、オイルシール
4−3の軸4bをクランク軸6の軸6bに対して角度θ
傾けることにより、オイルシール4−3とクランク軸6
とをダストリップ16の先端部16aの位置で偏心させ
たが、オイルシールの内、ダストリップ側の締代を主リ
ップ側の締代よりも小さく形成し、オイルシールの軸を
クランク軸の軸に対して傾けるのではなく、オイルシー
ルの軸をクランク軸の軸に対して上部側へ平行に移動さ
せることにより偏心させて、間隙状連通部をダストリッ
プの上部側に形成してもよい。この場合、主リップの軸
もダストリップの軸も共に偏心されているが、主リップ
側の締代はダストリップ側の締代よりも大きいので、主
リップとクランク軸との間には間隙を生じさせずに、ダ
ストリップとクランク軸との間に間隙を生じさせるよう
に偏心量を調整することができる。
【0045】・上述した各実施の形態では、連通部の位
置はダストリップの上部側の位置であったが、下部でな
ければよく、例えば、ダストリップの軸位置を原点とす
る角座標で表した場合、0゜あるいは180゜の位置に
連通部を設けてもよい。
【0046】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、本発明の実施の形態には、特許請求の範囲に記載
した技術的事項以外に次のような各種の技術的事項の実
施形態を有するものであることを付記しておく。
【0047】・前記連通部が、下部側以外の部分のダス
トリップの先端に設けられた切り欠きとして形成されて
いることを特徴とする請求項1記載の回転軸シール構
造。このような切り欠き、すなわち谷部としての形状
は、形成が容易であり、特に型成形の場合は成形型の製
造が容易であり、製造コストが抑えられる。また、連通
部も少なくできることから、ダストリップ本来の機能で
ある、防塵効果も高い状態に維持できる。
【0048】・前記連通部が、下部側以外の部分のダス
トリップに設けられた貫通孔として形成されていること
を特徴とする請求項1記載の回転軸シール構造。このよ
うに切り欠きでなく、貫通孔としていることにより、ダ
ストリップの先端は回転軸の全周にわたってすべて回転
軸に接触することができる。このため、万一、前記空間
に侵入した液体が下部側から上へ行くほどに蓄積したと
しても、ダストリップの先端に設けられる切り欠きより
も貫通孔は更に上方に形成されることから、切り欠きの
場合よりも液体の漏出の防止効果が高くなる。また、連
通部も少なくできることから、ダストリップ本来の機能
である、防塵効果も高い状態に維持できる。
【0049】・前記連通部が、下部側以外の部分のダス
トリップの先端と前記回転軸との間に設けられた間隙と
して形成されていることを特徴とする請求項1記載の回
転軸シール構造。
【0050】このように、間隙を形成すると、シール体
の形状としては、ダストリップに特別に切り欠きや貫通
孔を形成する必要がないので、シール体の製造が容易で
ある。また、わざわざ間隙を作るため、従来のように、
回転軸全周にわたって精度よくダストリップの先端を接
触させる必要がなくなる。このことは、シール体の成形
精度が低くてもよいことを意味することから、製造が容
易となり、製造コストを更に抑える効果がある。
【0051】・そして、この構成において、更に、前記
間隙が、前記回転軸に対して、前記シール体の内の前記
ダストリップを上方へ偏心することにより形成されてい
ることを特徴とする回転軸シール構造。
【0052】この構成は、シール体を自身にて主リップ
の軸に対してダストリップの軸を平行移動させて実現す
ることもできるが、これ以外に例えば、主リップとダス
トリップとの軸が一致しているシール体でも、シール体
の軸を回転軸の軸に対して角度を持たせて配置すること
により実現できる。このようにすると上述した効果以外
に、従来のシール体そのものを転用でき、新たなシール
体を製造するために新たな設備を作る必要がなくなり、
製造コストが大幅に抑えられるという効果も生じる。
【0053】・あるいは、前記間隙が、前記回転軸に対
する締代を主リップ側よりもダストリップ側を小さく形
成し、前記回転軸に対して前記シール体を上方へ偏心す
ることにより形成されていることを特徴とする回転軸シ
ール構造。
【0054】このように、間隙を形成すると、シール体
の形状としては、特別に切り欠きや貫通孔を形成する必
要がなく、主リップとダストリップとの軸が一致してい
