JPH11158342A - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents

硬化性樹脂組成物

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JPH11158342A
JPH11158342A JP9340594A JP34059497A JPH11158342A JP H11158342 A JPH11158342 A JP H11158342A JP 9340594 A JP9340594 A JP 9340594A JP 34059497 A JP34059497 A JP 34059497A JP H11158342 A JPH11158342 A JP H11158342A
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JP
Japan
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monomer
resin
meth
resin composition
acrylic
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JP9340594A
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Inventor
Masamichi Ishitani
正道 石谷
Noriatsu Maehara
徳厚 前原
Masahiro Matsumoto
正博 松本
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Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外部硬化剤により硬化するNADよりなる塗
料用の硬化性樹脂組成物において、組成物の耐候性を長
期間持続するように改良する。 【解決手段】 NADの安定剤樹脂および分散樹脂粒子
の少なくとも一方に、(メタ)アクリロイル基を化学的
に結合したヒンダードアミン光安定剤を共重合により導
入したアクリル共重合体を使用する。安定剤樹脂のアク
リル共重合体の他の共重合モノマーは硬化剤と反応し得
る官能基を有するアクリルモノマー、脂環族アルコール
の(メタ)アクリル酸エステルおよびアルキル基の炭素
数が4以上のアルキル(メタ)アクリレートを含んでい
る。外部硬化剤は少なくとも安定剤樹脂の官能基と反応
し、組成物を硬化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明の背景 本発明は、塗料ビヒクル用の高耐候性硬化性樹脂組成物
に関する。塗膜中のポリマー分子鎖の切断を伴う光が関
与する劣化を防止するため、耐候性を要求される塗料に
は光安定剤が添加される。光安定剤のうちヒンダードア
ミン光安定剤(HALS)は、過酸化物分解、遊離ラジ
カルの捕捉、消光などの多機能を発揮し、塗料用ポリマ
ーの劣化機構に対応して光安定化を達成することが知ら
れている。
【0002】HALSに限らずすべての光安定剤は、独
立の成分として塗料へ添加すると、溶出、ブリードアウ
ト、分解等によって塗膜から消失し、長期間その効果を
持続しない場合がある。
【0003】最近HALSへ(メタ)アクリロイル基の
ような重合性官能基を結合した光安定剤(HALSモノ
マー)が開発され、市場で入手可能となっている。この
HALSモノマーを共重合によってポリマー分子鎖へ組
込むことにより塗膜に固定化し、長期間その効果を持続
させることができる。この原理を応用してイソシアネー
ト硬化剤で硬化する塗料用アクリルポリオールが特開平
1−261409号公報に開示されている。
【0004】近年大気中へのVOCの揮散を減らす目的
で溶剤型塗料のハイソリッド化が要求されている。その
ための手法の一つとして非水分散液(NAD)を使用す
る方法がある。NADは非極性溶媒(疎水性溶媒)に溶
解している安定剤樹脂の溶液と、この溶媒に不溶である
が安定剤樹脂の溶液中に安定に分散している分散樹脂の
粒子よりなる。分散樹脂粒子の存在により、NADは構
造粘性を示し、ずれ応力が増大すると見掛けの粘性率が
減少する。このためスプレー塗装が可能な一方被塗物か
らのたれを生じない最高固形分含量を高めることができ
る。
【0005】そこで本発明の課題は、外部硬化剤によっ
て硬化するNADよりなる硬化性樹脂組成物において、
組成物の耐候性を長期間持続するように改良することに
ある。
【0006】本発明は、(a)安定剤樹脂が(i)外部
架橋剤と反応し得る官能基を有するアクリルモノマー、
(ii)脂環族アルコールの(メタ)アクリル酸エステル
モノマー、(iii )アルキル基の炭素数が4以上である
(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーおよび任
意に(iv)上記以外のエチレン性不飽和モノマーの共重
合体である、非極性有機溶媒に溶解している分散安定剤
樹脂溶液と、(b)分散樹脂粒子が前記非極性有機溶媒
