JPH11159406A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

内燃機関の制御装置

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JPH11159406A
JPH11159406A JP32316597A JP32316597A JPH11159406A JP H11159406 A JPH11159406 A JP H11159406A JP 32316597 A JP32316597 A JP 32316597A JP 32316597 A JP32316597 A JP 32316597A JP H11159406 A JPH11159406 A JP H11159406A
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JP
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air
fuel
internal combustion
combustion engine
fuel ratio
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JP32316597A
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Kohei Yoshida
浩平 吉田
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Original Assignee
Toyota Motor Corp
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  • Supplying Secondary Fuel Or The Like To Fuel, Air Or Fuel-Air Mixtures (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 加速時や減速時のような過渡状態であって
も、蒸発燃料の空燃比等への影響を迅速且つ正確に把握
し、最適な運転制御を行い得る内燃機関の制御装置を提
供することにある。 【解決手段】 電子制御装置(ECU)51は、吸気量
に対するキャニスタ14から吸気通路10へ流入する燃
料蒸気(ベーパ)の流量比率(パージ率)及び、ベーパ
濃度に係るベーパ濃度学習値等を含む各種補正係数を用
いて燃料噴射量(時間)を補正し、もって空燃比の最適
化を図る。ベーパ濃度学習値に関しては、吸気量に基づ
く複数の内燃機関運転領域を予め設定しておき各領域毎
に一時記憶するとともに、それら記憶したベーパ濃度学
習値を時々の運転状態に応じて活用する。また、ベーパ
濃度学習値は各領域毎に適宜更新する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料タンク内で発
生する燃料蒸気を大気中に放出することなくキャニスタ
に捕集し、その捕集した燃料蒸気を内燃機関の吸気通路
へ適宜にパージして処理するようにした燃料蒸気処理装
置を備えた内燃機関の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両等に搭載される装置の一つとして、
燃料蒸気処理装置がある。この装置は、燃料タンク内で
発生する燃料蒸気(以下ベーパという)を大気中へ放出
させることなくキャニスタに捕集し、その捕集した燃料
蒸気を必要に応じてエンジンの吸気通路へパージ処理す
るためのものである。吸気通路へパージされたベーパ
は、燃料噴射装置により燃焼室に供給される本来の燃料
に加えられる。
【0003】一方、エンジンの燃焼室に供給される混合
気の空燃比を制御するようにした空燃比制御装置があ
る。一般に、エンジンに要求される空燃比はエンジンの
回転速度、負荷状態及び暖機状態等に応じて変化する。
そこで上記の制御装置では、コンピュータが燃料噴射装
置を制御することにより、燃焼室に供給される燃料量を
補正することにより、混合気の空燃比を調整する。この
調整により、エンジンの各種の運転条件に対応してエン
ジンの出力特性、排気特性及びドライバビリティ等の各
種特性が最適化される。
【0004】ところで、前記燃料蒸気処理装置を備えた
エンジンにおいて、空燃比制御を好適に行うためには、
燃焼室に供給される本来の燃料に対しパージされたベー
パが付加されることを加味して空燃比を制御することが
必要になる。
【0005】図12に、吸気通路にパージされるベーパ
量を見込んで空燃比を制御するようにした制御装置の一
例を示す。同図に示すように、この制御装置において、
エンジン71に設けられたインジェクタ72は、燃料タ
ンク73からポンプ74により圧送される燃料をエンジ
ン71の各気筒に対応して噴射する。制御部75は、空
燃比センサ(酸素濃度センサ)76により検出される空
燃比がエンジン71の運転状態に応じて変化する目標空
燃比に合致するようにインジェクタ72を制御する。こ
れにより、各気筒に供給される燃料量が調整され、混合
気の空燃比が制御される。
【0006】キャニスタ77は活性炭等の吸着剤を内蔵
する。キャニスタ77は燃料タンク73で発生するベー
パをベーパライン78を通じて捕集し、これをその内蔵
する吸着剤に吸着させる。キャニスタ77から延びるパ
ージライン79は吸気通路80に連通する。パージライ
ン79に設けられたパージ制御弁81は、同ライン79
を必要に応じて開閉する。エンジン71の運転時に制御
弁81は、同ライン79を開くことにより、吸気通路8
0で発生する負圧がパージライン79を通じてキャニス
タ77に作用する。この負圧の作用により、キャニスタ
77に捕集された燃料が吸着剤から離脱してパージライ
ン79を通じて吸気通路80へパージされる。さらに制
御部75は、パージされるベーパの濃度を空燃比センサ
76の検出値に基づいて算出し、この結果を燃料噴射量
に加味することによりベーパに起因する空燃比の変動を
抑える。
【0007】一般に、ベーパの影響を加味した燃料噴射
量の空燃比制御は、以下のようなロジックに基づいて実
施される。すなわち、エンジン回転数や吸気量等の運転
状態パラメータに基づいて先ず基本となる燃料噴射量
(時間)が算出され、その基本燃料噴射量に、空燃比フ
ィードバック補正係数、空燃比学習値、パージ補正係
数、及びその他の各種運転状態に基づく補正係数を加味
した最終燃料噴射量(時間)が決定される。空燃比フィ
ードバック補正係数は、前回の燃料噴射に係る空燃比の
