JPH11156909A - 多層射出成形品の融着部強度の予測方法 - Google Patents

多層射出成形品の融着部強度の予測方法

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JPH11156909A
JPH11156909A JP34365297A JP34365297A JPH11156909A JP H11156909 A JPH11156909 A JP H11156909A JP 34365297 A JP34365297 A JP 34365297A JP 34365297 A JP34365297 A JP 34365297A JP H11156909 A JPH11156909 A JP H11156909A
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Japan
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flow
strength
molding
pressure
injection
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JP34365297A
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Masatoshi Kaneoka
雅俊 金岡
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Japan Steel Works Ltd
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Japan Steel Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形品の形状、成形条件等に関係なく、安価
に、かつ正確に融着部の強度を予測することができる融
着部強度の予測方法を提供する。 【解決手段】1層目が1次成形で、この1層目と融着し
た2層目を2次成形で成形された2層射出成形品の融着
部の強度の予測方法において、成形条件を変えて成形し
た複数個の試験用2層射出成形品の融着部の強度を、引
っ張り試験機等で求める。また、流動予測方法により、
上記試験用2層射出成形品の複数の成形条件のそれぞれ
について、強度評価箇所における、第2次射出工程によ
り2層目が成形されるときの、樹脂材料の温度T
(t)、圧力P(t)および速度V(t)を予測し、求
めた強度と予測した温度、圧力および速度とから関係
式、s=f{T(t)、圧力P(t)、速度V(t)}
を決定する。この式に予測流動値である樹脂材料の温
度、圧力および速度を代入して融着部の強度を予測す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、第1次射出成形に
より第1次半成形品を成形し、第2次射出成形により第
1次半成形品に接触する接触部分が融着一体化された第
2次半成形品を成形し、第3次射出成形により第2次半
成形品に接触する接触部分が融着一体化された第3次半
成形品を成形し、以下同様にしてN回射出成形して得ら
れる多層射出成形品の融着部の強度を予測する、多層射
出成形品の融着部強度の予測方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】射出成形方法あるいは射出成形機は、文
献名を挙げるまでもなく従来周知で、概略的には、加熱
シリンダと、この加熱シリンダ内で軸方向と回転方向と
に駆動されるように設けられているスクリュとから構成
されている。したがって、スクリュを回転駆動して成形
材料を混練・溶融して加熱シリンダの前方の蓄積室に計
量することができる。次いで、スクリュを軸方向に駆動
して計量された溶融状態の成形材料を金型のキャビテイ
に射出し、冷却固化を待って金型を開くと、成形品を得
ることができる。
【0003】上記のような基本的な射出成形方法を応用
して、複雑な成形品を成形する射出成形方法も色々提案
されている。例えば、硬質材と軟質材のような異種材料
あるいは異色材料からなる成形品の成形方法の1つにコ
アバック法が知られている。また、1次成形と2次成形
とにより中空成形品を成形する方法としてはダイスライ
ド法が知られている。コアバック法とは、1次成形と2
次成形とからなり、1次成形時には、キャビテイの一部
を移動コアで封鎖しておき、空いているキャビテイに溶
融樹脂を射出充填して1次半成形品を成形し、2次成形
時には移動コアを退避させ、退避させた空間に溶融樹脂
を射出して、1次半成形品と一体化した成形品を得る方
法で、これにより異種材料あるいは異色材料の成形品を
