JPH11157659A - サイロ払出し装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造が簡単で均等に脱水ケーキを切り出すこ
とができ、回転抵抗により装置が破壊されるおそれのな
いサイロ払出し装置を提供する。 【解決手段】サイロ１の底面に排出口２と回転羽根３と
を設ける。回転羽根３の基軸４を回転中心ドラム５の側
面に水平に軸支させ、回転中心ドラム５の内部に設けた
チェーン等により回転羽根３を基軸４の回りに回転さ
せ、羽根面の角度を調節できるようにした。回転抵抗に
応じて羽根面の角度を変えることにより、装置の破壊を
防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、サイロに貯留され
た下水汚泥脱水ケーキを一定量ずつ排出するためのサイ
ロ払出し装置に関するものであり、特に高分子系脱水ケ
ーキの排出に適したサイロ払出し装置に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】近年、下水処理場からの排出量が増加し
ている高分子系脱水ケーキは、７２〜８２％の水分を持
つ粘度の高いケーキであり、焼却・溶融等の後工程へ送
られる前に、定量フィーダと呼ばれる角形のホッパーに
貯留される。そしてホッパーの底部には、貯留された下
水汚泥脱水ケーキを一定量ずつ排出するための払出し装
置が設けられている。

【０００３】払出し装置としては、スクリュー式のもの
が一般的である。しかしスクリュー式の払出し装置は、
ホッパーの底面全体から均等に脱水ケーキを切り出すた
めには多数のスクリューを配置しなければならず、構造
が複雑で装置が高価となるという問題がある。従って角
形のホッパーを円形のサイロ形状とし、サイロの底面に
回転羽根を設け、その回転力によりサイロの底面の排出
口に向けて脱水ケーキを押し出すようにした回転羽根式
のサイロ払出し装置も開発されている。しかしこの回転
羽根式のものは、粘度の高い脱水ケーキ中で回転される
回転羽根に過大な回転抵抗がかかり、装置が破壊される
おそれがあった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した従来
の問題点を解決し、構造が簡単であり、サイロの底面全
体から均等に脱水ケーキを切り出すことができ、しかも
回転抵抗が大きい場合にも装置が破壊されるおそれのな
いサイロ払出し装置を提供するためになされたものであ
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされた本発明は、サイロの底面に排出口と回転羽
根とを設けたサイロ払出し装置において、この回転羽根
を回転面に対する羽根面の角度を調節できる角度可変羽
根としたことを特徴とするものである。なお、回転羽根
の基軸を回転中心ドラムの側面に水平に軸支させ、回転
中心ドラムの内部に設けたチェーンまたはアームにより
回転羽根を基軸の回りに回転させるようにすることが好
ましい。以下に本発明を、その好ましい実施の形態とと
もに説明する。

【０００６】

【発明の実施の形態】図１〜図４は本発明の第１の実施
形態を示す図である。図１と図２において、１は円筒状
のサイロであり、例えば高分子系凝集剤を用いた粘度の
高い下水汚泥脱水ケーキが貯留されている。このサイロ
１の底面には、排出口２と回転羽根３とが設けられてい
る。この実施形態では、排出口２はサイロ１の半径の半
分程度の位置に１個設けられているが、複数個としても
よい。

【０００７】この実施形態の回転羽根３は１枚羽根であ
るが、図２に想像線で示したように、複数枚の羽根とし
てもよい。本発明の回転羽根３は、その基部に設けられ
た水平な基軸４がサイロ１の底面中央に設けられた回転
中心ドラム５の側面に軸支された角度可変羽根とされて
いる。図１と図３に示すように、基軸４の回転中心ドラ
ム５の内側部分にはスプロケット６が固定されており、
このスプロケット６にチェーン７が巻き掛けられてい
る。チェーン７の一端にはスプリング８が接続され、他
端にはシリンダ９が接続されている。このため、シリン
ダ９によってチェーン７を引くとスプロケット６ととも
に基軸４が回転し、回転羽根３が基軸４を中心として回
転する。この結果、図１に示すように回転面に対する羽
根面の角度を大きくしたり、図４に示すように小さくし
たりすることができる。

