JPH11156528A - 溶体化処理炉及び溶体化処理方法 - Google Patents

溶体化処理炉及び溶体化処理方法

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JPH11156528A
JPH11156528A JP32257997A JP32257997A JPH11156528A JP H11156528 A JPH11156528 A JP H11156528A JP 32257997 A JP32257997 A JP 32257997A JP 32257997 A JP32257997 A JP 32257997A JP H11156528 A JPH11156528 A JP H11156528A
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furnace
sand
solution treatment
casting
mold
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JP32257997A
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Masanao Kitaori
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Nippon Furnace Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶体化処理炉内で崩落する大量の鋳物砂の排
出及び回収を迅速且つ効果的に実施し得る溶体化処理炉
及び溶体化処理法を提供する。 【解決手段】 溶体化処理炉1は、炉内高温雰囲気を通
して鋳物及び鋳型Wを搬送する搬送装置10と、炉内循
環気流を形成する気流循環装置30と、炉床領域に自由
落下した鋳型の鋳物砂を炉外に排出する砂粒排出装置S
1とを備える。複数のホッパーSが、搬送装置の下方域
に配列され、鋳物及び鋳型の搬送路から自由落下する鋳
物砂を受入れる。空気圧式コンベア装置20が、ホッパ
ーの収斂部に配置され、ホッパー内の砂粒を砂粒排出装
置に送出する。空気圧式コンベア装置は、所定流量の高
温空気流が供給される空気圧チャンバ22、23と、空
気圧チャンバの頂壁を構成し且つ空気圧チャンバに流入
する空気流を上方に吐出する多孔質板27、29とを備
える。多孔質板は、多孔質板上に堆積した砂粒を流動化
し、砂粒を砂粒排出装置に送出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶体化処理炉及び
溶体化処理方法に関するものであり、より詳細には、鋳
物及び鋳型を炉内高温雰囲気に導入し、鋳物を構成する
金属組織の溶体化反応を進行せしめるとともに、鋳型の
砂焼き作用による鋳型砂の崩落によって鋳型を炉内領域
において鋳物から除去する溶体化処理炉及び溶体化処理
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属製鋳造成形品を成形するための各種
鋳造法が、広く実用に供されている。例えば、車両用エ
ンジンのシリンダヘッド、インテークマニホールド又は
シリンダブロック等は、内部中空域を備えたアルミニウ
ム合金の一体的鋳造成形品として製造される。この種の
アルミニウム鋳物の製造工程は、鋳型を成形する造型工
程、鋳型に合金溶湯を注入する鋳込工程、鋳物を鋳型か
ら離型する脱型工程、バリ取り加工又は切削・研磨加工
等の機械加工工程および鋳型砂を再処理する鋳型砂再処
理工程等の各種工程を含む。一般に、シリンダブロック
等のアルミニウム鋳物の外型及び中子は、造型砂を合成
樹脂系バインダー(粘結剤)又はコートレジンにて一体
成形してなる自硬性鋳型、或いは、尿素樹脂砂等の所謂
レジンサンドを一体的に造型してなる鋳型として形成さ
れる。外型及び中子は、鋳造用鋳型として組付けられ、
アルミニウム合金の溶湯を注湯可能な成形キャビティ
が、組付け後の鋳型内に画成される。
【0003】鋳込作業を完了した直後の鋳型内のアルミ
ニウム鋳物には、鋳造工程において生じた内部熱応力が
残留しており、しかも、凝固した鋳物の内部組織構造
は、結晶粒の粗大化により比較的脆化している。従っ
て、バリ取り加工又は切削・研磨加工等の後続の金属機
械加工を直ちに鋳物に対して適用し難い。このため、一
般には、機械加工工程の前に溶体化処理及び時硬処理を
含む熱処理工程が、脱型後の鋳物に対して適用される。
鋳物は、熱処理工程において、溶体化処理を実行する溶
体化処理炉に装入される。溶体化処理炉の炉内環境条件
は、一般には、15乃至20%程度の範囲内に設定され
る所定の酸素濃度、例えば、18乃至19%程度の酸素
濃度を有し且つ500乃至540℃程度の温度を有する
熱酸化雰囲気に設定され、鋳物は、炉内高温雰囲気下に
所定時間、加熱処理を受け、しかる後、水槽の冷却水浴
に浸漬され、急冷作用による焼入処理を受ける。焼入後
の鋳物は、時硬炉(時効硬化処理炉又は時効炉)に導入
され、150乃至250℃程度の加熱雰囲気に所定時
間、曝され、時硬炉にて時硬処理を受けた鋳物は、炉外
で空冷又はミスト冷却される。
【0004】この種の鋳造成形法においては、鋳物に付
着した鋳物砂、鋳物のキャビティ内に残留する中子、更
には、湯口、鋳バリ又はライザー等の不要な付着物等
は、鋳物及び鋳型を溶体化処理炉に導入する前に、加振
装置、加熱・冷却装置及び/又はバリ取り装置等の機械
的手段によって或る程度まで除去される。かかる付加的
な前処理工程又は予備処理工程を簡素化し、予工程に伴
う作業又は工期を可及的に軽減ないし短縮することを意
図した鋳造成形法として、中子砂を溶体化処理炉の砂焼
き作用により除去する鋳造成形法が、例えば、特開昭5
7−140862号公報において提案されている。同公
報に開示された鋳造成形法においては、低圧鋳造法によ
り鋳造され且つ主型から脱型された鋳物及び鋳型は、加
振装置によって振動又は衝撃を加えられ、励振作用によ
る中子砂の荒出し作業がなされた後、溶体化処理炉に導
入される。鋳物に付着した中子砂は、炉内の高温加熱雰
囲気による所謂砂焼き作用によって鋳物本体から崩落
し、鋳物から除去される。かかる砂焼き方式の溶体化処
理法によれば、機械的加振装置等による前処理又は予備
処理を簡素化ないし省略し得るばかりでなく、溶体化処
理に要する加熱手段及び加熱時間を利用し、従来規模の
溶体化処理炉内で溶体化処理及び砂焼き工程を同時に実
施することができる。従って、砂焼き方式の溶体化処理
法は、砂焼き工程のために溶体化処理炉を大型化ないし
大規模化したり、或いは、特別の砂焼き加熱手段を付加
的に溶体化処理炉に配設することを要しないので、実務
的に有利である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記砂焼き方式の溶体
化処理法においては、中子砂を所定温度以上の温度に加
熱するとともに、炉内領域に酸素を供給し、鋳物砂を結
合するバインダー成分の熱酸化反応を生じさせる。この
結果、バインダー又は粘結剤等の樹脂成分は焼き飛ばさ
れ、実質的に鋳物砂から散逸ないし逸失する。この結
果、鋳物砂同士の結合力又は粘結力は、実質的に消失
し、鋳物に付着した中子砂は、溶体化処理炉の炉内搬送
路において鋳物から崩落ないし自由落下する。しかしな
がら、中子に対する十分な酸素の内部浸透を容易にする
には、クラック、微細な割裂又はひび割れ、或いは、隙
間又は層間剥離等を砂焼き工程前に鋳物砂に誘発するこ
とが望ましく、このため、従来の砂焼き方式の溶体化処
理法では、鋳込後の鋳物及び鋳型の搬送経路に加振手段
又は衝撃付与手段等を付加的に配設し、鋳物及び中子に
対する励振処理又はノッキング処理を溶体化処理炉装入
前に予め実施しなければならない。しかも、鋳物に付着
した中子砂等の造型砂は、このような砂焼き作用によっ
ても完全に鋳物から除去し難く、実際には、窪み又は凹
部に残留した比較的多量の鋳物砂が鋳物本体とともに後
続の急冷工程に移送される。このため、急冷装置の冷却
水浴に浸漬した鋳物を冷却水浴内で揺動し、鋳物に付着
した鋳物砂を強制的に鋳物本体から除去しなければなら
ない。
【0006】また、鋳物及び鋳型の搬送時に自然落下す
る砂、励振処理又はノッキング処理時に崩落する砂、砂
焼き工程において炉内に堆積した砂、更には、冷却水浴
に浮遊・沈降した砂は、鋳物砂回収手段にて回収され、
回収された砂は、バインダー成分を完全燃焼させる別体
の焼却装置により無害化され、しかる後、再利用又は廃
棄処分される。鋳物砂は、多段階に亘る複数工程におい
て不規則に崩落するので、鋳物砂の回収手段は、適切に
鋳物砂の排出を制御し難く、従って、鋳物砂の回収処理
装置系は、鋳物砂の回収及び無害化処理を所望の如く実
施し得ない。他方、溶体化処理工程の予備工程又は前処
理工程としての機械的な励振処理又はノッキング処理等
を省略し、主型から脱型した鋳物及び鋳型を直ちに溶体
化処理炉に装入し、溶体化処理炉内の高温雰囲気下に砂
焼き処理及び溶体化処理を実質的に同時に鋳物及び鋳型
に施す方式の溶体化処理法が提案されている。しかしな
がら、この種の溶体化処理法によれば、従来の砂焼き方
式と比べて極めて大量の鋳物砂が溶体化処理炉内にて崩
落する。これに対し、従来構造の溶体化処理炉では、こ
のような大量の鋳物砂を迅速に炉外に排出することがで
きない。かくして、溶体化処理炉内で大量に崩落する鋳
物砂の排出及び回収を迅速且つ効果的に実施し得る新規
な構成の溶体化処理炉の開発が要望される。
【0007】また、溶体化処理及び砂焼き処理の双方を
実施する溶体化処理炉においては、鋳物本体の溶体化処
理に適した炉内雰囲気及び炉内温度と、鋳物砂の熱酸化
反応に適した炉内循環気流の気流速度及び気流温度との
双方を所望の如く両立させなければならない。しかしな
がら、アルミニウム鋳物の溶体化処理温度および鋳物砂
の砂焼き温度は、最適な温度域が必ずしも一致するとは
限らず、一般には、溶体化処理炉の炉内温度は、溶体化
処理炉本来の所期の目的を達成すべく、アルミニウム鋳
物の溶体化処理を重視した温度に設定される。従って、
溶体化処理及び砂焼きの両機能を備えた溶体化処理炉に
おいては、炉内温度の設定自由度は、或る程度、制限さ
れ、この結果、例えば、この種の溶体化処理炉の炉内雰
囲気温度は、最適な砂焼き効果を発揮し得る温度域より
も相対的に低温に設定せざるを得ない場合が生じる。こ
のような溶体化処理炉においては、重力落下する砂又は
砂塊は、温度降下し、十分な砂焼き作用を継続的に享受
し難い虞がある。かくして、炉内温度の設定自由度を向
上させるとともに、好適な砂焼き温度の雰囲気を炉内に
任意に生成し得る溶体化処理炉又は溶体化処理方法の開
