JPH1114863A - 光ファイバフェルール及びこれを用いた光ファイバコネクタ - Google Patents

光ファイバフェルール及びこれを用いた光ファイバコネクタ

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JPH1114863A
JPH1114863A JP16311197A JP16311197A JPH1114863A JP H1114863 A JPH1114863 A JP H1114863A JP 16311197 A JP16311197 A JP 16311197A JP 16311197 A JP16311197 A JP 16311197A JP H1114863 A JPH1114863 A JP H1114863A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光ファイバコネクタにおいて、芯ずれによる接
続損失を最小にする。 【解決手段】中央に光ファイバを挿入固定するための細
孔1aを有するフェルール1であって、上記細孔1aの
芯ずれ位置方向表示部1dを外表面に形成し、この芯ず
れ方向が一致するように一対のフェルール1同士を当接
させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、光ファイバの端部
を保持するための光ファイバフェルール及びこれを用い
た光ファイバコネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光ファイバを用いた光信号による
情報伝達が広く行われつつある。この時、光ファイバ同
士を接続するために光コネクタが使用される。
【0003】具体的な光コネクタの構造は、図6、7に
示すように、細孔1aを有するフェルール1の一方端に
金属又は樹脂からなるフランジ部材2を接合し、このフ
ェルール1の細孔1aに光ファイバ5の一端を挿入固定
し、フランジ部材2の周囲にプラグハウジング4を備え
てコネクタプラグ11を構成し、アダプタ12の両端か
ら一対のコネクタプラグ11を挿入し、各フェルール1
に備えた光ファイバ5の先端面同士を当接させることに
よって、光信号を伝達させるようになっている。
【0004】ところで、上記フェルール1はジルコニア
等のセラミックスで形成され、外径に対する細孔1aの
同芯度が高くなるように精密に作製されているが、フェ
ルール1の中心と細孔1aの中心を完全に一致させるこ
とは困難であり、1.4μm以下の芯ずれが生じること
を避けられず、この芯ずれによって接続損失が発生して
いた。
【0005】そこで、フェルール1に芯ずれが生じてい
ても、互いに当接する一対のフェルール1の芯ずれの方
向を一致させることで接続損失を減らすことが行われて
いる。
【0006】例えば、図10に示すように、フェルール
1のフランジ部材2に90°おきに4個の溝2cを形成
し、一方プラグハウジング4の内面に2個の突起からな
る係合部4aを形成し、これらを係合させてコネクタプ
ラグ11を構成することによって、フェルール1を90
°おきに回転させた位置で保持できるようにする。そし
て、フェルール1を90°ずつ回転させながら、それぞ
れの位置で接続損失を測定し、損失が最小となった位置
で最終的に組み立てることが行われている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記図10
に示すようなコネクタプラグ11では、フェルール1を
90°おきにしか回転できないため、最適な位置に設定
することができなかった。また、90°ずつ回転して4
回測定した後、損失最小の位置に設定するため、合計5
回の組立作業が必要であり、非常に手間のかかるもので
あった。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は、中央に
光ファイバを挿入固定するための細孔を有するフェルー
ルであって、上記細孔の芯ずれ位置方向表示部を外表面
に形成したことを特徴とする。
【0009】また本発明は、中央に光ファイバを挿入固
定するための細孔を有するフェルールの一端にフランジ
部材を備え、上記細孔の芯ずれ位置方向表示部を、フェ