得ることができる。同じ原理により、複数回射出して多
層あるいは多色成形品を得ることもできる。
【0004】ダイスライド法も従来周知で、この方法の
実施には、本出願人が例えば特開昭62ー87315号
により提案しているように、固定金型とスライド金型と
が使用される。そして、これらの金型の例えば上方のパ
ーティングライン面で一方の1次半中空成形品が成形さ
れ、そして下方のパーティングライン面で他方の1次半
中空成形品が成形されるようになっている。したがっ
て、1次成形において、スライド金型を第1位置にし
て、これらの金型により一対の1次半中空成形品を開口
部の周囲に突合部を有するように成形し、そして固化し
た後にスライド金型を開くと、一方の1次半中空成形品
は固定金型の方に残り、他方の1次半中空成形品はスラ
イド金型の方に残る。そこで、スライド金型を第2位置
へスライドさせ、一対の1次半中空成形品の突合部を突
き合わせ、次いで2次成形において溶融樹脂を突合部に
射出すると、一対の1次半中空成形品は突合部において
接合され、中空成形品が成形される。
【0005】上記のような射出成形法により得られる多
層射出成形品あるいは多次射出成形品は、工程が互いに
異なる複数回の射出で成形されているので、互いに接触
する部分の融着部の強度が問題になる。そこで、成形条
件例えば樹脂温度、金型温度、射出圧力等を種々変更
し、融着部の強度に与える影響について勘案して定性的
な予測が行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
融着部の強度は一応予測はされているが、正確性に劣
る。すなわち、実際の融着部の強度は、既充填部に追加
射出される成形材料と、この追加射出される成形材料に
より既充填部分の状態がどう変化するかにより決まるも
ので、従来予測に用いられている行われている成形条件
は、間接的な影響を与えるだけで、金型や評価する箇所
が変わると、正確な予測値は得られない。もっとも、融
着部の強度を予測したい箇所に、圧力、温度等の検出手
段を設け、この検出手段で検出される計測値によって強
度を予測することも考えられたが、金型構造の制限、コ
ストの問題等の理由により実施されていない状況下にあ
る。また、何より、金型設計時点での強度予測は不可能
であり、金型構造、例えばランナー、ゲートなどの検討
ができないため、金型試作・修正を試行錯誤し、多くの
時間と経費とを費やすことになる。本発明は、上記した
ような状況に鑑みてなされたものであって、任意の成形
品の形状、成形条件、金型構造などについて、安価に、
かつ正確に融着部の強度を予測することができる、多層
射出成形品の融着部強度の予測方法を提供することを目
的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、第1次射出成形により第1次半成形品を
成形し、第2次射出成形により、第1次半成形品に接触
する接触部分が融着一体化された第2次半成形品を成形
し、第3次射出成形により、第2次半成形品に接触する
接触部分が融着一体化された第3次半成形品を成形し、
以下同様にしてN回射出成形して得られる多層射出成形
品の融着部の強度を予測する予測方法であって、あらか
じめ、成形条件を変えて複数個の試験用多層射出成形品
を成形し、引っ張り試験機、剪断試験機等の融着部強度
評価手段により、その複数箇所の融着部の強度を求め、
射出充填する樹脂材料の温度、圧力、速度等の流動値を
予測する流動予測方法により、上記試験用多層射出成形
品の複数の成形条件のそれぞれについて、前記強度評価
箇所における、第2次以降の射出工程で既充填部分に接
触する接触部分が成形されるときの予測流動値である樹
脂材料の温度T(t)、圧力P(t)および速度V
(t)を予測し、前記実験で求められた融着部の強度
(s)と、前記流動予測方法により得られた予測流動値
{温度T(t)、圧力P(t)、速度V(t)}とか
ら、重回帰分析等の分析手段により、樹脂材料およびそ
の組み合わせ毎に一意に決定される、式:s=f{T
(t)、圧力P(t)、速度V(t)}、但し、t:時
間を決定し、別の実際の成形品を対象として流動予測を
行う際に、上記式に、前記流動予測方法により予測され
る、2次以降の射出工程で既充填部分に接触する接触部
分が成形されるときの予測流動値である温度T(t)、
圧力P(t)および速度V(t)を予測し、これらの予
測流動値を代入して、任意の実成形品の任意の箇所の融
着部の強度を予測するように構成される。請求項2に記
載の発明は、請求項1に記載の流動予測方法が、第1次
射出成形では、計算ソルバーに、金型温度、樹脂注入
量、樹脂圧力等の境界条件と、樹脂温度等の初期条件
と、金型、成形材料等の物性データとを入力して、第1
次計算により、第2次射出成形が始まる時刻までの、樹
