JPH11161839A - 商品水平収納式自動販売機の収納払出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 商品補充の際に手間をあまり掛けなくても済
み、かつ商品に対して過度のショックを与えない商品水
平収納式自動販売機の収納払出装置を提供する。 【解決手段】 商品１を水平に収納し、プッシャー４７
より商品群を水平直線方向に押圧して移送する商品水平
収納式の自動販売機において、収納払出ユニット２０を
スライド自在に支持する横支持フレーム２３などの固定
側に、収納払出ユニット２０が自動販売機本体３内より
引き出される際にプッシャー４７に係合してプッシャー
４７の引き出し方向への移動を規制する係合レバー５５
を設ける。これにより、商品１の補充の際には、収納払
出ユニット２０を引き出すだけでプッシャー４７より前
方の商品収納経路２４が良好に開口して臨むこととなっ
て、商品の補充を手間を掛けずに容易に行うことがで
き、作業能率が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、複数の商品を略水
平直線方向に並べて収納する商品水平収納式自動販売
機、特にその収納払出装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の自動販売機においては、複数の商
品を上下方向に直積みして下端の商品を１つずつ払い出
す構造が一般的である。しかし、この種の直積み式自動
販売機においては、上下に積み重ねられた商品群の荷重
が下端側の商品に作用するため、下端側の商品が変形し
たり損傷したりするおそれがある。

【０００３】この問題を解消するものとして、複数の商
品を水平直線方向に並べて収納する商品水平収納式の自
動販売機が提案されている。この種の自動販売機として
は、図９に概略的に示すように、複数の商品１を水平直
線方向に並べて収納するとともに商品払出指示に応じて
商品を１つずつ払い出す収納払出ユニット２を自動販売
機本体３内に上下および左右に複数列配置し、各収納払
出ユニット２は自動販売機本体３より出退自在として、
商品補充時には収納払出ユニット２を自動販売機本体３
より引き出し可能とする。そして、商品販売時には、収
納払出ユニット２から払い出された商品１を、その収納
払出ユニット２の高さまで移動させた昇降エレベータ４
で受けて前面扉１３の商品取出口５から払い出す。この
ような商品水平収納式の自動販売機の構成によれば、多
数の商品１が収納払出ユニット２に収納されている状態
において、商品群の荷重が特定位置（例えば下端位置）
の商品１に対して作用するということがないため、商品
１が変形したり損傷したりすることを防止できる。

【０００４】収納払出ユニット２の構造としては図１０
に示すものが提案されている。各収納払出ユニット２
に、水平直線方向に長い左右２列の商品収納経路６を設
けて各商品収納経路６にはそれぞれ同種類の商品１を多
数収納する。また、各収納払出ユニット２には、商品収
納経路６の前端部に設けられている払出用開口部を開閉
する払出開閉扉７を回動自在に配設するとともに、商品
群を前方に押圧するプッシャー８を、商品収納経路６の
底面部６ａに対してスライド自在に設ける。また、商品
収納経路６における払出用開口部の手前に起立傾倒自在
の移動規制部材１１を設け、商品の払出指示があって払
出開閉扉７を開けて払出用開口部から先頭の商品１が払
い出されると、移動規制部材１１を起立させて、次に先
頭にくる商品１を止めると同時にその商品１を持ち上げ
て次の払い出しに備えられる。

【０００５】また、プッシャー８は、収納払出ユニット
２の後端部に回動自在に支持されたベルトローラ９に巻
かれたベルト１０の一端に取り付けられ、このベルト１
０はプッシャー８の取付箇所から前方に延ばされて移動
規制部材１１の孔を通された後、後方まで延ばされてベ
ルトローラ９に巻かれている。そして、ベルトローラ９
と一体的に回転するばね用ローラ１２の上方には、この
ばね用ローラ１２に端部が取り付けられてなるぜんまい
ばね１４が取り付けられており、ぜんまいばね１４を巻
き戻そうとする付勢力がベルトローラ９にかかって、ベ
ルト１０を介してプッシャ８が前方に移動される方向に
付勢されるようになっている。

