JPH11166016A - スチレン系オリゴマー及びその製造方法 - Google Patents

スチレン系オリゴマー及びその製造方法

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JPH11166016A
JPH11166016A JP9333184A JP33318497A JPH11166016A JP H11166016 A JPH11166016 A JP H11166016A JP 9333184 A JP9333184 A JP 9333184A JP 33318497 A JP33318497 A JP 33318497A JP H11166016 A JPH11166016 A JP H11166016A
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oligomer
group
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polymerization
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JP9333184A
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English (en)
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Kiyoshi Takesute
清 武捨
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Adeka Corp
Original Assignee
Asahi Denka Kogyo KK
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F212/00Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by an aromatic carbocyclic ring
    • C08F212/02Monomers containing only one unsaturated aliphatic radical
    • C08F212/04Monomers containing only one unsaturated aliphatic radical containing one ring
    • C08F212/14Monomers containing only one unsaturated aliphatic radical containing one ring substituted by heteroatoms or groups containing heteroatoms
    • C08F212/22Oxygen

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、ノニオン性のポリアルキレ
ンオキサイドからなる親水性基と芳香族環を有する疎水
性基を併せ有し、分子中に反応基を有せずに、かつ、親
水基と疎水基の間隔と分子量を制御したスチレン系オリ
ゴマー及びその製造方法を提供することにある。 【解決手段】 本発明のスチレン系オリゴマーは、一般
式(1) 【化1】 (式中、R1は炭素数2〜4のアルキレン基を表し、R2
は芳香環を含む炭素数1〜30の炭化水素基を表し、a
>0、b≧0、mは1〜6の整数を表し、nは1〜10
0の整数を示す)で表される構造を繰り返し単位として
有してなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な櫛型スチレ
ン系オリゴマーに関し、更に詳しくは、親水性基として
ポリエチレンオキシド鎖を側鎖に有し、重合度の比較的
低いスチレン系オリゴマーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリアルキレンオキシド誘導体は活性水
