JPH11149121A - 表示装置を備えたカメラ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 表示装置を備えたカメラにおいて、カメラボ
ディの薄型化、小型化を図ることを可能にすると共に、
表示装置が外部からの押圧力によって破損することを防
ぐ。 【解決手段】 ＬＣＤ３の表示面を外部に露出させると
共に、ＬＣＤ３の表示面の裏面にフイルム１２の背面を
押圧する圧板１０を配置し、この圧板１０によってＬＣ
Ｄ３を補強する。これにより、カメラ全体の薄型化、小
型化を図ることができ、また、外部に露出したＬＣＤ３
が外部からの押圧力によって破損することを防ぐことが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、各種情報を表示す
る表示装置を備えたカメラに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】カメラの機能増加に伴ない、カメラ側か
ら使用者に知らせる情報も増えている。このため、表示
装置の表示面積も徐々に大きくなってきている。これ
は、カメラの小型化、薄型化に逆行する要素である。従
来は、表示装置の形状が大型化するのを避けるため、ア
イコン表示を使いて情報量を増加させていた。

【０００３】ここで、従来のカメラの表示装置の構造に
ついて図７を参照して説明する。液晶表示装置３（以
下、ＬＣＤという）が臨設される外装カバー２ａの表示
部（窓）には、ＬＣＤ３を保護するための保護カバー１
０１が嵌め込まれている。ＬＣＤ３の裏面側にはバック
ライト用のＥＬシート９、ＥＬシート９からの光によっ
てフイルムが１２が露光することを防ぐ遮光シート１０
２、フイルム１２の磁気層に対する読み書きを行う磁気
ヘッド用回路基板１０３、及びフイルム１２の背面を押
圧する圧板１０が配置されている。従来は、ＬＣＤ３が
保護カバー１０１に保護されていたので、外圧が直接Ｌ
ＣＤ３に加わることはなかった。このため、ＬＣＤ３を
外圧から保護する部材を設ける必要がなく、ＬＣＤ３周
辺の部品配置にも自由度があった。また、ＬＣＤ３自体
も形状が小さかったので、磁気ヘッド用回路基板１０３
等の回路基板をＬＣＤ３と圧板１０との間に配置して
も、ＬＣＤ３を避けて基板上の電気部品を配置すること
により、基板上に必要な電気部品を配置することができ
た。

【０００４】また、大型のＬＣＤを使用するパソコンや
ビデオカメラでは、ＬＣＤの表示面を外部に露出するこ
とにより、薄型化を図っている。この構造について図８
を参照して説明する。図に示されるように、パソコン等
のディスプレイには、表示面積の大きいＬＣＤ３全体を
ムラなく照明するために、平面的な導光体である導光板
１１１が用いられている。通常、導光板１１１は透明な
アクリル板で構成されており、ＬＣＤ３の補強と照明の
両方の用途に使われている。また、ＬＣＤ３、導光板１
１１、光源１１２、及び反射板１１７は、金属枠１１３
の中に１つのユニットとして一体化した状態となってお
り、この金属枠１１３を外装後部１１４ｂの取り付け部
１１５にビス１１６でネジ止めすることによりディスプ
レイ本体に固定される。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の表示装置では、今後、いわゆる、アドバン
スト・フォト・システム（ＡＰＳ）の機能を持つカメラ
において一層情報量が増加した場合、全ての情報を表示
しきれなくなり、そのため、表示装置をさらに大きくし
なければならない。ところが、そうすると、従来の表示
装置の構造では、カメラの小型化、薄型化を妨げること
になる。そこで、パソコンと同様に表示装置の表示面を
外部に露出することによって、表示部の薄型化、小型化
を図ることが考えられる。しかし、パソコンのディスプ
レイでは、照明用の導光板によって表示装置が補強され
ているため、外部に露出した表示装置が外部からの押圧
力によって破損することはないが、カメラでは、ＥＬシ
ート等の薄型の照明光源を用いるため、これらの薄型照
明光源によって表示装置の補強を行うことはできない。

【０００６】また、パソコンのディスプレイでは、表示
装置を外装に組み込むために、表示装置を含むユニット
の外枠（金属枠）の厚さや取り付けのためのスペースが
必要になるが、パソコンの場合、ディスプレイ全体が大
型化しているため、これらのスペースがディスプレイ全
体の大きさに及ぼす影響は少ない。しかし、カメラで
は、本体が小型化、薄型化しているため、それらのスペ
ースが装置全体の大きさに及ぼす影響は大きい。