ルール及び/又はフランジ部の外表面に形成したことを
特徴とする。
【0010】さらに本発明は、中央に細孔を有するフェ
ルールに光ファイバの一端を挿入固定し、このフェルー
ルの周囲にプラグハウジングを備えてなる光ファイバコ
ネクタであって、上記フェルールに固定された光ファイ
バ端面の芯ずれ位置方向表示部を、上記プラグハウジン
グに形成したことを特徴とする。
【0011】即ち、フェルール、フランジ部材、プラグ
ハウジングのいずれかに、予め細孔又は光ファイバ端面
の芯ずれ位置方向表示部を形成しておけば、この芯ずれ
方向が一致するように一対の光コネクタ同士を当接させ
ることによって、接続損失を最小にできるようにしたも
のである。
【0012】なお、本発明における芯ずれ方向とは、フ
ェルールの中心点からみた細孔又は光ファイバ端面の中
心点の方向のことである。そして、本発明では芯ずれ位
置方向表示部は、基本的にフェルールの中心点からみた
細孔又は光ファイバ端面の中心点の方向の延長線上に形
成することで統一する。ただし、逆に、フェルールの中
心点からみた細孔又は光ファイバ端面の中心点の方向と
正反対の方向に芯ずれ位置方向表示部を形成して統一す
ることもできる。いずれの場合も、芯ずれ方向と芯ずれ
位置方向表示部の位置関係を明確に定義し、統一してお
くことが重要である。
【0013】さらに、本発明では、上記細孔又は光ファ
イバ端面の実際の芯ずれ方向に対して、芯ずれ位置方向
表示部が±30°以内の範囲に形成されていることを特
徴とする。
【0014】即ち、実際の芯ずれ方向に対して、芯ずれ
位置方向表示部を±30°以内に形成しておけば、充分
に接続損失を小さくできることを見出した。そのため、
芯ずれ方向と識別表示部の位置を完全に一致させる必要
がなく、容易に製造することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施形態を図によっ
て説明する。
【0016】まず、第1の実施形態として、光ファイバ
フェルールの単体を図1に示す。このフェルール1は、
光ファイバを挿入固定するための細孔1aを有する円筒
状体であり、この細孔1aの後端側に光ファイバを挿入
しやすくするためのコーン部1bを備え、先端側外周部
に面取り1cを形成してある。
【0017】また、フェルール1の外周側面には、マー
キングからなる芯ずれ位置方向表示部1dを形成してあ
る。即ち、上述したように、フェルール1の中心に対し
て細孔1aの中心が微小にずれることを避けられない
が、この芯ずれの方向を予め測定し、その方向に芯ずれ
位置方向表示部1dを形成するのである。
【0018】そのため、このフェルール1を用いて光コ
ネクタを構成する際に、上記芯ずれ位置方向表示部1d
が一致するように、一対のフェルール1を当接させれ
ば、互いの芯ずれ方向が一致することによって、接続損
失を低くすることができる。
【0019】なお、上記芯ずれ位置方向表示部1dを成
すマーキングは、ペン等で記載したり、塗料等を塗布し
たり、シール等を貼付したりするなど、さまざまな手段
を用いることができる。また、詳細を後述するように、
このフェルール1をフランジ部材2やプラグハウジング
4等に接合し、これらのフランジ部材2やプラグハウジ
ング4にも芯ずれ位置方向表示部を形成する場合は、最
終的にフェルール1自体の芯ずれ位置方向表示部1dは
必要なくなるため、例えばエタノール等でマーキングを
消して除去することもできる。
【0020】なお、マーキングからなる芯ずれ位置方向
表示部1dを形成する部位は、図1に示す位置に限ら
ず、フェルール1の端面や面取り1cなどさまざまな部
位に形成することができる。
【0021】また、芯ずれ位置方向表示部1dの他の実
施形態として、図2(a)に示すように、面取り1cに
切り欠きを形成して芯ずれ位置方向表示部1dとするこ
ともできる。この位置に形成すれば、フェルール1の先
端面同士を突き合わせて接続する際に、先端面に存在す
るゴミ等を逃がすこともできる。
【0022】さらに、芯ずれ位置方向表示部1dの他の
実施形態として、図2(b)に示すようにフェルール1
の外周側面の後端部に切り欠きからなる芯ずれ位置方向
表示部1dを形成することもできる。この場合、後述す
