JPH11156789A - 切断方法および切断装置 - Google Patents

切断方法および切断装置

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JPH11156789A
JPH11156789A JP33776097A JP33776097A JPH11156789A JP H11156789 A JPH11156789 A JP H11156789A JP 33776097 A JP33776097 A JP 33776097A JP 33776097 A JP33776097 A JP 33776097A JP H11156789 A JPH11156789 A JP H11156789A
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cut
cutting
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work
cutting blade
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Yukiyasu Nishimura
幸恭 西村
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  • Processing Of Stones Or Stones Resemblance Materials (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 切断刃の内周エッジによる抵抗を完全に解消
して、切断刃の基体のたわみを防いで切断精度を向上さ
せ不良品の発生を防止するとともに、切断作業能率が向
上し、切断された加工品への切粉の付着なくすことがで
きる。 【解決手段】 回転する切断刃3に被切断ワークWを近
接移動して該被切断ワークWを分断する切断方法におい
て、被切断ワークWを切断刃3へ向けて近接移動させ該
被切断ワークWを分断し、その後に前記近接移動方向と
逆方向へ切断された被切断ワークを返送することを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、砥粒層を有する円
形の回転切断刃を使用して、金属やセラミックスなどの
被切断ワークを切断する切断方法および切断装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、希土類磁石などの硬脆材料を薄板
状に切断加工するのに、スライシング切断装置(スライ
サとも称される)が用いられている。このスライシング
切断装置は、回転する円形の切断刃を備え、この切断刃
に被切断ワークを近接移動させて切削加工を行うもので
ある。この従来の切断装置の一例を図8〜図10に基づ
いて以下に説明する。図8は従来例の被切断ワークの切
断装置を示す概略側面図、図9は図8のテーブルを水平
移動して、近接配列した被切断ワークのうち例えば5列
以上(図では5列)を回転する切断刃で同時に切断する
状態の拡大側面図、図10は切断刃による被切断ワーク
の切断状態を示す断面図であり、例えば円筒状の被切断
ワークWは接着剤Adを介して固定具011に固着され
る。
【0003】この固定具011の上面側には複数の溝
(後述する切断刃を通過させるもので、図の左右方向に
沿って刻まれる)が形成されると共に、被切断ワークW
の外形形状に合わせた凹部011bが形成されている。
【0004】一方、円形の切断刃3は通常複数枚が所定
の切断間隔に合わせて平行に配列されており(図の紙面
貫通方向)、軸30の回転によって回転するように構成
されている。この切断刃3は図8〜図10に示すように
基体31の外周縁に砥粒層32が形成されており、砥粒
層32にダイヤモンド粉などの切削材料が含まれ、被切
断ワークWの一部を近接方向に沿って削るように切断す
る。
【0005】すなわち、切断刃3は水平テーブルTから
少し離れた位置で高速回転しておき、固定具011を水
平テーブルT上を滑らすように図8で実線の矢印で示す
水平方向に近接移動させ、被切断ワークWを切断刃3へ
押し当てて、被切断ワークを例えばミリメートル単位の
厚さに分断加工する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来例