発が望まれる。更に、炉内循環気流の流速又は循環流量
は、炉内温度分布の均一化および高効率の対流伝熱作用
を実現するために、一般に高速に設定することが望まし
いものと考えられる。しかし、このように溶体化処理及
び砂焼き処理の双方の機能を備えた溶体化処理炉におい
ては、高速の炉内循環気流は、鋳物砂を巻き上げ、多量
の砂の飛散又は浮遊現象を炉内領域に生じさせ易く、こ
のため、溶体化処理及び/又は砂焼き処理に適した炉内
温度分布及び対流伝熱作用とは異なる運転条件が一般に
設定され、炉内循環気流の流速又は循環流量が制限され
る。かくして、効果的な溶体化処理及び砂焼き処理を効
果的に実施する上で炉内環境を更に改善すべき必要性が
生じている。
【0008】本発明は、かかる課題に鑑みてなされたも
のであり、その目的とするところは、溶体化処理炉内で
崩落する大量の鋳物砂の排出及び回収を迅速且つ効果的
に実施し得る溶体化処理炉及び溶体化処理法を提供する
ことにある。本発明は又、溶体化処理工程の予備工程又
は前処理工程としての機械的な励振処理又はノッキング
処理等を実質的に完全に省略可能にする溶体化処理炉及
び溶体化処理方法を提供することを目的とする。本発明
は更に、溶体化処理及び砂焼き処理の双方に適した炉内
領域の雰囲気温度および炉内循環気流の流量を採用し得
る溶体化処理炉及び溶体化処理法を提供することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は、上
記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、炉内搬送平
面から自由落下する砂粒及び砂塊を受入可能な複数のホ
ッパーを炉床部分に配列するとともに、ホッパー内に堆
積した砂粒及び砂塊を流動化する空気圧式コンベア装置
を各ホッパーの収斂部に配設することにより、上記目的
を達成し得ることを見出し、かかる知見に基づき、本発
明を達成するに至ったものである。
【0010】即ち、本発明によれば、造型砂により成形
された鋳型により鋳造された鋳物を炉内高温雰囲気に導
入し、炉内高温雰囲気を通して前記鋳物を搬送する搬送
装置と、炉内循環気流を形成する気流循環装置と、炉床
領域に自由落下した鋳型の鋳物砂を炉外に排出する砂粒
排出装置とを備えた溶体化処理炉において、搬送装置の
下方域に配列され、前記鋳物及び鋳型の搬送路から自由
落下する鋳物砂を受入れる複数のホッパーと、該ホッパ
ーの収斂部に配置され、ホッパー内の砂粒を砂粒排出装
置に送出する空気圧式コンベア装置とを備え、該空気圧
式コンベア装置は、所定流量の高温空気流が供給される
空気圧チャンバと、該空気圧チャンバの頂壁を構成し且
つ前記空気圧チャンバに流入する空気流を上方に吐出す
る多孔質板とを備え、前記多孔質板は、該多孔質板上に
堆積した砂粒を流動化し、該砂粒を砂粒排出装置に送出
することを特徴とする溶体化処理炉が提供される。
【0011】本発明は又、造型砂により成形された鋳型
を鋳物と一緒に高温の溶体化処理炉に装入し、溶体化処
理炉の炉内高温雰囲気を通して鋳物及び鋳型を搬送し、
該鋳物を炉内高温雰囲気下に溶体化処理するとともに、
高温の炉内循環気流と前記鋳型との伝熱接触により該鋳
型を加熱し、鋳型を構成する鋳物砂の崩落作用を炉内領
域で促す溶体化処理方法において、前記鋳物及び鋳型の
搬送路に沿って該搬送路の下方域に複数のホッパーを配
列し、前記鋳物から崩落する鋳物砂の砂粒及び/又は砂
塊を前記ホッパー内に受入れ、該砂粒及び/又は砂塊を
前記ホッパーの収束領域に過渡的に堆積し、該ホッパー
の収斂部に空気圧式コンベア装置を配置し、該コンベア
装置の多孔質板から吐出する高温空気流によって該多孔
質板上の砂粒を流動化し、該砂粒を砂粒排出装置に送出
することを特徴とする溶体化処理方法を提供する。
【0012】上記構成の溶体化処理炉及び溶体化処理方
法によれば、上記ホッパーの空気圧式コンベア装置に
は、高温空気流が供給され、高温空気流は、空気圧チャ
ンバの多孔質板を介して上方に吐出する。ホッパー内に
堆積した砂粒及び砂塊は、高温空気流により流動化さ
れ、砂粒排出装置に送出される。砂粒の排出速度は、高
温空気供給量の可変設定、即ち、多孔質板の高温空気吐
出流量の可変設定により調整される。ホッパーの収斂部
に配置された上記構成の空気圧式コンベア装置は、比較
的大量に崩落する鋳物砂及び砂塊を砂粒排出装置に円滑
に排出し得るばかりでなく、比較的少量の鋳物砂及び砂
塊の排出にも又、好適に適応し、かくして、溶体化処理
炉内で崩落する鋳物砂の排出及び回収を迅速且つ効果的
に実行する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の好適な実施形態によれ
ば、上記空気圧チャンバに供給する空気流を加熱する加
熱装置が熱処理装置系に配設され、該加熱装置は、砂焼
き温度以上の所定温度に空気流を加熱する。砂焼き温度
以上の高温に加熱された高温空気流が空気圧式コンベア
装置に給送される結果、造形砂の熱酸化反応に適した高
温且つ高速の空気流が、ホッパー内に堆積した砂粒及び
砂塊に伝熱接触する。高温空気流は、ホッパー内の砂粒
に埋没した砂塊に流動接触し、砂塊は、高温気流との伝
熱接触による熱酸化反応を受けるとともに、炉内高温雰
囲気に更に伝熱接触し、炉内循環気流による砂焼き作用
を持続的に享受する。鋳物本体から崩落し且つ炉内高温
領域(搬送路領域)から自由落下し、従って、或る程度
まで温度低下した砂粒及び砂塊は、高温気流により加熱
され、砂粒及び砂塊に含有された合成樹脂系バインダー
又はコートレジン等は、ホッパー内において確実に熱酸
化反応し、ホッパー内の砂塊は、確実に砂粒に分解す
る。かくして、砂焼き温度以上の高温空気流を上記空気
圧式コンベア装置からホッパー内に供給するとともに、
溶体化処理に適した温度及び流量の炉内循環気流を上記
気流循環装置により形成し、これにより、炉内領域の雰
囲気温度および炉内循環気流の流量を溶体化処理及び砂
焼き処理の双方に適した運転条件に設定することが可能
となる。
【0014】好ましくは、上記加熱装置は、高周期又は
高速切換式蓄熱型バーナシステムにより加熱される加熱
炉と、該加熱炉の燃焼域に配置された熱交換装置とを備
える。熱交換装置は、空気圧チャンバに供給すべき空気
流を上記加熱炉の炉内高温雰囲気との熱交換作用により
所定温度に加熱する。鋳型の砂焼き温度以上に昇温した
高温空気流は、多孔質板に供給され、多孔質板を介して
上方に吐出し、ホッパー内に堆積した砂粒及び砂塊を流
動化し且つ加熱する。更に好ましくは、溶体化処理炉
は、溶体化処理炉の炉内領域と上記加熱炉の炉内領域と
を相互連通可能な排ガス流路を備え、溶体化処理炉内の
循環気流は、排ガスとして部分的に炉外に導出される。
溶体化処理炉の炉内ガスに含有された未燃成分の再燃焼
反応が、加熱炉の燃焼域にて生起し、炉内ガスの臭気成
分は、脱臭作用を受ける。加熱炉の燃焼熱は、上記熱交
換装置を介して上記空気流に伝熱され、該空気流は、高
温空気流として空気圧式コンベア装置に給送される。
【0015】本発明の更に好適な実施形態によれば、上
記空気流の可変流量設定により上記砂粒の排出速度が制
御されるとともに、該空気流の可変温度設定により上記
ホッパー内の砂粒及び砂塊の砂焼き作用が制御される。
好ましくは、上記多孔質板の吐出空気流を通気可能な砂
塊保持手段が、多孔質板の上方域に所定間隔を隔ててホ
ッパーの収斂部に配設され、保持手段は、ホッパーの収
束領域に自由落下した砂塊を過渡的にホッパー内に保持
するとともに、保持手段と多孔質板との間に砂粒の流動
領域を画成する。好ましくは、上記保持手段は、多数の
小径開口部を備えた網体からなり、各開口部は夫々、重
力落下作用による砂粒の通過を許容し且つ砂塊の通過を
阻止する所定の開口寸法を有する。流動領域内に自由落
下する砂粒は、上記高温空気流にて流動化し、多孔質板
上の砂粒は、流動化作用により多孔質板の上面に沿って
砂粒排出装置に搬送される。更に好ましくは、空気圧チ
ャンバの多孔質板は、砂焼き温度以上の高温空気流を吐
出する第1多孔質板と、比較的低温の空気流を吐出する
第2多孔質板とを備える。第1多孔質板は、ホッパーの
収斂部の下方域に配置され、第2多孔質板は、第1多孔
質板の砂粒送出方向下流側に配置される。第1及び第2
多孔質板は、送出方向下流側に向かって下方に傾斜した
平坦な連続搬送平面を形成し、流動化した砂粒を重力作
用により砂粒排出装置に送出する。
【0016】本発明の好ましい実施形態において、上記
搬送装置の搬送路は、回転駆動する複数の駆動ローラー
を備え、該駆動ローラーは、炉長方向に所定間隔を隔て
て配列され、各駆動ローラーは、炉幅方向に延在する。
搬送路は、複数の搬送路領域に分割され、各搬送路領域
は、連続する搬送平面を炉内領域に形成する。各搬送路
領域に配設された駆動ローラー群は、各搬送路領域の搬
送動力を個別制御可能な搬送駆動装置を備える。搬送路
を複数の搬送路領域に分割した結果、各搬送路領域の搬
送速度を各搬送路領域毎に独立制御することが可能とな
り、各搬送路領域の駆動ローラー群は、制御装置の同期
制御下に正転又は逆転し、各搬送路領域の鋳物及び鋳型
を所望の速度で移動させる。鋳物及び鋳型の搬送速度及
び移動態様は、各搬送路領域毎に任意に可変設定され、
例えば、特定の搬送路領域において、鋳物及び鋳型は、
過渡的に往復動する。好ましくは、鋳物及び鋳型に衝撃
及び/又は振動を付与する加振装置が、各搬送路領域に
配置される。加振装置は、鋳物及び鋳型を励振し、鋳物
に生起した微振動により鋳型の崩落を助勢する。
【0017】本発明の或る好適な実施形態において、上
記加振装置は、搬送路の搬送平面に選択的に突出可能な
ストッパ部材を備え、制止手段を構成するストッパ部材
は、上方突出位置にて鋳物及び鋳型の前進を阻止し、鋳
物及び鋳型に対して衝撃力又は加速度を過渡的に与え
る。好ましくは、加振装置は、各搬送路領域の駆動ロー
ラー群と関連した位置に配置され、該駆動ローラー群の
搬送動力による鋳物及び鋳型の運動を過渡的に阻止し、
鋳物及び鋳型に対して衝撃力又は加速度を過渡的に与え
る。所望により、制止手段は、任意の搬送路領域におい
て鋳物及び鋳型の前方に位置決めされ、上記駆動ローラ
ー群は、正転/逆転運動を過渡的に反復する。鋳物及び
鋳型は、該搬送路領域において往復動し、複数回に亘っ
て制止手段に衝合する。この結果、衝撃及び/又は振動
が鋳型に作用し、鋳肌に対する鋳物砂の付着力が低減す
るとともに、鋳型の分解作用が促進する。炉内領域にお
いて崩落する比較的多量の砂粒及び砂塊は、ホッパー内
に堆積し、上記空気圧式コンベア装置によって円滑に砂
粒排出装置に送出される。かくして、搬送路に適当な加
振装置を備えた溶体化処理炉は、溶体化処理工程の予備
