JPH11158520A - 粉状廃棄物を処理する竪型炉操業方法 - Google Patents

粉状廃棄物を処理する竪型炉操業方法

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JPH11158520A
JPH11158520A JP33825397A JP33825397A JPH11158520A JP H11158520 A JPH11158520 A JP H11158520A JP 33825397 A JP33825397 A JP 33825397A JP 33825397 A JP33825397 A JP 33825397A JP H11158520 A JPH11158520 A JP H11158520A
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保彦 藤原
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恭一 荒木
Yasuhiro Fukazawa
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コークス比が高く、炉頂ガス温度も高いこと
から、エネルギー的に問題があった。 【目的】 細粒の固体燃料を使用した低燃料比操業にお
いて、粉状鉄源や含Cダスト粉を処理する。 【解決手段】 炉体7の側壁高さ方向に多段羽口9a,
9bを有する竪型炉1の炉上部から鉄源と固体燃料とを
炉内に装入し、羽口9から常温または600℃以下の酸
素含有ガスを送風して還元・溶解する操業方法であっ
て、上段羽口9bのみにレースウェイ部10を形成させ
て、上段羽口9bから粉状鉄源および/または含Cダス
ト粉を吹き込んで処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄を含有するダス
トおよび/または鉄屑類および/または還元鉄等を鉄源
とし、固体燃料の性状によらず、熱効率よく、低燃料比
で粉状廃棄物を処理しながら銑鉄を連続的に溶製可能と
する竪型炉操業方法に関する。
【0002】
【従来の技術】未還元鉱石から銑鉄を製造する方法は、
これまでに種々開発されてきたが、今日でも高炉法がそ
の代表的な方法となっている。この高炉法の場合、炉頂
から装入された原料は、降下していく間に、上方に向か
って流れる高温ガスによって十分に予熱され、還元性雰
囲気に保たれている炉内で、COガスによる60%以上
の還元率まで間接還元される。
【0003】しかし、高炉とその付帯設備は、老朽化す
ると、それらの修復や再建に莫大な費用がかかる。ま
た、高炉法では、未還元鉱石の還元を行うために、羽口
前でのコークスを燃焼させる。これは、原材料を昇熱、
溶解するための熱源を供給するだけでなく、ηCO=0、
すなわちCO還元ガスの生成が主目的である。しかしな
がら、還元鉄や鉄屑、あるいは自己還元性鉱塊等を使用
する場合には、羽口部で還元ガスを生成させる必要性が
殆どなくなり、羽口前で得られるコークスの燃焼熱は、
原燃料の昇熱や溶解のために活用することが効率的とさ
れている。
【0004】一方、高炉法に代わる還元溶解炉として、
特表平1−50140号公報に、2次羽口(下から2段
目の羽口)を有する高炉と、高炉の直径より大きな直径
を備え、1次羽口(下から1段目の羽口)を有する炉床
とからなる銑鉄製造装置が開示されている。この装置で
は炉頂部から燃料は添加せずに鉱石類のみを装入し、燃
料は高炉と炉床の結合部に設けられた装入口、すなわち
1次羽口の上方から燃料ベッド上に直接添加する構造と
なっている。この装置において主原料となる自己還元性
鉱塊は、炉床部でベッドコークスと接触反応し、吸熱反
応である溶融還元を生じる。従って、2次羽口における
燃焼によって生じる下記(2)式の反応熱を装入した鉱
石類の予熱、加熱、溶解に利用することになる。 CO+(1/2)O2 =CO2 +67590kcal/kmoltCO・・・(2)
【0005】しかしながら、本発明者らが、その内容に
ついて詳細な解析と十分な検討を行った結果、炉床径≧
1mの大型炉を用いて、長時間の連続操業を行った場
合、時間の経過とともにベッドコークスが溶銑に対する
浸炭によって消費され、ついには消失して、連続操業が
不可能になることが判明した。しかし、炉床径<1mの
小型炉では、高炉と炉床の結合部から燃料を別装入する
とその燃料が燃焼して熱源となるだけでなく、ベッドコ
ークス層を形成する可能性があり、連続操業の可能性を
ある程度見込めることが実験により明らかになった。こ
れは、炉床径の大きな炉では、高炉上部から装入される
鉱石類により炉壁に向かう応力が発生するため、別装入
する燃料が内部へ移動してベッドコークスを補填するこ
とは力学上不可能であることによる。このことは炉床径
をパラメーターとする数多くの実験から確認した。
