JPH11153227A - ベローズの製造方法 - Google Patents

ベローズの製造方法

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JPH11153227A
JPH11153227A JP33365797A JP33365797A JPH11153227A JP H11153227 A JPH11153227 A JP H11153227A JP 33365797 A JP33365797 A JP 33365797A JP 33365797 A JP33365797 A JP 33365797A JP H11153227 A JPH11153227 A JP H11153227A
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JP
Japan
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bellows
spring constant
kgf
cloth
pressure
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JP33365797A
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English (en)
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Masakuni Kainuma
正邦 海沼
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Fujikura Composites Inc
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Fujikura Rubber Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 除振装置において要求される軸方向のバネ定
数および径方向のバネ定数を有するベローズを簡便に製
造することが可能なベローズの製造方法を提供する。 【解決手段】 浮遊部と、内部に空気室を有する固定部
と、浮遊部と固定部との間に介在され内部の作動空間が
前記空気室に連通された複数段構造のベローズと、を備
える除振装置に使用する布入りゴム製のベローズの製造
方法において、ベローズの軸方向のバネ定数Kc を下記
式1 【数1】 に基づいて設定し、ベローズの径方向のバネ定数Ksm
下記式2−1乃至式2−8 【数2】 に基づいて設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は布入りゴム製のベロ
ーズ、特に除振装置に使用するベローズの製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】ゴム製のベローズは、種々の分野で使用
されており、高い耐圧性を付与する目的で布をゴム内に
埋め込んだ布入りのベローズが開発されている。また、
例えば、精密測定装置、半導体回路の焼き付け装置等の
振動吸収部材としての用途等における応答性を向上させ
るために、ゴムの厚みの薄いベローズも開発されてい
る。
【0003】ベローズの構造は、一般に、相対向する1
組のリング状の端面部と、これら端面部の外周縁部を相
互に連接するように設けられた蛇腹状の壁面部とを備え
ている。このような構造のベローズを、布入りベローズ
として製造する場合、まず、加硫前のゴムを使用して金
型でベローズのプレフォームを成形する。次いで、この
プレフォームの外側に布を巻つけ、その後、金型内で加
熱、加圧することにより加硫を行い、この際、一時的に
軟化したゴム材が布に浸透するので、加硫成形後のベロ
ーズは内部に布が埋め込まれた構造となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ベローズが振動吸収部
材として除振装置に使用される場合、通常、振動発生源
と直接または間接的に接続される浮遊部と、内部に空気
室を有する固定部との間にベローズが介在される。この
ようなベローズを使用した除振装置における除振性能
は、ベローズの軸方向のバネ定数、径方向のバネ定数に
