JPH11156200A - 複合光触媒およびその製造方法 - Google Patents
複合光触媒およびその製造方法Info
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- JPH11156200A JPH11156200A JP9320791A JP32079197A JPH11156200A JP H11156200 A JPH11156200 A JP H11156200A JP 9320791 A JP9320791 A JP 9320791A JP 32079197 A JP32079197 A JP 32079197A JP H11156200 A JPH11156200 A JP H11156200A
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Landscapes
- Physical Water Treatments (AREA)
- Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 水処理に用いた場合、光触媒反応効率が高
く、反応後の回収が容易で、かつ作製が容易な、実用上
使いやすい複合光触媒とその製造方法を提供することで
ある。 【解決手段】 磁性材料粒子と光触媒粒子とを含む複合
光触媒であって、該光触媒粒子が該磁性材料粒子の表面
に固着されていることを特徴とする複合光触媒であり、
前記複合光触媒は、前記磁性材料粒子の表面を液ガラス
で濡らした後、光触媒粒子粉体でコーティングし、乾燥
または加熱することによって、前記光触媒粒子を前記磁
性材料粒子の表面に固着するか、前記磁性材料粒子の表
面が光触媒成分を含有するゾル水溶液で表面が濡れるよ
うに混合した後、加熱することによって得られる。
く、反応後の回収が容易で、かつ作製が容易な、実用上
使いやすい複合光触媒とその製造方法を提供することで
ある。 【解決手段】 磁性材料粒子と光触媒粒子とを含む複合
光触媒であって、該光触媒粒子が該磁性材料粒子の表面
に固着されていることを特徴とする複合光触媒であり、
前記複合光触媒は、前記磁性材料粒子の表面を液ガラス
で濡らした後、光触媒粒子粉体でコーティングし、乾燥
または加熱することによって、前記光触媒粒子を前記磁
性材料粒子の表面に固着するか、前記磁性材料粒子の表
面が光触媒成分を含有するゾル水溶液で表面が濡れるよ
うに混合した後、加熱することによって得られる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水処理に関するも
のであり、特に、水中の難分解有機物質等の分解処理に
用いる光触媒に関する。
のであり、特に、水中の難分解有機物質等の分解処理に
用いる光触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】〔光触媒による水処理〕水中の難分解有
機物質等の分解処理に光触媒を用いることは以前から検
討されている。
機物質等の分解処理に光触媒を用いることは以前から検
討されている。
【0003】光触媒を水処理に用いる場合の一般的な使
用方法は以下の通りである。
用方法は以下の通りである。
【0004】光触媒粒子(微粉末)をそのまま反応液
中に分散させて光を照射する。
中に分散させて光を照射する。
【0005】樹脂溶液等に光触媒粒子(微粉末)を分
散させてフィルム膜化し、このフィルム膜を反応液中に
入れて光を照射する。
散させてフィルム膜化し、このフィルム膜を反応液中に
入れて光を照射する。
【0006】光触媒粒子(微粉末)をセラミックスに
焼結させて筒状またはボール状として反応液中に入れ、
光を照射する。
焼結させて筒状またはボール状として反応液中に入れ、
光を照射する。
【0007】しかし、これらの方法は以下のような欠点
がある。
がある。
【0008】の方法は、光触媒粒子の粒子径が小さい
ほど有機物質との接触機会が多いので、反応効率はよく
なるが、粒子径が小さくなるほど、反応後、反応液中か
ら濾過や遠心分離等で粒子を回収または除去することが
困難になる。
ほど有機物質との接触機会が多いので、反応効率はよく
なるが、粒子径が小さくなるほど、反応後、反応液中か
ら濾過や遠心分離等で粒子を回収または除去することが
困難になる。