素を有する化合物にエチレンオキシド、プロピレンオキ
シド等のアルキレンオキシドを付加重合させ、必要に応
じて種々の変成を加えて合成され、原料化合物の組合せ
や使用量等により、低粘度から高粘度、油溶性から水溶
性、低融点から高融点等種々の特性を有するものが得ら
れる。広範な特性の誘導体が得られることから用途は医
薬化粧品、発酵工業、潤滑油、樹脂、シリコーン分野等
多岐に渡っている。又、変成技術の検討も活発に行われ
ており、それにより用途拡大が試みられている。
【0003】例えば、ポリアルキレンオキシド誘導体の
中で比較的分子量の大きい親水性オリゴマーは、樹脂や
繊維の帯電防止剤、親水化剤、吸水性付与剤、可塑剤、
高分子固体電解質等の多方面の用途で実用化されている
が、現在も改良検討が継続されており、更に新変成法開
発により新たな市場ニーズへの対応も考えられる。
【0004】まず、帯電防止剤には界面活性剤型低分子
化合物と高分子型永久帯電防止剤がある。現在実用化さ
れている代表的な高分子型帯電防止剤としては、赤松清
監修“帯電防止材料の最新技術と応用”、シーエムシ
ー、p99(1996)に記載されているように、ポリ
エチレングリコールメタクリレート共重合体、ポリエー
テルエステルアミド、ポリエーテルアミドイミド、ポリ
エチレンオキシドーエピクロルヒドリン共重合体等があ
るが、耐熱性、耐変色性、加工工程中での脱落、分子中
に反応性官能基を有する等において課題がある。主鎖及
び主鎖付近に芳香環を有するポリエチレンオキシド誘導
体としては、例えば、特許番号第2528784号(特
開平7ー70293号公報)には帯電防止剤及び樹脂組
成物としてフェノール・ジビニルベンゼン付加重合体の
ポリオキシアルキレンエーテルが示されている。この化
合物はアルキレンオキシドの付加モル数は任意に変える
ことができるが、主鎖はフェノール類とジビニルベンゼ
ン付加物に固定される。
【0005】このように、従来の親水性オリゴマーは、
これを櫛型オリゴマーと考えた場合、櫛の歯の長さ[主
鎖と主鎖から分岐する側鎖からなる重合体の側鎖の長
さ。本発明の化合物ではアルキレンオキシドの付加モル
数が該当する]はアルキレンオキシドの付加モル数で調
節できるが、櫛の歯の間隔[主鎖と主鎖から分岐する側
鎖からなる重合体の側鎖同士の間隔。本発明の化合物で
はアルキレンオキシドを有する側鎖同士の間隔が該当す
る]の調節は制限されるため、分子構造上の自由度が少
なく、目的とする性能が十分発揮されているか懸念があ
る。
【0006】又、熱可塑性樹脂として例えばポリエステ
ル樹脂に溶融混練した場合は、化合物が水酸基等エステ
ル交換反応を起こす官能基を有すると、樹脂が重合度の
低下を起こして物性が低下する可能性がある。更に、ポ
リカーボネート樹脂においては、例えば特開平9−25
335号公報にみられるように、本来有する樹脂の透明
性を損なわないような改質剤の検討がなされている。こ
のように、帯電防止性だけではなく種々の機能が要求さ
れ、用途に応じたきめ細かな材料対応や技術革新が求め
られている。
【0007】一方、高分子固体電解質の分野においては
さまざまなタイプのものが登場したが、現状ではポリエ
チレンオキシド系に集約されている。例えば、特公平8
−32752号公報、同8−32753号公報、同8−
32754号公報、同8−32755号公報にはエチレ
ンオキシド等の重合体のメタクリル酸やアクリル酸等の
エステル類を反応させた高分子が示されているが、これ
に代表されるように、分子中にエステルやウレタン結合
を有したり、芳香環は有しないものが殆どであり、加水
分解による物性低下、耐熱性、耐久性等の点で不安を残
している。
【0008】又、インキ、トナー、塗料、樹脂、ゴム、
繊維、紙、写真、フィルム等の諸分野において、強度、
剛性、接着性、耐熱性、耐候性、色調、深色性、艶消し
や白色化(隠蔽性)、触感特性、滑り性や耐磨耗性、及
び粘度特性の改良、増量によるコストダウン、導電性等