脂の流速、圧力、温度、応力、歪等の流動値を計算し、
計算した最終結果を第1次流動予測値として記憶し、第
2次射出成形では、計算ソルバーに、記憶されている前
記第1次流動予測値を読み込んで初期条件として設定す
ると共に、前記第1次計算により充填された部分を含め
て計算対象とし、第2次計算により、第3次射出成形が
始まる時刻までの、樹脂の流速、圧力、温度、応力、歪
等の流動値を計算し、計算した最終結果を第2次流動予
測値として記憶し、引き続き、第3次以降の射出成形で
は、計算ソルバーに、記憶されている前次計算の流動予
測値を読み込んで初期条件として設定すると共に、前次
以前の計算により充填された部分を含めて計算対象と
し、次回の射出が始まるまで、樹脂の流速、圧力、温
度、応力、歪等の流動値を計算し、計算した最終結果を
流動予測値とする、以下同様にN回繰り返し計算して流
動予測値とするように構成される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。はじめに、多層あるいは多次射出成形品成形用の
評価金型、例えば前述したような固定金型とスライド金
型とを使用して、樹脂の識別、樹脂温度、金型温度、射
出率、射出圧力等の成形条件を変えて複数個の評価成形
品を成形する。この評価成形品は、先に成形した既充填
部分に、後で射出した部分が接触して融着一体化されて
いるので、融着部を有する。そこで、得られた評価成形
品の複数箇所の融着部の強度を求める。融着部の強度
は、従来周知の引っ張り試験機、剪断試験機、剥離強度
試験機等の試験機により、引っ張り強さ、剪断応力、剥
離力等として求める。求めた融着部の強度をsとする。
【0009】次に、評価成形品をモデル化し、後述する
流動予測方法により、評価成形品の成形における複数の
成形条件のそれぞれについて、第2次射出工程で既充填
部分に接触する接触部分が形成されるとき、およびその
前後の流動状態を予測する。この予測により得られた流
動値である、当該部分の樹脂材料の温度T(t)、樹脂
材料の射出圧力P(t)および射出速度V(t)と、先
に求めた融着部の強度sとを対比し、重回帰分析等の分
析手段により、樹脂材料およびその組み合わせ毎に一意
に決定される、次式(1)を求める。 s=f{T(t)、P(t)、V(t)} (1) 上記(1)式に、任意の実多層成形品における、第2次
以降の射出工程で既充填部分に接触する接触部分が形成
されるとき、およびその前後の予測流動値である樹脂の
温度T(t)、圧力P(t)および速度V(t)を予測
し、代入する。これにより、任意の実多層成形品の任意
の箇所の融着部の強度が予測される。
【0010】図1は、本実施の形態に係わる融着部強度
の予測プログラムのブロック線図であり、図1の上方部
分が流動予測装置部分を、そして下方部分が前記流動予
測装置により予測される予測流動値に基づいて融着強度
を演算し、表示する演算部を示している。本融着強度予
測方法の実施に使用される流動予測装置は、図1に示さ
れているように、形状モデラー1と、メッシュジェネレ
ータ2と、計算条件入力装置3と、成形条件入力装置4
と、Hele-Shaw 流れを仮定し、離散化した有限要素コー
ドで作成された計算ソルバー5と、融着部強度計算プロ
グラム、すなわち前述した(1)式、s=f{T
(t)、P(t)、V(t)}がプログラム化され、こ
の式により、融着部強度を演算する演算部7とから構成
され、さらには便宜上図示しないが、各種のデータある
いは予測流動値11〜20を記憶する記憶装置を備え、
また流動値を計算した計算結果表示装置6’、融着部強
度を予測した計算結果表示装置6等も備えている。
【0011】図1中における矢印は、各種のデータの流
れを示しているが、これらの矢印で示されているよう
に、成形品、金型のスプルー、ランナ、ゲート等の形状
が入力されるようになっている形状モデラー1は、入力
値を形状データ11として記憶し、この形状データ11
はメッシュジェネレータ2に入力されるようになってい
る。メッシュジェネレータ2は、前記形状データ11を
微小区画に分割し、得られた有限要素メッシュデータ
は、有限要素メッシュデータ12として記憶される。そ
して、有限要素メッシュデータ12は、計算ソルバー5
に入力されるようになっている。
【0012】計算時には、成形材料物性データベース1
3より、後述する成形条件データ内で指定された樹脂の
物性すなわち樹脂の粘度、比熱、密度等が計算ソルバー
5に読み込まれる。成形材料物性データ14は、複数個
の樹脂の物性データからなり、前回に成形した樹脂の物
性データである前次成形材料物性データ、前々回に成形
した樹脂の物性データである前々次成形材料物性データ
等からなっている。そして、この成形材料物性データ1