理論空燃比に対するずれ量に対応するものであり、今回
の燃料噴射に係る空燃比を理論空燃比により近似させる
ための補正係数である。空燃比学習値は、異なる運転領
域における空燃比フィードバック制御の制御結果に基づ
き各運転領域ごとに学習記憶された補正係数であり、こ
の学習値を採用することにより空燃比フィードバック制
御の精度が一層高められることになる。一方、パージ補
正係数は、蒸発燃料の吸気通路への導入による空燃比へ
の影響を加味した補正係数であり、パージ率とベーパ濃
度学習値とに基づいて算出される。ここで、パージ率と
は、吸気通路内を流れる吸入空気の流量に対する同吸気
通路内に導入される燃料蒸気の流量をいう。また、ベー
パ濃度学習値とは前記ベーパの濃度を反映する係数であ
る。これら両係数を乗算したものをパージ補正係数とし
て、空燃比の補正に用いることとなる。
【0008】例えば、特開平5−248315号公報に
記載された「内燃機関の蒸発燃料処理装置」では、ベー
パが吸気通路内に供給されているときの空燃比制御の制
御結果と、排気通路に設けられた酸素センサ(空燃比セ
ンサ)により検出される酸素濃度値に基づき、混合気に
付加されるベーパの濃度に係る値を学習する。一般に、
空燃比が小さくなった場合、エンジンの排気ガス中に含
まれるCO等の濃度が増加し、酸素濃度が減少する。そ
こで、電子制御装置(ECU)は、酸素センサにより検
出される排気ガス中の酸素濃度の値に基づき、ベーパ濃
度を学習する。ECUは、この学習値に基づきパージ制
御弁の開度に相当する制御デューティを決定し、その値
に応じたデューティ信号を制御弁に出力する。さらに、
ECUは、この学習値と併せて空燃比制御により調整さ
れる燃料噴射量を補正することになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な蒸発燃料の処理にあっては、ベーパ濃度学習値の算出
は、吸気量及び燃料噴射量と、それらの燃焼により発生
する排気ガス中の酸素濃度(或いは空燃比)に基づいて
行われる。そして、当該学習値の更新は、例えば実際の
空燃比と理論空燃比との間に所定値(%)以上のずれが
生じた際に行うというロジックを適用していた。ところ
が、このような補正方法は、ずれが発生した後に行う処
置となるため、発生初期のずれの解消は不可避である。
【0010】このため、とくに減速時や加速時等の運転
過渡状態において発生しやすい、蒸発燃料に起因する空
燃比の大きなずれには、通常の空燃比フィードバック制
御による燃料噴射量補正が迅速に対応できない。すなわ
ち、蒸発燃料の空燃比への影響を十分に加味した迅速な
補正制御は行い得なかった。
【0011】本発明は、こうした実情に鑑みてなされた
ものであり、その目的とするところは、加速時や減速時
のような過渡状態であっても、蒸発燃料の空燃比等への
影響を迅速且つ正確に把握し、最適な運転制御を行い得
る内燃機関の制御装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明は、燃料タンク内で発生す
る燃料蒸気を一旦キャニスタに捕集し、その捕集した燃
料蒸気を内燃機関の吸気通路にパージする燃料蒸気処理
手段と、このパージされる燃料蒸気の濃度に対応する情
報を検出する濃度情報検出手段と、内燃機関の負荷に応
じて予め所定に区分した複数の運転領域を識別検出する
運転領域検出手段と、この識別検出される機関運転領域
毎に前記検出される濃度情報を記憶及び更新する濃度情
報記憶手段と、同じく該識別検出される機関運転領域毎
に前記記憶及び更新された濃度情報を読み込み、この読
み込んだ濃度情報に基づいて内燃機関の運転状態を制御
する制御手段とを備えることを要旨とする。
【0013】同構成によれば、運転過渡状態であって
も、迅速且つ正確な燃料蒸気濃度算出が行われ、ひいて
は燃料噴射量等の運転制御量に対して燃料蒸気による影
響を迅速且つ正確に考量した補正ができるようになる請
求項2に記載の発明は、請求項1記載の内燃機関の制御
装置において、前記制御手段は前記読み込んだ濃度情報
を一補正要素として内燃機関に噴射供給される燃料量を
制御するものであることを要旨とする。
【0014】同構成によれば、燃料蒸気による影響を正
確に加味した最適な燃料噴射量の算出を行うことができ
るようになる。請求項3に記載の発明は、請求項1また
は2記載の内燃機関の制御装置において、前記運転領域
検出手段は、内燃機関に吸入される空気量に基づき前記
機関運転領域を識別検出することを要旨とする。
【0015】同構成によれば、どの運転領域においても
信頼性の高いベーパ濃度学習値が得られるようになる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記
載の内燃機関の制御装置において、内燃機関の燃焼に供
される空気と燃料との可燃混合気の空燃比を排気中の酸
素濃度に基づいて検出する空燃比検出手段と、この検出
される空燃比に応じた空燃比補正係数を算出する空燃比
補正係数演算手段とを備え、前記濃度情報検出手段は、
前記算出される空燃比補正係数及び吸気通路にパージさ
れる燃料蒸気の流量と内燃機関に吸入される空気流量と
の割合に基づき前記パージされる燃料蒸気の濃度情報を
求めることを要旨とする。
【0016】同構成によれば、学習制御としての高い精
度が維持されるようになる。請求項5に記載の発明は、
請求項4記載の内燃機関の制御装置において、前記制御
手段は、前記求められる濃度情報及び空燃比補正係数を
補正要素として内燃機関に噴射供給される燃料量を制御
するものであることを要旨とする。
【0017】同構成によれば、高い精度の保証された学
習制御が採用されることとなり、内燃機関の運転状態に
かかる安定且つより一層高度な制御を実行することがで
きるようになる。
【0018】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、本発明に
係る燃料蒸気処理装置を具体化した第1の実施の形態を
図面を参照して説明する。
【0019】図1は、本実施の形態に係る燃料蒸気処理
装置を備えた自動車のエンジンシステムを示す概略構成
図である。同システムは燃料を収容するための燃料タン
ク1を備える。
【0020】燃料タンク1に内蔵されるポンプ4から延
びるメインライン5はデリバリパイプ6に接続される。
このパイプ6に設けられた複数のインジェクタ7はエン
ジン8に設けられた複数の気筒(図示略)に対応して配
置される。デリバリパイプ6から延びるリターンライン
9は燃料タンク1に接続される。ポンプ4から吐出され
た燃料はメインライン5を通ってデリバリパイプ6に至
