JPH11154849A - ノコギリ波形発生器、水平偏向制御回路及び高電圧制御回路 - Google Patents

ノコギリ波形発生器、水平偏向制御回路及び高電圧制御回路

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JPH11154849A
JPH11154849A JP9318415A JP31841597A JPH11154849A JP H11154849 A JPH11154849 A JP H11154849A JP 9318415 A JP9318415 A JP 9318415A JP 31841597 A JP31841597 A JP 31841597A JP H11154849 A JPH11154849 A JP H11154849A
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JP
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circuit
frequency
amplitude
signal
horizontal deflection
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JP9318415A
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Hisao Sakurai
久夫 桜井
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】水平偏向制御回路や高電圧制御回路などの用途
回路が要求するノコギリ波を連続的に、かつ、自動的に
出力できるようにすると共に、その回路規模を縮小でき
るようにする。 【解決手段】任意の周波数の信号Shに基づいて所望の
傾きのノコギリ波形Voutを出力する波形出力回路21
と、その信号Shの特定周波数以下ではノコギリ波形V
outの振幅を制限する振幅制限回路22と、予め設定さ
れた信号Shの特定の周波数範囲内ではノコギリ波形V
outの振幅を一定となるように制御する振幅制御回路2
3とを備え、この振幅制限回路22が振幅制限動作を停
止する上限の周波数であって、振幅制御回路23が振幅
制御動作を開始する下限の周波数を制御境界周波数とし
たとき、制御境界周波数の近傍においてノコギリ波形V
outの傾きと振幅とを連続的に、かつ、自動的に制御す
るようになされたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、表示画面の水平
方向や垂直方向のサイズが自由に変更でき、かつ、任意
の水平偏向周波数、垂直偏向周波数の信号で表示できる
CRTディスプレイ装置(マルチスキャン型ディスプレ
イという)などに適用して好適なノコギリ波形発生器、
水平偏向制御回路及び高電圧制御回路に関する。
【0002】詳しくは、ノコギリ波形の振幅制限やその
振幅制御を規制する制御境界周波数の近傍において、ノ
コギリ波形の傾きと振幅とを連続的に、かつ、自動的に
制御するようにして、このノコギリ波形発生器が適用さ
れる水平偏向制御回路や高電圧制御回路などの用途回路
の要求に応じたノコギリ波を出力できるようにすると共
に、このノコギリ波形発生器をこれらの用途回路に共通
して組み込めるようにして、これら水平偏向制御回路や
高電圧制御回路などの回路規模を縮小できるようにした
ものである。
【0003】
【従来の技術】近頃、コンピユータから出力されるさま
ざまな映像信号に基づいて画像表示を行うマルチスキャ
ン型のCRTディスプレイ装置が使用される場合が多く
なってきた。このCRTディスプレイ装置はコンピユー
タディスプレイ装置の一種であり、水平・垂直同期信号
(偏向周波数を決める信号)の様々な種類に対応できる
と共に、これらの組み合わせに対応できるディスプレイ
モニタである。最も対応度の高いCRTディスプレイ装
置にあっては、いわゆるNTSC方式のテレビ画像表示
からコンピユータの高解像度な画像表示まで対応したも
のがある。
【0004】図7はこの種のマルチスキャン型のディス
プレイ装置10の構成を示すブロック図である。このデ
ィスプレイ装置10には図7に示すスシステムコントロ
ーラ7が設けられており、更にはビデオ端子1Aが設け
られ、コンピユータなどから転送されてきた映像信号が
入力される。このビデオ端子1Aにはビデオ回路1が接
続され、システムコントローラ7の制御を受けて、映像
信号が増幅された後に、この映像信号に基づいて陰極線
管(以下CRTという)6のカソード6Aが制御され
る。
【0005】また、コンピユータから映像信号と共に転
送されてきた水平同期信号はH−SYNC端子2Aに入
力され、同様に、垂直同期信号はV−SYNC端子2B
に入力される。これらの端子2A・2BにはSYNC判
別&水平・垂直同期回路2が接続され、システムコント
ローラ7の制御を受けて、水平・垂直同期信号が判別さ
れた後に、これらの信号が増幅されて一定振幅に整形さ
れる。これらの信号は水平偏向及び垂直偏向を行うため
に必要なタイミングパルス信号Ph,Pvである。
【0006】このSYNC判別&水平・垂直同期回路2
の出力段には、水平偏向制御波形発生&垂直偏向波形発
生回路3が接続され、システムコントローラ7の制御を
受けて、水平同期信号から生成されたタイミングパルス
信号Phに基づいて水平偏向制御波形Shが発生される
と共に、垂直同期信号から生成されたタイミングパルス
信号Pvに基づいて垂直偏向制御波形Svが発生され
る。
【0007】この水平偏向制御波形発生&垂直偏向波形
発生回路3の出力段には、水平偏向制御回路4及び垂直
偏向制御回路5が接続されている。水平偏向制御回路4
では水平偏向制御波形を増幅した後の水平偏向信号SH
がCRT6の水平偏向コイル6Bに供給される。垂直偏
向制御回路5では垂直偏向制御波形を増幅した後の垂直
偏向信号SVがCRT6の垂直偏向コイル6Cに供給さ
れる。
【0008】また、システムコントローラ7の出力段に
は高電圧制御回路8が接続され、このシステムコントロ
ーラ7からの高圧ドライブパルス信号S0に基づいて高
電圧V0が発生された後に、この高電圧V0がCRT6
のアノード6Dに供給される。
【0009】この構成により、マルチスキャン型のディ
スプレイ装置10によれば、コンピユータからの色々な
種類の映像信号及び水平・垂直同期信号に基づいてCR
T6に水平・垂直方向でサイズの異なった画像を表示す
ることができる。
【0010】ところで、上述した水平偏向制御回路4や
高電圧制御回路8では、安定した偏向信号SHや高電圧
