JPH11152576A - プラズマcvd装置及び薄膜成膜方法 - Google Patents

プラズマcvd装置及び薄膜成膜方法

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JPH11152576A
JPH11152576A JP31560097A JP31560097A JPH11152576A JP H11152576 A JPH11152576 A JP H11152576A JP 31560097 A JP31560097 A JP 31560097A JP 31560097 A JP31560097 A JP 31560097A JP H11152576 A JPH11152576 A JP H11152576A
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JP
Japan
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plasma
power
cvd apparatus
impedance
plasma cvd
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Application number
JP31560097A
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English (en)
Inventor
Atsumichi Kawashima
敦道 川島
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラズマCVD装置を用いて薄膜を成膜する
にあたって、プラズマでの消費電力を正確に制御できる
ようにし、所望する物性の薄膜を安定に形成できるよう
にする。 【解決手段】 プラズマCVD装置に、反応ガスのプラ
ズマのインピーダンスを測定するプラズマインピーダン
ス測定手段と、投入する電力を制御する投入電力制御手
段とを設ける。そして、プラズマインピーダンス測定手
段によって測定されたインピーダンスに基づいて、投入
する電力を上記投入電力制御手段によって制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマCVD装
置、及びプラズマCVD装置を用いた薄膜成膜方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】プラズマCVD装置は、化学気相成長に
よって、ダイヤモンド状炭素薄膜(以下、DLC薄膜と
称する。)等の薄膜を成膜する装置である。具体的に
は、反応ガスをプラズマ状態にして、活性なラジカルや
イオンを生成し、これらのラジカルやイオンによる化学
反応によって薄膜を形成する。
【0003】そして、プラズマCVD装置のうち、いわ
ゆる高周波プラズマCVD装置では、減圧下にて反応ガ
スを高周波グロー放電によって分解して、活性なラジカ
ルやイオンを生成する。また、いわゆる直流プラズマC
VD装置でも、反応ガスを分解するのに、高周波プラズ
マを併用することもある。
【0004】このように反応ガスの分解に高周波プラズ
マを用いる場合、反応ガスの分解効率及び分解様式は、
反応ガスに対してどれくらい高周波電力を印加するかに
依存する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、プラズマC
VD装置では、通常、高周波電源からの入力電力を、イ
ンピーダンス整合を行う整合器を介して反応ガスに印加
することにより、反応ガスのプラズマを生成させる。そ
して、従来、反応ガスに印加されてプラズマで消費され
る電力を求める場合には、高周波電源から入力される入
力波の電力と、整合器によって反射されて戻ってきた反
射波の電力との差から計算していた。
【0006】しかしながら、消費される電力には、プラ
ズマで消費される電力(以下、プラズマ消費電力と称す
る。)だけでなく、整合器で消費される電力もある。そ
のため、入力波の電力と反射波の電力との差から求めた
消費電力は、実際には、整合器で消費される電力と、プ
ラズマ消費電力との合計の消費電力である。そして、プ
ラズマで消費される電力の割合(以下、プラズマ電力効
率と称する。)は、条件によっておよそ40%から10
