JPH11158553A - 歯車部品の熱処理方法およびその部品 - Google Patents

歯車部品の熱処理方法およびその部品

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JPH11158553A
JPH11158553A JP34722497A JP34722497A JPH11158553A JP H11158553 A JPH11158553 A JP H11158553A JP 34722497 A JP34722497 A JP 34722497A JP 34722497 A JP34722497 A JP 34722497A JP H11158553 A JPH11158553 A JP H11158553A
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gear
quenching
mass
heat treatment
gear component
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Koji Nobukawa
幸治 信川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】この発明の請求項1記載の発明は、歯車部品の
質量が大きい側に変態応力のバランスをとる質量減少部
を形成して焼入処理することで、歯車部品の焼入時の質
量差による熱処理歪みが防止され、歯車の形状精度が確
保されると共に、ギヤノイズの発生を防止することがで
きる歯車部品の熱処理方法の提供を目的とする。 【解決手段】歯車部品34を焼入槽に浸漬して焼入処理
する歯車部品の熱処理方法であって、上記歯車部品34
の質量が大きい側に変態応力のバランスをとる質量減少
部40を形成し、この質量減少部40を有する歯車部品
34を焼入槽に浸漬して焼入をすることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、インターナルギ
ヤ(内歯歯車)や外歯歯車などの歯車部品を焼入槽に浸
漬して焼入処理するような歯車部品の熱処理方法および
その部品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上述例の歯車部品の熱処理方法と
しては例えば次のような方法がある。
【0003】すなわち、ブローチを用いてブローチ加工
が施されたインターナルギヤを、治具を介してトレーに
上載し、このトレーに上載されたインターナルギヤを浸
炭炉に入れ、出炉後のインターナルギヤをトレーおよび
治具に上載された状態のままで、焼入槽のソルト(青化
ソーダを基剤とし、炭酸ソーダ、塩化バリウム、食塩な
どを添加したソルト液)に液浸して、浸炭焼入れする方
法である。
【0004】この浸炭焼入れによりインターナルギヤの
歯部を浸炭硬化させることができる。しかし、図7に示
すように歯部(ギヤ部)71を有する熱処理前のインタ
ーナルギヤ72は、その熱処理後にあっては変態応力お
よび熱応力による焼歪みの影響に起因して図8に示す如
くテーパ状に変形する問題点があった。
【0005】つまり、上述のインターナルギヤ72には
構造物を組込むための段部73が形成されており、この
ため図7に示す下側のギヤ質量が小さく図示上側のギヤ
質量が大きいので、焼入時においては質量の小さい側
(図示下側)は変態応力が大となって、その収縮量が大
きくなる一方、質量の大きい側(図示上側)は変態応力
が小となって、その収縮量が小さくなり、この結果、焼
入後においては図8に示す如き変形が発生する。
【0006】加えて、図7に示す状態でインターナルギ
ヤ72をソルト液に浸漬する場合、浸漬進み側(図示下
側)は冷却速度が早く、浸漬遅れ側(図示上側)は冷却
速度が遅くなり、この焼入時の冷却速度のばらつきに起
因して、焼入後においては図8に示すような熱変形が発
生し、この冷却速度の差異と上述の質量差とが相乗的に
作用して、図8の如き変形となる。
【0007】このように、上述のインターナルギヤ72
に熱処理歪みが発生すると、歯車の形状精度が劣化し、
ギヤノイズが発生する問題点があった。このことは、例
示した内歯歯車に限らず外歯歯車等の他の歯車部品につ
いても略同様である。このような問題点を解決するため
には、歯車部品の熱処理前において予めシェービング加
工(シェービングカッタにより切削する歯面仕上げ加
工)を施せばよいが、この場合には加工工程が増大する
問題点があった。
【0008】一方、特開平7−54967号公報に記載
の如き歯車の製造方法が既に発明されている。すなわ
ち、図9に示すようにヘリカル歯車の歯部91におい