【0009】の方法は、反応後の回収または除去の問
題はないものの、触媒反応に寄与する光触媒粒子は、フ
ィルム膜やセラミックスの表面に露出しているものだけ
に限られるため、の方法と比べると反応効率が著しく
低下してしまう。
題はないものの、触媒反応に寄与する光触媒粒子は、フ
ィルム膜やセラミックスの表面に露出しているものだけ
に限られるため、の方法と比べると反応効率が著しく
低下してしまう。
【0010】の方法は、の方法よりも反応効率の低
下は少ないが、反応効率を高くするためには、できるだ
けセラミックスの大きさを小さくしなければならず、小
さくするほど反応後の回収または除去が難しくなってし
まう。
下は少ないが、反応効率を高くするためには、できるだ
けセラミックスの大きさを小さくしなければならず、小
さくするほど反応後の回収または除去が難しくなってし
まう。
【0011】そこで、上記の欠点を解決するために、半
導体物質(光触媒粒子と同義)をこの半導体物質よりも
粒子径の大きな核粉体の表面に固定化して、反応層中に
分散させることにより、回収や除去を容易にし、更によ
り高い触媒効果を得ること(特開平6−182218)
や、核粒子内に塊状及び/又は分散状に磁性体を内包さ
せ、その表面に光触媒粒子を結合させることにより、反
応効率を向上させ、かつ電磁石による吸着力で回収を容
易にすること(特開平4−371233)などが提案さ
れている。
導体物質(光触媒粒子と同義)をこの半導体物質よりも
粒子径の大きな核粉体の表面に固定化して、反応層中に
分散させることにより、回収や除去を容易にし、更によ
り高い触媒効果を得ること(特開平6−182218)
や、核粒子内に塊状及び/又は分散状に磁性体を内包さ
せ、その表面に光触媒粒子を結合させることにより、反
応効率を向上させ、かつ電磁石による吸着力で回収を容
易にすること(特開平4−371233)などが提案さ
れている。
【0012】しかし、いずれの手段もあまり実際の使用
に適しているとはいえない。反応効率をよくするために
は、光触媒を反応液中になるべく均一に分散させること
が必要であるため、核粉体(あるいは核粒子)の粒子径
は数十μm程度までしか大きくすることができず、回収
にはやはり手間がかかる。そのため、核粒子内に塊状及
び/又は分散状に磁性体を内包させることにより、磁気
で回収することも提案されているが、磁性体を内包させ
る構造の核粒子は作製過程が複雑でコストがかかってし
まい、また核粒子中に含まれる磁性体の量も少ないた
め、磁力が弱く、磁気で回収を行うには充分とはいえな
い。
に適しているとはいえない。反応効率をよくするために
は、光触媒を反応液中になるべく均一に分散させること
が必要であるため、核粉体(あるいは核粒子)の粒子径
は数十μm程度までしか大きくすることができず、回収
にはやはり手間がかかる。そのため、核粒子内に塊状及
び/又は分散状に磁性体を内包させることにより、磁気
で回収することも提案されているが、磁性体を内包させ
る構造の核粒子は作製過程が複雑でコストがかかってし
まい、また核粒子中に含まれる磁性体の量も少ないた
め、磁力が弱く、磁気で回収を行うには充分とはいえな
い。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来の技術における問題点を解決するためになされた
ものである。したがって、本発明が解決しようとする課
題は、実際の使用により適した複合光触媒とその製造方
法を提供することである。すなわち、光触媒効率が高
く、反応後に反応液中から回収することが容易で、
作製が容易、という3つの条件を同時に満たす複合光触
媒とその製造方法を提供することである。
な従来の技術における問題点を解決するためになされた
ものである。したがって、本発明が解決しようとする課
題は、実際の使用により適した複合光触媒とその製造方
法を提供することである。すなわち、光触媒効率が高
く、反応後に反応液中から回収することが容易で、
作製が容易、という3つの条件を同時に満たす複合光触
媒とその製造方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めに、本発明では、基本的に磁性材料粒子の表面に光触
媒粒子を固着するという手段をとる。
めに、本発明では、基本的に磁性材料粒子の表面に光触