0%の範囲で変化する。このため、入力波の電力と反射
波の電力との差からでは、プラズマ消費電力を正確に知
ることはできなかった。
【0007】このため、例えば、入力波の電力と反射波
の電力との差から求めた消費電力が一定であったとして
も、その他の条件(例えば反応管の形状や反応ガスの流
量等)によって、反応ガスの分解効率や分解様式が異な
る場合があった。換言すれば、入力波の電力と反射波の
電力とが等しくても、反応管の形状が異なる場合や、反
応ガスの流量が異なる場合等には、プラズマ消費電力に
差が現れ、この差に起因して、反応ガスの分解効率や分
解様式が変化することがあった。
【0008】また、同一の反応管を使用したとしても、
プラズマ電力効率は、入力電力の大きさや反応管内のガ
ス圧に依存して変化する。そのため、同一の反応管を使
用したとしても、入力電力の大きさや反応管内のガス圧
に対する反応ガスの分解効率や反応様式の正確な挙動を
正確に知ることはできなかった。
【0009】以上のように、従来のプラズマCVD装置
では、入力波の電力と反射波の電力との差から消費電力
を求めるようにしていたため、正確なプラズマ消費電力
を求めることができなかった。そのため、例えば、プロ
セス開発時に最適な成膜条件の設定を行うことが難しい
という問題があった。
【0010】また、従来はプラズマ消費電力を正確に知
ることができなかったため、プロセス開発時だけでな
く、プラズマCVD装置の運用面でも問題があった。
【0011】例えば、同一の反応管を使用したとしても
経時変化のため、高周波プラズマの生成条件が変化する
場合がある。すなわち、例えば、反応管や電極の汚れや
変形等により、プラズマ整合条件が変化する場合があ
る。プラズマ整合条件が変化すると、それに伴って、た
とえ入力電力が同一であったとしても、プラズマ消費電
力が変化してしまう。そして、プラズマ消費電力が変化
すると、その他の条件が同一であったとしても、反応ガ
スの分解効率や分解様式が変化してしまい、成膜される
薄膜の物性が変化してしまう。
【0012】特に、DLC薄膜を成膜する場合には、反
応ガスの分解効率や分解様式の変化が、成膜されたDL
C薄膜の物性に大きく影響を与える。そのため、特にD
LC薄膜を成膜する場合には、反応ガスの分解効率や分
解様式が変化しないように、プラズマ消費電力を一定に
保つことが重要となる。
【0013】本発明は、以上のような従来の実情に鑑み
て提案されたものであり、プラズマ消費電力を正確に知
ることが可能で、所望する物性の薄膜を安定に形成する
ことが可能なプラズマCVD装置を提供することを目的
とする。また、本発明は、プラズマCVD装置を用いて
薄膜を成膜するにあたって、プラズマ消費電力を正確に
知ることが可能で、所望する物性の薄膜を安定に形成す
ることが可能な薄膜成膜方法を提供することを目的とす
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係るプラズマC
VD装置は、反応ガスのプラズマのインピーダンスを測
定するプラズマインピーダンス測定手段と、投入する電
力を制御する投入電力制御手段とを備える。そして、上
記プラズマインピーダンス測定手段によって測定された
インピーダンスに基づいて、投入する電力を上記投入電
力制御手段によって制御することを特徴とする。
【0015】このプラズマCVD装置では、プラズマイ
ンピーダンス測定手段によって、反応ガスのプラズマの
インピーダンスを測定する。反応ガスのプラズマのイン
ピーダンスが分かれば、プラズマの消費電力を計算によ
って求めることができる。すなわち、このプラズマCV
D装置では、プラズマ整合条件等に依存することなく、
プラズマ消費電力を正確に知ることができる。
【0016】そして、このプラズマCVD装置では、プ
ラズマインピーダンス測定手段によって測定されたイン
ピーダンスに基づいて、投入する電力を投入電力制御手
段によって制御する。具体的には、例えば、プラズマ消
費電力が所望する一定の値となるように、投入する電力
を投入電力制御手段によって制御する。これにより、所
望する物性の薄膜が安定に形成される。
【0017】また、本発明に係る薄膜成膜方法は、プラ
ズマCVD装置を用いて薄膜を成膜する際に、反応ガス
のプラズマのインピーダンスを測定し、当該測定結果に
基づいて、プラズマCVD装置に投入する電力を制御す
ることを特徴とする。
