JPH11153746A - 光源装置 - Google Patents

光源装置

Info

Publication number
JPH11153746A
JPH11153746A JP33488097A JP33488097A JPH11153746A JP H11153746 A JPH11153746 A JP H11153746A JP 33488097 A JP33488097 A JP 33488097A JP 33488097 A JP33488097 A JP 33488097A JP H11153746 A JPH11153746 A JP H11153746A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
base
case
light source
source device
optical element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP33488097A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuhiro Naoe
康弘 直江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP33488097A priority Critical patent/JPH11153746A/ja
Publication of JPH11153746A publication Critical patent/JPH11153746A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高精度なビームピッチが維持でき、なおか
つ、ケースを安価な樹脂成形部品で構成することが可能
な光源装置を提供する。 【解決手段】 複数の半導体レーザ2,2と、これらの
半導体レーザを固定するベース1と、各半導体レーザの
前面に設けられたコリメータレンズ3,3と、コリメー
タレンズより出射されるレーザビームを整形するアパー
チャ26aと、上記レーザビームを近接したレーザビー
ム10,10にするビーム合成用光学素子5と、これら
コリメータレンズとビーム合成用光学素子を覆うために
上記ベースに取り付けられるケース9とを有する光源装
置において、上記アパーチャを形成するアパーチャ形成
部材26を光学素子支持部23に一体的に形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数のビームを同
時に走査するマルチビーム走査装置の光源装置に関し、
たとえば、デジタル複写機やレーザプリンタ等に使用さ
れる半導体レーザを用いた光源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のデジタル複写機やレーザプリンタ
においては、感光体上を単数の光ビームで走査し、画像
を形成する方式が一般的であったが、感光体上を複数の
光ビームで走査して高速に画像を形成するマルチビーム
走査装置が実用化されている。この種のマルチビーム走
査装置では、副走査方向に複数の半導体レーザを配置
し、これらの半導体レーザから出射された光ビームの各
々の光軸を近接させるように合成して一方向に出射する
光源装置が使用される。
【0003】半導体レーザを用いた光源装置において
は、その光学特性として、光源装置より射出されるレー
ザビームの方向性(光軸特性)と、光束の平行性(コリ
メート特性)が要求される。このような理由により、光
源装置は、半導体レーザの発光点とコリメータレンズの
相対位置を3軸(x,y,z)方向に調整するのが通常
であり、その位置精度はミクロン以下が要求されてい
る。したがって、半導体レーザとコリメータレンズとを
有する光源装置においては、上記3軸方向の位置調整お
よび調整された位置での固定が可能な構造でなければな
らない。
【0004】コリメータレンズを接着剤で固定する場
合、硬化時に接着剤の収縮が発生するので、収縮による
光学特性への悪影響をなるべく少なくすることが理想で
ある。特に、光源装置では、z軸方向(光軸方向)の要
求精度が高いため、その収縮方向がz軸方向に発生しな
いように構成することが望ましい。そのため、接着層は
光軸(z軸)とほぼ平行な方向に設定するのが普通であ
り、他の軸(x,y軸)方向についても、調整を容易に
するために、なるべく収縮方向がx軸又はy軸の1方向
となるように構成することが望ましい。
【0005】さらに、デジタル複写機やレーザプリンタ
において、印字の高速化や画素密度切り替えの目的で複
数行を同時に走査する光源装置では当然のことながら、
複数個の半導体レーザやコリメータレンズにより複数本
のレーザビームを発生し、その方向性のビームピッチ精
度(行方向、又は、y方向の光軸特性ピッチ精度)が要
求される。したがって、接着層の収縮がy方向に発生し
ないように構成することが望ましい。
【0006】図30は、特開平5−88061号に記載
されている従来例で、1本のレーザビームを発生させる
光源装置の断面図である。同図において、半導体レーザ
を保持するベース101には、段付き孔102が形成さ
れており、ここに半導体レーザ103が圧入固定されて
いる。2本のねじ104,104によってベース101
に取り付けられたフランジ105には、段付き孔102
と相対する位置に嵌合孔106が形成されており、この
嵌合孔106の左端部には、嵌合孔106よりも0.1
mm程度大径の入口部106aが形成されている。上記
嵌合孔106には、嵌合孔106と0.01〜0.03
mm程度のクリアランスを有して筒状のレンズホルダ1
07が嵌入されており、このレンズホルダ7内にレーザ
ビームを平行光束に変換するためのコリメータレンズ1
08が保持されている。
【0007】一方、プリント基板109に穿設された位
置決め孔110には、上記ベース1の端面から突出され
たガイドピン111が嵌入され、このガイドピン111
の先端部分を熱溶融して仮想線111′で示すようにつ
ぶすことにより、ベース101とプリント基板109と
を固定している。半導体レーザ103のリード線112
はプリント基板109に形成されたリード線挿通孔に通
され、プリント基板裏面側において配線用の導電パター
ンに半田付けされる。
【0008】上記フランジ105は、半導体レーザ10
3の発光点がコリメータレンズ108の光軸上に一致す
るようにx,y方向に位置調整した後、ねじ104によ
ってベース101に固定される。
【0009】ベース101に取り付けられたフランジ1
05には、入口部106aにつながる切欠部113が形
成されており、半導体レーザ103の光源位置がコリメ
ータレンズ108の焦点位置と一致するようにレンズホ
ルダ107をz軸方向に位置調整した後、この切欠部1
13から接着剤を注入して内部に浸透させることによ
り、レンズホルダ107をフランジ105に固定してい
る。
【0010】アパーチャ形成部材114は、コリメータ
レンズ108を透過した光束中の中央部付近の平行光束
を取り出して成形するための遮蔽キャップであって、光
束選択用の孔からなるアパーチャとフランジ105に嵌
着するための突起114bとを有しており、この突起1
14bをフランジ105の切欠部113に嵌着すること