V0を得るために、水平サイズ及び高電圧の大小に応じ
てパルス信号の幅を変化させて、電源から供給される電
力を変調するPWM(PulseWidth Modulation)方式
が採られている。この方式を具体化するパルス幅変調回
路にはノコギリ波形発生器が設けられる。
【0011】図8は従来方式の水平偏向制御回路4内の
ノコギリ波形発生器20の構成を示す回路図である。こ
のノコギリ波形発生器20には図8に示す容量Cが設け
られ、その一端は接地線GNDに接続され、その他端は
固定電流源11に接続される。
【0012】この固定電流源11と容量Cとの接続点に
はバッファアンプ12、振幅制限回路13及びスイッチ
ング素子SWが接続されている。この振幅制限回路13
はダイオードD1及び基準電圧源VREF1を有している。
更に、スイッチング素子SWには出力タイミング設定回
路14によって制御されるリセット時間設定回路15が
接続され、スイッチング素子SWがオン・オフ制御され
る。
【0013】このノコギリ波形発生器20によれば、一
方で、固定電流源11から電流によって容量Cが充電さ
れると、この容量Cの充電電圧がバッファアンプ12に
よって増幅される。他方で、水平偏向周波数のパルス信
号Shを入力した出力タイミング設定回路14におい
て、ノコギリ波形の立ち上がりパルス信号S1及びその
立ち下がりパルス信号S2が生成された後に、このパル
ス信号S1及びS2がリセット時間設定回路15に出力
される。
【0014】また、リセット時間設定回路15ではパル
ス信号S1及びS2から生成されたスイッチ制御信号S
sに基づいてスイッチング素子SWがオン・オフ制御さ
れる。例えば、スイッチング素子SWがオンすると、容
量Cが放電され、スイッチング素子SWがオフすると、
容量Cが充電される。そして、容量Cの充電期間では振
幅制限回路13のダイオードD1と、リミットレベルを
決める基準電圧源VREF1によって、ノコギリ波形の振幅
が一定制限される。これにより、常に一定振幅で、一定
の傾きを有した台形ノコギリ波を出力することができ
る。
【0015】図9はノコギリ波形発生器20の出力特性
である。図9に示す縦軸はノコギリ波形の振幅であり、
横軸は水平偏向周波数fhである。周波数領域Aは振幅
制限回路13のリミットレベルによってノコギリ波形の
振幅が制限される水平偏向周波数範囲である。周波数領
域Bはそのリミットレベルに到達しない水平偏向周波数
範囲である。
【0016】水平偏向周波数fh1は周波数領域A,Bの
制御境界周波数であり、機種によって異なるが30〜6
0kHz程度である。この制御境界周波数fh1よりも下
限では水平偏向周波数fhが減少すると共に、振幅が一
定で、しかも、傾きが一定の台形ノコギリ波が出力され
る。この制御境界周波数よりも上限では水平偏向周波数
fhが増加すると共に、ノコギリ波形の振幅が小さくな
る。水平偏向周波数fh2は実機で使用する最高周波数
(120kHz程度)である。
【0017】図10は従来方式の高電圧制御回路8内の
ノコギリ波形発生器30の構成を示す回路図である。こ
のノコギリ波形発生器30には図10に示す容量Cが設
けられ、その容量Cの一端は接地線GNDに接続され、
その他端は固定電流源11に接続される。
【0018】この固定電流源11と容量Cとの接続点に
はバッファアンプ12、誤差増幅器16、可変電流源1
7及びスイッチング素子SWが接続されている。このス
イッチング素子SWには出力タイミング設定回路14に
よって制御されるリセット時間設定回路15が接続さ
れ、スイッチング素子SWがオン・オフ制御される。
【0019】このノコギリ波形発生器30によれば、一
方で、固定電流源11から電流によって容量Cが充電さ
れると、この容量Cの充電電圧がバッファアンプ12に
よって増幅される。他方で、水平偏向周波数のパルス信
号Shを入力した出力タイミング設定回路14におい
て、ノコギリ波形の立ち上がりパルス信号S1及びその
立ち下がりパルス信号S2が生成された後に、このパル
ス信号S1及びS2がリセット時間設定回路15に出力
される。
【0020】また、リセット時間設定回路15ではパル
ス信号S1及びS2から生成されたスイッチ制御信号S
sに基づいてスイッチSWがオン・オフ制御される。例
えば、スイッチSWがオンすると、容量Cが放電され、
スイッチSWがオフすると、容量Cが充電される。
【0021】そして、容量Cの充電期間では誤差増幅器
16によって、基準電圧VREF2と容量Cの充電電圧とが
比較される。この比較後の誤差増幅器16の出力に基づ
いて可変電流源17から充電電流が容量Cに可変供給さ
れる。これにより、常に一定振幅のノコギリ波形を出力
することができる(以下AGC動作ともいう)。
【0022】図11はノコギリ波形発生器30の出力特
性である。図11に示す縦軸はノコギリ波形の振幅であ
り、横軸は水平偏向周波数fhである。周波数領域Cは
AGC動作範囲であり、誤差増幅器16によってノコギ
リ波形の振幅が一定に自動制御される水平偏向周波数範
囲である。周波数領域DはAGC非動作範囲であり、A
GC動作範囲Cに満たない下限の水平偏向周波数範囲で
ある。周波数領域EもAGC非動作範囲であり、AGC
動作範囲を越える水平偏向周波数範囲である。
【0023】水平偏向周波数fh1は周波数領域C,Dの
制御境界周波数である。この制御境界周波数fh1よりも
下限の周波数領域Dでは水平偏向周波数fhが減少する
と共に、振幅が増加し、しかも、傾きが一定の三角ノコ
ギリ波が出力される。この制御境界周波数fh1と水平偏
向周波数(実機で使用する最高周波数)fh2の間の周波
数領域Cでは水平偏向周波数fhが増加しても、一定振
幅の三角ノコギリ波が出力される。水平偏向周波数fh2
を越える周波数領域Eでは、水平偏向周波数fhが増加
すると共に、ノコギリ波形の振幅が小さくなる。これに
より、周波数領域Cにおいて、常に一定振幅の三角ノコ
ギリ波を出力することができる。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来方
式の水平偏向制御回路4においては、コンピユータから
映像信号と共に転送されてきた水平同期信号による水平
偏向周波数fhの増減によって、水平偏向コイル6Bや
スイッチング素子の損失が大きく変動する。また、高電
圧制御回路8においても、水平偏向周波数fhの増減に
よって、スイッチング素子やフライバックトランスの損
失が大きく変動する。
【0025】この変動による制御系の変化を小さく抑え
るためには水平偏向制御回路4や高電圧制御回路8など
の用途回路のパルス幅変調回路に位相補償回路を設けな
