JPH11156599A - 感応式プレス起動装置 - Google Patents

感応式プレス起動装置

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JPH11156599A
JPH11156599A JP34383097A JP34383097A JPH11156599A JP H11156599 A JPH11156599 A JP H11156599A JP 34383097 A JP34383097 A JP 34383097A JP 34383097 A JP34383097 A JP 34383097A JP H11156599 A JPH11156599 A JP H11156599A
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JP
Japan
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light
press
optical axis
light beam
sensors
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JP34383097A
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English (en)
Inventor
Iwashige Takahashi
岩重 高橋
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Komatsu Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 作業者の誤操作やノイズ等による誤動作を無
くして信頼性を向上し、作業者の作業能率の向上が可能
な感応式プレス起動装置を提供する。 【解決手段】 プレス機械の作業面入口に設けた複数層
の光線式センサにおける外側の光軸Aが遮光された後、
予め記憶された所要時間の最大限界時間T1 以内に内側
の光軸Bが遮光され、光軸Bが通光した後、予め記憶さ
れた所要時間の最大限界時間T3 以内に光軸Aが通光し
たときプレス起動信号を出力する。この条件を満足しな
い場合は、作業者に警告を発すると共に、プレス起動信
号を出力しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光線式安全装置の
光線の遮光及び回復に基づいてプレス機械を自動起動さ
せる感応式プレス自動起動装置(以後、PSDIとい
う)に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プレス機械の作動中にスライドの
作業領域内へ作業者の手等が挿入された場合の事故を防
止するために、スライドの作業領域への入口に光線式安
全装置が設置されている。そして、特定のプレス機械に
おいては、前記光線式安全装置を自動起動装置として使
用している。すなわち、プレス作業を自動化するため
に、プレス作業の1サイクルにおける光線式安全装置の
遮光が回復されたことを検出してプレス機械を自動起動
させるPSDIが設置されている。図6はこのような光
線式安全装置を備えたプレス機械の一例を示しており、
以下同図に基づいて前記PSDIについて説明する。
【0003】プレス機械4の下部にはボルスタ5が設け
られており、ボルスタ5の上面に下金型6が配置されて
いる。また、プレス機械4の上部で、かつ、ボルスタ5
に対向する位置には上下動自在にスライド7が設けら
れ、このスライド7の下面には下金型6と対向するよう
に上金型8が配置されている。そして、スライド7が上
下動する作業領域9を危険領域としており、作業者が作
業する作業面(通常はプレス機械4の前面)を除いた面
では外部からの侵入ができないようにその作業領域9の
周囲がガード等によって囲まれている。作業面の入口左
右には光線式安全装置10が配設されており、この光線
式安全装置10は互いに対向する投光器11と受光器1
2とからなっている。
【0004】通常の投光器11には発光素子が上下方向
に所定の間隔で配設されており、また受光器12には受
光素子が上下方向に、前記発光素子と同じ所定の間隔で
配設されている。
【0005】また、図7に示すように投光器11から発
光された光線が受光器12に受光された状態で、前記作
業面の入口に光線のカーテンを形成しており、この光線
カーテンを外部からの侵入物(作業者の手等)が遮光す
ることによって、図6に示すプレス機械4の危険領域へ
の侵入を検知している。
【0006】一方、上記のような光線式安全装置10を
使用するPSDIにおいては、作業者の手により素材を