【０００６】また、プッシャ８ーには図示しないラチェ
ット機構およびラチェット解除機構が設けられてる。商
品補充時には、収納払出ユニット２を自動販売機本体３
より手前側に引き出した状態で、プッシャー８を人の手
で後方まで押し戻すことによりプッシャ８ーが後方に押
し戻されてその位置がラチェット機構にて保持される。
その後、商品収納経路６においてプッシャ８ーを押し戻
して開けた隙間に商品１を補充して収納払出ユニット２
を自動販売機本体３内に押し戻して収納位置とすると、
ラチェット解除機構が動作されてプッシャー８が前方に
移動可能となって、商品群の後端の商品１の後面にプッ
シャー８が当接して商品群を付勢するようになってい
る。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図１０
に示す構造のものであると、商品補充の際に、人の手で
プッシャ８ーを押し戻す作業が必要であって手間が掛か
るとともに、商品補充後に収納払出ユニット２を収納位
置まで押し戻してラチェット機構が解除された際に、商
品群の後端の商品１の後面にプッシャー８が強く当接す
るため、商品１に対して過度のショックを与えて商品１
が変形するおそれがある。

【０００８】本発明はこのような課題を解決するもの
で、商品補充の際に手間をあまり掛けなくても済み、か
つ商品に対して過度のショックを与えたりすることのな
い商品水平収納式自動販売機の収納払出装置を提供する
ことを目的とするものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に請求項１記載の本発明は、複数の商品を略水平直線方
向に長い商品収納経路に並べて収納する収納払出部を自
動販売機本体より出退自在に配設し、商品収納経路に収
納された商品群を前記直線方向に沿って押し出すことで
前記商品群における先頭の商品を商品収納経路の払出開
口部に臨む位置まで移送させるプッシャーを前記収納払
出部に前記直線方向に沿って移動自在に配設するととも
にプッシャーを前記移送方向に押圧する付勢手段を前記
収納払出部に配設し、前記プッシャーにより移送された
商品群における先頭の商品を前記払出開口部を通して商
品収納経路から払い出す商品水平収納式自動販売機の収
納払出装置であって、自動販売機本体に対して固定され
た側に、収納払出部が自動販売機本体内より引き出され
る際にプッシャーに係合してプッシャーの引き出し方向
への移動を規制するストッパを設けたものである。

【００１０】この構成において、収納払出部を自動販売
機本体内より引き出すと、ストッパがプッシャーに係合
してプッシャーの引き出し方向への移動が規制されるた
め、この引出動作を行うだけで収納払出部の商品収納経
路においてプッシャーの前に商品補充用の隙間が開けら
れて、手間を掛けることなくこの隙間に商品を補充する
ことができる。また、商品を補充した後に収納払出部を
自動販売機本体内に戻すと、その戻し操作の途中でプッ
シャーが後端の商品の後面に過度のショックを与えるこ
となく当接し、プッシャーは商品群とともに収納払出部
と一体的に移動される。

【００１１】請求項２記載の本発明は、請求項１記載の
商品水平収納式自動販売機の収納払出装置において、収
納払出部を、自動販売機本体より引き出されて商品を補
充可能とする補充姿勢に維持させる係合手段を設けたも
のである。

【００１２】この構成によれば、収納払出部を補充姿勢
位置まで引き出すと係合手段により収納払出部の補充姿
勢が維持されるため、手を収納払出部から離しても収納
払出部が戻ることが防止され、商品の補充作業を能率良
く行うことができる。

【００１３】請求項３記載の本発明は、請求項１または
２に記載の商品水平収納式自動販売機の収納払出装置に
おいて、付勢手段はぜんまいばねであり、このぜんまい
ばねをプッシャー、またはプッシャーを案内するガイド
部側に配設したものである。

【００１４】この構成によれば、簡単な構成でありなが
ら、ぜんまいばねの付勢力によりプッシャーにて商品を
良好に移送することができる。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基き説明する。図１および図２は本発明の実施の形態
にかかる商品水平収納式自動販売機の収納払出装置とし
ての収納払出ユニットを示す平面図および側面図、図
３、図４はそれぞれ収納払出ユニットの正面図、図５は
商品水平収納式自動販売機の概略断面図である。なお、
収納払出装置としての収納払出ユニット以外の自動販売
機の全体的な配置構成は従来提案したものと同様であ
り、同機能のものには同符号を付す。