により、アパーチャ形成部材114をフランジ105に
固定している。
【0011】以上の構成により、半導体レーザ103か
ら射出されたレーザビームは、コリメータレンズ108
により平行光束となり、その中央部付近の光束がアパー
チャ114aを通過して外部に射出される。外部に射出
されたレーザビームは、図示しないポリゴンミラー等の
光偏向器とfθレンズ等の光学系を経由して感光体上に
走査され、画像を形成することになる。
【0012】図31は、特開平7−181410号に記
載されたレーザビームが複数本(2本)の光源装置の分
解斜視図である。同図に示すように、2つのベース20
1,201には、図30のベース1と同様の段付き孔が
設けられ、レーザビームを射出する半導体レーザ20
3,203が圧入固定される。ベース201は、4本の
ねじ204によってフランジ205に取り付けられる。
フランジ205には、半導体レーザ203,203の各
々に相対する位置に嵌合孔206,206が形成されて
いる。これらの嵌合孔206,206には、嵌合孔と
0.01〜0.03mm程度のクリアランスを有する筒
状のレンズホルダ207,207が嵌入され、このレン
ズホルダ207内にレーザビームを平行光束に変換する
ためのコリメータレンズ208,208が保持されてい
る。
【0013】ベース201,201は、半導体レーザ2
03,203の各々の発光点が相対するコリメータレン
ズ208,208の光軸上に一致するようにx,y方向
の位置を調整した後、各々2本のねじ204,204に
よってフランジ205に固定されることとなる。
【0014】フランジ205の嵌合孔206,206に
は、切欠部206a,206aが形成されており、半導
体レーザ203の発光点がコリメータレンズ208の焦
点位置と一致するようにレンズホルダ207,207を
おのおのz方向に位置調整した後、この切欠部206a
から接着剤を注入して、内部に浸透させることにより、
レンズホルダ207,207をフランジ205に固定す
る。
【0015】アパーチャ形成部材209は、コリメータ
レンズ208,208の中央付近の平行光束を取り出し
て成形するための部材であって、光束選択用の孔からな
るアパーチャ209a,209aが設けてあり、各々の
コリメータレンズの光軸とアパーチャ209a,209
aの中心とが一致するように設定される。アパーチャか
ら出射される平行光束は、プリズムからなるビーム合成
用光学素子210によりほぼ同軸上の2本のビーム21
1,211に合成され、その後に設置されている画像書
き込みのための走査光学系へと導かれる。この際、2本
のビーム211,211のビームピッチ(y軸方向の距
離)は、画像書き込み面上の副走査方向(y軸方向)の
ピッチが所望の間隔になるように出射光軸の角度が微調
整される。この方法は、ベース201のy軸方向の位置
調整に相当する。
【0016】アパーチャ形成部材209及びビーム合成
用光学素子210は、ケース212の内部に保持され
る。ケース212は、フランジ205の位置決め凸部2
05aとケース212の図示しない位置決め凹部とで位
置合わせされ、フランジ205の各角部に形成された4
個のねじ孔によりフランジ205に固定される。ここ
で、フランジ205の材質は、半導体レーザの放熱性と
調整されたビームピッチの変動を極力抑えるために金属
(特にアルミ)が用いられる。一方ケース212は樹脂
成形部品を用いるのが安価な方法である。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の複数本のレーザビームを出射する光源装置に
は、次の問題があった。
【0018】副走査方向(y軸方向、または、画像書き
込み上の列方向、つまり、2行同時書き込みの場合の行
ピッチ方向)のビームピッチ精度は、非常に高精度が要
求される。したがって、光源装置からの2本のレーザビ
ーム211,211の出射位置及び出射角度(これら出
射位置と出射角度とで光軸特性となる)が非常に高精度
を要求される。
【0019】これに対し、図31の従来の光源装置で
は、アパーチャ形成部材209はケース212に保持さ
れた状態でフランジ205に取り付けられるため、アパ
ーチャ209aの位置決め誤差が出射位置誤差につなが
るという問題があった。また、ベース201に半導体レ
ーザ203を取り付け、フランジ205にコリメータレ
ンズのレンズホルダ207及びコリメータレンズ208
を固定し、光学特性を調整した後、アパーチャ形成部材
209を取り付けるため、2つのアパーチャ209aの
ピッチにばらつきがあると、アパーチャ形成部材209
を取り付け後、光学特性に誤差が生じることになり、ビ
ームピッチ精度にも影響を与えてしまうという問題もあ
った。
【0020】また、ケースはコスト上からは安価な樹脂
成型品で構成することが望ましいが、一般的に樹脂成型
品は温度変動による膨張・収縮が大きく、温度変動での
膨張・収縮がアパーチャ形成部材の位置ずれになり、出
射位置に影響してしまうという問題もあった。
【0021】本発明は、このような問題を解決すること
を目的としたもので、高精度なビームピッチが維持で
き、なおかつ、ケースを安価な樹脂成形部品で構成する
ことが可能な光源装置を提供することを目的としてい
る。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、複数の半導体レーザと、これらの半導体
レーザを固定するベースと、該ベースに固定され各半導
体レーザの前面に設けられたコリメータレンズと、該コ
リメータレンズより出射されるレーザビームを整形する
アパーチャと、上記コリメータレンズから出射されるレ
ーザビームを近接したビームにするビーム合成用光学素
子と、これらコリメータレンズとビーム合成用光学素子
を覆うために上記ベースに取り付けられるケースとを有
する光源装置において、上記アパーチャを形成するアパ
ーチャ形成部材を上記ベース側に一体的に形成したこと
を特徴としている。
【0023】また、上記ベースに上記ビーム合成用光学
素子を固定する光学素子支持部を形成し、該光学素子支
持部に上記アパーチャ形成部材を設けた構成とすること
ができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に本発明の光源装置を図面に
したがって説明する。図1は、本発明の光源装置の分解
斜視図で、図2はコリメータレンズを接着する場合のレ
ンズ支持部を含むベースの正面図である。これらの図に
示すベース1は、そのほぼ中央にy軸方向に並んだ2つ
の嵌合孔1a,1aを有し、これらの嵌合孔1a,1a
の裏面にはレーザビームを射出する2つの半導体レーザ
2,2が圧入固定される。また、ベース1には、コリメ
ータレンズ3,3を直接固定するために、嵌合孔1a,
1aの前面に位置してコリメータレンズ3,3の外周円
よりわずかに径の大きな(たとえば、0.2mm程度)
断面円弧状のレンズ支持部1b、1bが半導体レーザ
2,2の各々の光軸と同心に一体成形されている。この
レンズ支持部1bの光軸(z軸)方向の長さは、コリメ
ータレンズ3との間に接着剤が余分に充填された場合で
も他の部分に付着することがないように、コリメータレ
ンズ3,3の光軸(z軸)方向の厚さ(レンズの厚さ)
よりも長くなっている。また、正面から見た形状は、各
々半円以下の断面円弧状とされている。
