JPH11165288A - 力制御ロボット - Google Patents
力制御ロボットInfo
- Publication number
- JPH11165288A JPH11165288A JP33598197A JP33598197A JPH11165288A JP H11165288 A JPH11165288 A JP H11165288A JP 33598197 A JP33598197 A JP 33598197A JP 33598197 A JP33598197 A JP 33598197A JP H11165288 A JPH11165288 A JP H11165288A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- machining
- tool
- robot
- load
- grinder
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Manipulator (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ロボットの把持する工具に作用する加工負荷
を検出し、加工負荷の変動に応じて工具の送り速度等を
制御する機能を備えた力制御ロボットによる加工作業に
おいて、加工を中断することなく、加工負荷の変動に対
処しながら効率良く加工を遂行する。 【解決手段】 工具15に加工対象物から作用する加工
負荷の大きさを監視する手段28と、あらかじめロボッ
トに教示した加工経路36に沿って加工する過程で、加
工負荷が増大しかつ送り速度があらかじめ設定した最低
送り速度以下に低下した状況を判断する手段29と、上
記最低送り速度以下に送り速度が低下した場合に、前記
加工経路上の後方もしくは加工対象物から離れる方向へ
工具を所定の距離もしくは所定時間だけ待避させる手段
30とを備える。
を検出し、加工負荷の変動に応じて工具の送り速度等を
制御する機能を備えた力制御ロボットによる加工作業に
おいて、加工を中断することなく、加工負荷の変動に対
処しながら効率良く加工を遂行する。 【解決手段】 工具15に加工対象物から作用する加工
負荷の大きさを監視する手段28と、あらかじめロボッ
トに教示した加工経路36に沿って加工する過程で、加
工負荷が増大しかつ送り速度があらかじめ設定した最低
送り速度以下に低下した状況を判断する手段29と、上
記最低送り速度以下に送り速度が低下した場合に、前記
加工経路上の後方もしくは加工対象物から離れる方向へ
工具を所定の距離もしくは所定時間だけ待避させる手段
30とを備える。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、力制御ロボットに
係り、例えば、グラインダをエンドエフェクタとして溶
接ビードの切削作業を遂行する力制御ロボットに関す
る。
係り、例えば、グラインダをエンドエフェクタとして溶
接ビードの切削作業を遂行する力制御ロボットに関す
る。
【0002】
【従来の技術】工作機械や産業用ロボットにより機械加
工を行う場合、工具の送り速度は、一定速度に設定する
場合がほとんどである。しかし、工具の送り速度は一定
でも、加工対象物の凹凸などにより、加工負荷は工具の
送りに伴って増減する。
工を行う場合、工具の送り速度は、一定速度に設定する
場合がほとんどである。しかし、工具の送り速度は一定
でも、加工対象物の凹凸などにより、加工負荷は工具の
送りに伴って増減する。
【0003】この加工負荷があまり増加しすぎると、工
具の破損や、送り用アクチュエータの能力以上の過負荷
による異常停止に至ることがある。このため、従来から
過大な加工負荷の発生を防止するために、次のような加
工負荷に応じた送り速度の制御が実行されている。
具の破損や、送り用アクチュエータの能力以上の過負荷
による異常停止に至ることがある。このため、従来から
過大な加工負荷の発生を防止するために、次のような加
工負荷に応じた送り速度の制御が実行されている。
【0004】その一つは、加工負荷の増減を工具を駆動
モータの電流値や送り用アクチュエータの電流値を検出
しながら監視して、電流の設定値と比較しながら、送り
速度を増減したり、異常に高くなれば工具の送りを停止
するものである。
モータの電流値や送り用アクチュエータの電流値を検出
しながら監視して、電流の設定値と比較しながら、送り
速度を増減したり、異常に高くなれば工具の送りを停止
するものである。
【0005】また、増加する加工負荷をロードセルなど