下金型6上にセットするときに、図7に示す作業面の入
口の光線カーテンを遮光し、素材を下金型6上にセット
した後、作業者の手を光線カーテン外に引っ込めると光
線カーテンの前記遮光が回復して通光する(これをブレ
ークいう)。図示しない制御装置は、この光線カーテン
の遮光が回復されたことを検出するとプレス機械4を自
動起動させるようにしており、これによって作業者の作
業と連動してプレス機械4を自動的に作動させてプレス
作業の能率向上を図っている。上記の作業例は1ブレー
クの場合であるが、プレスされた製品を作業者が取り出
した後、新たな素材を下金型6上にセットする2ブレー
クの場合においても、プレス作業の1サイクルにおける
最後の遮光の回復後、またはブレークの回数をカウント
してプレス機械4が自動起動するようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ような光線式安全装置を使用したPSDIによるプレス
機械の自動起動方法においては、次のような問題があ
る。 (1)例えば、作業者が作業領域9の外部で作業中に、
無意識であるいは誤って、ワークや作業者の手などによ
り前記光線カーテンを瞬間的に遮光した後に通光した場
合、この遮光信号及び通光信号によってブレ−クと判定
される可能性がある。また、この感応式プレス起動装置
の電源ラインや入出力信号線を経由して侵入する電気的
なノイズにより、あるいは、その近傍に設置されている
他の工作機械等からの輻射ノイズにより、ブレークが発
生したと誤って判断される可能性もある。この結果、感
応式プレス起動装置が、これらの誤って判断したブレー
クにより誤作動する恐れがある。 (2)また、上記(1)により、作業者が予期しない時
にプレス機械4が突然自動起動する場合もあり、このと
きに作業者は感応式プレス起動装置に対して非常に不安
を感じ、このためのストレスによる疲労が増大するの
で、作業能率が低下するという問題も生じている。
【0008】本発明は、上記従来の問題点に着目してな
されたもので、誤操作やノイズ等による誤動作を無くし
て信頼性を向上し、作業者の作業能率を向上させること
ができるような感応式プレス起動装置を提供することを
目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】上記目的
を達成するため、請求項1に記載の発明は、スライド7
の作業領域9への作業者の手及び/または素材の侵入を
検出する光線式安全装置10を作業面の入口に備え、光
線の遮断とその後の回復とを検出してブレークと判断
し、このブレークによりプレス機械4を自動起動させる
感応式プレス起動装置において、光線式安全装置10に
複数層の光線式センサを配設し、この複数層の光線式セ
ンサが共に遮光された後、共に通光したとき1ブレ−ク
と判断し、このブレ−クの回数が所定値に達したときプ
レス起動信号を出力するようにしている。
【0010】請求項1に記載の発明によると、複数層の
光線式センサが共に遮光されたとき、作業者の手等がプ
レス機械の作業領域に確かに侵入していることを示して
おり、その後、複数層の光線式センサが共に通光された
ときは、作業者の手等がプレス機械の作業領域外に確実
に離脱して1ブレ−クが完了したことを示す。したがっ
て、このブレークがノイズ等により誤検出されることな
く確実に検出される。よって、ブレークが所定回数に達
したことを確認した後にプレス機械を自動起動させるこ
とによって、感応式プレス起動装置の信頼性を向上させ
ることができるとともに、作業者に安心感を与えてスト
レスが解消されるので、作業能率を高めることができ
る。
【0011】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の感応式プレス起動装置において、前記複数層の光線式
センサのうち、第1層の光線式センサを遮光した後、予
め記憶された第1の最大限界時間T1 以内に第2層の光
線式センサを遮光し、及び/又は、第2層の光線式セン
サが通光した後、予め記憶された第2の最大限界時間T
3 以内に前記第1層の光線式センサが通光したとき、プ
レス起動信号を出力するようにしている。
【0012】請求項2に記載の発明によると、プレス機
械の作業領域に作業者の手を侵入させて所定の作業を行
う場合の、侵入に要する時間すなわち第1層の光線式セ
ンサの遮光から第2層の光線式センサの遮光までの時間
の許容最大値である最大限界時間T1 と、脱出に要する
時間すなわち第2層の光線式センサの通光から第1層の
光線式センサの通光までの時間の許容最大値である最大
限界時間T3 とを予め設定しており、実際に侵入に要し