【0025】なお、この正面から見たときの形状は、位
置調整と接着作業の容易性から、図2に示すように60
゜程度開いた左右対称な形状とするのが望ましい。さら
に、レンズ支持部1b、1bの断面円弧の中心線C,C
は、コリメータレンズ3,3による出射された2本のビ
ームの副走査ピッチ方向(y軸方向)に対してほぼ直角
に設定されるのが望ましい。
【0026】また、本発明のベース1は、ほぼ矩形であ
り、嵌合孔1a,1a及びレンズ支持部1b,1bを含
む全体の構成がベースの中心線Oに対して線対称なって
いる。これは、次の理由によるものである。
【0027】コリメータレンズ3,3はベース1から突
出したレンズ支持部1bの先端にとりつけられており、
ベース1自身が取り付けの際の締め付け力や温度変化で
変形した場合、その変形は直接コリメータレンズ3,3
の位置変化として表れる。そのため、もし、レンズ支持
部1b,1bや嵌合孔1a,1aが非対称位置に配置さ
れていると、ベースの変形によるコリメータレンズ3,
3の位置変化も非対称に生じることになる。すると、ベ
ース1の変形前後において、コリメータレンズ3,3の
位置関係が不規則に崩れ、これが光学特性の変動に大き
く影響し、画像不良の原因となる。これに対し、線対称
に配置すれば、両側のコリメータレンズの位置のずれは
同等となり、光学特性(特に光軸ピッチ方向)の変動を
小さくすることができ、外力に対して安定した高精度の
光源装置を提供することができる。
【0028】アパーチャ形成部材4には、光束選択用の
孔からなるアパーチャ4a,4aが設けてある。このア
パーチャ形成部材4は、ケース9の内部に保持される。
ビーム合成用光学素子5は、アパーチャ4a,4aから
出射された2本のビーム10,10をほぼ同軸のビーム
に合成する部品であって、プリズムが使用され、これも
ケース9内にアパーチャ形成部材4と共に保持される。
ビーム合成用光学素子5としては、プリズム以外に、ミ
ラーとハーフミラーとを組み合わせた構成としてもよ
い。
【0029】コリメータレンズ3は、その組立に際し、
図2に示すように、3軸(x,y,z軸)方向に位置調
整可能なチャック7で把持され、レンズ支持部1b,1
b上に半導体レーザ2,2の各々の光軸と同心に配置さ
れる。そして、レンズ支持部1bとコリメータレンズ3
の外周面との間に形成される隙間に紫外線硬化型の接着
剤を充填して接着層6を形成した後、図示しない検査装
置によって光学特性を検査しながらコリメータレンズ3
の位置を微調整し、目的の光学特性が得られる位置が決
定したら当該チャック7,7を固定し、図2に示すよう
にコリメータレンズ3,3の上方から接着層6に向けて
紫外線照射器8,8より紫外線を照射する。紫外線はコ
リメータレンズ3を透過して接着層6に達し、接着層6
の全体を均等に硬化させる。この接着剤硬化は、2つあ
るコリメータレンズ3,3に対して各々に実施される。
したがって、レンズ支持部1b,1bとコリメータレン
ズ3,3との間にはその隙間寸法(約0.2mm)から
なる厚さ均一で左右対称で厚さ方向が副走査ピッチ方向
(y方向)とほぼ直角な接着層6,6が形成され、コリ
メータレンズ3,3はこの接着層6,6によってレンズ
支持部1b,1b上に所定の光学特性を維持した状態で
固定される。
【0030】接着層6,6の光軸方向の長さはレンズ支
持部1bの光軸方向の長さより短く、接着層6とベース
1の表面とは隙間を保つようにしている。光源装置を使
用していて温度が上昇してくると、接着層6が膨張す
る。このとき、接着層6とベース1の表面とが密着して
いると、コリメータレンズ3,3は接着層6の膨張によ
り光軸方向に動いてしまう。しかし、接着層とベース1
表面との間に隙間があると、接着層6はコリメータレン
ズの両側に自由に膨張できるので、レンズを動かすこと
がなく、位置精度を高精度に保つことができることにな
る。
【0031】ケース9はベース1の位置決め凸部1c
と、ケース9の位置決め凹部(図示せず)で位置合わせ
され、ケース9に設けられた4つのねじ孔9aとベース
1の4つの孔1dとを重ね合わせ、4本のねじ11を締
め付けることによって結合される。
【0032】本発明の実施例では、ケース9の材料の線
膨張係数はベース1の材料の線膨張率とほぼ同一に設定
されていることに特徴がある。線膨張率を合わせるの
は、まず、両者を同一の素材で形成することが考えられ
る。また、ベース1をアルミ材料で形成した場合、ケー
ス9の線膨張率をアルミ材料とほぼ同じ2〜2.3×1
-5(1/℃)にすることが望ましい。このような線膨
張率を有する樹脂材料としては、たとえば、ガラス繊維
入りの不飽和ポリエステル樹脂がある。また、ガラス繊
維入りの樹脂でガラスの繊維方向が発生する場合には、
繊維方向をビームピッチ方向(y方向)にし、ベース1
の線膨張係数と同等にすることが考えられる。
【0033】ケース9より射出されたほぼ同軸の2本の
ビーム10,10は、その後に設置されている画像書き
込みのための走査光学系へと導かれる。この際、2本の
ビームのピッチは、画像書き込み面上の副走査方向のピ
ッチが所望の間隔になるように出射光軸の角度が微調整
される。この方法は、前述したコリメータレンズの位置
調整におけるy方向の位置調整に相当する。
【0034】図3及び図4は、ベースのレンズ支持部を
連結した実施例である。図31に示す光源装置では、組
立当初に要求される光学特性を満たしたとしても、デジ
タル複写機やレーザプリンタに搭載すると、取り付けに
よる内部応力や、機内温度の変化による膨張や収縮力に
起因する変形が生じ、図32に示すように、フランジ2
05を湾曲させてしまう。本発明が対象とする光源装置
は、一般に拡大光学系となるため、湾曲などの変形によ
る各部品の位置に変化が生じると、たとえそれが僅かで
あっても、感光体の書き込み位置に達すると拡大されて
大きなずれとなり、光学特性に大きな影響を及ぼす。特
に、y方向の湾曲は、ビーム211,211の平行度を
損なうので、その影響が大きい。
【0035】この図3、図4の例は、この問題を解決す
るもので、光源装置自体を変形しにくい構造にしたもの
である。実際に光源装置を組み込む本体側の設定を変更
すると、他にも数多くの部分に影響を及ぼし、多大なコ
ストが発生するおそれもある。そのため、図3、図4の
ように変形しにくい構造にすることは、実用上他への影
響が少なく、有利である。
【0036】図3に示すベース21は、図1のベース1
と同様に半導体レーザ2,2を取りつける嵌合孔21a
を有しており、ただ、コリメータレンズ3のレンズ支持
部1b,1bがつながって連結支持部21bとなってい
る点が特徴である。連結支持部21bは、図1のレンズ
支持部1b,1bと同じレンズ支持部21b1,21b
1を直線的な連結部21b2で接続して一体化したもの
である。この直線形状の連結部21b2は、ビームピッ
チ方向(y方向)とほぼ平行で、ピッチ方向の厚さを均
一にしており、また、レンズ支持部21b1と連結部2
1b2との間には、光軸方向に延びる溝状の逃げ部21
b3を形成している。この逃げ部は、コリメータレンズ
3を固定する際に充填される接着剤が連結部21b2に
達するのを防止するために形成されたものである。レン
ズ支持部の形状(接着剤が塗布される面の形状)は、上
記逃げ部21b3を境にして同一形状をしている。