の新機能付与を目的として、シリカ、炭酸カルシウム、
二酸化チタン、タルク、フェライト、金属粉、金属繊
維、ガラス繊維等の無機微粒子や有機顔料等が使用され
ている。しかし、無機微粒子の表面は一般に水酸基のよ
うな極性基や吸着水で覆われているため親油性に乏し
く、そのままでは樹脂やゴム等の有機媒体中に均一に分
散させることは困難であり、顔料においても非水系のビ
ヒクル中で凝集して色むらや光沢を失うなど目的が十分
果たせない。
【0009】そこで、無機微粒子や顔料の表面性を変化
させて分散性を向上させるため、種々のカップリング剤
で処理したり、各種界面活性剤や樹脂で被覆する方法が
行われている。例えば、特公平7−98657号公報に
は特殊なシリル化剤が、特公平8−13938号公報に
はアミノ酸−長鎖アミドからなる表面改質剤がそれぞれ
記載されている。これら従来の表面改質剤や分散剤は分
散性、耐熱性、経済性、マトリックス樹脂との相溶性等
において課題を残しており、特にマトリックス樹脂との
非反応性、他の添加剤や改質剤の性能を阻害しない、微
粒子が他の添加剤や改質剤を失活させるのを防ぐ等の要
求を満足するものは殆どない。
【0010】上述の用途や課題に対して共通するポリア
ルキレンオキシド誘導体の望ましい分子構造は、親水性
基と疎水性基からなり、その量を用途や必要機能により
自由に制御できること、親水性基は多様な用途に使用可
能という見地からノニオン性のポリエチレンオキシド鎖
が適当であり、分子量は樹脂との相溶性や要求機能に合
わせて千から数万程度の間で制御できることが必要であ
る。又、疎水性基は耐熱性や樹脂改質剤用途としては想
定しているマトリックス樹脂である芳香族樹脂との親和
性を考慮して芳香環を有することが望ましい。更に、ポ
リエステル樹脂等と溶融混練時に樹脂の重合度低下を起
こして樹脂物性を低下したり、種々の併用薬剤の機能を
阻害しないため反応基を有しないことも重要である。こ
れらの項目を満足するようなポリエチレンオキシド誘導
体は知られていない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ノニ
オン性のポリアルキレンオキサイドからなる親水性基と
芳香族環を有する疎水性基を併せ有し、分子中に反応基
を有せずに、かつ、親水基と疎水基の間隔と分子量を制
御したスチレン系オリゴマー及びその製造方法を提供す
ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決すべく鋭意検討した結果、下記の一般式(1)で
表される構造を繰り返し単位として有してなるスチレン
系オリゴマーが多用な機能を有することを見出し、本発
明を完成するに至った。
【0013】即ち、本発明は、一般式(1)
【化3】 (式中、R1は炭素数2〜4のアルキレン基を表し、R2
は芳香環を含む炭素数1〜30の炭化水素基を表し、a
>0、b≧0、mは1〜6の整数を表し、nは1〜10
0の整数を示す)で表される構造を繰り返し単位として
有してなるスチレン系オリゴマーに係る。
【0014】又、本発明は、スチレン系オリゴマーの製
造方法において、一般式(A)
【化4】 (式中、R1は炭素数2〜4のアルキレン基を表し、R2
は芳香環を含む炭素数1〜30の炭化水素基を表し、m
は1〜6、nは1〜100の整数を示す)で表されるモ
ノマーと;スチレンモノマーとを、重合開始剤及び連鎖
移動剤の存在下、重合させることを特徴とするスチレン
系オリゴマーの製造方法に係る。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の化合物は、一般式(1)
【化5】 (式中、R1は炭素数2〜4のアルキレン基を表し、R2
は芳香環を含む炭素数1〜30の炭化水素基、a>0、
b≧0、mは1〜6の整数を表し、nは1〜100の整
数を示す)で表される構造を繰り返し単位として有して
なることを特徴とする。
【0016】ここで、aは小さくなるほど重合体の親水
性が弱くなるが、本発明のスチレン系オリゴマーの様々
