JPH11158613A - 電極基板、及び該電極基板の製造方法 - Google Patents

電極基板、及び該電極基板の製造方法

Info

Publication number
JPH11158613A
JPH11158613A JP33059397A JP33059397A JPH11158613A JP H11158613 A JPH11158613 A JP H11158613A JP 33059397 A JP33059397 A JP 33059397A JP 33059397 A JP33059397 A JP 33059397A JP H11158613 A JPH11158613 A JP H11158613A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal
layer
electrode substrate
electrode
target
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP33059397A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsumichi Ishikura
淳理 石倉
Toshiaki Yoshikawa
俊明 吉川
Makoto Kameyama
誠 亀山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP33059397A priority Critical patent/JPH11158613A/ja
Publication of JPH11158613A publication Critical patent/JPH11158613A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属電極の剥離を防止する。 【解決手段】 金属電極3において、ガラス基板2に接
する第1層31は、ガラス基板2との密着性が良好な金
属に窒素を含有させたもので構成し、第3層33は、電
気抵抗の小さなCu系の金属で構成する。また、第1層
31と第3層33との間の第2層32は、第1層31を
構成する金属(第1金属)と第3層33を構成する金属
(第3金属)とを混合したものであり、これら第1金属
と第3金属との組成比は、第1層31に接する部分にて
第1金属が100%となると共に第3層33に接する部
分にて第3金属が100%となるように、第2層32の
厚さ方向に沿って連続的に変化するようにしている。こ
れにより、第1層31とガラス基板2との密着性が向上
され、第1層31と第3層33との密着性も向上され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基材に金属電極を
形成した電極基板及び該電極基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、液晶パネル等においては、金
属電極をガラス等の基板(基材)の表面に形成したもの
(以下、“電極基板”とする)が用いられている。
【0003】ところで、この金属電極の材料としては、
一般に用いられているAlやAl合金よりもCuやCu
合金(以下、“Cu系の金属”とする)の方が電気抵抗
が小さくて好ましく、特に液晶パネルにおいては液晶駆
動速度を向上させる等の優れた効果を奏することが知ら
れているが(“NIKKEI MICRODEVICE
S”1993年2月号)、一方では、金属電極とガラス
基板との密着性が悪く、金属電極が剥れ易いという問題
があった。
【0004】そこで、Cu系の金属によって金属電極を
形成すると共に、金属電極とガラス基板との密着性を向
上させるようにした以下のものが提案されている。 金属電極を、ガラス基板との密着性が良好な金属層
(例えば、クロム層、モリブデン層、チタン層)と、C
u系の金属層との積層構造とし、前者(ガラス基板との
密着性が良好な金属層)をガラス基板に接するように配
置したもの(特開平3−82188号公報)。
【0005】なお、このような構造の電極基板において
は両金属層の間で剥離が生じ易いため、両金属層の間
に、組成を連続的に変化させた層を設けた電極基板が提
案されている(特開平9−258246号公報)。 金属電極を、窒素を含有させてガラス基板との密着
性を良好にしたCu系の金属層と、窒素を含有させない
Cu系の金属層との積層構造とし、前者(窒素を含有さ
せたCu系の金属層)をガラス基板に接するように配置
したもの(特開平6−310512号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の場
合には、ガラス基板との密着性が良好な金属層をガラス
基板に接するように配置するだけでは充分ではなく、該
金属層の膜厚を厚くしたり、該金属層をスパッタ法にて
形成する場合のArガスの圧力を適正に管理する必要が
ある。しかし、このような管理自体が困難であり、一定
の密着性を有する金属電極を安定して形成することは困
難であった。また、金属層の膜厚を厚くした場合には、
金属電極全体の比抵抗が上昇したり、製造の際のエッチ
ングが困難となって正確なパターニングができない等の
問題があった。
【0007】一方、上記の場合には密着性が不十分で