るように、フランジ部材2を樹脂のインサート成形で形
成する際に、切り欠きからなる芯ずれ位置方向表示部1
dを係止部として作用させることができる。
【0023】なお、図2(a)(b)に示すような切り
欠きからなる芯ずれ位置方向表示部1dの断面形状は、
図2(c)〜(g)に示すように丸溝、角溝等さまざま
な形状とすることができる。
【0024】また、本発明の芯ずれ位置方向表示部1d
は、上述したマーキングや切り欠きに限るものではな
く、さまざまな手段を用いて芯ずれ方向を表示しておけ
ば良い。
【0025】なお、上記フェルール1の材質としては、
樹脂、金属、セラミックス等を用いるが、特にジルコニ
アを主成分とするセラミックスが最適である。具体的に
は、ZrO2 を主成分とし、安定化剤としてY2 3
MgO、CaO、CeO2 、Dy2 3 等の一種以上を
含有するもので、正方晶の結晶を主体とした部分安定化
ジルコニアセラミックスを用いる。また、このようなジ
ルコニアセラミックス製のフェルール1を製造する場合
は、上記の原料粉末を用い、押出成形や射出成形等で所
定形状に成形した後、焼成することによって得られる。
【0026】そして、得られたフェルール1に芯ずれ位
置方向表示部1dを形成する場合は、図3(a)に示す
ようにV溝21を有する治具20上にフェルール1を載
置して、細孔1aをカメラ等で撮影しながらフェルール
1を回転させれば、図3(b)にモニタ画面を示すよう
に、細孔1aの芯ずれによって内径線が移動し、これが
最大にずれた所でフェルール1の回転を止めて、その位
置に芯ずれ位置方向表示部1dを形成すれば良い。
【0027】このようにすれば、フェルール1の中心点
からみた細孔1aの中心点の方向の延長線上に芯ずれ位
置方向表示部1dを形成することができる。
【0028】次に、第2の実施形態を説明する。
【0029】図4に示すように上述したフェルール1の
後端部に、貫通孔2aを有するフランジ部材2を備え、
これらフェルール1及び/又はフランジ部材2に細孔1
aの芯ずれ位置方向表示部を形成することもできる。
【0030】フェルール1に芯ずれ位置方向表示部1d
を形成する場合は、図1、2に示す第1の実施形態と同
様にすれば良い。
【0031】また、フランジ部材2に芯ずれ位置方向表
示部2cを形成する場合は、図5(a)(b)に示すよ
うに、フランジ部材2の外周面に1カ所の溝や切り欠き
を備えたり、図5(c)に示すように2カ所以上の溝を
備えてその幅を変えたり、図5(d)に示すように突起
を形成したり、図5(e)(f)に示すように外周面を
多角形として溝又は突起を形成したり、図5(g)に示
すように外周面を多角形としてその一部の形状を変形さ
せたり、あるいは第1の実施例と同様にマーキングを施
すなど、さまざまな構造とすることができる。
【0032】このように、フェルール1及び/又はフラ
ンジ部材2に芯ずれ位置方向表示部1d、2cを形成し
ておけば、光ファイバを保持した一対のフェルール1同
士の端面を当接させる際に、互いの芯ずれ方向を一致さ
せることによって、接続損失を少なくすることができ
る。
【0033】また、フランジ部材2は金属又は樹脂から
なるものである。そして、フェルール1とフランジ部材
2の接合方法は、図4(a)に示すように、フランジ部
材2の凹部2bにフェルール1を圧入したり、あるいは
両者間を接着剤で接合したり、さらには図4(b)に示
すようにフランジ部材2を樹脂で形成してインサート成
形によってフェルール1と接合することもできる。
【0034】図4(b)のように樹脂のインサート成形
でフランジ部材2を形成する場合は、前述したようにフ
ェルール1に切り欠きからなる芯ずれ位置方向表示部1
dを形成しておき、この部分がフランジ部材2に埋め込
まれるようにしておけば、芯ずれ位置方向表示部1dが
係止部を兼用することができる。
【0035】なお、図4に示すようなフランジ部材2を
備えたフェルール1を作製する場合の具体的な方法は以
下の通りである。
【0036】まず、第1の実施形態に示すような芯ずれ
位置方向表示部1dを備えたフェルール1と、予め芯ず
れ位置方向表示部2cを備えたフランジ部材2を用意
し、両者の芯ずれ位置方向表示部1d、2cが一致する