媒粒子を固着するという手段をとる。
【0015】すなわち、本発明は、磁性材料粒子と光触
媒粒子からなる複合光触媒であって、該光触媒粒子が該
磁性材料粒子の表面に固着されていることを特徴とす
る。
媒粒子からなる複合光触媒であって、該光触媒粒子が該
磁性材料粒子の表面に固着されていることを特徴とす
る。
【0016】前記磁性材料粒子は酸化物磁性材料を含む
ことを特徴とする。
ことを特徴とする。
【0017】前記磁性材料粒子は顆粒であることを特徴
とする。
とする。
【0018】前記磁性材料粒子はフェライト材料を含む
ことを特徴とする。
ことを特徴とする。
【0019】前記光触媒粒子はTiO2粒子であること
を特徴とする。
を特徴とする。
【0020】複合光触媒を製造する方法であって、磁性
材料粒子の表面を液ガラスで濡らした後、光触媒粒子粉
体でコーティングし、乾燥または加熱することによっ
て、前記光触媒粒子を前記磁性材料粒子の表面に固着す
ることを特徴とする。
材料粒子の表面を液ガラスで濡らした後、光触媒粒子粉
体でコーティングし、乾燥または加熱することによっ
て、前記光触媒粒子を前記磁性材料粒子の表面に固着す
ることを特徴とする。
【0021】複合光触媒を製造する方法であって、磁性
材料粒子の表面が、光触媒成分を含有するゾル水溶液で
濡れるように混合した後、加熱することによって、前記
光触媒粒子を前記磁性材料粒子の表面に固着することを
特徴とする。
材料粒子の表面が、光触媒成分を含有するゾル水溶液で
濡れるように混合した後、加熱することによって、前記
光触媒粒子を前記磁性材料粒子の表面に固着することを
特徴とする。
【0022】前記光触媒成分の含有量が1〜40wt%
であることを特徴とする。
であることを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
て説明する。
【0024】〔磁性材料粒子の種類〕本発明に用いる磁
性材料粒子の種類には特に限定はないが、安価で変質し
にくい酸化物磁性材料粒子が好ましく、そのなかでも磁
力の強いフェライト材料粒子がより好ましい。フェライ
ト材料としては、六方晶系のSrフェライト、Baフェ
ライト等のフェライト磁石材料や、Mn−Znフェライ
ト、Ni−Znフェライト、Cu−Znフェライト等の
ソフトフェライト材料など挙げられる。
性材料粒子の種類には特に限定はないが、安価で変質し
にくい酸化物磁性材料粒子が好ましく、そのなかでも磁
力の強いフェライト材料粒子がより好ましい。フェライ
ト材料としては、六方晶系のSrフェライト、Baフェ
ライト等のフェライト磁石材料や、Mn−Znフェライ
ト、Ni−Znフェライト、Cu−Znフェライト等の
ソフトフェライト材料など挙げられる。
【0025】〔磁性材料粒子の粒子径〕粒子径は光触媒
粒子よりも大きければよく、特に限定はされないが、あ
まり小さすぎても回収が難しくなってしまうし、大きす
ぎると反応液中に均一に分散させることが難しくなって
しまう。そのため、平均粒子径で少なくとも10〜20
0μm程度であることが必要であるが、より好ましく
は、50〜150μm程度、さらに好ましくは、80〜
120μm程度である。
粒子よりも大きければよく、特に限定はされないが、あ
まり小さすぎても回収が難しくなってしまうし、大きす
ぎると反応液中に均一に分散させることが難しくなって
しまう。そのため、平均粒子径で少なくとも10〜20
0μm程度であることが必要であるが、より好ましく
は、50〜150μm程度、さらに好ましくは、80〜
120μm程度である。
【0026】〔磁性材料粒子の好ましい形態〕また、磁
性材料粒子は大きいほど磁力が強くなるので、回収は容
易になるが、その反面、粒子の比重も大きくなり、反応
液中に均一に分散しにくくなるため、光触媒反応効率が
低下してしまう。したがって、磁性材料粒子としては、
粒子径は大きいが比重は小さいというものが望ましい。
そのため、磁性材料の単なる粉体や粗砕粒子よりも、比
重の小さい顆粒のほうが好ましく、より好ましくは中空
顆粒である。
性材料粒子は大きいほど磁力が強くなるので、回収は容
易になるが、その反面、粒子の比重も大きくなり、反応
液中に均一に分散しにくくなるため、光触媒反応効率が
低下してしまう。したがって、磁性材料粒子としては、
粒子径は大きいが比重は小さいというものが望ましい。
