JPH11152619A - 乾湿式紡糸の糸立て方法 - Google Patents

乾湿式紡糸の糸立て方法

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JPH11152619A
JPH11152619A JP33101897A JP33101897A JPH11152619A JP H11152619 A JPH11152619 A JP H11152619A JP 33101897 A JP33101897 A JP 33101897A JP 33101897 A JP33101897 A JP 33101897A JP H11152619 A JPH11152619 A JP H11152619A
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JP
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spinning
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dope
dry
itotate
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JP33101897A
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English (en)
Inventor
Ken Sato
研 佐藤
Masatsugu Fukazawa
正嗣 深澤
Sho Takahashi
捷 高橋
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Teijin Ltd
Original Assignee
Toho Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】アクリル系繊維の乾湿式紡糸方法において、糸
立て時の作業性を向上させ、長時間安定的に紡糸を行う
事の出来る紡糸方法を提供する。 【解決手段】極限粘度[η]が2.5以上のアクリル系
重合体を含み、粘度が800〜1500ポイズであり且
つ原液の曳糸長が100mm以上である紡糸原液を使用
し糸立てする。また、紡糸原液の溶媒としては塩化亜鉛
系濃厚水溶液が使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアクリロニトリル系
繊維の乾湿式紡糸に関するものである。更に詳しくは、
炭素繊維製造用プリカーサーとして好適なアクリロニト
リル系繊維を乾湿式紡糸法によって得るに好適な紡糸原
液を使用した紡糸方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アクリロニトリルのように加熱溶融しな
いポリマーを紡糸して繊維を得るのに湿式紡糸法や乾湿
式紡糸方法が採用されている。これらのうち乾湿式紡糸
は口金から吐出された紡糸原液を一旦不活性気体中に走
行させた後、直ちに凝固浴液中に導き凝固させる方法で
あり、近年湿式紡糸に変わり採用されている。
【0003】この乾湿式紡糸法は、ドラフトが局在化す
るために高速、あるいは高ドラフトでの紡糸が可能であ
り、衣料用や産業用に利用される。また乾湿式紡糸法に
よると糸条を緻密化できるため、最近では高強度・高弾
性率炭素繊維製造用のアクリルプリカーサーの製造に際
して数多く利用されている。
【0004】
【従来技術の問題点】乾湿式紡糸方法による繊維の製造
にあたっては、口金から紡糸原液を一旦不活性気体中に
走行させた後に凝固浴中に吐出して多フィラメント糸条
を得るわけだが、紡糸開始時、口金孔から紡糸原液を正
常に吐出させる、いわゆる糸立てと呼ばれる作業があ
る。糸立て時に口金から吐出された紡糸原液は、凝固浴
中に導入される間、凝固しないため、口金吐出面に極め
て粘着しやすく、また糸条相互が互いに接着しやすいた
めに糸立ては非常に困難であった。
【0005】この様な糸立て時の問題を解決する手段と
して、特開昭45−30646号公報の記載において
は、界面活性剤の水溶液中に口金吐出面を浸漬し、この
中に紡糸原液を吐出した後、口金吐出面をこの界面活性
剤水溶液中より空中に引き上げ、次いで吐出された紡糸
原液を凝固浴中に導入する方法が提案されている。
【0006】しかし、乾湿式紡糸方法では、口金の吐出
面と凝固液面との距離が5mm程度と近接しており、こ
のような条件下で上記の操作は極めて煩雑であること。
また口金吐出面が界面活性剤水溶液で濡れるため、糸
立て後、定常紡糸状態になった後も口金吐出面に付着し
た界面活性剤水溶液が滴状になり凝固浴液面と接触し、
凝固液の表面張力により瞬時に口金吐出面と凝固液とが
接触し、トラブルが発生しやすいと言う問題点がある。
【0007】更に、通常は、紡糸中の糸離れをよくする
ために、口金面に予め離形剤を塗布しているが、界面活
性剤により、塗布される離型剤が溶解除去されるため離
型性が悪くなり、従って液体糸(不活性気体中を走行す
る繊維)は揺らいだり、斜行したり、糸切れしたり種々
のトラブルを惹起し、長時間安定に紡糸する事が非常に
困難であった。
【0008】また、口金からの紡糸原液吐出時には、口