【0037】連結部21b2がy方向に形成されている
ので、図32で示したようなy軸に沿って湾曲する変形
を防ぎ、図1に示す2本のビーム10,10の間隔や角
度の狂いを効果的に防止することができる。
【0038】図4のベース22は、2つのコリメータレ
ンズ3,3の光軸を結ぶ線がy軸に対して傾斜している
例である。図3に示す2つのコリメータレンズ3,3が
y軸と平行に配置されたベース21と、図4のようなベ
ース22との違いは、詳しい説明は省略するが、これら
の光源装置を使用する書き込み光学系の構造の相違によ
るものである。このようなベース22では、連結支持部
22bも傾斜して配置されることになる。そして、この
連結支持部22bは、図1のレンズ支持部1bに対応す
るレンズ支持部22b1,22b1を直線的な連結部2
2b2で結合して一体化したものとなっている。この実
施例では、連結部22b2は若干肉厚が薄く、逃げ部2
2b3は段差状に形成されている。連結部はy軸と平行
に形成するのが最も効果的ではあるが、図4のように若
干傾斜しても差し支えない。
【0039】図5は、ベース1とケース9とを一カ所の
固定部で結合した実施例を示す。ほとんどが図1に示し
た光源装置と共通しており、同一符号を付して説明を省
略する。図31に示すフランジ205とケース212と
は、フランジ205の四隅に穿設された孔205bにね
じを挿通してケース212に固定する。そのため、光源
装置の温度が上昇し、フランジ205やケース212が
膨張した場合、双方の線膨張率に差があると、フランジ
205に図32に示すような湾曲ひずみが発生し、2本
の光束211の間隔や平行度(ビームピッチ精度)が狂
ってしまう。
【0040】これに対し、図5の実施例では、ベース1
の中央付近に1つだけ孔1dが開けられ、ケース9には
この孔1dに対応する雌ねじ孔9aを形成した構成とな
っている。そして、取付部材としてのねじ11が孔1d
を挿通してケースの雌ねじにねじ込まれ、結合する構成
となっている。
【0041】このようにベース1とケース9とは一カ所
で固定されるので、ベースとケースとの間に線膨張率の
相違があっても、両者はそれぞれ自由に膨張・収縮する
ことができ、ベースに湾曲ひずみが発生することがな
く、2本のビーム10,10のビームピッチ精度を高精
度に維持することができる。また、ケースやベースのそ
れぞれをどのような材質にしてもよくなるので、安価な
樹脂成型品を採用し、製造コストを下げることができ
る。また、取付部材11の孔1dを、半導体レーザ2,
2のy方向の中心線C,Cの中心を通る中央線C′上に
配置すれば、ベースを変形させることがなく、かつ、取
り付け時にベース側とケース側の相対位置の安定性が向
上し、ビームピッチを高精度に保つことができる。
【0042】図6、図7、図8はレンズ支持部1bから
光学素子支持部23を延設し、ベース1と一体的にビー
ム合成用のビーム合成用光学素子5を取り付けられるよ
うにした実施例である。
【0043】図31に示す従来の光源装置では、ビーム
合成用の光学素子210がケース212に保持された
後、フランジ205に取り付けられていた。そのため、
ビーム合成用の光学素子210の位置決め誤差がビーム
(光束211)のピッチ精度に影響を与えてしまうとい
う問題があった。また、ケース212は、コスト上から
は安価な樹脂成形品で構成することが望ましいが、一般
的に樹脂成型品は温度変動による変形が大きく、環境温
度の変動に伴う膨張・収縮での位置ずれ(特にビームピ
ッチ方向の変動)が特に大きく影響してしまう問題があ
った。図6の実施例は、このような問題を解決するもの
である。
【0044】図6に示すように、この実施例では、両側
のレンズ支持部1b、1bを延長して光学素子支持部2
3をベース1と一体的に形成している。アパーチャ形成
部材14は、ビーム合成用光学素子5の後方に取り付け
られるので、アパーチャ14aは1つだけである。
【0045】ビーム合成用光学素子5は光学素子支持部
23の突き当て基準面23aで位置決めされ、面23b
上に固定される。このときビーム合成用光学素子5は光
学素子支持部23の面23b上に接着層24を介して接
着される。このようにすることによって、温度変化によ
り接着層24が伸縮しても、y方向(2本のビーム1
0,10のピッチ方向)に変化を起こさないようにする
ことができる。接着剤としては、信頼性に優れた光硬化
型接着剤が望ましく、製造工程の容易さからはコリメー
タレンズ3を固定する接着剤と同一のものが望ましい。
この後、図2で説明したのと同様にしてコリメータレン
ズ3,3を位置決めし、接着固定する。
【0046】この結果、位置精度の要求が高い光学部品
である半導体レーザ2,2、コリメータレンズ3,3及
びビーム合成用光学素子5は全てベース1により保持さ
れることとなる。したがって、要求される組立精度を達
成し易く、かつその精度を維持し易い。また、この光学
素子支持部23は、y方向に形成されることとなるの
で、y方向に沿って生じる湾曲ひずみ(図32参照)を
効果的に防止でき、ケースが温度変化による収縮しても
ビームピッチ精度に影響を受けないようになる。なお、
図示の実施例では光学素子支持部23をレンズ支持部1
bと一体的に形成したが、別個のものとしてベース1か
ら独立した状態で立設してもよい。
【0047】図9、図10、図11は、アパーチャ形成
部材を弾性部材としてベース1側に取り付けられるよう
にした実施例である。図9は光源装置の分解斜視図、図
10はベース1周辺の組立状態を示す斜視図、図11は
図10の正面図である。
【0048】図31の従来の光源装置では、アパーチャ
形成部材209はケース212に保持された状態でフラ
ンジ205に取り付けられるため、アパーチャ209a
の位置決め誤差が出射位置誤差につながるという問題が
あった。また、ベース201に半導体レーザ203を取
り付け、フランジ205にコリメータレンズのレンズホ
ルダ207及びコリメータレンズ3を固定し、光学特性
を調整した後、アパーチャ形成部材209を取り付ける
ため、2つのアパーチャ209aのピッチにばらつきが
あると、アパーチャ形成部材209を取り付け後、光学
特性に誤差が生じることになり、ビームピッチ精度にも
影響を与えてしまうという問題もあった。
【0049】そこで、図9、図10、図11に示す実施
例では、上記の問題を解決するために、アパーチャ形成
部材25をプラスチックの成型品などで製造し、弾性に
富んだ断面がコ字形にし、ベース1の光学素子支持部2
3に取り付けられたビーム合成用の光学素子5の外側か
ら挟むようにして取り付けるようにしている。アパーチ
ャ形成部材25のアパーチャ25aは、ビームが合成さ
れた後の位置に配置されるため、1つだけでよい。ま
た、アパーチャ25aの両側の対向する挟持片には、内
側に突出したリブ状の突起25b,25bが形成され、
光学素子支持部23にもこの突起が嵌合する溝23cが
形成されていて、簡単に外れることがないようにすると
同時に、挟持力の増加を図っている。
【0050】以上の構成とすれば、アパーチャ形成部材
25は光学特性を調整した後のベース1に取り付けられ
るので、取り付け時にセットされた位置を保持でき、出
射位置を高精度に保ち、ビームピッチへの影響も生じな
いようになる。また、アパーチャ形成部材の位置決め