て、ねじれ角β1が要求値より大きくなるような歯車諸
元にてホブ加工を行なった後、浸炭熱処理により表面に
硬化層92を形成し、図9に仮想線αで示す部分まで歯
部91の表面をシェービング加工により切削して、図1
0に示す如く上述の硬化層92の表面を要求値のねじれ
角βとなるように形成する方法である。
【0009】この従来方法によれば、硬化層92の深さ
を歯部91の表面においてその端部、中央部共に略同等
と成すことができるが、上述と同様の理由によりヘリカ
ル歯車の全体に熱処理歪みが発生する問題点があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】この発明の請求項1記
載の発明は、歯車部品の質量が大きい側に変態応力のバ
ランスをとる質量減少部を形成して焼入処理すること
で、歯車部品の焼入時の質量差による熱処理歪みが防止
され、歯車の形状精度が確保されると共に、ギヤノイズ
の発生を防止することができる歯車部品の熱処理方法の
提供を目的とする。
【0011】この発明の請求項2記載の発明は、歯車部
品の焼入槽に対する浸漬遅れ側に熱容量減少部を形成し
て焼入処理することで、歯車部品の焼入時の冷却速度の
ばらつきによる熱処理歪みが防止され、歯車の形状精度
が確保されると共に、ギヤノイズの発生を防止すること
ができる歯車部品の熱処理方法の提供を目的とする。
【0012】この発明の請求項3記載の発明は、上記請
求項1または2記載の発明の目的と併せて、歯車部品の
歯部の裏側に設けられたリング状の溝部により質量減少
部または熱容量減少部を構成することで、質量減少部ま
たは熱容量減少部を簡単に加工することができる歯車部
品の提供を目的とする。
【0013】この発明の請求項4記載の発明は、歯車部
品本体の質量が大きい側に変態応力のバランスをとる質
量減少部を形成することで、焼入時の質量差による熱処
理歪みを防止して、歯車の形状精度を確保することがで
きると共に、ギヤノイズの発生を抑止することができる
歯車部品の提供を目的とする。
【0014】この発明の請求項5記載の発明は、歯車部
品本体の浸漬遅れ側に熱容量減少部を形成することで、
焼入時の冷却速度のばらつきによる熱処理歪みを防止し
て、歯車の形状精度を確保することができると共に、ギ
ヤノイズの発生を抑止することができる歯車部品の提供
を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1記載
の発明は、歯車部品を焼入槽に浸漬して焼入処理する歯
車部品の熱処理方法であって、上記歯車部品の質量が大
きい側に変態応力のバランスをとる質量減少部を形成
し、この質量減少部を有する歯車部品を焼入槽に浸漬し
て焼入をする歯車部品の熱処理方法であることを特徴と
する。
【0016】この発明の請求項2記載の発明は、歯車部
品を焼入槽に浸漬して焼入処理する歯車部品の熱処理方
法であって、上記歯車部品の浸漬遅れ側に熱容量減少部
を形成し、この熱容量減少部を有する歯車部品を焼入槽
に浸漬して焼入れをする歯車部品の熱処理方法であるこ
とを特徴とする。
【0017】この発明の請求項3記載の発明は、上記請
求項1または2記載の発明の構成と併せて、上記質量減
少部または熱容量減少部が、歯車部品の歯部の裏側に設
けられたリング状の溝部で構成された歯車部品の熱処理
方法であることを特徴とする。
【0018】この発明の請求項4記載の発明は、焼入槽
に浸漬して焼入処理される歯車部品であって、歯車部品
本体の質量が大きい側に変態応力のバランスをとる質量
減少部が形成された歯車部品であることを特徴とする。
【0019】この発明の請求項5記載の発明は、焼入槽
に浸漬して焼入処理される歯車部品であって、歯車部品
本体の浸漬遅れ側に熱容量減少部が形成された歯車部品
であることを特徴とする。
【0020】
【発明の作用及び効果】この発明の請求項1記載の発明
によれば、歯車部品の質量が大きい側には変態応力のバ
ランスをとる質量減少部が形成され、この質量減少部を
備えた歯車部品が焼入槽に浸漬(液浸)されて焼入処理
が施される。この結果、上述の質量減少部により歯車部
品の質量差が緩和されて、焼入時の変態応力および収縮
量が均一化されるので、熱処理歪みの発生を防止するこ
とができて、歯車の形状精度が確保されると共に、ギヤ
ノイズの発生を防止することができる効果がある。加え
て、従来方法の如きシェービング加工が不要となるの
で、歯車部品の低コスト化を達成することができる効果
がある。
【0021】この発明の請求項2記載の発明によれば、
歯車部品の焼入槽に対する浸漬遅れ側には冷却速度のば
らつきを緩和する熱容量減少部が形成され、この熱容量
減少部を備えた歯車部品が焼入槽に浸漬(液浸)されて