【0006】また、ηCO>30%の酸化度の高いガス組
成でかつ温度が1000℃以上の環境下で予備還元率の
低い鉱石類を使用する場合には、Fe−C−O平衡状態
図からも明らかなように、FeOまでの還元で反応が停
滞し、FeOからFeへの還元は溶融還元で行われるた
め、ベッドコークスの消費量は、浸炭による消費に加え
て更に増加する。ところが炉床径の大きな炉の場合に
は、ベッドコークスの補給が行われないため、ベッドコ
ークスが消失すると、もはや溶融還元は起こらない。そ
のかわり、融液が炉床と高炉の結合部の肩のところにあ
る隙間部に充満するため、ガスの通気不良を招来し、溶
解不能に至って、操業不能に陥る。
【0007】一方、特表平1−501401号公報に
は、高炉と炉床の結合部から装入する燃料の別装入口と
1次羽口部の位置が具体的に明記されていないが、該公
報の図2から判断すると、隣合う別装入口の中心角の真
ん中の方向に1次羽口が設置されている。小型炉の場
合、1次羽口部でコークスが燃焼して消費されると、炉
中心から炉周辺部にわたっての原燃料がスムーズに降下
するため、燃料の別装入口と1次羽口の相対位置関係に
ついて、特にこだわる必要はないと思われる。しかし、
大型炉については、本発明者らが試験操業を行ったとこ
ろ、隣り合う別装入口の中心角の真ん中の方向に1次羽
口が設置されている場合には、別装入された燃料がスム
ーズには降下せず、降下不能となるケースも数多くあっ
た。これは1次羽口部で燃焼したコークスに代わり、炉
上部から降下してきた鉱石類が置きかわったためであ
り、この場合には送風によって鉱石を冷却することとな
って、鉱石は溶融できずに操業不能に至った。
【0008】さて、都市ゴミあるいは産業廃棄物の処理
に関しては、コークスベッド式ゴミ溶融炉がある。この
場合には、文献[志垣政信:廃棄物の燃焼技術、p50
(1995)オーム社]によれば、燃料コークスとし
て、100〜150mmの大径コークスが必要である。
都市ゴミや産業廃棄物は、大径コークス及び石灰石とと
もにゴミ溶融炉の炉頂部から装入され、乾燥及び乾留工
程を経る過程で、乾留残渣、タール、乾留ガス、及び水
蒸気に分解し、そのうちタール、乾留ガス、及び水蒸気
は炉頂部から排出される。これら炉頂部から排出された
タール、ガス、水蒸気、及びダストはその後の燃焼室で
完全燃焼するようになっている。
【0009】しかし、鋳物用大径コークスは高価である
ことから、燃料費削減のために、小粒度のコークスを使
用しようとすると、ソルーションロス反応速度が大きく
なる。 その結果、コークスの燃焼効率が低下し、ガス
発生量が多くなるとともに、廃棄物残渣の溶融に向けら
れる熱量が減少して、安定した操業は困難になる。ま
た、炉頂部から排出されたタール、ガス、及びダストは
全て燃焼室に導かれ、ここで完全燃焼させるようになっ
ているが、資源化リサイクル、すなわち有用物の回収と
いう点からすると、完全燃焼させることでその排熱を回
収できるだけであり、炉頂部から排出されるタール、ガ
ス、及びダストを燃料として利用してはいない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、粉状廃棄物
を処理する炉として、川崎製鉄株式会社のSTAR炉が
知られている。このSTAR炉は、コークス充填炉であ
り、炉体の側壁高さ方向に2段の羽口を有し、両羽口と
もにレースウェイ部を形成するように構成されており、
上段の羽口から粉状ダストを吹き込み、下段の羽口の燃
焼熱で溶解するような操業を行っている。しかし、コー
クス比が1200〜1500kg/t と高く、炉頂ガス温
度も1000℃以上と高いことから、エネルギー的には
問題があり、特殊な操業の一つと考えられている。ま
た、このコークス充填炉の操業では、還元の必要な酸化
した粉状鉄源や含Cダスト粉の処理については考慮され
ていなかった。
【0011】本発明は、上記課題に鑑み、細粒の固体燃
料を使用した低燃料比操業においてエネルギー的に好適
な状態で粉状鉄源や含Cダスト粉を処理することができ
る粉状廃棄物を処理する竪型炉操業方法を提供すること
を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
本発明に係る粉状廃棄物を処理する竪型炉操業方法は、
炉体の側壁高さ方向に多段羽口を有する竪型炉の炉上部
から鉄源と固体燃料とを炉内に装入し、羽口から常温ま
たは600℃以下の酸素含有ガスを送風して還元・溶解
する操業方法において、最下段を除く上段の羽口のみに
レースウェイ部を形成させ、粉状鉄源および/または含
Cダスト粉を吹き込んで処理するようにしたものであ
る。
【0013】また、前記竪型炉において、炉周辺部に金
属化率が低い鉄源と細粒の固体燃料とを混合して装入す
るとともに、炉中心部に金属化率の高い鉄源を装入する
ものである。
【0014】さらに、前記竪型炉の最下段の羽口の突き
