JPH11160215A - 建物屋根のシート防水材の劣化評価方法 - Google Patents

建物屋根のシート防水材の劣化評価方法

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JPH11160215A
JPH11160215A JP33164297A JP33164297A JPH11160215A JP H11160215 A JPH11160215 A JP H11160215A JP 33164297 A JP33164297 A JP 33164297A JP 33164297 A JP33164297 A JP 33164297A JP H11160215 A JPH11160215 A JP H11160215A
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hardness
sheet
temperature
waterproofing material
measured
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Morikazu Miura
司和 三浦
Hidemi Ito
秀己 伊藤
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、夏場等でシート防水材の温度が+
60℃以上になる時期にも関わらずいつでも現場で短時
間で且つ容易に且つ精度良く該シート防水材の劣化評価
が出来る建物屋根のシート防水材の劣化評価方法を提供
することを可能にすることを目的としている。 【解決手段】 シート防水材2の表面硬度の最大値をデ
ュロメータ硬度計Mにより測定すると共に該シート防水
材2の硬度測定部分の温度を測定し、予め作成したシー
ト防水材2の温度と硬度との関係を示す温度補正式によ
り測定したシート防水材2の表面硬度の温度補正を行
い、該温度補正された硬度値からシート防水材2の劣化
を評価するように構成したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建物屋根のシート
防水材の劣化評価方法に係り、特に、戸建て住宅、共同
住宅、商用ビル等の建物の屋根に敷設されるシート防水
材の劣化を評価する際に好適な建物屋根のシート防水材
の劣化評価方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、シート防水材の劣化を判定する方
法としては、特開平6-27010 号公報に開示されたよう
に、探針をシート防水材に押しつけて挿入し、その進入
程度から表面硬度を測定して劣化を判定するバーコル硬
度計によるシート防水材の劣化判定方法が提案されてお
り、バーコル硬度計によりシート防水材の硬度を測定
し、更に表面温度計によりシート防水材の表面温度を測
定し、該温度により硬度を補正して該バーコル硬度と対
照することによりシート防水材の劣化を判定するもので
ある。
【0003】また、他の劣化判定方法としては、特開平
6-27046 号公報に開示されたように、シート防水材表面
の拡大写真を撮影し、そこから亀裂面積比または平均亀
裂幅を求めて劣化を判定する方法が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
特開平6-27010 号公報に開示された技術では、バーコル
硬度計を使用した構成であるので温度補正が可能な温度
の上限は+30℃に制限される。一方、建物の屋根等に
敷設されるシート防水材の温度は冬場以外の晴天の時は
+30℃を超え、夏場では+60℃以上になる場合もあ
るためバーコル硬度計を使用してシート防水材の劣化を
判定出来る時期が限られるため実用性に欠けるという問
題がある。
【0005】また、前述の特開平6-27046 号公報に開示
された技術では、素材が均一なシートについての劣化判
定方法としては有効であるが、シート防水材が繊維補強
された高分子複合シートで構成される場合には図5及び
図6に示すようにシートの亀裂面積率または平均亀裂幅
と、シートの引っ張り破断伸度保持率との間に相関関係
が認められないことが判明した。これは、素材が均一な
シートと繊維補強された高分子複合シートとでは破壊の
メカニズムが異なることを示唆するものと推定される。
【0006】また、この場合、撮影した写真画像を画像
処理するために比較的大がかりな画像解析装置が必要で
あるため、現場で撮影結果をすぐに分析することが困難
であるという問題がある。また、得られた拡大写真から
目視判断により劣化判定を行う場合には、判断する個人
により判定結果にばらつきがあり、客観的に精度良く劣
化判定を行うことが出来ないという問題がある。
【0007】本発明は前記課題を解決するものであり、