くてはならない。この位相補償回路は水平偏向周波数f
hに応じた位相補償切り替え信号によって、パルス幅変
調回路の周波数特性(ループゲイン)を調整するもので
ある。従って、これらの用途回路の安定度を確保するた
めには、位相補償回路を設けてPWM制御系のループゲ
インを一定にしなければならない。これにより、位相補
償回路が基板面積を占有することで、これらの用途回路
の回路規模が大きくなる。
【0026】また、従来方式によれば、水平偏向制御回
路4には図8に示したようなこの回路専用のノコギリ波
形発生器20が必要となり、高電圧制御回路8には図1
0に示したようなこの回路専用のノコギリ波形発生器3
0が必要となる。従って、これらの用途回路毎にノコギ
リ波形発生器を設計し製造しなければならない。これに
より、マルチスキャン型のCRTディスプレイ装置のコ
スト高を招くという問題がある。
【0027】そこで、この発明はこのような従来の課題
を解決したものであって、用途回路が要求するノコギリ
波を連続的に、かつ、自動的に出力できるようにすると
共に、その回路規模を縮小できるようにしたノコギリ波
形発生器、水平偏向制御回路及び高電圧制御回路を提供
することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】上述した課題は、任意の
周波数の信号に基づいて所望の傾きのノコギリ波形を出
力する波形出力回路と、その信号の特定周波数以下では
波形出力回路によるノコギリ波形の振幅を制限する振幅
制限回路と、予め設定された信号の特定の周波数範囲内
ではノコギリ波形の振幅を一定とするように波形出力回
路を制御する振幅制御回路とを備え、振幅制限回路が振
幅制限動作を停止する上限の周波数であって、振幅制御
回路が振幅制御動作を開始する下限の周波数を制御境界
周波数としたとき、その制御境界周波数の近傍において
ノコギリ波形の傾きと振幅とを連続的に、かつ、自動的
に制御するようになされたことを特徴とするノコギリ波
形発生器によって解決される。
【0029】本発明のノコギリ波形発生器によれば、例
えば、制御境界周波数を越える周波数の信号が波形出力
回路に入力された場合には、振幅制御回路によって振幅
が一定に制御された三角ノコギリ波が出力され、その制
御境界周波数よりも下限の周波数の信号が波形出力回路
に入力された場合には、振幅制限回路によって振幅が制
限され、かつ、傾きが一定とされた台形ノコギリ波が出
力される。
【0030】従って、このノコギリ波形発生器が適用さ
れる水平偏向制御回路や高電圧制御回路などの用途回路
の要求に応じたノコギリ波形を出力することができる。
これと共に、このノコギリ波形発生器をこれらの用途回
路に共通して組み込めるので、その汎用性を向上させる
ことができる。
【0031】本発明の水平偏向制御回路は、パルス幅変
調信号に基づいて第1の電圧を第2の電圧に変換する電
圧変換回路と、この電圧変換回路の出力を水平偏向周波
数のパルス信号に基づいて水平偏向コイルに供給する信
号供給回路と、一方で、水平偏向コイルに供給された偏
向信号と、予め設定された水平サイズ設定信号とを比較
して変調基準レベルを生成し、他方で、水平偏向周波数
のパルス信号に基づいてノコギリ波形を発生し、ノコギ
リ波形と変調基準レベルとに基づいてパルス幅変調信号
を発生するパルス幅変調回路とを備え、このパルス幅変
調回路は、水平偏向周波数のパルス信号に基づいて所望
の傾きのノコギリ波形を出力する波形出力回路と、その
パルス信号の特定の水平偏向周波数以下では波形出力回
路によるノコギリ波形の振幅を制限する振幅制限回路
と、予め設定されたパルス信号の特定の水平偏向周波数
範囲内ではノコギリ波形の振幅を一定とするように波形
出力回路を制御する振幅制御回路とを有するものであ
る。
【0032】本発明の水平偏向制御回路によれば、上述
したノコギリ波形発生器がパルス幅変調回路に応用され
るので、制御境界周波数を越える水平偏向周波数のパル
ス信号が波形出力回路に入力された場合には、振幅制御
回路によって振幅が一定に制御された三角ノコギリ波を
出力することができる。また、制御境界周波数よりも下
限の水平偏向周波数のパルス信号が波形出力回路に入力
された場合には、振幅制限回路によって振幅が制限さ
れ、かつ、傾きが一定とされた台形ノコギリ波を出力す
ることができる。
【0033】従って、水平偏向周波数が増減した場合で
も、制御境界周波数の近傍においてノコギリ波形の傾き
と振幅とを連続的に、かつ、自動的に制御できるので、
パルス幅変調信号の位相を補償する位相補償回路などが
不要となることから、その位相補償切り替え制御も不要
となり、しかも、水平偏向制御回路の回路規模を縮小す
ることができる。
【0034】本発明の高電圧制御回路はパルス幅変調信
号に基づいて第1の電圧を第2の電圧に変換する電圧変
換回路と、この電圧変換回路の出力電圧を水平偏向周波
数のパルス信号に基づいて高圧発生用のトランスに供給
する電圧供給回路と、一方で、高圧発生用のトランスで
発生された出力電圧と、予め設定された基準電圧とを比
較して変調基準レベルを生成し、他方で、水平偏向周波
数のパルス信号に基づいてノコギリ波形を発生し、ノコ
ギリ波形と変調基準レベルとに基づいてパルス幅変調信
号を発生するパルス幅変調回路とを備え、このパルス幅
変調回路は、水平偏向周波数のパルス信号に基づいて所
望の傾きのノコギリ波形を出力する波形出力回路と、そ
のパルス信号の特定の水平偏向周波数以下では波形出力
回路によるノコギリ波形の振幅を制限する振幅制限回路
と、予め設定されたパルス信号の特定の水平偏向周波数
範囲内ではノコギリ波形の振幅を一定とするように波形
出力回路を制御する振幅制御回路とを有するものであ
る。
【0035】本発明の高電圧制御回路によれば、上述し
たノコギリ波形発生器がパルス幅変調回路に応用される
ので、制御境界周波数を越える水平偏向周波数のパルス
信号が波形出力回路に入力された場合には、振幅制御回
路によって振幅が一定に制御された三角コギリ波を出力
することができる。
【0036】また、制御境界周波数よりも下限の水平偏
向周波数のパルス信号が波形出力回路に入力された場合
には、振幅制限回路によって振幅が制限され、かつ、傾
きが一定とされた台形ノコギリ波を出力することができ
る。
【0037】従って、水平偏向周波数が変動した場合で
も、制御境界周波数の近傍においてノコギリ波形の傾き
と振幅とを連続的に、かつ、自動的に制御できるので、
パルス幅変調信号の位相を補償する位相補償回路などが
不要となることから、位相補償切り替え制御が不要とな
り、しかも、高電圧制御回路の回路規模を縮小すること