【０００８】回転中心ドラム５はサイロ１の底面中央の
軸受１０に回転自在に支持されており、その下端部に駆
動円板１１が取り付けられている。そしてこの駆動円板
１１の外周に接線方向に設けられた駆動シリンダ１２で
駆動円板１１とともに回転中心ドラム５を回転させ、回
転羽根３を回転させることができる。このような駆動方
式を採用すれば、比較的小型の駆動シリンダ１２によ
り、回転羽根３を駆動することができる。なお、サイロ
１内の下水汚泥脱水ケーキが軸受１０内に侵入すること
を防止するため、多段にシール１３を設けてある。

【０００９】このように構成されたサイロ払出し装置
は、回転羽根３を一定速度で回転させると、サイロ１の
内部の下水汚泥脱水ケーキは回転羽根３により押され、
その回転速度に応じて一定量ずつ排出口２から排出され
ることとなる。このときサイロ１内の貯留状況によって
は、回転羽根３に粘度の高い下水汚泥脱水ケーキにより
大きい回転抵抗がかかることがある。しかしその場合に
は回転抵抗に応じてシリンダ９により回転羽根３を基軸
４を中心として回転させ、図４に示すように回転面に対
する羽根面の角度を小さくすれば、回転羽根３にかかる
荷重は軽減される。このため、過大な回転抵抗による装
置の破壊を防止することができる。

【００１０】図５は本発明の第２の実施形態を示す図で
ある。この第２の実施形態では、角度可変羽根である回
転羽根３の基軸４にアーム１４が設けられており、シリ
ンダ９でこのアーム１４を回転させることによって、基
軸４とともに回転羽根３を回転させるようになってい
る。この第２の実施形態においても回転抵抗に応じてシ
リンダ９により回転面に対する羽根面の角度を変え、過
大な回転抵抗による装置の破壊を防止することができ
る。回転羽根３は１枚羽根であっても複数羽根であって
もよい。

【００１１】

【発明の効果】以上に説明したように、本願発明のサイ
ロ払出し装置は回転羽根を用いて下水汚泥脱水ケーキを
切り出す方式を採用したので、構造が簡単でスクリュー
式のサイロ払出し装置よりも安価に製造することができ
る。また本発明では回転羽根を回転面に対する羽根面の
角度を調節できる角度可変羽根としたので、回転抵抗に
応じて羽根面の角度を変えることができ、装置が破壊さ
れるおそれを防止しつつ、サイロの底面全体から均等に
脱水ケーキを切り出すことができる利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１の実施形態を示す垂直断面図である。

【図２】第１の実施形態を示す水平断面図である。

【図３】要部の中央断面図である。

【図４】羽根面の角度を変えた状態を示す垂直断面図で
ある。

【図５】第２の実施形態の要部の中央断面図である。

【符号の説明】

１ サイロ、２ 排出口、３ 回転羽根、４ 回転羽根
の基軸、５ 回転中心ドラム、６ スプロケット、７
チェーン、８ スプリング、９ シリンダ、１０ 軸
受、１１ 駆動円板、１２ 駆動シリンダ、１３ シー
ル、１４ アーム

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】サイロの底面に排出口と回転羽根とを設け
   たサイロ払出し装置において、この回転羽根を回転面に
   対する羽根面の角度を調節できる角度可変羽根としたこ
   とを特徴とするサイロ払出し装置。
2. 【請求項２】回転羽根の基軸を回転中心ドラムの側面に
   水平に軸支させ、回転中心ドラムの内部に設けたチェー
   ンにより回転羽根を基軸の回りに回転させるようにした
   請求項１に記載のサイロ払出し装置。
3. 【請求項３】回転羽根の基軸を回転中心ドラムの側面に
   水平に軸支させ、回転中心ドラムの内部に設けたアーム
   により回転羽根を基軸の回りに回転させるようにした請
   求項１に記載のサイロ払出し装置。