【0018】反応ガスのプラズマのインピーダンスが分
かれば、プラズマの消費電力を計算によって求めること
ができる。したがって、上記薄膜成膜方法によれば、プ
ラズマ整合条件等に依存することなく、プラズマ消費電
力を正確に知ることができる。そして、上記薄膜成膜方
法では、測定したプラズマのインピーダンスに基づい
て、プラズマCVD装置に投入する電力を制御する。具
体的には、例えば、プラズマ消費電力が所望する一定の
値となるように、プラズマCVD装置に投入する電力を
制御する。これにより、所望する物性の薄膜が安定に形
成される。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0020】本発明を適用したプラズマCVD装置の一
構成例を図1に示す。
【0021】このプラズマCVD装置1は、反応ガスa
1が導入される反応室2と、高周波電源3に接続されイ
ンピーダンス整合を行う整合器4と、反応室2で生成さ
れるプラズマのインピーダンスを測定するプラズマイン
ピーダンスプローブ5と、プラズマインピーダンスプロ
ーブ5からの出力に基づいて高周波電源3及び整合器4
を制御するコンピュータ6とを備える。
【0022】反応室2は、略円筒形の反応管11と、反
応管11と一体とされたチャンバ12とを有する。そし
て、反応管11は、当該反応管11の上部に、反応ガス
a1を高周波プラズマによって分解させる高周波プラズ
マ反応部13を備えるとともに、当該反応管11の下部
に、高周波プラズマ反応部13で分解された反応ガスa
1を基板上に堆積させる直流プラズマ反応部14を備え
ている。
【0023】高周波プラズマ反応部13は、反応ガス導
入口15を有しており、この反応ガス導入口15から反
応ガスa1が反応管11の内部に導入されるようになさ
れている。また、高周波プラズマ反応部13の外側に
は、互いに対向するように一対の電極16,17が配さ
れている。そして、成膜時には、これら一対の電極1
6,17の間に高周波電圧を印加し、これにより、反応
ガスa1のプラズマa2を生成して、活性なラジカルや
イオンを生成する。
【0024】一方、直流プラズマ反応部14は、オリフ
ィス18を介して、高周波プラズマ反応部13の下方に
配されており、当該直流プラズマ反応部14の下方は、
チャンバ12の内部に開放されている。この直流プラズ
マ反応部14は、直流プラズマ反応部14の内部上方に
配された電極19と、直流プラズマ反応部14の下方に
配され、基板が設置されるステージ20とを備えてお
り、電極19とステージ20との間に直流電圧が印加さ
れるようになされている。そして、高周波プラズマ反応
部13で反応ガスが分解されてなる活性なラジカルやイ
オンは、直流プラズマ反応部14において、電極19と
ステージ20との間の電界によって加速された上で、ス
テージ20の上に設置された基板上に堆積する。これに
より、化学気相成長により、基板上に薄膜が形成され
る。
【0025】以上のような反応管11と一体とされたチ
ャンバ12は、排気口21を備えており、直流プラズマ
反応部14から流出してきた不要なガスa3を排気口2
1から外部へ排出して、反応管11の内部のガス圧を一
定に保持する。また、このチャンバ12は、直流プラズ
マ反応部13から流出してきたガスを分析計等に導くた
めのガス導出口22を備えている。すなわち、このプラ
ズマCVD装置1は、例えば、ガス導出口22から排出
されたガスa4を四重極質量分析計に導くようにしてお
き、当該四重極質量分析計によって、直流プラズマ反応
部14から流出してきたガス、すなわち反応後のガスを
分析するようなことが可能となっている。
【0026】そして、このプラズマCVD装置1では、
高周波プラズマ反応部13の外側に配された一対の電極
16,17に対して、高周波電源3からの高周波電圧
を、整合器4及びプラズマインピーダンスプローブ5を
介して印加するようになっている。すなわち、このプラ
ズマCVD装置1では、反応管13の外側に配された一
対の電極16,17の間に高周波電圧を印加し、これに
より、上述したように、反応ガス導入口15から導入さ
れた反応ガスa1をプラズマ状態にして、活性なラジカ
ルやイオンを生成する。
【0027】特に、本発明を適用したプラズマCVD装
置1では、プラズマインピーダンスプローブ5を備えて
おり、このプラズマインピーダンスプローブ5により、
高周波プラズマ反応部13で生成されるプラズマa2の
