JPH11159714A - ごみ焼却炉の排煙浄化装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ごみ焼却炉の排煙中の塵埃・煤等の固形物を
確実に分離除去し無公害化すると共に、排煙中のガスや
有害物質をその状態で分解除去する。 【解決手段】 縦形の炉体１の上部の一部を開口して蓋
付のごみ投入口２を形成すると共に、炉体１の上部の残
余の部分を天板４で覆ってこれに煙突５を取り付け、天
板４の上面には煙突５の取付け基部を囲んで水容器６を
設置し、この水容器６に並んで薬液注入容器１３を配置
し、水容器６の底部と薬液注入容器１３の底部を連通管
１５により連結し、薬液注入容器１３に給水管１４を接
続すると共に、水容器６の上部を蒸気排出管１６を介し
て炉体１内部に接続して薬液を含む蒸気を炉体１内に供
給する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ごみ焼却炉の排煙
浄化装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】ごみ焼却炉のごみ焼却において、発生す
る大量の熱や排煙に含まれる煙や煤をそのまま放出する
と環境を損なうことが多い。この対策として本出願人
は、炉体の上部に水容器を一体に形成し、炉で発生した
排熱を水容器内の水により冷却するとともに、加熱され
た水をそのまま利用する一方、加熱により発生した水蒸
気を煙突や炉内に戻して、焼却により発生した廃ガス中
の有害物質を中和薬液に吸着し、煙突から排出する煙を
浄化する方法を開発し出願している（特願平９−８２４
４号，特願平９−２８９０６７号）。しかしながら、こ
の装置では水蒸気により吸着される固形分例えば煤・塵
埃等に限定され、排煙中に含まれるガスや気体化された
有害物質は分離されることなくそのまま大気中に排出さ
れることが多かった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明では、ごみ焼却
炉の排煙中の塵埃・煤等の固形物を確実に分離除去し無
公害化すると共に、排煙中のガスや有害物質をその状態
で分解除去することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明では、縦形の炉体
の上部の一部を開口して蓋付のごみ投入口を形成すると
共に、炉体の上部の残余の部分を天板で覆ってこれに煙
突を取り付け、天板の上面には煙突の取付け基部を囲ん
で水容器を設置し、この水容器に並んで薬液注入容器を
配置し、水容器の底部と薬液注入容器の底部を連通管に
より連結し、薬液注入容器に給水管を接続すると共に、
水容器の上部を蒸気排出管を介して炉体内部に接続して
薬液を含む蒸気を炉体内に供給する。

【０００５】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図面を
参照して説明する。図１は本発明の排煙浄化装置の正面
断面図である。ごみ焼却炉は縦形の炉体１の天面に、炉
体１の炉壁を正面に向けて斜めに切取りごみ投入口２を
形成する。ごみ投入口２にはごみ投入口蓋３を設ける。
ごみ投入口２以外の炉体１の残余の天面を天板４で覆
い、天板４の中央を貫通して煙突５を立設し、煙突５の
取付け基部を囲んで水容器６を天板４と一体に形成す
る。炉体１の下部所定の高さにロストル７を配置し、ロ
ストル７の下方に集塵部８を設け、ロストル７の上方に
炉体１と一定間隔をあけて内筒９を載置し、炉体１の底
面中央からロストル７を貫通して空気供給管１０を立設
する。空気供給管１０はその上端を封止し、その側壁に
多段階に亘って噴気孔１１を放射状に穿孔し、空気供給
管１０の下端を炉体１の外に設けた送風機１２に連結す
る。

【０００６】水容器６に近接して薬液注入容器１３を配
置する。薬液注入容器１３はその一側に給水管１４を連
結し、その底部からＵ字状の連通管１５により水容器６
の底部に接続する。水容器６の天面には蒸気排出管１６
を立設し、蒸気排出管１６の他端は炉体１の上部に突出
する。薬液注入容器１３の上面に取外し自在に天蓋１７
を設け、天蓋１７には上方に突出して複数の薬液タンク
１８を倒立し、薬液注入容器１３の水面の上下移動に連
動して薬液タンク１８内の薬液を滴下する。

【０００７】この構成で、給水管１４を開き薬液注入容
器１３に注水し、さらに薬液注入容器１３の水を連通管
１５を通して水容器６に注入する。この時、薬液注入容
器１３と水容器６の水位は連通管１５により均一にな
る。ついで、薬液タンク１８の先端を薬液注入容器１３
の水位に合わせ、薬液注入容器１３の水位の上下動によ
り薬液が滴下するようにし、薬液注入容器１３の水に一
定量の薬液を溶かし込む。さらに、薬液注入容器１３の
水は連通管１５を通して水容器６に流れ、水容器６の水
を同等の薬液濃度にする。薬液注入容器１３の薬液濃度
を一定に保ち、同時に水容器６の水も所定の薬液濃度に
保たれる。この状態で、ごみ投入口蓋３を上げてごみを
内筒９内に投入し、ごみ投入口蓋３を閉じてごみに点火
し焼却を開始する。ごみの焼却により水容器６の水が加
熱して蒸発を開始し、蒸気排出管１６を通って炉体１の
上部に噴出する。炉体１の上部には、焼却するごみの種
類にもよるが有害ガスが発生し、煙突５を通して大気中
に放出される。

【０００８】薬液注入容器１３に投入する薬液を、焼却
するごみの種類に合わせて選択して投入すると、水容器
６から蒸気排出管１６を通って、炉体１の上部に噴出す
る蒸気に混ざって薬液が噴霧状に放出されて有害ガスを
中和し、煙突５から排出する排煙を無害化する。ちなみ
に、塩化ビニル系のごみからは塩化水素や塩酸ガスが排
出され、薬液にはアルカリ性中和液を使用して排除する
ことができる。また、焼却による異臭に対しては中和液
（ホートク物産株式会社の商品名ハイモクサン）を使用
することにより、異臭を除去できる。

【０００９】

【発明の効果】本発明では、炉体の上部に煙突の取付け
基部を囲んで水容器を一体的に設置し、水容器に並んで
薬液注入容器を設け、薬液注入容器と水容器をＵ字状の
連通管で連結してその水位を同一に保ち、薬液注入容器
には中和液を滴下して一定濃度の水溶液とし、ごみ焼却
により水容器の水を蒸発して、炉体の上部に噴出して、
炉体の上部に発生している有害ガスを中和することによ
り、煙突から排出する煙を無害化できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の排煙浄化装置の正面断面図である。

【符号の説明】

１ 炉体 ２ ごみ投入口 ３ ごみ投入口蓋 ４ 天板 ５ 煙突 ６ 水容器 ７ ロストル ８ 集塵部 ９ 内筒 １０ 空気供給管 １１ 噴気孔 １２ 送風機 １３ 薬液注入容器 １４ 給水管 １５ 連通管 １６ 蒸気排出管 １７ 天蓋 １８ 薬液タンク

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 縦形の炉体の上部の一部を開口して蓋付
   のごみ投入口を形成すると共に、炉体の上部の残余の部
   分を天板で覆ってこれに煙突を取り付け、 天板の上面には前記煙突の取付け基部を囲んで水容器を
   設置し、 この水容器に並んで薬液注入容器を配置し、水容器の底
   部と薬液注入容器の底部を連通管により接続し、 前記薬液注入容器に給水管を接続すると共に、 水容器の上部を蒸気排出管を介して炉体内部に接続して
   薬液を含む蒸気を炉体内に供給することを特徴とするご
   み焼却炉の排煙浄化装置。