工程又は前処理工程としての機械的励振処理又はノッキ
ング処理等を実質的に完全に省略可能にする。
【0018】本発明の他の実施形態によれば、上記加振
装置は、搬送路の搬送平面に配置された振動テーブルを
有し、振動テーブルは、搬送路を移送される鋳物及び鋳
型を過渡的に励振し、微振動を鋳型に生じさせる。本発
明の好適な実施形態において、上記気流循環装置は、炉
内循環気流の循環圧力を形成する遠心型多翼送風機を備
える。好ましくは、遠心型多翼送風機のインペラの周速
度は、25乃至35m/秒の範囲内の所定周速度に設定
される。更に好適には、気流循環装置は、誘引領域を備
えた気流循環チャンバを有し、気流循環チャンバは、循
環気流誘引口を介して炉内領域と連通するとともに、循
環気流吐出口を介して炉内領域と連通する。上記遠心型
多翼送風機は、気流循環チャンバ内に配置され、該送風
機の吸引口は、気流循環チャンバの誘引領域に開口す
る。更に、ラジアントチューブ型バーナ等の炉内加熱装
置が、誘引領域に配置される。炉内加熱装置は、炉内循
環気流を加熱し、炉内領域の高温雰囲気を維持する。
【0019】本発明の更に好適な実施形態によれば、上
記鋳物及び鋳型の搬送方向と逆行する炉内循環気流が、
炉内領域に形成される。鋳物及び鋳型との熱交換作用に
より降温した炉内循環気流は、気流循環チャンバの誘引
領域に誘引され、該誘引領域において加熱される。比較
的大容量の内容積を有する誘引領域は、炉内循環気流の
動圧を静圧再取得又は静圧回収作用により回収する。炉
内循環気流に浮遊した砂粒は、誘引領域にて沈降し、炉
内循環気流から分離する。強制循環手段を構成する上記
遠心型多翼送風機は、炉内加熱装置の加熱作用により昇
温した誘引領域の炉内循環気流を吸引し、循環気流を炉
内循環可能な全圧(動圧及び静圧)に昇圧し、炉内領域
に還流する。本発明の或る実施形態において、複数の上
記鋳物及び鋳型が、炉内領域を移送可能なバスケット内
に収容され、バスケットは、溶体化処理炉の導入路に載
荷され、溶体化処理炉内に装入される。各バスケット
は、鋳型の砂粒及び砂塊を自由落下可能な開放構造を備
える。
【0020】
【実施例】以下、添付図面を参照して、本発明に係る溶
体化処理方法及び溶体化処理装置の実施例について、詳
細に説明する。図1は、本発明の実施例に係る溶体化処
理方法を実施する溶体化処理炉を備えたアルミニウム鋳
物の熱処理プロセスの全体構成を示す概略フロー図であ
る。また、図2及び図3は、図1に示す熱処理プロセス
を実行する溶体化処理炉1の全体構成を示す溶体化処理
炉1の炉長方向及び炉幅方向の縦断面図であり、図4
は、図2及び図3のI−I線における溶体化処理炉1の
横断面図である。
【0021】外型及び中子により造型された砂型(鋳
型)は、鋳込工程に移送され、アルミニウム合金の溶湯
を鋳型内キャビティに注湯される。砂型は、外型及び中
子により構成され、外型及び中子は夫々、鋳型砂を合成
樹脂系バインダー(粘結剤)又はコートレジンにて一体
成形してなる自硬性鋳型により構成される。アルミニウ
ム合金の鋳込を完了した砂型は、アルミニウム鋳物及び
中子を外型内に収容した状態でバスケットB内に収容さ
れる。複数の鋳物及び鋳型Wを収納したバスケットB
(図2)は、搬送ラインW1上に移送され、搬入ライン
W1を介して溶体化処理炉1に装入される。バスケット
Bは、鋳型の砂粒及び砂塊を自由落下可能な多数の開口
部を有する金属製の枠体、線型部材組立体、或いは、メ
ッシュ状の籠体等からなる。
【0022】図1に示す如く、砂型及びアルミニウム鋳
物Wは、炉内搬送装置(図示せず)によって炉内高温領
域を矢印α方向に移送され、高温の炉内雰囲気下に加熱
される。アルミニウム鋳物は、溶体化反応し、鋳型は、
炉内高温雰囲気下の所謂砂焼き作用を受ける。炉内の高
温加熱雰囲気に導入された砂型には、伝熱作用による内
部熱応力及び熱歪みが生起し、造形砂を結合する合成樹
脂系バインダー又はコートレジンには、炉内の酸化燃焼
雰囲気による熱酸化反応及び/又は燃焼反応が生じる。
この結果、造形砂の結合力は低減し、砂型は、溶体化処
理炉1内で崩落する。炉内高温雰囲気を形成し且つ維持
する間接加熱方式の加熱装置H(仮想線で概略的に図示
する)が、溶体化処理炉1の炉内上部域に配設される。
加熱装置Hを構成するラジアントチューブ型バーナーシ
ステム40は、燃焼用空気導入流路F1を介して給気フ
ァン41の吐出口に接続される。給気押込み形式の給気
ファン41は、給気流路F2を介して燃焼用空気を誘引
し、導入流路F1を介して誘引空気流を加熱装置Hのバ
ーナーシステム40に供給する。加熱装置Hを構成する
バーナーシステム40は、燃焼排ガス流路E1を介して
排気誘引形式の排気ファン42の吸引口に接続される。
バーナーシステム40の燃焼反応により生成した燃焼排
ガスは、排気ファン42の排気誘引圧力下に燃焼排ガス
流路E1、E2を介して加熱装置系外に排気される。
【0023】溶体化処理炉1は、炉長方向に所定間隔を
隔てて整列配置された複数のホッパーSを備える。アル
ミニウム鋳物に付着した鋳物砂は、溶体化処理炉1の炉
内搬送中にアルミニウム鋳物から崩落し、各ホッパーS
内に重力落下する。ホッパーSは、炉内搬送路から自由
落下する外型及び中子の構成要素、即ち、鋳物砂又は砂
塊を受入れ、ホッパーS内に堆積した砂粒を所望の排出
速度で砂粒排出ラインS1に排出する。砂粒排出ライン
S1は、溶体化処理炉1の各帯域(ゾーン)において崩
落した鋳物砂を炉外に排出し、砂粒排出ラインS2を介
して鋳物砂を砂粒収集装置6に送出する。溶体化処理炉
1の炉内ガスは、排ガス流路E3を介して加熱/排ガス
処理装置5に導入される。加熱/排ガス処理装置5は、
炉内ガスが含有する臭気成分、未燃成分又は有機成分等
の再燃焼反応を促し、これを実質的に完全燃焼せしめた
後、排ガス流路E4、E5、E6、E7及びスタック等
の系外排気手段(図示せず)を介して再燃焼排ガスを大
気等に解放する。
【0024】排ガス処理装置5は、高速切換式又は高周
期切替式の蓄熱型バーナシステム(HRS)50を備え
る。蓄熱型バーナシステム50は、燃焼用空気をバーナ
システム50に導入可能な給気流路F3に接続される。
給気流路F3の上流端は、給気押込み形式の給気ファン
51の吐出口に接続され、給気ファン51の吸引口は、
外界雰囲気と連通可能な給気流路F4の下流端に接続さ
れる。蓄熱型バーナシステム50は更に、排気流路E4
に接続され、加熱/排ガス処理装置5の炉内に生成した
燃焼排ガスを炉外に導出する。排気流路E4の下流端
は、排気誘引形式の排気ファン52に接続され、排気フ
ァン52の吐出口は、排気流路E5に連結される。排気
流路E5は、希釈空気導入路Dを介して供給される希釈
空気流と合流し、しかる後、バグフィルター8に供給さ
れる。バグフィルター8にて浄化された加熱/排ガス処
理装置5の排気は、排気流路E6を介して上述の系外排
気手段(図示せず)に給送され、大気に開放される。ブ
ローガス導出手段を構成する排気流路E7の上流端が、
加熱/排ガス処理装置5の炉内に開口し、炉内燃焼排ガ
スを部分的に炉外に導出する。排気流路E7を介して加
熱/排ガス処理装置5から導出された比較的高温の排気
流は、排気流路E4に導入され、排気流路E4を流通す
る加熱/排ガス処理装置5の燃焼排ガスと合流する。
【0025】熱交換装置60が、加熱/排ガス処理装置
5の炉内に配置される。熱交換装置60の流入口は、給
気流路A2の下流端に接続され、給気流路A2は、給気
押込み形式の給気ファン61に接続される。給気ファン
61は、外気又は調整空気を導入可能な給気流路A1を
介して、外気又は調整空気を熱交換装置60に給送す
る。炉内雰囲気との熱交換作用により熱交換装置60に
て昇温した高温空気流は、給気流路A3を介して溶体化
処理炉1の空気圧式(エア・スライド式)コンベア装置
20に給送される。所望により、給気流路A1の給気流
を予熱する熱交換装置又は予熱装置EX(仮想線で示
す)が、給気流路A1及び燃焼排ガス流路E5に介装さ
れ、熱交換装置又は予熱装置EXは、燃焼排ガス流路E
5の燃焼排ガス流と給気流路A1の給気流との熱交換作
用により、給気流路A1の給気流温度を上昇させる。給
気ファン61により圧送される空気又は調整空気は、熱
交換装置60にて加熱/排ガス処理装置5の炉内高温雰
囲気と熱交換し、例えば、1000°F(約540〜5
50℃)に昇温する。熱交換装置60から流出した高温
給気流は、高温気流給送流路A3を介して、空気圧式コ
ンベア装置20に給送され、コンベア装置20の高温給
気流吐出手段を介してホッパーSの所定部位に吐出す
る。
【0026】溶体化処理炉1の溶体化処理工程を経たア
ルミニウム鋳物は、搬送ラインW2を介して急冷装置2
に導入される。急冷装置2は、アルミニウム鋳物を浸漬
可能な浸漬槽Cを備える。冷却水浴を収容した浸漬槽C
は、冷却水排出ラインC1を介して水/砂粒分離装置7
と連通する。水/砂粒分離装置7は、冷却水と砂分とを
分離し、水/砂粒分離装置7にて分離された冷却水は、
冷却水還流ラインC2を介して浸漬槽Cに還流し、他
方、水/砂粒分離装置7にて分離された砂粒は、砂粒排
出ラインC3を介して砂粒収集装置6に導入される。急
冷装置2にて冷却・洗浄されたアルミニウム鋳物は、搬
送ラインW3を介して時硬炉(時効硬化処理炉又は時効
炉)3に導入される。時硬炉3は、複数のラジアントチ
ューブを備えた間接加熱方式の加熱装置R(仮想線で概
略的に図示する)を備え、加熱装置Rは、燃焼用空気導
入流路F5を介して給気ファン91に接続される。給気
押込み形式の給気ファン91は、給気流路F6を介して
燃焼用空気を吸引し、導入流路F5を介して燃焼用空気
を加熱装置Rに給送する。他方、加熱装置Rの燃焼排ガ
スは、排ガス流路E8を介して排気誘引形式の排気ファ
ン92に吸引され、排気ファン92の排気吐出圧により
排ガス流路E9から系外に排気される。加熱装置Rの加
熱作用により形成される時硬炉3の炉内高温雰囲気にて
時効硬化処理を受けたアルミニウム鋳物は、搬出ライン
W4を介して空冷装置(図示せず)に移送され、該空冷
装置における空気冷却作用及び/又はミスト冷却作用に
より冷却され、しかる後、熱処理プロセスの系外に搬出
される。
【0027】図2乃至図4に示す如く、上記熱処理プロ
セスを実行する溶体化処理炉1の炉体は、炉床壁1b、
炉頂壁1c、側壁1d及び端壁1eによって形成され
る。水平隔壁1fが、炉体内部領域の所定レベルに水平
に配置される。水平隔壁1fは、炉体内部領域を上下に
分割し、炉内領域1Aを水平隔壁1fの下方域に画成す
るとともに、炉内循環ファン30を収容可能な高温気流
循環チャンバ1Gを水平隔壁1fの上方域に画成する。
炉内循環ファン30は、垂直隔壁1gによって画成され