【０００７】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、表示装置の大型化に対応しつ
つ、カメラボディの薄型化、小型化を図ることができる
と共に、表示装置が外部からの押圧力によって破損する
ことを防ぐことが可能な表示装置を備えたカメラを提供
することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、カメラの各種情報を表示する表示装置を備
えたカメラにおいて、表示装置の表示面を外部に露出さ
せ、表示装置の表示面の裏面にフイルムの背面を押圧す
る圧板を配置し、この圧板によって表示装置を補強する
ようにしたものである。

【０００９】上記構成においては、保護カバーが不要に
なるので、表示装置の大型化に対応しつつ、カメラ全体
の薄型化、小型化を図ることができると共に、表示装置
の表示面の裏面に配置した圧板を用いて、外部に露出し
た表示装置が外部からの押圧力によって破損することを
防ぐことができる。従って、パソコンのディスプレイの
ように照明用導光板によって表示装置を補強しなくて
も、表示装置を保護することができるようになるので、
照明用光源にＥＬシート等の薄型の光源を用いるように
すれば、カメラボディをより薄型化することができる。

【００１０】また、カメラ裏面の外装カバーに表示装置
の位置決め用部材を備え、この外装カバーと圧板との間
に表示装置を挟み込み固定するようにすることができ
る。これにより、パソコンのディスプレイのような金属
枠及び固定部材を用いることなく、表示装置を外装カバ
ーに固定することができるので、さらにカメラボディの
薄型化、小型化を図ることができ、しかも、外装カバー
の位置決め用部材によって表示装置と圧板とが圧接した
状態となるので、圧板によって表示装置を確実に補強す
ることができる。また、カメラの構成部材で、表示装置
の固定部材を兼用しているので、別に表示装置の固定部
材を設けた場合と比べてコストも安くなる。なお、圧板
の表示装置との対向面側にも、表示装置の位置決め用部
材を設けるようにすれば、外装カバーの位置決め用部材
と表示装置の位置決め用部材を組み合わせて用いること
により、表示装置を外装カバーに対してより正確な位置
に固定することができるようになる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態による
表示装置を備えたカメラについて図面を参照して説明す
る。図１は、本実施形態によるカメラの背面図である。
カメラ１のボディ２は、その背面側に背面部全体の１／
３以上の面積がある液晶表示装置（以下、ＬＣＤとい
う）３、文字入力用のパネルスイッチ４、指示・選択用
のポインティングデバイス５、ズーミングを行うズーム
スイッチ６及びファインダ７を備えている。カメラの外
装カバー２ａは、表示部が開口して画枠２ｂを成し、こ
れを通して、ＬＣＤ３の表示面が直接外部に露出する構
造になっている。

【００１２】図２は、カメラ１のボディ２より外装カバ
ー２ａを取りはずした状態を示す斜視図である。図に示
されるように、外装カバー２ａを取りはずした状態のボ
ディ２には、各種のブロックユニットが装着されてお
り、ＬＣＤ３は接続ＦＰＣ８ｂを通じて、回路基板ユニ
ット８と電気的に接続されている。

【００１３】図３は、カメラ１のＬＣＤ３周辺の断面図
である。外装カバー２ａには、ＬＣＤ３の表示用の画枠
２ｂがあり、ＬＣＤ３の表示範囲の規制を行っている。
ＬＣＤ３の裏面には、バックライト用のＥＬシート９が
あり、そのさらに裏面には、フイルム１２の背面を押圧
するフイルム圧板（以下、圧板という）１０が配置され
ている。この圧板１０がＬＣＤ３と密着してＬＣＤ３を
補強することにより、ＬＣＤ３に外圧が加わっても、Ｌ
ＣＤ３のたわみを抑えることができるので、ＬＣＤ３の
破損を防ぐことができる。従来のカメラでは、保護カバ
ーでＬＣＤ３を完全に保護していたので、ＬＣＤ３が破
損する心配がなかった。しかし、本実施形態によるカメ
ラ１では、ＬＣＤ３が外部に露出する構造になっている
ため、ＬＣＤ３を補強してＬＣＤ３の破損を防ぐ必要が
ある。

【００１４】本実施形態によるカメラ１では、ＬＣＤ３
の表示面積を大きくして、ＡＰＳシステムの最大の特長
であるタイトル入力及び文字表示機能を有効に使うこと
ができるようにしている。