ができる。
【0038】
【発明の実施の形態】続いて、この発明に係るノコギリ
波形発生器、水平偏向制御回路及び高電圧制御回路の一
実施形態について、図面を参照しながら説明をする。
【0039】図1は実施の形態としてのノコギリ波形発
生器100の構成例を示す回路図である。この実施形態
ではノコギリ波形の振幅制限やその振幅制御を規制する
制御境界周波数を基準にしてノコギリ波形の傾きと振幅
とを連続的に、かつ、自動的に制御するようにして、こ
のノコギリ波形発生器が適用される水平偏向制御回路や
高電圧制御回路などの用途回路の要求に応じたノコギリ
波を出力できるようにすると共に、このノコギリ波形発
生器をこれらの用途回路に共通して組み込めるようにし
て、これらの回路規模を縮小できるようにしたものであ
る。
【0040】このノコギリ波形発生器100には図1に
示す出力端子21Aが設けられる。この出力端子21A
には波形出力回路21が接続され、任意の周波数の信号
に基づいて所望の傾きのノコギリ波形が出力される。例
えば、波形出力回路21には一端が接地線GNDに接続
された容量Cが設けられる。この容量Cの他端には、電
源線VCCに接続された第1の電流源としての固定電流
源11が接続され、容量Cに充電電流が供給される。
【0041】容量Cの他端にはスイッチング素子SWが
接続され、容量Cに充電された電圧Vcが任意の周波数
の信号、例えば、スイッチ制御信号Ssに基づいて放電
される。このスイッチング素子SWには出力タイミング
設定回路14によって制御されるリセット時間設定回路
15が接続され、スイッチング素子SWがスイッチ制御
信号Ssに基づいてオン・オフ制御される。
【0042】更に、容量Cの他端にはバッファアンプ1
2が接続され、容量Cに充電された電圧Vcが増幅され
ることで、台形状又は三角形状のノコギリ波形Voutが
出力される。
【0043】また、波形出力回路21にはダイオードD
1及び半固定型の基準電圧源VREF1を有した振幅制限回
路22が接続され、スイッチ制御信号Ssの特定周波数
以下ではノコギリ波形の振幅が制限される。この特定周
波数はノコギリ波形発生器100が応用される回路によ
って任意に設定されるものであり、この例では振幅制限
回路22が振幅制限動作を停止する上限の周波数fh1で
ある。
【0044】さらに、波形出力回路21には振幅制御回
路23が接続され、予め設定されたスイッチ制御信号S
sの所望の周波数範囲内ではノコギリ波形の振幅を一定
となるように制御される。この例で所望の周波数範囲は
振幅制限回路22が振幅制限動作を停止する上限の周波
数fh1からマルチスキャン型のCRTディスプレイ装置
で取り扱える最高周波数fh2までである(図2参照)。
【0045】この振幅制御回路23には比較器としての
誤差増幅器16が設けられ、予め設定された基準電圧V
REF2と容量Cに充電された出力電圧Vcとが比較され
る。誤差増幅器16の出力段には第2の電流源としての
可変電流源17が接続され、この誤差増幅器16の出力
に基づいて容量Cに充電電流が可変供給される。
【0046】この例では、振幅制限回路22が振幅制限
動作を停止する上限の周波数fh1であって、振幅制御回
路23が振幅制御動作を開始する下限の周波数fh1を制
御境界周波数としている。このような制御境界周波数f
h1を設定したとき、この実施形態では制御境界周波数f
h1の近傍においてノコギリ波形Voutの傾きと振幅とを
連続的に、かつ、自動的に制御するようになされたもの
である。
【0047】図2は水平偏向制御回路や高電圧制御回路
などの用途回路に応用する場合のノコギリ波形発生器1
00の出力特性を示す図である。図2に示す縦軸はノコ
ギリ波形の振幅であり、横軸は水平偏向周波数fhであ
る。周波数領域Fは振幅制限回路22のリミットレベル
によってノコギリ波形の振幅が制限される水平偏向周波
数範囲である。周波数領域GはAGC動作範囲であり、
誤差増幅器16によってノコギリ波形の振幅が一定に自
動制御される水平偏向周波数範囲である。この例で、A
GC動作範囲は固定電流源11と可変電流源17の電流
比によって設定する。
【0048】図2において水平偏向周波数fh1は周波数
領域F,Gの制御境界周波数であり、マルチスキャン型
のCRTディスプレイ装置によって異なるが、30〜6
0kHz程度である。水平偏向周波数fh2はこれらの装
置で使用する最高周波数(120kHz程度)である。
【0049】この例では制御境界周波数fh1よりも下限
では水平偏向周波数fhが減少すると共に、振幅が一定
で、しかも、傾きが一定の台形ノコギリ波が出力され
る。この制御境界周波数fh1と水平偏向周波数fh2の間
の周波数領域Gでは水平偏向周波数fhが増加しても、
一定振幅の三角ノコギリ波が出力される。
【0050】この例では制御境界周波数fh1の上限及び
下限のノコギリ波形の振幅差、すなわち、周波数領域F
と周波数領域Gとの間に約100mV程度の振幅差を持
たせている。これはノコギリ波形発生器100のAGC
動作を安定させるためである。
【0051】次に、ノコギリ波形発生器100の動作を
説明する。この例では、制御境界周波数fh1を上下する
ようなスイッチ制御信号Ssの周波数の変動があった場
合を想定して説明する。
【0052】例えば、制御境界周波数fh1の下限の周波
数のパルス信号Shが出力タイミング設定回路14に入
力された場合には、一方で波形出力回路21の固定電流
源11から電流によって容量Cが充電される。この容量
Cの充電電圧がバッファアンプ12によって増幅され
る。他方では上述したスイッチ制御信号Ssに基づいて
スイッチング素子SWがオフするので、容量Cが放電さ
れる。
【0053】その際の容量Cの充電期間では振幅制限回
路22のダイオードD1と、リミットレベルを決める基
準電圧源VREF1によって、ノコギリ波形の振幅が一定制
限される。従って、パルス信号Shの周波数が制御境界
周波数fh1以下の場合には、常に一定振幅で、一定の傾
きを有した台形ノコギリ波Voutが出力される。
【0054】また、制御境界周波数fh1の上限の周波数
のパルス信号Shが出力タイミング設定回路14に入力
された場合には、一方で波形出力回路21の固定電流源
11から電流によって容量Cが充電されると、この容量
Cの充電電圧がバッファアンプ12によって増幅され
る。他方で、制御境界周波数fh1の上限の周波数のパル
ス信号Shを入力した出力タイミング設定回路14で
は、ノコギリ波形Voutの立ち上がりを決めるパルス信
号Srが生成された後に、このパルス信号Srがリセッ
ト時間設定回路15に出力される。