4は、第2次計算以降の計算において計算ソルバー5に
入力される。
【0013】成形品の形状、金型のスプルー、ランナ、
ゲートの大きさ、位置等の形状は、1次成形、2次成
形、、、と成形が進むにつれて変化するので、メッシュ
データ15も、複数個のメッシュデータすなわち前次有
限要素メッシュデータ、前々次有限要素メッシュデータ
等から構成され、これらのデータはメッシュジェネレー
タ2によって生成される。そして、このメッシュデータ
15は、第2次以降の計算の際に計算ソルバー5に入力
される。前次計算結果16は、計算ソルバー5より前次
計算結果として出力しておいたものを再度読み込むこと
になる。
【0014】計算条件入力装置3により入力されたもの
が計算条件データ17として記憶され、そして計算時に
計算ソルバー5に入力される。成形条件を入力する成形
条件入力装置4は、入力データを成形条件データ18と
して出力し、この成形条件データ18もまた計算時に計
算ソルバー5に読み込まれる。計算ソルバー5は、計算
完了後、計算結果19を出力した後、終了するように構
成されている。
【0015】次に、図1、2により計算例を説明する。
初めに、計算条件入力装置3により計算条件データ、す
なわち板厚方向分割数、計算時刻ステップ、必要に応じ
て金型材質の物性データ等を入力し、計算条件データ1
7として記憶させる。同様に、成形条件入力装置4によ
り、樹脂の識別、樹脂温度、金型温度、射出率、射出圧
力、成形サイクル等の成形条件を入力し、成形条件デー
タ18として記憶する。また、樹脂の物性である粘度、
比熱、密度、固化温度等を成形材料物性データベース1
3として記憶させておく。このとき、2次以降の成形時
の成形材料が異なるときは、これらの物性データも成形
材料物性データ14として記憶しておく。さらには、成
形品の形状、金型のスプルー、ランナ、ゲート等を形状
モデラー1に入力する。2次以降の成形時には成形品の
形状、金型のゲートは、形状が異なるので、これらの形
状も入力する。そうすると、形状データ11として記憶
され、メッシュジェネレータ2により生成された有限要
素メッシュデータは、有限要素メッシュデータ12およ
び有限要素メッシュデータ15として記憶される。有限
要素メッシュデータ12は、次の計算のときには有限要
素メッシュデータ15の中の前次の有限要素メッシュデ
ータとして取り扱われることになる。
【0016】成形条件データ18から成形条件を計算ソ
ルバー5に読み込む(図2においてステップS1)。同
様に、計算条件データ17から計算条件データを、成形
材料物性データベース13から成形材料物性データを、
そして有限要素メッシュデータを有限要素メッシュデー
タ12から読み込む(ステップS2〜S4)。ステップ
S5において、1次射出目かどうかを判断する。1次射
出目のときは、樹脂温度等の初期条件を設定して(ステ
ップ6)、非定常の計算ループ(a)に入り、金型温
度、樹脂注入量、樹脂圧力等の境界条件を設定して(ス
テップS7)、計算ソルバー5により計算終了時刻ま
で、各部における樹脂材料の流速、圧力、温度、応力、
歪等を計算する(ステップS8、S9、S10)。すな
わち、設定された次の成形サイクルに入る直前まで計算
する。その結果は、計算結果19として記憶される。ま
た、計算結果表示装置6’に表示される。これにより、
射出充填開始から成形品取り出しまで、各部における樹
脂材料の流速、圧力、温度、応力、歪等を知ることがで
きる。
【0017】上記のように、計算結果19が計算結果表
示装置6’に表示されると共に、計算結果19は、次の
計算ときには前次計算結果16として計算ソルバー5に
入力されることになる。ステップS5において、成形が
2次射出成形の時は、ステップS20の方へ分岐し、次
のように計算して、射出充填開始から2次成形品取り出
しまで、各部における樹脂材料の流速、圧力、温度、応
力、歪等が計算される。すなわち、ステップS20にお
いて、前次計算結果16に記憶されている1次計算結果
を読み込む。同様に、成形材料物性データ14に記憶さ
れている樹脂の物性データを読み込む(ステップS2
1)。この物性データは、1次成形と2次成形で成形材
料が異なるとき2次成形用樹脂の物性データが読み込ま
れる。また、メッシュデータ15として記憶されている
前次の有限要素メッシュデータを読み込む(ステップS
22)。そして、ステップS23において、これらのデ
ータをもとに、1次射出による充填部に対して、1次射
出の計算で設定された有限要素メッシュデータすなわち
メッシュデータ15と、樹脂の物性データの対応にした
がって最終形状全体の各場所(有限要素)の物性を設定
する。その後、主流れへ復帰する。これにより、前述し
たように、射出充填開始から3次成形開始すなわち2次
成形終了時まで、各部における樹脂材料の流速、圧力、