そのため、磁性材料の単なる粉体や粗砕粒子よりも、比
重の小さい顆粒のほうが好ましく、より好ましくは中空
顆粒である。
【0027】〔磁性材料粒子からなる顆粒の作製方法〕
顆粒とは、ここでは、微粒子の集合体のことであり、中
空顆粒とは、中心部が空洞になっている微粒子の集合体
のことをいう。顆粒の作製方法は特に限定されないが、
好ましい一例として、中空顆粒の作製方法の一つを以下
に説明する。
顆粒とは、ここでは、微粒子の集合体のことであり、中
空顆粒とは、中心部が空洞になっている微粒子の集合体
のことをいう。顆粒の作製方法は特に限定されないが、
好ましい一例として、中空顆粒の作製方法の一つを以下
に説明する。
【0028】磁性材料を1μm程度まで微粉砕し、水等
と混合してスラリー状の微粉末とする。このスラリーに
空気を吹き込みながら、スプレードライヤー等を使って
噴霧することにより、中心部が空洞になっている微粒子
の集合体を得、これを1000℃〜1200℃で焼成す
ると、中空顆粒を作製することができる。
と混合してスラリー状の微粉末とする。このスラリーに
空気を吹き込みながら、スプレードライヤー等を使って
噴霧することにより、中心部が空洞になっている微粒子
の集合体を得、これを1000℃〜1200℃で焼成す
ると、中空顆粒を作製することができる。
【0029】このとき、スラリーにPVA等のバインダ
ーを1wt%程度添加すれば、中空顆粒の強度をより高
めることができるので好ましい。また、顆粒の粒径は1
0〜200μm程度が望ましい。
ーを1wt%程度添加すれば、中空顆粒の強度をより高
めることができるので好ましい。また、顆粒の粒径は1
0〜200μm程度が望ましい。
【0030】〔光触媒粒子の種類〕本発明に用いる光触
媒粒子の種類としては、TiO2、WO3、ZnO、Ru
O2、TiNb2O7、Nb3O5、SrTiO2、CdS、
ZnS、InS、CdSe、ZnSe、GaP、InP
などがあげられるが、触媒反応効率や取り扱い易さの点
から、TiO2が最も好ましい。
媒粒子の種類としては、TiO2、WO3、ZnO、Ru
O2、TiNb2O7、Nb3O5、SrTiO2、CdS、
ZnS、InS、CdSe、ZnSe、GaP、InP
などがあげられるが、触媒反応効率や取り扱い易さの点
から、TiO2が最も好ましい。
【0031】〔光触媒粒子の固着方法〕光触媒粒子は、
磁性材料粒子の表面を液ガラスで濡らした後、光触媒粒
子粉体でコーティングして乾燥または加熱するか、光触
媒成分を含むゾル水溶液で磁性材料粒子の表面が濡れる
ように混合した後、加熱することによって、確実に光触
媒粒子を固着することができる。なお、磁性材料粒子と
しては、上記の磁性材料のいずれでもよい。
磁性材料粒子の表面を液ガラスで濡らした後、光触媒粒
子粉体でコーティングして乾燥または加熱するか、光触
媒成分を含むゾル水溶液で磁性材料粒子の表面が濡れる
ように混合した後、加熱することによって、確実に光触
媒粒子を固着することができる。なお、磁性材料粒子と
しては、上記の磁性材料のいずれでもよい。
【0032】液ガラスとしては、ガラス成分を含有する
シリケート、チタネート、アルミネート、ジルコネート
などの金属アルコキシドや金属アルコキシドの加水分解
物、水ガラス等の溶液が挙げられる。
シリケート、チタネート、アルミネート、ジルコネート
などの金属アルコキシドや金属アルコキシドの加水分解
物、水ガラス等の溶液が挙げられる。
【0033】液ガラスを用いる場合は、室温で乾燥させ
るか、500℃以下の温度で加熱することによってガラ
ス成分が硬化し、前記磁性材料粒子の表面に前記光触媒
粒子粉体が固着される。500℃を越えると、前記光触
媒粒子が変成をおこす場合があるので望ましくない。
るか、500℃以下の温度で加熱することによってガラ
ス成分が硬化し、前記磁性材料粒子の表面に前記光触媒
粒子粉体が固着される。500℃を越えると、前記光触
媒粒子が変成をおこす場合があるので望ましくない。
【0034】ゾル水溶液の場合は、600℃以上の温度
で加熱すると、前記ゾル水溶液中の光触媒成分が結晶化
し、磁性材料粒子の表面に光触媒粒子が固着されること
になる。しかし、750℃を越えると前記水溶液中の光
触媒成分が変成してしまうことがあるので望ましくな
い。