焼入処理が施される。このため、上述の熱容量減少部に
より歯車部品の焼入時の冷却速度が均一化され、熱処理
歪みの発生を防止することができて、歯車の形状精度が
確保されると共に、ギヤノイズの発生を防止することが
できる効果があり、併せて、従来方法の如きシェービン
グ加工が不要となるので、歯車部品の低コスト化を達成
することができる効果がある。
【0022】この発明の請求項3記載の発明によれば、
上記請求項1または2記載の発明の効果と併せて、上述
の質量減少部または熱容量減少部を、歯車部品の歯部の
裏側に設けられたリング状の溝部で構成したので、該減
少部の加工容易化を達成することができる効果がある。
【0023】この発明の請求項4記載の発明によれば、
上述の歯車部品本体の質量が大きい側には変態応力のバ
ランスをとる質量減少部が形成されているので、焼入槽
に浸漬して焼入処理する際の変態応力および収納量が均
一化され、熱処理歪みのない歯車部品となる。このた
め、歯車の形状精度が確保されると共に、ギヤノイズの
発生を抑止することができる効果がある。
【0024】この発明の請求項5記載の発明によれば、
上述の歯車部品本体の浸漬遅れ側には冷却速度のばらつ
きを緩和する熱容量減少部が形成されているので、焼入
槽に浸漬して焼入処理する際の冷却速度が均一化され、
熱処理歪みのない歯車部品となる。このため、歯車の形
状精度が確保されると共に、ギヤノイズの発生を抑止す
ることができる効果がある。
【0025】
【実施例】この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳
述する。図面は歯車部品の熱処理方法およびその部品を
示すが、まず図1、図2、図3を参照して熱処理方法に
用いる熱処理装置の構成について説明する。
【0026】床面1に焼入槽としてのソルト浴槽2を設
置し、このソルト浴槽2内にはソルト液3を貯留すると
共に、このソルト液3を所定温度(たとえば約230
℃)に保持させるためのヒータ4(加熱手段)を配設し
ている。また上述のソルト浴槽2内には後述するエレベ
ータと干渉しないように循環ダクト5を配設し、この循
環ダクト5のインレット側には撹拌羽根6(撹拌手段)
を臨設し、この撹拌羽根6の回転により、ソルト浴槽2
内のソルト液3を図1の矢印方向へ撹拌して、液温の均
一化を図るように構成している。
【0027】上述の撹拌羽根6は、ソルト浴槽2の上面
に設けられたモータ7出力段の無段変速機8の槽内へ吊
設された駆動軸9に嵌合したものである。また上述のソ
ルト浴槽2の上部には架構10を取付け、この架構10
の上部に位置する水平フレーム11にはスプロケット1
2,13,14を軸架すると共に、これら各スプロケッ
ト12,13,14により案内されるチェーン15を設
け、チェーン15の一端側15a,15bをエレベータ
16に連結する一方、チェーン15の他端側を昇降手段
としての油圧シリンダ17のピストンロッド18先端に
連結して、油圧シリンダ17の操作によりエレベータ1
6をソルト浴槽2のワーク出入口19を介してソルト液
3に対して浸漬(下降)および引上げ(上昇)可能に構
成している。
【0028】ここで、上述のエレベータ16は水平方向
に延びるエレベータ台20と、上下方向に延びるサイド
フレーム21,22と、エレベータ台20上に設けられ
てトレイ23(図2参照)を受けるレール24,24と
を備えている。また上述の油圧シリンダ17はソルト浴
槽2の上部から一側方(図1の右方)へ突設したシリン
ダ取付部25に固定されている。一方、上述のトレイ2
3はソルト液3の流動を許容する格子状に形成され、こ
のトレイ23には図2、図3に示すような治具26が上
下多段に上載される。
【0029】この治具26は縦横に延びるスポーク27
と、縦横のスポーク27,27の交点部から上方に向け
て突出形成された十文字のスペーサ28A,28Bと、
上述の交点部を中心とするリング29と、このリング2
9の上面において円周上120度の等間隔位置に突出形
成されたワーク受け部30と、上述のリング29の外周
において円周上45〜90度の等間隔位置に突出形成さ
れたワーク脱落防止用の突片31と、特定のスペーサ2
8Bの上部および下部に形成された位置決め凸部32お
よび位置決め凹部33とを備えている。この実施例では
上記治具26の全体が耐熱鋼鋳鋼(SCH21)で構成
されている。
【0030】而して、上述の治具26のワーク受け部3
0に歯車部品の一例としてのインターナルギヤ34を上
載し、このインターナルギヤ34を突片31で保持した
ものを、図2に示すように上下多段に積層している。な
お、図1、図4においては図示の便宜上、複数のインタ