で検出して、加工負荷が大きければ、加工負荷を減じる
方向、つまり切り込みの減少方向に工具を移動させる方
法も行われている。
で検出して、加工負荷が大きければ、加工負荷を減じる
方向、つまり切り込みの減少方向に工具を移動させる方
法も行われている。
【0006】ところで、近年、鋼板を溶接により接合し
た後に溶接ビードを削り取るビード仕上げ作業や、溶断
後の工作物の面取り作業では、人手によるグラインダ作
業に代わって産業用ロボットの導入による自動化が進展
している。この種の作業を遂行する産業用ロボットは、
工具の位置だけではなく、加工対象物に工具を押し付け
る力など工具の加工作用を制御できる力制御機能を有し
ている。
た後に溶接ビードを削り取るビード仕上げ作業や、溶断
後の工作物の面取り作業では、人手によるグラインダ作
業に代わって産業用ロボットの導入による自動化が進展
している。この種の作業を遂行する産業用ロボットは、
工具の位置だけではなく、加工対象物に工具を押し付け
る力など工具の加工作用を制御できる力制御機能を有し
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この種の力制御ロボッ
トが、溶接ビードの切除などの加工作業を遂行する場
合、当然、加工の過程の間、加工負荷は変動する。
トが、溶接ビードの切除などの加工作業を遂行する場
合、当然、加工の過程の間、加工負荷は変動する。
【0008】しかしながら、力制御ロボットによる加工
作業では、加工負荷の変動に応じて工具の送り速度の制
御を行うだけでは、負荷変動に有効ではない場合があ
る。
作業では、加工負荷の変動に応じて工具の送り速度の制
御を行うだけでは、負荷変動に有効ではない場合があ
る。
【0009】力制御機能を有する産業用ロボットをグラ
インダ作業に適用する事例は、ほとんどが乾式研削であ
る。乾式研削では、増大した加工負荷を低減するため、
送り速度を下げると、加工対象物上の特定箇所における
研削時間が増加するため、加工対象物の温度が上昇し、
これに伴って砥石の温度も上昇する。この温度が上昇し
た後は、砥石の研削能力が極端に低下して加工を継続す
ることができなくなる場合がある。このような事態に至
ると、一時、加工を中断して目つぶれのした砥石の整
形、目立てなどをして砥石の研削能力を回復させなけれ
ばならない。
インダ作業に適用する事例は、ほとんどが乾式研削であ
る。乾式研削では、増大した加工負荷を低減するため、
送り速度を下げると、加工対象物上の特定箇所における
研削時間が増加するため、加工対象物の温度が上昇し、
これに伴って砥石の温度も上昇する。この温度が上昇し
た後は、砥石の研削能力が極端に低下して加工を継続す
ることができなくなる場合がある。このような事態に至
ると、一時、加工を中断して目つぶれのした砥石の整
形、目立てなどをして砥石の研削能力を回復させなけれ
ばならない。
【0010】他方、送り速度の低下を防止するために目
標押し付け力を大きく設定して加工を行うと、グライン
ダの砥石の回転が停止して加工が不可能になったり、工
具が破損したりするという問題がある。
標押し付け力を大きく設定して加工を行うと、グライン
ダの砥石の回転が停止して加工が不可能になったり、工
具が破損したりするという問題がある。
【0011】このようにロボット導入による溶接ビード
の除去作業では、削り取る溶接ビードの大きさ、形状、
その高さがまちまちで、溶接ビードによって、加工負荷
に大きくばらつきがあるという特質があり、このこと
が、加工効率の向上の障害となっている。
の除去作業では、削り取る溶接ビードの大きさ、形状、
その高さがまちまちで、溶接ビードによって、加工負荷
に大きくばらつきがあるという特質があり、このこと
が、加工効率の向上の障害となっている。
【0012】そこで、本発明の目的は、前記従来技術の
有する問題点を解消し、加工を中断することなく、加工
負荷の変動に対処しながら効率良く加工を遂行すること
のできるようにした力制御ロボットを提供することにあ
る。
有する問題点を解消し、加工を中断することなく、加工
負荷の変動に対処しながら効率良く加工を遂行すること
のできるようにした力制御ロボットを提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、本発明は、ロボットの把持する工具に作用する加
工負荷を検出し、加工負荷の変動に応じて工具の送り速
度等を制御する機能を備えた力制御ロボットであって、
加工対象物から工具に作用する加工負荷の大きさを監視