を、部品点数を増加することなく、容易に決めることが
でき、ケースの温度変化による変形がアパーチャのピッ
チに影響しないので、ビームピッチ精度も影響を受け
ず、ケースを安価な樹脂成形品で構成することができ、
光源装置を安価に提供することができる。
【0051】図12、図13、図14はアパーチャ形成
部材26をベース1と一体的に形成した実施例である。
図12は光源装置の分解斜視図、図13はベース1周辺
の組立状態を示す斜視図、図14は図13の正面図であ
る。この実施例では、アパーチャ形成部材26を光学素
子支持部23に一体的に形成し、コリメータレンズ3の
中央に位置するように2つのアパーチャ26a,26a
を開けている。
【0052】アパーチャ形成部材26は、ベース1に直
接立設してもよく、あるいは、板状の素材からアパーチ
ャ26aが穿設されたアパーチャ形成部材26を別個に
形成し、接着剤などで光学素子支持部23に接着固定す
る構成としてもよい。上記の構成とすれば、アパーチャ
形成部材がベースと一体構造であり、アパーチャを通過
し整形された光束による光学特性を調整するので、アパ
ーチャの精度誤差及び位置誤差を吸収した状態で光学特
性を保証でき、高精度の光源装置を提供できる。
【0053】また、アパーチャ形成部材を独立した部品
から削除できるので部品点数が減少できるとともに、ケ
ース側の精度を必要とせず、安価な樹脂でケースを作る
ことができ、全体として光源装置を安価に製造すること
ができる。
【0054】図15は、ビーム合成用の光学素子5の位
置を調整できる機構を付加し、ビーム10,10の間隔
(ビームピッチ)を微調整できるようにした実施例で、
組み立てた光源装置の断面図である。
【0055】本発明の光源装置は、前述したように、そ
の光学特性として光源装置より射出されるレーザビーム
方向性(光軸特性)と光束の平行性(コリメート特性)
が要求される。
【0056】しかしながら、実際に接着固定する場合に
は、コリメータレンズを所望する位置に持ってくること
ができたとしても、接着層の硬化収縮やねじの締め付け
による変形等によりレンズの位置が不確定的に変動する
ため、接着固定後の光学特性は非常に不安定にならざる
を得ない。
【0057】図15の実施例は、このような問題を解決
するためのもので、ケース9の右端にはベース1がはめ
込まれ、ベース1には、半導体レーザ2,2とコリメー
タレンズ3,3とが固定され、アパーチャ形成部材27
にはアパーチャ27a,27aが穿設されている。アパ
ーチャ形成部材27は、弾性のある素材でできた薄板形
状であり、中央に突起27bを有している。
【0058】前述したようにプリズムを用いたビーム合
成用光学素子5は、ケース9内にあって、図の左下を支
持座9aに当接し、右側中央はアパーチャ形成部材27
の中央に形成された突起27bの先端に弾性支持され、
左上はケース9を貫通したねじからなる調整手段28の
先端に当接している。このうち、支持座9aは固定され
た支点であり、回転中心となる。調整手段28は、ビー
ム合成用光学素子の回転角を微調整する調整手段として
の機能があればよく、ねじに限定されない。
【0059】ここで、ケース9の支持座9aは平面形状
となっているため、ビーム合成用光学素子5はここで線
接触するとともに、ここを中心としてy−z平面内で
(又は、x軸を中心として)回転可能となる。
【0060】調整手段28を回転すると、調整手段28
のケース9内に突出する長さが変化し、ビーム合成用光
学素子5が、支持座9aに当接している角部を中心にy
−z面内で微小な角度で回転する。この回転によって、
ビーム合成用光学素子5の第1反射面5aと第2反射面
5b間のy方向の距離が変化するため、2つの光束21
0,210のy方向の距離(副走査方向のピッチ)が変
化する。そこで、調整手段28としてのねじを左右に回
転して光束210,210間の距離を所望の値になるよ
うに調整することができる。
【0061】この回転によって変化するのはビームのピ
ッチ方向の間隔(y方向の間隔)だけであり、x方向や
光束の平行性(コリメート性)には影響しない。したが
って、ビーム合成用光学素子の回転機構により、他の光
学特性に影響を与えずにビームピッチのみを調整するこ
とができる。以上の調整は、2本のビームの場合のみに
限定されるものではなく、3本以上のビームについても
同様に調整可能である。
【0062】また、調整手段28のねじの代わりに弾性
部材を設け、突起27bに調整ねじを設ける構成として
も同じ目的を達成できる。この場合、アパーチャ形成部
材27は弾性変形しにくい構成とすることが望ましい。
また、突起27bの位置にある調整ねじを光源装置の外
部から回転させるため、たとえば、ベース1に貫通孔を
形成し、そこからドライバを差し込んで調整手段28と
してのねじを回転できるようにするとよい。
【0063】図16から図19に示すのは、ベースの形
状を工夫することで、温度変化によるベースの変形を小
さく抑えることができる実施例である。図31に示す従
来の光源装置では、金属製のフランジ205と樹脂性の
ケース211とを4本のねじ204で固定するため、光
源装置に温度上昇が発生した場合、図32に示すよう
に、材料の線膨張係数の違いによりフランジ205を湾
曲状に変形させてしまう。特に、湾曲がビームピッチ方
向(y方向)に発生すると、ビームの平行度が狂い、拡
大光学系であるから、わずかな狂いが大きく拡大されて
しまう。
【0064】また、上記の変形の原因となる応力は、x
方向とy方向とでは、大きさが異なり、これらの合成さ
れた力によりフランジが変形するので、フランジ205
はより複雑な変形をすることになる。また、フランジの
剛性によっても変化量が異なる。その結果、ビームピッ
チが複雑に変化し、不良画像の原因となるという問題が
あった。
【0065】図16から図19に示すのは、この問題を
解決するための実施例である。図16は、光源装置の分
解斜視図、図17はベースの拡大斜視図、18はベース
の正面図、図19は図17の一部破断した下面図であ
る。
【0066】これらの図に示すベース30は、両側の固
定部30a,30aと、中央の半導体レーザ2,2とコ
リメータレンズ3,3を固定した光源部30bとを剛性
の低い狭小部30c,30cで接続した構成となってい
るが、換言すれば、図1のベース1に狭小部30cを形
成した構成で、他の構成は図1のベースと同じである。
また、光源装置のベース30以外の部分も図1の実施例
と変わりはない。
【0067】狭小部30cは、固定部30aの上下両側
に穿設された取り付けねじの孔30d,30dの中心で
あり、x軸方向と一致している。狭小部30cの厚さは
固定部30aや光源部30bと同じ厚さになっている
が、薄くしてもよい。固定部30aが、図示の実施例で
は上下対称な形状であるが、非対称形状の場合も、狭小
部30cは、上下両側の孔30d,30dの中心に形成
するとよい。
【0068】ベース30よりもケース9の線膨張係数の
方が大きい場合、周囲の温度が上昇すると、図18に示
すようにベース30の表面側からx,y方向にベース3
0を伸ばす力f1,f2が作用するが、中央の光源部3
0bには、狭小部30cを介してf3の引っ張り力が作
用するのみである。
【0069】したがって、この場合には従来のように複
雑な反りは発生せず、狭小部30cが局部的に変形する