【００１６】図５に示すように、この商品水平収納式の
自動販売機においても、複数の商品１を前後方向に並べ
て収納するとともに商品払出指示に応じて商品を１つず
つ払い出す収納払出部としての収納払出ユニット２０を
自動販売機本体３内に上下および左右に複数列配置し、
収納払出ユニット２０から払い出された商品１を、その
収納払出ユニット２０の高さまで移動させた昇降エレベ
ータ４で受けて前面扉１３の商品取出口５から払い出す
構成とされている。

【００１７】図３、図４などに示すように、この商品水
平収納式の自動販売機においては、自動販売機本体３の
両側面内側２２に所定間隔をあけて複数取り付けられた
支持ブラケット２１間（片側のみ図示する）に渡って、
左右に延びる横支持フレーム２３が前後および上下に所
定間隔を空けて複数取り付けられ、これらの各横支持フ
レーム２３上に、前後方向に延びる複数の収納払出ユニ
ット２０が横方向に並設されている。

【００１８】図１〜図４に示すように、収納払出ユニッ
ト２０は上部側が開放されてなる略箱形状とされ、前後
方向に長く延びる商品収納経路２４が左右に設けられて
いる。横支持フレーム２３には各収納払出ユニット２０
に対応して両側方位置に立設フレーム２６が立設され、
図４に示すように、立設フレーム２６には横軸２７ａを
中心に回転するガイドローラ２７が取り付けられてい
る。そして、収納払出ユニット２０の収納外枠２９の両
側面に設けられたガイドレール２８がガイドローラ２７
上に載った状態で、収納払出ユニット２０が、自動販売
機本体３内に収納された収納姿勢位置（図２参照）か
ら、前方に突出して商品１を補充可能な補充姿勢位置
（図６参照）まで出退可能とされている。

【００１９】図２、図７などに示すように、収納外枠２
９の底部内面には、各商品収納経路２４に対応して商品
１を載置する載置面フレーム３０が前後に延設されて固
定されているとともに、その前端部位置には載置面フレ
ーム３０に続いて、先端側ほど低くなる傾斜面３１ａを
有する傾斜部材３１が前後にスライド調節可能に設けら
れている。また、収納外枠２９の底部における前端下面
側には傾斜部材３１の傾斜面３１ａに続くような傾斜面
３２ａを有する傾斜ガイド３２も固着されている。そし
て、商品収納経路２４に収納された商品１は載置面フレ
ーム３０および傾斜部材３１上に並べられて載置される
ようになっている。

【００２０】また、収納払出ユニット２０における左右
２列の商品収納経路２４の間の中央部には、左右平行な
商品案内面３３ａを備えた中央案内枠３３が立設され、
この中央案内枠３３内は商品１が収納されない非収納空
間３４とされている。なお、この実施の形態においては
中央案内枠３３と載置面フレーム３０とが一体形成され
ている。

【００２１】そして、中央案内枠３３内の先端寄り箇所
を中心として、収納払出ユニット２０の先端部には、商
品を１つずつ払い出す払出機構４０が配設されている。
図１などに示すように、各払出機構４０は、それぞれ縦
軸４１を中心に回動自在とされ、商品収納経路２４の前
面に設けられた払出開口部２４ａを開閉する払出規制手
段としての透明な一対の払出開閉扉４２と、非収納空間
３４内で前後に延設された１本の回転軸４３の先端に偏
って固定されて、払出開閉扉４１の前面に当接して払出
開閉扉４２の開閉を制御する制御部材としての透明な１
つの受け板４４と、非収納空間３４の上部側箇所の左右
にそれぞれ設けられたガイドレール４５に対してスライ
ドする前後１対のガイドローラ４６にそれぞれ取り付け
られ、各商品収納経路２４に収納された商品群を前方に
押圧する移送手段としての左右１対のプッシャー４７
と、非収納空間３４における、商品収納経路２４に収納
された移送方向先頭側より２番目の商品に臨む位置にお
いてそれぞれ前後に個別にスライド可能に支持されたス
ライド枠４８と、このスライド枠４８取り付けられた縦
軸４９（図８参照）を中心に回動自在とされ、非収納空
間３４から商品収納経路２４へ出退自在とされて、商品
収納経路２４に収納された移送方向先頭側より２番目の
商品１ａに当接して前記２番目以降の商品１ａの移送を
阻止する１対の移送規制板５０と、回転軸４３における
移送規制板５０の裏面側に臨む位置で前後に延設されて
固定され、移送規制板５０の裏面側に突出された突部５
０ａに当接して移送規制板５０を突出させる前後に長い
１つの回転カム５１とが備えられている。