【００１５】また、ＬＣＤ３の表示面積を大きくした場
合に、従来のカメラのように透明な保護カバーでＬＣＤ
３を保護しようとすると、カメラボディの薄型化、小型
化を図る上での大きな障害となる。本実施形態によるカ
メラ１では、ＬＣＤ３の前面の保護カバーをなくしてカ
メラボディをより薄くすることができるようにすると共
に、ＬＣＤ３の裏面に配した圧板１０によって外部に露
出したＬＣＤ３を補強することにより、外部に露出した
ＬＣＤ３の外部押圧力による破損を防いでいる。

【００１６】また、図３に示されるように、ＬＣＤ３と
圧板１０の間には、ＥＬシート９が挟着されている。こ
のＥＬシート９は、ＬＣＤ３の照明用の光源で、表示部
の一部であり、０．１〜０．３ｍｍ程度の樹脂フイルム
で構成されている。このため、図８における導光板１１
１のようにＬＣＤ３を補強する役割は果たさないが、Ｅ
Ｌシート９に凹凸がなく、平面性が高ければ、ＬＣＤ３
及びＥＬシート９がたわむことはないので、圧板１０で
ＬＣＤ３及びＥＬシート９の補強をすることができる。
また、ＥＬシート９以外で、遮光シートや絶縁シートな
ど、厚さも０．１〜０．３ｍｍぐらいのシートをＬＣＤ
３と圧板１０の間に挟持するようにした場合でも、シー
トに凹凸がなく、平面性が高ければ、圧板１０でＬＣＤ
３及びこれらのシートの補強をすることができる。

【００１７】図４（ａ）（ｂ）は、それぞれ本発明の他
の実施形態によるカメラ１の表示部の断面図である。
（ａ）の実施形態では、外装カバー２ａの上下に位置決
め片２ｃと押圧片２ｅを、圧板１０に溝１０ａをそれぞ
れ設け、これらを用いて、外装カバー２ａに対するＬＣ
Ｄ３とＥＬシート９の位置決めと固定を行う。具体的に
は、２層構造になったＬＣＤ３の圧板１０側の層とＥＬ
シート９を圧板１０の溝１０ａに落とし込み、ＬＣＤ３
の表示面側の層を外装カバー２ａに設けられた上下の位
置決め片２ｃの間に嵌め込むことにより、ＬＣＤ３とＥ
Ｌシート９の外装カバー２ａに対する位置決めを行い、
押圧片２ｅでＬＣＤ３とＥＬシート９を圧板１０側に押
圧することによりＬＣＤ３とＥＬシート９を固定する。
これにより、外装カバー２ａに対して正確にＬＣＤ３の
位置決めをすることができるので、ＬＣＤ３と画枠２ｂ
との位置ズレをなくすことができる。

【００１８】また、（ｂ）の実施形態では、外装カバー
２ａの下部にＬＣＤ固定片２ｄを設けることによって外
装カバー２ａの下部形状をＵ溝状にし、このＵ溝状の部
分を用いて、外装カバー２ａに対するＬＣＤ３とＥＬシ
ート９の位置決めと固定を行う。具体的には、ＬＣＤ３
とＥＬシート９をＬＣＤ固定片２ｄと押圧片２ｅの間に
挟み込んだ状態で、ＬＣＤ３の表示面側の層を外装カバ
ー２ａに設けられた上下の位置決め片２ｃの間に嵌め込
むことにより、ＬＣＤ３とＥＬシート９の外装カバー２
ａに対する位置決めを行い、押圧片２ｅによってＬＣＤ
３とＥＬシート９を圧板１０側に押圧することによって
ＬＣＤ３とＥＬシート９を固定する。ＬＣＤ３とＥＬシ
ート９の固定時には、外装カバー２ａのＬＣＤ固定片２
ｄが圧板１０の段部１０ｂに圧接した状態となる。

【００１９】図５は、図４（ａ）に示される実施形態の
外装カバー２ａを裏面側から見た図である。図に示され
るように、外装カバー２ａの画枠２ｂの回りには、外装
カバー２ａに対するＬＣＤ３の位置決めに用いられる枠
状の位置決め片２ｃと押圧片２ｅとが設けられている。
また、外装カバー２ａの図示で左側部には、パネルスイ
ッチ４と電気的に接続するパネルスイッチ用ＦＰＣ１３
が配置されている。