た時間、及び脱出に要した時間がそれぞれこの最大限界
時間T1 及び最大限界時間T3 以内の場合のみプレス機
械を自動起動させるようにしている。このとき、前記最
大限界時間T1 、T3 を作業者毎や作業種別毎の特性に
合わせて設定することにより、この特性に適合しない作
業者の手以外の異物が侵入して第1層の光線式センサの
み遮光したり、第1層の光線式センサと第2層の光線式
センサとの中間に停止したりした場合には、ブレークと
判断しない。また、ノイズにより誤って第1層の光線式
センサが遮光した、あるいは第2層の光線式センサが通
光したと判断した場合でも、次の層は前期最大限界時間
T1 、T3 以内にそれぞれ遮光又は通光しないので、ブ
レークと判断することがない。この結果、誤操作やノイ
ズによる自動起動を無くすことができるので、感応式プ
レス起動装置の信頼性を向上させることができるととも
に、作業者に安心感を与えてストレスが解消されるの
で、作業能率を高めることができる。
【0013】また、請求項3に記載の発明は、請求項1
又は2に記載の感応式プレス起動装置において、前記複
数層の光線式センサのうち、少なくとも1層は、遮光又
は通光が上下方向に連続する2箇所以上の光線式センサ
で行われたときにそれぞれ遮光又は通光と判定するよう
にしている。
【0014】請求項3に記載の発明によると、プレス機
械の作業領域に作業者の手が侵入したとき、及び作業領
域の外側に引っ込めたときには、複数層の光線式センサ
の内、少なくともいずれか1層は、上下方向に連続する
2箇所以上の光線式センサが遮光及び通光するので、こ
のような場合にのみ遮光又は通光と判断している。これ
により、作業者の操作以外の、異物やノイズによる遮光
又は通光信号を確実に判別できるので、正確にブレーク
の判定ができる。したがって、感応式プレス起動装置の
信頼性をさらに向上させることが可能となる。
【0015】請求項4に記載の発明は、請求項1又は2
に記載の感応式プレス起動装置において、前記各層の光
線式センサが、隣接する層の連続した2つの光線式セン
サの高さ方向の中間に位置するように配設された構成と
している。
【0016】請求項4に記載の発明によると、複数層に
配設した各光線式センサの位置を同一高さに揃えず、各
層の光線式センサがそれぞれ互い違いの高さとなるよう
に、すなわち隣接する層の連続した2つの光線式センサ
の中間高さに位置するように配設したので、請求項1に
おける作用を損なうことなく、光線式センサの設置個数
を削減することができる。これにより、各光線式センサ
の遮光又は通光の判定回路も削減されるので、感応式プ
レス起動装置に用いられる光線式安全装置の小型化及び
コスト低減を図ることができる。
【0017】請求項5に記載の発明は、請求項2に記載
の感応式プレス起動装置において、前記第1の最大限界
時間T1 を越えても次の光線式センサの遮光が完了しな
いとき、及び/又は、前記第2の最大限界時間T3 を超
えても次の光線式センサの通光が完了しないときは、作
業者に警告を発すると共に、前記プレス起動信号を出力
しないようにしている。
【0018】請求項5に記載の発明によると、複数層の
光線式センサのうち、前記第1のつまり外側の光線式セ
ンサが遮光された後、前記第1の最大限界時間T1 を越
えても次の(例えば内側の)光線式センサの遮光が完了
しないとき、及び/又は、内側の光線式センサが通光し
た後、前記第2の最大限界時間T3 を超えても次の(例
えば外側の)光線式センサの通光が完了しないときは、
ブレークと判断せず、作業者に警告するとともに、プレ
ス機械を起動させないようにしている。これにより、自
分の操作ミスや作業中のトラブル等によって前回の操作
がブレークと判断されなかったことを作業者が認識で
き、このとき例えば自動起動させたい場合には続けてダ
ミー的なブレーク操作を行うことにより正しく自動起動
させることができる。したがって、感応式プレス起動装
置の作動状態を正確に知ることにより、自動起動するの
を無駄に待ち続けたり、あるいは故障と誤判断すること
がなく、作業者は安心して能率良く作業ができる。
【0019】また、請求項6に記載の発明は、請求項1
に記載の感応式プレス起動装置において、前記複数層の
光線式センサのいずれかが遮光後、予め記憶された第3
の最大限界時間T2 を経過しても前記複数層の光線式セ
ンサのいずれも通光しないときは、作業者に警告を発す
ると共に、前記プレス起動信号を出力しないようにして
いる。
【0020】請求項6に記載の発明によると、複数層の
光線式センサのいずれかが遮光された後、これらの光線
式センサのいずれかが通光するまでの時間が所定の第3
の最大限界時間T2 を越えたときには、素材の下金型へ