出し位置を調整して燃焼効率を制御するようにしたもの
である。
【0015】本発明は、低燃料比操業というエネルギー
的に好適な状態で、粉状鉄源や含Cダスト粉を処理する
プロセスを開発したものである。すなわち、炉体の側壁
高さ方向に多段羽口を有する竪型炉において、上段の羽
口のみにレースウェイ部を形成させて、この上段羽口か
ら細粒の固体燃料内に粉状鉄源および/または含Cダス
ト粉を吹き込むことを容易にしている。特に、含Cダス
ト粉の吹き込みでは、低燃料比操業が助長される。さら
に、含Cダスト粉の処理だけでなく、粉状鉄源の溶融処
理をも併用することにより、炉頂温度を200℃以下に
抑えて、効率の良い操業が可能となる。一方、下段の羽
口は、低燃料比での操業を指向するため、レースウェイ
部を形成させずに燃焼率を高くして、高ηCO条件とす
る。また、竪型炉の半径方向において、原料および燃料
の区分け装入を実施し、炉周辺部に積極的に細粒の固体
燃料を使用することにより、炉中心部のガス流化を促進
して、高ηCO条件を継続するものである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態を
添付図面に基づき詳細に説明する。まず、本発明の操業
方法に用いる竪型炉について説明する。図1(a)〜
(c)は、本発明の操業方法に用いる竪型炉の一例を示
す説明図であり、図1(b)と図1(c)は、図1
(a)の上部装入装置を示したものである。図示するよ
うに、この竪型炉1の炉頂には装入装置2が設けられて
おり、装入装置2は、バケット3、ベル4、可動アーマ
ー5および装入ガイド6を有しており、原料および固体
燃料を半径方向に区分けして装入することが可能な装置
として構成されている。
【0017】竪型炉1の炉体7の上部には、炉内の向流
ガスを排気するための排ガス管8が設けられており、下
部には炉内下部に送風するための羽口9が設けられてい
る。羽口9は、炉体7の側壁高さ方向に多段に設けられ
ており、本実施形態では、1次送風を行う下段羽口(1
次羽口)9aと、2次送風を行う上段羽口(2次羽口)
9bとの2段羽口として形成されている。また、これら
の羽口9a,9bは、炉体7の周方向に適宜間隔で複数
配置されている。送風条件は常温送風または600℃以
下の熱風送風であり、1次羽口9aはレースウェイ部を
形成しないような羽口径(例えば、40〜60mmφ)
に設定されているが、2次羽口9bはレースウェイ部1
0を形成するような羽口径(例えば、約20mmφ)に
設定されている。また、1次羽口9aは、装入原料によ
って炉内突き出し位置を変更しうるように構成されてい
る。なお、本実施形態では、炉体7の側壁高さ方向に設
けられた多段羽口9が、1次送風を行う1次羽口9a
と、2次送風を行う2次羽口9bとの2段羽口として形
成されているが、最下段を除く上段の羽口のみにレース
ウェイ部10が形成されれば、3段以上の羽口を設けて
もよい。3段以上の場合には、中段に位置する羽口にレ
ースウェイ部を形成することが好ましい。この場合、上
段(中段)の羽口はレースウェイ部を形成させて細粒コ
ークス内に粉状廃棄物を吹き込むための補助的なもので
あり、主な送風は最下段や、これより上段の羽口で行っ
て燃焼効率を維持するものである。
【0018】また、原料および固体燃料は、炉中心部1
1と炉周辺部12とに区分して装入可能であり、上述し
たように、炉頂部には半径方向に区分け装入が可能な装
入装置2を有している(図1(b)、(c))。なお、
炉内下部に形成されるコークスベッド13は、操業条件
に応じて高さ調整して形成される。
【0019】次に、上記の竪型炉1を用いて実施する本
発明の粉状廃棄物を処理する竪型炉操業方法を説明す
る。炉頂から装入する原料は、鉄屑、銑鉄(型銑)、鋳
物屑(戻り屑)、HBI(ホットブリケット還元鉄)、
DRI(直接還元鉄)等の金属化率の高い鉄源と、ダス
ト塊成鉱、自己還元性鉱塊(含C塊成鉱)、還元鉄のよ
うな金属化率の低い鉄源を主体とし、燃料は、コークス
や無煙炭等の固体燃料を主体とする。装入方法は、コー
クスベッド層を形成するためにコークスを装入した後、
原燃料を完全混合または層状装入する通常の装入方法
と、原燃料を半径方向で区分け装入する新装入方法を採
用した。新装入方法は、装入原料の各金属化率を加重平
均した平均金属化率(平均M.Fe/T.Fe )で場合分けし、
平均金属化率(平均M.Fe/T.Fe )の高い原料を中心側
に、平均金属化率(平均M.Fe/T.Fe )の低い原料を細粒
コークスと混合して周辺側に装入することで、反応効率
の高い操業を指向する。具体的には、図2に示すよう
に、炉中心部に鉄屑類のような金属化率の高い鉄源を溶
解のみを目的として装入し、炉周辺部にダスト類のよう
な金属化率の低い鉄源と細粒の固体燃料(細粒コーク
ス)を装入する。このように竪型炉の半径方向におい