する手段と、あらかじめロボットに教示した加工経路に
沿って加工する過程で、加工負荷が増大しかつ送り速度
があらかじめ設定した最低送り速度以下に低下した状況
を判断する手段と、前記最低送り速度以下に送り速度が
低下した場合に、前記加工経路上の後方もしくは加工対
象物から離れる方向へ工具を所定の距離もしくは所定時
間だけ待避させる手段と、を具備することを特徴とする
ものである。
めに、本発明は、ロボットの把持する工具に作用する加
工負荷を検出し、加工負荷の変動に応じて工具の送り速
度等を制御する機能を備えた力制御ロボットであって、
加工対象物から工具に作用する加工負荷の大きさを監視
する手段と、あらかじめロボットに教示した加工経路に
沿って加工する過程で、加工負荷が増大しかつ送り速度
があらかじめ設定した最低送り速度以下に低下した状況
を判断する手段と、前記最低送り速度以下に送り速度が
低下した場合に、前記加工経路上の後方もしくは加工対
象物から離れる方向へ工具を所定の距離もしくは所定時
間だけ待避させる手段と、を具備することを特徴とする
ものである。
【0014】この発明によれば、加工負荷を監視するだ
けでなく、加工負荷の増大に起因する送り速度の低下に
基づいて工具を待避させることにより、加工負荷は低減
し、加工対象物および工具の温度上昇が抑えられる。こ
のように加工負荷の変動を加工負荷と送り速度の両面か
ら監視して、加工負荷の増大に伴う送り速度の低下によ
る加工点での温度上昇と、温度上昇による工具の加工能
力の低下が未然に防止されるので、加工を停止すること
なく円滑に遂行できる。
けでなく、加工負荷の増大に起因する送り速度の低下に
基づいて工具を待避させることにより、加工負荷は低減
し、加工対象物および工具の温度上昇が抑えられる。こ
のように加工負荷の変動を加工負荷と送り速度の両面か
ら監視して、加工負荷の増大に伴う送り速度の低下によ
る加工点での温度上昇と、温度上昇による工具の加工能
力の低下が未然に防止されるので、加工を停止すること
なく円滑に遂行できる。
【0015】本発明の好適な実施形態によれば、前記工
具は、乾式の研削砥石もしくはダイヤモンド電着ディス
クのいずれかを有するグラインダからなり、前記最低送
り速度の設定値が5mm/sである。また、加工経路で
の加工で加工負荷が増大しかつ送り速度があらかじめ設
定した最低送り速度以下に低下する度に、工具の待避を
繰り返すことが好ましい。
具は、乾式の研削砥石もしくはダイヤモンド電着ディス
クのいずれかを有するグラインダからなり、前記最低送
り速度の設定値が5mm/sである。また、加工経路で
の加工で加工負荷が増大しかつ送り速度があらかじめ設
定した最低送り速度以下に低下する度に、工具の待避を
繰り返すことが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明による力制御ロボッ
トの一実施形態について、添付の図面を参照しながら説
明する。図2は、本発明による力制御ロボットを適用し
たグラインダ作業ロボットを示す。このグラインダ作業
ロボット10は、ベース11、コラム12、アーム部1
3、手首部14から構成されている。このグラインダ作
業ロボット10は、制御軸を6軸有している。すなわ
ち、コラム12はベース10上で旋回可能であり、アー
ム部13はコラム12にそって上下に移動する。また、
アーム部13の先端の手首部14は、アーム部14の軸
方向に伸縮運動する。
トの一実施形態について、添付の図面を参照しながら説
明する。図2は、本発明による力制御ロボットを適用し
たグラインダ作業ロボットを示す。このグラインダ作業
ロボット10は、ベース11、コラム12、アーム部1
3、手首部14から構成されている。このグラインダ作
業ロボット10は、制御軸を6軸有している。すなわ
ち、コラム12はベース10上で旋回可能であり、アー
ム部13はコラム12にそって上下に移動する。また、
アーム部13の先端の手首部14は、アーム部14の軸
方向に伸縮運動する。
【0017】手首部14には、エンドエフェクタとして
のグラインダ15が取り付けられる。このグラインダ1
5は、エアや電気によって回転駆動されるディスク状の
砥石を有する工具である。この場合、グラインダ15
は、手首部14において互いに直交する3軸について回
動することができる。
のグラインダ15が取り付けられる。このグラインダ1
5は、エアや電気によって回転駆動されるディスク状の
砥石を有する工具である。この場合、グラインダ15