な用途を考慮するとa/(a+b)は1〜1/100で
あることが望ましい。また、平均重合度a+b≦45
(ただし、a=0であることはない)であるがこれより
も大きいと樹脂等との相溶性が低下し、また、添加剤や
改質材としての性能が得られない。なお、 aとbの最
適な値(重合比と重合度)は用途によって異なる。
【0017】また、アルキレンオキシドの種類と付加モ
ル数も用途によって異なる。ただし、一般式(1)で表さ
れる繰り返し単位部分の分子量は5万以下であることが
望ましい。
【0018】アルキレンオキシドの種類については、エ
チレンオキシドは親水性基として含んでなることが好ま
しい。プロピレンオキシドやブチレンオキシド等も疎水
性付与、流動性や結晶性変化の変化等の目的で適宜組み
入れることができるが、必ずしも含んでなる必要はな
い。
【0019】ところで、本発明のスチレン系オリゴマー
は基本的に水酸基、アミノ基、エステル結合、ウレタン
結合等の反応性に富む部位は有さない。そのため、ポリ
エステル樹脂等と溶融混練しても、樹脂物性を低下させ
たり、種々の併用薬剤の機能を阻害したり、着色するこ
とはない。耐熱性もポリエチレンオキシド誘導体として
は良好である。
【0020】本発明のスチレン系オリゴマーを製造する
方法としては、 一般式(A)
【化6】 (式中、各符号は前記と同義)で表されるモノマーと、
スチレンモノマーとを重合させる方法; ヒドロキシスチレン又はヒドロキシアルキルスチレン
とスチレンモノマーとの共重合体に、アルキレンオキサ
イドを付加重合させ、次いで末端の水酸基をWilliamson
法によりアリールエーテル化またはアルキルアリールエ
ーテル化する方法がある。
【0021】一般式(A)で表されるモノマーは、例え
ば、ハロアルキルスチレンとポリオキシアルキレンア
ルキルアリールエーテル等からWilliamson法によりエー
テル化し合成する方法、又はヒドロキシスチレン或い
はヒドロキシアルキルスチレンにアルキレンオキシドを
付加重合後、末端水酸基をWilliamson法によりアリール
エーテル等エーテル化する方法により得ることができ
る。例えば、アルキレンオキシド付加物をナトリウムメ
チラートによりアルコラート化し、ハロアルキルスチレ
ン等のハロゲン化物を加えて合成することができる。副
生する食塩等は水を加えて溶解させポリアルキレンオキ
シド誘導体と2層分離・濾過或いは吸着剤処理等により
分離することで除去する。また、食塩等はトルエン等の
溶媒で希釈し、濾別して分離することができる。
【0022】一般にポリアルキレンオキシド誘導体はア
ルカリ性で加熱し、特に空気との接触があると着色す
る。これはポリアルキレンオキシド誘導体中にアルデヒ
ド等の酸化生成物が存在するためと考えられるが、あら
かじめナトリウムボロハイドライド処理などにより還元
処理をし、反応中は空気との接触を避けることにより改
善できる。
【0023】アルキレンオキシドを付加させる際は、酸
触媒又はアルカリ触媒のような触媒の存在下、好ましく
は加圧下、高温(例えば80〜200℃、好ましくは1
00〜180℃)で既知の方法によってこれを行うこと
ができる。触媒は、酸触媒、例えば三フッ化ホウ素また
は塩化アルミニウムのようなルイス酸であることもでき
るが、さらに好ましくは、アルカリ触媒、例えばアルカ
リ金属またはアルカリ土類金属のアルコラート、水酸化
物、酸化物、炭酸塩、水素化物またはアミドである。特
に好ましい触媒はナトリウムまたはカリウムのアルコラ
ート(例えばメチラートまたはエチラート)及び水酸化
物である。触媒は通常、最終生成物に対して0.05〜
3重量%、好ましくは0.1〜1重量%の量で使用す
る。反応終了後、触媒は必要に応じて中和、濾過、吸着
剤処理等により除去する。
【0024】アルキレンオキシドの種類については、エ
チレンオキシドは親水性基として含んでなることが好ま
しい。プロピレンオキシドやブチレンオキシド等も疎水
性付与、流動性や結晶性変化の変化等の目的で適宜組み