て、原料および燃料の区分け装入を実施し、炉周辺部に
積極的に細粒コークスを使用することにより、炉中心部
のガス流化を促進して、高ηCO条件を継続することがで
きる。
【0020】竪型炉の操業は、コークスベッド高さ、ス
トックレベル位置の調節と原燃料品種に応じた装入区分
け法、1次羽口突き出し位置等で制御する。コークスベ
ッドの最適高さは、鉄源の溶解が主か、鉄源の還元が主
かによって異なり、目標ηCOに対応する位置にコークス
ベッド上端位置を設定する。なお、コークスベッド内で
は、コークスの燃焼反応と、燃焼後のソルーションロス
反応が進行するが、両反応の反応速度を、固体燃料粒
度、ガス流速、送風温度により調整する。また、ストッ
クレベル位置については、原燃料の昇温速度と関係し、
特に、固体燃料のソルーションロス反応速度に影響する
ため、反応効率を低下させないための制御手段として使
用する。
【0021】特に、本発明の操業方法は、2次羽口9b
のみに衝風してレースウェイ部10を形成させる。この
2次羽口9bにレースウェイ部10を形成するのは、炉
周辺部に空間部を形成して、この細粒コークス内に他の
設備から発生した粉状鉄源や含Cダスト粉を吹き込んで
処理するためである。すなわち、2次羽口9bの羽口径
がレースウェイ部10を形成するように絞り込まれてお
り、この2次羽口9bのみにレースウェイ部10を形成
することにより、細粒コークス内に粉状鉄源および/ま
たは含Cダスト粉を吹き込むことを容易にしている。特
に、含Cダスト粉は酸化しているので、還元を促進する
条件として細粒コークス内に吹き込むことが好ましい。
また、含Cダスト粉の処理だけでなく、粉状鉄源の溶融
処理に加え、炉中心部に鉄屑類のような金属化率の高い
鉄源の溶融処理を併用することにより、炉頂温度を20
0℃以下に抑えることができ、エネルギー的に好適な状
態で効率の良い操業を行うことができるものである。一
方、1次羽口9aは、低燃料比での操業を指向するた
め、レースウェイ部を形成させずにメイン送風を行い、
燃焼率を高くして、高ηCO条件とする。
【0022】上述した半径方向の区分け装入について
は、金属化率の高い部分と金属化率の低い部分を区分け
して、前者については溶解重視の操業を指向し、1次燃
焼率ηCOの上限を狙い、後者については還元重視で、原
料の平均金属化率や含C量に応じて、還元に必要な1次
燃焼率を制御することにより、全体として最も効率の良
い操業を指向することができる。金属化率の高い溶解重
視部分は、1次羽口9aを有効利用し、1次送風により
1次燃焼率の上限を狙う。半径方向区分け装入で、溶解
重視部分を中心側に設定する場合、1次羽口9aの突き
出し位置は、炉の中心と周辺の境界位置に設定すると最
も効果がある。
【0023】つぎに、1次燃料率ηCOを制御する方法を
説明する。本発明のηCO制御法の一例は下記の通りであ
る。本発明の炉内ηCOの制御フローの概要について説明
する。本発明の制御は次の〜のようにまとめられ
る。
【0024】竪型炉への装入鉄源の成分および配合量
(使用量)から、平均金属化率(平均M.Fe/T.Fe )を求
める。より効率の良い操業を指向する場合に、半径方向
区分け装入を実施するが、この装入法を適用する場合、
中心部、周辺部に装入する鉄源に対し、それぞれ平均金
属化率を求める。
【0025】この装入鉄源の平均金属化率(平均M.Fe
/T.Fe )と、鉄源中の含C量とから下記(1)式(図3
参照)をもとに、操業に適したηCOレベル範囲を特定す
る。半径方向区分け装入法を適用する場合、中心部、周
辺部それぞれに適正ηCOを特定する。 1.5×C%≦ηCO−0.7×(平均M.Fe/T.Fe )≦3.0×C% ・・・(1) 但し、 C : 鉄源中に含まれるC%であって、0%≦C%≦
20% ηCO : ガス利用率(%) (平均M.Fe/T.Fe) : 平均金属化率(%) 金属化率 : 鉄源中の金属鉄(M.Fe)/鉄源中のトー
タル鉄(T.Fe) 平均金属化率 : 数種の鉄源を加重平均した金属化率
【0026】溶解炉の操業条件(出銑量の目安)によ
り、炉内平均ガス流速(Nm/s)が決まるため、使用
する固体燃料粒度により、図4のデータから1次羽口か
らのコークスベッド高さを設定する。
【0027】ストックレベルについては、下記(3)
式(図5参照)をもとに、目標ηCOに対応したストック
レベル(1次羽口からの装入面高さ)H(m)を特定
し、設定する。(3)式は、最小自乗法による近似線
で、鉄源種類、金属化率によって、多少異なると思われ
るが、目標ηCOをもとに、ストックレベルH(m)を設
定する。 H=−0.02775ηCO+4.775 ・・・(3) 半径区分け装入法を採用する場合、中心部、周辺部にそ
れぞれ別々に、ストックレベルを設定するのが好まし
い。
【0028】燃料比については、炉の特性である炉体
放散熱(kcal/h)と、目標出銑量(t/d)なら