のようなスライシング切断加工においては、切断刃のた
わみによる切断精度の低下が問題となっており、たわみ
の発生が切断刃3の砥粒層32の形状に起因することが
判明するに至っている。すなわち、図10に示すように
切断刃3の基体31の厚さは砥粒層32の幅より薄く形
成され、基体31と砥粒層32の間には砥粒層の内周エ
ッジ32aが形成されることになる。そして、この内周
エッジ32aの角部は正確な直角ではなく、使用中にど
うしてもこの部分には微小な湾曲部分(エッジ部の丸
み)が形成されてしまう。その結果、この湾曲部分が被
切断ワークWに干渉すると刃厚方向に切削抵抗分力が作
用し、基体31のたわみに大きな影響を与え、切断精度
の低下という不具合を生じることが判った。
【0007】すなわち、上記従来のスライシング切断装
置は、図8及び図9に示す如く、切断効率を高めるため
に、水平テーブルT上に固定した固定具011に、多数
の凹部011b・・・011b(例えば10〜20列)
を近接して形成し、各凹部011bに被切断ワークW
(図9ではW1〜W8)を載置し、複数の被切断ワーク
W(図9では5列)を同時に切断刃3によって切断する
ようにしている。
【0008】この場合、図9に沿って説明すると、切断
刃3の入口側の接触面32bは、図9の左側の2個の被
切断ワークW5、W6により切断抵抗を受けている。そ
れとともに、切断刃3の出口側の内周エッジ32aは、
同図の右側の2個の被切断ワークW2、W3により内周
エッジの抵抗を受けている。従って、上記従来例のスラ
イシング切断装置では、前記の如き切断抵抗だけでな
く、内周エッジの抵抗に起因して、切断時において切断
刃3の基体31がたわみ前述したように切断精度が低下
し、不良品の発生を来すことがあった。
【0009】仮に、前記固定具011に形成する多数の
凹部011b・・・011b同士間の離間距離を長くし
て、切断刃3で同時に切断する被切断ワークWを例えば
1個または2個の如く少なくしても、切断刃3の入口側
では切断抵抗を、出口側では内周エッジ32aの抵抗を
それぞれ受けており、上記欠点を解消できないものであ
った。また、上記凹部011b、011b同士間の離間
距離を長くすればするほど、図8及び図9で示す従来例
のものに比べて切断効率が悪くなると共に、切断済みワ
ークと未切断ワークとの取替え回数が増加する欠点があ
った。
【0010】また、上記従来例の切断装置では、切断刃
3によって切断加工を終了して製品となる被切断ワーク
WPは、加工前の位置に戻されて製品として取り出され
た後に、未加工の被切断ワークWを多数列に亘り配列し
固着した別個の固定具011と一括して交換され、次の
切断加工が行われる。このような一連の作業を繰り返し
て行なう。しかしながら、この固定具011の交換作業
の間は、切断刃3の回転を一時停止することが必要で、
そのため間欠的な運転が強いられ、この交換時間を含め
た切断加工処理時間は長くなり、効率的な加工が行われ
ないという問題があった。
【0011】さらに、切断刃3の上部からは、冷却およ
び洗浄のために切削液が切断部分に吹きかけられるが、
この切削液は固定具011の底部に滞留し、再び切断刃
で持ち上げられて被切断ワークの切断面に付着する。し
かも切削液中に混入した切粉は切断刃3の後方へ送ら
れ、切断して製品となるワークの切断面に付着したまま
切断加工が終了し、加工製品に多くの切粉が付着して、
後工程でさらなる洗浄作業を行わなければならないとい
う不都合があった。
【0012】本発明は、上記従来の問題点を解決しよう
とするものであって、切断刃の内周エッジによる抵抗を
完全に解消して、切断刃の基体のたわみを防いで切断精
度を向上させ不良品の発生を防止するとともに、切断作
業能率を向上し、切断刃の回転を止めることなく連続的
な切断加工が行え、しかも加工後の被切断ワークに対し
て切粉の付着が少ない切断方法および切断装置を提供す
ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の切断方法におい
ては、回転する切断刃に対して被切断ワークを近接移動
させて該切断ワークを分断し、その後に前記近接移動方
向とは逆方向へ被切断ワークを離反移動させて返送する
ことを特徴とする。これにより、切断刃の回転力が被切
断ワークに対する押圧分力(刃厚方向への切断抵抗分