は、手首部14において互いに直交する3軸について回
動することができる。
【0018】また、手首部14には、グラインダ15に
作用する力の大きさをX軸、Y軸、Z軸及びこれらの軸
回りの回転方向であるA、B、C軸の6軸について検知
できる力覚センサ16が設けられている。このグライン
ダ作業ロボット10は、力覚センサ16によりグライン
ダ15にかかる加工負荷を検出し、その加工負荷の変動
に応じてグラインダ15の送り速度、加圧力の大きさを
制御する力制御機能を有している。
作用する力の大きさをX軸、Y軸、Z軸及びこれらの軸
回りの回転方向であるA、B、C軸の6軸について検知
できる力覚センサ16が設けられている。このグライン
ダ作業ロボット10は、力覚センサ16によりグライン
ダ15にかかる加工負荷を検出し、その加工負荷の変動
に応じてグラインダ15の送り速度、加圧力の大きさを
制御する力制御機能を有している。
【0019】このグラインダ作業ロボット10の動作
は、教示された教示データにしたがってコントローラ2
0により制御される。22は、グラインダ作業ロボット
10にあらかじめ加工経路や、速度、作業指令などを教
示するための操作ペンダントである。
は、教示された教示データにしたがってコントローラ2
0により制御される。22は、グラインダ作業ロボット
10にあらかじめ加工経路や、速度、作業指令などを教
示するための操作ペンダントである。
【0020】次に、図1は、グラインダ作業ロボット1
0の動作を制御する制御システムのブロック構成図であ
る。
0の動作を制御する制御システムのブロック構成図であ
る。
【0021】24は、操作ペンダント22から与えられ
た教示データである。この教示データ24によって指令
される加工経路に沿ってグラインダ15を指令した速度
で移動させるために、コントローラ20にはロボットの
駆動装置25を制御する加工経路制御ループ26と、送
り速度制御ループ27が設けられている。加工経路制御
ループ26は、グラインダ15の移動する経路を指令さ
れた加工経路どおりに連続的に制御する。送り速度制御
ループ27には、送り速度判断部29を介して駆動装置
25からグラインダ15の実際の送り速度がフィードバ
ックされるとともに、力覚センサ16から加工負荷監視
部28及び送り速度判断部29を介して加工負荷がフィ
ードバックされ、指令された送り速度に基づきながら加
工負荷を所定値以下に保つようにグラインダ15の送り
速度を制御する制御ループが構成されている。
た教示データである。この教示データ24によって指令
される加工経路に沿ってグラインダ15を指令した速度
で移動させるために、コントローラ20にはロボットの
駆動装置25を制御する加工経路制御ループ26と、送
り速度制御ループ27が設けられている。加工経路制御
ループ26は、グラインダ15の移動する経路を指令さ
れた加工経路どおりに連続的に制御する。送り速度制御
ループ27には、送り速度判断部29を介して駆動装置
25からグラインダ15の実際の送り速度がフィードバ
ックされるとともに、力覚センサ16から加工負荷監視
部28及び送り速度判断部29を介して加工負荷がフィ
ードバックされ、指令された送り速度に基づきながら加
工負荷を所定値以下に保つようにグラインダ15の送り
速度を制御する制御ループが構成されている。
【0022】なお、加工負荷監視部28は、力覚センサ
16から出力される信号から加工負荷の大きさを検知す
るとともに、加工対象物40をグラインダ15で研削す
る間、予め設定された最大加工負荷の値以上にしないた
めに、加工負荷の大きさを監視する。加工負荷の検出デ
ータは、送り速度判断部29に与えられる。
16から出力される信号から加工負荷の大きさを検知す
るとともに、加工対象物40をグラインダ15で研削す
る間、予め設定された最大加工負荷の値以上にしないた
めに、加工負荷の大きさを監視する。加工負荷の検出デ
ータは、送り速度判断部29に与えられる。
【0023】送り速度判断部29には、駆動装置25に
設けられた図示されない速度検出部からグラインダ15
の送り速度が導入される。この送り速度判断部29は、
この送り速度と、加工負荷監視部28から与えられた加
工負荷とに基づいて、加工負荷が増大しかつ送り速度が
あらかじめ設定した最低送り速度以下に低下した状況か
どうかを判断する。待避経路制御部30は、加工負荷が
増大し、しかも送り速度が最低送り速度以下に低下した
との状況判断を受けて、グラインダ15を所定の距離だ
け加工経路上でその後方へ待避させるための移動経路の
制御を実行する。