金吐出面に紡糸原液が付着したまま正常に吐出されずに
ドリップ状になる場合が時として生じ、このまま糸を出
すと延伸工程などで巻き付きの原因となる。そのため口
金面に付着したドリップ状の紡糸原液を、紡糸原液の凝
固剤を使用して取り除く作業を行う。従来このドリップ
除去作業は、紡糸原液の凝固剤である水をスプレーし
て、ドリップを凝固させて取り除いていた。
【0009】しかしながら、水を使用すると口金面にい
つまでも水が水滴状態で付着した状態が続き、乾湿式紡
糸のエアーギャップ部分で糸揺れが生じた際などに紡糸
原液が水滴に接触し、糸切れする場合があって好ましく
なかった。
【0010】そこで、特開平7−3520号公報におい
てスプレーする凝固剤をエタノール等の揮発性のある有
機溶剤にする事によって、口金吐出面に付着したドリッ
プ状の紡糸原液を除去する技術が提案されている。
【0011】しかしながら、この技術は注射器のシリン
ダーを利用して目的の場所に易揮発性の有機溶媒を吹き
かけるという煩雑な方法であり、しかも正常に吐出され
ている紡糸原液に凝固剤がかかり、糸切れの原因になる
などして、糸立ての作業効率は悪く、糸立てにかかる時
間も長いものであった。
【0012】
【発明の目的】本発明は、乾湿式紡糸法、特にアクリル
系繊維の乾湿式紡糸方法において、糸立て時の作業性を
向上させ、長時間安定的に紡糸を行う事の出来る紡糸方
法を提供する事に有る。
【0013】本発明は次の構成からなる。極限粘度
[η]が、2.5以上のアクリル系重合体を含む紡糸原
液であって、粘度が800〜1500ポイズであり且つ
本文中に規定する原液の曳糸長が100mm以上である
ことを特徴とする乾湿式紡糸方法である。本発明による
と、乾湿式紡糸方法における糸立てが簡単であり、しか
も長時間安定的に乾湿式紡糸を行う事が出来る。本発明
に於いて曳糸性とは次のように定義される
【0014】〔曳糸性の測定〕50mlビーカーに紡糸
原液約15mlを入れ、紡糸原液の温度を一定にする。
新興通信工業株式会社製TOM-5引張り試験機昇降部に直
径0.5mm長さ10cmのステンレス製針金の引き上
げ治具を紡糸原液液面と垂直になるように固定する。治
具の先端を液面より5mm下方に浸漬させ、液面が水平
になるまで静置する。液面が水平になったら、引き上げ
治具を130mm/分の速度で引き上げて、紡糸原液が
切断した時の距離を測定し、曳糸長とする。
【0015】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おける紡糸原液の溶媒としては、塩化亜鉛、ロダン塩な
どの無機塩の濃厚水溶液、硝酸などの無機酸、ジメチル
アセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルム
アミドなどの有機溶媒等アクリロニトリル重合体の代表
的溶媒が使用できる。
【0016】本発明においてアクリル系重合体とはアク
リロニトリル90重量%以上からなる単独重合体又は共
重合体である。コモノマーとしてはアクリル酸、メタア
クリル酸、イタコン酸、もしくはこれらのメチルエステ
ル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステ
ル、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、またはアリルス
ルホン酸、メタリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、
もしくはこれらのアルカリ金属塩などのうち一種または
2種以上を用いる事が出来る。アクリル系重合体は公知
の乳化重合、塊状重合、溶液重合などの重合法を用いて
重合される。
【0017】本発明は、アクリル系重合体の極限粘度
[η]は2.5以上である。極限粘度[η]が2.5未
満のアクリル系重合体では、曳糸長が100以下とな
り、口金より吐出した紡糸原液はドリップ状となり糸立
てが困難となる。
【0018】紡糸原液の粘度は、800〜1500ポイ
ズである。紡糸原液の粘度が800ポイズ未満の場合
も、口金より吐出した紡糸原液はドリップ状となり糸立
てが困難となる。粘度が1500ポイズ以上になると、
曳糸長が100mm以上であっても紡糸口金内の背圧の上
昇による口金の膨らみ、紡糸原液の移液作業が困難等の
問題を惹起し、コスト的にも得策でない。
【0019】塩化亜鉛系紡糸原液における、アクリル系
重合体の極限粘度[η]及び紡糸原液の粘度と、曳糸長
の関係を図ー1に示した。図ー1において、曳糸長が1
00mm以上で粘度が1500ポイズ以下となる条件のと
き、口金吐出面に紡糸原液が付着することもなくまた、
エアーギャップ部分で紡糸原液同士が接着することもな
く、糸立て作業が容易となり短時間で行えるのである。
また、紡糸原液の凝固剤を口金吐出面に吹き付けたり、
界面活性剤などを凝固浴に投入しないので、糸立て後の
トラブル抑制にも効果大である。
【0020】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明の効果を具体的
に説明する。
【実施例1】アクリロニトリル95%、アクリル酸メチ
ル4%、イタコン酸1%からなる極限粘度[η]が4.