【0055】このリセット時間設定回路15ではパルス
信号Srから生成されたスイッチ制御信号Ssに基づい
てスイッチング素子SWがオン・オフ制御される。例え
ば、スイッチング素子SWがオンすると、容量Cが放電
され、スイッチング素子SWがオフすると、容量Cが充
電される。
【0056】そして、容量Cの充電期間では誤差増幅器
16によって、基準電圧VREF2と容量Cの充電電圧とが
比較される。この比較後の誤差増幅器16の出力に基づ
いて可変電流源17から充電電流が容量Cに可変供給さ
れる。従って、パルス信号Shの周波数が制御境界周波
数fh1を越え最高周波数fh2以下の場合には、常に一定
振幅の三角ノコギリ波Voutが出力される。
【0057】このように本実施の形態に係るノコギリ波
形発生器100によれば、制御境界周波数fh1よりも下
限の周波数のスイッチ制御信号Ssが波形出力回路21
に入力された場合には、振幅制限回路22によって振幅
が制限され、かつ、傾きが一定とされた台形ノコギリ波
Voutを出力することができる。
【0058】また、制御境界周波数fh1を越える周波数
のスイッチ制御信号Ssが波形出力回路21に入力され
た場合には、振幅制御回路23によって振幅が一定に制
御された三角ノコギリ波Voutを出力することができ
る。
【0059】従って、このノコギリ波形発生器100が
適用される水平偏向制御回路や高電圧制御回路などの用
途回路の要求に応じた台形ノコギリ波Voutや、三角ノ
コギリ波Voutを出力することができる。これと共に、
このノコギリ波形発生器100をこれらの用途回路に共
通して組み込めるので、これらの用途回路毎にノコギリ
波形発生器100を設計製造する必要がなくなり汎用性
を高めることができる。
【0060】続いて、このノコギリ波形発生器100を
応用した水平偏向制御回路について説明する。図3は実
施形態としての水平偏向制御回路200の構成例を示す
回路図である。この実施形態では水平偏向周波数fhが
制御境界周波数fh1付近で変動した場合に、位相補償回
路などに依存することなく、その制御境界周波数fh1の
近傍において連続的に、かつ、自動的にノコギリ波形の
傾きと振幅とを制御することにより、水平偏向制御回路
200の回路規模を縮小できるようにしたものである。
【0061】この水平偏向制御回路200には図3に示
す電圧変換回路としての水平偏向駆動回路24が設けら
れ、パルス幅変調信号Pwに基づいて第1の電圧として
の電源VSSが第2の電圧としての高電圧VHHに変換
される。この水平偏向駆動回路24にはそのソースを電
源VSSに接続したスイッチングトランジスタとしての
p型の電界効果トランジスタ(以下単にFET1とい
う)が設けられ、このFET1のドレインが水平出力ト
ランス41の一端に接続される。
【0062】また、FET1のソースとゲートとの間に
は回路定数としての抵抗R1が接続され、そのドレイン
とソース間には保護用のダイオードD2が接続され、更
にそのドレインと接地線GNDとの間には、整流用のダ
イオードD3が接続されている。そして、FET1のゲ
ートに結合容量C1を通してパルス幅変調信号Pwが入
力されると、FET1がオン・オフすることにより水平
出力トランス41の自己誘導によって高電圧VHHが発
生される。
【0063】この水平偏向駆動回路24の出力段には信
号供給回路としての水平偏向出力回路25が接続され、
水平偏向周波数fhのパルス信号Shに基づいて水平偏
向コイル26に偏向信号SHが供給される。この水平偏
向出力回路25には例えばコレクタを水平出力トランス
41に接続したスイッチングトランジスタとしてのnp
n型のバイポーラトランジスタ(以下単にトランジスタ
Qという)が設けられ、このトランジスタQのエミッタ
が接地線GNDに接続され、そのコレクタが水平サイズ
検出トランス51の一次巻線の一端に接続される。
【0064】このトランジスタのコレクタと接地線GN
Dとの間には電圧保持用の容量C2及び整流用のダイオ
ードD4が接続されている。そして、トランジスタQの
ベースにインバータ52を通して水平偏向周波数fhの
パルス信号Shが入力されると、トランジスタQがオン
・オフすることにより、水平サイズ検出トランス51を
通した偏向信号SHが水平偏向コイル26に出力され
る。水平偏向コイル26には容量C3が接続される。
【0065】この水平偏向出力回路25にはパルス幅変
調回路27が接続されている。パルス幅変調回路27に
はそのアノードを水平サイズ検出トランス51の二次巻
線に接続した整流用のダイオードD5が設けられる。ダ
イオードD5のカソードには電位保持用の容量C4及び
抵抗R4が接続され、水平偏向コイル26に供給された
偏向信号(偏向電圧)SHが検出される。この容量C4
に保持された電位は偏向電圧検出信号Sdとなる。
【0066】この偏向電圧検出信号Sdは差動増幅器か
らなる変調レベルアンプ71の一方の入力端子(−)に
出力される。この変調レベルアンプ71の他方の入力端
子(+)には予め設定された水平サイズ設定信号Siが
入力され、この水平サイズ設定信号Siと偏向電圧検出
信号Sdとが比較され、変調基準レベルVLが生成され
る。
【0067】このパルス幅変調回路27には上述したノ
コギリ波形発生器100が設けられ、水平偏向周波数f
hのパルス信号Shに基づいて所望の傾きのノコギリ波
形Voutが出力される。このノコギリ波形発生器100
の出力段にはコンパレータ72が接続され、ノコギリ波
形Voutと変調基準レベルVLとに基づいてパルス幅変
調信号Pwが発生される。このパルス幅変調信号Pwは
水平偏向駆動回路24のFET1のゲートに結合容量C
1を通して入力される。
【0068】次に、水平偏向制御回路200の動作を説
明する。この例では、制御境界周波数fh1よりも下限の
水平偏向周波数fhのパルス信号Shが入力された場合
を想定して説明する。この場合には、図4Aに示す水平
偏向周波数fhのパルス信号Shのハイ・レベルの期間
に水平偏向出力回路25のトランジスタQがオフし、そ
のロー・レベルの期間にトランジスタQがオンする。
【0069】このノコギリ波形発生器100から出力さ
れる図4Eに示すノコギリ波形Voutは、図4Dに示す
スイッチ制御信号Ssに基づいて立ち下がっては立ち上
がるが、その後半では振幅制限回路22によって振幅が
制限される。スイッチ制御信号Ssは図4Aに示す水平
偏向周波数fhのパルス信号Shから生成された図4B
に示す立ち上がりパルスS1及び図4Cに示す立ち下が
りパルスS2によって設定される。
【0070】これらを前提に例えば、水平偏向駆動回路
24では図4Gに示すロー・レベルのパルス幅変調信号