設けられた図示されない速度検出部からグラインダ15
の送り速度が導入される。この送り速度判断部29は、
この送り速度と、加工負荷監視部28から与えられた加
工負荷とに基づいて、加工負荷が増大しかつ送り速度が
あらかじめ設定した最低送り速度以下に低下した状況か
どうかを判断する。待避経路制御部30は、加工負荷が
増大し、しかも送り速度が最低送り速度以下に低下した
との状況判断を受けて、グラインダ15を所定の距離だ
け加工経路上でその後方へ待避させるための移動経路の
制御を実行する。
【0024】次に、加工対象物40の一例として溶接ビ
ードを取り上げ、グラインダ15による溶接ビード余盛
除去作業を例にして本実施の形態による作用について説
明する。図3は、溶接ビードを研削除去する過程におけ
るグラインダ15の移動経路を時系列的な順序で表した
図である。図3(a)は、母材32からグラインダ15
を用いて除去すべき溶接ビード34を示す。溶接ビード
34は、母材32の表面から盛り上がっており、位置に
よってグラインダ15の砥石15aとの接触面積が異な
り、加工負荷に大きなバラツキがある。本実施形態のグ
ラインダ作業ロボット10は、盛り上がりが比較的低い
溶接ビードの除去作業に適しているものである。
ードを取り上げ、グラインダ15による溶接ビード余盛
除去作業を例にして本実施の形態による作用について説
明する。図3は、溶接ビードを研削除去する過程におけ
るグラインダ15の移動経路を時系列的な順序で表した
図である。図3(a)は、母材32からグラインダ15
を用いて除去すべき溶接ビード34を示す。溶接ビード
34は、母材32の表面から盛り上がっており、位置に
よってグラインダ15の砥石15aとの接触面積が異な
り、加工負荷に大きなバラツキがある。本実施形態のグ
ラインダ作業ロボット10は、盛り上がりが比較的低い
溶接ビードの除去作業に適しているものである。
【0025】そこで、図3(a)に示すように、あらか
じめグラインダ作業ロボット10に教示されている加工
経路36は、母材32から溶接ビード34をほとんど除
去できるように、母材32の表面にすれすれの高さに設
定されている。
じめグラインダ作業ロボット10に教示されている加工
経路36は、母材32から溶接ビード34をほとんど除
去できるように、母材32の表面にすれすれの高さに設
定されている。
【0026】グラインダ15の砥石15aが、図3
(b)において右方向に移動しながら溶接ビード34を
研削除去していく。この間、加工負荷監視部28は、加
工負荷の大きさを監視する。また、砥石15aの送り速
度は、送り速度判断部29に送られる。この実施形態の
場合、最低送り速度は、5mm/sに設定されており、
送り速度判断部29によって、砥石15aの検出された
送り速度と、最低送り速度が比較される。
(b)において右方向に移動しながら溶接ビード34を
研削除去していく。この間、加工負荷監視部28は、加
工負荷の大きさを監視する。また、砥石15aの送り速
度は、送り速度判断部29に送られる。この実施形態の
場合、最低送り速度は、5mm/sに設定されており、
送り速度判断部29によって、砥石15aの検出された
送り速度と、最低送り速度が比較される。
【0027】この最低送り速度は、加工対象物、使用す
る工具の種類や、送り速度など加工条件に応じて設定さ
れる。この実施形態のように、一般に産業用ロボットに
よって溶接ビード34をグラインダ15で乾式研削する
場合には、送り速度5mm/sは、砥石15aの研削能
力を維持するための限界送り速度であることを見い出し
ている。
る工具の種類や、送り速度など加工条件に応じて設定さ
れる。この実施形態のように、一般に産業用ロボットに
よって溶接ビード34をグラインダ15で乾式研削する
場合には、送り速度5mm/sは、砥石15aの研削能
力を維持するための限界送り速度であることを見い出し
ている。
【0028】研削途中の位置Aに到達する過程で、加工
負荷が増大してゆき、位置Aに砥石15aが達した時点
で加工負荷が設定した最高加工負荷よりも大きく、か
つ、送り速度が前記の最低送り速度よりも低下したとす
ると、この状況が加工負荷監視部28と送り速度判断部
29によって判断される。
負荷が増大してゆき、位置Aに砥石15aが達した時点
で加工負荷が設定した最高加工負荷よりも大きく、か
つ、送り速度が前記の最低送り速度よりも低下したとす
ると、この状況が加工負荷監視部28と送り速度判断部
29によって判断される。
【0029】次いで、この判断信号は、待避経路制御部