びに鉄源種類、品質等を含む操業条件に加え、上記に示
す目標ηCOが決まれば、熱・物質バランスから燃料比
(kg/t)レベルが求まることから、最終的には、1
次送風量の微調整、ストックレベルの微調整を実施し
て、目標ηCOレベルを維持するようにして操業する。半
径区分け装入法を採用する場合、中心部、周辺部それぞ
れ別々に、燃料比を設定して装入する。
【0029】つぎに、鉄源と固体燃料からなる装入物の
縦型炉内の装入高さ(ストックレベル)を変更すること
が、ηCO制御に有効なことを説明する。ストックレベル
については、例えば、大径の鋳物用コークスを使用し、
鉄屑、鋳物屑を溶解処理するキュポラ操業では、通常、
下段羽口からストックレベルまでの高さ(H)/炉径
(D)=4〜5に設定されているが、高炉用コークスな
どの細粒コークスを使用し、かつダスト還元などの還元
機能を必要とする竪型炉に関しては、ストックレベルに
関する検討結果が見当たらない。そこで、鉄屑多量使用
条件下で、ストックレベル変更試験を実施し、排ガスη
COとの関係を図5に整理した。
【0030】炉床径D=1.4mの竪型炉を用いた試験
結果によると、H/D=2.0と小さく設定すること
で、排ガスηCO>70%と高く維持できること、ストッ
クレベルを上昇させることで、排ガスηCOを低下させる
ことが可能なことが判明した。これは、ストックレベル
を高くすると、ガスから原燃料への伝熱が良好となり、
固体燃料の予熱、昇温がより上部から進行する結果、下
記(4)式のソルーションロス反応領域が炉上部に拡が
るためで、この結果、Cの消費量が多くなり、ηCOが低
下することを示唆している。 C+CO2 =2CO ・・・(4) このように、ストックレベルの変更は、炉内の原燃料の
昇温速度を制御する役割があり、排ガスηCOの制御手段
となる。
【0031】つぎに、竪型炉内下部のコークスベッド高
さを変更すること、さらには、送風量、羽口径、羽口突
き出し位置の変更が、ηCO制御に有効なことを説明す
る。図4は、コークス粒度および送風量(ガス流速)を
変化させて、羽口からのコークスベッド高さと、その部
位のηCOの推移を調査したオフラインシミュレータによ
る実験結果である。図4によると、羽口から送風された
空気中の酸素並びに富化酸素は、下記(5)式の反応
で、コークスと燃焼してCO2 を生成し、O2が消失し
た部位で完全燃焼に至る。この部位が、最もガス温度が
高く、これより上部では、吸熱反応である(4)式のソ
ルーション反応が進行して、ηCOが低下し、ガス温度も
低下する。 C+O2 →CO2 ・・・(5) コークス粒度が小さくなると、(5)式の燃焼速度が速
くなるため、最高ガス温度(O2 =0%でηCO=100
%)の部位は、羽口に近くなる。また、送風量を増量
し、ガス流速を上げた場合、羽口から吹き込まれた酸素
の炉内流速が上昇し、羽口近傍のCとの接触時間が短く
なるため、(5)式の燃焼反応は炉上部に拡がる。その
ため、同じコークス粒度で、流速を上げると、図5に見
られるように、炉内におけるηCOは流速の低い場合に比
べて、全体的に高くなる。1次羽口を炉内に突き出すこ
と、あるいは羽口径を絞り、羽口風速を上げることは、
送風酸素とCとの接触時間を短縮することに相当し、炉
内流速を上げるのと同様の効果がある。このように、竪
型炉内下部のコークスベッド高さを変更すること、さら
には、送風量、羽口径、羽口突き出し位置を変更するこ
とは、炉内ηCO制御に有効な手段となる。
【0032】つぎに、半径方向の区分け装入法を採用し
た鉄源の還元溶解法が、操業の安定性、低燃料比操業に
有効で、鉄源の種類、粒度によらず、効率の良い操業が
指向できること、また、鉄源、固体燃料の性状に応じ
て、効率の良い操業を指向するための操業方法につい
て、説明する。半径方向の区分け装入法については、鉄
源の種類によって、適正な装入法がある。一つは、炉内
のηCOを高くして、効率の良い操業を指向する例で、鉄
源のM.Fe/T.Fe による分別法であり、一方は鉄源の粒度
に応じた分別法である。
【0033】まず、最初に、鉄源の金属化率(M.Fe/T.F
e)による分別法が、操業安定化に寄与し、効率の良い
操業が指向できることを説明する。還元溶解に使用する
鉄源が、数種類に及び、M.Fe/T.Feの大小で分別できる
場合、好ましくは、金属化率の高い鉄源、例えば銑鉄
(型銑)、鉄屑、鋳物屑、HBI、DRI等は炉中心部
に装入し、金属化率の低い鉄源、例えばダスト塊成鉱、
自己還元性鉱塊、一部酸化した還元鉄、ペレット類等を
炉周辺部に装入する。これは、炉中心部は溶解機能、炉
周辺部は還元機能を持たせる装入方法であり、炉周辺部
に金属化率の低い鉄源を装入し、炉中心部に金属化率の
高い鉄源を装入する理由は、炉中心部のコークスベッド
の高さ制御を容易にすること、中心ガス流を確保するこ
と、低燃料比操業を指向することにある。