入れることができるが、必ずしも含んでなる必要はな
い。
【0025】使用する出発物質は活性水素を有する化合
物なら使用可能であり、ノニルフェノール、オクチルフ
ェノール、クレゾール等のアルキルフェノール類、スチ
レン化フェノール、p−クメルフェノール、フェノール
等の一価フェノール類、ハイドロキノン、カテコール、
レゾルシン、オルシン、ウルシオール等の単環二価フェ
ノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビス
フェノールS、4,4’-ジヒドロキシジフェニル−
2,2−ブタン等のビスフェノール類、ヒドロキシフェ
ニル類、ヒドロキシナフタレン類、ベンジルアルコール
類、芳香族アミン類、芳香族メルカプタン等が挙げられ
る。
【0026】ビニル単量体の重合方法としては、ラジカ
ル重合法、アニオン重合法、カチオン重合法等がある
が、工業的には一般にラジカル重合法が用いられ、ラジ
カル重合法においてもその重合法としては塊状重合、溶
液重合、懸濁重合、乳化重合、気相重合、固相重合法等
がある。本発明ではいずれの方法でも用いることができ
る。
【0027】なお、本発明では一般式(A)で表される
モノマーと、スチレンモノマーとの重合度をラジカル重
合法としては小さく制御するのがポイントであり、それ
により通常の高分子化合物とは物性が異なり、添加剤や
改質剤等の性能が得られる。そのように低分子重合体を
得る方法としては、連鎖移動剤を用いることが必須であ
り、用いる連鎖移動剤の量を調節したり、連鎖移動定数
の異なる連鎖移動剤を適切に選択することで低分子重合
体を得ることができる。又、あわせて、一般的な方法、
例えば、溶液重合法で溶媒を多くする、開始剤を多くす
る、又は連鎖移動定数の大きい溶媒、開始剤を使用す
る、或いは反応温度を上昇させる方法等が併用できる。
【0028】なお、連鎖移動剤を用いない方法、或いは
その方法の併用では所望のオリゴマーを合成することは
困難である。
【0029】また、重合物の櫛の歯の間隔は、一般式
(A)のモノマーと、スチレンモノマーの仕込み量によ
って制御できる。これは、一般式(A)のモノマーとス
チレンモノマーとは反応性がほぼ等しいことによる。こ
のように櫛の歯の間隔を制御できることは本発明の大き
な特徴である。
【0030】なお、疎水基と親水基のバランスや表面エ
ネルギーは、一般式(A)で表されるモノマーと、スチ
レンモノマーの共重合比の他、一般式(A)で表される
モノマー中のポリエチレンオキシドの付加モル数によっ
ても制御することができる。
【0031】このように一般式(A)で表されるモノマ
ーと、スチレンモノマーの最適な間隔と重合度、アルキ
レンオキシドの種類と付加モル数は用途によって異なる
が、本発明では それらを任意に制御できる。
【0032】重合開始剤としては例えば、有機過酸化物
[ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシベン
ゾエート、ジクミルパーオキシド、t−ブチルクミルパ
ーオキシド、ジーt−ブチルパーオキシド、t−ブチル
ハイドロパーオキシド等]、無機過酸化物[過硫酸ナト
リウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等]、ア
ゾ化合物[2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(以
降AIBNと記す)、2,2’−アゾビス(2ーアミジ
ノプロパン)二塩酸塩等]、レドックス重合開始剤[過
硫酸塩−酸性亜硫酸ナトリウム、クメンハイドロパーオ
キシド−第一鉄塩、ベンゾイルパーオキシド−N,N−
ジメチルアニリン等]が用いられる。本発明の場合、ス
チレンモノマーは非極性物質に対して溶解性があり、一
般式(A)のモノマーは、アルキレンオキシドの付加モ
ル数等によるが、界面活性剤的作用を有し多くの物質を
可溶化、分散・乳化するので開始剤の選択に際して溶解
性による制約は少なく、比較的広範な開始剤が使用でき
る。