力)として作用する割合を低減でき、切断刃における切
断抵抗は小さくなって、スムーズな切断加工を可能とす
る。
【0014】特に、切断刃が基体の外周に砥粒層を形成
したものについては、砥粒層の内周面のエッジ部の丸み
に起因する刃厚方向の分力は、切断刃の入側と出側の長
さをバランスさせることによって小さくし、上記基体の
たわみ量を低減する。そのため、切断刃の切断抵抗は小
さくなって、寸法精度の高い切断加工が可能となる。
【0015】上記被切断ワークを切断刃へ向けて近接移
動する際に、該被切断ワークの進行方向と切断刃の接線
とが交差する角度(進退角度)は、90度が最適である
が、90度前後でもよく、被切断ワークへの押圧分力を
小さく保てて切断刃のたわみ量も小さく、且つ切粉のは
ね上げも少なくできる角度であれば適宜選定できる。
【0016】また、請求項2の発明は、切断刃は、基体
と、該基体の外周縁に形成された砥粒層とからなり、回
転する切断刃に被切断ワークを近接移動して該被切断ワ
ークを分断する切断方法において、複数個の被切断ワー
クを支持し、その中の1つを切断刃に対向する位置にセ
ットし、そして、切断刃の接線とほぼ直交する方向から
被切断ワークを切断刃へ向けて近接移動させて該被切断
ワークを分断し、その後に、前記近接移動方向と逆方向
へ被切断ワークを返送し、切断加工を終えた被切断ワー
クと次に加工する被切断ワークを自動的に位置変換し、
連続的に被切断ワークを切断加工することを特徴とす
る。
【0017】この請求項2の発明によれば、複数の被切
断ワークを支持して、そのうちの1つを切断加工し、切
断加工の終了した被切断ワークと未加工の被切断ワーク
を順次交換して加工を行う方式を採用しているので、切
断加工を連続的に実施して効率の高い生産を可能とす
る。
【0018】本明細書において、被切断ワークとは、金
属、セラミックス、合成樹脂などいずれの材料を対象と
するものであっても良く、その形状は円筒形、円板形、
C字形、矩形、断面多角形など任意のものから選定でき
る。特にCDプレーヤなどの小型モータに使用される希
土類磁石などの硬脆材料に対して高い加工性を発揮す
る。また、切断刃に対する被切断ワークの近接/離反方
向(進退方向)は左右方向、上下方向に限らず、その切
断刃周囲の任意の方向から進退移動させるものであって
も構わない。
【0019】本発明の請求項3の切断装置は、回転台座
に複数個の被切断ワークを支持固定するワーク支持手段
と、前記回転台座を所定角度ずつ回動させる回動手段
と、複数個の被切断ワークのうちの1つを、切断刃に対
向する位置にセットする位置決め手段と、上記の被切断
ワークを切断刃に向けて近接および離反移動させる移動
手段と、切断加工を終了した被切断ワークと未加工の被
切断ワークを交換するワーク交換手段とを備えてなるこ
とを特徴とする。すなわち、ワーク保持手段によって複
数個の被切断ワークを支持しておき、移動手段によって
切断刃への近接および離反移動を行って切断加工を実施
し、さらに回動手段、位置決め手段、ワーク交換手段に
よって加工の終了した被切断ワークと未加工の被切断ワ
ークを次々に交換して切断加工を行うようにしているの
で、被切断ワークの交換時に切断刃の回転を一時停止す
ることなく連続的な加工を可能とし、従来装置に比較し
て効率的な加工を可能とした。
【0020】本発明の具体的な装置としては、請求項4
に示すように次の構成を採ることができる。すなわち、
フレームに設けたレールに往復移動自在に設けた摺動テ
ーブルと、この摺動テーブル上に回転可能に軸支された
回転台座と、回転台座の外周面の等配位置に複数個配置
された支持台に着脱自在に設けられ、かつ切断刃を通す
溝を有するとともに被切断ワークを固着する固定具と、
回転台座を所定角度ずつ回転するように該回転台座に接
続された流体圧シリンダーと、固定具にそれぞれ固着さ
れている複数の被切断ワークのうちの1つを切断刃に対
向する位置にセットするために、回転台座の側面に形成
した複数の凹部に対して係脱自在に係合するロッドを備
えた位置決めシリンダーと、固定具に固着されている被
切断ワークを切断刃に向けて近接又は離反移動させるた
めに、摺動テーブルに設けた雌ねじ部つきの移動子と、
この移動子の雌ねじに螺合したスクリュー軸とを備えて
いることを特徴とする切断装置である。
【0021】これを更に詳しく説明する。ワーク支持手
段としては、断面が例えば正n角形(nは3以上)で、