30に出力され、図3(c)において、グラインダ15
は、所定の距離だけ初期加工経路36上の待避経路38
に沿って後退する。このグラインダ15の待避によっ
て、加工負荷は低減し、グラインダ15の回転速度も初
期の回転速度に回復する。これにより、加工負荷の増大
に伴う送り速度の低下による加工点での温度上昇と、温
度上昇による砥石15aの極端な研削能力低下が未然に
防止される。
30に出力され、図3(c)において、グラインダ15
は、所定の距離だけ初期加工経路36上の待避経路38
に沿って後退する。このグラインダ15の待避によっ
て、加工負荷は低減し、グラインダ15の回転速度も初
期の回転速度に回復する。これにより、加工負荷の増大
に伴う送り速度の低下による加工点での温度上昇と、温
度上昇による砥石15aの極端な研削能力低下が未然に
防止される。
【0030】待避が終わると、グラインダ15の砥石1
5aは、再度、矢印40で示すように加工経路36に沿
って前進する。位置Aまで移動したところで、初期の回
転速度に回復している砥石15aは、溶接ビード34に
突き当たる。そして、砥石15aは、加工経路36を指
令された送り速度で進みながら溶接ビード34を研削し
ていく。
5aは、再度、矢印40で示すように加工経路36に沿
って前進する。位置Aまで移動したところで、初期の回
転速度に回復している砥石15aは、溶接ビード34に
突き当たる。そして、砥石15aは、加工経路36を指
令された送り速度で進みながら溶接ビード34を研削し
ていく。
【0031】こうして加工経路36に沿って研削が進行
するが、図3(d)に示すように、位置Bに至るまでに
再び加工負荷が大きくなり、位置Bにおいて送り速度が
最低送り速度以下に減少した場合は、同様にして砥石1
5aは所定の距離だけ加工経路36上の待避経路42に
沿って後退する。
するが、図3(d)に示すように、位置Bに至るまでに
再び加工負荷が大きくなり、位置Bにおいて送り速度が
最低送り速度以下に減少した場合は、同様にして砥石1
5aは所定の距離だけ加工経路36上の待避経路42に
沿って後退する。
【0032】待避後、グラインダ15の砥石15aは、
再再度、加工経路36に沿って前進し、負荷の増大およ
び送り速度の低下がなければ、教示されたとおりに最終
加工終了点Cまで移動しながら研削を続け、作業を終了
する。
再再度、加工経路36に沿って前進し、負荷の増大およ
び送り速度の低下がなければ、教示されたとおりに最終
加工終了点Cまで移動しながら研削を続け、作業を終了
する。
【0033】このようにして加工負荷の変動を加工負荷
と送り速度の両面から監視しながら、加工経路36に沿
った加工中に加工負荷が増大しかつ送り速度が最低送り
速度以下になって再度加工経路の変更が必要と判断され
れば、砥石の待避が繰り返して行われる。このため、砥
石15aの研削能力の著しい低下が未然に回避され、ま
た、グラインダ15の送りが止まって加工が中断すると
いうことなく作業が効率良く連続して遂行される。
と送り速度の両面から監視しながら、加工経路36に沿
った加工中に加工負荷が増大しかつ送り速度が最低送り
速度以下になって再度加工経路の変更が必要と判断され
れば、砥石の待避が繰り返して行われる。このため、砥
石15aの研削能力の著しい低下が未然に回避され、ま
た、グラインダ15の送りが止まって加工が中断すると
いうことなく作業が効率良く連続して遂行される。
【0034】次に、図4は、本発明の他の実施形態を示
すもので、図3の砥石15aに代えてダイヤモンド電着
ディスク15bを用い、溶接ビード34の付け根を母材
32の表面に沿って切断的に除去する例を示している。
この場合、溶接ビード34の高さがダイヤモンド電着デ
ィスク15bより高くても、その量が比較的小さいとき
には、上方の残部34aはカール状などに変形して容易
に除去されるが、図4(a)に示すように、その量が大
きくなると、上方の残部34aが加工負荷としてダイヤ
モンド電着ディスク15bに作用する。
すもので、図3の砥石15aに代えてダイヤモンド電着
ディスク15bを用い、溶接ビード34の付け根を母材
32の表面に沿って切断的に除去する例を示している。
この場合、溶接ビード34の高さがダイヤモンド電着デ
ィスク15bより高くても、その量が比較的小さいとき
には、上方の残部34aはカール状などに変形して容易
に除去されるが、図4(a)に示すように、その量が大
きくなると、上方の残部34aが加工負荷としてダイヤ
モンド電着ディスク15bに作用する。
【0035】このまま加工を続けると、図3の場合と同