【0034】この操業を指向する場合、1次羽口は、羽
口先端が炉壁よりも炉内部に突き出した構造とし、基本
的には、1次羽口の先端位置を、炉中心部と炉周辺部の
境界に設けるのが理想的である。また、ガス流を中心流
とし、炉周辺部に装入する鉄源の還元機能を重視する
と、周辺部の固体燃料は細粒が好ましく、中心部の固体
燃料は大粒が好ましい。1次羽口を炉の中心部と周辺部
の境界に設定する理由は、1次送風を2次羽口の下の周
辺部に存在する固体燃料の燃焼に使用させないためで、
2次羽口部直下の周辺部ηCOを高くして、含Cダスト
粉、紛状鉄源の溶解用に作用させるためである。炉中心
部は溶解機能を主体とするため、コークスベッド高さを
制御して、炉中心部のηCO>90%の操業を指向すれば
最も効率的である。また、3段以上の羽口を有する炉で
は炉内に突出した3次羽口による送風で(2)式のCO
ガス燃焼を行うことにより、より容易に炉中心部ηCO>
90%の操業を達成できる。この操業を指向することに
より、炉中心部の固体燃料は最低燃料比である浸炭分程
度とすることができる。そのため、急激なコークスベッ
ド高さの変化を抑制できる上、粒径を維持したコークス
がコークスベッドとなるため、通気・通液性を確保した
低燃料比操業が可能となる。
【0035】つぎに、金属化率の低い鉄源を炉周辺部に
装入する場合に固体燃料と混合する装入法が効率的であ
ることを説明する。ηCOの高い操業を指向できれば、低
燃料比の操業が可能となるが、還元機能を必要とする金
属化率の低い鉄源をηCO>30%の条件で還元させる実
験を実施したところ、コークスと混合しない条件では、
鉄源中のウスタイトから鉄への還元反応は進行せず、高
温部で操業に悪影響を及ぼす溶融還元を引き起こす。そ
れに対し、金属化率の低い鉄源でも、コークスと混合し
て装入すると、コークスと混合しない場合に比べ、少な
くとも20%以上の還元率改善効果があることが、オフ
ラインシミュレータの検討結果で明かとなった。このこ
とは、金属化率の低い鉄源を装入する操業では、固体燃
料(細粒コークス)と混合する装入法が、固体燃料(細
粒コークス)と混合しない操業に比べると、鉄源の還元
性改善に効果があり、その結果、溶融時のスラグ融液量
を低減することができ、棚吊り回避にも寄与する。
【0036】炉周辺部に装入する金属化率の低い鉄源の
還元を促進し、溶融前の鉄源の還元率を高くする方法と
して、鉄を含有するダスト中にCを内装すること、内装
C量を多くすることが有効である。内装C量の上限は、
強度制約上20%程度である。図3は、鉄源の平均金属
化率と鉄源の還元・溶解が支障なく行えるηCOレベルを
検討した一例であり、鉄を含有するダストに内装するC
量によって多少ηCOレベルは異なるが、装入鉄源の金属
化率から、操業可能なηCOレベルを判定できる。固体燃
料としては、一般的に、コークスを使用するが、無煙炭
のような炭材なども使用できる。
【0037】つぎに、竪型炉の半径方向に装入する原燃
料の装入部位に応じて、ストックラインを変更すること
が有効なことについて説明する。例えば、還元が必要で
ない鉄屑、銑鉄、鋳物屑等を炉中心部に装入する場合に
おいては、ηCOは極力高い方が望ましく、ηCO>70%
以上を目標とすると、ストックレベルは(1次羽口から
の装入高さH)/(炉床径D)<2.0が適当である。
また、還元が必要なダスト塊成鉱、自己還元性鉱塊、還
元鉄を還元・溶解する場合、ηCOを低下させることが必
要で、この場合、例えばηCO=50%を目標とすると、
ストックレベルは、H/D=約2.4に設定すればよ
い。このように、装入する鉄源の種類に応じて、半径方
向でストックレベルの適正値が存在する。半径方向で、
ストックレベルを制御する方法としては、専用の装入装
置が必要である。例えば、図1に示す装入装置が挙げら
れる。これは、炉頂半径方向において、装入物の装入位
置を、炉中心部と炉周辺部に区分できるもので、この装
置に装入ガイドを設け、装入ガイド内で、各装入物のス
トックレベルを管理する方法である。これにより、還元
の必要のない鉄源の装入部位では、コークスベッドより
上の部位でのコークスのソルーションロス反応を抑制で
きることになり、より効率の良い操業が可能となる。
【0038】つぎに、コークスベッド高さを維持するた
めの制御方法について述べる。コークスベッド高さの制
御が難しいのは、これが炉の中心下部にあり、コークス
比が適当でなければ、未還元のFeO分が炉下部で溶融
還元し、コークスベッドを消費することによって、コー
クスベッドの異常消耗が引き起こされるためである。特
に、炉の中心下部で、このようなコークスの異常消耗が
生じると、鉄源の溶解に支障となる上、スラグの固化等
により、操業不能に陥る可能性もあり、問題となる。そ
こで、前記したように、炉中心部には、主として金属化
率の高い鉄源、すなわち型銑、鉄屑、鋳物屑類を装入す
ることにより、炉中心部で溶融還元の生じ難い操業と