その両側面を軸で軸支した回転台座と、回転台座の外周
面の等配位置に複数個配設した支持台と、該支持台に着
脱自在に設けた固定具とで構成する。前記回転台座を所
定角度(例えば360/n)度ずつ回転するように、該
回転台座には回動手段としてエアシリンダー等の流体圧
シリンダを接続する。位置決め手段としては、回転台座
の側面に複数個(n個)形成した凹部と、この凹部に対
して係脱自在に係合するロッドを有する位置決めシリン
ダーとで構成している。移動手段としては、前述の摺動
テーブルやレールの他に、摺動テーブルに設けた雌ねじ
つきの移動子や、該移動子の雌ねじに螺合したスクリュ
ー軸等からなっており、この移動手段により、前記回転
台座を載せた摺動テーブルは水平方向に往復移動され
る。一方、上記回転台座が水平方向に往復移動される移
動軌跡の延長線上には、複数の切断刃からなる回転する
切断刃を配設する。ワーク交換手段としては、上記回転
台座において、切断刃に対向する位置を除く任意の位置
で、手作業または自動機によって、加工済の被切断ワー
クと未加工の被切断ワークを交換(固定具と共に一括し
て)することとする。
【0022】これによって、回転台座に支持された複数
個の被切断ワークは、順次に切断刃によって切断加工で
き、切断刃の回転を一時停止することなく効率的な切断
加工を行える。また、被切断ワークは切断刃の側部方向
から近接/離反移動するので、回転台座の回転方向を反
時計方向とすることにより、切断刃の上部から切削液を
下方へ向けて噴出させた時に、切断済みの被切断ワーク
を載せた固定具は反時計方向に回動されて上方位置にあ
ることから、切削液が固定具の底部に滞留するようなこ
となく速やかに排出されるとともに、加工中の被切断ワ
ークの切粉は落下され、その切粉が次工程の被切断ワー
クへ付着するようなことはなく、確実に除去できる。
【0023】ワーク支持手段は、断面が3角形、4角
形、5角形など任意の多角形を採用でき、正多角形に限
らず変形した多角形その他の形状であっても良い。また
回転台座の全ての外周面に被切断ワーク用の支持台を形
成する必要はなく、2以上の被切断ワークを支持するも
のであれば、その数およびその支持機構は何らの制限を
受けることはない。回動手段は、シリンダーを駆動源と
するクランク機構に限らず、ステッピングモータやサー
ボモータなどを駆動源とする回転機構などであってもよ
い。
【0024】位置決め手段は、シリンダーを用いたもの
に限らず、位置センサや角度センサを利用した電気的な
位置決め装置であっても構わない。ワーク交換手段は、
被切断ワークの回転台座への支持形態に合わせて、手動
または自動機を採用して切断加工位置にない被切断ワー
クの任意数を任意の方向から交換するものならば、全て
本発明に含まれる。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図1〜図7
に基づいて以下に説明する。図1は図2の一部拡大側面
図、図2は本発明に係る切断装置の全体を示す概略側面
図、図3は本発明の切断装置の全体の概略平面図、図4
は被切断ワークと固定具と支持台の取付け構造を示す拡
大側面図、図5は図4の平面図、図6は固定具と被切断
ワークの分解斜視図、図7は図3に示した位置決め手段
の概略斜視図である。
【0026】本発明の切断装置は、フレーム1に設けた
レール22に往復移動自在に設けた摺動テーブル21
と、回転台座11に複数個の被切断ワークWを支持固定
するワーク支持手段10と、前記回転台座11を所定角
度ずつ回動させる回動手段17と、複数個の被切断ワー
クW・・・Wのうちの1つを、切断刃3に対向する位置
にセットする位置決め手段40と、上記の被切断ワーク
Wを切断刃3に向けて近接および離反移動させる移動手
段20と、切断加工を終了した被切断ワークと未加工の
被切断ワークを交換するワーク交換手段とからなってい
る。
【0027】ワーク支持手段10としては、前記摺動テ
ーブル21上に両側面を軸11aで回転可能に軸支した
六角形状の回転台座11と、回転台座11の外周面の等
配位置に複数個配設した支持台12と、該支持台12に
着脱自在に設けられ、かつ切断刃3を通す溝13aを有
するとともに被切断ワークWを固着する固定具13とか
らなっている。なお、回転台座11の両側面から突出し
た軸11aは台座11b、11bを介して前記摺動テー