【００２２】なお、図３に示すように、各払出開閉扉４
２の前面の一部には、収納されている商品１の価格を示
す価格銘板６４が貼りつけられており、商品補充時など
に、透明な払出開閉扉４２および透明な受け板４４を通
して商品１を容易に視認できるようになっているととも
に、その商品１に対する価格も確認できるようになって
おり、価格設定作業時などに、その価格銘板６４を見な
がら価格を設定する際に便利となるように図られてい
る。

【００２３】プッシャー４７の裏面側本体部分には回転
可能に巻き付けられて付勢手段として作用する巻き勝手
のぜんまいばね５２が収納され、ぜんまいばね５２の一
端５２ａが反転ローラ５３およびガイドレール４５の内
面部Ｃ（図４参照）を介してガイドレール４５の前端部
に固定され、これにより、ぜんまいばね５２の巻こうと
する力によりプッシャー４７が前方に移動するように付
勢されている。

【００２４】また、プッシャー４７の上部には横ピン５
４が取り付けられ、前側の横支持フレーム２３の前端部
から下方に垂下するように固定されたストッパとしての
係合レバー５５の屈曲後面部にこの横ピン５４が後方か
ら係合自在とされている。

【００２５】さらに、収納払出ユニット２０に対応する
自動販売機本体３の奥側には、回転軸４３を駆動させる
回転駆動モータ５６が配設されているとともに、この回
転駆動モータ５６に連結されたカップリング部５８Ａ，
５８Ｂ（カップリング部５８Ａは収納払出ユニット２０
に固定され、カップリング部５８Ｂは自動販売機本体３
側に固定されている）を介して回転軸４３が回転される
ようになっている。なお、カップリング部５８Ａ，５８
Ｂは前後に分割可能とされ、収納払出ユニット２０が収
納位置にある場合にはこれらのカップリング部５８Ａ，
５８Ｂ同士が連動する一方、収納払出ユニット２０が補
充位置にある場合には、これらのカップリング部５８
Ａ，５８Ｂ同士が分離される。

【００２６】なお、図２および図６に示すように、収納
払出ユニット２０の下面前部と下面後部とには係合突設
片６２、６３が突設され、これらの係合突設片６２、６
３が所定位置に固定された（例えば横支持フレーム２３
に固定された）係合ロッド６１に係合するように収納払
出ユニット２０を位置させることにより、収納姿勢位置
または補充姿勢位置を維持できるようになっている。こ
こで、収納払出ユニット２０の下面前部に突設された係
合突設片６２は前面側が垂直面、後面側が傾斜面とされ
ている一方、収納払出ユニット２０の下面後部に突設さ
れた係合突設片６３は前面側が傾斜面、後面側が垂直面
とされている。

【００２７】上記構成において、販売待機中である場合
には、受け板４４が図３において実線で示す中立位置に
あって払出開閉扉４２が閉鎖されて商品１の払出が阻止
されている。また、この場合には、回転カム５１も図
４、図８において点線で示す中立位置とされ、移送規制
板５０が商品収納経路２４に突出せず、収納払出ユニッ
ト２０の商品収納経路２４に収納された商品群は全てプ
ッシャー４７により前方側に付勢されて、商品群の先頭
が払出開閉扉４２の後面に当接する位置まで移送されて
いる。