に不溶であるが前記安定剤樹脂溶液に安定に分散してい
るアクリル共重合体である分散樹脂よりなる非水性分散
液を含み、前記安定剤樹脂の共重合体および前記分散樹
脂のアクリル共重合体の一方または双方はヒンダードア
ミン結合アクリルモノマー、特に式:
【0007】
【化2】
【0008】(式中、R1 は水素またはメチル基、R2
は水素またはシアノ基、R3 は水素または炭素数18ま
でのアルキル基、Xは−O−または−NH−結合を意味
する。)のヒンダードアミン結合アクリルモノマーを共
重合モノマーとして含んでいることを特徴とする樹脂組
成物に関する。
【0009】本発明はまた、前記非水分散液と外部硬化
剤との組合せよりなる硬化性樹脂組成物、およびこの組
合せをビヒクルとして含む塗料に関する。
【0010】好ましくは、安定剤樹脂は各モノマーを以
下の割合: モノマー(i) 15〜50重量% モノマー(ii) 30〜50重量% モノマー(iii ) 重量比でモノマー(ii)に対し1/9〜9/1 モノマー(iv) 0〜10重量% ヒンダードアミン結合アクリルモノマー 0.5〜10重量% で含んでいる混合物の共重合体である。
【0011】好ましくはHALSモノマーは、4−(メ
タ)アクリロイルオキシ−もしくは4−(メタ)アクリ
ロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジ
ン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−または4−(メ
タ)アクリロイルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタ
メチルピペリジンから選ばれる。
【0012】好ましくは、組成物中の安定剤樹脂と分散
樹脂粒子の固形分重量比は、2:1〜1:3である。
【0013】好ましくは、安定剤樹脂共重合体のモノマ
ー(i)の官能基は水酸基か、または活性メチレン基で
ある。外部硬化剤はこの官能基のタイプに応じて選択さ
れ、水酸基の場合はメラミン樹脂か、遊離もしくはブロ
ックポリイソシアネート化合物から選ぶことができ、活
性メチレン基の場合はマイケル付加反応にアクセプター
として使用される多官能α,β−不飽和カルボニル化合
物である。
【0014】本発明によれば、少なくともNADの安定
剤樹脂または分散樹脂粒子のポリマー鎖へ共重合により
HALSを結合することにより硬化塗膜の耐候性が長期
間持続する。加えて脂環式モノマー(ii)の共重合は塗
膜の耐候性および硬度の向上に寄与し、長鎖アルキル
(メタ)アクリレートモノマー(iii )の共重合は塗膜
外観(透明性および平滑性)の向上に寄与し、両者の共
重合によって非極性溶媒中の安定剤樹脂の溶解性が向上
する。全体として、本発明により耐候性が長期間持続す
る高固形分塗料用硬化性樹脂組成物を提供することがで
きる。
【0015】詳細な議論 良く知られているように、NADは非極性溶媒中の溶液
重合によって分散安定剤樹脂溶液をつくり、その中で溶
媒に不溶な分散樹脂粒子を構成するモノマーの重合を行
ってつくられる。
【0016】非極性溶媒としては、脂肪族炭化水素、例
えばヘキサン、オクタン、イソオクタン、デカン、ノナ
ン、ドデカン、イソドデカン、シクロヘキサン、メチル
シクロヘキサン、シクロヘプタン、メチルシクロヘプタ
ン、デカリンなど、芳香族炭化水素例えばベンゼン、ト
ルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラリンなど、
および石油系混合溶剤例えばアイソパーE,G,H,
L,M,V(以上エクソン社製)、ナフチゾールL,
M,H(以上日本石油社製)、シエルゾールA,B,ロ
ウス,ハウス(以上シェル社製)、ソルベッソ100,
150,1500(以上エッソ社製)、スワゾール10
00,1500(以上共同石油社製)、トクソルベント
(昭栄化学社製)が使用できる。
【0017】本発明においては、安定剤樹脂溶液は以下
のモノマーの混合物を非極性溶媒中で常法により溶液重
合することによって製造される。
【0018】(i)反応性官能基を有するアクリルモノ
マー:官能基として水酸基を有するモノマーの例は、ヒ
ドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、ヒドロキ
シエチルアクリレート(HEA)、2−ヒドロキシプロ
ピルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレ
ート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、4−ヒド
ロキシブチルアクリレート、N−メチロールアクリルア
ミド、HEMAとカプロラクトンとの開環付加物(ダイ
セル化学工業(株)製プラクセル−FMシリーズ)、H
EAとカプロラクトンとの開環付加物(ダイセル化学工
業(株)製プラクセル−FAシリーズ)などを含む。
【0019】官能基として活性メチレン基を有するモノ
マーの例は、2−アセトアセトキシエチル(メタ)アク
リレート、2−エトキシマロニルオキシエチル(メタ)