より決定され、バネ定数が小さい程、優れた除振性能を
備えた除振装置を得ることができる。したがって、所望
のバネ定数を有するベローズを製造することが要求され
るが、除振装置に組み込まれたベローズのバネ定数は、
ベローズだけでは決定することができず、除振装置の構
造にも影響される。このため、従来のベローズの設計、
除振装置の設計では、複数種のベローズを実際に除振装
置に組み込み、最適なバネ定数を有するベローズを選定
する必要があった。したがって、除振装置の設計が極め
て煩雑であるとともに、ベローズの設計段階でのロスが
大きく、除振装置の製造コスト低減にも支障を来してい
た。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、除振装置において要求される軸方向のバ
ネ定数および径方向のバネ定数を有するベローズを簡便
に製造することが可能なベローズの製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明は、浮遊部と、内部に空気室を有する
固定部と、浮遊部と固定部との間に介在され内部の作動
空間が前記空気室に連通された複数段構造のベローズ
と、を備える除振装置に使用する布入りゴム製のベロー
ズの製造方法において、ベローズの軸方向のバネ定数K
c を下記式1
【0007】
【数3】 (上記式1において Kc :ベローズの軸方向のバネ定数(kgf/cm) γ :ポリトロピック指数=1.4 P0 :ベローズ内圧(kgf/cm2 abs・絶対圧) Ae:ベローズの有効受圧面積(cm2 ) VT :空気室内容積(cm3 ) VB :ベローズの作動空間内容積(cm3 ) P :ベローズ内圧(kgf/cm2 G・ゲージ圧) D :ベローズの有効受圧半径(cm) n :ベローズの段数(2または3)) に基づいて設定し、ベローズの径方向のバネ定数Ksm
下記式2−1乃至式2−8
【0008】
【数4】 (上記式2−1乃至式2−8において Ksm:ベローズの径方向のバネ定数(kgf/cm) ks :せんだん剛性係数(kg/cm) R :ベローズの有効受圧半径(cm) Ae:ベローズの有効受圧面積(cm2 ) r :作動膜半径(cm) p :内圧(kgf/cm2 G・ゲージ圧) Df :布の引っ張り剛性(kgf/cm) α0 :赤道線に対する布糸バイアス角(°=deg ) W :バランス荷重(kgf) m :ベローズの段数(2または3) Hs :ベローズの1段の高さ(cm) Hr :補強環の径(cm)) に基づいて設定するような構成とした。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0010】図1は本発明により製造する2段ベローズ
の一実施形態を示す斜視図であり、図2は図1に示され
るベローズの正面図である。図1および図2において、
ベローズ1は、相対向する1組のリング状のゴム製の端
面部2A,2Bと、端面部2A,2Bの各外周縁部を相
互に連接するように設けられたゴム製の蛇腹状壁面部3
と、端面部2A,2Bの各内周縁部に形成されたビード
部4を備えている。
【0011】端面部2A,2Bは、それぞれリング状の
平板形状をなし、中心部に開口部5を備えている。蛇腹
状壁面部3は、複数の山部3a(図示例では2つの山
部)と、山部3aの間に位置する谷部3bを有し、谷部
3bには蛇腹状壁面部3の形状維持用の補強環6が装着
されている。そして、ビード部4、端面部2A,2Bお
よび蛇腹状壁面部3に、連続した布(図示せず)が埋め
込まれている。尚、補強環6を装着しなくても蛇腹状壁
面部3の形状が維持される場合は、装着しなくてもよ
い。
【0012】このベローズ1における有効受圧半径R
(D)、作動膜(蛇腹状壁面部3の山部3a)半径r、
ベローズの1段の高さHs 、補強環6の径Hr 、赤道線
に対する布糸バイアス角α0 は、図2に示される通りで
ある。そして、図示のZ軸方向がベローズ1の軸方向で
あり、X軸およびY軸方向がベローズ1の径方向とな
る。
【0013】また、図3は本発明により製造する3段ベ
ローズの一実施形態を示す斜視図であり、図4は図3に
示されるベローズの正面図である。図3および図4にお
いて、ベローズ11は、相対向する1組のリング状のゴ