ブル21に回転自在に軸支されている(図3参照)。
【0028】図4及び図5において、破線で示した円筒
形の被切断ワークWは、固定具13に形成した凹部13
bに接着剤Adなどの接着手段により固着される。上記
凹部13bの曲率は被切断ワークWの曲率に合致するよ
うに加工されており、被切断ワークWの外周の一部を確
実に支持するように構成されている。また固定具13は
押え板12a,12aによって支持台12に着脱自在に
取付けられ、ボルト12b・・・12bを緩めることに
よって固定具13を図4で紙面貫通方向にスライドする
ことで簡単に取り外せる。
【0029】この固定具13には、図5に示すように被
切断ワークWの移動方向と交差する方向に一定間隔をお
いて多数の突条13cが形成され、これらの突条13
c、13c同士間に多数の溝13a・・・13aを形成
し、この溝13a内に切断刃3が進退することによって
切断刃が余分な部材を切削するのを防止する。すなわち
所定の切断厚さに合わせて配列される複数枚の切断刃は
被切断ワークWのみに接触してこれを所定厚さに切断す
る。
【0030】支持台12は正6角形の回転台座11の各
外周面に6つ設けられ(ワーク支持手段)、それぞれの
支持台12に被切断ワークWが固定具13を介して着脱
自在に取付けられる。
【0031】回転台座11の一方の側面には、回動手段
17としてのエアシリンダー等からなる流体圧シリンダ
ー18のピストンロッドの先端部18aが接続され、該
流体圧シリンダー18を拡縮することによって回転台座
11を図2で破線矢印方向へ回動させる。すなわち、図
2に示すように、この回動手段17により、回転台座1
1の周りに配設された6つの支持台12及び固定具13
を位置P1からP6へ順次移動させる。そして、位置P
1に保持された支持台12(固定具13)を後述する移
動手段20によって水平移動し、破線に示す位置P0へ
移行させ、この支持台12に支持した被切断ワークWを
切断加工する。
【0032】なお、図3に示すように回転台座11の一
方側の側面に隣接して、位置決め手段40として位置決
めシリンダー41(エアシリンダ)が設けられ、この位
置決めシリンダー40から進退されるロッド41aによ
って切断刃3に対向する水平位置に1つの支持台12
(固定具13)をセットする。すなわち、図7に示すよ
うに回転台座11の側面11cには正確に等分された
(60度間隔)位置に6つの凹部11d・・・11dを
設け、この凹部11dの1つに上記位置決めシリンダー
40のロッド41aが係合した位置で回転台座11の回
動が停止するように構成されている。上記流体圧シリン
ダー18の筒部は台座19を介して摺動テーブル21に
揺動自在に軸支されている。
【0033】移動手段20としては、前述した摺動テー
ブル21とレール22のほかに、摺動テーブル21に設
けた雌ねじ23cつきの移動子23bと、この移動子2
3bの雌ねじ23cに螺合したスクリュー軸24などか
らなっている。
【0034】摺動テーブル21の下部には図2に示す通
り摺動体23a,23aが固定され、これら摺動体23
aはフレーム1に設けたレール22に嵌合され、水平方
向(図2の左右方向)へ移動自在に載置される。この摺
動テーブル21の下部には移動子23bが配設され、こ
の移動子23bの下部には雌ねじ23cが設けられてい
る。そして該雌ねじ23cはフレーム1に軸支されたス
クリュー軸24に螺合され、該スクリュー軸24はプー
リ24a,べルト25を介してサーボモータ26に接続
されている。従って、サーボモータ26を正逆いずれか
の方向へ回転させることによって、摺動テーブル21を
レール22に沿わせて進退移動するように構成されてい
る。
【0035】回転台座11の側部には、図3に示す如く
複数枚からなる切断刃3が回転自在にフレーム1に取付
けられている。すなわち、図3に示すように切断刃3を
取り付けた軸30は軸受38を介してフレーム1に固定
され、その端部は駆動モータ37に連結されている。な
お、この切断刃3の上方位置には噴射ノズルを備えた切
削液供給管39が設けられ、被切断ワークWおよび切断
刃3の接触領域へ切削液を吹きかけ、切粉の除去および
切削部分の冷却を行う。この切削液の噴出部分には開閉
シャッターを設けて、切削液の飛散を防止することが望
ましい。
【0036】本発明の被切断ワークの切断方法を上記切