で加熱すると、前記ゾル水溶液中の光触媒成分が結晶化
し、磁性材料粒子の表面に光触媒粒子が固着されること
になる。しかし、750℃を越えると前記水溶液中の光
触媒成分が変成してしまうことがあるので望ましくな
い。
【0035】また、前記ゾル水溶液で濡れるように混合
した後、加熱するという一連の作業を3回〜5回程度繰
り返すことにより、磁性材料粒子の表面に、より均一に
光触媒粒子を固着することができる。
した後、加熱するという一連の作業を3回〜5回程度繰
り返すことにより、磁性材料粒子の表面に、より均一に
光触媒粒子を固着することができる。
【0036】ゾル水溶液の光触媒成分含有量は1〜40
wt%が好ましい。光触媒成分含有量が40wt%を越
えるとゾルの流動性が悪くなり、磁性材料粒子の表面
に、均一に光触媒粒子を固着するのが難しくなってしま
うが、光触媒成分含有量が少なすぎても、前記のゾル水
溶液で濡れるように混合した後、加熱するという一連の
作業を何度も繰り返さないと均一に固着させることが難
しくなってしまうからである。
wt%が好ましい。光触媒成分含有量が40wt%を越
えるとゾルの流動性が悪くなり、磁性材料粒子の表面
に、均一に光触媒粒子を固着するのが難しくなってしま
うが、光触媒成分含有量が少なすぎても、前記のゾル水
溶液で濡れるように混合した後、加熱するという一連の
作業を何度も繰り返さないと均一に固着させることが難
しくなってしまうからである。
【0037】固着される光触媒粒子の量は少ないと光触
媒反応効率が低くなってしまうが、多すぎても光触媒反
応に寄与しない光触媒粒子が増えるだけなので、磁性材
料粒子に対して5〜20wt%程度の含有量になるよう
にすればよい。
媒反応効率が低くなってしまうが、多すぎても光触媒反
応に寄与しない光触媒粒子が増えるだけなので、磁性材
料粒子に対して5〜20wt%程度の含有量になるよう
にすればよい。
【0038】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する. 〔実施例1〕Srフェライト磁石材料微粉末のスラリー
(水分濃度50%)にPVAを1wt%添加し、このス
ラリーに空気を吹き込みながら、スプレードライヤーで
噴霧し、平均粒径100μmの中空顆粒を得、これを1
200℃で焼成した。このようにして作製したフェライ
ト中空顆粒100gに対して、エチルシリケート16g
を混ぜ、中空顆粒の表面全体がエチルシリケートで濡れ
るように混合した。その後、TiO2粉体(1次粒子径
が7nm程度)10gを添加し、再び混合して、エチル
シリケートで濡れている中空顆粒の表面をTiO2粉体
でコーティングする。これを350℃で加熱すると、T
iO2粉体が中空顆粒表面に固着される。さらに、この
中空顆粒に固着されなかったTiO2粉体を除去するた
めに、超音波洗浄を行い、本発明の複合光触媒を得た
(TiO2含有量は5.97wt%)。
(水分濃度50%)にPVAを1wt%添加し、このス
ラリーに空気を吹き込みながら、スプレードライヤーで
噴霧し、平均粒径100μmの中空顆粒を得、これを1
200℃で焼成した。このようにして作製したフェライ
ト中空顆粒100gに対して、エチルシリケート16g
を混ぜ、中空顆粒の表面全体がエチルシリケートで濡れ
るように混合した。その後、TiO2粉体(1次粒子径
が7nm程度)10gを添加し、再び混合して、エチル
シリケートで濡れている中空顆粒の表面をTiO2粉体
でコーティングする。これを350℃で加熱すると、T
iO2粉体が中空顆粒表面に固着される。さらに、この
中空顆粒に固着されなかったTiO2粉体を除去するた
めに、超音波洗浄を行い、本発明の複合光触媒を得た
(TiO2含有量は5.97wt%)。
【0039】この複合光触媒の光触媒反応効率を、以下
の表1に示す条件にて、図1に示す実験装置を用いて測
定した。モデル処理水が入った反応容器1に複合光触媒
を入れて密封し、プロペラ撹拌器2で回転翼3を回転させ
て撹拌しながら、UVランプ4を照射して光触媒反応を
生じさせ、15分おきにモデル処理水中のポリオキシエ
チレンアルキルエーテル濃度を測定する。結果は、図2
に示す。
の表1に示す条件にて、図1に示す実験装置を用いて測
定した。モデル処理水が入った反応容器1に複合光触媒
を入れて密封し、プロペラ撹拌器2で回転翼3を回転させ