だけで、光源部30bの反りはx,yいずれの方向とも
に防止できるか、著しく低減できることになる。特に、
y方向の変形は、ビームピッチに与える影響が大きい
が、この実施例によればy方向の変形はほとんど無くな
るので、ビームピッチを高精度に保つことができる。
【0070】上記の実施例では狭小部30cは左右に1
カ所づつであったが、装置の制約や必要性などを考慮し
て左右いずれか1方のみとしたり、左右合わせて3カ所
以上にするなど、種々の変更が可能である。
【0071】図20は、ベース1の裏側にバックプレー
トを設け、このバックプレートとケースの線膨張率を等
しくした実施例である。上述したように、ベース1はア
ルミ材料で形成され、ケース9は合成樹脂の成型品を使
用するので、線膨張率が異なる。また、ベース1とケー
ス9は、四隅をねじ11で固定している。そのため、雰
囲気温度が上昇すると、図32で説明したのと同様にベ
ース1が湾曲することになり、ビームピッチが狂って画
像不良の原因となる。
【0072】これに対し図20の実施例は、ベース1の
ケース9と反対側にバックプレート31を設けている。
バックプレート31は、ケース9とほぼ同じ線膨張率を
有する素材、たとえば、同一の素材から形成されたもの
で、ベース1と同じ大きさの四角な板状で、四隅にはね
じ11の挿通される孔31aが穿設され、中央には半導
体レーザ2,2を避けるための2つの孔31bが穿設さ
れている。
【0073】ベース1は、x、y方向の大きさがほぼ等
しいケース9とバックプレート31とにサンドイッチ状
に挟まれ、四隅をねじ11で締め付け結合される。光源
装置の周囲の温度が上昇した場合、樹脂製のケース9と
アルミ系の金属製のベース1とではケースの方が膨張し
易いので、従来はベース1が湾曲してしまった。ところ
が、図20の実施例では、ベース1は線膨張率が同じケ
ース9とバックプレート31とに挟まれているので、ベ
ース1の両側のケース9とバックプレート31とは同一
の膨張をすることとなり、ベース1の両側の変形がベー
ス1の変形を相殺してベース1は湾曲することがなくな
る。したがって、ビームピッチが狂うことが無くなり、
ビームピッチを高精度に保つことが可能となる。
【0074】なお、ケース9とバックプレート31との
曲げ剛性が大きく相違すると、ベース1に湾曲歪みが生
じる場合もあり得る。そのような場合を考慮して、バッ
クプレートの曲げ剛性をケースの曲げ剛性とほぼ同程度
にしておくことが望ましい。
【0075】図21はベースに半導体レーザを圧入する
際に、ビームピッチ方向(y方向)のずれが生じにくい
圧入構造を示す実施例で、ベース1を裏側(半導体レー
ザを挿入する側)から見た図である。
【0076】ベース1の中央には、2つの嵌合孔1a,
1aが穿設されているが、この嵌合孔の裏面には、半導
体レーザ2の金属製の鍔部が嵌入するための円筒状のリ
ブ1eが形成されている。本発明の実施例は、このリブ
1eのビームピッチ方向中心線Y上に割り溝1fを円筒
の高さ方向に形成したものである。図示の実施例では、
1つのリブ1eに対し、中心線Y上(y方向)に2つの
割り溝1fを形成している。
【0077】円筒状のリブ1eの内径を半導体レーザ2
の外形より若干小さめにし、割り溝1fが広がることで
半導体レーザと嵌合するようになる。そして、嵌合され
た後は、割り溝1fが元に戻ろうとするので、半導体レ
ーザはより強い力で把持され、取付位置を高精度に保持
できるようになる。
【0078】ところで、リブ1eの内径が半導体レーザ
2の外形より若干小さい場合、半導体レーザ2がリブ1
e内に進入したとき、前述したとおり割り溝1fが広が
ることで半導体レーザ2との嵌合が行われる。このとき
割り溝1fの広がりが左右均等に行われれば問題無い
が、この広がり量が溝の左右で等しいとは限らず、等し
くなければ、割り溝1fの幅の中心位置がずれ、直接半
導体レーザの位置がずれることになる。また、このずれ
量は個々のケースで異なり、予め予測することができな
い性格のものである。もし、このずれがy方向に生じる
と、ビームピッチの誤差となり、画像不良に結びつく。
しかし、このずれがx方向に生じた場合は、読みとりや
書き込み等のタイミングを修正すればよいので、画像不
良の問題は生じない。したがって、このずれがx方向に
生じるようにしたい。
【0079】そこで、割り溝1fが1つのリブ1eの対
向する位置に2つ形成される場合は、図21のようにビ
ームピッチ方向中心線Y(y方向)上に配置した。この
ようにすると、ずれはx方向に生じ、y方向、すなわ
ち、ビームピッチへの影響を排除できることになる。
【0080】図22(a),(b)のように、割り溝1
fがリブ1e1つに1カ所の場合は、割り溝1fが広が
ると、リブ1eの変形は、主として、図の矢印のよう
に、割り溝1fと反対方向で、割り溝1fの幅方向と直
交する方向に発生する。このような場合は、図22
(a)のようにリブ1eのビームピッチ方向中心線Yの
一方側((a)では上方)に揃えて形成するとよい。
(a)とは逆に下方に揃えてもよい。このようにすれ
ば、y方向のずれが上下のリブで同じ方向に発生するの
で、相殺され、ビームピッチ(y方向)のずれは小さく
なるからである。しかし、図22(b)のように、一方
の割り溝1fはリブ1eの上に、他方は下にというよう
に形成すると、y方向のずれが逆方向に生じ、ずれが加
算されて大きくなり、ビームピッチに影響を与えること
になる。
【0081】図23は、円弧状の接触面を有するレンズ
支持部1bの中心をコリメータレンズ3,3の中心から
外側に若干量(δ)ずらした実施例である。図24は図
23のA−A断面図、図25(a)は接着層の拡大図、
(b)は膨張量の分解図、(c)はコリメータレンズの
ビームピッチ方向の膨張による移動を説明する図であ
る。
【0082】図2で説明したように、レンズ支持部1b
とコリメータレンズ3とは、紫外線硬化型の接着層6に
より接着されている。ところが、硬化後の接着層6の線
膨張係数はベース1の線膨張係数よりかなり大きい。
【0083】一方、図24及び図25により説明する
と、ベース1の温度が上昇した場合、ベース1は膨張
し、コリメータレンズ3,3間の距離Lがベース1の外
側方向に片側でΔL/2膨張する。これに対し、図25
(a)に示すように、接着層6も仮想線6′に示すよう
に膨張するが、接着層6はレンズ支持部1bによって外
側への膨張を制限されるので、コリメータレンズ3の中
心に向かって膨張する。言い換えると、接着層6の厚さ
がΔSだけ内側に厚くなる。このとき、接着層6の中心
がコリメータレンズ3の中心から図示のようにδだけ外
側にずれていると、接着層6の膨張による厚さの増加Δ
Sは、図25(b)に示すように、ベース1の中心に向
かう成分ΔS′を持つことになる。すなわち、接着層6
はビームピッチ方向の内側に向かって膨張する。
【0084】図24及び図25(c)で示すように、コ
リメータレンズ3,3間の距離LがΔL(片側ではΔL
/2)伸びる方向と、接着層6の膨張によりレンズをy
方向にΔS′移動させる方向とは、逆向き、つまり相殺
する方向となる。
【0085】言い換えると、接着層6の中心をベースの
外側に適当な量(例えば、δ)ずらすことで、温度変化
によるコリメータレンズ3,3間の距離の変化は本来の