その目的とするところは、夏場等でシート防水材の温度
が+60℃以上になる時期にも関わらずいつでも現場で
短時間で且つ容易に且つ精度良く該シート防水材の劣化
評価が出来る建物屋根のシート防水材の劣化評価方法を
提供せんとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】一般に建物屋根のシート
防水材の劣化指標としては、引っ張り試験による破断伸
度が用いられる。建物屋根のシート防水材は長期に渡る
紫外線、熱、オゾン、雨水、湿度や繰り返し疲労による
外因により該シート防水材に含まれる可塑剤が飛散して
硬度が上昇したり、高分子マトリックスの劣化に起因し
て表面亀裂が発生したり、硬度が上昇して劣化が進行す
ると考えられる。
【0009】繊維補強により複合化されていない一般の
素材が均一なシートにおいては引っ張り破断伸度は該シ
ートに含まれる可塑剤の飛散量及びシート表面の亀裂形
状に大きく左右されることが知られているが、繊維補強
された高分子複合シートに関する劣化挙動の系統的な研
究は今まで行われていなかったのが現状である。
【0010】そこで、本発明者等は、JIS K7215 に記載
されたタイプAやタイプD等のデュロメータ硬度計を使
用することにより高い温度範囲まで測定硬度の温度補正
が可能になることを見い出し、本発明を完成させたもの
である。
【0011】即ち、前記目的を達成するための本発明に
係る建物屋根のシート防水材の劣化評価方法は、高分子
材料により作られた建物屋根のシート防水材の劣化を敷
設状態のまま評価する建物屋根のシート防水材の劣化評
価方法において、シート防水材の表面硬度をデュロメー
タ硬度計によりその指示の最大値で測定すると共に該シ
ート防水材の硬度測定部分の温度を測定し、予め作成し
たシート防水材の温度と該シート防水材をデュロメータ
硬度計により測定した硬度との関係を示す温度補正式に
より前記デュロメータ硬度計により測定したシート防水
材の表面硬度の温度補正を行い、該温度補正された硬度
値からシート防水材の劣化を評価することを特徴とす
る。
【0012】本発明は、上述の如く構成したので、現場
において建物屋根のシート防水材の表面硬度をデュロメ
ータ硬度計によりその指示の最大値で測定すると共に該
シート防水材の硬度測定部分の温度を測定し、予め作成
したシート防水材の温度と該シート防水材をデュロメー
タ硬度計により測定した硬度との関係を示す温度補正式
を用いてデュロメータ硬度計により測定したシート防水
材の表面硬度の温度補正を行って該シート防水材の引っ
張り破断伸度保持率を的確に予想することが出来、その
結果、特別な専門知識や熟練を要しなくとも該建物屋根
のシート防水材の的確な劣化評価が時期によらず現場で
短時間に誰にでも容易に出来る。
【0013】また、上記方法を用いればシート防水材が
繊維補強された高分子複合シートである場合でも的確な
劣化評価が出来るので好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】図により本発明に係る建物屋根の
シート防水材の劣化評価方法の一実施形態を具体的に説
明する。図1及び図2はデュロメータ硬度計の圧子の状
態を示す断面説明図、図3は20℃においてデュロメー
タ硬度計により測定した建物屋根のシート防水材の表面
硬度の最大値と該シート防水材の引っ張り破断伸度保持
率との相関関係を示す検量線の図、図4はデュロメータ
硬度計により測定した建物屋根のシート防水材の表面硬
度の最大値と該シート防水材の硬度測定部分の温度との
相関関係を示す直線の図である。
【0015】本発明に係る建物屋根のシート防水材の劣
化評価方法は、戸建て住宅、共同住宅、商用ビル等の建
物の屋根等に敷設される高分子材料により作られた防水
シート2の劣化を敷設状態のまま評価する際に好適なも
のであり、例えば、適用される建物屋根のシート防水材
2の一例としては、JIS A 6008に記載のある基布等によ
り繊維補強が施された合成高分子系複合ルーフィングシ
ート等にも好適に適用される。
【0016】即ち、予め、異なる所定の屋外暴露年数が
経過した複数のシート防水材2のサンプルについて、図
3に示すように、図1及び図2に示すデュロメータ硬度
計Mにより測定したシート防水材2の表面硬度の最大値
と該シート防水材の引っ張り破断伸度保持率との相関関
係を示す検量線lを求めておくと共に、図4に示すよう
に、これ等のシート防水材2の硬度測定部分の温度と前
記シート防水材2の表面硬度の最大値との相関関係を示
す直線m,n,o,p,q,rの平均的な傾き(温度補
正係数)から温度補正式を求めておき、これ等の検量線
l及び温度補正式を用いて、現場においてデュロメータ
硬度計Mにより測定したシート防水材2の表面硬度の温
度補正を行い、該温度補正された硬度値からシート防水