り、各インジェクタ7へと分配される。各インジェクタ
7は電子制御装置(ECU)51による制御のもとにエ
ンジン8の各気筒へ燃料を噴射供給する。
【0021】吸気通路10はエアクリーナ11及びサー
ジタンク10aを含む。エアクリーナ11を通って浄化
された空気は吸気通路10の中に導入される。各インジ
ェクタ7から噴射された燃料とこの導入される空気との
混合気はエンジン8の各気筒に供給され、燃焼に供され
る。デリバリパイプ6において各インジェクタ7へ分配
されることなく余った燃料は、上記リターンライン9を
通って燃料タンク1に戻される。燃焼後の排気ガスはエ
ンジン8の各気筒から排気通路12を通って外部へ排出
される。
【0022】本実施形態の燃料蒸気処理装置は燃料タン
ク1で発生するベーパ(燃料蒸気)を大気中に放出させ
ることなく捕集して処理する。この処理装置は燃料タン
ク1で発生するベーパをベーパライン13を通じて捕集
するキャニスタ14を有する。キャニスタ14の中は活
性炭等の吸着剤15により占められる部分と、その吸着
剤15の上下に位置する空間14a,14bとを含む。
【0023】キャニスタ14に設けられた第1の大気弁
16は逆止弁よりなる。この大気弁16は、キャニスタ
14の内圧が大気圧よりも小さいときに開いてキャニス
タ14に対する外気(大気圧)の導入を許容し、その逆
方向の気体の流れを阻止する。この大気弁16から延び
るエアパイプ17はエアクリーナ11に接続される。従
って、キャニスタ14にはエアクリーナ11により浄化
された外気が導入される。キャニスタ14の内部に設け
られた第2の大気弁18も逆止弁よりなる。この大気弁
18はキャニスタ14の内圧が大気圧よりも大きくなっ
たときに開いてキャニスタ14からアウトレットパイプ
19に対する気体(内圧)の導出を許容し、その逆方向
の気体の流れを阻止する。
【0024】キャニスタ14に設けられたベーパ制御弁
20は燃料タンク1からキャニスタ14へ流れるベーパ
を制御する。この制御弁20はベーパライン13を含む
燃料タンク1の側の内圧(以下タンク側内圧という)
と、キャニスタ14の側の内圧(以下キャニスタ側内圧
という)との差に基づいて開かれることにより、キャニ
スタ14に対するベーパの流入を許容する。
【0025】キャニスタ14から延びるパージライン2
1はサージタンク10aに連通する。キャニスタ14は
ベーパライン13を通じて導入されるベーパの中の燃料
成分だけを吸着剤15に吸着させて捕集し、燃料成分を
含まない気体だけを大気弁18が開いたときにアウトレ
ットパイプ19を通じて外部へ排出する。エンジン8の
運転時には、吸気通路10で発生する吸気負圧がパージ
ライン21に作用する。このとき、パージライン21に
設けられたパージ制御弁22が開弁されることにより、
キャニスタ14に捕集された燃料、或いは燃料タンク1
からキャニスタ14に導入されて吸着剤15に吸着され
ることのない燃料が、そのパージライン21を通じて吸
気通路10へパージされる。パージ制御弁22はケーシ
ングと弁体(共に図示しない)を含み、電気信号の供給
を受けて弁体を移動させる電磁弁であり、その開度がE
CU51によってデューティ制御されることにより、パ
ージライン21を通過するベーパの量をエンジン8の必
要性に応じて調整する。
【0026】各種センサ41〜46は、エンジン8の運
転状態を検出する。吸気通路10内のスロットル41a
近傍に設けられたスロットルセンサ41は、運転者のア
クセル踏込み量に対応したスロットル開度TAを検出
し、その開度に応じた信号を出力する。エアクリーナ1
1の近傍に設けられた吸気温センサ42は吸気通路10
に吸入される空気の温度(吸気温度)THAを検出し、
その温度に応じた信号を出力する。同エアクリーナ11
の近傍に設けられた吸気量センサ43は吸気通路10に
吸入される空気量(吸気量)Qを検出し、その吸気量に
応じた信号を出力する。エンジン8に設けられた水温セ
ンサ44はエンジンブロック8aの内部を流れる冷却水
の温度(冷却水温)THWを検出し、その温度に応じた
信号を出力する。エンジン8に設けられたクランク角セ
ンサ(回転速度センサ)45はエンジン8のクランクシ
ャフト8bの回転速度(エンジン回転数)NEを検出
し、その回転速度に応じた信号を出力する。排気通路1
2に設けられた酸素センサ46は排気通路12を通過す
る排気ガス中の酸素濃度を検出し、その濃度の高さに応
じた信号を出力する。
【0027】ECU51は、これら各種センサ41〜4
6から出力される信号を入力する。また、同ECU51
は、エンジン8における混合気の空燃比がエンジン8の
運転状態に適した目標空燃比となるように、各インジェ
クタ7から噴射される燃料量を制御するための空燃比制
御を実行する。さらに、ECU51はエンジン8の運転
状態に適したパージ流量に制御すべく、パージ制御弁2
2の開閉制御を行う。すなわち、上記各種センサの信号
からエンジンの運転状態を判断し、更にその判断に基づ
いて、パージ制御弁22の開閉をデューティ制御する。
ここで、キャニスタ14から吸気通路10へパージされ
るベーパはエンジン8における混合気の空燃比に影響を
およぼす。そのため、ECU51はエンジン8の運転状
態に応じてパージ制御弁22の開度を決定する。加え
て、ECU51はベーパがエンジン8に供給されている
ときに、空燃比制御の制御結果と、酸素センサ46によ
り検出される酸素濃度値に基づき、混合気に付加される
ベーパの濃度に係る値を学習する。前述のように、空燃
比が小さくなった場合(リッチ)、エンジン8の排気ガ
ス中に含まれるCO等の濃度が増加し、酸素濃度が減少
する。そこで、ECU51は、酸素センサ46により検
出される排気ガス中の酸素濃度の値に基づき、ベーパ濃
度値FGPGを学習する。ECU51は、この学習値F
GPGに基づきパージ制御弁22の開度に相当するデュ
ーティ比DPGの値を決定し、その値に応じたデューテ
ィ信号を制御弁22に出力する。またECU51は、基
本的には運転状態に応じて予め設定されている基本燃料
噴射量(時間)TAUbを、この学習値FGPGや、空
燃比フィードバック制御により算出される空燃比フィー
ドバック補正係数FAF等を加味して補正を行い、最終
的な目標燃料噴射量(時間)TAUfを決定する。
【0028】図2のブロック図に示すように、ECU5
1は中央処理装置(CPU)52、読み出し専用メモリ
(ROM)53、ランダムアクセスメモリ(RAM)5
4、バックアップRAM55及びタイマカウンタ56等
を備える。ECU51はこれら各部52〜56と、外部
入力回路57と、外部出力回路58等とをバス59によ