Pwに基づいてFET1がオンし、ハイ・レベルのパル
ス幅変調信号Pwでオフするので電源VSSを変換した
電圧VHHが水平出力トランジスタ41から得られる。
この電圧VHHを入力した水平偏向出力回路25では、
図4Aに示す水平偏向周波数fhのパルス信号Shに基
づいてトランジスタQがオン・オフするので水平サイズ
検出トランス51を通して水平偏向コイル26に偏向信
号SHが供給される。
【0071】この偏向信号SHを検出したパルス幅変調
回路27では、一方で、予め設定された水平サイズ設定
信号Siと偏向電圧検出信号Sdとが比較され、図4F
に示す変調基準レベルVLが生成される。他方で、パル
ス幅変調回路27のノコギリ波形発生器100では図4
Aに示す水平偏向周波数fhのパルス信号Shに基づい
て図4B及び図4Cに示すパルス信号S1及びS2が発
生され、このパルス信号S1及びS2によって立ち上が
り立ち下がるような図4Dに示すスイッチ制御信号Ss
によって、図4Eに示す所望の傾きの台形ノコギリ波形
Voutが出力される。
【0072】この台形ノコギリ波形Vout及び変調基準
レベルVLを入力したコンパレータ72ではこの変調基
準レベルVLで台形ノコギリ波形Voutを変調した図4
Gに示すパルス幅変調信号Pwが発生される。このとき
FET1をオン・オフさせるためのパルス幅変調信号P
wのロー・レベルの期間(幅)又はハイ・レベルの期間
は台形ノコギリ波形Voutを変調基準レベルVLでスラ
イスしたときの幅によって決まる。従って、図4Gに示
したパルス幅変調信号Pwを水平偏向駆動回路24のF
ET1のゲートに結合容量C1を通して入力することが
できる。
【0073】このように本実施の形態の水平偏向制御回
路200によれば、上述したノコギリ波形発生器100
がパルス幅変調回路27に応用されるので、制御境界周
波数fh1よりも下限の周波数のパルス信号Shが水平偏
向制御回路200に入力された場合には、ノコギリ波形
発生器100の振幅制限回路22によって振幅が制限さ
れ、かつ、傾きが一定とされた台形ノコギリ波を出力す
ることができる。
【0074】また、制御境界周波数fh1を越える水平偏
向周波数fhのパルス信号Shが入力された場合には、
ノコギリ波形発生器100の振幅制御回路23によって
振幅が一定に制御された三角ノコギリ波を出力すること
ができる。
【0075】従って、水平偏向周波数fhの増減によっ
て、水平偏向コイル26やスイッチング素子の損失が大
きく変動しても、制御境界周波数fh1の近傍においてノ
コギリ波形の傾きと振幅とを連続的に、かつ、自動的に
制御できるので、PWM制御系のループゲインをほぼ一
定にすることができる。特に、垂直偏向走査時のリトレ
ース区間終了直後などの過渡応答によるリンギング(オ
ーバーシュート)を改善することができる。
【0076】これにより、高安定度の水平偏向制御回路
200を提供できるので、マルチスキャン型のCRTデ
ィスプレイ装置の高品質化を図ることができる。これと
共に、パルス幅変調信号Pwの位相を補償する位相補償
回路などが不要となることから、その位相補償切り替え
制御も不要となり、しかも、水平偏向制御回路200の
回路規模を縮小することができる。従って、回路簡略化
及び基板面積縮小によるCRTディスプレイ装置のコス
トダウンを図れる。
【0077】続いて、ノコギリ波形発生器100を応用
した高電圧制御回路300について説明する。図5は実
施形態としての高電圧制御回路300の構成例を示す回
路図である。この実施形態では水平偏向周波数fhが制
御境界周波数fh1付近で変動した場合に、位相補償回路
などに依存することなくその制御境界周波数fh1の近傍
においてノコギリ波形の傾きと振幅とを連続的に、か
つ、自動的に制御することにより、高電圧制御回路30
0の回路規模を縮小できるようにしたものである。
【0078】この高電圧制御回路300には図5に示す
電圧変換回路34が設けられ、パルス幅変調信号Pwに
基づいて電源VSSが高電圧VHHに変換される。この
電圧変換回路34は上述した水平偏向制御回路200内
の水平偏向駆動回路24と同様であるためその説明を省
略する。
【0079】この電圧変換回路34の出力段には電圧供
給回路としての高電圧出力回路35が接続され、CRT
のアノードに供給するための15〜25kV程度の高電
圧が水平偏向周波数fhのパルス信号Shに基づいて発
生される。この高電圧出力回路35には例えばドレイン
を水平出力トランス41に接続したスイッチングトラン
ジスタとしてのn型の電界効果トランジスタ(以下単に
FET2という)が設けられ、このFET2のソースが
接地線GNDに接続され、そのドレインが巻数比n:1
のフライバックトランス61の一次巻線の一端に接続さ
れる。その一次巻線の他端には容量C6が接続される。
【0080】このFET2のドレインと接地線GNDと
の間には電圧保持用の容量C5及び整流用のダイオード
D6が接続される。そして、FET2のゲートにインバ
ータ62を通して水平偏向周波数fhのパルス信号Sh
が入力されると、FET2がオン・オフすることによ
り、フライバックトランス61によって昇圧された高電
圧が発生される。この高電圧はフライバックトランス6
1の二次巻線にそのアノードが接続されたダイオードD
7によって整流された後に、CRTのアノードに供給さ
れる。
【0081】この高電圧出力回路35にはパルス幅変調
回路37が接続されている。パルス幅変調回路37には
分圧用の抵抗R1及びR2が設けられる。抵抗R1及び
R2は直列に接続され、その直列回路の一端がダイオー
ドD7のカソードに接続され、その他端が接地線GND
に接続される。この抵抗R1及びR2の接続点には、電
位保持用の容量C7が接続され、CRTに供給された高
電圧を分圧した電圧が保持される。この容量C7に保持
された電位は高電圧検出信号Saとなる。
【0082】この高電圧検出信号Saは差動増幅器から
なる変調レベルアンプ81の一方の入力端子(+)に出
力される。この変調レベルアンプ81の他方の入力端子
(−)には基準電圧VREF3が入力され、この基準電圧V
REF3と高電圧検出信号Saとが比較され、変調基準レベ
ルVLが生成される。
【0083】このパルス幅変調回路37には上述したノ
コギリ波形発生器100が設けられ、水平偏向周波数f
hのパルス信号Shに基づいて所望の傾きのノコギリ波
形Voutが出力される。このノコギリ波形発生器100
の出力段にはコンパレータ82が接続され、ノコギリ波
形Voutと変調基準レベルVLとに基づいてパルス幅変
調信号Pwが発生される。このパルス幅変調信号Pwは