断装置を使って以下に説明する。すなわち、図2に示す
ように、切断刃3に対向する位置P1にある被切断ワー
クWを、移動手段20である摺動テーブル21によって
位置P0へ水平移動させ、固定具13に固着された被切
断ワークWを切断刃3によって分断加工する。上記の水
平移動は、サーボモータ26を駆動してスクリュー軸2
4を回転し、このスクリュー軸24に螺合された雌ねじ
23cを介して移動子23bを水平移動し、レール22
上を摺動体23a,23aを滑らせて摺動テーブル21
全体を水平移動させる。つまり、被切断ワークWを分断
する時には、摺動テーブル21を図2において右方向へ
移動して該被切断ワークWを切断刃3で切断する。切断
終了後には、前記摺動テーブル21を左方向へ移動す
る。
【0037】図1に示すように、この切断加工におい
て、固定具13に固着された被切断ワークWは、矢印に
示す如く切断刃3の接線とで形成する角度aを90度の
角度を保って、切断刃3に近接および離反移動(進退移
動)する。したがって、切断刃3の回転に起因する被切
断ワークWを固定具13側へ押し付ける分力は小さく済
み(他の進退角度に比較して)、かつ切断刃3の内周エ
ッジによる抵抗が完全に解消して切断刃のたわみが防止
される。
【0038】上記被切断ワークの進退移動方向は、切断
刃3の接線とで形成する角度aが90度の場合が最適で
あるが、例えば80度、45度、100度、135度等
でもよく適宜設計変更することができる。
【0039】切断刃3が、図8に示すように基体31と
砥粒層32で形成されたものにあっては、図1の破線に
示す位置に被切断ワークWを移動した場合を考えると、
基体31と砥粒層32の境である内周エッジ32aは、
ワークWへの入り側長さE1と出側長さE2がちょうど
半分にバランスされると共に、内周エッジ32a(図1
0参照)の湾曲部で発生する刃厚さ方向への分力は、接
触機会が低減されて、基体31のたわみは防止される。
【0040】被切断ワークWを支持固定するワーク支持
手段の一部を形成する回転台座11は、図2で下方から
上方へ被切断ワークを移送するように反時計方向に回動
する一方、切削液は切削液供給管39を介して切断刃3
の上部から流下するように、切断刃3と被切断ワークW
の接触部へ吹き付けられるようにしているので、切粉を
含んだ切削液は速やかに下方の集液部に回収され、回転
台座11や摺動テーブル21などの他部材に切削液や切
粉が飛散するようなことはない。切断刃3の回転方向は
図2の矢印に示すように上記切断刃と被切断ワークの接
触部から下へ向かって回転する(図では反時計回り)こ
とが、切削液の飛散を防ぎ回収を簡単にする上で好まし
いが、逆方向の回転であっても開閉シャッターによって
その飛散は抑えられ、また後述するように未加工の被切
断ワークWに切削液がかかることもない(位置P6は下
方で奥に退避しているから)。
【0041】本発明の切断方法においては(図1参
照)、被切断ワークWの水平移動は切断刃3を越えて移
動させることはできないので、被切断ワークWの分断が
終了した後は、スクリュー軸24を逆回転(サーボモー
タ26を逆回転)させて摺動テーブル21を返送移動
(図の左方向)へ移動させ、切断された被切断ワークW
を切断刃3から離反させなけばならない。このとき、切
断された被切断ワークWの切削面は切断刃3の切断面を
再度通過することになるので、この切断された切断ワー
クの切削面に付着した切粉は切断刃3の切断面との接触
により除去される。
【0042】上述のように切断加工の終了した支持台1
2(固定具13)は図2で位置P1に戻され、次いで位
置決め手段用のシリンダー41による位置決め作用を一
時解除して、流体圧シリンダー18を操作(拡長または
収縮)して回転台座11を反時計方向に60度回動させ
る(図2の破線矢印方向)。そして上記位置決めシリン
ダ41を操作して固定台座11の次の凹部11dにその
ロッド41aを係合して(図7参照)位置決めを行い、
位置P6にあった支持台12(固定具13)を位置P1
へ移動して上述の切断加工を行う。同様にして、回転台
座11を反時計方向に60度ずつ回転して切断加工を順
次に繰り返して、切断刃3の回転を中断することなく連
続的な切断加工を実施する。
【0043】ワーク交換手段としては、位置P2からP
6にある固定具13(加工済の被切断ワークWを支持し
ているもの)を支持台12から外して、未加工の被切断