あり、実用性に欠けるという問題がある。実際に、本発
明者がクロスカットテープ試験(パターニングしない状
態の金属層に5mm幅の切れ目を縦横に入れ、この状態の
金属層にテープを貼付して引き剥し、金属層の剥離を観
察する試験)を行ったところ、部分的に剥離が生じた。
このような問題は、ガラス基板としてANガラス(無ア
ルカリガラス、旭硝子(株)社製)を用いた場合に特に
顕著である。
【0008】そこで、本発明は、基材と金属電極との剥
れ、及び金属電極内部での剥れを防止する電極基板、及
び該電極基板の製造方法を提供することを目的とするも
のである。
【0009】また、本発明は、金属電極自体の比抵抗が
小さい電極基板、及び該電極基板の製造方法を提供する
ことを目的とするものである。
【0010】さらに、本発明は、金属電極のパターニン
グが容易な電極基板、及び該電極基板の製造方法を提供
することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記事情を考
慮してなされたものであり、基材と、該基材の表面に形
成された金属電極と、を備えた電極基板において、前記
金属電極が、前記基材に接するように配置された第1層
と、該第1層を覆うように配置された第2層と、該第2
層を覆うように配置された第3層と、を少なくとも有
し、前記第1層が、前記基材との密着性が良好な金属に
窒素が含有されて構成され、前記第3層が、Cu若しく
はCu合金にて形成され、かつ、前記第1層を形成する
金属を第1金属とし、前記第3層を形成する金属を第3
金属とした場合に、前記第2層が、これら第1金属及び
第3金属が混合されて構成されたものであり、これら第
1金属と第3金属との組成比は、前記第1層に接する部
分にて第1金属が100%となると共に前記第3層に接
する部分にて第3金属が100%となるように、前記第
2層の厚さ方向に沿って連続的に変化するように設定さ
れた、ことを特徴とする。
【0012】また、本発明は、基材の表面に少なくとも
3層の金属をスパッタ法によって積層すると共に該積層
した金属をパターニングして金属電極を形成する、電極
基板の製造方法において、前記3層の金属を、前記基材
の側から順に第1金属、第2金属及び第3金属とした場
合に、前記第1金属の成膜には、前記基材との密着性が
良好な金属ターゲットとAr及びN2 の混合スパッタガ
スとを用い、前記第2金属の成膜には、前記第1金属か
らなる第1ターゲット、並びに前記第3金属からなる第
3ターゲットを並べて配置したスパッタ装置を用い、こ
れらのターゲットに電圧を印加した状態で前記基材を第
1ターゲットの側から第3ターゲットの側へ移動させる
ことにより前記第2金属の成膜を行い、かつ、前記第3
金属の成膜には、Cu若しくはCu合金をターゲットと
して用いる、ことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図1を参照して、本発明の
実施の形態について説明する。
【0014】本実施の形態に係る電極基板1は、図1に
示すように、ガラス基板等の基材2を備えており、該基
材2の表面には、少なくとも3層からなる金属電極3が
複数形成されている(図には1つのみ示す)。
【0015】この3層のうち基材2に接するように配置
された層31(以下、“第1層31”とする)は、基材
2との密着性が良好な金属(例えば、Ni、Mo、C
r、W、Ta、Ti、Al、Ag又はこれらの合金)に
て形成されており、その膜厚は300Å程度に設定され
ている。
【0016】また、基材2の側から数えて3番目の層3
3(第2層32を覆うように配置された層であって、以
下“第3層33”とする)は、Cu若しくはCu合金に
より形成されている。
【0017】さらに、基材2の側から数えて2番目の層
32(第1層31を覆うように配置された層であって、
以下“第2層32”とする)は、第1層31を構成する
金属(以下、“第1金属”とする)と第3層33を構成
する金属(以下、“第3金属”とする)とが混合されて
構成されている。しかも、それら第1金属と第3金属と
の組成比は、第1層31に接する部分にて第1金属が1
00%となると共に第3層33に接する部分にて第3金
属が100%となるように、第2層32の厚さ方向に沿
って連続的に変化するように設定されている(以下、こ
の第2層32を構成する金属を“第2金属”とする)。
【0018】なお、上述した第1層31には1at%以
上50at%未満の含有率で窒素が含有されている。こ
の場合、第2層32にも、窒素を1at%以上50at
%未満の含有率で含有させても良い。
【0019】一方、第3層33を覆うように第4層34
を形成し、この第4層34をNiやMo等の酸化防止効
果のある金属にて構成しても良い。
【0020】次に、本実施の形態に係る電極基板1の製
造方法について説明する。
【0021】本実施の形態においては、スパッタ法を用
いて、基材2の表面のほぼ全体に第1金属、第2金属及
び第3金属を順に積層し、その後、積層したこれらの第
1金属等をエッチングによってパターニングし、所定形
状の金属電極3を形成する。
【0022】なお、第1金属の成膜は、スパッタガスと
してArガスとN2 ガスとの混合ガスを用いて行い、第
1金属に窒素を含有させれば良い。ここで、ターゲット