【００２８】商品１の払出指示があると、回転軸４３が
所定方向に９０度回転されて、受け板４４が、図３にお
いて仮想線で示すように、収納払出ユニット２０におけ
る前記払出指示の商品１とは反対側の商品収納経路２４
側に回転されて、払出指示があった商品１に対応する払
出開閉扉４２は払出許容姿勢となり開動作可能な状態と
なる。この際、商品収納経路２４の先頭の商品１は傾斜
部材３１の傾斜面３１ａに載っているため、図７におい
て、仮想線で示すように、払出開閉扉４２が払出許容姿
勢となっている箇所の傾斜面３１ａ、３２ａに載ってい
る商品１だけが傾斜面３１ａ、３２ａに沿って自重で傾
倒して払出開口部２４ａから排出される。また、これと
同時に、払出指示があった商品１に対応する商品収納経
路２４に臨む移送規制板５０が回転カム５１の当接によ
り突出され、移送規制板５０にて、商品収納経路２４に
収納された前方（移送方向先頭側）より２番目の商品１
ａに当接して２番目以降の商品１の移送が阻止される。
この結果、払出指示された商品１が１つだけ払出開口部
２４ａから排出される。なお、払出動作が終了すると、
上記動作の逆動作を行って、払出開閉扉４２が閉鎖され
て商品群が払出開閉扉４２の後面に当接する位置まで前
方へ移送される。

【００２９】ここで、商品１の収納時の前後方向の寸法
やその重量配分などにともなって、商品１の重心位置も
商品の種類により異なることとなるが、先頭の商品１の
重心位置が傾斜面３１ａ、３２ａ上となるように、傾斜
部材３１を前後にスライドさせて位置調節することによ
り、部品を交換したり、アタッチメントを使用したりし
なくても、商品１を良好に排出でき、しかも、商品変更
の際の傾斜部材３１の位置調節は容易に行うことができ
る。すなわち、商品１の奥行寸法が比較的小さくて、重
心（前後方向に対象な形状および重量であればその中
心）の位置が収納された姿勢において前端から小さい距
離であるものは、図８において実線で示すように、傾斜
部材３１を前寄りの位置に調節し、その反対に、商品１
の奥行寸法が比較的大きく、重心がある位置が前端から
大きい距離であるものは、図８において仮想線で示すよ
うに、傾斜部材３１を後ろ寄りの位置に調節すればよ
い。また、商品１が自重で傾倒して排出される構造であ
るため、商品１同士の間に隙間がなくても商品１を支障
なく払い出すことができるとともに、商品払出のための
駆動手段なども設けなくて済み、製造コストを最小限に
抑えることができ、かつ設置スペースも小さくて済む。

【００３０】また、プッシャー４７をスライド自在に支
持するガイドレール４５を商品収納経路２４の側方に形
成し、商品群を前方に押圧するプッシャー４７の駆動源
であるぜんまいばね５２をプッシャー４７の裏面側に配
設したので、商品１が液漏れした場合でも、この液がガ
イドレール４５やガイドローラ４６やぜんまいばね５２
にかかることがなくなって、プッシャ４７の機構が不衛
生となったり、動作不良を生じたりすることがない。

【００３１】さらに、払出機構４０を有する収納払出部
分をユニット構造としたため、収納払出ユニット２０を
組付ける横支持フレーム２３の高さ方向の配置などを容
易に変更できるなど、配置構成に対する自由度が向上す
る。

【００３２】商品１を補充する際には、前面扉１３を開
けた状態で、収納払出ユニット２０を前方に引き出す
が、この際には、図６に示すように、プッシャー４７の
上部に取り付けられた横ピン５４が係合レバー５５の後
面に係合して、プッシャー４７が前方に移動することが
規制される。したがって、収納払出ユニット２０におけ
るプッシャー４７を除いた部分だけが前方に移動して、
プッシャー４７より前方の商品収納経路２４が良好に前
方ないし上方に開口して臨むこととなって、商品１の補
充を手間を掛けることなく容易に行うことができる。