アクリレート、2−シアノアセトキシエチル(メタ)ア
クリレート、N−(2−シアノアセトキシエチル)アク
リルアミド、N−(2−プロピオニルアセトキシブチ
ル)アクリルアミド、N−(4−アセトアセトキシメチ
ルベンジル)アクリルアミド、N−(2−アセトアセチ
ルアミノエチル)アクリルアミドなどである。
【0020】官能基を有するアクリルモノマーは、モノ
マー混合物の5〜70%,特に15〜50%を占めるの
が好ましい。
【0021】(ii)脂環族アルコールの(メタ)アクリ
ル酸エステル:シクロヘキシル(メタ)アクリレート、
イソボルニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)
アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレー
ト、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジメチルアダ
マンチル(メタ)アクリレートなど。
【0022】これらモノマーは疎水性であり、安定剤樹
脂を非極性溶媒に可溶とするモノマー成分である。同時
に塗膜の耐候性および硬度の向上にも寄与する。
【0023】脂環族アルコール(メタ)アクリル酸エス
テルは、モノマー混合物の0.5〜70%,特に30〜
50%を占めるのが好ましい。
【0024】(iii )長鎖アルキル(炭素数4以上)
(メタ)アクリレート:n−ブチル(メタ)アクリレー
ト、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メ
タ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリ
レート、オクチル(メタ)アクリレート、トリデシル
(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレー
ト、ステアリル(メタ)アクリレートなど。
【0025】塗膜の耐候性に寄与する脂環族モノマー
(ii)の割合は塗膜に求められる他の物性とバランスさ
せる必要があるため自ら限界があり、単独では安定剤樹
脂が充分に疎水性にならない。そこで安定剤樹脂に充分
な疎水性を与えるためにこれらモノマーを共重合させる
必要がある。2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート
およびラウリル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0026】モノマー混合物中のこれらモノマーの割合
は、選んだモノマーの疎水性の程度および脂環族アクリ
ルモノマー(ii)の種類および割合に応じて決定すべき
であるが、一般に脂環族アクリルモノマーの量を基準と
し、1/9〜9/1の範囲内であるのが好ましい。
【0027】(v)HALSモノマー:ヒドロキシル基
またはアミノ基を有するHALSをアクリル酸またはメ
タクリル酸でアシル化することによって得られる。特開
平1−261409号公報にHALSモノマーのいくつ
かの具体例が記載されている。それらは4−(メタ)ア
クリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペ
リジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリ
ロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペ
リジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−1,2,
2,6,6−ペンタメチルピペリジンを含む。4−メタ
アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチ
ルピペリジンはLA−82の商品名で市販されている。
【0028】モノマー混合物中のHALSモノマーの割
合は少なくとも0.5重量%が必要である。しかしなが
らあまり多くてもそれに見合う効果はなく、また安定剤
樹脂の疎水性を低下させるので、2〜5重量%の範囲内
であることが好ましい。
【0029】(iv)その他のモノマー:安定剤樹脂にと
って必須成分ではないが、上記以外のエチレン性不飽和
モノマーを共重合成分として含んでいてもよい。
【0030】その例には、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)ア
クリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート等の低
級アルキル(メタ)アクリレート;アクリルニトリル、
グリシジル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)ア
クリレート、アクリル酸、メタクリル酸などの他のアク
リルモノマー;フマル酸、イタコン酸、クロトン酸など
の酸基含有アクリル系および非アクリル系モノマーがあ
る。スチレンのような芳香環を有するモノマーは含まな
い方がよいが、少割合ならば許容できる。