た搬送方向上流側及び下流側の各高温気流循環チャンバ
1G内に夫々配置される。各々の高温気流循環チャンバ
は、複数のラジアントチューブ40により構成される炉
内加熱装置Hを備えるとともに、隔壁1fに配設された
炉内高温ガス誘引口32及び循環流送風口33を備え
る。誘引口32及び送風口33は夫々、複数の吸引開口
部及び吐出開口部に分割され、風量調整ダンパ34(図
3及び図4)が、各開口部に夫々配設される。炉内雰囲
気の高温ガスは、搬送方向上流側に配置された誘引口3
2を介して循環チャンバ1Gの誘引領域1Ga内に吸引
され、炉内加熱装置Hにて再加熱され、搬送方向下流側
に配置された送風口33を介して、再加熱ガスとして炉
内雰囲気に還流する。
【0028】各循環チャンバ1G内に配置された循環フ
ァン30は、遠心型多翼送風機からなり、左右一対の吸
引口35を介して循環チャンバ1G内の再加熱ガスを吸
引し且つ吐出口36を介して再加熱ガスを圧送する。フ
ァン羽根車(インペラ)37が、溶体化処理炉1の炉体
及び循環チャンバ1Gの炉長方向中心軸線上に配置され
る。ファン羽根車37に一体的に連結されたファン中心
の回転駆動軸38が、炉幅方向に延在し、回転駆動軸3
8の両端部分は、左右の側壁1dを夫々貫通する。回転
駆動軸38の各端部は、軸受(図示せず)にて支承さ
れ、動力伝達機構39を介してファン駆動源31に作動
的に連結される。ファン駆動源31は、例えば、電動式
回転駆動モータからなり、動力伝達機構39は、動力伝
達連鎖、減速機構及びプーリ等により構成される。駆動
源31の作動により、回転駆動軸38及びファン羽根車
37は回転し、循環チャンバ37の誘引領域1Gaから
再加熱ガスを吸引する。本例において、ファン羽根車3
7の周速度は、好適には、25m/s 乃至35m/s の範囲
内の所定速度に設定される。循環ファン30に誘引され
た再加熱ガスの流体圧力は、回転するファン羽根車37
の遠心力の作用により昇圧する。誘引領域1Gaの流体
流(再加熱ガス流)は、左右の吸引口35を介してファ
ン羽根車37の中心領域に誘引され、ファン羽根車37
の遠心作用を受け、ファン羽根車37の中心領域から半
径方向外方に流出し、吐出口36を介して圧送される。
搬送方向下流側に位置する循環チャンバ1Gの循環ファ
ン30は、再加熱ガスを吐出領域1Gbに吹出し、吐出
領域の再加熱ガスは、送風口33の吐出開口部を介して
炉内領域1Aに流出する。他方、搬送方向上流側に位置
する循環チャンバ1Gの循環ファン30は、再加熱ガス
を吐出口36から直接に送風口33の吐出開口部に吐出
し、再加熱ガスは、炉内領域1Aに吹出す。炉内に流入
した高温の再加熱ガスは、図2に矢印で示す如く、バス
ケットBの搬送方向αと逆方向に流れ、バスケットB内
のアルミニウム鋳物及び鋳型Wと熱交換し、降温する。
降温した炉内ガス流は、循環ファン30の吸気誘引圧力
下に誘引口32を介して誘引領域1Gaに流入する。
【0029】図5は、図4のII−II線における溶体化処
理炉1の部分縦断面図である。炉内加熱装置Hは、循環
ファン30の吸引口35に隣接して誘引領域1Ga内に
配置される。各加熱装置Hは、図5に示す如く、複数の
ラジアントチューブ型バーナ40を備える。各ラジアン
トチューブ型バーナ40は、U字形に成形されたラジア
ントチューブ47と、ラジアントチューブ47の両端部
に夫々配設された一対の蓄熱型熱交換器48及びバーナ
44と、所定の切換時間毎に交互且つ周期的に燃焼用空
気流路及び燃焼排ガス流路を切換える4方弁43とを備
える。4方弁43の第1ポートに接続された第1流路4
5は、ラジアントチューブ47の一端に配置された第1
熱交換器48aに接続され、4方弁43の第2ポートに
接続された第2流路46は、ラジアントチューブ47の
他端に配置された第2熱交換器48bに接続される。ま
た、4方弁43の第3ポートは、燃焼用空気導入流路F
1に接続され、4方弁43の第4ポートは、燃焼排ガス
流路E1に接続される。4方弁43は、好適には、60
秒以下、更に好適には、30秒以下に設定された所定の
切換時間毎に第1位置及び第2位置に交互に切換えられ
る。図5に示す4方弁43の第1位置において、燃焼用
空気導入流路F1は、第1流路45に連通し、燃焼排ガ
ス流路E1は、第2流路46に連通する。他方、4方弁
43は、第2位置において、燃焼用空気導入流路F1を
第2流路46に連通させ且つ燃焼排ガス流路E1を第1
流路45に連通せしめる。ラジアントチューブ47の第
1端部に配置されたバーナ44aは、4方弁43の第1
位置にて燃焼作動し、ラジアントチューブ47の第2端
部に配置されたバーナ44bは、4方弁43の第2位置
にて燃焼作動する。ラジアントチューブ型バーナ40
は、4方弁43及びバーナ44の交互切換作動により、
高温燃焼雰囲気をラジアントチューブ47内に連続的に
形成し、誘引領域1Ga内に誘引された炉内雰囲気のガ
ス流は、ラジアントチューブ47の管壁を介してなされ
るチューブ内の燃焼ガスと誘引領域1Gaの内部雰囲気
との伝熱接触により、高温に加熱される。ラジアントチ
ューブ47内に生成した燃焼排ガスは、第1又は第2熱
交換器48と交互に熱交換し、燃焼排ガス流路E1を介
して炉外に排出される。かかる形式のラジアントチュー
ブ型バーナの構成は、例えば、実公平2−23950号
公報等に詳細に開示されているので、更なる詳細な説明
は、省略する。
【0030】図2に示す如く、装入テーブルを構成する
複数の導入ローラー11が、溶体化処理炉1の入口扉1
2に隣接して配設される。各導入ローラー11は、入口
扉12の搬送方向上流側に所定間隔を隔てて整列配置さ
れる。複数の搬送用駆動ローラー17が、溶体化処理炉
1の炉内に所定間隔を隔てて整列配置される。駆動ロー
ラー17は、装入テーブル(導入ローラー11)と連続
するバスケットBの搬送装置10を構成し、搬送装置1
0は、溶体化処理炉1の炉内領域全長に亘って延在す
る。各搬送路領域10A:10B:10C:10D:1
0E:10F:10G:10H:10Iに配置された所
定数の駆動ローラー17は、炉外に配置された駆動力伝
達機構13(仮想線で示す)に夫々連結される。各駆動
力伝達機構13は、複数の駆動ローラー17を同期作動
可能に相互連結するプーリ及び動力伝達連鎖を備える。
図3に示す如く、駆動源14が、プーリ、動力伝達連鎖
及び減速機構を介して各駆動力伝達機構13に作動的に
連結され、各駆動源14は、制御装置(図示せず)の制
御下に作動する電動式原動機を備える。各々の駆動源1
4に動力伝達可能に連結された各駆動ローラー群は、搬
送装置10を独立制御可能な複数の搬送路領域10A:
10B:10C:10D:10E:10F:10G:1
0H:10Iに区分し、制御装置の制御下にバスケット
Bの搬送速度及び移動方向を各搬送路領域10A乃至1
0I毎に任意に可変設定可能にする。各搬送路領域10
A乃至10Iの搬送動力の適当な設定により、バスケッ
トBの炉内滞留時間(加熱時間)を任意に調節し得ると
ともに、炉内領域1A内におけるバスケットBの相互間
隔を任意に調節し、或いは、間欠的なバスケットBの搬
送形態等の如く、任意の搬送パターンを適宜採用するこ
とが可能となる。
【0031】かくして、各搬送路領域10A乃至10I
に配設された駆動ローラー群は、各駆動源14の個別制
御下に同期駆動し、バスケットBの位置及び移動を規制
する。各搬送路領域10A乃至10Iは、バスケットB
を矢印α方向に移送し得るばかりでなく、所望により、
駆動ローラー17の逆転によりバスケットBを矢印αと
反対の方向に移動させ、或いは、駆動ローラー17の正
/逆反復作動によりバスケットBの往復動を過渡的に生
じさせる。図2に示す如く、搬送装置10に関連する複
数の加振装置15が、所定の搬送路領域に夫々配置され
る。加振装置15は、ストッパ駆動機構(図6及び図
7)の作動によりストッパ部分を搬送平面の上方域に突
出し、ストッパ部分は、前方移動するバスケットBの前
端面に衝合し、バスケットBの前進運動を過渡的に阻止
する。図2において、搬送路領域10A及び10Dに配
設された加振装置15は、上方突出位置に変位してお
り、加振装置15のストッパ部分は、バスケットBの前
端面に衝合している。加振装置15のストッパ部分に衝
合した搬送路領域10A及び10DのバスケットBに
は、過渡的な衝撃及び比較的急激な速度減衰による振動
が作用し、この結果、バスケットB内のアルミニウム鋳
物Wに付着した鋳型砂及び中子砂の崩落作用が促進す
る。
【0032】図6は、搬送装置10に配設された加振装
置15の構造を示す溶体化処理炉1の部分縦断面図であ
る。また、図7(A)は、加振装置15を構成するスト
ッパ駆動機構の部分側面図であり、図7(B)は、加振
装置15の作動形態を示す部分側面図である。加振装置
15は、左右一対の揺動アーム71を備える。ストッパ
部材70が、揺動アーム71の先端部に固定される。揺
動アーム71は、左右のアーム部材を相互連繋する接続
部材71aを介して一体的に相互連結される。揺動アー
ム71の基端部は、炉幅方向に延在する回転軸72に一
体的に固定される。かくして、揺動アーム71は、回転
軸72の回転・揺動運動に従って、図7(B)に実線で
示す上方突出位置と、図7(B)に破線で示す下位待機
位置とに選択的に変位する。回転軸72は、図6に仮想
線で示す気密・断熱機構72dを介して、左右の炉壁1
dを貫通する。回転軸72の縮径端部は、左右の軸受7
5に回転可能に支承され、各軸受75は、炉体フレーム
部分79に固定される。一方の側の炉壁1dに配置され
た回転軸72の縮径端部は、図6及び図7(A)に示す
如く、枢動アーム73の基端部に一体的に連結される。
枢動アーム73の先端部は、関節連結部74を介して流
体作動型シリンダ装置77のピストンロッド76に枢着
される。
【0033】シリンダ装置77は、トラニオン型支持機
構78を介して炉体フレーム部分79に懸吊される。シ
リンダ装置77は、作動流体、例えば、制御エアーの給
排制御により、ピストンロッド76を伸縮する。回転軸
72は、枢動アーム73の枢動運動に連動して回転し、
揺動アーム71及びストッパ部材70を上方突出位置及
び下位待機位置に選択的に変位させる。図2に示す如
く、アルミニウム鋳物及び鋳型の搬送方向αに整列配置
された複数のホッパーSが、搬送装置10の下方域に配
設される。ホッパーSは、炉長方向に所定間隔を隔てて
配置され、炉内全長に亘って実質的に連続する崩落砂受
入手段を溶体化処理炉1の炉床部分に形成する。各ホッ
パーSの傾斜壁21は、下方に向かって収斂する逆錐形
の崩落砂収集面を駆動ローラー12の下方域に画成す
る。空気圧式コンベア装置20が、各ホッパーSの下部
収斂域に配設される。空気圧式コンベア装置20の砂粒