り接続してなる論理演算回路を構成する。ここで、RO
M53は空燃比制御及び燃料パージ等に関する所定の制
御プログラム等を予め記憶する。RAM54はCPU5
2の演算結果等を一時記憶する。バックアップRAM5
5はバッテリバックアップされた不揮発性のRAMであ
り、書き込まれたデータをECU51の非能動時(電源
オフ時)においても保存する。タイマカウンタ56は同
時に複数の計時動作を行うことができる。外部入力回路
57はバッファ、波形成形回路、ハードフィルタ(電気
抵抗及びコンデンサよりなる回路)及びA/D変換器等
を含む。外部出力回路58は駆動回路等を含む。各種セ
ンサ41〜46は外部入力回路57につながる。上記イ
ンジェクタやパージ制御弁22等は外部出力回路58に
つながる。
【0029】CPU52は外部入力回路57を介して入
力される各種センサ41〜46の検出信号を入力値とし
て読み込む。CPU52はそれら入力値に基づき空燃比
フィードバック制御、空燃比学習、パージ制御、ベーパ
濃度学習、及び燃料噴射制御等を実行する。
【0030】図3は、前回の爆発・燃焼時における燃焼
ガスの空燃比A/Fと理論空燃比とのずれ量から空燃比
フィードバック補正係数FAFを算出するために所定時
間毎に実行される「空燃比フィードバック制御ルーチ
ン」を示すフローチャートであり、次にこの「空燃比フ
ィードバック制御ルーチン」の処理内容について説明す
る。
【0031】処理がこのルーチンに移行すると、ECU
51は先ずステップ201において、現在のエンジン運
転状態に照らしてフィードバック(以下、F/Bとい
う)制御条件が成立しているか否かを判定する。このF
/B制御条件は、例えば以下に示す条件を全て満足して
いる場合に成立する。 (a1)始動時でないこと。 (a2)燃料カット中ではないこと。 (a3)冷却水温THWが所定温度以上であること。 (a4)酸素センサが活性化状態であること。 (a5)エンジンが高負荷、高回転状態でないこと。 そして、上記(a1)〜(a5)の条件のうち何れか1
つでも満たされていなければ、処理をステップ204に
移行し、同(a1)〜(a5)の条件が全て満たされて
いれば、処理をステップ202に移行する。
【0032】すなわちECU51は、F/B制御条件が
成立していない旨判断される場合、ステップ204にお
いてフィードバック補正係数FAFを「1(補正せ
ず)」に設定してその後の処理を一旦終了する。
【0033】一方、F/B制御条件が成立している旨判
断される場合、ECU51はステップ202において、
空燃比A/Fの最新値と理論空燃比とのずれ量、及び前
回行ったのFAF算出の履歴に基づいて、今回のフィー
ドバック補正係数FAFを算出する。すなわち図4
(a)及び(b)に示すように、基本的には空燃比の最
新値がリッチ(燃料過剰)であった場合にはFAFを所
定量増加させ、一方リーン(空気量過剰)であった場合
にはFAFを所定量減少させて、次回のFAFが「1」
により近い値をとるよう今回のFAF値を算出する(積
分補正)。さらに、運転状態の変動等に対して制御の追
従性を高めるために、FAF値の増減に係る判断が前回
と今回で異なる場合には、FAFの増減量に所定のスキ
ップ量を加味する(図4(b)参照)。以上のような手
順で今回のFAF値が算出される(積分補正)。
【0034】続くステップ204においてはFAF値の
上下限チェックを行う。これはFAF値を所定範囲内の
値に限定するための処理であり、過剰な補正量が前記基
本燃料噴射量TAUbに加味されるのを抑制するために
行われる。ここで、今回算出されたFAFが上限値ある
いは下限を越えていた場合には、各々の場合に応じて上
限値または下限値が今回算出のFAF値とされる。そし
てECU51は、その後の処理を一旦終了する。
【0035】次に、図5に示す「空燃比学習値更新ルー
チン」の処理内容について説明する。同ルーチンは、前
記空燃比フィードバック制御ルーチンにおいて説明した
空燃比フィードバック補正係数FAFがスキップする毎
に実行されるプログラムであり、予め設定された複数の
運転領域ごとに記憶される補正係数(学習値)KGを前
記空燃比フィードバック制御の履歴に応じて更新するた
めのものである。
【0036】処理がこのルーチンに移行すると、ECU
51は先ずステップ301において、例えば吸気量Q等
の運転状態パラメータに基づいて予め設定された複数の
運転領域(例えば領域1〜領域7)のうち、現在の運転
状態がどの領域に属するかを判断する。
【0037】続くステップ302においては、空燃比フ
ィードバック補正係数FAFの最新値を読み込む。ステ
ップ303においては、空燃比学習値KGの更新条件が
成立しているか否かを判定する。この更新条件は、例え
ば以下に示す条件を全て満足している場合に成立する。 (b1)空燃比フィードバック制御実行中。 (b2)始動後(燃料噴射)増量が「0」である。 (b3)暖機(燃料噴射)増量が「0」である。 (b4)冷却水温THWが所定温度以上であること。 (b5)始動後、更新しようとしているKG領域の学習
が終了していないこと。 (b6)現在の運転領域に入った後スキップが所定回数
以上行われた。 (b7)FAFが1.00から所定量以上ずれている
(例えば、|1.00−FAF|≧0.02)。 そしてECU51は、上記(b1)〜(b7)の条件の
うち何れか1つでも満たされていなければ、空燃比学習
値KGの更新を行わずにその処理を一旦終了する。一方
(b1)〜(b7)の条件が全て満たされていれば、処
理をステップ304に移行する。
【0038】そして続くステップ304において、現在
の運転領域における学習値KGを所定分増減する。例え
ば、現在の運転状態が領域5に属しており、FAFが
0.98以下であれば所定値C(正の値)をKG5(領
域5におけるKG)に加算し、一方1.02以上であれ
ば同値CをKG5から減算する。
【0039】ステップ305においてECU51は、今
回更新したKGが予め設定した上下限を越えていないか
チェックする。そして、KGが上限値より大きいか或い
は下限値より小さい場合には、それぞれ上限値或いは下
限値を今回算出されたKGとして記憶する。一方KGが
上下限の範囲内にあれば、当該KGの値を記憶してその
後の処理を一旦終了する。
【0040】図6には、パージ制御弁22の開閉に係る
制御デューティDPGを算出するためにECU51によ
って所定時間毎に実行される「パージ制御ルーチン」の
処理内容を示す。
【0041】処理がこのルーチンに移行すると、ECU
51は先ずステップ401において、パージ制御、すな
わちキャニスタから吸気通路10内へのパージを行うた