には、基材2との密着性が良好な金属を用いる。
【0023】また、第2金属の成膜は、第1金属からな
るターゲット(以下、“第1ターゲット”とする)と第
3金属からなるターゲット(以下、“第3ターゲット”
とする)とを並べて配置したスパッタ装置を用いて行
い、両ターゲットに電圧を印加した状態で基材2を第1
ターゲットの側から第3ターゲットの側へ移動させるこ
とにより行う。なお、スパッタガスとしてArガス10
0%のものを用いても良く、ArガスとN2 ガスとの混
合ガスを用いて第2金属に窒素を含有させるようにして
も良い。
【0024】さらに、第3金属の成膜には、Cu若しく
はCu合金をターゲットとして用いる。
【0025】この場合、同じくスパッタ法を用いて、N
iやMo等の酸化防止効果のある金属を第3金属を覆う
ように形成しても良い。
【0026】次に、本実施の形態の効果について説明す
る。
【0027】本実施の形態によれば、基材2との密着性
が良好な金属に1at%以上50at%未満の窒素が含
有されたもので第1層31が形成されているため、金属
電極3と基材2との密着性を向上できる。
【0028】また、該密着性は第1層31の膜厚が薄い
場合においても確保されるため、その膜厚を厚くする必
要が無い。したがって、金属電極3全体の比抵抗が上昇
したり、製造の際のエッチングが困難となって正確なパ
ターニングができない等の問題を回避できる。
【0029】なお、第2層32に、窒素を1at%以上
50at%未満の含有率で含有させた場合には、金属電
極3全体の比抵抗をさらに下げることができる。
【0030】さらに、第1層31と第3層33との間に
は、上述のように構成した第2層32を配置しているた
め、第1層31及び第3層33の密着性を向上できる。
【0031】またさらに、上述のような第4層34を形
成した場合には、第3層33の酸化を防止できる。
【0032】
【実施例】(実施例1)基材2としては、300×34
0mmの寸法のANガラス基板(旭硝子(株)社製)を
用いた(以下、“ガラス基板2”とする)。
【0033】また、第1層31には、窒素含有率が1a
t%以上50at%未満のNi−Mo合金(Mo含有率
8.3at%)を用い、その膜厚を300Åとした。
【0034】さらに第2層32は、Ni−Mo(第1金
属)とCu(第3金属)とが混合したもので形成した。
そして、Ni−MoとCuとの組成比は、第1層31に
接する部分にてNi−Moが100%となると共に第3
層33に接する部分にてCuが100%となるように、
第2層32の厚さ方向に沿って連続的に変化するように
した。なお、この第2層32の膜厚を300Åとした。
【0035】また、第3層33には、1μmの膜厚のC
uを用いた。
【0036】さらに、酸化防止層としての第4層34に
は、300Åの膜厚のNi−Mo合金(Mo含有率8.
3at%)を用いた。
【0037】次に、電極基板の製造方法について説明す
る。
【0038】第1層31の成膜条件は以下の通りであ
る。なお、N2 ガスの流量は、1〜60sccmの範囲
内において一定とした。
【0039】 成膜圧力・・・・・・・・3E−3torr 成膜前基板温度・・・・・200℃ Ar流量・・・・・・・・100sccm N2 流量・・・・・・・・1〜60sccm ターゲットパワー・・・・13W/cm2 成膜時間・・・・・・・・60sec. 第2層32の成膜においては、第1ターゲットとしてN
i−Moターゲットを、第3ターゲットとしてCuター
ゲットを用いた。なお、成膜条件は以下の通りである。
【0040】 成膜圧力・・・・・・・・3E−3torr 成膜前基板温度・・・・・200℃ Ar流量・・・・・・・・100sccm N2 流量・・・・・・・・0sccm ターゲットパワー・・・・13W/cm2 成膜(ターゲット前通過)時間・・・・・60sec. 第3層33の成膜条件は以下の通りである。
【0041】 成膜圧力・・・・・・・・3E−3torr 成膜前基板温度・・・・・200℃ Ar流量・・・・・・・・100sccm N2 流量・・・・・・・・0sccm ターゲットパワー・・・・28W/cm2 成膜時間・・・・・・・・750sec. 第4層34の成膜条件は以下の通りである。
【0042】 成膜圧力・・・・・・・・3E−3torr 成膜前基板温度・・・・・200℃ Ar流量・・・・・・・・100sccm N2 流量・・・・・・・・0sccm ターゲットパワー・・・・13W/cm2 成膜時間・・・・・・・・60sec. 本実施例によれば、上述した実施の形態と同様の効果を
奏した。
【0043】なお、本発明者は、本実施例の効果、並び
に窒素含有率の適正値を確認すべく実験を行った。以
下、その実験の内容を説明する。
【0044】本実験においては、まず、第1層31を成
膜する際のN2 流量が異なる7種類のサンプル(第1層
31乃至第4層34を成膜した状態のもので、エッチン
グしていないもの。N2 流量は0,1,5,10,2
0,50,60sccmとした。)を作成し、各サンプ
ルについて、体積抵抗率の測定、クロスカットテープ試
験、WDXによる窒素含有率測定を行った。
【0045】
【表1】 上表はその測定結果を示す表であるが、この実験より、
体積抵抗率は、窒素含有率の如何に拘らず一定(2.1
E−6Ωcm)であることが分かった。