搬出口は、砂粒排出ラインS1(図1)の上流端に接続
される。
【0034】図8は、空気圧式コンベア装置20の全体
構成を概念的に示す概略断面図であり、図9は、空気圧
式コンベア装置20の構造を概略的に示す縦断面図であ
る。また、図10(A)は、図9のIII-III 線における
断面図であり、図10(B)は、図9のIV-IV 線におけ
る断面図である。
【0035】空気圧式コンベア装置20は、流量制御弁
63を介して給気流路A3に連結された高温空気チャン
バ22を備えるとともに、流量制御弁81を介して給気
流路A4に連結された低温空気チャンバ23を備える。
ケーシング66(図10)により画成された高温空気チ
ャンバ22及び低温空気チャンバ23は、隔壁67によ
って分割され、各チャンバ22、23の相互連通は、隔
絶される。図10に示す如く、空気圧式コンベア装置2
0は、外殻を構成する頂部開口形ハウジング69と、ハ
ウジング69内に配置された内殻、即ち、頂部開口形ケ
ーシング66とを備える。金属製網体28の縁部が、ボ
ルト・ナット等の締結具Bによってハウジング69の頂
部開口縁領域に締結され、第1及び第2多孔質板27、
29の縁部が、同様な締結具Bによってケーシング66
の頂部開口縁領域に締結される。かくして、ケーシング
66の頂部開口は、高温空気チャンバ22の頂壁を構成
する第1多孔質板27と、低温空気チャンバ23の頂壁
を構成する第2多孔質板29とによって閉塞される。
【0036】図9に示す如く、給気流路A3は、側壁1
dの外側面に沿って炉長方向に延在する分配管又はマニ
ホールドを構成する。給気流路A3の管体に接続された
分岐管62が、ハウジング69及び流動領域24を貫通
し、低温空気チャンバ23内に延入する。分岐管62の
下端部は、低温空気チャンバ23内にて延在する高温空
気給送管64に接続され、給送管64の管端部65は、
隔壁67に開口する。かくして、給気流路A3は、分岐
管62及び給送管64を介して、高温空気チャンバ23
と連通し、給気流路A3の高温空気は、管端部65から
高温空気チャンバ23内に吐出する。給気流路A4を構
成する低温空気給送管80は、ハウジング69の底壁を
貫通し、低温空気チャンバ23の壁体69に接続され、
給送管80の管端部82は、低温空気チャンバ23の底
面に開口する。給気流路A4の低温空気は、管端部82
から低温空気チャンバ23内に流入する。第1多孔質板
27は、給気流路A3を介して高温空気チャンバ22に
供給された高温空気を上方に吐出し、第2多孔質板29
は、給気流路A4を介して低温空気チャンバ23に供給
された低温空気又は常温空気を上方に吐出する。
【0037】第1及び第2多孔質板27、29として、
多数の微細な通気孔を備えた比較的高剛性の薄板、例え
ば、商品名“Dynapore Sheet"(ダイナポア) として知ら
れた通気性板体等を好適に使用し得る。この種の通気性
薄板は、金属製線型部材を緻密に組付け、複層構造の積
層板として成形したものであり、粉体搬送等の用途に適
用可能な平滑性及び面外剛性を備える。本実施例におい
て、プレナムチャンバを構成する上記空気チャンバ2
2、23の内圧は、400乃至500mmAq程度に設定さ
れ、空気チャンバ22、23内の空気は、空気チャンバ
22、23及び流動領域24の圧力差に相応して多孔質
板27、29の全域から上方に吐出する。所定の開口率
を有する多孔質体又は網状体、例えば、10乃至20メ
ッシュ程度の金属製網体28が、ホッパーSの下部収斂
域に実質的に水平に張設される。網体28は、第1及び
第2多孔質板27、29の上方に所定間隔を隔てて延在
する。
【0038】第1多孔質板27から上方に流出した高温
空気は、部分的に網体28を通過し、網体28上に堆積
した砂粒及び砂塊100(図8に斜線で示す)を加熱す
るとともに、該砂粒及び砂塊の流動化を促す。砂粒及び
砂塊100のバインダ成分は、高温空気流による加熱作
用の下で燃焼反応又は焼成反応し、砂粒に混入した砂塊
は、高温気流の流動化作用により分解し、網体28の開
口を介して流動領域24に自由落下する。多孔質板2
7、29上の砂粒は、第1及び第2多孔質板27、29
から上方に流出する高温空気及び低温空気によって流動
する。第1及び第2多孔質板27、29は、砂粒排出ラ
インS1に向かって全体的に下方に傾斜しており、流動
状態の砂粒は、該傾斜面に従って流動し、静圧弁構造部
(static valve)25を介して砂粒排出ラインS1に流
出する。所定角度に傾斜した砂粒排出ラインS1の管路
は、砂粒排出ラインS2を構成する砂粒排出コンベア装
置上に砂粒を排出する。
【0039】図11は、加熱/排ガス処理装置5は、全
体構成及び作動態様を示す概略縦断面図である。加熱/
排ガス処理装置5は、高温炉内領域54aを画成する炉
体54と、炉内高温雰囲気を形成する上述の蓄熱型バー
ナシステム50とを備える。蓄熱型バーナシステム50
は、所定の切換時間にて第1位置及び第2位置に交互に
切換作動される高速切換式4方弁53と、4方弁53の
切換作動に相応して交互に燃焼作動する第1及び第2バ
ーナ組立体55a、55bとを備える。4方弁53は、
中心回転軸に固定された板状の弁体53aを備える。中
心回転軸は、回転駆動装置(図示せず)によって弁体5
3aを第1位置(図11(A))及び第2位置(図11
(B))に交互に切換える。なお、図11(A)には、
4方弁53の第1位置における第1燃焼工程が例示され
ており、他方、図11(B)には、4方弁53の第2位
置における第2燃焼工程が例示されている。4方弁53
の第1ポートは、給気流路F3の下流端に接続され、4
方弁53の第2ポートは、排気流路E4の上流端に接続
される。4方弁53の第3ポート及び第4ポートは、第
1流路58及び第2流路59を介して第1及び第2バー
ナ組立体55a、55bに夫々接続される。給気ファン
51により圧送される燃焼用空気は、4方弁53の第1
位置(図11(A))において第1バーナ組立体55a
に供給され、4方弁53の第2位置(図11(B))に
おいて第2バーナ組立体55bに供給される。
【0040】第1及び第2バーナ組立体55a、55b
は夫々、3方弁として構成された燃料供給弁(図示せ
ず)を介して燃料供給系に接続されたバーナー57と、
ハニカム構造を有するセラミック製蓄熱体56とを備え
る。燃料供給弁は、制御装置(図示せず)の制御下に4
方弁53と同期切換作動し、第1及び第2バーナー組立
体55a、55bの一方に交互に燃焼用燃料を供給す
る。第1バーナー組立体55aは、4方弁53の第1位
置(図11(A))において燃料を炉内燃焼域に吹込
み、4方弁53の第2位置(図11(B))において燃
料吹込みを停止し、他方、第2バーナー組立体55b
は、4方弁53の第2位置(図11(B))において燃
料を炉内燃焼域に吹込み、4方弁53の第1位置(図1
1(A))において燃料吹込みを停止する。4方弁53
及び燃料供給弁に対する所定時間間隔の同期切換制御に
より、炉体54内に生成した燃焼排ガスの顕熱は蓄熱体
56に熱伝導/熱伝達され且つ蓄熱体56に蓄熱され、
蓄熱体56に蓄熱された顕熱は、給気流路F3の燃焼用
空気に対して放熱され、この結果、燃焼用空気は、高温
に予熱される。かかる蓄熱作用及び放熱作用が、短時間
に交互に反覆する結果、加熱/排ガス処理装置5の燃焼
排ガスと給気流路F3の燃焼用空気との熱交換現象が円
滑に進行し、第1及び第2バーナ組立体55a、55b
に給送される燃焼用空気は、蓄熱体56を介してなされ
る燃焼排ガスと燃焼用空気との直接的な熱交換作用によ
り800℃乃至1000℃以上の温度に継続的ないし定
常的に予熱される。なお、上記構成の高周期切替蓄熱型
燃焼システムの構造及び作動形態については、本願出願
人の出願に係る特願平5−6911号(特開平6−21
3585号公報)に詳細に開示されているので、更なる
詳細な説明については、これを省略する。
【0041】炉体54の炉壁を貫通する第1及び第2バ
ーナ組立体55は、炉内燃焼域54aに交互に火炎を生
成し、高温加熱雰囲気を炉内燃焼域54aに形成する。
炉内に配置された熱交換装置60は、被加熱流体を流通
可能な被熱管路又は伝熱コイルを備える。給気ファン6
1から圧送された外気又は調整空気(被加熱流体)は、
被熱管路内を通過し、被加熱管路の管壁を介してなされ
る被加熱流体と炉内高温雰囲気との熱交換作用により昇
温し、しかる後、給気流路A3を介して溶体化処理炉1
の空気圧式コンベア20に給送される。排ガス流路E3
の下流端が、炉体54の炉壁に開口し、溶体化処理炉1
の炉内ガスが、加熱/排ガス処理装置5の炉内に導入さ
れる。臭気成分及び/又は未燃成分を含む溶体化処理炉
1の炉内ガスは、加熱/排ガス処理装置5の炉内にて再
燃焼反応し、再燃焼反応による浄化作用を受けた後、炉
内領域54aにて生成した燃焼排ガスと一緒に第1又は
第2バーナ組立体55a、55bを介して排気ファン5
2に誘引される。排気ファン52に誘引された加熱/排
ガス処理装置5の燃焼排ガス及び再燃焼排ガスは、排気
ファン52の排気給送圧力下に排気流路E5に送出され
る。炉内領域54aの上記燃焼排ガス及び再燃焼排ガス
の一部は、ブローガスとしてブローガス排気流路E7を
介して炉内領域54aから炉外に導出され、排気流路E
4に導入される。なお、排気流路E4、E7の流量割合
は、蓄熱型バーナシステム50の燃焼用空気予熱能力及
び加熱/排ガス処理装置5の運転条件等に応じた適当な
流量比に設定される。
【0042】次に、上記構成の溶体化処理炉1を使用し
た溶体化処理方法について詳細に説明する。鋳込工程を
完了した直後の複数のアルミニウム鋳物Wは、外型及び
中子とともにバスケットBに収容される。複数の鋳物及
び鋳型Wを収納したバスケットBは、図2に示す如く、
導入ローラー11上に載置される。導入ローラー11
は、駆動装置(図示せず)の作動により回転駆動され
る。バスケット搬入用の開口通路が、入口扉12の開放
により過渡的に端壁1eに形成され、バスケットBは、
該開口通路を介して溶体化処理炉1の炉内に装入され
る。搬送装置10を構成する各搬送路領域10A:10
B:10C:10D:10E:10F:10G:10
H:10Iの駆動源14は、制御装置の制御下に各搬送
領域の駆動ローラー17を所定速度で回転駆動し、所定
の搬送速度パターンに従ってバスケットBを矢印α方向
に移送する。
【0043】各高温気流循環チャンバ1Gは、炉内循環
ファン30の流体吸引作用及び流体吐出作用により、炉
内燃焼ガスを誘引口32から循環チャンバ1Gの誘引領
域1Gaに誘引し、該燃焼ガスを送風口33から炉内領
域1Aに吐出する。循環チャンバ1G及び炉内領域1A
を循環する循環気流が溶体化処理炉1の炉内に形成され