のセット作業あるいはプレス成形された製品の取り出し
作業がなんらかの理由やトラブルにより前記所定時間内
に円滑に行われなかったことを意味しており、この場合
には異常と判断される。このとき、作業者に前回の遮光
及び通光の操作がブレークと判断されてないことを警告
するとともに、プレス機械を起動させないようにしたの
で、例えば自動起動させたい場合には、作業者は続けて
ダミー的なブレーク操作を行うことにより正しく自動起
動させることができる。したがって、感応式プレス起動
装置の作動状態を正確に知ることにより、自動起動する
のを無駄に待ち続けたり、あるいは故障と誤判断するこ
とがなく、作業者は安心して能率良く作業ができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る感応式プレ
ス起動装置の実施形態について図1〜図5を参照して説
明する。なお、プレス機械の構成で前述の図6と同一の
ものについては、同じ符号を付して以下での説明を省略
する。
【0022】光線式安全装置10には、前述の投光器1
1及び受光器12と同様に、作業領域9の入口の左右
に、図1に示すような投光器1及びこれに対向する受光
器1aが配設されている。この投光器1は、作業者側す
なわち投光器1のプレス外側寄りに高さ方向に設定した
直線A(以後、光軸Aという)上に所定間隔Lを保って
配設された複数の発光素子2a,2b,2c,…と、プ
レス機械側すなわち投光器1のプレス内側寄りに光軸A
と平行に設定した直線B(以後、光軸Bという)上に同
じく所定間隔Lを保って配設された複数の発光素子3
a,3b,3c,…とを備えている。これらの複数の発
光素子2a,2b,2c,…と複数の発光素子3a,3
b,3c,…とは千鳥状に配設されており、たとえば光
軸Aの発光素子2aの高さ方向位置が、光軸Bの連続し
た2つの発光素子3aと発光素子3bとの中間位置に相
当するように配設されている。ここで、L/2はいわゆ
る光軸間距離に相当している。
【0023】この投光器1と対向する位置に設置される
受光器1aには、投光器1に配設された上記のような各
発光素子と対向する位置にそれぞれ対応する複数の受光
素子が配設されている。そして、投光器1の各発光素子
と、これにそれぞれ対応した受光器1aの各受光素子と
は、複数の光線式センサを形成しており、全体として前
記光軸A及び光軸B等に対応した各層で構成される複数
層の光線式センサを形成している。
【0024】そして、投光器1及び受光器1aには制御
器20が接続されており、制御器20は投光器1の発光
を制御したり、受光器1aの各受光素子からの遮光や通
光を表す信号を入力したりしている。そして、この制御
器20により後述する所定の処理が行われ、前記各層の
光線式センサの遮光及び通光が有効であって正常なブレ
ークと判断されたときに、プレス機械4の自動起動信号
が出力される。制御器20は、例えばマイクロコンピュ
ータなどのようなコンピュータ装置により構成すること
ができる。また、制御器20には警告ランプや警告ブザ
ー等の警告手段21が接続されており、制御器20がブ
レークと判断しなかったときに作業者に警告を発するよ
うにしている。
【0025】次に、プレス起動信号を出力する場合の光
軸遮光パターンについて、図2に基づいて説明する。図
2において斜線を施した部分は遮光状態にあることを示
し、斜線を施してない部分は通光状態にあることを示
す。1ブレークの場合、すなわちプレス成形済みの製品
が排出装置等により自動的に排出され、下金型6への素
材装填のみが作業者の手で行われる場合は、図2の1ブ
レークの欄に示すように、素材及び素材を持った手をプ
レス機械4の作業領域9(図6参照)に入れることによ
り、ステップ1でまず光軸Aのいずれかのセンサが遮光
され、ステップ2ではこの光軸Aのセンサは遮光された
ままで光軸Bのセンサが遮光される。そして、素材のセ
ットが終わって手を引っ込めることにより、ステップ3
でそれまで遮光されていた光軸Bが通光し、次いで光軸
Aも通光すると、プレス起動信号が発信されるようにな
っている。2ブレークの場合、すなわちプレス成形済み
製品の金型からの搬出と次の素材装填とを作業者の手で
行う場合は、前記1ブレークの光軸遮光パターンが2回
連続して行われた後、前記プレス起動信号が発信される
ようになっている。
【0026】ここで、光軸A、光軸Bのうち少なくとも
一方が、上下方向に連続する2箇所以上の光線式センサ
による光線が遮光され、かつ、これらの遮光部分が再び
通光したときに、ブレークと判定するようにしている。
これにより、作業者の手による遮光及び通光を確実に検
出することができる。なお、このことは本発明の要旨で