【００３３】なお、この場合に、収納払出ユニット２０
を前方に引き出す際には、最初に収納払出ユニット２０
を少し上方に持ち上げて、収納払出ユニット２０の下面
前部に突設された係合突設片６２が係合ロッド６１から
離脱させるようにしながら、ぜんまいばね５２の付勢力
に抗して収納払出ユニット２０を引き出す。その後、収
納払出ユニット２０を持ち上げることなくそのまま引き
出しすと、収納払出ユニット２０の下面後部に突設され
た係合突設片６３の傾斜面により、この係合突設片６３
が係合ロッド６１を乗り越える。したがって、この状態
で収納払出ユニット２０の引き出し動作を止めても係合
突設片６３の垂直面が係合ロッド６１に係合し、補充姿
勢が良好に維持される。その結果、手を収納払出ユニッ
ト２０から離しても収納払出ユニット２０が後方に戻る
ことが防止され、商品１の補充作業を能率良く行うこと
ができる。

【００３４】また、商品１の補充が終了すると、最初に
収納払出ユニット２０の後部側を少し上方に持ち上げ
て、収納払出ユニット２０の下面後部に突設された係合
突設片６３が係合ロッド６１から離脱させるようにしな
がら、ぜんまいばね５２の付勢力にしたがって収納払出
ユニット２０を後方に戻す。これにより、この後、収納
払出ユニット２０の下面前部に突設された係合突設片６
２の傾斜面により、この係合突設片６２が係合ロッド６
１を乗り越え、収納姿勢が良好に維持されることとな
る。

【００３５】この収納払出ユニット２０を収納姿勢位置
に戻す際には、収納払出ユニット２０を後方に戻すだけ
で、プッシャー４７が、補充した商品１に、ショックを
与えたりすることなく良好に接触し、商品１がプッシャ
ー４７による所定圧力で安定して押圧される。したがっ
て、商品１にはプッシャー４７の押圧力が安定して作用
するだけであり、従来のように商品１に対して過度のシ
ョックを与えて変形させたりすることがなく、商品価値
が低減することを防止できる。

【００３６】なお、上記の実施の形態においては、ぜん
まいばね５２の巻き本体部分をプッシャー４７側に配置
した場合を図示したが、これに代えて、ぜんまいばね５
２の巻き本体部分をガイドレール４５が配置されている
非収納空間側に収納して、その端部をプッシャー４７に
固定してもよい。また、プッシャー４７の付勢手段とし
てぜんまいばね５２を用いることにより、構造が簡単で
コストが安価となりながら、常時付勢することとなって
商品群の移送を良好に行える利点を有するが、これに限
るものではなく、その他の付勢手段や、駆動モータなど
を用いることも可能である。

【００３７】また、上記実施の形態においては、左右の
移送規制版５０とも同一のスライド枠４８によりスライ
ド可能としたが、それぞれ別個のスライド枠を設けて、
個別にスライド調整可能としてもよく、この場合は、左
と右との商品収納経路２４を収納する商品１の種類が異
なる場合でも、各商品１を確実に１つずつ払い出すこと
ができる。

【００３８】また、この収納払出ユニット２０を他の構
造の自動販売機（例えば、商品１が形状のしっかりした
ものである場合には、昇降エレベータ４が無い構造の自
動販売機）に適用することも容易であることは申すまで
もない。また、商品１として、図示したように、角型の
パック商品だけでなく、缶やその他の異型のものも適用
できることはもちろんである。

【００３９】

【発明の効果】以上のように、本発明によれば、複数の
商品を略水平直線方向に長い商品収納経路に並べて収納
する収納払出部を自動販売機本体より出退自在に配設
し、商品収納経路に収納された商品群を前記直線方向に
沿って押し出すことで前記商品群における先頭の商品を
商品収納経路の払出開口部に臨む位置まで移送させるプ
ッシャーを前記収納払出部に前記直線方向に沿って移動
自在に配設するとともにプッシャーを前記移送方向に押
圧する付勢手段を前記収納払出部に配設し、前記プッシ
ャーにより移送された商品群における先頭の商品を前記
払出開口部を通して商品収納経路から払い出す商品水平
収納式自動販売機の収納払出装置において、自動販売機
本体に対して固定された側に、収納払出部が自動販売機
本体内より引き出される際にプッシャーに係合してプッ
シャーの引き出し方向への移動を規制するストッパを設
けたことにより、商品の補充の際には、収納払出ユニッ
トを引き出すだけでプッシャーより前方の商品収納経路
が良好に開口して臨むこととなって、商品の補充を手間
を掛けることなく容易に行うことができ、作業能率が向
上する。