【0046】また、クロスカットテープ試験を行った結
果、窒素含有率が0at%のものでは20個中4個が剥
離し、窒素含有率が1at%以上50at%未満のもの
では剥離は発生せず、この範囲が適正範囲であることが
分かった。
【0047】一方、同様の成膜条件で、別に7種類のサ
ンプルを作成し、これらのサンプルについては、エッチ
ング(エッチャント;塩化第2鉄水溶液)を施して金属
電極3を8μmの幅にパターニングした。そして、これ
らのサンプルについてテープ試験(パターニングした金
属電極3の表面にテープを貼付し、このテープを引き剥
して金属電極3の剥離を観察する試験)を行ったとこ
ろ、窒素含有率が1at%以上50at%未満のもので
は剥離は発生しないことが分かった。 (実施例2)第1層31には、窒素含有率が1at%以
上50at%未満のNiを用い、その膜厚を300Åと
した。
【0048】また第2層32は、Ni(第1金属)とC
u(第3金属)とが混合したもので形成した。そして、
NiとCuとの組成比は、第1層31に接する部分にて
Niが100%となると共に第3層33に接する部分に
てCuが100%となるように、第2層32の厚さ方向
に沿って連続的に変化するようにした。なお、この第2
層32の膜厚を300Åとした。
【0049】さらに、酸化防止層としての第4層34に
は、300Åの膜厚のNiを用いた。
【0050】上述した以外の構成(例えば、ガラス基板
2や第3層33)は実施例1と同じにした。
【0051】次に、電極基板の製造方法について説明す
る。
【0052】第1層31の成膜にはNiターゲットを用
い、成膜条件は実施例1と同様とした。
【0053】第2層32の成膜には、第1ターゲットに
Niターゲットを、第3ターゲットにCuターゲットを
用いた。また、成膜条件は以下の通りとした。特に、ス
パッタガスとしてはArとN2 との混合ガスを用い、N
2 ガスの流量は、1〜60sccmの範囲内において一
定とした。
【0054】 成膜圧力・・・・・・・・3E−3torr 成膜前基板温度・・・・・200℃ Ar流量・・・・・・・・100sccm N2 流量・・・・・・・・1〜60sccm ターゲットパワー・・・・13W/cm2 成膜(ターゲット前通過)時間・・・・・60sec. さらに、実施例1と同じ成膜条件で第3層33を形成し
た。
【0055】その後、ターゲットにNiを用い、実施例
1と同様の成膜条件で第4層34を形成した。
【0056】本実施例によれば、上述した実施の形態と
同様の効果を奏した。
【0057】なお、本発明者は、本実施例の効果、並び
に窒素含有率の適正値を確認すべく、実施例1と同様に
実験を行った。以下、その実験の内容を説明する。
【0058】本実験においては、まず、第1層31及び
第2層32を成膜する際のN2 流量が異なる7種類のサ
ンプル(第1層31乃至第4層34を成膜した状態のも
ので、エッチングしていないもの。N2 流量は0,1,
5,10,20,50,60sccmとした。)を作成
し、各サンプルについて、体積抵抗率の測定、クロスカ
ットテープ試験、WDXによる窒素含有率測定を行っ
た。
【0059】
【表2】 上表はその測定結果を示す表であるが、この実験より、
体積抵抗率は、窒素含有率の如何に拘らず一定(2.1
E−6Ωcm)であることが分かった。
【0060】また、クロスカットテープ試験を行った結
果、窒素含有率が0at%及び50at%のものでは2
0個中4個が剥離し、窒素含有率が1at%以上50a
t%未満のものでは剥離は発生せず、この範囲が適正範
囲であることが分かった。
【0061】一方、同様の成膜条件で、別に7種類のサ
ンプルを作成し、これらのサンプルについては、エッチ
ング(エッチャント;塩化第2鉄水溶液)を施して金属
電極3を8μmの幅にパターニングした。そして、これ
らのサンプルについて上記実施例1と同様のテープ試験
を行ったところ、窒素含有率が1at%以上50at%
未満のものでは剥離は発生しないことが分かった。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
金属電極の第3層は電気抵抗の小さいCu若しくはCu
合金にて形成されているため、電極自体の比抵抗を小さ
くできる。
【0063】また、金属電極の第1層は、基材との密着
性が良好な金属に窒素が含有されて構成されたものであ
るため、金属電極と基材との密着性を向上できる。この
効果は、窒素の含有率を1at%以上50at%未満と
した場合に顕著である。
【0064】さらに、該密着性は第1層の膜厚が薄い場
合においても確保されるため、その膜厚を厚くする必要
が無い。したがって、金属電極全体の比抵抗が上昇した
り、製造の際のエッチングが困難となって正確なパター
ニングができない等の問題を回避できる。
【0065】なお、第2層に、窒素を1at%以上50
at%未満の含有率で含有させた場合には、金属電極全
体の比抵抗をさらに下げることができる。
【0066】またさらに、第1層と第3層との間の第2
層は、前記第1層を形成する第1金属と前記第3層を形
成する第3金属が混合されて構成されたものであり、こ
れら第1金属と第3金属との組成比は、前記第1層に接
する部分にて第1金属が100%となると共に前記第3
層に接する部分にて第3金属が100%となるように、