はなく、例えば光軸A、光軸Bが共に、少なくとも1箇
所以上の光線式センサによる光線の遮光及び通光によっ
てブレークと判定するようにしてもよい。
【0027】光軸の遮光及び通光による信号波形変化
を、1ブレークの場合を例にとって図3に示す。まず、
作業者側の光軸Aの発光素子2a,2b,2c,…によ
る光線のいずれかが素材、作業者の手等の侵入により遮
光されることによって、光軸Aの出力信号の波形が例え
ばレベルH(通光を表す)からレベルL(遮光を表す)
に変化する。続いて、光軸Bの発光素子3a,3b,3
c,…による光線のいずれかが遮光されることによっ
て、光軸Bの出力信号の波形もレベルHからレベルLに
変化する。光軸Aの遮光時の波形変化と光軸Bの遮光時
の波形変化との間にはタイムラグがあるが、光軸Aの遮
光の検出時に制御器20のT1 タイマが始動し、予め記
憶された最大限界時間T1 内に光軸Bの遮光が検出され
たときは、正常な遮光と判定する。この最大限界時間T
1 は、光軸Aの遮光時点から光軸Bの遮光時点までに作
業者が要する作業時間の許容最大値であり、例えば作業
者の作業能力や特性、及び作業内容等に適合するように
設定される。この最大限界時間T1 によるチェックを行
うにより、遮光信号にノイズが重畳したり、波形変化時
にチャタリングが発生しても、これらの影響を受けずに
正確に遮光状態の判定を行うことができる。
【0028】次に、作業者が素材のセットを終了して手
を引っ込めた場合、まず光軸Bが前記遮光から通光に復
帰して光軸Bの出力信号の波形がレベルLからHに変化
し、その後光軸Aが遮光から通光に復帰して光軸Aの出
力信号の波形がレベルLからHに変化する。このとき、
光軸Bが通光の検出した時に制御器20のT3 タイマが
始動し、予め記憶された第2の最大限界時間T3 内に光
軸Aの通光が検出された場合は正常な通光と判定する。
ここで、第2の最大限界時間T3 は光軸Bの通光時点か
ら光軸Aの通光時点までに作業者が要する作業時間の許
容最大値を表しており、前記T1 と同様に例えば作業者
の作業能力や特性、及び作業内容等に適合するように設
定される。
【0029】また、上記光軸Aの出力信号の波形がレベ
ルHからレベルLに変化する、すなわち遮光を検出する
と、制御器20のT2 タイマも始動し、第3の最大限界
時間T2 内に光軸Aの出力信号の波形がレベルLからレ
ベルHに変化する、すなわち通光を検出するかをチェッ
クしている。ここで、この第3の最大限界時間T2 は作
業領域での作業時間の最大許容値を表しており、作業中
に何らかのトラブルがあったりして作業が長時間かかっ
たか否かをチェックしている。したがって、この最大限
界時間T2 は上記のように光軸Aの遮光から光軸Aの通
光までの所要時間に限定されず、光軸A及び光軸Bのい
ずれか1方の遮光からいずれか1方の通光までの所要時
間の最大許容値を設定し、これに基づいてチェックする
ようにしてもよい。
【0030】このとき、光軸Aや光軸Bの波形レベルが
変化したときにチャタリングを起こした場合、これらの
波形が安定した後に前述の各タイマを始動させており、
各タイマの計測値が所定時間以内の間に光軸A及び光軸
Bが次の遮光又は通光状態に変化したことを確認するこ
とによって、真の遮光状態か、通光状態かを判断してい
る。したがって、チャタリングの影響を無くして遮光及
び通光を確認することができる。
【0031】また、図2に示した光軸遮光及び通光パタ
ーンを検出することにより、すなわち、光軸Aのみの遮
光状態を経由して、光軸Aと光軸Bが共に遮光状態とな
ったとき、正常な遮光状態と判断し、この後、光軸Bの
通光状態(つまり、光軸Aのみの遮光状態)を経由し
て、光軸Aの通光状態になったときに、正常な通光状態
とみなしている。このことは、もし仮に瞬時停電が発生
して、複数層(ここでは光軸Aと光軸Bの2層)のセン
サが同時に遮光状態から通光状態になっても、ブレーク
とみなされないことを意味しており、瞬停発生時の誤動
作を防止することができる。また、遮光信号や通光信号
に重畳するノイズに関しては、同様に各光軸の遮光及び
通光の各ステップを所定の順序通りに検出したときのみ
正常なブレークと判断することにより、ノイズによる誤
動作を防止することができる。
【0032】次に、本発明の実施形態に係る感応式プレ
ス起動装置の制御処理例について、図4及び図5に基づ
いて説明する。なお、以下の制御フローチャートにおい
ては、各処理番号にSを付して表示した。また、ここで
は、PSDIモードはあらかじめ1ブレークモードが選
択されているものとしているが、本発明はこれに限定さ
れるものではなく、例えば2ブレークモードの場合は1
ブレークモードの処理手順を2回繰り返して行うことに