伸び(ΔL/2)から接着層6の伸びのy方向成分Δ
S′を引いたものとなり、温度上昇による膨張を補償し
てビームピッチ精度が要求される範囲内に保ったり、あ
るいは、全く変化しないようにしたりすることも可能と
なる。
【0086】図26及び図27は、ケースにスリットを
形成してケースの剛性を下げ、膨張の際にベースを湾曲
させるのを防止できるようにした実施例である。図32
で説明したように、ベース1がアルミ系の金属製で、ケ
ース9が樹脂成型品の場合、線膨張率の相違から、光源
装置が高温下に置かれると、ケース9が大きく膨張し、
ベース1を湾曲させ、これによって、ビームピッチが狂
い、画像不良になるという問題があった。
【0087】この実施例は、ケース33の両側にスリッ
ト33aを形成したものである。このような構成によっ
て、ケース33の曲げ剛性は低下し、図27に示すよう
にケース33が膨張しても、ケース33の変形はベース
1を湾曲させるまでには至らず、ベース1は真っ直ぐな
状態を保つことができる。特に、スリット33aをケー
ス33のビームピッチ方向(y方向)に延びる両辺に形
成すれば、y方向の湾曲を効果的に防ぐことができる。
したがって、ビームピッチが狂うこともなく、画像不良
を起こさないようにすることができる。
【0088】図28はベース1とケース9との結合部に
逃げを持たせてケース9が膨張する際の熱応力がベース
1に伝わらないようにした実施例である。図30の従来
例で説明したように、フランジ205とケース212と
は、四隅をねじで締め付け固定されている。そのため、
ケース212の熱応力がフランジ205に伝達されてフ
ランジ205が湾曲するという問題があった。
【0089】これに対し、図28(a)の実施例は、ベ
ース1に穿設されるねじ11用の孔1dの4つのうち3
つを長孔からなる長径孔1fとし、この長径孔1fに挿
通されるねじ11とベース1との間に、ゴムなどの弾性
材32を挟持させ、光軸方向のガタツキを抑えている。
【0090】このような構成にすると、ケース9とベー
ス1とは、一点のみで固定され、他のねじ11とはx−
y平面内で長径孔1fとの隙間の範囲内で、移動が自由
にできる状態となる。したがって、ケースとベースとの
素材が相違して熱膨張率の異なり、光源装置の温度が上
昇して、一方(ケース9)が膨張しても、長径孔とねじ
との隙間がある間は、ベース1の湾曲を防止することが
できる。実施例の長径孔1fを、1dより大きな丸孔と
することも可能である。
【0091】なお、前述したように、ビームピッチの精
度はy方向には非常に厳しいが、x方向はそれほど厳し
くない。そこで、図28(b)のように、x方向に並ん
だ2組の孔の一方の組の2つの孔を上側に示すように従
来どおりの孔1dとし、x方向に並んだ他方の2つの孔
を下側に示す長径孔1fとしてもよい。
【0092】図29はねじ11の代わりに樹脂製の弾性
突起34を使用した例である。弾性突起34は、ケース
9の雌ねじが形成された位置にケースと一体的に成形さ
れ、ケース9の端面から垂直に、かつ、環状に配置され
た複数(図では4個)の柱部34aと、これら柱部の各
先端に形成された係止部34bと、係止部34bの先端
に形成された案内斜面34cとからなっている。他方の
ベース1には(a)と同様の長径孔1fが開けられてい
る。また、複数の柱部34aで形成する弾性突起34の
胴部の径は長径孔1fの長径より小さいが、係止部34
bの外径は長径孔1fの短径より大きくしている。
【0093】ベース1をケース9に取り付けるには、ベ
ース1をケース9に重ね合わせて各長径孔1fに各弾性
突起34の先端を挿入し、ベース1をケース9に押しつ
けると、弾性突起34の案内斜面34cにより複数の柱
部34aが一斉に内側に撓み、弾性突起34は長径孔1
fを通過し、頭部の係止部34bがベース1を貫通して
反対側に突き出す。これと同時に、柱部34aは内側に
撓んだ状態から真っ直ぐな状態に復帰する。係止部34
bの径が長径孔1fの径より大きいので、ベース1はケ
ース9から外れることはない。また、係止部34a自身
の弾性によりベース1はケース9にばね付勢された状態
で光軸方向に押しつけられる。
【0094】ベースとケースは4カ所全てでこの弾性突
起34により係止することとしてもよく、一本ないし2
本はねじ11で止めてもよい。ただし、2本の場合は、
x方向に並んだ2本とすることが望ましい。
【0095】
【発明の効果】以上に説明したように本発明によれば、
アパーチャ形成部材がベースと一体構造であり、アパー
チャを通過し整形された光束による光学特性を調整する
ので、アパーチャの精度誤差及び位置誤差を吸収した状
態で光学特性を保証でき、高精度の光源装置を提供でき
る。
【0096】また、アパーチャ形成部材を独立した部品
から削除できるので部品点数が減少できるとともに、ケ
ース側の精度を必要とせず、安価な樹脂でケースを作る
ことができ、全体として光源装置を安価に製造すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光源装置の構成を示す分解斜視図であ
る。
【図2】ベースにコリメータレンズを固定する方法を説
明する正面図である。
【図3】レンズ支持部が結合したベースの図で(a)は
斜視図、(b)は正面図である。
【図4】レンズ支持部がy軸に対して傾斜しているベー
スの正面図である。
【図5】光源装置のベースとケースとを1箇所の取付部
で結合する実施例の分解斜視図である。
【図6】レンズ支持部にビーム合成用のビーム合成用光
学素子を固定する保持部を形成した実施例の分解斜視図
である。
【図7】図6の実施例のベース部分の斜視図である。
【図8】図7の正面図である。
【図9】アパーチャ形成部材を弾性部材とし、ビーム合
成用光学素子に取り付ける実施例の分解斜視図である。
【図10】図9のベース部分の斜視図である。
【図11】図10の正面図である。
【図12】アパーチャ形成部材を、ベースと一体に形成
した実施例の分解斜視図である。
【図13】図12のベース部分の斜視図である。
【図14】図13の正面図である。
【図15】ビーム合成用光学素子の回転調整装置を設け
た光学装置の縦断面図である。
【図16】ベースに狭小部を形成した実施例の分解斜視
図である。
【図17】図16のベースの斜視図である。
【図18】図17のベースの正面図である。
【図19】図17の一部破断した下面図である。
【図20】ベースにバックプレートを張り合わせる実施
例の分解斜視図である。
【図21】半導体レーザを圧入するリブに溝を形成した
ベースの裏面から見た斜視図である。
【図22】溝の配置を説明する図である。
【図23】コリメータレンズの接着部の中心をビームピ
ッチ方向の外側にずらしたベースの正面図である。
【図24】図23のA−A断面図である。
【図25】(a)は接着層の拡大正面図、(b)は接着
層の膨張の方向を説明する図、(c)は、熱膨張による
ベースと接着層の膨張が相殺されてコリメータレンズ間
の距離に表れることを説明する図である。
【図26】スリットを設けたケースの斜視図である。
【図27】図26のケースを使用した光源装置におい
て、温度が上昇した場合のベースの横断面図である。
【図28】ベースのねじを挿通する孔を長径孔にした実
施例を示す図で、(a)は光源装置の断面図、(b)ベ
ースの正面図である。
【図29】ベースとケースの固定に樹脂製の弾性突起を