るので、シール体の製造が容易である。また、従来のシ
ール体そのものを転用できる場合があり、この場合には
新たなシール体を製造するために新たな設備を作る必要
がなくなり、製造コストが大幅に抑えられる。
【0055】・あるいは、前記間隙が、下部側以外の部
分のダストリップの長さを、前記回転軸の周面に接触し
ない長さにすることにより形成されていることを特徴と
する回転軸シール構造。
【0056】このようにすることにより、シール体を回
転軸に偏心させることなく取り付けることができる。更
に、従来のように、回転軸全周にわたって精度よくダス
トリップの先端部を接触させる必要がなくなり、シール
体の成形精度が低くてもよくなり、製造コストを抑える
効果がある。
【0057】
【発明の効果】請求項1記載の回転軸シール構造は、主
リップ、ダストリップおよび回転軸により囲まれた空間
内の液体が主リップ側へ吸引される場合には、前記連通
部が、前記空間内に外気を導入することにより、前記空
間が負圧になるのを防止して、シール体が回転軸に強く
押しつけられないようにし、主リップやダストリップが
摩耗するのを防止でき、シール体の耐久性を高めること
ができる。
【0058】また、前記空間内に主リップ側より液体が
侵入してくる場合には、前記空間の下部側から液体が蓄
積し始めるので、侵入してきた液体が直ちに連通部より
外部に漏出することはない。そして、通常、全空間に液
体が満たされる前に、空間内の液体が主リップ側へ吸引
される状態となるため、再度、空間内の液体が主リップ
側から除去される。このため、液体が外部に漏出するの
を防止することができる。
【0059】このことにより、シール体の耐久性の向上
と、液体の漏出防止とを両立させることができる。ま
た、回転軸の全周にわたって連通部を設けなくてもよい
ので、一層、製造コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1としての回転軸シール構造の構
成を表す正面図。
【図2】 図1におけるA−A断面図。
【図3】 実施の形態2としての回転軸シール構造の構
成を表す正面図。
【図4】 図3におけるB−B断面図。
【図5】 実施の形態3としての回転軸シール構造の構
成を表す正面図。
【図6】 図5におけるC−C断面図。
【図7】 その他の実施の形態としての回転軸シール構
造の断面図。
【図8】 従来例としての回転軸シール構造の断面図。
【符号の説明】
4,4−2,4−3,4−4…オイルシール、4a…オ
イルシールの中心孔、4b…オイルシールの軸、6…ク
ランク軸、6a…クランク軸の周面、6b…クランク軸
の軸、8…金属補強環、10…周壁、12…基部、14
…主リップ、14a…主リップの内周面、16…ダスト
リップ、16a…ダストリップの先端部、16c…ダス
トリップの一部、18…環状のバネ、20…スパイラル
状の溝、22… 空間、24…切り欠き状連通部、26
…貫通孔状連通部、28…間隙状連通部、30…間隙状
連通部。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ほぼ水平方向に配置された回転軸を、リ
    ング状のシール体で取り囲み、該シール体に設けられた
    主リップとダストリップとを前記回転軸の周面に接触さ
    せることで、前記主リップ側から前記ダストリップ側へ
    液体が漏出するのを防止する回転軸シール構造であっ
    て、 前記ダストスリップの内、下部側以外の部分に、前記主
    リップ、前記ダストリップおよび前記回転軸により囲ま
    れた空間内と前記ダストリップより外側とを連通する連
    通部を設けたことを特徴とする回転軸シール構造。
JP9331589A 1997-12-02 1997-12-02 回転軸シール構造 Pending JPH11166630A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007183005A (ja) * 2001-04-10 2007-07-19 Carl Freudenberg Kg ラジアルシャフトシール
KR101127244B1 (ko) * 2006-12-26 2012-03-29 평화오일씰공업주식회사 차량 크랭크축용 오일씰

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