て撹拌しながら、UVランプ4を照射して光触媒反応を
生じさせ、15分おきにモデル処理水中のポリオキシエ
チレンアルキルエーテル濃度を測定する。結果は、図2
に示す。
【0040】
【表1】
【0041】また、反応終了後に永久磁石(φ25mm
×12mmの円柱形状、Br=4000G)を反応容器
に入れて、複合光触媒を磁気的に吸着させて反応液から
分離、回収した。このときの回収率と回収に要した時間
は表2に示す。
×12mmの円柱形状、Br=4000G)を反応容器
に入れて、複合光触媒を磁気的に吸着させて反応液から
分離、回収した。このときの回収率と回収に要した時間
は表2に示す。
【0042】回収率は次のようにして算出した。但し、
次式において、光触媒反応後回収した光触媒の量をA、
反応液に添加した光触媒の量をBとする。
次式において、光触媒反応後回収した光触媒の量をA、
反応液に添加した光触媒の量をBとする。
【0043】(A/B)×100 (%) 〔実施例2〕実施例1と同様にして作製したフェライト中
空顆粒100gに対して、酸性の結晶質アナターゼ型T
iO2ゾル(TiO2含有量6wt%)30gを混ぜ、中
空顆粒の表面が前記TiO2ゾルで濡れるように混合す
る。その後、630℃で加熱し、TiO2微粒子をフェ
ライト中空顆粒の表面に固定化する。前記の一連の作業
を5回繰り返した後、超音波洗浄して、本発明の複合光
触媒を得た(TiO2含有量は5.33wt%)。
空顆粒100gに対して、酸性の結晶質アナターゼ型T
iO2ゾル(TiO2含有量6wt%)30gを混ぜ、中
空顆粒の表面が前記TiO2ゾルで濡れるように混合す
る。その後、630℃で加熱し、TiO2微粒子をフェ
ライト中空顆粒の表面に固定化する。前記の一連の作業
を5回繰り返した後、超音波洗浄して、本発明の複合光
触媒を得た(TiO2含有量は5.33wt%)。
【0044】実施例1と同様の実験装置、条件で光触媒
反応効率を測定した。結果は、図2に示す。また、実施
例1と同様に永久磁石を用いて複合光触媒の回収を行っ
たところ、結果は、図2と表2に示す。
反応効率を測定した。結果は、図2に示す。また、実施
例1と同様に永久磁石を用いて複合光触媒の回収を行っ
たところ、結果は、図2と表2に示す。
【0045】〔比較例1〕実施例1と同様の実験装置、条
件で、市販のシリカを主成分とするTiO2含有ボール
状セラミックス(平均粒径0.5mm、TiO2含有量
22.74wt%)の光触媒反応効率を測定した。
件で、市販のシリカを主成分とするTiO2含有ボール
状セラミックス(平均粒径0.5mm、TiO2含有量
22.74wt%)の光触媒反応効率を測定した。
【0046】また、反応終了後に、反応液をふるい(目
開き180μm)で濾過し、TiO2含有ボール状セラ
ミックスを回収した。このときの反応液はかなり白濁し
ており、ボール状セラミックスが破砕して、TiO2が
剥離している可能性があった。結果は、図2と表2に示
す。
開き180μm)で濾過し、TiO2含有ボール状セラ
ミックスを回収した。このときの反応液はかなり白濁し
ており、ボール状セラミックスが破砕して、TiO2が
剥離している可能性があった。結果は、図2と表2に示
す。
【0047】〔比較例2〕実施例1と同様の実験装置、条
件で、TiO2粉体(P−25、1次粒子径が21nm
程度)の光触媒反応効率を測定した。(ただし、光触媒
サンプル添加量は0.05g/l) また、反応終了後に、反応液を濾紙(粒子保持能8μ
m)で吸引濾過しようとしたが、濾紙が目詰まりをおこ
してTiO2粉体を回収することができなかった。
件で、TiO2粉体(P−25、1次粒子径が21nm
程度)の光触媒反応効率を測定した。(ただし、光触媒
サンプル添加量は0.05g/l) また、反応終了後に、反応液を濾紙(粒子保持能8μ
m)で吸引濾過しようとしたが、濾紙が目詰まりをおこ
してTiO2粉体を回収することができなかった。
【0048】結果は、図2と表2に示す。
【0049】
【表2】
【0050】〔実施例と比較例との比較〕図2では、光
触媒反応が早く進むほど光触媒反応効率が高いことにな
るので、光触媒反応効率は比較例2が最も高く、次いで
実施例1、比較例1、実施例2の順になっている。比較例2
が特に反応効率が高いのを除いて、実施例1と実施例2は