めに、以下の条件が成立しているか否かを判断する。 (c1)燃料カット中ではない。 (c2)空燃比制御の実行中である。 (c3)空燃比学習が終了している。 そして上記(c1)〜(c3)の条件が満たされていれ
ば、処理をステップ402に移行し、いずれか一方の条
件でも満たされていなければ、処理をステップ406に
移行する。ステップ406においてECU51は、パー
ジ制御弁22の制御デューティを0%に設定、すなわち
全閉状態としてその処理を一旦終了する。
【0042】ステップ402においては、前記「空燃比
フィードバック制御ルーチン」において説明した空燃比
フィードバック補正係数FAFの最新値を読み込む。続
くステップ403においては、現在の吸気量Q及びエン
ジン回転数NEに基づき図示しない周知のマップから最
大パージ率PGRMXを算出する。ここで、最大パージ
率とは、パージ制御弁22を制御デューティ100%で
駆動、すなわち全開としたときの吸気量Qに対するパー
ジ通路を流れる蒸発燃料量の流量比である。
【0043】ステップ404では、前記ステップ402
で読み込んだFAFの最新値等に基づいて、目標パージ
率(吸気量Qに対するパージ通路を流れる蒸発燃料量の
流量比)PGRを設定する。
【0044】ステップ405においては、設定した目標
パージ率PGRを達成すべく、以下に示す式(I)に基
づきパージ制御弁22を駆動するための制御デューティ
DPGを算出する。 DPG = (PGR/PGRMX)×100 (I) さらにECU51は、上記算出した制御デューティDP
Gに従ってパージ制御弁22を駆動し、その後の処理を
一旦終了する。
【0045】図7及び図8には、予め設定された運転領
域毎に記憶されるベーパ濃度学習値を更新するために所
定時間毎に実行される「ベーパ濃度学習値更新ルーチ
ン」を示す。
【0046】処理がこのルーチンに移行すると、ECU
51は先ずステップ501においては、エンジン始動後
において、前記パージ制御ルーチンにおいて説明したパ
ージを実行した履歴があるか否かを判断する。そして、
パージ実行の「履歴あり」と判断した場合には処理をス
テップ502に移行する。一方パージ実行の「履歴な
し」と判断した場合には処理を前記ステップ510に移
行し、同ステップで全運転領域におけるベーパ濃度学習
値を「1.0」(基準値)に設定してその後の処理を一
旦終了する。
【0047】ステップ502においては、ベーパ濃度学
習条件が成立しているか否かを判定する。この学習条件
は、例えば以下に示す条件を全て満足している場合に成
立する。 (d1)空燃比学習値KGの更新中でない。 (d2)冷却水温THWが所定温度以上である。 (d3)バッテリ電圧が所定値以上である。 (d4)FAFの1.00からのずれ量が所定値未満で
ある(例えば、|1.00−FAF|<0.02)。 そしてECU51は、上記(d1)〜(d4)の条件の
うち何れか1つでも満たされていなければその後の処理
を一旦終了する。一方(d1)〜(d4)の条件が全て
満たされていれば、処理をステップ503に移行する。
【0048】ステップ503においては、パージ制御の
実行条件が成立しているか否かを判断する。パージ実行
条件は以下列挙するように、基本的には前記「空燃比フ
ィードバック制御ルーチン」(図3参照)のステップ2
01において示した空燃比制御の実行条件と同一であ
る。 (e1)エンジン始動時でないこと。 (e2)燃料カット中ではないこと。 (e3)冷却水温THWが所定温度以上であること。 (e4)酸素センサが活性化状態であること。 (e5)エンジンが高負荷、高回転状態でないこと。 そして、上記(e1)〜(e5)の条件のうち何れか1
つでも満たされていなければECU51はその後の処理
を一旦終了し、(e1)〜(e5)の条件が全て満たさ
れていれば、処理をステップ504に移行する。
【0049】ステップ504においては、ベーパ濃度学
習値FGPGの更新条件が成立しているか否か、すなわ
ち以下の条件成立を判断する。 (e1)パージ率の最新値が所定範囲内である。 (e2)各種センサの検出値に異常がない。 そして、上記両条件のうち何れか一方の条件でも満たさ
れていなければ、ECU51はその後の処理を一旦終了
し、両条件が満たされていれば、処理を続くステップ5
05a(図8)に移行する。
【0050】ステップ505a〜ステップ508aは、
現在の運転状態がどの運転領域に属しているかを判断す
るための一連の判断処理行程である。すなわち、ECU
51のROM53は、吸気量センサにより検出される吸
気量Q(g/sec)の大きさに応じてエンジンの全運転領
域を以下のように6つの領域に分画して記憶しておく。 領域1に属する範囲: Q≦30 領域2に属する範囲: 30<Q≦40 領域3に属する範囲: 40<Q≦50 領域4に属する範囲: 50<Q≦60 領域5に属する範囲: 60<Q≦70 領域6に属する範囲: Q>70 そこで、ステップ505aにおいては、吸気量Qに係る
現在の運転状態が領域1に属するか否かを判断する。そ
してその判断が肯定であれば、ステップ505bに移行
し、領域1におけるベーパ濃度学習値FGPG(1)を空
燃比フィードバック補正係数FAF及びパージ率PGR
の最新値に基づき以下に示す式(II)により算出する。 FGPG(1)n=FGPG(1)n-1+(FAF−1)/PGR (II) 但し、 FGPG(1)n :領域1におけるベーパ濃度学習値FG
PG(更新後) FGPG(1)n-1:領域1におけるベーパ濃度学習値FG
PG(更新前) なお、各領域におけるベーパ濃度学習値FGPG(i)は
1.0をその初期値(基準値)とする。そしてECU5
1は、その処理を一旦終了する。
【0051】一方前記ステップ505aにおける判断が
否定であれば、処理をステップ506aに移行する。ス
テップ506aにおいては、吸気量Qに係る現在の運転
状態が領域2に属するか否かを判断する。そしてその判
断が肯定であれば、ステップ506bに移行し、領域2
におけるベーパ濃度学習値FGPG(2)を、先の領域1
に係るベーパ濃度学習値FGPG(1)の算出に用いたも
のと同一の演算方法により算出する。そしてその処理を
一旦終了する。
【0052】一方前記ステップ506aにおける判断が
否定であれば、処理をステップ507aに移行すること
になる。以下、上記ステップ505a又はステップ50
6aにおける処理と同様の判断及び処理が、続くステッ
プ507b、508b又は509bの何れかにおいて行
われる。すなわちECU51は、現在の運転状態が領域
1〜領域6のうちどの領域に属するのかを一連のステッ