ム製の端面部12A,12Bと、端面部12A,12B
の各外周縁部を相互に連接するように設けられたゴム製
の蛇腹状壁面部13と、端面部12A,12Bの各内周
縁部に形成されたビード部14を備えている。
【0014】端面部12A,12Bは、それぞれリング
状の平板形状をなし、中心部に開口部15を備えてい
る。蛇腹状壁面部13は、複数の山部13a(図示例で
は3つの山部)と、山部13aの間に位置する谷部13
bを有し、各谷部13bには蛇腹状壁面部13の形状維
持用の補強環16が装着されている。そして、ビード部
14、端面部12A,12Bおよび蛇腹状壁面部13
に、連続した布(図示せず)が埋め込まれている。尚、
補強環16を装着しなくても蛇腹状壁面部13の形状が
維持される場合は、装着しなくてもよい。
【0015】このベローズ11における有効受圧半径R
(D)、作動膜(蛇腹状壁面部13の山部13a)半径
r、ベローズの1段の高さHs 、補強環16の径Hr
赤道線に対する布糸バイアス角α0 は、図4に示される
通りである。そして、図示のZ軸方向がベローズ11の
軸方向であり、X軸およびY軸方向がベローズ11の径
方向となる。
【0016】図5は、上述の2段ベローズ1を装着した
除振装置の概略構成図である。図5において除振装置2
1は、浮遊部22と、内部に空気室Tを有する固定部2
3と、これらの間に介在されベローズ1とを備えてい
る。ベローズ1は、固定部材24aにより浮遊部22に
固着され、固定部材24bにより固定部23に固着され
ており、ベローズ1の内部の作動空間Bが固定部23の
空気室Tに連通されている。尚、ベローズ1の代わり
に、上記の3段ベローズ11を装着して除振装置とする
こともできる。
【0017】本発明では、このような除振装置21に使
用する2段ベローズ1あるいは3段ベローズ11の製造
において、ベローズの軸方向(図示のZ軸方向)のバネ
定数Kc と、ベローズの径方向(図示のX軸およびY軸
方向)のバネ定数Ksmを以下のようにして設定するもの
である。
【0018】すなわち、ベローズの軸方向のバネ定数K
c を下記式1
【0019】
【数5】 (上記式1において Kc :ベローズの軸方向のバネ定数(kgf/cm) γ :ポリトロピック指数=1.4 P0 :ベローズ内圧(kgf/cm2 abs・絶対圧) Ae:ベローズの有効受圧面積(cm2 ) VT :固定部23の空気室Tの内容積(cm3 ) VB :ベローズの作動空間Bの内容積(cm3 ) P :ベローズ内圧(kgf/cm2 G・ゲージ圧) D :ベローズの有効受圧半径(cm) n :ベローズの段数(2または3)) に基づいて設定する。
【0020】また、ベローズの径方向のバネ定数Ksm
下記式2−1乃至式2−8に基づいて設定する。
【0021】
【数6】 (上記式2−1乃至式2−8において Ksm:ベローズの径方向のバネ定数(kgf/cm) ks :せんだん剛性係数(kg/cm) R :ベローズの有効受圧半径(cm) Ae:ベローズの有効受圧面積(cm2 )=π×R2 r :作動膜半径(cm) p :内圧(kgf/cm2 G・ゲージ圧) Df :布の引っ張り剛性(kgf/cm) α0 :赤道線に対する布糸バイアス角(°=deg ) W :バランス荷重(kgf) m :ベローズの段数(2または3) Hs :ベローズの1段の高さ(cm) Hr :補強環の径(cm)) 尚、上記の布の引っ張り剛性Df (kgf/cm)は、
布の5%延伸状態での強度である。
【0022】本発明では、上述のようにして、その除振
装置において要求される軸方向のバネ定数および径方向
のバネ定数を有するベローズを製造する。これにより、
ベローズの設計を含めて除振装置の設計が容易なものと
なり、バネ定数の小さいベローズを用いた優れた除振性
能を備える除振装置を得ることができる。
【0023】ここで、本発明により製造した2段ベロー
ズ1を装着した除振装置の他の例を説明する。図6は除
振装置の概略構造を示す平面図であり、図7は図6のA
−A線における縦断面図である。図6および図7におい
て除振装置31は、内部に鉛直用の空気室TZ と4個の
水平用の空気室TXYを有する固定部33と、この固定部
33を覆うように5個のベローズ1Z ,1F ,1R ,1
L ,1B を介して配設された浮遊部32を備えている。