インピーダンスを測定するようになっている。プラズマ
インピーダンスプローブ5は、プラズマa2への入力波
とプラズマa2からの反射波との違いを解析すること
で、プラズマa2のインピーダンスを測定するものであ
り、具体的には、例えば、アドバンストエナジー社の商
品名「RFZ60」が使用可能である。そして、このプ
ラズマインピーダンスプローブ5は、コンピュータ6に
接続されており、測定したプラズマa2のインピーダン
スを当該コンピュータ6へ出力するようになっている。
【0028】コンピュータ6は、高周波電源3及び整合
器4に接続されており、このコンピュータ6により、高
周波電源3からの出力や整合器4の回路定数を制御する
ことが可能となっている。具体的には、例えば、コンピ
ュータ6は、プラズマインピーダンスプローブ5によっ
て測定したプラズマa2のインピーダンスに基づいて、
プラズマ消費電力が最適となるように、高周波電源3か
らの出力や整合器4の回路定数を制御する。
【0029】すなわち、コンピュータ6は、例えば、プ
ラズマ消費電力が所定の一定の値となるように、高周波
電源3からの出力や整合器4の回路定数を制御する。こ
れにより、反応管11の経時変化等によりプラズマ生成
条件が変化したとしても、プラズマ消費電力は常に一定
に保たれることとなり、所望する物性の薄膜を安定に形
成することが可能となる。
【0030】ここで、このプラズマCVD装置1の回路
のうち、整合器5と、高周波電圧が印加される一対の電
極16,17の部分とを抜き出して示す回路図を図2に
示す。
【0031】図2に示すように、整合器4は、2つの可
変コンデンサ4a,4bと、コイル4cとを備える。ま
た、整合器4は、第1乃至第4の端子4d,4e,4
f,4gを備えており、第1の端子4d及び第2の端子
4eが、高周波電源3に接続され、第3の端子4f及び
第4の端子4gが、高周波プラズマ反応部13の外側に
配された一対の電極16,17にそれぞれ接続される。
【0032】高周波電源3からの入力波は、第1の端子
4dから整合器4に入力される。そして、この整合器4
によりインピーダンス整合がなされて、第3の端子4f
及び第4の端子4gに接続された一対の電極16,17
に高周波電圧が印加される。これにより、高周波プラズ
マ反応部13の内部にプラズマa2が生成される。この
とき、整合器4の第2の端子4eからは、高周波電源3
に向かって戻る反射波が出力される。
【0033】この整合器4は、上述したように、コンピ
ュータ6に接続されており、コンピュータ6によって回
路定数が制御されるようになされている。具体的には、
コンピュータ6から送られる制御信号に基づいて、整合
器4の可変コンデンサ4a,4bの容量が変化するよう
になされている。そして、コンピュータ6は、プラズマ
インピーダンスプローブ5によって測定したプラズマa
2のインピーダンスの値に基づいて、整合器4の可変コ
ンデンサ4a,4bの容量を制御して、例えばプラズマ
消費電力が所望する一定の値となるように、整合器4の
回路定数の最適化を図る。
【0034】例えば、プラズマa2を生成させるのに使
用する高周波電源3が、負荷のインピーダンスが50Ω
のときに電力が入るように設計されているとする。しか
し、プラズマa2のインピーダンスが50Ωであるとは
限らず、多くの場合は50Ωからずれた値となる。その
ため、このままでは電力は殆どプラズマa2に入らず、
従って、反応ガス導入口15から導入された反応ガスa
1がプラズマ状態とならない。このときは、高周波電源
3の出力がほぼゼロの状態、すなわち入射波と反射波と
がほぼ等しい状態となる。
【0035】これに対して、図2に示したように、高周
波電源3とプラズマa2との間に可変コンデンサ4a,
4bとコイル4cとを組み合わせた整合器4を挿入し、
可変コンデンサ4a,4bの容量を変化させて、整合器
4とプラズマa2のインピーダンスの合計を50Ωにす
ると、反射波は殆どゼロになり、電力がプラズマa2に
入ることとなる。
【0036】この状態のとき、高周波電源3から入力さ
れた電力は、プラズマa2で消費されるだけではなく、
整合器4でも消費される。そして、通常、整合器4で消
費される電力も、無視することができないほどの大きさ
となる。なぜなら、整合器4のコイル4cのリアクタン
スが、プラズマa2のリアクタンス成分を打ち消すため