様に送り速度が低下して発熱を招くのみならず、母材3
2へ食い込むようになる。そこで、前述した第1実施形
態と同様に、加工負荷が増加して送り速度が所定値以下
に低下したとき、ダイヤモンド電着ディスク15bを、
図4(b)に矢印44で示すように、母材32から離れ
る放線方向へ待避させる。
様に送り速度が低下して発熱を招くのみならず、母材3
2へ食い込むようになる。そこで、前述した第1実施形
態と同様に、加工負荷が増加して送り速度が所定値以下
に低下したとき、ダイヤモンド電着ディスク15bを、
図4(b)に矢印44で示すように、母材32から離れ
る放線方向へ待避させる。
【0036】この待避に伴ってダイヤモンド電着ディス
ク15bは、上方の残部34aを研削により除去する。
この除去の終了は加工負荷の減少により検知され、ダイ
ヤモンド電着ディスク15bは、待避開始位置へ戻り、
再び母材32に沿った切断的除去を行う。
ク15bは、上方の残部34aを研削により除去する。
この除去の終了は加工負荷の減少により検知され、ダイ
ヤモンド電着ディスク15bは、待避開始位置へ戻り、
再び母材32に沿った切断的除去を行う。
【0037】なお、この放線方向44への待避は、上方
の残部34aがない図3の場合にも適用可能である。ま
た、第1実施形態では、待避量を距離で管理する例を示
したが、特に、上方の残部34aがない場合や後方へ待
避させる場合には、時間で管理してもよい。
の残部34aがない図3の場合にも適用可能である。ま
た、第1実施形態では、待避量を距離で管理する例を示
したが、特に、上方の残部34aがない場合や後方へ待
避させる場合には、時間で管理してもよい。
【0038】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、加工負荷にばらつきがあっても、加工を中断
することなく、加工負荷および送り速度の変動に対処し
ながら効率良く加工を遂行することができる。
によれば、加工負荷にばらつきがあっても、加工を中断
することなく、加工負荷および送り速度の変動に対処し
ながら効率良く加工を遂行することができる。
【図1】本発明の実施形態によるグラインダ作業ロボッ
トの動作を制御するコントローラのブロック構成図。
トの動作を制御するコントローラのブロック構成図。
【図2】本発明による力制御ロボットを適用したグライ
ンダ作業ロボットを示す外観図。
ンダ作業ロボットを示す外観図。
【図3】溶接ビードの研削に本発明を適用した例でグラ
インダの砥石の移動経路を経時的に示した説明図。
インダの砥石の移動経路を経時的に示した説明図。
【図4】本発明の他の実施形態による溶接ビードの除去
例を示した説明図。
例を示した説明図。
【符号の説明】 10 グラインダ作業ロボット(力制御ロボット) 11 ベース 12 コラム 13 アーム部 14 手首部 15 グラインダ 15a 砥石 15b ダイヤモンド電着ディスク 16 力覚センサ 20 コントローラ 22 操作ペンダント 32 母材 34 溶接ビード 36 加工経路 38 待避経路 42 待避経路 44 待避経路
Claims (3)
- 【請求項1】ロボットの把持する工具に作用する加工負
荷を検出し、加工負荷の変動に応じて工具の送り速度等
を制御する機能を備えた力制御ロボットであって、 加工対象物から工具に作用する加工負荷の大きさを監視
する手段と、 あらかじめロボットに教示した加工経路に沿って加工す
る過程で、加工負荷が増大しかつ送り速度があらかじめ
設定した最低送り速度以下に低下した状況を判断する手
段と、 前記最低送り速度以下に送り速度が低下した場合に、前
記加工経路上の後方もしくは加工対象物から離れる方向
へ工具を所定の距離もしくは所定時間だけ待避させる手
段と、を具備することを特徴とする力制御ロボット。 - 【請求項2】前記工具は、乾式の研削砥石もしくはダイ
ヤモンド電着ディスクのいずれかを有するグラインダか
らなり、前記最低送り速度の設定値が5mm/sである
ことを特徴とする請求項1に記載の力制御ロボット。 - 【請求項3】加工経路での加工で加工負荷が増大しかつ
送り速度があらかじめ設定した最低送り速度以下に低下
する度に、工具の待避を繰り返すことを特徴とする請求