材2の劣化を評価するものである。
【0017】デュロメータ硬度計Mとしては、JIS K625
3 及びJIS K7215 に準拠したデュロメータ硬度計を適用
することが出来る。また、これ等と類似な構造で、図1
及び図2に示す圧子1の先端1aの形状、圧子1の先端
1aの飛び出し高さh(図1参照)及び試験荷重を適宜
変化させて構成することにより対象とする高分子複合シ
ート等のシート防水材2の評価に最適な硬度計を設計す
ることが出来る。
【0018】図1に示すデュロメータ硬度計Mにおいて
加圧基準面3に対する圧子1の先端1aの飛び出し高さ
hが大きすぎると、未だ劣化の進行していない柔らかい
シート防水材2のサンプルを測定した場合に圧子1によ
り該シート防水材2に貫通孔が形成されて補修が必要と
なることがあり、また、圧子1の先端1aの飛び出し高
さhが小さすぎると、シート防水材2全体の硬度を反映
せず、該シート防水材2の表面硬度の影響を大きく受け
るため適切な劣化評価が出来なくなるという問題があ
る。
【0019】そのため、圧子1の先端1aの飛び出し高
さhが評価対象となるシート防水材2の厚みtの±45
%(0.55t〜1.45t)の範囲であることが好ま
しく、更に好ましくは圧子1の先端1aの飛び出し高さ
hがシート防水材2の厚みtの±30%(0.7t〜
1.3t)の範囲であれば良い。
【0020】デュロメータ硬度計Mによるシート防水材
2の硬度測定では下地材4の硬度の影響を受けるため、
図3及び図4に示す検量線l及び直線m,n,o,p,
q,rを作製する際には現場と同じ下地材4を設け、そ
の上にシート防水材2を載置して該シート防水材2の硬
度を測定することが必要である。
【0021】また、現場での硬度及び温度の測定精度を
確保するために現場と同じ下地材4を有する未暴露のシ
ート防水材2(以下、「コントロールサンプル」とい
う)を現場へ持ち込み、該コントロールサンプルの硬
度、温度を測定した後、温度補正後の硬度が正しい値と
して得られることを確認することが好ましい。この際、
コントロールサンプルは温度が一定となるまで現場にお
いて放置されたものを測定することが好ましい。
【0022】本実施形態では、測定対象となるシート防
水材2としては基布等により繊維補強された高分子複合
シートである軟質塩化ビニル複合シートを使用し、デュ
ロメータ硬度計Mとしてピークホールド機構を有するデ
ジタル硬度計からなる高分子計器(株)社製DD2−D
を用い、測定時の下地材4として珪酸カルシウム板を使
用して硬度測定温度20℃で軟質塩化ビニル複合シート
の表面硬度の最大値を測定し、引っ張り試験としては、
JIS A 6008に準拠した測定を行った。
【0023】測定した軟質塩化ビニル複合シートのサン
プルの各屋外暴露年数とサンプル点数を以下の表1に示
し、該表1の軟質塩化ビニル複合シートのサンプルを用
いて上記デュロメータ硬度計Mにより測定した軟質塩化
ビニル複合シートの表面硬度の最大値と引っ張り破断伸
度保持率との相関関係を示す検量線lを図3に示す。
【0024】
【表1】
【0025】尚、図3に示す引っ張り破断伸度保持率と
は、未暴露のコントロールサンプルを100として正規
化した値を示し、{各サンプルの引っ張り破断伸度保持
率}={各サンプル伸度}÷{コントロールサンプル伸
度}×100で表される。
【0026】また、図3に示すように、検量線lの硬度
と引っ張り破断伸度保持率との相関係数Rの2乗R2
0.9943と非常に良い相関関係を示すことが分か
る。
【0027】高分子シートが劣化評価対象となる場合に
は、硬度測定を行う際に応力緩和が現れるため硬度の指
示が測定直後(圧子1による押しつけ直後)に下がるた
め正確な測定が行い難いという問題がある。
【0028】そこで、硬度を実測する実測針と、該実測
針と一体的に振れ、実測針の最大の振れにおける指示値
で停止する置き針とを有する置き針付き2針式硬度計を
用いて測定するものもあるが、この場合、硬度測定時の
圧力が大きい場合には置き針が目盛上を振り切れてしま
って正確に測定できないという問題があり、十分な測定
精度を得るためには測定者の熟練が必要となるという問
題がある。
【0029】これを解決するために本発明ではピークホ
ールド機構を有するデジタル硬度計を用いることにより
シート防水材2の表面硬度の最大値を測定することで上
記欠点を克服したものである。
【0030】ここで、上記コントロールサンプルを用い
て異なる6人の測定者により置き針付き2針式硬度計と
ピークホールド機構を有するデジタル硬度計とを用いて
各測定者が夫々10回ずつの測定を行ったところ、全6
0点の測定値の最大値と最小値との差においてはピーク
ホールド機構を有するデジタル硬度計を用いることによ
りその差幅を1/3以下に抑えると共に標準偏差につい