プ505a〜508aを通じて判断し、当該判断に該当
する領域iにおけるベーパ濃度学習値をFGPG(i)と
して、ステップ505b〜509bのうち何れかのステ
ップにおいて更新する。そしてその後の処理を一旦終了
する。
【0053】次に、ECU51が実行する本実施形態の
「燃料噴射制御ルーチン」の処理内容について説明す
る。ECU51のROM53は以下のルーチンに関する
プログラムを予め記憶する。
【0054】図9は、本実施形態における燃料噴射量、
すなわちインジェクタ7による一回毎の燃料噴射量(時
間)を決定するための「燃料噴射制御ルーチン」を示す
フローチャートであり、このルーチン処理は、エンジン
8内の各気筒における吸気行程に対応して所定のクラン
ク角毎の割り込みでECU51により実行される。
【0055】処理がこのルーチンに移行すると、ECU
51は先ずステップ101において、上記各センサ41
〜46の検出値のうち、スロットル開度TA、吸気量
Q、冷却水温THW及びエンジン回転数NE等に係る各
値を読み込む。
【0056】次に、ステップ102においては、上記ス
テップ101で読み込んだスロットル開度TA、吸気量
Q、冷却水温THW及びエンジン回転数NE等に基づき
図示しない周知の基本燃料噴射時間マップから基本燃料
噴射時間TAUbを算出する。
【0057】続くステップ103においては、図5の
「空燃比学習値更新ルーチン」で説明した運転領域のう
ち何れの領域に現在の運転状態が適合するかを、上記ス
テップ101で読み込んだ吸気量Qに基づいて判定す
る。さらに、図7及び図8の「ベーパ濃度学習値更新ル
ーチン」で説明した運転状態領域の何れの領域に現在の
運転状態が適合するかを、同じく上記ステップ101で
読み込んだ吸気量Qに基づいて判定する。
【0058】次にステップ104においては、後述する
空燃比フィードバック制御、空燃比学習、パージ制御及
びベーパ濃度学習において算出され、RAM54あるい
はバックアップRAM55に格納されている空燃比フィ
ードバック補正係数FAF、空燃比学習値KG、パージ
率PGR及びベーパ濃度学習値FGPG等の各種補正係
数を読み込む。この時、空燃比学習値KG及びベーパ濃
度学習値FGPGは、上記ステップ103で判定した2
種の運転領域に各々対応する値として記憶されている値
であることは、図5の「空燃比学習値更新ルーチン」並
びに図7及び図8の「ベーパ濃度学習値更新ルーチン」
で説明したとおりである。
【0059】さらに続くステップ105においては、上
記ステップ104において読み込まれた各種補正係数F
AF、KG、PGR、FGPG等を加味した演算によ
り、前記ステップ102において算出した基本燃料噴射
時間TAUbの補正を行うことにより、例えば次式(II
I)の演算を行い目標燃料噴射時間TAUfを算出す
る。 TAUf=TAUb×(FAF+KG−PGR×FGPG) (III) ×K1×K2×…×Kn 但し、K1〜Knは、例えば暖機増量、加減速、出力増量
等の各種運転状態を考慮した補正係数であり、図示しな
い処理ルーチンにおいて別途算出されるものである。こ
れらはRAM54に一時記憶されており、その最新値が
同ステップ105において読み込まれる。
【0060】最後に、ステップ106においてECU5
1は、上記ステップ105の演算結果に従い燃料噴射時
間TAUfの燃料噴射を実行し、その後の処理を一旦終
了する。
【0061】ECU51は、以上説明した「燃料噴射制
御ルーチン」、「空燃比フィードバック制御ルーチ
ン」、「空燃比学習値更新ルーチン」、「パージ制御ル
ーチン」及び「ベーパ濃度学習値更新ルーチン」に基づ
き、空燃比A/Fの最適化を図ることのできる目標燃料
噴射時間TAUfを決定する。
【0062】すなわち、先ずECU51は「燃料噴射制
御ルーチン」において、予め設定されたマップ等に基づ
き、スロットル開度TA等から一義的に求まる基本燃料
噴射時間TAUbを算出する。そしてこの基本燃料噴射
時間TAUbを基に、FAF、KG、PGR及びFGP
Gを含む種々の補正項を加味して目標燃料噴射時間TA
Ufを算出する。ここで、空燃比フィードバック補正係
数FAFは、燃焼室内における爆発・燃焼に供される混
合気の実際の空燃比と、所望の空燃比(一般には理論空
燃比)とのずれ量を算出して、このずれ量をなくすよう
に次回の燃料噴射時間を補正するための補正係数であ
り、「空燃比フィードバック制御ルーチン」において算
出される。また、「空燃比学習値更新ルーチン」におい
て説明したように、このフィードバック制御の履歴を空
燃比学習値KGとして運転領域毎に記憶更新することに
より、空燃比フィードバック制御の追従性を向上させて
いる。
【0063】一方、ECU51は、時々の運転状態に応
じてパージ制御弁22をデューティ制御することによ
り、キャニスタ14に捕集されたベーパをパージ通路を
介して適宜吸気通路10内にパージする。この時パージ
制御弁22の開閉駆動に用いられる制御デューティDP
Gは、目標とするパージ率PGR(パージ流量/吸気
量)から算出する。ところが、所定のデューティDPG
で制御弁を駆動することにより、燃焼に供される可燃混
合気に対するパージされるベーパの相対量は制御できる
が、ベーパ中の燃料濃度(ベーパ濃度)が変動すれば、
実質パージされる燃料量も異なり、よって空燃比に及ぼ
す影響も相違する。
【0064】ここで、従来の燃料蒸気処理に係る制御装
置にあっては前述のように、このようなベーパ濃度の変
動に対応すべく、ベーパ濃度に係る学習値(ベーパ濃度
に対応する補正量)FGPGを、随時、空燃比フィード
バック制御の制御結果から算出していた。このため、加
速時や減速時等、吸気量やエンジン回転数の変動の大き
い運転過渡状態にあっては、空燃比フィードバック補正
係数FAFの荒れ(FAFの目標値からのずれ量が大き
い状態)が生じた場合には、前記FGPGの最適値への
更新が間に合わず、空燃比制御の迅速性・緻密性が低下
していた。
【0065】この点、本実施形態の制御装置にあって
は、エンジンの全運転領域を、所定の運転状態パラメー
タ(本実施形態では吸気量Q)に基づいて予め複数(本
実施形態では5つ)の運転領域に区画して各々の領域に
対応するベーパ濃度学習値(経験的に最適な値)FGP
G(1〜5)を一時記憶・随時更新する。そしてそれら各領
域に対応するベーパ濃度学習値FGPG(i)を無条件に
採用し、パージ制御弁の制御デューティDPGに係るパ
ージ率PGRと併せて、基本燃料噴射量TAUbに対し
ベーパ濃度に係る補正を実行するようにしている。この
ため、吸気量の大幅な変動に代表される運転状態の急激
な変化に対しても迅速に対応でき、ベーパ濃度の変動を