浮遊部32は、天井板32aと、この天井板32aの周
縁から垂下する垂下板32bとで構成されている。そし
て、ベローズ1Z は鉛直ベローズであり、浮遊部32の
天井板32a内側と固定部33との間に介在され、その
作動空間が固定部33の鉛直用の空気室TZ に連通して
いる。また、ベローズ1F ,1R ,1L ,1B は水平ベ
ローズであり、浮遊部32の垂下板32b内側と固定部
33との間にそれぞれ介在され、各ベローズの作動空間
が固定部33内の対応する水平用の空気室TXYに連通し
ている。
【0024】鉛直ベローズ1Z の軸方向のバネ定数Kc
および径方向のバネ定数Ks2は、それぞれ上記式1、上
記式2−1乃至式2−8により設定されている。また、
水平ベローズ1F ,1R ,1L ,1B の軸方向のバネ定
数Kc および径方向のバネ定数Ks2も、それぞれ上記式
1、上記式2−1乃至式2−8により設定されている。
【0025】そして、本発明のベローズの製造方法にお
いて設定するベローズの軸方向のバネ定数Kc および径
方向のバネ定数Ks2を用いることにより、除振装置31
の総合的なバネ定数、すなわち、軸方向のバネ定数K
Z 、径方向のバネ定数KX ,KY を、それぞれ下記のよ
うに算出することができる。
【0026】 軸方向のバネ定数KZ =鉛直ベローズ1Z の軸方向のバネ定数Kc +水平ベローズ1F の径方向のバネ定数Ks2 +水平ベローズ1R の径方向のバネ定数Ks2 +水平ベローズ1L の径方向のバネ定数Ks2 +水平ベローズ1B の径方向のバネ定数Ks2 径方向のバネ定数KX =鉛直ベローズ1Z の径方向のバネ定数Ks2 +水平ベローズ1F の径方向のバネ定数Ks2 +水平ベローズ1R の軸方向のバネ定数KZ +水平ベローズ1L の軸方向のバネ定数KZ +水平ベローズ1B の径方向のバネ定数Ks2 径方向のバネ定数KY =鉛直ベローズ1Z の径方向のバネ定数Ks2 +水平ベローズ1F の軸方向のバネ定数KZ +水平ベローズ1R の径方向のバネ定数Ks2 +水平ベローズ1L の径方向のバネ定数Ks2 +水平ベローズ1B の軸方向のバネ定数KZ 尚、ベローズ1の代わりに、上記の3段ベローズ11を
装着して除振装置31とし、ベローズ11の径方向のバ
ネ定数Ks3を用いて上記と同様にして、除振装置31の
総合的なバネ定数(軸方向のバネ定数KZ 、径方向のバ
ネ定数KX ,KY )を算出することができる。
【0027】次に、本発明のベローズの製造方法におい
て用いられる材料について説明する。
【0028】本発明で使用できるゴム材料は、従来公知
の合成ゴムおよび天然ゴムでよく、特に制限はない。本
発明で使用可能な合成ゴムとしては、例えば、アクリロ
ニトリル−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴ
ム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、プロピレン−ブ
タジエンゴム、アクリロニトリル−イソプレンゴム、ク
ロロプレンゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴ
ム、アクリルゴム、フッ素ゴム、エーテル−チオエーテ
ルゴム、多硫化系ゴム、ウレタンゴム、シリコンゴム等
を挙げることができる。このようなゴム材に必要に応じ
て後述するような加硫剤、加硫促進剤等の添加剤を加え
た後、混練機により混練し、得られたゴム混合物をロー
ルによって予めシート状に成形し、カレンダーにて厚さ
調整してシート状成形物(小片)を作製し、その後、こ
のシート状成形物を使用してベローズを製造することが
できる。
【0029】使用する加硫剤としては、硫黄、酸化亜
鉛、酸化マグネシウム、芳香族ニトロ化合物、有機過酸
化物等から使用するゴムに対応して適宜選定することが
できる。また、加硫促進剤として、2−メルカプトベン
ゾチアゾール(MBT)等のチアゾール系化合物、N−
シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾルスルフェンアミド
(CZ)等のスルフェンアミド系化合物、2−メルカプ
トチアゾリン等のチアゾリン系化合物、テトラメチルチ
ウラムモノスルフィド(TT)、テトラエチルチウラム