【0031】これらモノマーの割合は一般に0〜10重
量%の範囲内である。
【0032】安定剤樹脂溶液中に分散される分散樹脂粒
子は、安定剤樹脂と反対に好ましくは親水性である。親
水性を付与するモノマーの例は、安定剤樹脂に関し例示
した水酸基含有アクリルモノマー、酸基含有アクリル系
および非アクリル系モノマーである。HALSモノマー
も親水性モノマーである。しかしながら親水性モノマー
をあまり多く含むと塗膜の耐水性に悪影響するので50
重量%をこえるべきではない。一般に20重量%以下で
充分である。
【0033】分散樹脂粒子を構成する残余のモノマー
は、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピ
ル(メタ)アクリレート等の低級アルキル(メタ)アク
リレート、アクリロニトリル、グリシジル(メタ)アク
リレート、活性メチレン含有アクリルモノマーなどのそ
の他のモノマーである。安定剤樹脂に関して述べた脂環
族アクリルモノマーおよび炭素数4以上の長鎖アルキル
(メタ)アクリレートモノマーも10重量%以下の割合
で含むことができる。
【0034】分散樹脂粒子にもHALSモノマーを共重
合させることができる。その割合は安定剤樹脂の場合と
同様にモノマー混合物の0.5〜20重量%,好ましく
は2〜5重量%である。
【0035】分散樹脂粒子のための特に好ましいモノマ
ーの組合せは、メチルメタクリレート(MMA)70〜
80重量%,HEMA15〜25重量%,アクリル酸1
〜3重量%,HALSモノマー1〜3重量%である。
【0036】NADは安定性が害されない限り粒子成分
を多く含むのが有利である。そのためNAD中の分散樹
脂粒子:安定剤樹脂の重量比は、2:1〜1:3、特に
約1:1であることが好ましい。この範囲内で塗料のハ
イソリッド化とレオロジー制御が両立する。
【0037】本発明の樹脂組成物は安定剤樹脂の官能基
と反応する外部硬化剤を含むことができる。硬化剤は安
定剤樹脂の官能基のタイプによって異なる。
【0038】良く知られているように水酸基を有する樹
脂はメラミン樹脂で硬化することができる。一般に使用
されるメラミン樹脂は、メラミンとホルムアルデヒドと
の縮合物であるヘキサメチロールメラミンのメチロール
基の一部または全部をメタノール、エタノール、イソプ
ロパノール、ブタノール、イソブタノールなどのアルコ
ールでエーテル化したエーテル化メラミン樹脂である。
NADとメラミン樹脂の配合比は、固形分として5:5
ないし9:1である。
【0039】水酸基を有する安定剤樹脂は、遊離ポリイ
ソシアネート、またはこれとブロック剤との反応によっ
て製造したブロックポリイソシアネートによって硬化す
ることができる。好ましいポリイソシアネートは非黄変
性ポリイソシアネートとして知られる脂肪族および脂環
族ポリイソシアネートである。その例は、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート(HMDI)、トリメチルヘキサメ
チレンジイソシアネート(TMDI)、イソホロンジイ
ソシアネート(IPDI)、ノルボルナンジイソシアネ
ート(NBDI)、4,4’−メチレンビス(シクロヘ
キシルイソシアネート)(水添MDI)、それらの二量
体、三量体およびトリメチロールプロパンとの付加物な
どである。
【0040】ブロック剤は、n−ブタノール、2−エチ
ルヘキサノール、エチレングリコールモノブチルエーテ
ル、シクロヘキサノール等のアルコール類;フェノー
ル、ニトロフェノール、クレゾール、ノニルフェノール
等のフェノール類;ジメチルケトオキシム、メチルエチ
ルケトオキシム、メチルイソブチルケトオキシムなどの
オキシム類、ε−カプロラクタムなどのラクタム類など
を使用することができる。オキシムまたはラクタムでブ
ロックするのが好ましい。
【0041】遊離またはブロックポリイソシアネートの
安定剤樹脂に対する割合は、NCOまたはブロックNC
O/OH当量比が約1:1になるような割合が望ましい
が、1.5:1ないし1:1.5程度の変動は許容し得
る。
【0042】安定剤樹脂の官能基が活性メチレン基の場
合は、複数のα,β−不飽和カルボニル基を有する化合
物とのマイケル反応によって硬化させることができる。
そのような硬化剤には多価アルコールの(メタ)アクリ
ル酸エステルがある。具体的には、エチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アク
リレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペ
ンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペ
ンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが
ある。この場合硬化剤の量は活性メチレン/α,β−不
飽和カルボニルの当量比で2/1〜1/2,好ましくは
1.5/1〜1/1.5である。
【0043】遊離ポリイソシアネート硬化剤は二液性と
し、使用直前にNADと混合して塗装に使用しなければ