前記第2層の厚さ方向に沿って連続的に変化するように
設定されているため、第1層31及び第3層33の密着
性を向上できる。
【0067】また、酸化防止効果のある金属にて前記第
3層を覆うように第4層を形成した場合には、第3層の
酸化を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電極基板の構造の一例を示す模式
図。
【符号の説明】
1 電極基板 2 ガラス基板(基材) 3 金属電極 31 第1層 32 第2層 33 第3層

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材と、該基材の表面に形成された金属
    電極と、を備えた電極基板において、 前記金属電極が、前記基材に接するように配置された第
    1層と、該第1層を覆うように配置された第2層と、該
    第2層を覆うように配置された第3層と、を少なくとも
    有し、 前記第1層が、前記基材との密着性が良好な金属に窒素
    が含有されて構成され、 前記第3層が、Cu若しくはCu合金にて形成され、か
    つ、 前記第1層を形成する金属を第1金属とし、前記第3層
    を形成する金属を第3金属とした場合に、前記第2層
    が、これら第1金属及び第3金属が混合されて構成され
    たものであり、これら第1金属と第3金属との組成比
    は、前記第1層に接する部分にて第1金属が100%と
    なると共に前記第3層に接する部分にて第3金属が10
    0%となるように、前記第2層の厚さ方向に沿って連続
    的に変化するように設定された、 ことを特徴とする電極基板。
  2. 【請求項2】 前記第1層における窒素の含有率が1a
    t%以上50at%未満である、 ことを特徴とする請求項1に記載の電極基板。
  3. 【請求項3】 前記第2層に窒素が含有されている、 ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電極基板。
  4. 【請求項4】 前記第2層における窒素の含有率が1a
    t%以上50at%未満である、 ことを特徴とする請求項3に記載の電極基板。
  5. 【請求項5】 前記第1金属が、Ni、Mo、Cr、
    W、Ta、Ti、Al、Ag又はこれらの合金である、 ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載
    の電極基板。
  6. 【請求項6】 前記第3層を覆うように第4層が配置さ
    れ、かつ、該第4層が酸化防止効果のある金属にて形成
    された、 ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載
    の電極基板。
  7. 【請求項7】 基材の表面に少なくとも3層の金属をス
    パッタ法によって積層すると共に該積層した金属をパタ
    ーニングして金属電極を形成する、電極基板の製造方法
    において、 前記3層の金属を、前記基材の側から順に第1金属、第
    2金属及び第3金属とした場合に、 前記第1金属の成膜には、前記基材との密着性が良好な
    金属ターゲットとAr及びN2 の混合スパッタガスとを
    用い、 前記第2金属の成膜には、前記第1金属からなる第1タ
    ーゲット、並びに前記第3金属からなる第3ターゲット
    を並べて配置したスパッタ装置を用い、これらのターゲ
    ットに電圧を印加した状態で前記基材を第1ターゲット
    の側から第3ターゲットの側へ移動させることにより前
    記第2金属の成膜を行い、かつ、 前記第3金属の成膜には、Cu若しくはCu合金をター
    ゲットとして用いる、 ことを特徴とする電極基板の製造方法。
JP33059397A 1997-12-01 1997-12-01 電極基板、及び該電極基板の製造方法 Pending JPH11158613A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33059397A JPH11158613A (ja) 1997-12-01 1997-12-01 電極基板、及び該電極基板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33059397A JPH11158613A (ja) 1997-12-01 1997-12-01 電極基板、及び該電極基板の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11158613A true JPH11158613A (ja) 1999-06-15

Family

ID=18234398

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33059397A Pending JPH11158613A (ja) 1997-12-01 1997-12-01 電極基板、及び該電極基板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11158613A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7417316B2 (en) 2004-06-17 2008-08-26 Nitto Denko Corporation Wired circuit forming board, wired circuit board, and thin metal layer forming method