ジスルフィド(TET)等のチウラム系化合物、ジメチ
ルジチオカルバミン酸等のジチオカルバメート系化合
物、ヘキサメチレンテトラミン等のアルデヒドアミン系
化合物、ジフェニルグアニジン等のグアニジン系化合
物、N,N−ジエチルカルバモイル−2−ベンゾチアジ
ルスルフィド等のチアゾール系化合物等を使用すること
ができる。
【0030】また、本発明では、上記のゴム材料に必要
に応じて老化防止剤、ステアリン酸等の有機脂肪酸、カ
ーボンブラック等の充填剤を含有してもよい。このよう
な添加剤は、ゴム100重量部に対して1〜150重量
部の範囲で含有することが好ましい。
【0031】本発明のベローズの製造に用いられる布と
しては、ポリアミド(6ナイロン、66ナイロン等)、
アラミド、ポリエステル、綿等の糸を使用した布を平
織、トリコット、メリヤス、カラミフ等に織りあげ、こ
れを接着剤等に浸漬し乾燥して形成された布等を挙げる
ことができる。
【0032】また、ベローズの蛇腹状壁面部3,13の
形状維持用の補強環6,16は、金属、合成樹脂、それ
らの複合材料等で形成されたものを使用することができ
る。
【0033】本発明のベローズの製造方法では、上記の
ように軸方向のバネ定数および径方向のバネ定数を設定
した後、この設定に従って、まず、未加硫ゴム製のベロ
ーズプレフォームを金型にて成形する。このベローズプ
レフォームの成形では、金型の温度と圧力は未加硫ゴム
が完全には加硫しない範囲で設定することが必要であ
る。また、加圧は、例えば、数回のバンピングの後に3
〜90秒間程度の範囲で行うようにしてもよい。
【0034】次に、成形されたベローズプレフォームの
端面部と蛇腹状壁面部およびビード部を覆うように布を
巻きつける。この布の巻きつけでは、布を蛇腹状壁面部
の周方向に引っ張りながら巻きつけることにより蛇腹状
壁面部の谷部に布を入り込ますことができる。また、巻
きつけた布の端部どうしを重ねて接着するとき、およ
び、布をベローズプレフォームの端面部やビード部に接
着するときは、上記の未加硫のゴム材の小片を用いて接
着することができる。このような布の巻きつけが完了し
た後、余分な基布を除去し、さらに、布をベローズプレ
フォームに押し付けて、しわを生じないようになじませ
る。
【0035】次に、布が巻きつけられたベローズプレフ
ォームの加硫を行う。この成形工程において、ベローズ
プレフォームの外側を覆うように巻きつけられた布がゴ
ム材の内部に確実に埋め込まれ、これにより布の外側に
必要なゴム厚みをもつ耐圧性の高いベローズを得ること
ができる。
【0036】このような最終成形を行った後、金型から
ベローズを取り出し、バリが存在する場合には、このバ
リを除去することにより、ベローズの製造が完了する。
【0037】
【実施例】次に、実施例を示して本発明を更に詳細に説
明する。 (実施例1)上記の図6および図7に示される除振装置
を例として、2段構造の鉛直ベローズ(1Z )の軸方向
のバネ定数Kc および径方向のバネ定数Ks2をそれぞれ
下記のように設定し、また、2段構造の水平ベローズ
(1F ,1R ,1L ,1B )の軸方向のバネ定数Kc
よび径方向のバネ定数Ks2をそれぞれ下記のように設定
する。鉛直ベローズ(1Z )の軸方向のバネ定数Kc ポリトロピック指数γ=1.4、内圧P0 =3.25
(kgf/cm2 abs・絶対圧)、内圧P=2.25
(kgf/cm2 G・ゲージ圧)、ベローズの有効受圧
半径D=11.3(cm)、ベローズの有効受圧面積A
e=401(cm2 )、空気室内容積VT =1000
(cm3 )、ベローズの作動空間内容積VB=850
(cm3 )、ベローズの段数n=2を上記式1に代入し
て、Kc =456.2(kgf/cm)を得た。鉛直ベローズ(1Z )の径方向のバネ定数Ks2 内圧p=2.25(kgf/cm2 G・ゲージ圧)、ベ
ローズの有効受圧半径R=11.3(cm)、補強環の
径Hr =0.2(cm)、ベローズの1段の高さHs
1(cm)、赤道線に対する布糸バイアス角α0 =45
(°)、布の引っ張り剛性Df =38(kgf/c
m)、作動膜半径r=0.5(cm)、ベローズの段数
m=2を上記式2−2乃至式2−8に代入した。
【0038】これにより、λ=0.0442、η=0.