ーナルギヤ34(図5参照)がセットされた治具26の
多段構造と、トレイ23とを1つのユニット35として
簡略的に図示している。
【0031】上述のインターナルギヤ34(内歯歯車)
は図5に示すように、リング部36(リング状の肉厚
部)と、歯部37と、構造物組込み用の多段部38とで
歯車本体39が構成され、この歯車本体39の質量が大
きい側つまり反段部側には焼入時における変態応力のバ
ランスをとる質量減少部として歯部37の裏側に位置す
る環状の凹溝40(換言すればソルト液3に対する浸漬
遅れ側に位置する熱容量減少部)が形成されている。
【0032】次に上述の熱処理装置を用いて、環状の凹
溝40を有するインターナルギヤ34を浸炭焼入れする
熱処理方法について説明する。複数のインターナルギヤ
34がセットされた上下多段構造の治具26を図2に示
すようにトレイ23に上載し、このトレイ23および治
具26に上載されたインターナルギヤ34(ユニット3
5参照)をまず浸炭炉に入れ、浸炭炉を通過したインタ
ーナルギヤ34を図1に示すようにユニット35として
エレベータ16のレール24に上載する。
【0033】次に油圧シリンダ17のピストンロッド1
8を突出し、チェーン15を介してエレベータ16を下
降すると、図4に示すようにエレベータ16に搭載され
たユニット35はワーク出入口19を介してソルト浴槽
2のソルト液3に浸漬され、複数のインターナルギヤ3
4は同時に浸炭焼入れされる。
【0034】所定時間の経過後に、上述の油圧シリンダ
17を操作してそのピストンロッド18を収縮動させる
と、チェーン15を介してエレベータ16およびユニッ
ト35は図4に示す液中から図1に示すようにソルト浴
槽2上方へ引上げられる。ここで、上述の浸炭焼入時に
おいて、インターナルギヤ34には環状の凹溝40が形
成されているので、この凹溝40によりインターナルギ
ヤ34の質量差が緩和されて、変態応力および収縮量の
均一化を図ると共に、冷却速度のばらつきを緩和するこ
とができるので、浸炭焼入後におけるインターナルギヤ
34の熱処理歪みの発生(特にリードテーパの変形発
生)を良好に防止することができる。
【0035】このように上記実施例の歯車部品の熱処理
方法によれば、歯車部品(インターナルギヤ34参照)
の質量が大きい側には変態応力のバランスをとる質量減
少部(凹溝40参照)が形成され、この質量減少部(凹
溝40参照)を備えた歯車部品(インターナルギヤ34
参照)が焼入槽(ソルト浴槽2参照)に浸漬(液浸)さ
れて焼入処理が施される。この結果、上述の質量減少部
(凹溝40参照)により歯車部品(インターナルギヤ3
4参照)の質量差が緩和されて、焼入時の変態応力およ
び収縮量が均一化されるので、熱処理歪みの発生を防止
することができて、歯車の形状精度が確保されると共
に、ギヤノイズの発生を防止することができる効果があ
る。加えて、従来方法の如きシェービング加工が不要と
なるので、歯車部品(インターナルギヤ34参照)の低
コスト化を達成することができる効果がある。
【0036】また、歯車部品(インターナルギヤ34参
照)の焼入槽(ソルト浴槽2参照)に対する浸漬遅れ側
には冷却速度のばらつきを緩和する熱容量減少部(凹溝
40参照)が形成され、この熱容量減少部(凹溝40参
照)を備えた歯車部品(インターナルギヤ34参照)が
焼入槽(ソルト浴槽2参照)に浸漬(液浸)されて焼入
処理が施される。
【0037】このため、上述の熱容量減少部(凹溝40
参照)により歯車部品(インターナルギヤ34参照)の
焼入時の冷却速度が均一化され、熱処理歪みの発生を防
止することができて、歯車の形状精度が確保されると共
に、ギヤノイズの発生を防止することができる効果があ
り、併せて、従来方法の如きシェービング加工が不要と
なるので、歯車部品(インターナルギヤ34参照)の低
コスト化を達成することができる効果がある。
【0038】さらに、上述の質量減少部または熱容量減
少部を、歯車部品(インターナルギヤ34参照)の歯部
37の裏側に設けられたリング状の溝部(凹溝40参
照)で構成したので、該減少部の加工容易化を達成する
ことができる効果がある。
【0039】一方、上記実施例の歯車部品によれば、上
述の歯車部品本体(歯車本体39参照)の質量が大きい
側には変態応力のバランスをとる質量減少部(凹溝40
参照)が形成されているので、焼入槽(ソルト浴槽2参
照)に浸漬して焼入処理する際の変態応力および収納量
が均一化され、熱処理歪みのない歯車部品(インターナ
ルギヤ34参照)となる。このため、歯車の形状精度が
確保されると共に、ギヤノイズの発生を抑止することが
できる効果がある。
【0040】また、上述の歯車部品本体(歯車本体39