温度、応力、歪等が計算される。
【0018】3次射出成形により成形品を得るときの計
算は、ステップS20において、2次射出成形の計算結
果を読み込み、ステップS21、22では2次以前のす
べての樹脂の物性データと有限要素メッシュデータとを
読み込む。以下同様にして4次射出成形、5次射出成
形、、、、n次射出成形の計算をする。そして、計算結
果表示装置6’に表示する。
【0019】上記のようにして、各部における樹脂材料
の流速、圧力、温度、応力等の流動値が計算されるが、
融着部の強度を予測したい成形サイクルに達すると、す
なわち設定サイクルが終わる(ステップS9)と、計算
ソルバー5から予測流動値である樹脂材料の温度T
(t)、圧力P(t)および速度V(t)が出力される
(ステップS11)。そして、融着部強度計算プログラ
ム7に呼び込まれ、1式、s=f{T(t)、P
(t)、V(t)}により融着部の強度sが計算され
る。そして、予測結果21が計算結果表示装置6に表示
される(ステップS12、S13)。
【0020】樹脂材料の流動値の予測には、上記実施の
形態に限定されることなく、例えば運動方程式、連続の
式、構成方程式からなる基礎方程式から、ナビア・スト
ークスの方程式を導き、これを離散化して構成した非定
常数値解析ソルバーを使用することもできる。すなわ
ち、この非定常数値解析ソルバーに、金型温度、樹脂注
入量、樹脂圧力等の境界条件と、樹脂温度等の初期条件
と、金型、成形材料等の物性データとを入力して、射出
充填開始から成形品取り出しまで、各部における樹脂材
料の流速、圧力、温度等を計算して予測することともで
きる。この予測流動値を融着部強度計算プログラム7に
呼び込んで、同様にして融着部の強度sを計算すること
もできる。また、融着部強度計算プログラム7を非定常
数値解析ソルバーに組み込み、流動予測値の一部として
強度予測値を出力するように構成することも考えられ
る。
【0021】実施例:ポリプロピレン樹脂を使用して2
層射出成形品の融着部の強度のテストをした。第1次射
出により充填したポリプロピレン樹脂の既充填部に、第
2次射出によりポリプロピレン樹脂を射出して、18個
の2層射出成形品を得た。このとき、第2次射出完了時
のと圧力(kg/cm2)と充填中の最高温度(°C)
との積を異なるようにして成形した。それぞれの2層射
出成形品について、市販の引っ張り試験機により融着部
の引っ張り(強度)試験をした。その強度と、前述した
流動予測により得られた対応する位置での、上記圧力
(kg/cm2)と最高温度(°C)との積の関係を図
3に示す。この図3より、本テストに使用したポリプロ
ピレン樹脂については、前述した1式、s=f{T
(t)、P(t)、V(t)}は、s=K・Tmax・P
で表されることがわかる。
【0022】したがって、1式の代わりに、式、s=K
・Tmax・Pを、図1の融着部強度計算プログラム7に
プログラムしておき、図1には示されていないが、比例
係数入力装置により比例係数(K)を融着部強度計算プ
ログラム7に入力し、前述したように流動予測値すなわ
ち既充填部に、接触充填するときの各有限要素の充填完
了時の圧力(P)と充填中の最高温度(Tmax)とを読
み込めば、融着部の強度が計算され、そして計算結果表
示装置6に表示される。
【0023】
【発明の効果】以上ように、本発明によると、成形条件
を変えて複数個の試験用多層射出成形品を成形し、引っ
張り試験機、剪断試験機等の融着部強度評価手段によ
り、その複数箇所の融着部の強度を求め、そして射出充
填する樹脂材料の温度、圧力、速度等の流動値を予測す
る流動予測方法により、上記試験用多層射出成形品の複
数の成形条件のそれぞれについて、強度評価箇所におけ
る、第2次以降の射出工程で既充填部分に接触する接触
部分が成形されるときの予測流動値である樹脂材料の温
度T(t)、圧力P(t)および速度V(t)を予測
し、求めた強度と予測した流動値とから関係式、s=f
{T(t)、圧力P(t)、速度V(t)}を決定して
おけば、上記式に予測流動値を入力するだけで、種々の
成形条件、金型等に対して机上で、安価に多層射出成形
品の融着部の強度を予測することができる。しかも、本
発明によると、第2次以降の射出工程で既充填部分に接
触する接触部分が成形されるときの予測流動値が使用さ
れているので、従来の成形条件のみにより予測する場合
に比較して、成形品の形状、成形条件等によらず、正確
に融着部の強度を予測することができるという、本発明
特有の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる多層射出成形品の融着部強度
の予測方法の実施に使用される融着部強度の予測装置の
例を示すブロック線図である。