項1または2に記載の力制御ロボット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33598197A JPH11165288A (ja) | 1997-12-05 | 1997-12-05 | 力制御ロボット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33598197A JPH11165288A (ja) | 1997-12-05 | 1997-12-05 | 力制御ロボット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11165288A true JPH11165288A (ja) | 1999-06-22 |
Family
ID=18294470
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33598197A Pending JPH11165288A (ja) | 1997-12-05 | 1997-12-05 | 力制御ロボット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11165288A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010089232A (ja) * | 2008-10-10 | 2010-04-22 | Nippon Tetto Kogyo Kk | 管状体内除錆装置 |
-
1997
- 1997-12-05 JP JP33598197A patent/JPH11165288A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010089232A (ja) * | 2008-10-10 | 2010-04-22 | Nippon Tetto Kogyo Kk | 管状体内除錆装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5299389A (en) | Automatic grinding apparatus | |
JP3041030B2 (ja) | グラインダロボット | |
US4777769A (en) | System and method of automated grinding | |
JPH07205023A (ja) | Nc研削盤における超砥粒砥石のドレッシング確認方法 | |
US6454629B1 (en) | Method for the production of medical fittings, in particular dental fittings | |
JP6407810B2 (ja) | 加工ツール回転数とワーク送り速度とを調整する加工システム | |
US4947015A (en) | Process for the control of the feed motion and touch-on motion of a grinding wheel | |
US4864777A (en) | Method of automated grinding | |
JP2958635B2 (ja) | 研磨装置 | |
JPH11165288A (ja) | 力制御ロボット | |
CN110560754B (zh) | 自适应加工系统及其控制方法、车身加工设备 | |
US6893323B2 (en) | Method of and apparatus for removing material | |
JPH06312343A (ja) | グラインダ作業ロボットの制御方法 | |
JPH11165282A (ja) | 力制御ロボット | |
JPH09155738A (ja) | ロボットの制御機構 | |
JP2726509B2 (ja) | グラインダ作業ロボットの制御方法 | |
JP2004058185A (ja) | 円筒研削方法及び装置 | |
JPS63300865A (ja) | 研削装置 | |
JPH0675619A (ja) | トラバース研削機能を有する数値制御装置 | |
JP2619363B2 (ja) | 研削方法及び端面研削装置 | |
JPH10549A (ja) | 研磨加工装置 | |
US20240009752A1 (en) | Control device, electrode polishing method, and electrode polishing system | |
JP2000052211A (ja) | 溶接ビードの余盛除去方法及びその装置 | |
JPH069785B2 (ja) | 研削制御装置 | |
JPH0822501B2 (ja) | 自動研削装置 |