【0033】連鎖移動剤は、基本的には連鎖移動定数の
大きいものが効果的でありそのようなものならば制限は
なく、ポリハロゲン化メタンやハロゲン化炭化水素、メ
ルカプタン類、αメチルスチレンダイマー、アルコール
等の活性水素化合物、2,4−ジフェニル−4−メチル
−1−ペンテン等の2,2−二置換オレフィン等が使用
できるが、用途や重合体の物性に与える有用性と制約、
経済性等を考慮して選択する。使用量は連鎖移動剤とし
ての効果、目標重合度等によって異なるが、モノマーに
対して0.01〜0.5モル比が望ましい。
【0034】反応溶媒は水(乳化重合)から非極性溶媒
まで使用可能であるが、一般式(A)で表されるモノマ
ーが溶媒的作用を有することや、経済的見地等から無溶
媒系又は水系が望ましい。重合反応は通常窒素等の不活
性気体の雰囲気下で常圧又は加圧下で行う。重合温度は
開始剤の種類等によって異なり適宜設定する。
【0035】本発明の場合、比較的多量の連鎖移動剤を
使用し、連鎖移動剤を使用すると反応速度が低下するの
で、反応温度が高い方が反応時間が短縮化されモノマー
転化率も向上し、工業的には有利である。しかし、反応
温度を上昇させると開始剤の分解速度は増大するが反応
に利用される割合が減少し、重合体の収率が低下する。
従って、適当な反応速度で進行するような温度範囲の開
始剤を選ぶ必要がある。一般に60〜220℃が望まし
い範囲である。反応時間は通常1〜50時間、好ましく
は2〜20時間である。
【0036】本発明のスチレン系オリゴマーは、本発明
の効果を損なわない限り、スチレン系、アクリル酸系、
メタクリル酸系、マレイン酸系等の他のラジカル重合性
モノマーを含んでもよい。又、他のラジカル重合性モノ
マーはポリエチレンオキシド等の非イオン系、スルホン
酸(塩)等のアニオン系、四級アンモニウム塩等のカチ
オン系のいずれも併用可能である。
【0037】本発明のスチレン系オリゴマーは櫛型構造
を広範かつ任意に設計が可能であることから用途は多岐
に渡る。用途により最適構造、即ち、櫛の歯の長さ[主
鎖と主鎖から分岐する側鎖からなる重合体の側鎖の長
さ。本発明の化合物ではアルキレンオキシドの付加モル
数]、櫛の歯の間隔[主鎖と主鎖から分岐する側鎖から
なる重合体の側鎖同士の間隔。本発明の化合物ではアル
キレンオキシドを有する側鎖同士の間隔]は異なる。用
途は特に限定されないが、例えば、ミクロ相分離構造、
両親媒性、界面活性等の物性・機能の複合化が要求され
る分野がまず上げられ、樹脂等の帯電防止剤・親水化剤
・可塑剤・融液の粘度低下剤・相溶化剤・接着剤、無機
微粒子の分散剤・表面処理剤、高分子固体電解質等があ
る。又、耐熱性、酸化安定性に優れた潤滑油基油、界面
活性剤等が挙げられる。
【0038】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に説明する
が、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に限
定されるものではないことを理解されたい。なお、実施
例中の「部」は全て重量によるものである。 一般式(A)で表される化合物の製造例1 オートクレーブにp-クメルフェノール212部、水酸
化カリウム0.8部を仕込み、窒素置換して溶解後、エ
チレンオキシド590部を120〜140℃で徐々に注
入した。エチレンオキシド注入終了後、1時間熟成し、
p-クメルフェノール・13EO付加物を合成した。こ
のp-クメルフェノール・13EO付加物500部にS
WS(野村事務所、12%ナトリウムボロハイドライド
のアルカリ水溶液)を2部仕込み80℃で1時間攪拌
後、28%ナトリウムメチラート135部を仕込み減圧
下95〜115℃でメタノールを除去した。窒素にて大
気圧に戻し40℃に冷却してp−ビニルベンジルクロラ
イド107部を滴下した。その後、徐々に昇温し70℃
で2時間反応した。次いで、水を加えリン酸でpH6に
中和後静置し、下層の水層及び塩化ナトリウムを除去し
た。減圧下で揮発分を除去してから、吸着剤キョワード
