JPH11162533A - シールドケーブル接地用クランプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】シールドケーブルの被覆を一部取り除いて、シ
ールド導体編組部を露出させ、この部分をクランプによ
り接地接続する構成において、露出した一部のシールド
導体編組部に容易、確実に絶縁被覆を行う。 【解決手段】シールドケーブルの露出したシールド導体
編組部に直接接触する導体部とその両側または上側に、
一部のシールド導体編組部とシールドケーブルを覆う樹
脂製被覆部を形成し、接地接続と同時に絶縁被覆を容易
かつ確実に行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はシールドケーブルを
筺体などにクランプし接地するシールドケーブル接地用
クランプに関し、特にシールドケーブルの露出したシー
ルド導体編組部を絶縁被覆するシールドケーブル接地用
クランプに関する。

【０００２】

【従来の技術】通信装置などに使用される信号ケーブル
には雑音防止のためシールドケーブルが用いられてい
る。このシールドケーブルは、樹脂製の被覆部が取り除
かれ、露出したメッシュ状のシールド導体編組部を金属
のクランプで金属板に固定し、接地している。

【０００３】上記従来のシールドケーブルの取り付け方
法を図２（ａ）、図２（ｂ）に示す。図２（ａ）のよう
に、金属製筺体１１上にシールドケーブル９の被覆部が
除かれて露出したシールド導体編組部８を配置する。ま
たシールド導体編組部８の径に対応した曲面部を有する
ＦＧクランプ１０を用意する。金属製筺体１１とＦＧク
ランプ１０にはネジ止め用のネジ孔が形成されている。
図２（ｂ）は上記シールド導体編組部８が金属製筺体１
１上に取り付けられた状態を示す。ＦＧクランプ１０は
金属製筺体１１上にネジで固定されている

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、シールド導体
編組部８をクランプ１０で保持するときは、ＦＧクラン
プ１０の幅をシールド導体編組部８の長さより短かく
し、シールド導体編組部８金属製筺体１１に確実に押圧
する必要がある。このためシールド導体編組部８の樹脂
製被覆部に近い部分は露出したままとなる。この状態は
シールドケーブルを劣化せしめる原因となる。このため
従来は、クランプ取り付け後に上記露出部分に絶縁テー
プを形成していた。しかし絶縁テープは耐久性に乏し
く、取り付け工程が余分に必要であるという問題があっ
た。

【０００５】本発明の目的は、シールドケーブルのシー
ルド導体編組部をクランプにより固定し接地する場合、
該シールド導体編組部を同時に絶縁被覆することのでき
るシールドケーブル接地用クランプを提供することを目
的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】すなわち、本発明のシー
ルドケーブル接地用クランプは、シールドケーブル中の
露出したシールド導体編組部を他の導体に接続、保持さ
せるシールドケーブル接地用クランプであって、シール
ド導体編組部と他の導体とを接続させる導体部と、シー
ルド導体編組部および絶縁被覆部の一部を被覆する被覆
部を備えている。

【０００７】また上記被覆部は導体部の一部または全部
を被覆する構成とすることができる。導体部はシールド
導体編組部と接触する第１の接触部分と他の導体に接触
する第２の接触部分を備えている。被覆部は前記シール
ド導体編組部およびその両側の絶縁被覆部を被覆する被
覆部分と他の導体に接合する接合部分を備えている。

【０００８】さらに導体部の第１の接触部分と第２の接
触部分の間、および被覆部の被覆部分と接合部分の間に
はそれぞれ屈曲部を形成することができ、この構成によ
り径の異なるシールドケーブルにある程度まで対応でき
る。

【０００９】筺体などの他の導体に接合する導体部の第
２の接触部分と被覆部の接合部分は一体に形成すること
ができる。

【００１０】このような構成により、接地するために露
出したシールド導体編組部を導体の筺体などに取り付け
るとき、同時に該シールド導体編組部の絶縁被覆を確実
かつ容易に行うことができる。