2、ξ=0.0274、ks =529.751、ω=
0.08、ρ=31.5853となり、これらを上記式
2−1に代入して、Ksm=239.0(kgf/cm)
を得た。水平ベローズの軸方向のバネ定数Kc ポリトロピック指数γ=1.4、内圧P0 =3.25
(kgf/cm2 abs・絶対圧)、内圧P=2.25
(kgf/cm2 G・ゲージ圧)、ベローズの有効受圧
半径D=5(cm)、ベローズの有効受圧面積Ae=7
8.5(cm2 )、空気室内容積VT =300(cm
3 )、ベローズの作動空間内容積VB =180(cm
3 )、ベローズの段数n=2を上記式1に代入して、K
c =86.2(kgf/cm)を得る。水平ベローズの径方向のバネ定数Ks2 内圧p=2.25(kgf/cm2 G・ゲージ圧)、ベ
ローズの有効受圧半径R=5(cm)、補強環の径Hr
=0.2(cm)、ベローズの1段の高さHs=1(c
m)、赤道線に対する布糸バイアス角α0 =45
(°)、布の引っ張り剛性Df =38(kgf/c
m)、作動膜半径r=0.5(cm)、ベローズの段数
m=2を上記式2−2乃至式2−8に代入した。
【0039】これにより、λ=0.1、η=0.2、ξ
=0.05985、ks =234.403、ω=0.1
1836、ρ=37.9701となり、これらを上記式
2−1に代入して、Ksm=86.9(kgf/cm)を
得た。 (実施例2)上記の図6および図7に示される除振装置
を例として、3段構造の鉛直ベローズ(1Z )の軸方向
のバネ定数Kc および径方向のバネ定数Ks2をそれぞれ
下記のように設定し、また、3段構造の水平ベローズ
(1F ,1R ,1L ,1B )の軸方向のバネ定数Kc
よび径方向のバネ定数Ks2をそれぞれ下記のように設定
する。鉛直ベローズ(1Z )の軸方向のバネ定数Kc ポリトロピック指数γ=1.4、内圧P0 =3.25
(kgf/cm2 abs・絶対圧)、内圧P=2.25
(kgf/cm2 G・ゲージ圧)、ベローズの有効受圧
半径D=11.3(cm)、ベローズの有効受圧面積A
e=401(cm2 )、空気室内容積VT =1050
(cm3 )、ベローズの作動空間内容積VB=1000
(cm3 )、ベローズの段数n=3を上記式1に代入し
て、Kc =399.0(kgf/cm)を得る。鉛直ベローズ(1Z )の径方向のバネ定数Ks2 内圧p=2.25(kgf/cm2 G・ゲージ圧)、ベ
ローズの有効受圧半径R=11.3(cm)、補強環の
径Hr =0.2(cm)、ベローズの1段の高さHs
1(cm)、赤道線に対する布糸バイアス角α0 =45
(°)、布の引っ張り剛性Df =38(kgf/c
m)、作動膜半径r=0.5(cm)、ベローズの段数
m=3を上記式2−2乃至式2−8に代入した。
【0040】これにより、λ=0.0442、η=0.