ように接合すれば良い。
【0037】他の方法としては、芯ずれ位置方向表示部
1dを備えていないフェルール1に、芯ずれ位置方向表
示部2cを備えていないフランジ部材2を接合し、この
状態で前述した図3に示す方法で芯ずれ方向を検出し、
フランジ部材2に芯ずれ位置方向表示部2cをを形成す
ることもできる。
【0038】さらに他の方法としては、芯ずれ位置方向
表示部1dを備えていないフェルール1に対し、図3に
示す方法で芯ずれ方向を検出し、この状態でフェルール
1を保持しておいて、予め芯ずれ位置方向表示部2cを
備えたフランジ部材2を、芯ずれ方向と一致するように
接合することもできる。
【0039】次に第3の実施形態を説明する。
【0040】図6、7に示すように、上述したようなフ
ェルール1の後端部にフランジ部材2を備え、このフラ
ンジ部材2をバネ3等で付勢した状態でプラグハウジン
グ4内に配置し、該プラグハウジング4の外周にネジ等
の取付部材6を備え、上記フェルール1の細孔1aに光
ファイバ5の端面を挿入固定して、コネクタプラグ11
を構成する。一方、アダプタ12には上記フェルールを
挿入するためのスリーブ8と、取付部材6に合致するよ
うなネジ12aを備えている。
【0041】いま、アダプタ12の両側からコネクタプ
ラグ11を挿入して、フェルール1をスリーブ8内に挿
入し、互いのフェルール1の端面同士を当接させ、取付
部材6で固定すれば光コネクタを構成することができ
る。
【0042】また、プラグハウジング4には光ファイバ
5の端面の芯ずれ方向を示す芯ずれ位置方向表示部4b
を成す突起を形成してあり、一方アダプタ12には溝1
2bを備えており、この溝12bにプラグハウジング4
の芯ずれ位置方向表示部4bを係合させて挿入すること
によって、互いの光ファイバ5の端面の芯ずれ方向を一
致させることができ、接続損失を小さくすることができ
る。
【0043】なお、このような光コネクタを作製するた
めには、上述した第1、第2の実施形態に示すフェルー
ル1単体、又はフランジ部材2を備えたフェルール1を
用いる。即ち、予め細孔1aの芯ずれ方向を示す芯ずれ
位置方向表示部1d、2cを備えたフェルール1を用
い、一方プラグハウジング4に予め芯ずれ位置方向表示
部4bを成す突起を形成しておいて、両方の芯ずれ位置
方向表示部が一致するように組み立てれば良い。
【0044】例えば、フランジ部材2の外周面に図5に
示すような溝や突起等の芯ずれ位置方向表示部2cを形
成し、一方プラグハウジング4の内周面に、これに合致
する係合部4aを形成しておいて、両者を係合させれば
よい。
【0045】このようにすれば、フェルール1の細孔1
aの芯ずれ方向と、プラグハウジング4の芯ずれ位置方
向表示部4bを一致させることができ、その結果、上記
細孔1aに保持した光ファイバ5の端面の芯ずれ方向と
プラグハウジング4の芯ずれ位置方向表示部4bを一致
させることができる。
【0046】なお、厳密にみれば、細孔1aと光ファイ
バ5の間の隙間や、光ファイバ5自体のコアの芯ずれ等
が考えられるが、これらは極めて微小なものであるた
め、細孔1aの芯ずれ方向とこれに保持した光ファイバ
5端面の芯ずれ方向とは、実質的に同一である。
【0047】なお、以上の第1〜第3の実施形態では、
細孔1a又は光ファイバ5端面の芯ずれ方向と、芯ずれ
位置方向表示部1d、2c、4bを一致させることを特
徴とするが、本発明では、必ずしも両者を完全に一致さ
せる必要はなく、両者の成す角度が±30°以内となっ
ていればよい。
【0048】即ち、フェルール1又はコネクタプラグ4
の断面において、図8に示すようにフェルール1の中心
点Aからみた細孔1aの中心点Bの方向、即ち真の芯ず
れ方向Cに対し、実際の芯ずれ位置方向表示部1dの成
す角度θが−30〜30°の範囲内となっていれば、充
分に接続損失を小さくできることを見出した。
【0049】したがって、上記の製造工程で、各芯ずれ
位置方向表示部1d、2c、4bを形成する工程や、フ
ェルール1とフランジ部材2を接合する工程等では、±
30°の範囲内としておけば良いことから、厳密な位置
合わせを行う必要がなく、製造工程を簡略化できる。
【0050】なお、コネクタプラグ11においては、フ