に、通常はかなり大きく設定されるため、当該コイル4
cが高周波に対して大きな抵抗として作用してしまうか
らである。しかしながら、整合器4で消費される電力
は、プラズマ整合条件によって異なるため、従来、整合
器4で消費される電力を正確に知ることはできなかっ
た。そして、整合器4で消費される電力が正確に分から
ないと言うことは、換言すれば、プラズマ消費電力を正
確に知ることができないということである。
【0037】これに対して、本発明を適用したプラズマ
CVD装置1では、プラズマインピーダンスプローブ5
によってプラズマa2のインピーダンスを測定するよう
にしている。プラズマa2のインピーダンスが分かれ
ば、整合器4で消費される電力やプラズマ消費電力を計
算によって求めることができる。したがって、本発明を
適用したプラズマCVD装置1では、プラズマ整合条件
に依存することなく、整合器4で消費される電力やプラ
ズマ消費電力を正確に知ることができる。
【0038】以上のようなプラズマCVD装置1を用い
て薄膜を成膜する際は、先ず、ステージ20上に基板を
設置し、反応管11及びチャンバ12内を排気する。そ
して、整合器4及びプラズマインピーダンスプローブ5
を介して高周波電源3から一対の電極16,17に高周
波電圧を印加する。また、電極19とステージ20との
間に直流電圧を印加する。そして、反応ガス導入口15
から反応ガスa1を反応管11へ導入する。
【0039】このとき、一対の電極16,17に印加さ
れた高周波電圧により、反応ガスa1がプラズマ状態と
なり、活性なラジカルやイオンが生成される。そして、
この活性なラジカルやイオンは、直流プラズマ反応部1
4において、電極19とステージ20との間の電界によ
って加速された上で、ステージ20の上に設置された基
板上に堆積する。これにより、化学気相成長により、基
板上に薄膜が形成される。
【0040】そして、本発明では、このように基板上に
化学気相成長により薄膜を成膜する際に、プラズマイン
ピーダンスプローブ5によってプラズマa2のインピー
ダンスを測定し、当該測定結果に基づいて、プラズマC
VD装置1に投入する電力を制御する。具体的には、コ
ンピュータ6による制御によって、高周波電源3からの
出力や整合器4の回路定数などを調整する。これによ
り、例えば、反応管11や電極16,17の汚れや変形
等により、プラズマ整合条件が変化したとしても、プラ
ズマ消費電力が一定となるようにプラズマa2に対して
電力を投入することができる。したがって、本発明を適
用したプラズマCVD装置1によれば、所望する物性の
薄膜を安定に形成することができる。
【0041】なお、以上の説明では、整合器4として、
図2に示したように、可変コンデンサ4a,4bとコイ
ル4cとを組み合わせたものを例に挙げたが、コンデン
サと可変コイルとを組み合わせた整合器や、可変コンデ
ンサと可変コイルとを組み合わせた整合器なども使用可
能であることは言うまでもない。いずれの場合も、可変
部分をコンピュータ6によって制御するようにすればよ
い。
【0042】また、図1に示したプラズマCVD装置1
は、いわゆる平行平板電極を用いた容量結合型のプラズ
マCVD装置であったが、本発明は、高周波プラズマを
利用するプラズマCVD装置に対して広く適用可能であ
り、例えば、コイル型電極を用いた容量結合型のプラズ
マCVD装置や、コイル型電極を用いた誘導結合型のプ
ラズマCVD装置などにも適用可能である。
【0043】コイル型電極を用いた容量結合型のプラズ
マCVD装置は、例えば、図3及び図4に示すような構
成とされる。図3は、コイル型電極30を用いた容量結
合型のプラズマCVD装置31の概略構成を示す模式図
であり、図4は、このプラズマCVD装置31の回路の
うち、整合器4と、高周波電圧が印加されるコイル型電
極30の部分とを抜き出して示す回路図である。
【0044】なお、図3及び図4に示したプラズマCV
D装置31の構成は、プラズマa2の生成に使用する電
極部分が異なる以外は、図1及び図2に示したプラズマ
CVD装置1とほぼ同様である。そこで、以下の説明に
おいて、図1及び図2に示したプラズマCVD装置1と
同様な部分については、図1及び図2の場合と同じ符号
を付して、説明を省略する。
【0045】このプラズマCVD装置31は、図1に示
したプラズマCVD装置1における一対の電極16,1
7の代わりに、コイル型電極30を備える。このコイル