US8841541B2 (en) 2009-09-04 2014-09-23 Mitsubishi Electric Corporation Solar battery and method of manufacturing the same
JP2015133167A (ja) * 2015-04-22 2015-07-23 大日本印刷株式会社 サスペンション用基板、サスペンション、素子付サスペンション、およびハードディスクドライブ
CN108055790A (zh) * 2017-12-06 2018-05-18 陈旺寿 一种电路板及其制作方法和应用

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7417316B2 (en) 2004-06-17 2008-08-26 Nitto Denko Corporation Wired circuit forming board, wired circuit board, and thin metal layer forming method
KR101120526B1 (ko) * 2004-06-17 2012-02-24 닛토덴코 가부시키가이샤 배선 회로 형성용 기판, 배선 회로 기판 및 금속박층의형성 방법
US8841541B2 (en) 2009-09-04 2014-09-23 Mitsubishi Electric Corporation Solar battery and method of manufacturing the same
JP2015133167A (ja) * 2015-04-22 2015-07-23 大日本印刷株式会社 サスペンション用基板、サスペンション、素子付サスペンション、およびハードディスクドライブ
CN108055790A (zh) * 2017-12-06 2018-05-18 陈旺寿 一种电路板及其制作方法和应用
CN108055790B (zh) * 2017-12-06 2019-10-18 深圳市和美源电子有限公司 一种电路板及其制作方法和应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI394850B (zh) A display device using a Cu alloy film and a Cu alloy sputtering target
TWI390059B (zh) 導電膜形成方法、薄膜電晶體、具薄膜電晶體之面板、及薄膜電晶體之製造方法
KR100638977B1 (ko) 평면 패널 디스플레이용 Ag기 합금 배선 전극막, Ag기합금 스퍼터링 타겟 및 평면 패널 디스플레이
KR101067364B1 (ko) 도전막 형성 방법, 박막 트랜지스터, 박막 트랜지스터를 갖는 패널 및 박막 트랜지스터의 제조 방법
WO2006117954A1 (ja) Al-Ni-B合金配線材料及びそれを用いた素子構造
TW577091B (en) Resistor
KR20110063736A (ko) 박막 트랜지스터 및 박막 트랜지스터 중간체
TW201013785A (en) Wiring film, thin film transistor, target, and method for forming film transistor
JPH11158613A (ja) 電極基板、及び該電極基板の製造方法
JP2009124136A (ja) 表示装置およびこれに用いるCu合金膜
JP5416470B2 (ja) 表示装置およびこれに用いるCu合金膜
JPH03162573A (ja) 集積回路装置製造用スパッタリングターゲット
TWI305585B (en) A wiring substrate and method using the same
JP2008112989A (ja) ターゲット、成膜方法、薄膜トランジスタ、薄膜トランジスタ付パネル、及び薄膜トランジスタの製造方法
JP2010138451A (ja) エッチング液、及びエッチング方法
JP2010258347A (ja) 表示装置およびこれに用いるCu合金膜
JPH02230756A (ja) 銅電極配線材料
JP2001053024A (ja) Al合金電極膜およびスパッタリング用ターゲット
JP3048858B2 (ja) 導電性薄膜を有する基板の製造方法
JPS63246873A (ja) 薄膜トランジスタ
JP2010185139A (ja) Cu合金膜および表示デバイス
JPH05152573A (ja) 薄膜トランジスタ及びその製造方法
JPS5877258A (ja) 高信頼性金属電極
Brückner et al. Resistance behaviour and interdiffusion of layered CuNi-NiCr films
JP4204074B2 (ja) 低応力及び低抵抗金属膜