比較例1とほぼ同等であり、実施例1と実施例2が、実用
上有効な高いレベルの反応効率を示していることがわか
る。また、表2の回収率を比べると、比較例2は反応終
了後の回収ができず、比較例1も回収率が実施例1、実施
例2よりも低く、回収時間も多くかかっている。したが
って、本発明の複合光触媒は、反応後の回収が極めて容
易かつ確実であるのと同時に、高い光触媒反応効率をも
っているということがわかる。
触媒反応が早く進むほど光触媒反応効率が高いことにな
るので、光触媒反応効率は比較例2が最も高く、次いで
実施例1、比較例1、実施例2の順になっている。比較例2
が特に反応効率が高いのを除いて、実施例1と実施例2は
比較例1とほぼ同等であり、実施例1と実施例2が、実用
上有効な高いレベルの反応効率を示していることがわか
る。また、表2の回収率を比べると、比較例2は反応終
了後の回収ができず、比較例1も回収率が実施例1、実施
例2よりも低く、回収時間も多くかかっている。したが
って、本発明の複合光触媒は、反応後の回収が極めて容
易かつ確実であるのと同時に、高い光触媒反応効率をも
っているということがわかる。
【0051】
【発明の効果】上述のとおり、本発明の複合光触媒は、
比較例1のボール状セラミックスの光触媒と同等もしく
はそれ以上の光触媒反応効率であり、反応後の光触媒の
回収率、回収の容易さは本発明の複合光触媒の方が上回
っている。また、比較例2のTiO2粉体と比べると光触
媒反応効率は低いものの、反応後の光触媒の回収の容易
さは本発明の方がはるかに上回っている。さらに、本発
明の複合光触媒の製造方法によれば、磁性材料粒子の表
面に光触媒粒子を固着することができるので、従来の核
粒子に磁性体を内包させる複合光触媒に比べて、作製過
程が容易でコストも安価である。
比較例1のボール状セラミックスの光触媒と同等もしく
はそれ以上の光触媒反応効率であり、反応後の光触媒の
回収率、回収の容易さは本発明の複合光触媒の方が上回
っている。また、比較例2のTiO2粉体と比べると光触
媒反応効率は低いものの、反応後の光触媒の回収の容易
さは本発明の方がはるかに上回っている。さらに、本発
明の複合光触媒の製造方法によれば、磁性材料粒子の表
面に光触媒粒子を固着することができるので、従来の核
粒子に磁性体を内包させる複合光触媒に比べて、作製過
程が容易でコストも安価である。
【0052】したがって、本発明により、実際の使用に
より適した複合光触媒とその製造方法を提供することが
できる。すなわち、光触媒反応効率が高く、反応後に反
応液中に磁界をかけることにより、容易かつ確実に反応
液中から回収することができる複合光触媒を、複雑な作
製過程を経ることなく、容易に得ることができるという
効果が得られる。
より適した複合光触媒とその製造方法を提供することが
できる。すなわち、光触媒反応効率が高く、反応後に反
応液中に磁界をかけることにより、容易かつ確実に反応
液中から回収することができる複合光触媒を、複雑な作
製過程を経ることなく、容易に得ることができるという
効果が得られる。
【図1】光触媒反応効率を測定するための実験装置を模
式的に示した断面図である。
式的に示した断面図である。
【図2】実施例および比較例の光触媒反応効率を示すグ
ラフである。
ラフである。
1 反応容器 2 プロペラ撹拌器 3 回転翼 4 UVランプ
Claims (8)
- 【請求項1】 磁性材料粒子と光触媒粒子とを含む複合
光触媒であって、該光触媒粒子が該磁性材料粒子の表面
に固着されていることを特徴とする複合光触媒。 - 【請求項2】 前記磁性材料粒子は酸化物磁性材料を含
むことを特徴とする請求項1記載の複合光触媒。 - 【請求項3】 前記磁性材料粒子は顆粒であることを特
徴とする請求項1または2記載の複合光触媒。 - 【請求項4】 前記磁性材料粒子はフェライト材料を含
むことを特徴とする請求項1ないし3記載の複合光触
媒。 - 【請求項5】 前記光触媒粒子はTiO2粒子であるこ
とを特徴とする請求項1ないし4記載の複合光触媒。 - 【請求項6】 複合光触媒を製造する方法であって、磁
性材料粒子の表面を液ガラスで濡らした後、光触媒粒子
粉体でコーティングし、乾燥または加熱することによっ
て、前記光触媒粒子を前記磁性材料粒子の表面に固着す
ることを特徴とする複合光触媒の製造方法。 - 【請求項7】 複合光触媒を製造する方法であって、磁