型電極30は、反応管11の高周波プラズマ反応部13
に巻回されてなる。ここで、反応管11は、接地されて
いるので、コイル型電極30と反応管11とが容量結合
することとなる。
【0046】このプラズマCVD装置31を用いて成膜
する際は、高周波プラズマ反応部13に巻回されたコイ
ル型電極30に対して、高周波電源3からの高周波電圧
を、整合器4及びプラズマインピーダンスプローブ5を
介して印加する。すなわち、このプラズマCVD装置3
1では、高周波プラズマ反応部13に巻回されたコイル
型電極30に高周波電圧を印加し、これにより、反応ガ
ス導入口15から導入された反応ガスa1をプラズマ状
態にして、活性なラジカルやイオンを生成する。そし
て、この活性なラジカルやイオンが、直流プラズマ反応
部14の下方に配された基板上に堆積することで、基板
上に薄膜が形成される。
【0047】そして、このプラズマCVD装置31にお
いても、図1に示したプラズマCVD装置1と同様に、
プラズマインピーダンスプローブ5によりプラズマa2
のインピーダンスを測定し、その測定結果に基づいて、
コンピュータ6によって高周波電源3からの出力や整合
器4の回路定数を制御する。これにより、図1に示した
プラズマCVD装置1と同様に、反応管11の経時変化
等によりプラズマ生成条件が変化したとしても、プラズ
マ消費電力を常に一定に保つことが可能であり、所望す
る物性の薄膜を安定に形成することが可能となってい
る。
【0048】また、コイル型電極を用いた誘導結合型の
プラズマCVD装置は、例えば、図5及び図6に示すよ
うな構成とされる。図5は、コイル型電極40を用いた
誘導結合型のプラズマCVD装置41の概略構成を示す
模式図であり、図6は、このプラズマCVD装置41の
回路のうち、整合器4と、高周波電圧が印加されるコイ
ル型電極40の部分とを抜き出して示す回路図である。
【0049】なお、図5及び図6に示したプラズマCV
D装置41の構成は、プラズマa2の生成に使用する電
極部分が異なる以外は、図1及び図2に示したプラズマ
CVD装置1とほぼ同様である。そこで、以下の説明に
おいて、図1及び図2に示したプラズマCVD装置1と
同様な部分については、図1及び図2の場合と同じ符号
を付して、説明を省略する。
【0050】このプラズマCVD装置41は、図1に示
したプラズマCVD装置1における一対の電極16,1
7の代わりに、一端が接地されてなるコイル型電極40
を備える。このコイル型電極40は、反応管11の高周
波プラズマ反応部13に巻回されてなる。
【0051】このプラズマCVD装置41を用いて成膜
する際は、高周波プラズマ反応部13に巻回されたコイ
ル型電極40に対して、高周波電源3からの高周波電圧
を、整合器4及びプラズマインピーダンスプローブ5を
介して印加する。すなわち、このプラズマCVD装置4
1では、高周波プラズマ反応部13に巻回されたコイル
型電極40に高周波電圧を印加し、これにより、反応ガ
ス導入口15から導入された反応ガスa1をプラズマ状
態にして、活性なラジカルやイオンを生成する。そし
て、この活性なラジカルやイオンが、直流プラズマ反応
部14の下方に配された基板上に堆積することで、基板
上に薄膜が形成される。
【0052】そして、このプラズマCVD装置41にお
いても、図1に示したプラズマCVD装置1と同様に、
プラズマインピーダンスプローブ5によりプラズマa2
のインピーダンスを測定し、その測定結果に基づいて、
コンピュータ6によって高周波電源3からの出力や整合
器4の回路定数を制御する。これにより、図1に示した
プラズマCVD装置1と同様に、反応管11の経時変化
等によりプラズマ生成条件が変化したとしても、プラズ
マ消費電力を常に一定に保つことが可能であり、所望す
る物性の薄膜を安定に形成することが可能となってい
る。
【0053】以上のような本発明を適用したプラズマC
VD装置1,31,41では、反応管11の経時変化等
によりプラズマ生成条件が変化したとしても、プラズマ
消費電力を常に一定に保つことが可能であり、所望する
物性の薄膜を安定に形成することが可能となっている。
特に、DLC薄膜を成膜する場合には、反応ガスの分解
効率や分解様式の変化が、成膜されたDLC薄膜の物性
に大きく影響を与える。そのため、特にDLC薄膜を成
膜する場合には、反応ガスの分解効率や分解様式が変化
しないように、プラズマ消費電力を一定に保つことが重