ならない。この場合は常温硬化が可能である。メラミン
樹脂およびブロックポリイソシアネートの場合は一液性
組成物とすることができ、焼付硬化を必要とする。
【0044】硬化反応には通常触媒が使用される。メラ
ミン樹脂の場合は、パラトルエンスルホン酸、ドデシル
ベンゼンスルホン酸などの芳香族スルホン酸、硬化温度
で揮散するアミンでブロックしたスルホン酸系触媒が使
用される。遊離およびブロックポリイソシアネート硬化
剤の場合は、ジブチルスズジラウレートなどのスズ系触
媒が使用される。マイケル反応を利用する硬化反応には
塩基触媒が使用される。アルカリ金属の水酸化物、アル
コラート、炭酸塩、4級アンモニウム塩基などの強塩基
触媒を使用すると常温でも反応が進行するのでこれら触
媒は使用直前に他の成分と混合しなければならない。本
出願人の特開平7−173262号には貯蔵安定性と硬
化性とが両立するマイケル反応硬化系が開示されてい
る。この系は触媒としてそれ自体マイケル反応を促進し
ないオニウム塩、例えばテトラブチルアンモニウムブロ
マイドとエポキシ化合物の組合せを使用する。本発明に
おいてもこの技術を適用して一液性の熱硬化型組成物と
してもよい。その場合安定剤樹脂にグリシジル(メタ)
アクリレートなどのエポキシ基含有モノマーを共重合さ
せておけば、エポキシ化合物を独立の成分として添加す
る必要はない。エポキシ化合物の代りに5員環カーボネ
ートを使用してもよい。本出願人の特開平8−2836
27号参照。
【0045】本発明の硬化性樹脂組成物は、長期間持続
する耐候性が望まれる塗料のビヒクルとして有用であ
る。そのような分野には例えば自動車ボディの塗装仕上
げにトップコートとして使用されるクリヤー塗料があ
る。さらに顔料が添加される着色塗料にも使用できるこ
とは勿論である。組成物はNADをベースにしているた
め、塗料のハイソリッド化が可能である一方で、構造粘
性により塗装時たれが発生しない限界が増大し、1回の
塗装により厚塗りが可能となる。
【0046】以下に製造例、実施例および比較例により
本発明を例証する。これらにおいて「部」および「%」
は重量基準による。
【0047】安定剤樹脂溶液 製造例1 攪拌加熱装置、温度計、窒素導入管、冷却管を備えた反
応容器に窒素ガス気流下、トクソルベント(昭栄化学製
石油系混合溶剤)66部を仕込み、120℃に昇温し
た。この中へイソボルニルメタクリレート(IBX)3
0部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEM
A)15部、ラウリルメタクリレート(LMA)33
部、LA−82(4−メタクリロイルオキシ−1,2,
2,6,6−ペンタメチルピペリジン)2部、アゾビス
イソブチロニトリル(AIBN)2部の混合物を3時間
を要して滴下し、さらに同温度に2.5時間保持した。
不揮発62%,粘度Z2の安定剤溶液Aが得られた。
【0048】製造例2〜6 表1に示したモノマー混合物に代え、製造例1と同様に
して安定剤溶液BないしFを得た。
【0049】
【表1】
【0050】1)IBXA:イソボルニルアクリレート 2)AAEM:2−アセトアセトキシエチルメタクリレ
ート 3)EHA:2−エチルヘキシルアクリレート 4)MMA:メチルメタクリレート 5)カヤエステルO:日本化薬製t−ブチルペルオキシ
−2−エチルヘキサノエート 6)トクソル:トクソルベント(昭栄化学)
【0051】NAD 製造例7 攪拌加熱装置、温度計、窒素導入管、冷却管を備えた反
応容器に窒素ガス気流下、安定剤溶液Aを161部仕込
み、100℃に昇温した。この中へMMA76部、HE
MA20部、アクリル酸(AA)2部、LA−82 2
部、AIBN2部の混合液を2時間を要して滴下し、さ
らに同温度に4時間保持した。不揮発分72%,粘度1
2,500cpsのNAD Iを得た。
【0052】製造例8〜16 表2に示した安定剤溶液およびモノマー混合物に代え、
製造例7と同様にしてNAD(II)ないし(X)を得
た。ただしNAD(X)は比較例用である。
【0053】
【表2】
【0054】実施例1 NAD(I)とトロネートMTK−3(三洋化成製一部
アルコール変性HMDI三量体)とをNCO/OH当量
比1/1に混合し、これへ塗料全体の0.1重量%のジ
ブチルスズジラウレート(DBTL)を添加し、ブリキ
板に30番バーコーターを用いて塗布し、室温で24時
間放置して硬化させた。得られた塗板について鉛筆硬度
および耐候性について試験し、表3に示す結果を得た。
【0055】実施例2〜9 NAD(II)〜(IX)と硬化剤としてブロックポリイソ
シアネート(HMDI三量体のε−カプロラクタムブロ
ック化物)、ADP6(共栄社油脂化学製ジペンタエリ
スリトールヘキサアクリレート)、またはMF−013
(日本ペイント製ブチル化メラミン樹脂)とを表3に示
す割合に混合し、実施例1同様にブリキ板に塗布し、表
3に示した条件で硬化させ塗板を作成し、鉛筆硬度およ
び耐候性について試験した。結果を表3に示す。ただ
し、実施例2においては塗料全体の0.1重量%をDB
TLを添加し、実施例3においてはNAD固形分の0.