性材料粒子の表面が、光触媒成分を含有するゾル水溶液
で濡れるように混合した後、加熱することによって、前
記光触媒粒子を前記磁性材料粒子の表面に固着すること
を特徴とする複合光触媒の製造方法。 - 【請求項8】 前記光触媒成分の含有量が1〜40wt
%であることを特徴とする請求項7記載の複合光触媒の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9320791A JPH11156200A (ja) | 1997-11-21 | 1997-11-21 | 複合光触媒およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9320791A JPH11156200A (ja) | 1997-11-21 | 1997-11-21 | 複合光触媒およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11156200A true JPH11156200A (ja) | 1999-06-15 |
Family
ID=18125291
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9320791A Withdrawn JPH11156200A (ja) | 1997-11-21 | 1997-11-21 | 複合光触媒およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11156200A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002098562A1 (en) * | 2001-06-06 | 2002-12-12 | University Of Florida | Photocatalyst coated magnetic composite particles |
EP1189699A4 (en) * | 1999-04-13 | 2003-06-25 | Unisearch Ltd | Photocatalyst |
KR101330796B1 (ko) * | 2011-08-22 | 2013-11-18 | 한국기초과학지원연구원 | 회수 및 재사용이 용이한 이산화티탄 광촉매 및 그 제조방법 |
JP2018069117A (ja) * | 2016-10-25 | 2018-05-10 | シャープ株式会社 | 光触媒担持磁性体及びその製造方法、それを用いた水の浄化方法 |
JP2019217445A (ja) * | 2018-06-19 | 2019-12-26 | シャープ株式会社 | 光触媒コート剤、光触媒コート剤の製造方法、及び光触媒担持磁性体 |
-
1997
- 1997-11-21 JP JP9320791A patent/JPH11156200A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1189699A4 (en) * | 1999-04-13 | 2003-06-25 | Unisearch Ltd | Photocatalyst |
WO2002098562A1 (en) * | 2001-06-06 | 2002-12-12 | University Of Florida | Photocatalyst coated magnetic composite particles |
KR101330796B1 (ko) * | 2011-08-22 | 2013-11-18 | 한국기초과학지원연구원 | 회수 및 재사용이 용이한 이산화티탄 광촉매 및 그 제조방법 |
JP2018069117A (ja) * | 2016-10-25 | 2018-05-10 | シャープ株式会社 | 光触媒担持磁性体及びその製造方法、それを用いた水の浄化方法 |
JP2019217445A (ja) * | 2018-06-19 | 2019-12-26 | シャープ株式会社 | 光触媒コート剤、光触媒コート剤の製造方法、及び光触媒担持磁性体 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20050201 |