600S(協和化学工業製)を5g加えて100℃にて
処理後、吸着剤を濾過して除き生成物(以下VB/13
EO/PCPと略記)を得た。生成物の構造と、1H−
NMRシグナルの帰属 (δ値) を以下に示す。尚、1
−NMRは日本電子製JNM−LA400型FT−NM
R装置を用いて測定した。
【化7】
【0039】一般式(A)で表される化合物の製造例2 オートクレーブにp-クメルフェノール212部、水酸
化カリウム1.0部を仕込み、窒素置換して溶解後、エ
チレンオキシド820部を120〜140℃で徐々に注
入した。エチレンオキシド注入終了後、1時間熟成し、
p-クメルフェノール・18EO付加物を合成した。こ
のp-クメルフェノール・18EO付加物500部にS
WS(野村事務所、12%ナトリウムボロハイドライド
のアルカリ水溶液)を2部仕込み80℃で1時間攪拌
後、28%ナトリウムメチラート106部を仕込み減圧
下95〜115℃でメタノールを除去した。窒素にて大
気圧に戻し40℃に冷却してp−ビニルベンジルクロラ
イド84部を滴下した。その後、徐々に昇温し70℃で
2時間反応した。次いで、水を加えリン酸でpH6に中
和後静置し、下層の水層及び塩化ナトリウムを除去し
た。減圧下で揮発分を除去してから、吸着剤キョワード
600S(協和化学工業製)を5g加えて100℃にて
処理後、吸着剤を濾過して除き生成物(以下VB/18
EO/PCPと略記)を得た。生成物の構造と、1H−
NMRシグナルの帰属 (δ値) を以下に示す。
【化8】
【0040】一般式(A)で表される化合物の製造例3 オートクレーブにスチレン化フェノール300部、水酸
化カリウム1.2部を仕込み、窒素置換して溶解後、エ
チレンオキシド910部を120〜140℃で徐々に注
入した。エチレンオキシド注入終了後、1時間熟成し、
スチレン化フェノール・20EO付加物を合成した。こ
のスチレン化フェノール・20EO付加物500部にS
WS(野村事務所、12%ナトリウムボロハイドライド
のアルカリ水溶液)を2部仕込み80℃で1時間攪拌
後、28%ナトリウムメチラート90部を仕込み減圧下
95〜115℃でメタノールを除去した。窒素にて大気
圧に戻し40℃に冷却してp−ビニルベンジルクロライ
ド71部を滴下した。その後、徐々に昇温し70℃で2
時間反応した。次いで、水を加えリン酸でpH6に中和
後静置し、下層の水層及び塩化ナトリウムを除去した。
減圧下で揮発分を除去してから、吸着剤キョワード60
0S(協和化学工業製)を5g加えて100℃にて処理
後、吸着剤を濾過して除き生成物(以下VB/10EO
/SPと略記)を得た。生成物の構造と、1H−NMR
シグナルの帰属 (δ値) を以下に示す。
【化9】
【0041】実施例1 上記製造例1で得たVB/13EO/PCPモノマー4
5部とスチレンモノマー5.2部を混合し、開始剤とし
てAIBN3.3部及び連鎖移動剤としてαメチルスチ
レンダイマー4.7部を加え70〜120℃で6時間反
応した。反応液は30分毎にサンプリングして経時変化
を調べた。分析はGPC(東ソー製HLC−8020型
GPC装置)及び1H−NMRを用い、各モノマーの残
存量はGPC及び1H−NMRにより求めた。平均重合
度はGPCより求めた平均分子量から各モノマーの仕込
み量に応じて共重合しているとして算出した。なお、V
B/13EO/PCPモノマーとスチレンモノマーは残
存量が10〜20%まではほぼ同じ割合で減少し、それ
以降はスチレンモノマーの方が減少速度がやや速い傾向
があった。減少分は重合体に取り込まれていると考える
と2種のモノマーの反応性は殆ど同じであり、2種のモ
ノマーはランダム共重合していると考えられる。反応終
了後のVB/13EO/PCPモノマーの残存量は仕込
時の7%、スチレンモノマーは4%以下であった。又、
平均重合度は2種のモノマーがランダム共重合している
として算出すると各モノマーについては4.8であっ
た。反応終了後110℃、10mmHgにて1時間スチ