ェルール1、フランジ部材2、プラグハウジング4を互
いに接合又は係合させて組み立てていることから、互い
の部材の間の位置合わせ精度やクリアランス等が生じ
る。したがって、これらの位置合わせ精度やクリアラン
スも含めて、プラグハウジング4の芯ずれ位置方向表示
部4bが、フェルール1における光ファイバ5端面の芯
ずれ方向から±30°以内となるように形成しておけば
良い。
【0051】また、図8に破線で示すように、芯ずれ位
置方向表示部1dと正反対の位置にも、明確に区別でき
る形状の芯ずれ位置方向表示部1d’を形成しておけ
ば、芯ずれ方向を明瞭に識別することができる。
【0052】ここで、上記真の芯ずれ方向Cに対する芯
ずれ位置方向表示部1dのなす角度θを変化させた場合
の接続損失を以下のようにして算出した。
【0053】まず、比較例1として、同芯度が1.4μ
mのフェルールを用いて、全く芯ずれ方向の調整を行わ
ない場合、図9(a)に示すように、互いに当接する2
つの光ファイバ5の端面は、フェルール1の中心Aに対
して直径1.4μmの円内(図の斜線部分)のどこにく
るかわからないため、最大で両者間の芯ずれ量は1.4
μmとなる。
【0054】この時の接続損失Lは、 L=4.34(d/ω)2 ただし、d:芯ずれ量 ω:スポットサイズ=コア径/2×1.1=5.5
〔μm〕 で表されるため、最大接続損失Lmax は、 Lmax =4.34×(1.4/5.5)2 =0.28 〔dB〕 となる。
【0055】また、比較例2として、図10に示すよう
にフェルール1を90°おきに調整できるようにしたも
のでは、2つの光ファイバ5の端面は、図9(b)に示
すように直径1.4μmの円内の中心角90°の扇形の
範囲内(図中斜線部分)にくることになり、この場合の
最大の芯ずれ量は、扇形の両端間の距離となり、このと
き d=1.4/2×sin45°×2 =0.990 〔μm〕 となる。したがって、最大接続損失Lmax は、 Lmax =4.34×(0.99/5.5)2 =0.14 〔dB〕 となる。
【0056】これらに対し、本発明の実施例では、各コ
ネクタプラグ4において、芯ずれ方向が芯ずれ位置方向
表示部4bから±30°の範囲にあることから、2つの
光ファイバ5の端面は、図9(c)に示すように直径
1.4μmの円内の中心角60°の扇形の範囲内(図中
斜線部分)にくることになり、この場合の最大の芯ずれ
量は、扇形の両端間の距離となり、このとき d=1.4/2×sin30°×2 =0.70 〔μm〕 となる。したがって、最大接続損失Lmax は、 Lmax =4.34×(0.7/5.5)2 =0.07 〔dB〕 となる。
【0057】さらに、本発明実施例で、芯ずれ方向と芯
ずれ位置方向表示部4bを完全に一致させた場合は、2
つの光ファイバ5の端面は図9(d)に示すように、直
径1.4μmの円のある半径上にくることになり、両者
の最大芯ずれ量は0.7μmとなる。
【0058】したがって、最大接続損失Lmax は、 Lmax =4.34×(0.7/5.5)2 =0.07 〔dB〕 となる。
【0059】以上をまとめると、表1に示す通りであ
り、この結果より、真の芯ずれ方向に対する芯ずれ位置
方向表示部4bの角度θを±30°以内とした本発明実
施例では、最大接続損失を0.07dBとすることがで
き、比較例に比べて格段に小さくすることができる。
【0060】しかも、芯ずれ位置方向表示部4dと芯ず
れ方向の角度θを30°としたものと、両者を完全に一
致させたもの(θ=0°)では最大接続損失が同じであ
ることもわかる。したがって、芯ずれ位置方向表示部4
dと芯ずれ方向は完全に一致させる必要がなく、±30
°以内としておけば良い。
【0061】
【表1】
【0062】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、中央に光
ファイバを挿入固定するための細孔を有するフェルール
であって、上記細孔の芯ずれ位置方向表示部を外表面に
形成したことによって、この芯ずれ方向が一致するよう
に一対のフェルール同士を当接させれば、接続損失を最
小にすることができる。
【0063】また本発明は、中央に細孔を有するフェル
ールに光ファイバの一端を挿入固定し、このフェルール