2、ξ=0.0274、ks =529.751、ω=
0.08、ρ=31.5853となり、これらを上記式
2−1に代入して、Ksm=119.6(kgf/cm)
を得た。水平ベローズの軸方向のバネ定数Kc ポリトロピック指数γ=1.4、内圧P0 =3.25
(kgf/cm2 abs・絶対圧)、内圧P=2.25
(kgf/cm2 G・ゲージ圧)、ベローズの有効受圧
半径D=5(cm)、ベローズの有効受圧面積Ae=7
8.5(cm2 )、空気室内容積VT =650(cm
3 )、ベローズの作動空間内容積VB =150(cm
3 )、ベローズの段数n=3を上記式1に代入して、K
c =53.0(kgf/cm)を得る。水平ベローズの径方向のバネ定数Ks2 内圧p=2.25(kgf/cm2 G・ゲージ圧)、ベ
ローズの有効受圧半径R=5(cm)、補強環の径Hr
=0.2(cm)、ベローズの1段の高さHs=1(c
m)、赤道線に対する布糸バイアス角α0 =45
(°)、布の引っ張り剛性Df =38(kgf/c
m)、作動膜半径r=0.5(cm)、ベローズの段数
m=3を上記式2−2乃至式2−8に代入した。
【0041】これにより、λ=0.1、η=0.2、ξ
=0.05985、ks =234.403、ω=0.1
1836、ρ=37.9701となり、これらを上記式
2−1に代入して、Ksm=34.4(kgf/cm)を
得た。
【0042】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば除
振装置の空気室容積や内圧等の設計要素を加味して、そ
の除振装置において要求される軸方向のバネ定数および
径方向のバネ定数を有するベローズを製造することがで
き、このようなベローズを浮遊部と固定部との間に介在
させることにより、その除振装置に優れた除振性能を付
与することができるとともに、ベローズの設計を含めて
除振装置の設計が容易なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により製造する2段ベローズの一実施形
態を示す斜視図である。
【図2】図1に示されるベローズの正面図である。
【図3】本発明により製造する3段ベローズの一実施形
態を示す斜視図である。
【図4】図3に示されるベローズの正面図である。
【図5】2段ベローズを装着した除振装置の一例を示す
概略構成図である。
【図6】2段ベローズを装着した除振装置の他の例を示
す概略平面図である。
【図7】図6のA−A線における縦断面図である。
【符号の説明】
1,11…ベローズ 2A,2B,12A,12B…端面部 3,13…蛇腹状壁面部 3a,13a…山部 3b,13b…谷部 4,14…ビード部 5,15…開口部 6,16…補強環 21,31…除振装置 22,32…浮遊部 23,33…固定部 T,TXY,TZ …空気室

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 浮遊部と、内部に空気室を有する固定部
    と、浮遊部と固定部との間に介在され内部の作動空間が
    前記空気室に連通された複数段構造のベローズと、を備
    える除振装置に使用する布入りゴム製のベローズの製造
    方法において、 ベローズの軸方向のバネ定数Kc を下記式1 【数1】 (上記式1において Kc :ベローズの軸方向のバネ定数(kgf/cm) γ :ポリトロピック指数=1.4 P0 :ベローズ内圧(kgf/cm2 abs・絶対圧) Ae:ベローズの有効受圧面積(cm2 ) VT :空気室内容積(cm3 ) VB :ベローズの作動空間内容積(cm3 ) P :ベローズ内圧(kgf/cm2 G・ゲージ圧) D :ベローズの有効受圧半径(cm) n :ベローズの段数(2または3)) に基づいて設定し、 ベローズの径方向のバネ定数Ksmを下記式2−1乃至式
    2−8 【数2】 (上記式2−1乃至式2−8において Ksm:ベローズの径方向のバネ定数(kgf/cm) ks :せんだん剛性係数(kg/cm) R :ベローズの有効受圧半径(cm) Ae:ベローズの有効受圧面積(cm2 ) r :作動膜半径(cm) p :内圧(kgf/cm2 G・ゲージ圧) Df :布の引っ張り剛性(kgf/cm) α0 :赤道線に対する布糸バイアス角(°=deg ) W :バランス荷重(kgf) m :ベローズの段数(2または3) Hs :ベローズの1段の高さ(cm) Hr :補強環の径(cm)) に基づいて設定することを特徴とするベローズの製造方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102889333A (zh) * 2012-10-17 2013-01-23 西北工业大学 一种用于保障车载风洞天平平稳工作的减震装置
JP2017095239A (ja) * 2015-11-25 2017-06-01 東芝エレベータ株式会社 乗客コンベア
EP2526319A4 (en) * 2010-01-18 2018-01-24 Firestone Industrial Products Company, LLC Air springs with improved high temperature performance

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