加味した燃料噴射量の補正を的確に行うことができる。
また、ベーパ濃度自体の変動は吸気量Qの変動に負うと
ころが大きいことも発明者により確認されており、この
ため各運転領域に応じたベーパ濃度学習値の選択に関す
る信頼性も高いといえる。さらに、各領域におけるベー
パ濃度学習値FGPG(i)は、定常運転状態(「ベーパ
濃度学習値更新ルーチン」におけるFGPG更新条件を
参照)における空燃比フィードバック制御の結果をもと
に適宜更新されるので、学習制御としての精度も高い。
【0066】すなわち、以上説明した態様でベーパ処理
を行う本実施形態によれば、以下に列記する効果が奏せ
られるようになる。 ・予め設定された複数の運転領域毎に記憶更新されるベ
ーパ濃度学習値FGPGを各領域毎に無条件に採用する
ことにより、運転過渡状態であっても、迅速且つ正確な
ベーパ濃度算出が行われ、ひいては目標燃料噴射量TA
Ufの算出に際してベーパの影響を迅速且つ正確に加味
した補正ができるようになる。 ・ベーパ濃度の変動を的確に反映する吸気量Qに基づい
てベーパ濃度学習値FGPG(i)に係る領域を設定する
ことにより、どの運転領域においても信頼性の高いベー
パ濃度学習値FGPGが得られるようになる。 ・空燃比フィードバック制御(FAF算出)の制御結果
に基づき、運転領域毎に記憶されたベーパ濃度学習値F
GPGを適宜更新するため、学習制御としての高い精度
が保証される。 ・上記精度の高い学習制御に基づくベーパの濃度情報を
加味して燃料噴射量の補正を行うことにより、空燃比の
最適化が好適に図られる。
【0067】(第2実施形態)次に本発明に係る制御装
置を具体化した第2の実施の形態について、上記第1の
実施の形態と異なる点を中心に説明する。
【0068】該第2の実施の形態の装置は、同じく自動
車のエンジンシステムに適用され、空燃比制御にベーパ
の影響を加味した学習制御を併用し、燃料噴射量の補正
を行うものである。
【0069】また、同第2の実施の形態の装置にあって
も、適用対象とする自動車のエンジンシステムの構成
(図1)、ECU(電子制御装置)51の回路構成(図
2)、空燃比フィードバック制御手順(図3)、空燃比
学習値更新手順(図5)及びパージ制御手順(図6)は
先の第1の実施形態の装置と同様であり、それら構成に
関するここでの重複する説明は割愛する。
【0070】さて、この第2の実施の形態の装置は、先
の図7及び図8において示した「ベーパ濃度学習値更新
ルーチン」のうち、図8に示したルーチンに相当する部
分を図10に示すルーチンにて置き換えるものであり、
同一の符号が付されたステップにおいては、その処理内
容も同一である。
【0071】すなわち、第2の実施の形態のベーパ濃度
学習値更新ルーチンでは、ステップ511(図10)に
おいて、ECU51は、現在の運転領域に対応するベー
パ濃度学習値FGPG(i)、すなわち今回のルーチン処
理でステップ505b〜ステップ509bの何れかにお
いて更新したベーパ濃度学習値FGPG(i)を今回算出
したベーパ学習濃度値FGPGとして一時記憶する。ま
た、今回のルーチン処理において、ステップ510(図
7)で全運転領域におけるベーパ濃度学習値FGPG(1
〜6)を1.0に再設定した場合には、再設定値(リセッ
ト値)である1.0を今回算出したベーパ濃度学習値F
GPGとして一時記憶する。また、上記ステップ503
又は504において否定の判断をして、処理をステップ
511に移行した場合には、同ステップ511において
ECU51は、吸気量Qに基づく現在の運転領域を判定
すると共に、該運転領域に対応するベーパ濃度学習値F
GPG(i)であって、前回までの処理ルーチンで更新さ
れた最新値をFGPGとして一時記憶する。
【0072】こうして一時記憶されたベーパ濃度学習値
FGPGは、以下に説明する「燃料噴射制御ルーチン」
の処理行程におけるベーパ濃度学習値FGPGの最新値
として用いられる。
【0073】図11には、本実施形態の装置に係る「燃
料噴射制御ルーチン」を示し、その処理内容は、先の第
1の実施形態における「燃料噴射制御ルーチン」のもの
と基本的には同一である。
【0074】ただし、本実施形態においては、前記「ベ
ーパ濃度学習値更新ルーチン」の処理で得た現在の運転
領域に対応するベーパ濃度学習値FGPGを直接「燃料
噴射制御ルーチン」の処理行程で読み込み(ステップ1
04)、基本燃料噴射時間TAUbの補正に反映させる
点で、「燃料噴射制御ルーチン」の処理行程中で現在の
運転領域を判定する先の第2の実施形態とは異なる。ま
た、空燃比学習値KGの選択に係る運転領域(前記ベー
パ濃度学習値の選択に係る運転領域とは別の範疇)を決
定する場合も、本実施形態においては、空燃比学習値K
Gの更新を実行するための処理行程、すなわち第1の実
施形態では図5の「空燃比学習値更新ルーチン」に相当
する空燃比学習値更新ルーチン(図示略)で同時に行う
ものとする。
【0075】上記第2の実施形態のように構成すること
によっても、第1の実施形態と同様その時々の運転領域
に対応したベーパ濃度学習値を迅速且つ的確に燃料噴射
量に反映させることができるようになる。しかも同第2
の実施形態では、領域判定は「ベーパ濃度学習値更新ル
ーチン」においてのみ行われることとなるため、ECU
51の演算負荷を軽減することができる。
【0076】なお、上記各実施形態では、ベーパ濃度学
習値FGPGの更新に係る5つの運転領域を予め設定し
たが、運転領域の数は、2、3、4、又は6以上であっ
てもよい。この場合、設定される運転領域の数が少ない
ほどアルゴリズムが簡略化されルーチンの処理速度が速
くなり、一方運転領域の数が多いほど、より緻密な学習
制御が可能となる。
【0077】また、上記各実施形態において採用された
ベーパ濃度学習値FGPGの更新に係る各運転領域の範
囲は、内燃機関の特性等により異なるものであるため、
本発明の適用対象となる内燃機関の特性やその使用環境
に応じて様々な数値範囲を設定することができる。
【0078】また、上記各実施形態では、ベーパ濃度学
習値FGPGの更新に係る複数の運転領域は吸気量Qの
みに基づいて設定したが、例えばエンジン回転数NE、
スロットル開度、吸気圧等々、負荷に関わるパラメータ
のような他の運転状態パラメータに基づいて設定するこ
ともできる。さらに、複数の運転状態パラメータを変数
とした関数のとる範囲に基づき、或いは複数の運転状態
パラメータより構成される多次元マップをもとに、複数
の運転領域を設定するようにしてもよい。
【0079】また、上記各実施形態では、空燃比フィー
ドバック制御に係る追従性を高めるために、空燃比学習