【００１１】

【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て説明する。

【００１２】図１（ａ）は本発明のクランプ１０の構成
例を示す斜視図である。

【００１３】図１（ａ）のとおり、クランプ１０は、直
接シールド導体編組部８に接触する湾曲した金属製の接
触部分１を備え、また接触部分１の両側に露出したシー
ルド導体編組部８からシールドケーブル９の被覆までを
絶縁被覆する樹脂製の被覆部２、３が形成されている。
該樹脂製の被覆部２、３は一部がシールドケーブルの被
覆を覆うため、上記湾曲した金属製の接触部分１の径よ
り大きい径の湾曲部を有している。このため樹脂製の被
覆部２、３は金属製の接触部分１上を全て被覆する一体
の構成でもかまわない。

【００１４】またクランプ１０は、筺体などの他の導体
に接合される平面状の接合部５を備えている。図１の例
ではこの接合部５は樹脂製の被覆部２、３から連続した
一体の構成である。接合部５の導体への取り付け面には
上記金属製の接触部分１から連続した接触部分７が形成
されている。この接合部５には筺体１１にネジ孔６が形
成されている。径の異なるシールドケーブルにも対応で
きるようにネジ孔６は長円形の形状をしている。

【００１５】同様に、径の異なるシールドケーブルにも
ある程度対応できるように、樹脂製の被覆部２、３と平
面状接合部５の間には屈曲部４が形成されている。また
金属製の接触部分１と接触部分７の間にも屈曲部が形成
されている。これら屈曲部に切り込みを形成することに
よって屈曲部の伸長をより容易にすることもできる。

【００１６】図１（ｂ）は同じクランプの側面図であ
り、クランプが導体１１にネジ止めされている状態を示
す。参考のためにシールドケーブル９の被覆も図示して
いる。金属製の接触部分１はシールド導体編組部８と直
接接触するため、シールドケーブル９の被覆を覆う樹脂
製の被覆部２、３より湾曲部の径が小さくなっている。

【００１７】このように、本発明のクランプは露出した
シールド導体編組部と接触する金属製の接触部と樹脂製
に被覆部を有しているので、金属製の接触部では覆いき
れないシールド導体編組部を確実に絶縁被覆することが
できる。

【００１８】

【発明の効果】以上のように、本発明のクランプはシー
ルド導体編組部を保持し接地接続すると共に、シールド
導体編組部の絶縁被覆を容易かつ確実に行うことがで
き、またシールドケーブルの劣化を防ぐ効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）は本発明のクランプの構成例の斜視図、
（ｂ）は同じクランプの側面図。

【図２】（ａ）、（ｂ）は従来のクランプの取り付け方
法を示す図。

【符号の説明】

１ 金属製接触部 ２、３ 樹脂製被覆部 ４ 屈曲部 ５ 接合部 ８ シールド導体編組部 ９ シールドケーブル １０ クランプ １１ 導体

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 シールドケーブルから所定の長さだけ露
   出したシールド導体編組部を他の導体に接続、保持させ
   るシールドケーブル接地用クランプであって、前記シー
   ルド導体編組部と他の導体とを接続させる導体部と、前
   記シールド導体編組部およびシールドケーブル絶縁被覆
   部の一部を被覆する被覆部を備えたことを特徴とするシ
   ールドケーブル接地用クランプ。
2. 【請求項２】 前記被覆部は前記導体部の一部または全
   部を被覆している請求項１記載のシールドケーブル接地
   用クランプ。
3. 【請求項３】 前記導体部はシールド導体編組部と接触
   する第１の接触部分と他の導体に接触する第２の接触部
   分を備え、前記被覆部は前記シールド導体編組部および
   その両側の絶縁被覆部を被覆する被覆部分と他の導体に
   接合する接合部分を備えている請求項１記載のシールド
   ケーブル接地用クランプ。
4. 【請求項４】 前記導体部の第１の接触部分と第２の接
   触部分の間、および前記被覆部の被覆部分と接合部分の
   間にはそれぞれ屈曲部が形成されている請求項３記載の
   シールドケーブル接地用クランプ。
5. 【請求項５】 他の導体に接合される前記導体部の第２
   の接触部分と前記被覆部の接合部分は一体に形成されて
   いる請求項３記載のシールドケーブル接地用クランプ。
6. 【請求項６】 前記被覆部は樹脂で形成されている請求
   項１、２、３、４または５記載のシールドケーブル接地
   用クランプ。
7. 【請求項７】 前記一体に形成された部分にはネジ孔が
   形成されている請求項５または６記載のシールドケーブ
   ル接地用クランプ。