る。該循環気流は、バスケットBの搬送方向αに対して
逆行する高温気流として炉内領域1Aを流通し、バスケ
ットBとの熱交換作用により降温した後、誘引領域1G
a内に流入する。循環気流は、加熱装置Hの加熱作用に
より再熱され、高温給気流として炉内領域1Aに還流す
る。バスケットB内の鋳物及び鋳型Wは、循環気流との
対流伝熱作用により受熱する。鋳物に付着した砂型に
は、加熱作用による内部熱応力及び内部熱歪みが発生
し、砂型を多数の砂塊に分割するクラックが、砂型に誘
発する。同時に、砂型の結合成分、即ち、合成樹脂系バ
インダー又はコートレジンの燃焼反応が、炉内の酸化燃
焼雰囲気により生起し、造形砂の結合力が低減する。か
くして、鋳型の造型砂は、砂塊及び/又は砂粒として崩
落し、ホッパーSの収束領域に重力落下する。
【0044】好ましくは、炉内循環ファン30によって
形成される炉内循環気流の気流速度及び循環流量は、比
較的高い速度値及び流量値に設定され、この結果、鋳物
及び鋳型Wに対する対流伝熱作用は促進し、炉内温度分
布は均一化する。殊に、温度分布の不均一性又は温度む
らの許容範囲が比較的狭い温度域に制限されるアルミニ
ウム鋳物の溶体化処理炉1等においては、炉内温度分布
を均一化し、均一な対流伝熱能力を確保し得る構成が重
視される。しかしながら、一般には、循環気流を形成す
る送風機又は循環ファンの回転数を高速化すると、炉内
循環気流は、炉内領域1Aにて崩落する砂を巻込み、こ
れを流体搬送し、或いは、砂の飛散・浮遊現象又は巻き
上げ現象を炉内領域1Aに生じさせ、この結果、送風機
又は循環ファンのインペラ又は回転子が、気流に混入し
た砂の研磨作用によって比較的早期に磨耗又は摩損し易
い。
【0045】本実施例において、炉内循環ファン30
は、比較的低速の周速度で比較的大流量の循環気流を形
成し得る構造形式の送風機、即ち、遠心型多翼送風機か
らなり、ファン羽根車37の周速度は、比較的低速、好
適には、25m/s 乃至35m/sの範囲内の所定周速に設
定される。しかも、炉内循環ファン30は、溶体化処理
炉1の上部領域に画成された循環チャンバ1G内に配置
され、比較的大容量の循環ファン誘引領域1Gaが、循
環チャンバ1G内に形成される。誘引領域1Gaに誘引
された循環気流は、該誘引領域1Gaにて低速化し、所
謂静圧再取得又は静圧回収作用により、循環気流の動圧
が静圧として回収される。循環気流中に浮遊した砂粒
は、搬送媒体(循環気流)の動圧低減(静圧回収)によ
り、誘引領域1Gaにおいて失速し、隔壁1f上に沈降
する。かくして、過剰な砂粒の吸引に伴って懸念される
炉内循環ファン構成要素の磨耗又は摩損、例えば、イン
ペラ、ファンブレード、スクロールダンパ及びファンケ
ーシング等の磨耗又は摩損は、確実に抑制される。しか
も、遠心型多翼送風機は、一般に、遠心力により循環気
流を昇圧する構造を備えており、比較的低速に設定され
た上記所定周速にて回転駆動するにもかかわらず、所望
の対流伝熱作用及び均一な炉内温度分布を達成し得る十
分な循環流量の炉内循環気流を炉内領域1Aに形成す
る。
【0046】また、本実施例において、炉内循環ファン
30は、炉体の中心部に配置され、回転駆動軸38は、
炉幅方向に水平に延在し、ファンブレードは、水平に配
向される。従って、炉内循環ファン30は、比較的容易
に循環気流の気流分布を炉幅方向に均一化し得るばかり
でなく、循環ファン30の両側に位置する左右の吸引口
35を介して誘引領域1Gaの循環気流を均一にファン
筺体内に吸引する。炉内領域1Aの高温雰囲気(炉内ガ
ス)は、燃焼反応した合成樹脂系バインダー又はコート
レジンの臭気成分及び/又は未燃成分等を含有する。炉
内領域1Aに吐出する空気圧式コンベア装置20の吐出
気流、或いは、入口扉12の開放により炉内領域1Aに
誘引された外気によって増量した炉内領域1A内の循環
気流は、炉内領域に開口した排ガス流路E3の排気誘引
口を介して部分的に炉外に導出され、図1に示す如く、
加熱/排ガス処理装置5に送入される。加熱/排ガス処
理装置5は、炉内ガスが含有する臭気成分、未燃成分又
は有機成分等の再燃焼反応を促し、これを実質的に完全
燃焼せしめた後、系外に排気する。蓄熱型バーナシステ
ム(HRS)50によって800℃以上、好ましくは、
1000乃至1200℃以上の超高温域に予熱された高
温空気の存在下に進行する加熱/排ガス処理装置5の炉
内燃焼反応により、炉内ガス中の臭気成分、未燃成分又
は有機成分等は再燃焼反応し、炉内ガスは脱臭される。
脱臭作用を受け且つ熱回収により低温化した加熱/排ガ
ス処理装置5の燃焼排ガス及び再燃焼排ガスは、流路E
4〜E7を介して溶体化処理装置の系外に排気される。
蓄熱型バーナシステム50の高度な熱回収効率は、熱交
換装置60に対する顕熱伝熱作用と相まって、溶体化処
理装置系全体の熱効率を大幅に改善する。
【0047】各搬送路領域10A乃至10Iの加振装置
15は、図2に示す如く、各搬送路領域10A乃至10
Iの駆動ローラー群17によるバスケットBの搬送と関
連して、適宜、上方突出位置に変位する。加振装置15
のストッパ駆動機構71〜79(図6及び図7)は、ス
トッパ部材70を駆動ローラー群17の上方域に突出さ
せる。前方移動するバスケットBは、ストッパ部材70
に衝合し、この結果、バスケットB内の鋳物及び鋳型W
は、衝撃による過渡的な機械振動又はノック振動を受け
る。炉内高温雰囲気によって熱応力クラック又は内部熱
歪みクラックを誘発した鋳型は、過渡的な機械振動又は
ノック振動により更にクラックを誘発し、砂塊又は砂粒
として鋳物本体から更に崩落する。ストッパ部材70を
搬送路上方に突出した搬送路領域において、搬送装置1
0は、所望により、駆動ローラー17の正転・逆転運動
を反復し、バスケットBの往復動を過渡的に生じさせ
る。バスケットBは、複数回に亘ってストッパ部材70
に衝合し、この結果、反復する機械振動又はノック振動
が鋳物及び鋳型Wに作用し、造型砂のクラック誘発及び
崩落作用は、更に促進する。
【0048】かくして、個別制御可能な複数の各搬送路
領域10A乃至10Iは、各搬送路領域10A乃至10
Iと関連して配設された各加振装置15と協働して、砂
型の崩落を助勢するノッキング手段を炉内領域1Aの適
所に形成する。炉内高温雰囲気にて実施されるノッキン
グ工程は、外界雰囲気又は常温雰囲気下に実施される従
来のノッキング工程と対比し、比較的軽微な衝突エネル
ギー又は衝撃力の入力により効果的なノッキング効果を
もたらす。例えば、従来構成の溶体化処理工程において
は、鋳物本体に付着した全砂型成分の約20乃至30%
の砂が鋳物と一緒に後続の浸漬槽又は焼入槽に導入され
るが、本実施例に従って実行される炉内高温雰囲気下の
上記ノッキング工程によれば、鋳物の鋳肌に僅かに残留
した比較的微量の砂型成分が灼熱雰囲気下に効率的に鋳
物本体から剥落し得ることから、鋳型を構成する造型砂
は、確実且つ効果的に鋳物本体からホッパーS内に落下
し、鋳物本体及び砂型成分の境界層の離型・剥離作用が
可成り促進する。かくして、鋳物本体と共に後続の浸漬
槽等に移送される付着砂量は、大幅に低減する。しか
も、上記ノッキング工程による機械振動は、外型の崩落
のみならず、中子砂の崩落を促進し、炉内高温雰囲気に
より熱酸化反応する中子砂の表面積を増加せしめる。こ
の結果、中子砂の燃焼反応は、比較的早期に進行し、中
子砂の崩落作用は、更に助勢される。更に、かかるノッ
キング工程によれば、比較的軽微な衝撃による効率的な
ノッキング工程の実施が可能となる結果、衝撃力を大幅
に低減することができるので、ノッキング工程において
生じ得るアルミニウム鋳物本体の機械的損傷を確実に防
止することができる。ホッパーS内に崩落した砂粒及び
砂塊は、ホッパーSの収斂領域に配設された網体28上
に堆積する。網体28から上方に吐出する比較的高温の
空気流は、ホッパーSの収束領域に堆積した内の砂及び
砂塊100(図8及び図9)を加熱するとともに、該砂
粒及び砂塊の流動化せしめる。砂塊のバインダ成分は、
高温空気流による加熱作用及び流動化作用により燃焼反
応又は焼成反応し、砂粒に分解し、この結果、網体28
の開口を介して流動領域24に自由落下する。
【0049】図1に示す如く、ホッパーSの空気圧式コ
ンベア装置20には、加熱/排ガス処理装置5の熱交換
装置60により加熱された高温空気が、給気流路A3を
介して供給される。図8乃至図10に示す如く、高温空
気は、高温空気チャンバ23の第1多孔質板27を介し
て流動領域24に吐出する。また、比較的低温の空気流
が、給気流路A4を介してコンベア装置20に供給さ
れ、低温空気は、低温空気チャンバ23の第2多孔質板
29を介して流動領域24に吐出する。第1及び第2多
孔質板27、29から上方に吐出する高温空気流及び低
温空気流は、流動領域24に落下した砂粒を流動化さ
せ、砂粒は、第1及び第2多孔質板27、29の傾斜に
従って静圧弁構造部(static valve)25に移動する。
砂粒の移動速度は、給気流路A3、A4の空気給送流
量、即ち、第1及び第2多孔質板27、29の空気吐出
流量の可変設定により調整される。静圧弁構造部25
は、流動領域24の内圧と砂粒排出ラインS1の管内圧
力との差圧に従って、多孔質体27、29上を移動する
砂粒を適当な流出速度で砂粒排出ラインS1に流出せし
め、砂粒排出ラインS1は、該砂粒を砂粒排出ラインS
2に排出する。なお、静圧弁構造部25は、砂粒の排出
速度を規制するとともに、流動領域24の砂塊等が直に
砂粒排出ラインS1に排出されるのを防止する。第1及
び第2多孔質板27、29から流出した高温空気流及び
低温空気流は、流動領域24内で混合し、上述の如く、
網体28を介してホッパーSの収束領域に吐出し、ホッ
パーS内の砂粒及び砂塊の燃焼反応及び流動化を促し、
流動領域24への砂粒の落下を助勢する。
【0050】上記構成の空気圧式コンベア装置20は、
比較的大量に崩落する鋳物砂及び砂塊を砂粒排出ライン
S1に円滑に排出し得るばかりでなく、給気流路A3、
A4の空気給送流量の適切な規制により、比較的少量の
鋳物砂及び砂塊の排出にも又、好適に適応することがで
きる。一般には、砂焼き温度に達する搬送装置10の搬
送路領域、例えば、搬送路領域10A乃至10Cの領域
においては、多量且つ大形の砂塊がホッパーS内に崩落
し、他方、搬送装置10の下流側に位置する搬送路領域
においては、比較的少量の砂粒又は比較的小形の砂塊が
ホッパー内に落下するにすぎない。しかし、空気圧式コ
ンベア装置20は、このような砂粒排出量の相違又は変
化に対して、給気流路A3、A4の空気給送流量の調節
により円滑に適応し、鋳物砂の崩落量に対する適正量の
流動化空気を各ホッパーSに供給する。例えば、空気圧