ては1/4以下に抑えることが出来ることが判明した。
【0031】デュロメータ硬度計Mによる測定硬度はシ
ート防水材2の温度により変化するため、予め温度変化
による硬度値の温度補正式(具体的には図4の直線m,
n,o,p,q,rの平均的な傾き(温度補正係数)か
ら求めた温度補正式)を求めておき、現場でシート防水
材2の硬度を測定する際には、該シート防水材2の硬度
測定部分の温度を測定し、その測定部分での硬度に対し
て温度補正を行うことで正規の硬度値を得ることが出来
る。
【0032】図4は各屋外暴露年数を経過した軟質塩化
ビニル複合シートのサンプルにおいて、引っ張り破断伸
度保持率が100%のコントロールサンプル(直線
r)、81.6%のサンプル(直線q)、73.0%の
サンプル(直線p)、70.4%のサンプル(直線
o)、58.4%のサンプル(直線n)、51.6%の
サンプル(直線m)について温度が0℃〜+60℃の範
囲において珪酸カルシウム板の下地材4を用いてデュロ
メータ硬度計Mにより表面硬度の最大値を測定した結果
を示す。
【0033】図4に示すように、いずれのサンプルにお
いても夫々の直線m,n,o,p,q,rの温度と硬度
との相関係数Rの2乗R2 が0.98以上と非常に良い
相関関係を示すことが分かる。
【0034】図4では図示しないが、直線m,n,o,
p,q,rは夫々温度が−20℃〜+80℃の範囲まで
均一な傾きで直線的に変化することが実験的に得られて
おり、−20℃〜+80℃の範囲でシート防水材2の表
面硬度を測定して温度補正することが出来、好ましくは
0℃〜+60℃の範囲でシート防水材2の表面硬度を測
定して温度補正を行なえば良い。
【0035】図4に示す直線m,n,o,p,q,r
は、それ等の傾きが−0.47〜−0.53の範囲内で
略平行に位置しており、これ等の直線m,n,o,p,
q,rの傾きの平均値を求めると−0.50となり、こ
れが温度補正係数となる。
【0036】そして、この温度補正係数を用いて以下に
示す温度補正式を作成する。以下に温度補正式を求める
プロセスを詳細に説明する。ここで、現場測定時におけ
るシート防水材2の温度をT(℃)、T(℃)における
シート防水材2の実測した表面硬度の最大値をHT とす
ると、前記温度補正係数「−0.50」を用いて実測し
た表面硬度の最大値HT と温度Tとの関係を示すと以下
の式に示すようになる(図4参照)。
【0037】
【数1】
【0038】また、T=+20(℃)における補正硬度
をH20とすれば、前記式に代入して以下に示す式を
得る。
【0039】
【数2】
【0040】そして、前記式から式を差し引けば、
以下の式を得ることが出来る。
【0041】
【数3】
【0042】上記式を温度補正式として用い、現場で
シート防水材2の温度T(℃)及び該T(℃)における
シート防水材2の実測した表面硬度の最大値HT を測定
することでT=+20(℃)における補正硬度H20を容
易に且つ正確に求めることが出来る。
【0043】本発明の測定精度を確認するために、先
ず、基布により繊維補強された軟質塩化ビニル複合シー
ト等のシート防水材2のサンプリングが可能である増改
築時等の現場において敷設状態のまま該シート防水材2
の表面硬度の最大値をデュロメータ硬度計Mにより測定
すると共に図示しない温度計によりシート防水材2の硬
度測定部分の温度を測定する。この時、現場の下地材4
は珪酸カルシウム板である。
【0044】その後、前記式を用いて+20℃におけ
る補正硬度値を算出し、その硬度値から図3に示す検量
線lを用いてシート防水材2のサンプルの引っ張り破断
伸度保持率を推定する。
【0045】本実施形態では、測定したシート防水材2
のサンプルを現場から切り取って持ち帰り、該サンプル
の引っ張り試験をJIS A 6008に準拠して行い、温度補正
式(前記式)及び検量線lにより推定した引っ張り破
断伸度保持率と引っ張り試験による実測値とを比較し
た。
【0046】現場で測定したシート防水材2となる軟質
塩化ビニル複合シートのサンプルの表面硬度の最大値と
硬度測定部分の温度を以下の表2に示す。
【0047】
【表2】
【0048】そして、これ等の測定結果から前記式を
用いて+20℃における夫々の補正硬度値を求め、これ
等の補正硬度値の平均を求めると65.7となり、更に
この硬度値から図3の検量線lを用いて引っ張り破断伸
度保持率を求めると65.6%となった。
【0049】一方、持ち帰ったサンプルの引っ張り試験
をJIS A 6008に準拠して行ったところ、実際の引っ張り
破断伸度保持率は62.7%であった。
【0050】これ等の結果から、温度補正式(前記
式)及び検量線lを用いて推定された引っ張り破断伸度
保持率が65.6%であり、実測した引っ張り破断伸度
保持率が62.7%であったことから両者の誤差は2.