ワークWを固着した新しいものと交換する。この交換は
上記の位置P2からP6のいずれの位置であってもよい
し、一度に1つ、2つ、3つなど6以下の任意の個数を
一度に交換するようにしてもよい。また交換方法は手動
で行ってもよいし、あるいは位置P2からP6のいずれ
かに隣接して自動交換機と固定具供給装置を併設してお
き自動的に交換するもののいずれであっても構わない。
なお、固定具13(被切断ワーク)の交換は摺動テーブ
ル21を切断刃3から退避した位置に移動させた時に行
うのが、切断加工に支障をきたさないために推奨される
が、被切断ワークWの切断加工中(若干の水平移動が伴
う)にこの交換を行うように構成してもよい。
【0044】本発明の装置および方法は上述の例に限定
されず、以下に示すようなものであってもよい。ワーク
支持手段10として用いられる回転台座11は断面形状
が正6角形のものに限らず、n角形(nは3以上)以上
のものでもよく、正多角形だけでなく変形した多角形で
あってもよいし、この回転台座11は中空または中実構
造のいずれであってもよい。本発明が実施化できるもの
であれば回転台座11の形状はその他の形状でもよい。
【0045】固定具13と支持台12との取付け構造
は、前述の押さえ板12aとボルト12bによるものだ
けでなく、フック構造やスライド構造を利用して着脱自
在に取り付けられるものであればよい。
【0046】回動手段17としては、クランク機構とシ
リンダの組み合わせだけでなく、ベルト、チェーン、歯
車を介してステッピングモータや油圧モータに連結され
るものであってもよい。
【0047】位置決め手段40としては、上記位置決め
シリンダー41のロッド41aと回転台座11の凹部1
1dとの係合構造に限定されず、位置検知センサや角度
検知センサを制御装置を介して電動モータに接続する構
造や、ラチエット機構を組み込んで位置決めの角度を正
確に規定するものであればよい。
【0048】移動手段20は、上述の如く、摺動テーブ
ル21をレール22上でスクリュー軸24を使って水平
移動するものに限らず、その他、シリンダやモータを駆
動源として回転台座を上下方向または斜め方向に進退移
動する構造のものであれば、公知のエレベータ機構や進
退機構を利用したものであってもよい。
【0049】
【発明の効果】本発明の請求項1の切断方法によれば、
被切断ワークを切断する際の切断刃の内周エッジによる
抵抗が解消されて切断刃のたわみが防止されるため、切
断精度を向上させ不良品の発生が防止されるとともに、
切断作業能力が向上される。それだけでなく、切断刃自
体における抵抗負荷だけでなく、その軸受けや駆動源の
負担を軽減できる。さらに製品への切粉の付着が少なく
できる。
【0050】請求項2の切断方法によれば、基体と砥粒
層によって形成される切断刃のたわみ挙動を確実に抑え
ることができ、上記効果に加えて、切断刃の偏磨耗や切
断抵抗の発生を少なくできるため、切断作業能力が更に
向上されるとともに、寸法精度の高い切断加工が可能と
なる。また、加工済みの被切断ワークと未加工の被切断
ワークを交換して、順次切断加工を行うので、連続的で
効率の高い生産が可能となる。
【0051】上記請求項1および2の方法によれば、切
断した被切断ワークは、切断刃からの返送時に切断刃が
該加工済みの被切断ワークの切断面をなぞる如く返送す
るので、切断面に付着した切粉の除去が行えるため、切
断工程後の洗浄工程が簡略化できる。
【0052】請求項3、4の切断装置によれば、回転さ
れている切断刃に対して被切断ワークを連続的に供給で
きることとなり、切断刃の回転を中断することなく、効
率的な切断加工が行えるとともに、切断作業能力が向上
される。また、切断加工中または退避時の如何にかかわ
らず、加工済の被切断ワークと未加工の被切断ワークを
任意数で任意の位置で、手動または自動機によって交換
でき、交換作業に要する時間が短縮できるようになる。
さらに、切断作業中に排出される切粉は自重で落下され
るので、その切粉が次工程の被切断ワークへ付着するこ
とがなく、確実に除去される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る切断装置の全体の概略を示す図2
の一部拡大側面図である。
【図2】本発明に係る切断装置の全体の概略側面図であ
る。
【図3】本発明に係る切断装置の全体の概略平面図であ