し、炉中心部のコークスベッドの異常消耗を抑制する。
また、コークスのソルーションロス反応を極力抑制する
ために、炉中心部に装入する固体燃料を、炉周辺部に装
入する固体燃料と区別し、大径コークスを使用する。こ
れによって、炉中心部のコークスベッドの異常損耗を抑
制でき、さらに、炉下部の燃焼効率ηCOを高めた操業が
可能となる。
【0039】上段羽口の設置位置は、コークス粒度、送
風量等の操業諸元によって、適正位置が存在するが、基
本的には、1次羽口部でのηCOレベルが、65%<ηCO
<90数%程度が目安となる。また、コークスベッド上
端位置は、装入する鉄源の種類によって異なり、還元機
能の不必要な鉄源の装入部位については、1次羽口より
下の位置に制御して、極力コークス燃焼を抑制するのが
好ましい。一方、還元機能が必要な鉄源の装入部位で
は、コークスベッド上端位置は、1次羽口より上部とす
ることが好ましい。これは、鉄源のM.Fe/T.Fe の割合に
より、コークスベッド上端位置でのηCOをコントロール
することが必要なためである。コークスベッド高さを制
御または監視する簡易法として、1次羽口部での肉眼観
察、炉内圧損値による判定などがある。1次羽口部での
観察は、少なくとも、鉄源の溶融部位が、2次羽口上部
か下部のいずれかに存在することを判定できる。 ま
た、コークスベッド高さを、精度良く測定する方法とし
ては、炉上部から装入した垂直ゾンデもしくは鉄線類の
降下挙動を測定することによって、判定可能である。垂
直ゾンデの場合、炉内温度が急に上昇し、1200℃以
上となる部位に相当し、鉄線類を用いた場合、降下速度
がストップした地点が、コークスベッドの上端部に相当
する。なお、本実施形態では、2次羽口9bから含Cダ
スト粉を吹き込んで処理するだけでなく、粉状鉄源をも
吹き込んで、鉄源の溶融処理を併用することにより、炉
頂温度は200℃以下に抑えられ、効率の良い操業が可
能となる。
【0040】本発明でいう炉中心部と炉周辺部の境界位
置は、鉄源の金属化率やコークス粒度、さらには、鉄を
含有するダストの使用割合によって、多少は炉半径方向
で移動する。この炉中心部と炉周辺部の境界位置ri
は、各部に装入する鉄源と固体燃料の量が決まれば、下
記式(6)によって求められる。 ri2 =(Wm(c)/ρm(c)+Wc(c)/ρc(c))/{(Wm(c)/ρm(c)+Wc(c) /ρc(c))+(Wm(p)/ρm(p)+Wc(p)/ρc(p))} ・・・(6) ただし、 ri : 中心部と炉周辺部との無次元境界半径(−) Wm(c) : 中心部に装入する鉄源重量(kg/チャージ) Wc(c) : 中心部に装入する固体燃料重量(kg/チャージ) Wm(p) : 周辺部に装入する鉄源重量(kg/チャージ) Wc(p) : 周辺部に装入する固体燃料重量(kg/チャージ) ρm(c) : 中心部に装入する鉄源の嵩密度(kg/m3 ) ρc(c) : 中心部に装入する固体燃料の嵩密度(kg/m3 ) ρm(p) : 周辺部の装入する鉄源の嵩密度(kg/m3 ) ρc(p) : 周辺部に装入する固体燃料の嵩密度(kg/m3 ) なお、このriは、無次元半径で表されており、炉中心
部と炉周辺部の装入物の降下速度を一定とした場合の境
界位置を示している。このriで示される境界位置を調
節するための装入方法については、種々考えられるが、
ベル式の装入装置を使用する場合でも、アーマーを使用
し、装入チャージ毎に中心装入、周辺装入を交互に繰り
返して装入することにより、一部混合層が生成するもの
の、所定の境界設定は可能である。
【0041】
【実施例】以下、実施例により本発明の特徴を具体的に
説明する。炉床径1.5m、1次羽口数6本、2次羽口
数6本、1次羽口部からの有効高さ4.2mの炉頂開放
型の移動層型竪型炉を用いた。本装置は2段羽口構造と
なっている。また、装入装置については、炉半径方向で
装入物の区分けが行える図1に示す装入装置を使用し
た。炉頂排ガス組成は、 ηCO(TOP) =(CO2 (TOP) /(CO(TOP) +CO2
(TOP))) で定義した。また、操業諸元のうち、送風湿分は大気湿
分15g/N3 、炉頂から装入する石灰石原単位は、ス
ラグ塩基度=1.0を目標として設定した。装入する鉄
源割合は、C(12%)内装の自己還元性鉱塊(粒度4
0mm×20mm×30mmで、3mm以下の還元鉄粉
に、高炉2次灰、コークス粉を混合した塊成鉱)と、高
炉2次灰を主体に製鉄所内ダストを混合して塊成化した
ダスト塊成鉱、及び一般市中屑であるカーシュレッダー
屑鉄、ならびに3mm〜5mmの還元鉄粉である。表1
に検討状況の詳細を示す。
【0042】
【表1】
【0043】装入割合は、実施例1、比較例1の場合、
自己還元性鉱塊:ダスト塊成鉱:カーシュレッダー屑
鉄:還元鉄粉=50:10:30:10の割合とし、実