使用した例を示す要部断面図である。
【図30】半導体レーザが1つの従来の光源装置の断面
図である。
【図31】半導体レーザが2つの従来の光源装置の分解
斜視図である。
【図32】熱膨張によりベースが湾曲した状態を示すベ
ースの側面図である。
【符号の説明】
1 ベース 1a 嵌合孔 1b レンズ支持部 2 半導体レーザ 3 コリメータレンズ 5 ビーム合成用光学素子 9 ケース 10 ビーム 23 光学素子支持部 26 アパーチャ形成部材 26a アパーチャ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の半導体レーザと、これらの半導体
    レーザを固定するベースと、該ベースに固定され各半導
    体レーザの前面に設けられたコリメータレンズと、該コ
    リメータレンズより出射されるレーザビームを整形する
    アパーチャと、上記コリメータレンズから出射されるレ
    ーザビームを近接したビームにするビーム合成用光学素
    子と、これらコリメータレンズとビーム合成用光学素子
    を覆うために上記ベースに取り付けられるケースとを有
    する光源装置において、上記アパーチャを形成するアパ
    ーチャ形成部材を上記ベース側に一体的に形成したこと
    を特徴とする光源装置。
  2. 【請求項2】 上記ベースに上記ビーム合成用光学素子
    を固定する光学素子支持部を形成し、該光学素子支持部
    に上記アパーチャ形成部材を設けたことを特徴とする請
    求項1記載の光源装置。
JP33488097A 1997-11-20 1997-11-20 光源装置 Pending JPH11153746A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33488097A JPH11153746A (ja) 1997-11-20 1997-11-20 光源装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33488097A JPH11153746A (ja) 1997-11-20 1997-11-20 光源装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11153746A true JPH11153746A (ja) 1999-06-08

Family

ID=18282263

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33488097A Pending JPH11153746A (ja) 1997-11-20 1997-11-20 光源装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11153746A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002287057A (ja) * 2001-03-27 2002-10-03 Canon Inc マルチビーム走査光学系及びそれを用いた画像形成装置
JP2006011202A (ja) * 2004-06-29 2006-01-12 Konica Minolta Photo Imaging Inc レンズユニットおよび撮像装置
JP2009289323A (ja) * 2008-05-28 2009-12-10 Kenwood Corp 光ピックアップ
JP2017045006A (ja) * 2015-08-28 2017-03-02 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 光源ユニット、光走査装置、画像形成装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002287057A (ja) * 2001-03-27 2002-10-03 Canon Inc マルチビーム走査光学系及びそれを用いた画像形成装置
JP2006011202A (ja) * 2004-06-29 2006-01-12 Konica Minolta Photo Imaging Inc レンズユニットおよび撮像装置
JP2009289323A (ja) * 2008-05-28 2009-12-10 Kenwood Corp 光ピックアップ
JP2017045006A (ja) * 2015-08-28 2017-03-02 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 光源ユニット、光走査装置、画像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100299649B1 (ko) 반도체레이저를포함하는광원장치
JP5062219B2 (ja) 光源装置の取付構造
JP4363016B2 (ja) 半導体レーザー装置の取付構造
JP3717650B2 (ja) 光源装置
US5255015A (en) Athermally compensated optical head for a laser scanner
US6762492B2 (en) Semiconductor device, image scanning unit and image forming apparatus
JP2001111155A (ja) 光源装置及び光ビーム走査装置
JP3660796B2 (ja) 光源装置
JP3648368B2 (ja) 光源装置
JPH11153746A (ja) 光源装置
JP2003098413A (ja) 光源装置及びその調整方法
US7342599B2 (en) Optical scanner for scanning a laser beam in accordance with an image signal
JPH11153736A (ja) 光源装置
JPH11153742A (ja) 光源装置
JP3648367B2 (ja) 光源装置
JP3842885B2 (ja) 光源装置及び光源装置の製造方法
JPH11153733A (ja) 光源装置
JPH11153745A (ja) 光源装置
JPH11153743A (ja) 光源装置
JPH11153738A (ja) 光源装置
JPH11153744A (ja) 光源装置
JPH11153741A (ja) 光源装置
JP2010091779A (ja) 光源ユニット及びこれを備えた光走査装置
JP2001296490A (ja) 光走査装置及びこの光走査装置に用いられる光源装置
JP4693438B2 (ja) 走査光学装置および画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Effective date: 20041130

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050125

A02 Decision of refusal

Effective date: 20050524

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02