参照)の浸漬遅れ側には冷却速度のばらつきを緩和する
熱容量減少部(凹溝40参照)が形成されているので、
焼入槽(ソルト浴槽2参照)に浸漬して焼入処理する際
の冷却速度が均一化され、熱処理歪みのない歯車部品
(インターナルギヤ34参照)となる。このため、歯車
の形状精度が確保されると共に、ギヤノイズの発生を抑
止することができる効果がある。
【0041】図6は歯車部品の熱処理方法およびその部
品の他の実施例を示し、上述の段部38を浸漬遅れ側に
位置させ、反段部を浸漬進み側に位置させた状態にてソ
ルト焼入れを実行する場合には、冷却速度のばらつき緩
和を考慮してインターナルギヤ34の質量が大きい側
(図示下側)にリング状の凹溝41を形成する。但し、
この場合は図5で示した凹溝40に対してその溝断面を
やや小さく設定する。
【0042】このように構成しても、先の実施例と略同
様の作用、効果を奏するので、図6において図5と同一
の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略す
るが、前述の質量減少部、熱容量減少部はリング状の溝
部(凹溝40,41参照)に限定されるものではなく、
インターナルギヤ34のリング部36をテーパ状に切削
して質量減少部または熱容量減少部と成してもよい。
【0043】この発明の構成と、上述の実施例との対応
において、この発明の歯車部品は、実施例のインターナ
ルギヤ34に対応し、以下同様に、焼入槽は、ソルト浴
槽2に対応し、焼入処理は、浸炭焼入処理に対応し、質
量減少部は、凹溝40,41に対応し、熱容量減少部
は、凹溝40に対応し、リング状の溝部は、凹溝40,
41に対応し、歯車部品本体は、歯車本体39に対応す
るも、この発明は、上述の実施例の構成のみに限定され
るものではない。
【0044】例えば上述のインターナルギヤ34は自動
変速機のフロントインターナルギヤ、リヤインターナル
ギヤとして用いることができるが、本発明の歯車部品は
このような内歯歯車に限定されるものではなく、外歯歯
車等の他の歯車部品であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の歯車部品の熱処理方法に用いる熱処
理装置の断面図。
【図2】 歯車部品を支持する治具の断面図。
【図3】 治具の平面図。
【図4】 歯車部品の焼入槽に対する浸漬状態を示す断
面図。
【図5】 本発明の歯車部品の熱処理方法およびその部
品を示す断面図。
【図6】 本発明の他の実施例を示す断面図。
【図7】 従来の歯車部品の熱処理方法およびその部品
を示す断面図。
【図8】 従来の歯車部品の熱処理歪み発生を示す断面
図。
【図9】 従来の歯車部品の浸炭焼入状態を示す断面
図。
【図10】 従来の歯車部品のシェービング加工後の状
態を示す断面図。
【符号の説明】
2…ソルト浴槽(焼入槽) 34…インターナルギヤ(歯車部品) 37…歯部 39…歯車本体(歯車部品本体) 40,41…凹溝(質量減少部、熱容量減少部)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】歯車部品を焼入槽に浸漬して焼入処理する
    歯車部品の熱処理方法であって、上記歯車部品の質量が
    大きい側に変態応力のバランスをとる質量減少部を形成
    し、この質量減少部を有する歯車部品を焼入槽に浸漬し
    て焼入をする歯車部品の熱処理方法。
  2. 【請求項2】歯車部品を焼入槽に浸漬して焼入処理する
    歯車部品の熱処理方法であって、上記歯車部品の浸漬遅
    れ側に熱容量減少部を形成し、この熱容量減少部を有す
    る歯車部品を焼入槽に浸漬して焼入れをする歯車部品の
    熱処理方法。
  3. 【請求項3】上記質量減少部または熱容量減少部が、歯
    車部品の歯部の裏側に設けられたリング状の溝部で構成
    された請求項1または2記載の歯車部品の熱処理方法。
  4. 【請求項4】焼入槽に浸漬して焼入処理される歯車部品
    であって、歯車部品本体の質量が大きい側に変態応力の
    バランスをとる質量減少部が形成された歯車部品。
  5. 【請求項5】焼入槽に浸漬して焼入処理される歯車部品
    であって、歯車部品本体の浸漬遅れ側に熱容量減少部が
    形成された歯車部品。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103937940A (zh) * 2014-05-09 2014-07-23 上海汽车变速器有限公司 用于主减速从动齿轮的压力淬火模具
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