電圧変換回路34のFET1のゲートに結合容量C1を
通して入力される。
【0084】次に、高電圧制御回路300の動作を説明
する。この例では、制御境界周波数fh1を越える水平偏
向周波数fhのパルス信号Shが入力された場合を想定
して説明する。この場合には、図6Aに示す水平偏向周
波数fhのパルス信号Shのハイ・レベルの期間に高電
圧出力回路35のFET2がオフし、そのロー・レベル
の期間にFET2がオンする。
【0085】このノコギリ波形発生器100から出力さ
れる図6Eに示すノコギリ波形Voutは、図6Dに示す
スイッチ制御信号Ssに基づいて立ち下がっては立ち上
がる。図6Dに示すスイッチ制御信号Ssは図6Aに示
す水平偏向周波数fhのパルス信号Shから生成された
図6Bに示す立ち上がりパルスS1及び図6Cに示す立
ち下がりパルスS2によって設定される。
【0086】これらを前提に例えば、電圧変換回路34
では図6Eに示すロー・レベルのパルス幅変調信号Pw
に基づいてFET1がオンし、ハイ・レベルのパルス幅
変調信号Pwでオフするので電源VSSを変換した電圧
VHHが水平出力トランス41から得られる。この電圧
VHHを入力した高電圧出力回路35では、図6Aに示
す水平偏向周波数fhのパルス信号Shに基づいてFE
T2がオン・オフされる。このスイッチングによって、
フライバックトランス61により昇圧された高電圧を整
流した後の直流高電圧V0がCRTのアノードに供給さ
れる。
【0087】この直流高電圧V0を検出したパルス幅変
調回路37では、一方で変調レベルアンプ81によっ
て、基準電圧VREF3と高電圧検出信号Saとが比較さ
れ、図6Dに示す変調基準レベルVLが生成される。他
方で、ノコギリ波形発生器100によって図6Aに示す
水平偏向周波数fhのパルス信号Shに基づいて図6
B、図6Cに示すパルス信号S1及びS2が発生され
る。このパルス信号S1及びS2によって立ち上がり立
ち下がるスイッチ制御信号Ssにより、図6Dに示す所
望の傾きの三角ノコギリ波Voutが出力される。
【0088】この三角ノコギリ波Vout及び変調基準レ
ベルVLを入力したコンパレータ82ではこの変調基準
レベルVLで三角ノコギリ波Voutを変調した図6Gに
示すパルス幅変調信号Pwが発生される。このときFE
T1をオン・オフさせるためのパルス幅変調信号Pwの
ロー・レベルの期間(幅)又はハイ・レベルの期間は三
角ノコギリ波Voutを変調基準レベルVLでスライスし
たときの幅によって決まる。従って、図6Gに示したパ
ルス幅変調信号Pwを電圧変換回路34のFET1のゲ
ートに結合容量C1を通して入力することができる。
【0089】このように本実施の形態の高電圧制御回路
300によれば、上述したノコギリ波形発生器100が
パルス幅変調回路37に応用されるので、制御境界周波
数fh1を越える水平偏向周波数fhのパルス信号Shが
高電圧制御回路300に入力された場合には、ノコギリ
波形発生器100の振幅制御回路23によって振幅が一
定に制御された三角ノコギリ波Voutを出力することが
できる。
【0090】また、制御境界周波数fh1よりも下限の水
平偏向周波数fhのパルス信号Shが入力された場合に
は、ノコギリ波形発生器100の振幅制限回路22によ
って振幅が一定で傾きが一定にされた図4に示したよう
な台形ノコギリ波Voutを出力することができる。
【0091】従って、水平偏向周波数fhの増減によっ
て、フライバックトランス61やスイッチング素子の損
失が大きく変動しても、制御境界周波数fh1の近傍にお
いてノコギリ波形の傾きと振幅とを連続的に、かつ、自
動的に制御できるので、PWM制御系のループゲインを
ほぼ一定にすることができる。
【0092】これにより、高安定度の高電圧制御回路3
00を提供できるので、マルチスキャン型のCRTディ
スプレイ装置の高品質化を図ることができる。これと共
に、水平偏向制御回路200と同様に位相補償回路が不
要となることから、高電圧制御回路300の回路規模を
縮小することができる。従って、回路簡略化及び基板面
積縮小によるCRTディスプレイ装置のコストダウンを
図れる。
【0093】
【発明の効果】以上説明したように本発明のノゴギリ波
形発生器によれば、任意の周波数の信号に基づいて所望
の傾きのノコギリ波形を出力するときに、そのノコギリ
波形の振幅制限や、その振幅制御に関する制御境界周波
数の近傍においてノコギリ波形の傾きと振幅とを連続的
に、かつ、自動的に制御するようになされたものであ
る。
【0094】この構成によって、本発明のノコギリ波形
発生器が適用される水平偏向制御回路や高電圧制御回路
などの用途回路の要求に応じた台形ノコギリ波や、三角
ノコギリ波形を連続して出力することができる。これと
共に、このノコギリ波形発生器をこれらの用途回路に共
通して組み込めるので、その汎用性を向上させることが
できる。
【0095】本発明の水平偏向制御回路や高電圧制御回
路によれば、上述したノコギリ波形発生器がパルス幅変
調回路に応用されるので、水平偏向周波数が変動した場
合でも、制御境界周波数の近傍においてノコギリ波形の
傾きと振幅とを連続的に、かつ、自動的に制御できる。
従って、パルス幅変調信号の位相を補償する位相補償回
路などが不要となり、水平偏向制御回路や高電圧制御回
路の回路規模を縮小することができる。
【0096】この発明は表示画面の水平及び垂直方向の
サイズを自由に変更できるマルチスキャン型のCRTデ
ィスプレイ装置などに適用して極めて好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態としてのノコギリ波形発生器100の
構成を示す回路図である。
【図2】ノコギリ波形発生器100のノコギリ波形の振
幅対水平偏向周波数の関係を示す特性図である。
【図3】実施形態としての水平偏向制御回路200の構
成を示す回路図である。
【図4】水平偏向制御回路200のPWM制御を示す動
作波形図である。
【図5】実施形態としての高電圧制御回路300の構成
を示す回路図である。
【図6】高電圧制御回路300のPWM制御を示す動作
波形図である。
【図7】マルチスキャン型のCRTディスプレイ装置の
構成を示すブロック図である。
【図8】従来方式の水平偏向制御回路4内のノコギリ波
形発生器20の構成を示す回路図である。
【図9】従来方式のノコギリ波形発生器20の動作特性
を示す図である。
【図10】従来方式の高電圧制御回路8内のノコギリ波
形発生器30の構成を示す回路図である。
【図11】従来方式のノコギリ波形発生器30の動作特
性を示す図である。
【符号の説明】
4,200・・・水平偏向制御回路、8,300・・・