レンモノマー等の低沸点化合物を除去した。最終生成物
1H−NMRにおいてはVB/13EO/Meモノマ
ーで観測された芳香環に結合したビニル基のシグナル強
度は上記の残存量に応じて減少し、メチレン基のシグナ
ルはブロード化した。ポリエチレンオキシド鎖と末端p
−クメルフェニル基のシグナルは出現した。
【0042】実施例2 上記製造例2で得たVB/18EO/PCPモノマー5
6部とスチレンモノマー5.2部を用い、70〜120
℃で6時間反応した以外は実施例1に準じて合成した。
反応終了後のVB/18EO/PCPモノマーの残存量
は仕込時の9%、スチレンモノマーは5%であった。
又、平均重合度は2種のモノマーが仕込み量に応じて共
重合しているとすると各モノマーについて5.2であっ
た。
【0043】実施例3 上記製造例2で得たVB/20EO/SPモノマー65
部とスチレンモノマー5.2部を用い、70〜120℃
で8時間反応した以外は実施例1に準じて合成した。反
応終了後のVB/20EO/SPモノマーの残存量は仕
込時の10%、スチレンモノマーは2%以下であった。
又、平均重合度は2種のモノマーが仕込み量に応じて共
重合しているとすると各モノマーについて5.3であっ
た。
【0044】比較例1 上記製造例1で得たVB/10EO/PCPモノマー4
5部、開始剤としてAIBN3.3部を加え70〜11
0℃で6時間反応した。反応終了後のVB/10EO/
PCPモノマーの残存量は仕込時の5%以下であった。
平均重合度は46以上であった。
【0045】比較例2 上記製造例2で得たVB/18EO/PCPモノマー5
6部とスチレンモノマー5.2部を混合し、開始剤とし
てAIBN3.3部を加え、70〜120℃で6時間反
応した。反応終了後のVB/18EO/PCPモノマー
の残存量は仕込時の5%以下、スチレンモノマーは2%
以下であった。又、平均重合度は2種のモノマーが仕込
み量に応じて共重合しているとすると両モノマーの合計
で50以上であった。
【0046】
【発明の効果】本発明により、主鎖がポリスチレン骨
格、側鎖はポリエチレンオキシド鎖から構成される新規
櫛型スチレン系オリゴマーが提供される。本発明のスチ
レン系オリゴマーは、分子設計の自由度が大きく、櫛の
間隔、疎水基や親水基のバランス、分子量が任意に制御
可能できるため、用途や要求物性にあった任意の構造の
ポリアルキレンオキシド誘導体を得ることが可能とな
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1は炭素数2〜4のアルキレン基を表し、R2
    は芳香環を含む炭素数1〜30の炭化水素基を表し、a
    >0、b≧0、mは1〜6の整数を表し、nは1〜10
    0の整数を示す)で表される構造を繰り返し単位として
    有してなるスチレン系オリゴマー。
  2. 【請求項2】 一般式(1)において、a+b≦45で
    ある、請求項1に記載のスチレン系オリゴマー。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のスチレン系オリ
    ゴマーの製造方法において、一般式(A) 【化2】 (式中、R1は炭素数2〜4のアルキレン基を表し、R2
    は芳香環を含む炭素数1〜30の炭化水素基を表し、m
    は1〜6、nは1〜100の整数を示す)で表されるモ
    ノマーと;スチレンモノマーとを、重合開始剤及び連鎖
    移動剤の存在下、重合させることを特徴とするスチレン
    系オリゴマーの製造方法。
  4. 【請求項4】 一般式(A)で表されるモノマーが、ポ
    リオキシアルキレンアルキルアリールエーテル及びポリ
    オキシアルキレンアリールエーテルからなる群から選択
    される1種または2種以上と、ハロアルキルスチレンと
    の反応生成物である、請求項3記載のスチレン系オリゴ
    マーの製造方法。
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