【００４０】また、収納払出部を、自動販売機本体より
引き出されて商品を補充可能とする補充姿勢に維持させ
る係合手段を設けたことにより、収納払出部を補充姿勢
位置まで引き出すと係合手段により収納払出部の補充姿
勢が維持されるため、手を収納払出部から離しても収納
払出部が戻ることが防止され、商品の補充作業をさらに
能率良く行うことができる。

【００４１】また、付勢手段としてぜんまいばねを採用
し、このぜんまいばねをプッシャー、またはプッシャー
を案内するガイド部側に配設したことにより、簡単な構
成でありながら、ぜんまいばねの付勢力によりプッシャ
ーにて商品を良好に移送することができ、製造コストを
安価に抑えながら良好な信頼性を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態にかかる商品水平収納式の
自動販売機の収納払出ユニットの平面図である。

【図２】同収納払出ユニットの側面図である。

【図３】図１のＡ−Ａ線から矢視した正面図である。

【図４】図１のＢ−Ｂ線から矢視した正面図である。

【図５】同商品水平収納式の自動販売機の概略的な側面
断面図である。

【図６】同収納払出ユニットの商品補充時の際の部分側
面図である。

【図７】同収納払出ユニットの商品排出動作を説明する
ための要部側面図である。

【図８】同収納払出ユニットの移送規制板の動作を説明
するための要部平面図である。

【図９】従来の商品水平収納式の自動販売機の概略的な
側面断面図である。

【図１０】従来の商品水平収納式の自動販売機の収納払
出ユニットの要部斜視図である。

【符号の説明】

１ 商品 ３ 自動販売機本体 ２０ 収納払出ユニット（収納払出部） ２３ 横支持フレーム ２４ 商品収納経路 ２４ａ 払出開口部 ３０ 載置面フレーム ３１ 傾斜部材 ３１ａ、３２ａ 傾斜面 ３２ 傾斜ガイド ３３ 中央案内枠 ３４ 非収納空間 ４０ 払出機構 ４２ 払出開閉扉（払出規制手段） ４３ 回転軸 ４４ 受け板（制御部材） ４５ ガイドレール（ガイド部） ４６ ガイドローラ ４７ プッシャー（移送手段） ４８ スライド枠 ５０ 移送規制板 ５１ 回転カム ５２ ぜんまいばね（付勢手段） ５４ 横ピン ５５ 係合レバー ５６ 回転駆動モータ ６１ 係合ロッド（係合手段） ６２、６３ 係合突設片（係合手段）

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の商品を略水平直線方向に長い商品
   収納経路に並べて収納する収納払出部を自動販売機本体
   より出退自在に配設し、商品収納経路に収納された商品
   群を前記直線方向に沿って付勢手段の付勢力で押し出す
   ことで前記商品群における先頭の商品を商品収納経路の
   払出開口部に臨む位置まで移送させるプッシャーを前記
   収納払出部に前記直線方向に沿って移動自在に配設する
   とともにプッシャーを前記移送方向に押圧する付勢手段
   を前記収納払出部に配設し、前記プッシャーにより移送
   された商品群における先頭の商品を前記払出開口部を通
   して商品収納経路から払い出す商品水平収納式自動販売
   機の収納払出装置であって、自動販売機本体に対して固
   定された側に、収納払出部が自動販売機本体内より引き
   出される際にプッシャーに係合してプッシャーの引き出
   し方向への移動を規制するストッパを設けた商品水平収
   納式自動販売機の収納払出装置。
2. 【請求項２】 収納払出部を、自動販売機本体より引き
   出されて商品を補充可能とする補充姿勢に維持させる係
   合手段を設けた請求項１記載の商品水平収納式自動販売
   機の収納払出装置。
3. 【請求項３】 付勢手段はぜんまいばねであり、このぜ
   んまいばねをプッシャー、またはプッシャーを案内する
   ガイド部側に配設した請求項１または２に記載の商品水
   平収納式自動販売機の収納払出装置。