施例2、比較例2の場合、ダスト塊成鉱20%+カーシ
ュレッダー屑鉄80%を装入したケースである。実施例
においては、固体燃料として、周辺部に約30mmの高
炉用小塊コークスを使用し、中心部の浸炭補給用には、
約60mmの大塊コークスを使用した。送風条件は、比
較例、実施例とも、常温送風とした。実施例1、比較例
1は、周辺部に自己還元性鉱塊+ダスト塊成鉱+還元鉄
粉と小粒コークスを混合装入し、中心部には、カーシュ
レッダー屑鉄+浸炭用大塊コークスを装入した条件で、
上段羽口から含Cダスト粉、紛状鉄源を吹き込んだ操業
である。また、実施例2、比較例2は、周辺部にダスト
塊成鉱、小粒コークスを混合装入し、中心部にカーシュ
レッダー屑鉄+浸炭用大塊コークスを装入した条件で、
上段羽口から含Cダスト粉、紛状鉄源を吹き込んだ操業
である。実施例1、2とも、含Cダスト粉、紛状鉄源を
吹き込む際に、上段羽口径を縮小して、レースウェイ部
を形成させたのに対し、比較例1、2は、上段羽口部に
はレースウェイを作らない条件での操業である。比較例
1、2は、上段羽口から含Cダスト粉、紛状鉄源を吹き
込んだ後、徐々に羽口前面が暗くなりだし、結局、吹き
込みダスト粉が目詰まりを起こして、操業不納に陥っ
た。それに対し、実施例1、2とも、含Cダスト粉、紛
状鉄源を吹き込んだ後も、順調に操業を継続できてお
り、紛状廃棄物を処理することが可能であった。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、炉体の
側壁高さ方向に多段羽口を有する竪型炉を用い、炉上部
から鉄源と固体燃料とを炉内に装入し、羽口から常温ま
たは600℃以下の酸素含有ガスを送風して還元・溶解
する操業を行う場合に、最下段を除く上段の羽口のみに
レースウェイ部を形成させ、細粒コークス内への粉状鉄
源および/または含Cダスト粉の吹き込みを容易にする
ことにより、細粒の固体燃料を使用した低燃料比操業に
おいて、エネルギー的に好適な状態で粉状鉄源や含Cダ
スト粉を処理することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は反応装置および装入装置の一例を
示す説明図、図1(b)は、中心装入時の上部装入装置
の説明図、図1(c)は、周辺部装入時の上部装入装置
の説明図である。
【図2】竪型炉の中心部に鉄屑類のみとし、周辺部に細
粒コークス+ダスト類とした装入を示す説明図である。
【図3】鉄源の平均金属化率と鉄源の還元・溶解が支障
なく行えるηCOレベルとの関係を示す説明図である。
【図4】図4(a)は、炉内ガス流速:0.35Nm/
sで、コークス粒度が変化した時のコークスベッド高さ
とηCOの関係図、図4(b)は、コークス粒度:30m
mで、炉内ガス流速が変化した時のコークスベッド高さ
とηCOの関係図、図4(c)は、炉内ガス流速が変化し
た時のコークスベッド高さとηCOの関係図である。
【図5】ストックレベルとηCOの関係図である。
【符号の説明】
1 竪型炉 2 装入装置 3 バケット 4 ベル 5 可動アーマー 6 装入ガイド 7 炉体 8 排ガス管 9 羽口 9a 下部羽口(1次羽口) 9b 上部羽口(2次羽口) 10 レースウェイ部 11 炉中心部 12 炉周辺部 13 コークスベッド
フロントページの続き (72)発明者 深澤 康裕 愛知県東海市東海町5−3 新日本製鐵株 式会社名古屋製鐵所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炉体の側壁高さ方向に多段羽口を有する竪
    型炉の炉上部から鉄源と固体燃料とを炉内に装入し、羽
    口から常温または600℃以下の酸素含有ガスを送風し
    て還元・溶解する操業方法において、最下段を除く上段
    の羽口のみにレースウェイ部を形成させ、粉状鉄源およ
    び/または含Cダスト粉を吹き込んで処理するようにし
    たことを特徴とする粉状廃棄物を処理する竪型炉操業方
    法。
  2. 【請求項2】前記竪型炉の炉周辺部に金属化率が低い鉄
    源と細粒の固体燃料とを混合して装入するとともに、炉
    中心部に金属化率の高い鉄源を装入することを特徴とす
    る請求項1に記載の粉状物を処理する竪型炉操業方法。
  3. 【請求項3】前記竪型炉の最下段の羽口の突き出し位置
    を調整して燃焼効率を制御するようにしたことを特徴と
    する請求項1または請求項2に記載の粉状物を処理する
    竪型炉操業方法。
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JP2012042203A (ja) * 2011-10-11 2012-03-01 Nippon Steel Corp 竪型溶融炉の上段羽口

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