1のアクリル系重合体を7.3重量%含む塩化亜鉛濃厚
水溶液の重合体溶液を作製した。この重合体溶液の温度
を変えて、粘度の異なる紡糸原液を調整し、曳糸性を測
定した。結果は図ー1のに示す通りであり、温度31℃
〜38℃、原液粘度1050〜1250ポイズの間で曳糸
長が100mm以上となった。
【0021】孔径が0.09mmφ、1500ホールの
口金を用いて、該紡糸原液を温度35℃(この時の粘度
は1200ポイズ・曳糸長125mm)で一旦空気中に吐
出し、乾湿式紡糸の糸立て作業を行った。この時のエア
ーギャップは5mmとしたが、特別なことをしなくても
容易に糸立てが出来た。糸立て時のエアーギャップ部の
糸条の状態を観察し、定常紡糸状態を50時間続けたと
きの糸切れ回数、糸虫(ドリップ状になった紡糸原液が
凝固したもの)の発生回数をトラブル回数として数え、
結果を表ー1に示す。
【0022】
【比較例1】実施例1と同じ紡糸原液を吐出温度40℃
(この時の粘度は900ポイズ・曳糸長60mm)で一旦空
気中に吐出し、乾湿式紡糸の糸立て作業を行った。しか
し原液の吐出直後からドリップ状となり、口金にアルコ
ールをスプレーする事によってやっと糸立てをすること
が出来た。結果を表ー1に示す。
【0023】
【実施例2】アクリロニトリル99%、イタコン酸1%
からなる極限粘度[η]が2.9のアクリル系重合体を
6.1重量%含む塩化亜鉛濃厚水溶液の紡糸原液を作製
した。この重合体溶液の温度を変えて、粘度の異なる紡
糸原液を調整し、曳糸性を測定した。結果は図ー1の
に示す通りであり、温度19〜23℃、原液粘度800〜9
00ポイズの間で曳糸長が100mm以上となった。実
施例1と同じ口金を用いて紡糸原液を吐出温度20℃(こ
の時の粘度は850ポイズ曳糸性120mm)で行った以
外は実施例1と同様にして糸立てを行った。定常紡糸状
態になるまで1分間で容易に糸立てを行うことが出来
た。結果を表1に示す。
【0024】
【比較例2】実施例2と同じ共重合組成で極限粘度
[η]が2.0のアクリル系重合体を6.1重量%含む
紡糸原液を作製した。この紡糸原液は図ー1のに示す
ように原液粘度50〜1200ポイズの全てにおいて曳
糸長が100mm以上となる点はなかった。実施例1と
同じ口金を用いて紡糸原液を吐出温度15℃(この時の粘
度は800ポイズであった。)で一旦空気中に吐出し、乾
湿式紡糸の糸立て作業を行った。しかし原液の吐出直後
からドリップ状となり、口金にアルコールをスプレーす
ると同時に凝固浴に界面活性剤を投入して、糸立てをす
ることが出来た。結果を表ー1に示す。
【0025】
【表1】
【表1】
【0026】以上の通り曳糸長が100mm以上になる
条件で糸立てを行うと、直接糸立てを行ってもトラブル
が起こらず、定常紡糸状態でのトラブルも起こらないの
がわかる。また、曳糸長が100mm以下の条件で糸立
てを行った例では、糸立て時に紡糸原液が接着を起こし
たり、紡糸原液が糸切れを起こしてドリップ状のまま凝
固して糸虫が発生したりする事がわかる。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、紡糸原液の曳糸長が1
00mm以上になる条件で糸立てを行う事で、作業効率
が向上し糸立てにかかる時間が1分以内に短縮できるだ
けでなく、紡糸口金や凝固浴の汚染も起こらないので、
定常紡糸状態でのトラブルを抑制する事もできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 紡糸原液の原液粘度と曳糸長との関係を表し
たグラフ 比較例1 実施例2 実施例1

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】極限粘度[η]が2.5以上のアクリル系
    重合体を含み、粘度が800〜1500ポイズであり且
    つ本文中に規定する原液の曳糸長が100mm以上であ
    る紡糸原液を使用し糸立てすることを特徴とする乾湿式
    紡糸方法。
  2. 【請求項2】紡糸原液の溶媒が塩化亜鉛系濃厚水溶液で
    あることを特徴とする請求項1の紡糸原液。
JP33101897A 1997-11-14 1997-11-14 乾湿式紡糸の糸立て方法 Pending JPH11152619A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008038327A (ja) * 2006-07-10 2008-02-21 Toray Ind Inc 炭素繊維前駆体繊維製造用ポリアクリロニトリル系重合体溶液ならびに炭素繊維前駆体繊維、炭素繊維、およびそれらの製造方法

Cited By (1)

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JP2008038327A (ja) * 2006-07-10 2008-02-21 Toray Ind Inc 炭素繊維前駆体繊維製造用ポリアクリロニトリル系重合体溶液ならびに炭素繊維前駆体繊維、炭素繊維、およびそれらの製造方法

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