9%と極めて小さく、現場においてデュロメータ硬度計
Mによりシート防水材2の表面硬度の最大値と硬度測定
部分の温度とを測定して予め作製した温度補正式(前記
式)及び検量線lを用いて引っ張り破断伸度保持率を
推定することで該シート防水材2の劣化評価を容易に且
つ正確に実施することが出来ることが判明した。
【0051】また、現場にコントロールサンプルを持ち
込み、下地材4として珪酸カルシウム板を用いて該コン
トロールサンプルが周囲の温度と同じになった段階で、
コントロールサンプルの表面硬度の最大値及び硬度測定
部分の温度を測定し、それに温度補正を与えた値を20
℃におけるコントロールサンプルの実測値と比較するこ
とにより、正確に硬度の測定が行われていることを確認
することが出来、より信頼性の高い劣化評価が可能とな
る。
【0052】上述したように、デュロメータ硬度計Mを
用いてシート防水材2の表面硬度の最大値及び硬度測定
部分の温度を測定する場合には、特別な専門的知識や熟
練がなくても現場で容易に測定することが可能である。
【0053】また、例えば、夏場でシート防水材の温度
が+60℃以上になる時期であってもいつでも現場で短
時間で且つ容易に且つ精度良く該シート防水材2の劣化
評価が出来る。
【0054】
【発明の効果】本発明は、上述の如き構成と作用とを有
するので、建物屋根のシート防水材の表面硬度の最大値
をデュロメータ硬度計により測定すると共に該シート防
水材の硬度測定部分の温度を測定することで、予め求め
た温度補正式及び検量線を用いて該シート防水材の引っ
張り破断伸度保持率を的確に予想することが出来、その
結果、特別な専門知識や熟練を要さなくても該建物屋根
のシート防水材の的確な劣化評価が時期によらず現場で
短時間に誰にでも容易に出来る。
【0055】また、前記シート防水材が基布等により繊
維補強された高分子複合シートである場合でも的確な劣
化評価が出来るので好ましい。
【0056】また、デュロメータ硬度計では圧子による
針跡が残る程度であり、通常は補修の必要がないので測
定後の補修作業が省略出来て作業性が良く、シート防水
材の品質を確保することも出来る。また、測定者による
測定値のばらつきが小さいので正確な劣化評価が可能で
ある。
【0057】また、予め作製した検量線の硬度と引っ張
り破断伸度保持率との相関性が高く測定精度も高いので
シート防水材の正確な劣化評価が出来る。
【0058】また、測定時間が短くて済むため多くの測
定点を取ることが出来、劣化評価精度を更に向上させる
ことが出来る。
【0059】夏場等シート防水材の温度が+60℃以上
になる時期を含めて四季を通じていつでも現場での劣化
評価が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】デュロメータ硬度計の圧子の状態を示す断面説
明図である。
【図2】デュロメータ硬度計の圧子の状態を示す断面説
明図である。
【図3】20℃においてデュロメータ硬度計により測定
した建物屋根のシート防水材の表面硬度の最大値と該シ
ート防水材の引っ張り破断伸度保持率との相関関係を示
す検量線の図である。
【図4】デュロメータ硬度計により測定した建物屋根の
シート防水材の表面硬度の最大値と該シート防水材の硬
度測定部分の温度との相関関係を示す直線の図である。
【図5】従来例の課題を説明する図である。
【図6】従来例の課題を説明する図である。
【符号の説明】
1…圧子 1a…先端 2…シート防水材 3…加圧基準面 4…下地材 M…デュロメータ硬度計 h…飛び出し高さ l〜r…検量線 t…厚み

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子材料により作られた建物屋根のシ
    ート防水材の劣化を敷設状態のまま評価する建物屋根の
    シート防水材の劣化評価方法において、 シート防水材の表面硬度をデュロメータ硬度計によりそ
    の指示の最大値で測定すると共に該シート防水材の硬度
    測定部分の温度を測定し、 予め作成したシート防水材の温度と該シート防水材をデ
    ュロメータ硬度計により測定した硬度との関係を示す温
    度補正式により前記デュロメータ硬度計により測定した
    シート防水材の表面硬度の温度補正を行い、該温度補正
    された硬度値からシート防水材の劣化を評価することを
    特徴とする建物屋根のシート防水材の劣化評価方法。
  2. 【請求項2】 前記シート防水材は繊維補強された高分
    子複合シートであることを特徴とする請求項1に記載の
    建物屋根のシート防水材の劣化評価方法。
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