【図2】 図1に示されている流動予測装置の作用を示
すフローチャートである。
【図3】 本発明の1実施例を示す図で、融着部の強度
と、温度と圧力との積との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 形状モデラー 2 メッシュジェネレータ 3 計算条件入力装置 4 成形条件入力装置 5 計算ソルバー 6 計算結果表示装置 7 融着部強度計算プログラム 11〜20 計算結果
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年1月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1次射出成形により第1次半成形品を
    成形し、第2次射出成形により、第1次半成形品に接触
    する接触部分が融着一体化された第2次半成形品を成形
    し、第3次射出成形により、第2次半成形品に接触する
    接触部分が融着一体化された第3次半成形品を成形し、
    以下同様にしてN回射出成形して得られる多層射出成形
    品の融着部の強度を予測する予測方法であって、 あらかじめ、成形条件を変えて複数個の試験用多層射出
    成形品を成形し、引っ張り試験機、剪断試験機等の融着
    部強度評価手段により、その複数箇所の融着部の強度を
    求め、 射出充填する樹脂材料の温度、圧力、速度等の流動値を
    予測する流動予測方法により、上記試験用多層射出成形
    品の複数の成形条件のそれぞれについて、前記強度評価
    箇所における、第2次以降の射出工程で既充填部分に接
    触する接触部分が成形されるときの予測流動値である樹
    脂材料の温度T(t)、圧力P(t)および速度V
    (t)を予測し、 前記実験で求められた融着部の強度(s)と、前記流動
    予測方法により得られた予測流動値{温度T(t)、圧
    力P(t)、速度V(t)}とから、重回帰分析等の分
    析手段により、樹脂材料およびその組み合わせ毎に一意
    に決定される、 式:s=f{T(t)、圧力P(t)、速度V
    (t)}、但し、t:時間を決定し、 別の実際の成形品を対象として流動予測を行う際に、上
    記式に、前記流動予測方法により予測される、2次以降
    の射出工程で既充填部分に接触する接触部分が成形され
    るときの予測流動値である温度T(t)、圧力P(t)
    および速度V(t)を予測し、これらの予測流動値を代
    入して、任意の実成形品の任意の箇所の融着部の強度を
    予測することを特徴とする、多層射出成形品の融着部強
    度の予測方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の流動予測方法が、第1
    次射出成形では、計算ソルバーに、金型温度、樹脂注入
    量、樹脂圧力等の境界条件と、樹脂温度等の初期条件
    と、金型、成形材料等の物性データとを入力して、第1
    次計算により、第2次射出成形が始まる時刻までの、樹
    脂の流速、圧力、温度、応力、歪等の流動値を計算し、
    計算した最終結果を第1次流動予測値として記憶し、第
    2次射出成形では、計算ソルバーに、記憶されている前
    記第1次流動予測値を読み込んで初期条件として設定す
    ると共に、前記第1次計算により充填された部分を含め
    て計算対象とし、第2次計算により、第3次射出成形が
    始まる時刻までの、樹脂の流速、圧力、温度、応力、歪
    等の流動値を計算し、計算した最終結果を第2次流動予
    測値として記憶し、引き続き、第3次以降の射出成形で
    は、計算ソルバーに、記憶されている前次計算の流動予
    測値を読み込んで初期条件として設定すると共に、前次
    以前の計算により充填された部分を含めて計算対象と
    し、次回の射出が始まるまで、樹脂の流速、圧力、温
    度、応力、歪等の流動値を計算し、計算した最終結果を
    流動予測値とする、以下同様にN回繰り返し計算して流
    動予測値とする流動予測方法である、多層射出成形品の
    融着部強度の予測方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113118464A (zh) * 2020-01-14 2021-07-16 丰田自动车株式会社 强度预测方法和存储介质
JP2021146663A (ja) * 2020-03-23 2021-09-27 住友電装株式会社 複合成形部品の製造方法及び複合成形部品

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