2重量%のテトラブチルアンモニウムブロマイド(TB
ABr)および1重量%のプロペニルエーテルプロピレ
ンカーボネート(PEPC)を添加した。また、表中の
OH当量は安定剤樹脂のOH当量である。
【0056】比較例 NAD(X)とMF−013とを表3に示す割合で混合
し、これにチヌビン144(チバガイギー製HALS)
を混合物の2%添加し、以後実施例と同様にして塗膜を
作成し、試験した。結果を表3に示す。
【0057】耐候性評価方法:塗板をサンシャインウエ
ザオメーターのホルダーに取り付け、初期光沢保持率が
80%になるまでの時間によって評価した。
【0058】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 133/04 C09D 133/04 161/28 161/28 175/04 175/04

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)安定剤樹脂が(i)外部架橋剤と反
    応し得る官能基を有するアクリルモノマー、(ii)脂環
    族アルコールの(メタ)アクリル酸エステルモノマー、
    (iii )アルキル基の炭素数が4以上である(メタ)ア
    クリル酸アルキルエステルモノマーおよび任意に(iv)
    上記以外のエチレン性不飽和モノマーの共重合体であ
    る、非極性有機溶媒に溶解している分散安定剤樹脂溶液
    と、(b)分散樹脂粒子が前記非極性有機溶媒に不溶で
    あるが前記安定剤樹脂溶液に安定に分散しているアクリ
    ル共重合体である分散樹脂よりなる非水性分散液を含
    み、前記安定剤樹脂の共重合体および前記分散樹脂のア
    クリル共重合体の一方または双方はヒンダードアミン結
    合アクリルモノマーを共重合モノマーとして含んでいる
    ことを特徴とする樹脂組成物。
  2. 【請求項2】前記ヒンダードアミン結合アクリルモノマ
    ーは式: 【化1】 (式中、R1 は水素またはメチル基、R2 は水素または
    シアノ基、R3 は水素または炭素数18までのアルキル
    基、Xは−O−または−NH−結合を意味する。)のヒ
    ンダードアミン結合アクリルモノマーである請求項1の
    樹脂組成物。
  3. 【請求項3】前記安定剤樹脂は、各モノマーを以下の割
    合: モノマー(i) 15〜50重量% モノマー(ii) 30〜50重量% モノマー(iii ) 重量比でモノマー(ii)に対し1/9〜9/1 モノマー(iv) 0〜10重量% ヒンダードアミン結合アクリルモノマー 0.5〜10重量% で含むモノマー混合物の共重合体である請求項1または
    2の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】前記分散樹脂粒子のアクリル共重合体はモ
    ノマー混合物全体の0.5ないし10重量%のヒンダー
    ドアミン結合アクリルモノマーを含んでいる請求項1ま
    たは2または3の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】組成物中、安定剤樹脂と分散樹脂粒子の重
    量比は2:1〜1:3である請求項1ないし4のいずれ
    かの樹脂組成物。
  6. 【請求項6】前記ヒンダードアミン結合アクリルモノマ
    ーは、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,
    6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイ
    ルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジ
    ン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6
    −テトラメチルピペリジン、または4−(メタ)アクリ
    ロイルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペ
    リジンから選ばれる請求項1ないし5のいずれかの樹脂
    組成物。
  7. 【請求項7】請求項1ないし6のいずれかの樹脂組成物
    とさらに外部硬化剤を含んでいることを特徴とする硬化
    性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】前記モノマー(i)の官能基が水酸基であ
    り、外部硬化剤がメラミン樹脂、または遊離もしくはブ
    ロックポリイソシアネート化合物である請求項7の硬化
    性樹脂組成物。
  9. 【請求項9】前記モノマー(i)の官能基が活性メチレ
    ン基であり、外部硬化剤が多官能α,β−不飽和カルボ
    ニル化合物である請求項7の硬化性樹脂組成物。
  10. 【請求項10】請求項6ないし9のいずれかの硬化性樹
    脂組成物をビヒクル成分として含んでいる高耐候性塗
    料。
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