値KGを採用したが、学習値KGを用いない空燃比フィ
ードバック制御と併せて、ベーパ濃度学習値FGPGを
燃料噴射量TAUの補正に適用することもできる。
【0080】さらに上記各実施形態においては、運転領
域毎に記憶・更新するベーパ濃度学習値FGPGは、燃
料噴射量TAUの補正量として採用したが、同学習値F
GPGは、キャニスタよりパージされるベーパの濃度に
係る代表値として、例えばパージ制御や点火時期制御
等、他の運転制御に適用することもできる。また、キャ
ニスタの異常検出等にも応用することができる。
【0081】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、運転過
渡状態であっても、迅速且つ正確な燃料蒸気濃度算出が
行われ、ひいては燃料噴射量等の運転制御量に対して燃
料蒸気による影響を迅速且つ正確に考量した補正ができ
るようになる請求項2に記載の発明によれば、燃料蒸気
による影響を正確に加味した最適な燃料噴射量の算出を
行うことができるようになる。
【0082】請求項3に記載の発明によれば、どの運転
領域においても信頼性の高いベーパ濃度学習値が得られ
るようになる。請求項4に記載の発明によれば、学習制
御としての高い精度が維持されるようになる。
【0083】請求項5に記載の発明によれば、高い精度
の保証された学習制御が採用されることとなり、内燃機
関の運転状態にかかる安定且つより一層高度な制御を実
行することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る制御装置の第1の実施形態を示す
概略構成図。
【図2】電子制御装置(ECU)の電気的構成を示すブ
ロック図。
【図3】第1の実施形態の空燃比フィードバック制御手
順を示すフローチャート。
【図4】空燃比及び空燃比フィードバック補正係数の変
化態様を示すタイムチャート。
【図5】第1の実施形態の空燃比学習手順を示すフロー
チャート。
【図6】第1の実施形態のパージ制御手順を示すフロー
チャート。
【図7】第1の実施形態のベーパ濃度学習値更新手順を
示すフローチャート。
【図8】第1の実施形態のベーパ濃度学習値更新手順を
示すフローチャート。
【図9】第1の実施形態の燃料噴射量算出手順を示すフ
ローチャート。
【図10】第2の実施形態のベーパ濃度学習値更新手順
を示すフローチャート。
【図11】第2の実施形態の燃料噴射量算出手順を示す
フローチャート。
【図12】従来の制御装置の一例を示す概略構成図。
【符号の説明】
1…燃料タンク、8…エンジン、10…吸気通路、14
…キャニスタ、15…吸着剤としての活性炭、22…パ
ージ制御弁、51…ECU(電子制御装置)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02D 45/00 376 F02D 45/00 376B

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料タンク内で発生する燃料蒸気を一旦キ
    ャニスタに捕集し、その捕集した燃料蒸気を内燃機関の
    吸気通路にパージする燃料蒸気処理手段と、 このパージされる燃料蒸気の濃度に対応する情報を検出
    する濃度情報検出手段と、 内燃機関の負荷に応じて予め所定に区分した複数の運転
    領域を識別検出する運転領域検出手段と、 この識別検出される機関運転領域毎に前記検出される濃
    度情報を記憶及び更新する濃度情報記憶手段と、 同じく該識別検出される機関運転領域毎に前記記憶及び
    更新された濃度情報を読み込み、この読み込んだ濃度情
    報に基づいて内燃機関の運転状態を制御する制御手段
    と、 を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 【請求項2】前記制御手段は前記読み込んだ濃度情報を
    一補正要素として内燃機関に噴射供給される燃料量を制
    御するものである請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  3. 【請求項3】前記運転領域検出手段は、内燃機関に吸入
    される空気量に基づき前記機関運転領域を識別検出する
    請求項1または2記載の内燃機関の制御装置。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関
    の制御装置において、 内燃機関の燃焼に供される空気と燃料との可燃混合気の
    空燃比を排気中の酸素濃度に基づいて検出する空燃比検
    出手段と、 この検出される空燃比に応じた空燃比補正係数を算出す
    る空燃比補正係数演算手段と、 を備え、 前記濃度情報検出手段は、前記算出される空燃比補正係
    数及び吸気通路にパージされる燃料蒸気の流量と内燃機
    関に吸入される空気流量との割合に基づき前記パージさ
    れる燃料蒸気の濃度情報を求めることを特徴とする内燃
    機関の制御装置。
  5. 【請求項5】前記制御手段は前記求められる濃度情報及
    び空燃比補正係数を補正要素として内燃機関に噴射供給
    される燃料量を制御するものである請求項4記載の内燃
    機関の制御装置。
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JP32316597A Pending JPH11159406A (ja) 1997-11-25 1997-11-25 内燃機関の制御装置

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JP (1) JPH11159406A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100401844B1 (ko) * 2000-12-26 2003-10-17 현대자동차주식회사 차량용 엔진의 증발가스 제어 방법
JP2013204575A (ja) * 2012-03-29 2013-10-07 Honda Motor Co Ltd キャニスタパージ制御装置
US10408129B1 (en) 2018-03-20 2019-09-10 Kabushiki Kaisha Toshiba Rotor-stator blade interference noise reduction system and flying object

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