式コンベア装置20は、搬送方向上流側のホッパーSに
対して比較的多量の高温空気を供給し、他方、搬送方向
下流側のホッパーSに対して比較的少量の高温空気を供
給し、これにより、搬送方向に変化する適切な砂粒排出
パターンを設定することができる。
【0051】また、一般に、炉内温度は、鋳物本体の熱
処理温度に規制され、従って、造形砂の熱酸化反応に適
した温度とは異なる温度、或いは、造形砂の熱酸化反応
に最適な温度よりも相対的に低い温度に設定される。し
かしながら、本実施例においては、砂焼き温度以上の高
温に加熱された空気流が、空気圧式コンベア装置20に
供給される。従って、空気圧式コンベア装置20は、造
形砂の熱酸化反応に適した高温の空気流をホッパーS内
に堆積した砂及び砂塊100に供給する。高温空気流
は、流動領域24内の砂粒に伝熱接触し、該砂粒を流動
化せしめるばかりでなく、網体28を介してホッパーS
の収束領域に吐出し、砂粒に埋没した砂塊に流動接触す
る。ホッパーS内に埋没した砂塊は、熱風として網体2
8から流出する高温気流により流動化し、該高温気流と
の伝熱接触による焙焼作用を受けるとともに、炉内高温
雰囲気に伝熱接触し、炉内循環気流による砂焼き作用を
受ける。かくして、砂塊及び砂粒に含有された合成樹脂
系バインダー又はコートレジンは、ホッパーS内におい
て確実に熱酸化反応し、ホッパーS内の砂塊は、砂粒に
分解する。かかる構成によれば、ホッパーS内の砂粒に
埋没した砂塊、即ち、炉内循環気流に接触し難い砂塊を
確実に砂粒化し、静圧弁構造部25の閉塞を防止し得る
ので、コンベア装置20の円滑な砂粒排出機能が確保さ
れる。
【0052】また、上記構造のコンベア装置20は、従
来のデータと対比すると約5倍の砂粒排出能力を発揮
し、多量の炉内崩落砂を炉外に迅速に排出し得るばかり
でなく、供給空気量の線型可変制御による広範且つ適切
な砂粒排出能力の調整を可能にする。これは、上記の如
く、搬送路に沿って大きく変化する鋳物砂の崩落量に対
して、適切な砂の排出パターンを設定する上で極めて有
利である。しかも、従来の回転スクリュー式排出装置が
広範な磨耗面又は摩擦接触面を備えていたのに対し、上
記構成のコンベア装置20は、実質的に磨耗面又は摩擦
接触面を備えていない。従って、長期連続運転の維持・
管理作業を簡素化ないし簡略化し、或いは、無人化運転
を実施する上で、実用的に極めて有益である。更に、上
記構成のコンベア装置20によれば、供給空気量及び供
給空気温度の可変設定により各ホッパーS内の造形砂の
砂粒化時間を適当に調節し、各ホッパーSの砂粒排出速
度を適切且つ任意に制御することが可能となる。
【0053】図12は、本発明の第2実施例に係る溶体
化処理炉を備えたアルミニウム鋳物の熱処理プロセスの
全体構成を示す縦断面図であり、図13及び図14は、
図12に示す溶体化処理炉の構成を示す炉長方向及び炉
幅方向の縦断面図である。また、図15は、溶体化処理
炉の横断面図である。なお、図12乃至図15におい
て、上記第1実施例(図1乃至図11)の各構成要素又
は構成手段と実質的に同じ構成要素又は構成手段につい
ては、同一の参照符号が付されている。
【0054】図12に示す熱処理プロセスは、溶体化処
理炉1と、溶体化処理炉1の上層に配置された時硬炉3
と、溶体化処理炉1の搬出部及び時硬炉3の装入部に隣
接した配置された急冷装置2とを備える。急冷装置2
は、溶体化処理炉1の下流側端部と時硬炉3の上流側端
部との間に上下方向に延在し、溶体化処理炉1から搬出
されたアルミニウム鋳物を時硬炉3に導入する。溶体化
処理炉1の各部構成は、前述の第1実施例と実質的に同
一の全体構成を備える。即ち、溶体化処理炉1は、炉内
高温雰囲気を通して鋳物及び鋳型Wを搬送する搬送装置
10と、炉内循環気流を形成する炉内循環ファン30と
を備え、搬送路から自由落下する鋳物砂を受入れ可能な
複数のホッパーSが、搬送装置10の下方域に配列され
る。空気圧式コンベア装置20が、ホッパーSの収斂部
に配置され、ホッパーS内の砂粒は、コンベア装置20
によって砂粒排出ラインS1に送出される。しかしなが
ら、本実施例の溶体化処理炉1は、高温気流循環チャン
バ1Gを備えておらず、炉内循環ファン30は、炉体の
一方の側の側壁1dに隣接して配置され、吸引口35
は、炉内領域1Aの上部域に向かって開口し、吐出口3
6は、一方の側壁1dに沿って下方に炉内循環気流を送
風する。吐出口36から流出した循環気流は、変向板3
3aによって炉内領域1Aの内方に変向され、鋳物及び
鋳型Wと伝熱接触した後、炉内上部域から吸引口35に
吸引される。本実施例の構成は、炉内に循環チャンバ1
Gを配設する十分な領域を確保し難い構造の溶体化処理
炉1において有利に使用し得る。搬送装置10、ホッパ
ーS及び空気圧式コンベア装置20の各部構成について
は、前述の第1実施例(図1乃至図11)と実質的に同
一であるので、更なる詳細な説明は、省略する。
【0055】以上、本発明の好適な実施例について詳細
に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるもので
はなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で
種々の変形又は変更が可能であり、該変形例又は変更例
も又、本発明の範囲内に含まれるものであることは、い
うまでもない。例えば、上記各実施例においては、溶体
化処理炉の加振装置は、搬送路に突出可能なストッパ部
材を備えた構成のものであるが、加振装置として、搬送
路の搬送平面に配置され且つ鋳物及び鋳型を励振面によ
って過渡的に加振する振動テーブルを溶体化処理炉内に
配設しても良い。
【0056】
【発明の効果】以上説明した如く、上記ホッパー及び空
気圧式コンベア装置を備えた本発明の上記構成によれ
ば、溶体化処理炉内で崩落する大量の鋳物砂の排出及び
回収を迅速且つ効果的に実施し得る溶体化処理炉及び溶
体化処理法を提供することが可能となる。また、炉内の
高温雰囲気下に効果的に鋳型にクラック、微細な割裂又
はひび割れ、或いは、隙間又は層間剥離等を誘発する励
振手段又はノッキング手段を備えた本発明の上記構成に
よれば、溶体化処理工程の予備工程又は前処理工程とし
ての機械的励振処理又はノッキング処理等を実質的に完
全に省略することができる。更に、空気圧式コンベア装
置に供給すべき空気流を砂焼き温度以上の所定温度に加
熱する加熱装置を備えるとともに、静圧回収可能な気流
循環チャンバ及び遠心型多翼送風機を備えた本発明の上
記構成によれば、溶体化処理及び砂焼き処理の双方に適
した雰囲気温度および炉内循環気流の流量を炉内環境条
件として設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る溶体化処理方法を実施す
る溶体化処理炉を備えたアルミニウム鋳物の熱処理プロ
セスの全体構成を示す概略フロー図である。
【図2】図1に示す熱処理プロセスを実行する溶体化処
理炉の全体構成を示す溶体化処理炉の炉長方向の縦断面
図である。
【図3】図2に示す溶体化処理炉の炉幅方向の縦断面図
である。
【図4】図2及び図3のI−I線における溶体化処理炉
の横断面図である。
【図5】図4のII−II線における溶体化処理炉の部分縦
断面図である。
【図6】溶体化処理炉の搬送装置に配設された加振装置
の構造を示す溶体化処理炉の部分縦断面図である。
【図7】図6に示す加振装置の構造詳細図であり、図7
(A)には、加振装置を構成するストッパ駆動機構の部
分側面図が示されており、図7(B)には、加振装置の
作動形態を示す部分側面図が図示されている。
【図8】溶体化処理炉の炉床部分に配置された空気圧式
コンベア装置の全体構成を概念的に示す概略断面図であ
る。
【図9】図8に示す空気圧式コンベア装置の構造を概略
的に示す縦断面図である。
【図10】空気圧式コンベア装置を構成する空気圧チャ
ンバの構造を示す部分縦断面図であり、図10(A)に
は、図9のIII-III 線における断面図が示されており、
図10(B)には、図9のIV-IV 線における断面図が示
されている。
【図11】溶体化処理炉の炉外に配設された加熱/排ガ
ス処理装置の全体構成及び作動態様を示す概略縦断面図
である。
【図12】本発明の第2実施例に係る溶体化処理炉を備
えたアルミニウム鋳物の熱処理プロセスの全体構成を示
す概略縦断面図である。
【図13】図12に示す溶体化処理炉の全体構成を示す
溶体化処理炉の炉長方向の縦断面図である。
【図14】図12に示す溶体化処理炉の炉幅方向の縦断
面図である。
【図15】図12に示す溶体化処理炉の横断面図であ
る。
【符号の説明】
1 溶体化処理炉 1A 炉内領域 1G 循環チャンバ 1Ga 誘引領域 1Gb 吐出領域 2 急冷装置 3 時硬炉 5 加熱/排ガス処理装置 6 砂粒収集装置 7 水/砂粒分離装置 10 搬送装置 15 加振装置 17 搬送用駆動ローラー 20 空気圧式コンベア装置 22 高温空気チャンバ 23 低温空気チャンバ 24 流動領域 25 静圧弁構造部 27 第1多孔質板 28 金属製網体 29 第2多孔質板 30 炉内循環ファン 40 ラジアントチューブ型バーナ 50 高速切換式蓄熱型バーナシステム(HRS) 60 熱交換装置 70 ストッパ部材 100 砂粒及び砂塊 W 鋳物及び鋳型 B バスケット H 炉内加熱装置 S ホッパー S1 砂粒排出ライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22F 1/04 C22F 1/04 M

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 造型砂により成形された鋳型により鋳造
    された鋳物を炉内高温雰囲気に導入し、炉内高温雰囲気
    を通して前記鋳物を搬送する搬送装置と、炉内循環気流
    を形成する気流循環装置と、炉床領域に自由落下した鋳
    型の鋳物砂を炉外に排出する砂粒排出装置とを備えた溶
    体化処理炉において、 搬送装置の下方域に配列され、前記鋳物及び鋳型の搬送
    路から自由落下する鋳物砂を受入れる複数のホッパー
    と、 該ホッパーの収斂部に配置され、ホッパー内の砂粒を砂
    粒排出装置に送出する空気圧式コンベア装置とを備え、 該空気圧式コンベア装置は、所定流量の高温空気流が供
    給される空気圧チャンバと、該空気圧チャンバの頂壁を
    構成し且つ前記空気圧チャンバに流入する空気流を上方
    に吐出する多孔質板とを備え、前記多孔質板は、該多孔
    質板上に堆積した砂粒を流動化し、該砂粒を砂粒排出装
    置に送出することを特徴とする溶体化処理炉。
  2. 【請求項2】 前記空気圧チャンバに供給する空気流を