よって可能である。プレス金型に素材装填時、まず、S
1で光軸Aが遮光されると、S2でT1 タイマによる時
間計測が開始され、これと同時にT2 タイマによる時間
計測が開始される。次に、S3で光軸Bが遮光される
と、S4でT1 タイマにより前記光軸Aの遮光開始から
光軸Bの遮光開始までの所要時間t1 (図3参照)を計
測する。この後、S5で、あらかじめ設定して入力して
おいた所要時間t1 の最大限界時間T1 を読み出し、S
6で前記所要時間t1 と最大限界時間T1 とを比較す
る。そして、「所要時間t1 >最大限界時間T1 」の場
合は正常な作業状態でないものと判断し、S7に進んで
警告手段21を作動(例えば、警告ランプを点灯)さ
せ、つぎにS1に戻って以上の処理を繰り返す。
【0033】また、上記S6で「所要時間t1 ≦最大限
界時間T1 」の場合は正常な作業状態であると判断し、
次にS8に進み、光軸Bが通光したか否かを判断する。
ここで通光していない場合は、素材を下金型にセット中
であると判断してS8を繰り返す。また通光した場合は
S9に移行し、T3 タイマによる時間計測を開始し、つ
ぎにS10で光軸Aが通光したか否かを判断する。そし
て、通光していない場合は通光するまでS10を繰り返
し、光軸Aが通光したと判断されたらS11に進む。
【0034】S11では、T3 タイマにより光軸Bの通
光開始から光軸Aの通光開始までの所要時間t3 (図3
参照)を計測し、この後S12で、T2 タイマにより光
軸Aの遮光開始から通光開始までの所要時間t2 (図3
参照)を計測する。次に、S13で前記所要時間t3 の
最大限界時間T3 を読み出し、S14で所要時間t3と
最大限界時間T3 を比較し、「所要時間t3 >最大限界
時間T3 」の場合は正常な作業状態でないものと判断
し、S7に進んで警告手段を作動させ、前述同様にS1
に戻って以上の処理を繰り返す。S14で「所要時間t
3 ≦最大限界時間T3 」の場合は、次にS15に移行
し、前記所要時間t2 の最大限界時間T2 を読み出す。
この後S16で所要時間t2 と最大限界時間T2 とを比
較し、「所要時間t2 >最大限界時間T2 」の場合は正
常な作業状態でないものと判断し、前述同様にS7で警
告手段を作動させる。前記S16で「所要時間t2 ≦最
大限界時間T2 」の場合は、正常な作業状態であると判
断してS17に進む。
【0035】S17では、前記S7で警告手段を作動さ
せ、S1に戻って素材装填をやり直してS17に到達し
た場合に、警告手段の作動を解除する。また、S17に
到達したとき警告手段が作動していなければS17は無
処理でS18に進む。次に、S18では、これまでの遮
光及び通光が正常なブレークと判断されているのでプレ
スを起動させる。そして、スライドが下降した後、素材
の成形が完了してスライドが所定の上死点まで上昇する
と、S19に移行してプレスが停止し、S1に戻る。
【0036】以上説明したように、複数層の光線式セン
サを備え、この中で外側の層のいずれかの光線式センサ
が遮光し、次の内側の層の光線式センサが遮光されるま
での所要時間を計測し、この所要時間が所定の最大限界
時間以内のときのみ、正常な遮光と判断している。ま
た、同様にして、内側の光線式センサが通光してから次
の外側の光線式センサが通光するまでの所要時間が所定
の最大限界時間以内のときのみ、正常な通光と判断す
る。さらに、複数層の内いずれかの層の光線式センサが
遮光してから、全ての層の光線式センサが遮光した後、
いずれかの層のセンサが通光するまでの時間によって作
業時間を計測し、この計測した作業時間(T2 )が所定
の最大限界時間以内となったときのみ、正常な作業状態
と判断している。そして、これらが全て正常と判断され
た場合のみ、前記遮光及び通光が正常なブレークと判断
され、このブレークの回数が設定されたブレークモード
の規定回数に達したとき、プレス機械4の起動を行うよ
うにしている。したがって、作業者が誤操作により遮光
した場合や、電気的なノイズ信号が遮光信号や通光信号
に混入した場合でも、誤動作することなく、作業者の正
常な操作による遮光及び通光のみを正常なブレークと判
断できるので、感応式プレス起動装置の信頼性の向上を
図ることができる。
【0037】なお、これまでの説明において構成を限定
するものではなく、発明の要旨を変えない限り、構成を
他の同等な構成に変更したり、構成やこれに伴う作用等
の組み合わせを変更したりすることは可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】PSDIの投光器及び受光器の説明図である。
【図2】プレス起動信号を出力する場合の光軸遮光パタ