高電圧制御回路、10・・・CRTディスプレイ装置、
11・・・固定電流源、12・・・バッファアンプ、1
3,22・・・振幅制限回路、14・・・出力タイミン
グ設定回路、15・・・リセット時間設定回路、16・
・・誤差増幅器、17・・・可変電流源、20,30,
100・・・ノコギリ波形発生器、21・・・波形出力
回路、23・・・振幅制御回路、24・・・水平偏向駆
動回路、25・・・水平偏向出力回路、26・・・水平
偏向コイル、27,37・・・パルス幅変調回路、34
・・・電圧変換回路、35・・・高電圧出力回路

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 任意の周波数の信号に基づいて所望の傾
    きのノコギリ波形を出力する波形出力回路と、 前記信号の特定周波数以下では前記波形出力回路による
    ノコギリ波形の振幅を制限する振幅制限回路と、 予め設定された前記信号の特定の周波数範囲内では前記
    ノコギリ波形の振幅を一定とするように前記波形出力回
    路を制御する振幅制御回路とを備え、 前記振幅制限回路が振幅制限動作を停止する上限の周波
    数であって、前記振幅制御回路が振幅制御動作を開始す
    る下限の周波数を制御境界周波数としたとき、 前記制御境界周波数の近傍においてノコギリ波形の傾き
    と振幅とを連続的に、かつ、自動的に制御するようにな
    されたことを特徴とするノコギリ波形発生器。
  2. 【請求項2】 前記波形出力回路は、 前記制御境界周波数を越える周波数の信号が入力された
    場合には、前記振幅制御回路によって振幅が一定に制御
    された三角ノコギリ波を出力し、 前記制御境界周波数よりも下限の周波数の信号が入力さ
    れた場合には、前記振幅制限回路によって振幅が制限さ
    れ、かつ、傾きが一定とされた台形ノコギリ波を出力す
    るようになされたことを特徴とする請求項1記載のノコ
    ギリ波形発生器。
  3. 【請求項3】 波形出力回路は、 容量と、 前記容量に充電電流を供給する第1の電流源と、 前記容量に充電された出力電圧を任意の周波数の信号に
    基づいて放電するスイッチング素子とを有し、 前記振幅制御回路は、 予め設定された基準電圧と前記容量に充電された出力電
    圧とを比較する比較器と、 前記比較器の出力に基づいて前記容量に充電電流を可変
    供給する第2の電流源とを有することを特徴とする請求
    項1記載のノコギリ波形発生器。
  4. 【請求項4】 パルス幅変調信号に基づいて第1の電圧
    を第2の電圧に変換する電圧変換回路と、 前記電圧変換回路の出力を水平偏向周波数のパルス信号
    に基づいて水平偏向コイルに供給する信号供給回路と、 一方で、前記水平偏向コイルに供給された偏向信号と、
    予め設定された水平サイズ設定信号とを比較して変調基
    準レベルを生成し、 他方で、前記水平偏向周波数のパルス信号に基づいてノ
    コギリ波形を発生し、前記ノコギリ波形と前記変調基準
    レベルとに基づいて前記パルス幅変調信号を発生するパ
    ルス幅変調回路とを備え、 前記パルス幅変調回路は、 前記水平偏向周波数のパルス信号に基づいて所望の傾き
    のノコギリ波形を出力する波形出力回路と、 前記パルス信号の特定の水平偏向周波数以下では前記波
    形出力回路によるノコギリ波形の振幅を制限する振幅制
    限回路と、 予め設定された前記パルス信号の特定の水平偏向周波数
    範囲内では前記ノコギリ波形の振幅を一定とするように
    前記波形出力回路を制御する振幅制御回路とを有するこ
    とを特徴とする水平偏向制御回路。
  5. 【請求項5】 波形出力回路は、 容量と、 前記容量に充電電流を供給する第1の電流源と、 前記容量に充電された出力電圧を水平偏向周波数のパル
    ス信号に基づいて放電するスイッチング素子とを有し、 前記振幅制御回路は、 予め設定された基準電圧と前記容量に充電された出力電
    圧とを比較する比較器と、 前記比較器の出力に基づいて前記容量に充電電流を可変
    供給する第2の電流源とを有することを特徴とする請求
    項4記載の水平偏向制御回路。
  6. 【請求項6】 パルス幅変調信号に基づいて第1の電圧
    を第2の電圧に変換する電圧変換回路と、 前記電圧変換回路の出力電圧を水平偏向周波数のパルス
    信号に基づいて高圧発生用のトランスに供給する電圧供
    給回路と、 一方で、前記高圧発生用のトランスで発生された出力電
    圧と、予め設定された基準電圧とを比較して変調基準レ
    ベルを生成し、 他方で、前記水平偏向周波数のパルス信号に基づいてノ
    コギリ波形を発生し、前記ノコギリ波形と前記変調基準
    レベルとに基づいて前記パルス幅変調信号を発生するパ
    ルス幅変調回路とを備え、 前記パルス幅変調回路は、 前記水平偏向周波数のパルス信号に基づいて所望の傾き
    のノコギリ波形を出力する波形出力回路と、 前記パルス信号の特定の水平偏向周波数以下では前記波
    形出力回路によるノコギリ波形の振幅を制限する振幅制
    限回路と、 予め設定された前記パルス信号の特定の水平偏向周波数
    範囲内では前記ノコギリ波形の振幅を一定とするように
    前記波形出力回路を制御する振幅制御回路とを有するこ
    とを特徴とする高電圧制御回路。
  7. 【請求項7】 波形出力回路は、 容量と、 前記容量に充電電流を供給する第1の電流源と、 前記容量に充電された出力電圧を水平偏向周波数のパル
    ス信号に基づいて放電するスイッチング素子とを有し、 前記振幅制御回路は、 予め設定された基準電圧と前記容量に充電された出力電
    圧とを比較する比較器と、 前記比較器の出力に基づいて前記容量に充電電流を可変
    供給する第2の電流源とを有することを特徴とする請求
    項6記載の高電圧制御回路。
JP9318415A 1997-11-19 1997-11-19 ノコギリ波形発生器、水平偏向制御回路及び高電圧制御回路 Pending JPH11154849A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010245675A (ja) * 2009-04-02 2010-10-28 Fuji Electric Systems Co Ltd 発振回路およびそれを用いたスイッチング電源装置

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