    加熱する加熱装置を備え、該加熱装置は、砂焼き温度以
    上の所定温度域に前記空気流を加熱することを特徴とす
    る請求項1に記載の溶体化処理炉。
  3. 【請求項3】 前記多孔質板の吐出空気流を通気可能な
    砂塊保持手段が、前記多孔質板の上方域に所定間隔を隔
    てて前記ホッパーの収斂部に配設され、前記保持手段
    は、前記ホッパーの収束域に自由落下した砂塊を過渡的
    にホッパー内に保持するとともに、該保持手段と前記多
    孔質板との間に前記砂粒の流動領域を画成することを特
    徴とする請求項1又は2に記載の溶体化処理炉。
  4. 【請求項4】 前記搬送装置の搬送路は、複数の搬送路
    領域に分割され、各搬送路領域は、連続する搬送平面を
    炉内領域に形成し、 各搬送路領域に配設された各搬送手段は、各搬送路領域
    の搬送動力を独立制御可能な搬送駆動装置を備えること
    を特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の溶
    体化処理炉。
  5. 【請求項5】 前記鋳型に衝撃及び/又は振動を付与す
    る加振装置が、前記搬送装置の搬送路に配置されること
    を特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の溶
    体化処理炉。
  6. 【請求項6】 前記気流循環装置は、炉内循環気流の循
    環圧力を形成する遠心型多翼送風機を備えることを特徴
    とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の溶体化処
    理炉。
  7. 【請求項7】 前記加熱装置は、高速切換式蓄熱型バー
    ナシステムにより加熱される加熱炉と、該加熱炉内に配
    置された熱交換装置とを備え、該熱交換装置は、前記空
    気圧チャンバに供給すべき空気流を前記加熱炉の炉内高
    温雰囲気との熱交換作用により前記温度域に加熱するこ
    とを特徴とする請求項2に記載の溶体化処理炉。
  8. 【請求項8】 前記溶体化処理炉内の循環気流を排ガス
    として部分的に炉外に導出する排ガス流路が、前記加熱
    炉の炉内燃焼領域と連通し、前記溶体化処理炉の炉内ガ
    スは、前記加熱炉の炉内燃焼領域に送入されることを特
    徴とする請求項7に記載の溶体化処理炉。
  9. 【請求項9】 前記保持手段は、多数の小径開口部を備
    えた網体からなり、該開口部は夫々、重力落下作用によ
    る砂粒の通過を許容し且つ砂塊の通過を阻止する所定の
    開口寸法を有することを特徴とする請求項3に記載の溶
    体化処理炉。
  10. 【請求項10】 前記搬送路は、回転駆動する複数の駆
    動ローラーを備え、該駆動ローラーは、炉長方向に所定
    間隔を隔てて配列され、各駆動ローラーは、炉幅方向に
    延在し、 各々の前記搬送路領域を構成する駆動ローラー群は、制
    御装置の同期制御下に正転又は逆転し、該搬送路領域の
    鋳物及び鋳型を所定速度で移動させることを特徴とする
    請求項4に記載の溶体化処理炉。
  11. 【請求項11】 前記加振装置は、前記搬送路の搬送平
    面に選択的に突出可能なストッパ部材を備え、該ストッ
    パ部材は、上方突出位置にて鋳物及び鋳型の前進を阻止
    し、鋳物及び鋳型に対して衝撃力又は加速度を過渡的に
    与えることを特徴とする請求項5に記載の溶体化処理
    炉。
  12. 【請求項12】 前記加振装置は、前記搬送路に配置さ
    れた振動テーブルを有し、該振動テーブルは、搬送路を
    移送される鋳物及び鋳型を過渡的に励振し、前記鋳型に
    微振動を生じさせることを特徴とする請求項5に記載の
    溶体化処理炉。
  13. 【請求項13】 前記加振装置は、各搬送路領域の駆動
    ローラー群と関連した位置に配置され、該駆動ローラー
    群の搬送動力による鋳物及び鋳型の運動を過渡的に阻止
    し、鋳物及び鋳型に対して衝撃力又は加速度を過渡的に
    与えることを特徴とする請求項11に記載の溶体化処理
    炉。
  14. 【請求項14】 前記気流循環装置は、誘引領域を備え
    た気流循環チャンバを有し、該気流循環チャンバは、循
    環気流誘引口を介して炉内領域と連通するとともに、循
    環気流吐出口を介して炉内領域と連通し、 前記遠心型多翼送風機は、前記気流循環チャンバ内に配
    置され、該送風機の吸引口は、前記気流循環チャンバの
    誘引領域と連通することを特徴とする請求項6に記載の
    溶体化処理炉。
  15. 【請求項15】 前記遠心型多翼送風機のインペラの周
    速度は、25乃至35m/秒の範囲内の所定周速度に設
    定されることを特徴とする請求項6又は14に記載の溶
    体化処理炉。
  16. 【請求項16】 前記循環気流を加熱する炉内加熱装置
    が、前記炉内領域の高温雰囲気を維持すべく、前記誘引
    領域に配置されることを特徴とする請求項14に記載の
    溶体化処理炉。
  17. 【請求項17】 前記空気圧チャンバの多孔質板は、砂
    焼き温度以上の高温空気流を吐出する第1多孔質板と、
    比較的低温の空気流を吐出する第2多孔質板とを備え、
    前記第1多孔質板は、前記ホッパーの収斂部の下方域に
    配置され、前記第2多孔質板は、前記第1多孔質板の砂
    粒送出方向下流側に配置され、前記第1及び第2多孔質
    板は、砂粒送出方向下流側に向かって下方に傾斜した平
    坦な連続搬送平面を形成し、流動化した砂粒を重力作用
    により前記砂粒排出装置に送出することを特徴とする請
    求項2又は3に記載の溶体化処理炉。
  18. 【請求項18】 造型砂により成形された鋳型を鋳物と
    一緒に高温の溶体化処理炉に装入し、溶体化処理炉の炉
    内高温雰囲気を通して鋳物及び鋳型を搬送し、該鋳物を
    炉内高温雰囲気下に溶体化処理するとともに、高温の炉
    内循環気流と前記鋳型との伝熱接触により該鋳型を加熱
    し、鋳型を構成する鋳物砂の崩落作用を炉内領域で促す
    溶体化処理方法において、 前記鋳物及び鋳型の搬送路に沿って該搬送路の下方域に
    複数のホッパーを配列し、前記鋳物から崩落する鋳物砂
    の砂粒及び/又は砂塊を前記ホッパー内に受入れ、該砂
    粒及び/又は砂塊を前記ホッパーの収束領域に過渡的に
    堆積し、 該ホッパーの収斂部に空気圧式コンベア装置を配置し、
    該コンベア装置の多孔質板から吐出する高温空気流によ
    って該多孔質板上の砂粒を流動化し、該砂粒を砂粒排出
    装置に送出することを特徴とする溶体化処理方法。
  19. 【請求項19】 前記鋳型の砂焼き温度以上に昇温した
    高温空気流を前記多孔質板に供給し、該多孔質板を介し
    て前記高温空気流を上方に吐出し、前記ホッパー内に堆
    積した砂粒及び砂塊を前記高温空気流によって流動化し
    且つ加熱することを特徴とする請求項18に記載の溶体
    化処理方法。
  20. 【請求項20】 前記溶体化処理炉内の循環気流を排ガ
    スとして部分的に炉外に導出し、該排ガスを炉外の燃焼
    領域に導入し、炉内ガスに含有された未燃成分の再燃焼
    反応により該炉内ガスの臭気成分を脱臭するとともに、
    前記燃焼領域の燃焼熱を空気流に伝熱し、該空気流を前
    記高温空気流として前記空気圧式コンベア装置に給送す
    ることを特徴とする請求項19に記載の溶体化処理方
    法。
  21. 【請求項21】 前記空気流の可変流量設定により前記
    砂粒の排出速度を制御することを特徴とする請求項18
    乃至20のいずれか1項に記載の溶体化処理方法。
  22. 【請求項22】 前記空気流の可変温度設定により前記
    ホッパー内の砂粒及び砂塊の砂焼き作用を制御すること
    を特徴とする請求項18乃至21のいずれか1項に記載
    の溶体化処理方法。
  23. 【請求項23】 前記ホッパーの収束領域と前記多孔質
    板との間に流動領域を画成し、該流動領域内に自由落下
    する砂粒を前記空気流にて流動化し、該流動化作用によ
    り前記砂粒を前記多孔質板の上面に沿って前記砂粒排出
    装置に移送することを特徴とする請求項18乃至22の
    いずれか1項に記載の溶体化処理方法。
  24. 【請求項24】 前記搬送路を複数の搬送路領域に区画
    し、各搬送路領域の搬送速度を各搬送路領域毎に独立制
    御するとともに、前記鋳物及び鋳型を各搬送路領域で往
    復動可能に移動させることを特徴とする請求項18乃至
    23のいずれか1項に記載の溶体化処理方法。
  25. 【請求項25】 前記鋳物及び鋳型を励振し、鋳型に生
    起した微振動により前記鋳型の崩落を助勢することを特
    徴とする請求項18乃至24のいずれか1項に記載の溶
    体化処理方法。
  26. 【請求項26】 前記鋳物及び鋳型の前方に制止手段を
    位置決めし、前記鋳物及び鋳型の往復動により該鋳物及
    び鋳型を前記制止手段に対して複数回に亘って衝合せし
    め、衝撃及び/又は振動を前記鋳型に生じさせ、鋳肌に
    対する鋳物砂の付着力を低減させるとともに、該鋳型の
    分解を促進することを特徴とする請求項18乃至25の
    いずれか1項に記載の溶体化処理方法。
  27. 【請求項27】 前記鋳物及び鋳型の搬送方向と逆行す
    る前記炉内循環気流を炉内領域に形成し、 前記鋳物及び鋳型との熱交換作用により降温した炉内循
    環気流を気流循環チャンバの誘引領域に誘引し、該誘引
    領域において炉内循環気流を再加熱するとともに、炉内
    循環気流の動圧を静圧回収し、炉内循環気流に含有され
    た砂粒を前記誘引領域にて炉内循環気流から分離し、 強制循環手段によって前記誘引領域の炉内循環気流を炉
    内領域に還流することを特徴とする請求項18乃至26
    のいずれか1項に記載の溶体化処理方法。
  28. 【請求項28】 前記鋳型の砂粒及び砂塊を自由落下可
    能なバスケット内に複数の前記鋳物及び鋳型を収容し、
    該バスケットを前記搬送路にて搬送方向に移送すること
    を特徴とする請求項18乃至27のいずれか1項に記載
    の溶体化処理方法。
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