【００２０】図６は、図４（ｂ）に示される実施形態に
おける外装カバー２ａにＬＣＤユニットを組み込んだ状
態を裏面側から見た図である。図に示されるように、外
装カバー２ａには、ＬＣＤ３の位置決めと取り付けを行
なうＬＣＤ固定片２ｄが設けられており、この固定片２
ｄを用いて画枠２ｂに対するＬＣＤ３の正確な位置決め
が行われる。ＬＣＤ３は、接続ＦＰＣ８ｂに実装された
ドライバＩＣ８ｃに駆動される。また、接続ＦＰＣ８ｂ
は、図２に示される回路基板ユニット８に電気的に接続
されている。

【００２１】本発明は、上記実施形態に限られるもので
はなく、様々な変形が可能である。例えば、図４（ｂ）
に示される実施形態では、外装カバー２ａの下部にＬＣ
Ｄ固定片２ｄを設けることにより外装カバー２ａの下部
をＵ溝状にし、このＵ溝状の部分にＬＣＤ３とＥＬシー
ト９を挟み込むことにより、ＬＣＤ３とＥＬシート９の
位置決めを行ったが、圧板１０の下部をＵ溝状にして、
このＵ溝状の部分にＬＣＤ３とＥＬシート９を挟み込む
ことにより、ＬＣＤ３とＥＬシート９の位置決めを行う
ようにしてもよい。

【００２２】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、保護カバ
ーが不要になるので、カメラ全体の薄型化、小型化を図
ることができると共に、表示装置（以下、ＬＣＤと記
す）の表示面の裏面に配置した圧板を用いて、外部に露
出したＬＣＤが外部からの押圧力によって破損すること
を防ぐことができる。従って、パソコンのディスプレイ
のように照明用導光板によって補強しなくても、ＬＣＤ
を保護することができるようになるので、照明用光源に
ＥＬシート等の薄型の光源を用いるようにすれば、カメ
ラボディをより薄型化することができるようになる。ま
た、遮光シートや絶縁シートなどをＬＣＤと重ねて使用
する場合でも、これらのシートに凹凸がなく、平面性が
高ければ、圧板を用いてＬＣＤ及びこれらのシートの補
強をすることができる。

【００２３】また、本発明によれば、カメラ裏面の外装
カバーに設けられた位置決め用部材を用いて、外装カバ
ーと圧板との間にＬＣＤを挟み込んで固定することによ
り、カメラの構成部材を用いてＬＣＤを外装カバーに固
定することができるようになる。これにより、ＬＣＤの
表示面が外部に露出した構造であっても、パソコンのデ
ィスプレイのように金属枠を格納するためのスペース
や、取り付け部のスペースを確保する必要がなくなるの
で、カメラボディをより薄型化、小型化することができ
るようになる。また、外装カバーの位置決め用部材によ
ってＬＣＤと圧板とを圧接した状態とすることにより、
圧板でＬＣＤを確実に補強することができるようにな
る。さらに、カメラの構成部材でＬＣＤの固定部材を兼
用したことにより、別に固定部材を設けた場合と比べて
コストも安くなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態によるカメラの背面図であ
る。

【図２】上記カメラのボディより外装カバーを取りはず
した状態を示す斜視図である。

【図３】上記カメラのＬＣＤ周辺の断面図である。

【図４】（ａ）（ｂ）はそれぞれ本発明の他の実施形態
によるカメラの表示部の断面図である。

【図５】図４（ａ）に示される実施形態の外装カバーを
裏面側から見た図である。

【図６】図４（ｂ）に示される実施形態における外装カ
バーにＬＣＤユニットを組み込んだ状態を裏面側から見
た図である。

【図７】従来例のカメラのＬＣＤ周辺の断面図である。

【図８】従来例のパソコンのＬＣＤ周辺の断面図であ
る。

【符号の説明】

１ カメラ ２ａ 外装カバー ２ｃ 位置決め片（位置決め用部材） ２ｄ ＬＣＤ固定片（位置決め用部材） ３ ＬＣＤ（表示装置） １０ 圧板

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 カメラの各種情報を表示する表示装置を
   備えたカメラにおいて、 前記表示装置の表示面を外部に露出させ、 前記表示装置の表示面の裏面にフイルムの背面を押圧す
   る圧板を配置し、この圧板によって表示装置を補強する
   ようにしたことを特徴とする表示装置を備えたカメラ。
2. 【請求項２】 カメラ裏面の外装カバーに前記表示装置
   の位置決め用部材を備え、この外装カバーと前記圧板と
   の間に前記表示装置を挟み込み固定するようにしたこと
   を特徴とする請求項１に記載の表示装置を備えたカメ
   ラ。