要となる。したがって、プラズマ消費電力を常に所望す
る一定の値に保つことが可能な本発明を適用したプラズ
マCVD装置1,31,41は、DLC薄膜の形成に非
常に好適である。
【0054】つぎに、プラズマインピーダンスプローブ
を用いてプラズマ消費電力を測定し、高周波電源の側で
の消費電力とプラズマ消費電力とがどれほど異なるかを
調べた結果について説明する。
【0055】実施例1 反応ガスにエチレン(C24)を使用し、図1に示した
プラズマCVD装置1を用いて、一対の電極16,17
により容量結合型高周波プラズマを生成して、基板上に
DLC薄膜を形成した。このときの高周波電源3の側で
の消費電力とプラズマ消費電力とを測定した。結果を表
1に示す。なお、表1では、プラズマで消費される電力
の割合、すなわちプラズマ電力効率も示している。
【0056】
【表1】
【0057】表1に示すように、プラズマで消費される
電力の割合は、37〜57%の範囲で変化した。換言す
れば、同一の反応管11を使用しているにも関わらず、
プラズマ電力効率はプラズマ生成条件に応じて大きく変
動した。この結果からも、正確なプラズマ消費電力の測
定には、プラズマインピーダンスプローブ5の使用が不
可欠であることが分かる。
【0058】実施例2 反応ガスにエチレン(C24)を使用し、図3に示した
プラズマCVD装置31を用いて、コイル型電極30に
より容量結合型高周波プラズマを生成して、基板上にD
LC薄膜を形成した。このときの高周波電源3の側での
消費電力とプラズマ消費電力とを測定した。結果を表2
に示す。なお、表2では、プラズマで消費される電力の
割合、すなわちプラズマ電力効率も示している。
【0059】
【表2】
【0060】表2に示すように、プラズマで消費される
電力の割合は、46〜75%の範囲で変化した。換言す
れば、同一の反応管11を使用しているにも関わらず、
プラズマ電力効率はプラズマ生成条件に応じて大きく変
動した。この結果からも、正確なプラズマ消費電力の測
定には、プラズマインピーダンスプローブ5の使用が不
可欠であることが分かる。また、実施例1との比較か
ら、同一の反応管11を用いたとしても、電極の形状が
異なると、プラズマ電力効率が異なることが分かる。
【0061】実施例3 反応ガスにエチレン(C24)を使用し、図5に示した
プラズマCVD装置41を用いて、コイル型電極40に
より誘導結合型高周波プラズマを生成して、基板上にD
LC薄膜を形成した。このときの高周波電源3の側での
消費電力とプラズマ消費電力とを測定した。結果を表3
に示す。なお、表3では、プラズマで消費される電力の
割合、すなわちプラズマ電力効率も示している。
【0062】
【表3】
【0063】表3から、誘導結合型の場合には、電力は
殆どプラズマで消費されることが分かる。しかしなが
ら、この場合にも、プラズマ電力効率は、プラズマ生成
条件に応じて若干変動している。この結果からも、正確
なプラズマ消費電力の測定には、プラズマインピーダン
スプローブ5の使用が不可欠であることが分かる。
【0064】実施例1乃至実施例3のように、プラズマ
インピーダンスプローブ5を使用してプラズマ消費電力
を正確に測定することは、特にプロセス開発時に、反応
管11を設計したり、最適な成膜条件を正確に調べたり
するのに、非常に有効である。また、成膜条件を決定し
た後の運用時においても、常にプラズマ消費電力が所定
の値となるようにするには、プラズマインピーダンスプ
ローブ5が不可欠である。すなわち、プラズマインピー
ダンスプローブ5を使用してプラズマ消費電力を正確に
測定し、当該プラズマ消費電力が一定となるように高周
波電源3からの出力や整合器4の回路定数を調整するこ
とで、反応管11の経時変化等によりプラズマ生成条件
が変化したとしても、所望する物性の薄膜を安定に形成
することが可能となる。
【0065】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
るプラズマCVD装置は、プラズマインピーダンス測定
手段を備えているので、プラズマ整合条件等に依存する
ことなく、プラズマ消費電力を正確に知ることができ
る。したがって、例えば、プロセス開発時に、反応ガス
の流量や反応管内のガス圧等を変化させたときのプラズ
マ消費電力の変化を補正することができる。また、運用
時に、反応管や電極の汚れや変形等によりプラズマ整合