ーンの説明図である。
【図3】光軸遮光及び通光による信号波形の変化を示す
図である。
【図4】本発明に係る一実施形態の制御フローチャート
(前半)を示す図である。
【図5】本発明に係る一実施形態の制御フローチャート
(後半)を示す図である。
【図6】光線式安全装置を備えたプレス機械の一実施形
態を示す斜視図である。
【図7】光線式安全装置の光線カーテンの説明図であ
る。
【符号の説明】
1,11…投光器、1a…受光器、2a,2b,2c,
3a,3b,3c…発光素子、4…プレス機械、7…ス
ライド、9…作業領域、10…光線式安全装置、12…
受光器、20…制御器、21…警告手段。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スライド(7) の作業領域(9) への作業者
    の手及び/または素材の侵入を検出する光線式安全装置
    (10)を作業面の入口に備え、光線の遮断とその後の回復
    とを検出してブレークと判断し、このブレークによりプ
    レス機械(4)を自動起動させる感応式プレス起動装置に
    おいて、 光線式安全装置(10)に複数層の光線式センサを配設し、
    この複数層の光線式センサが共に遮光された後、共に通
    光したとき1ブレ−クと判断し、このブレ−クの回数が
    所定値に達したときプレス起動信号を出力することを特
    徴とする感応式プレス起動装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の感応式プレス起動装置
    において、 前記複数層の光線式センサのうち、第1層の光線式セン
    サを遮光した後、予め記憶された第1の最大限界時間(T
    1)以内に第2層の光線式センサを遮光し、及び/又は、
    第2層の光線式センサが通光した後、予め記憶された第
    2の最大限界時間(T3)以内に前記第1層の光線式センサ
    が通光したときプレス起動信号を出力することを特徴と
    する感応式プレス起動装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の感応式プレス起
    動装置において、 前記複数層の光線式センサのうち、少なくとも1層は、
    遮光又は通光が上下方向に連続する2箇所以上の光線式
    センサで行われたときにそれぞれ遮光又は通光と判定す
    ることを特徴とする感応式プレス起動装置。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載の感応式プレス起
    動装置において、 前記各層の光線式センサが、隣接する層の連続した2つ
    の光線式センサの高さ方向の中間に位置するように配設
    されたことを特徴とする感応式プレス起動装置。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載の感応式プレス起動装置
    において、 前記第1の最大限界時間(T1)を越えても次の光線式セン
    サの遮光が完了しないとき、及び/又は、前記第2の最
    大限界時間(T3)を超えても次の光線式センサの通光が完
    了しないときは、作業者に警告を発すると共に、前記プ
    レス起動信号を出力しないことを特徴とする感応式プレ
    ス起動装置。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の感応式プレス起動装置
    において、 前記複数層の光線式センサのいずれかが遮光後、予め記
    憶された第3の最大限界時間(T2)を経過しても前記複数
    層の光線式センサのいずれも通光しないときは、作業者
    に警告を発すると共に、前記プレス起動信号を出力しな
    いことを特徴とする感応式プレス起動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001058297A (ja) * 1999-08-20 2001-03-06 Riken Oputekku:Kk 光線式安全装置

Cited By (2)

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JP2001058297A (ja) * 1999-08-20 2001-03-06 Riken Oputekku:Kk 光線式安全装置
JP4647049B2 (ja) * 1999-08-20 2011-03-09 株式会社理研オプテック 光線式安全装置

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