の周囲にプラグハウジングを備えてなる光ファイバコネ
クタであって、上記フェルールに固定された光ファイバ
端面の芯ずれ位置方向表示部を、上記プラグハウジング
に形成したことによって、この芯ずれ方向が一致するよ
うに一対の光コネクタ同士を当接させることによって、
接続損失を最小にすることができる。
【0064】さらに、本発明では、上記細孔又は光ファ
イバ端面の芯ずれ方向に対して、芯ずれ位置方向表示部
を±30°以内の範囲に形成することによって、厳密に
位置合わせする必要がないため、製造工程を簡略化する
ことができ。
【0065】したがって、本発明によれば、接続損失の
すくない高性能の光コネクタを安価に提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ファイバフェルールを示しており、
(a)は端面図、(b)は側面図である。
【図2】本発明の光ファイバフェルールの他の実施形態
を示しており、(a)は端面図、(b)は側面図、
(c)〜(g)はX−X線断面図のさまざまな例を示す
図である。
【図3】本発明の光ファイバフェルールに芯ずれ位置方
向表示部を形成する方法を説明するための図である。
【図4】(a)(b)は本発明の光ファイバフェルール
の他の実施形態を示す縦断面図である。
【図5】(a)〜(g)は、図4に示す光ファイバフェ
ルールの端面図のさまざまな例を示す図である。
【図6】本発明の光ファイバコネクタを示す斜視図であ
る。
【図7】本発明の光ファイバコネクタを示す縦断面図で
ある。
【図8】フェルール1の芯ずれ方向を説明するための図
である。
【図9】(a)〜(d)は、本発明及び比較例の光ファ
イバコネクタにおける、一対の光ファイバ端面の位置ず
れ量を説明するための図である。
【図10】(a)は従来の光ファイバコネクタを成すコ
ネクタプラグの横断面図、(b)はこれに用いるフェル
ールを示す側面図である。
【符号の説明】
1:フェルール 1a:細孔 1d:芯ずれ位置方向表示部 2:フランジ部材 2c:芯ずれ位置方向表示部 3:バネ 4:プラグハウジング 4b:芯ずれ位置方向表示部 5:光ファイバ 6:取付部材 8:スリーブ 11:コネクタプラグ 12:アダプタ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中央に光ファイバを挿入固定するための細
    孔を有するフェルールであって、その外表面に上記細孔
    の芯ずれ位置方向表示部を形成したことを特徴とする光
    ファイバフェルール。
  2. 【請求項2】中央に光ファイバを挿入固定するための細
    孔を有するフェルールの一端にフランジ部材を備え、こ
    れらフェルール及び/又はフランジ部の外表面に、上記
    細孔の芯ずれ位置方向表示部を形成したことを特徴とす
    る光ファイバフェルール。
  3. 【請求項3】中央に細孔を有するフェルールに光ファイ
    バの一端を挿入固定し、このフェルールの周囲にプラグ
    ハウジングを備えてなるコネクタプラグと、このコネク
    タプラグを挿入するアダプタとからなる光ファイバコネ
    クタであって、上記プラグハウジングに、フェルールに
    固定された光ファイバ端面の芯ずれ位置方向表示部を形
    成したことを特徴とする光ファイバコネクタ。
  4. 【請求項4】上記芯ずれ位置方向表示部が、実際の細孔
    または光ファイバ端面の芯ずれ方向に対して、±30°
    以内の範囲に形成されていることを特徴とする請求項
    1、2又は3記載の光ファイバコネクタ。
JP16311197A 1997-06-19 1997-06-19 光ファイバフェルール及びこれを用いた光ファイバコネクタ Expired - Fee Related JP3493281B2 (ja)

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JP4548988B2 (ja) * 2001-08-30 2010-09-22 京セラ株式会社 光アイソレータ付きレセプタクルとその組立方法
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