条件が変化したとしても、プラズマインピーダンス測定
手段によって測定されたインピーダンスに基づいて、投
入する電力を制御することで、プラズマ消費電力が一定
となるようにプラズマに対して電力を投入することがで
きる。したがって、本発明に係るプラズマCVD装置に
よれば、所望する物性の薄膜を安定に形成することが可
能となる。
【0066】また、本発明に係る薄膜成膜方法では、プ
ラズマのインピーダンスを測定して、当該測定結果に基
づいて、プラズマCVD装置に投入する電力を制御する
ようにしている。したがって、例えば、プロセス開発時
に、反応ガスの流量や反応管内のガス圧等を変化させた
ときのプラズマ消費電力の変化を補正することができ
る。また、運用時に、反応管や電極の汚れや変形等によ
りプラズマ整合条件が変化したとしても、プラズマ消費
電力が一定となるようにプラズマに対して電力を投入す
ることができる。したがって、本発明に係る薄膜成膜方
法よれば、所望する物性の薄膜を安定に形成することが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した、平行平板電極を用いた容量
結合型のプラズマCVD装置の一構成例を示す模式図で
ある。
【図2】図1に示したプラズマCVD装置の回路のう
ち、整合器と、高周波電圧が印加される一対の電極の部
分とを示す回路図である。
【図3】本発明を適用した、コイル型電極を用いた容量
結合型のプラズマCVD装置の一構成例を示す模式図で
ある。
【図4】図3に示したプラズマCVD装置の回路のう
ち、整合器と、高周波電圧が印加されるコイル型電極の
部分とを示す回路図である。
【図5】本発明を適用した、コイル型電極を用いた誘導
結合型のプラズマCVD装置の一構成例を示す模式図で
ある。
【図6】図5に示したプラズマCVD装置の回路のう
ち、整合器と、高周波電圧が印加されるコイル型電極の
部分とを示す回路図である。
【符号の説明】
1 プラズマCVD装置、 2 反応室、 3 高周波
電源、 4 整合器、5 プラズマインピーダンスプロ
ーブ、 6 コンピュータ、 11 反応管、 12
チャンバ、 13 高周波プラズマ反応部、 14 直
流プラズマ反応部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応ガスのプラズマのインピーダンスを
    測定するプラズマインピーダンス測定手段と、 投入する電力を制御する投入電力制御手段とを備え、 上記プラズマインピーダンス測定手段によって測定され
    たインピーダンスに基づいて、投入する電力を上記投入
    電力制御手段によって制御することを特徴とするプラズ
    マCVD装置。
  2. 【請求項2】 炭素薄膜の成膜に用いられることを特徴
    とする請求項1記載のプラズマCVD装置。
  3. 【請求項3】 プラズマCVD装置を用いて薄膜を成膜
    する際に、 反応ガスのプラズマのインピーダンスを測定し、 当該測定結果に基づいて、プラズマCVD装置に投入す
    る電力を制御することを特徴とする薄膜成膜方法。
  4. 【請求項4】 成膜される薄膜が炭素薄膜であることを
    特徴とする請求項3記載の薄膜成膜方法。
JP31560097A 1997-11-17 1997-11-17 プラズマcvd装置及び薄膜成膜方法 Withdrawn JPH11152576A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010135298A (ja) * 2008-10-27 2010-06-17 Tokyo Electron Ltd 誘導結合プラズマ処理装置、プラズマ処理方法及び記憶媒体

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010135298A (ja) * 2008-10-27 2010-06-17 Tokyo Electron Ltd 誘導結合プラズマ処理装置、プラズマ処理方法及び記憶媒体
JP2013201134A (ja) * 2008-10-27 2013-10-03 Tokyo Electron Ltd 誘導結合プラズマ処理装置、プラズマ処理方法及び記憶媒体

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