る。
【図4】被切断ワークと固定具と支持台の取付け構造を
示す拡大側面図である。
【図5】図4の平面図である。
【図6】固定具と被切断ワークの分解斜視図である。
【図7】図3に示した位置決め手段の概略斜視図であ
る。
【図8】従来例の切断装置の概略側面図である。
【図9】図8のテーブルを水平移動した状態の一部拡大
側面図である。
【図10】切断刃による被切断ワークの切断状態を示す
断面図である。
【符号の説明】
1 フレーム 3 切断刃 10 ワーク支持手段 11 回転台座 11d 凹部 12 支持台 13 固定具 13a 溝 13b 凹部 17 回動手段 18 流体圧シリンダー 20 移動手段 21 摺動テーブル 22 レール 23a 摺動体 23b 移動子 23c 雌ねじ 24 スクリュー軸 25 ベルト 26 サーボモータ 31 基体 32 砥粒層 32a 内周エッジ 32b 接触面 37 駆動モータ 39 切削液供給管 40 位置決め手段 41 位置決めシリンダー 41a ロッド W 被切断ワーク

Claims (4)

    【整理番号】 P711217 【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転する切断刃に被切断ワークを近接移
    動して該被切断ワークを分断する切断方法において、 被切断ワークを切断刃へ向けて近接移動させ該被切断ワ
    ークを分断し、その後に前記近接移動方向と逆方向へ被
    切断ワークを返送することを特徴とする切断方法。
  2. 【請求項2】 切断刃は、基体と、該基体の外周縁に形
    成された砥粒層とからなり、回転する切断刃に被切断ワ
    ークを近接移動して該被切断ワークを分断する切断方法
    において、 複数個の被切断ワークを支持し、その中の1つを切断刃
    に対向する位置にセットし、 そして、切断刃の接線とほぼ直交する方向から被切断ワ
    ークを切断刃へ向けて近接移動させて該被切断ワークを
    分断し、その後に、前記近接移動方向と逆方向へ被切断
    ワークを返送し、 切断加工を終えた被切断ワークと次に加工する被切断ワ
    ークを自動的に位置変換し、 連続的に被切断ワークを切断加工することを特徴とする
    切断方法。
  3. 【請求項3】 回転台座に複数個の被切断ワークを支持
    固定するワーク支持手段と、 前記回転台座を所定角度ずつ回動させる回動手段と、 複数個の被切断ワークのうちの1つを、切断刃に対向す
    る位置にセットする位置決め手段と、 上記の被切断ワークを切断刃に向けて近接および離反移
    動させる移動手段と、 切断加工を終了した被切断ワークと未加工の被切断ワー
    クを交換するワーク交換手段と、を備えてなることを特
    徴とする切断装置。
  4. 【請求項4】 フレームに設けたレールに往復移動自在
    に設けた摺動テーブルと、この摺動テーブル上に回転可
    能に軸支された回転台座と、回転台座の外周面の等配位
    置に複数個配置された支持台に着脱自在に設けられ、か
    つ切断刃を通す溝を有するとともに被切断ワークを固着
    する固定具と、回転台座を所定角度ずつ回転するように
    該回転台座に接続された流体圧シリンダーと、固定具に
    それぞれ固着されている複数の被切断ワークのうちの1
    つを切断刃に対向する位置にセットするために、回転台
    座の側面に形成した複数の凹部に対して係脱自在に係合
    するロッドを備えた位置決めシリンダーと、固定具に固
    着されている被切断ワークを切断刃に向けて近接又は離
    反移動させるために、摺動テーブルに設けた雌ねじ部つ
    きの移動子と、この移動子の雌ねじに螺合したスクリュ
    ー軸とを備えていることを特徴とする切断装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108312190A (zh) * 2018-01-31 2018-07-24 江苏纽泰格科技股份有限公司 手动切割设备
CN110877353A (zh) * 2019-12-11 2020-03-13 西安航天精密机电研究所 一种气动压紧切药装置及切割方法

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