JPH1114826A - 偏光分離素子および光ピックアップ装置 - Google Patents

偏光分離素子および光ピックアップ装置

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JPH1114826A
JPH1114826A JP9162380A JP16238097A JPH1114826A JP H1114826 A JPH1114826 A JP H1114826A JP 9162380 A JP9162380 A JP 9162380A JP 16238097 A JP16238097 A JP 16238097A JP H1114826 A JPH1114826 A JP H1114826A
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JP
Japan
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light
film
separation element
polarization
polarization separation
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Application number
JP9162380A
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English (en)
Inventor
Tadashi Takeda
正 武田
Kazuo Kobayashi
一雄 小林
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Nidec Sankyo Corp
Original Assignee
Nidec Sankyo Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリジアセチレン誘電体膜を用いた偏光分離
素子において、その光学特性が外光に含まれる紫外線に
よって劣化することのない構成を提案すること。 【解決手段】 偏光分離素子1は、光学的等方性基板と
してのガラス基板10を有している。ガラス基板10の
第1の表面101にはポリジアセチレン誘電体膜からな
る薄膜11が成膜されている。この薄膜11には、当該
薄膜11に選択的に紫外線を照射することにより周期格
子12が形成されている。ガラス基板10の第2の表面
102には紫外線遮断膜13が形成されている。偏光分
離素子1を、外光が進入してくる方向に紫外線遮断膜1
3が位置するように配置すれば、外光に含まれる紫外線
から薄膜11を保護することができる。従って、薄膜1
1の光学特性が劣化するのを防ぐことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種の光学装置、
特に光ピックアップ装置に用いられる偏光分離素子に関
するものである。さらに詳しくは、ポリジアセチレン誘
電体膜からなる薄膜を用いて形成された偏光分離素子に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】各種の光学装置には、偏光方向によって
回折効率が異なる偏光分離素子が用いられている。この
偏光分離素子としては、ニオブ酸リチウムや酸化チタン
等の光学的異方性基板を使用したものが知られている。
特開平1−177505号公報には、ニオブ酸リチウム
を用いた偏光分離素子が開示されている。このように光
学的異方性基板を使用した偏光分離素子では、その基板
の表面に凹凸を形成し、凹部に適当な屈折率の充填剤を
埋め込むことによって周期格子を形成している。
【0003】しかし、ニオブ酸リチウムや酸化チタン等
の光学的異方性基板は単結晶製造装置を用いて製造され
るので、光学的異方性基板を用いた偏光分離素子は、基
板自体が高価なものとなってしまう。
【0004】そこで、本出願人は、特開平7−3252
17号公報において、光学的等方性基板の表面にポリジ
アセチレン誘電体膜からなる周期格子を形成した偏光分
離素子を提案している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ポリジアセチレン誘電
体膜は、紫外線を照射することにより徐々に低分子化し
て、その光学特性(屈折率)が変化する性質を持ってい
るので、紫外線を含む太陽光等によってその光学特性が
変化してしまう。このため、ポリジアセチレン誘電体膜
を用いた偏光分離素子は、外光によってその光学特性が
劣化して、偏光分離素子としての機能を果たさなくなる
可能性がある。
【0006】本発明の課題は、このような点に鑑みて、
ポリジアセチレン誘電体膜を用いた偏光分離素子におい
て、その光学特性が外光によって劣化することのない構
成を提案することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明の偏光分離素子では、第1および第2の表面
を備えた光学的等方性基板と、当該光学的等方性基板の
前記第1の表面に形成されたポリジアセチレン誘電体膜
からなる薄膜と、当該薄膜に選択的に紫外線を照射する
ことにより当該薄膜の表面に形成された周期格子とを有
する偏光分離素子において、前記光学的等方性基板の前
記第2の表面、および前記周期格子の表面のうちの少な
くとも一方の表面に形成された紫外線遮断膜を有する構
成を採用している。
【0008】このように構成した偏光分離素子では、外
光が進入してくる方向に紫外線遮断膜が位置するように
偏光分離素子を配置すれば、外光に含まれる紫外線を紫
外線遮断膜によって遮断できるので、ポリジアセチレン
誘電体膜を当該紫外線から保護することができる。従っ
て、外光によってポリジアセチレン誘電体膜の光学特性
が変化してしまう事態を回避でき、外光に対する耐久性
に優れた偏光分離素子を提供できる。
【0009】ポリジアセチレン誘電体膜の光学特性を劣
化させる紫外線としては、主に、波長が350nm以下
の紫外線である。このため、紫外線遮断膜に対しては、
350nm以下の波長帯域の光を遮断可能な光学特性を
付与することが望ましい。このような紫外線遮断膜とし
ては、例えば、SiO2 とTiO2 の組み合わせ膜、ま
たはMgF2 とTiO2 の組み合わせ膜が挙げられる。
【0010】ここで、光学的等方性基板自身が紫外線を
遮断する光学特性を持っているものであれば、紫外線遮
断膜を必ずしも設けなくても良い。すなわち、第1およ
び第2の表面を備えた光学的等方性基板と、当該光学的
等方性基板の前記第1の表面に形成されたポリジアセチ
レン誘電体膜からなる薄膜と、当該薄膜に選択的に紫外
線を照射することにより当該薄膜の表面に形成された周
期格子とを有する偏光分離素子において、前記光学的等
方性基板が350nm以下の波長帯域の光を遮断可能な
光学特性を備えている構成である。
【0011】このような偏光分離素子が、構成上、外光
が進入してくる方向に周期格子が位置するように配置さ
れる場合には、周期格子の表面に紫外線遮断膜を形成す
るようにすれば良い。また、この紫外線遮断膜に対して
350nm以下の波長帯域の光を遮断可能な光学特性を
付与しておくことが好ましいのは前述した通りである。
【0012】本発明の偏光分離素子は、レーザ光源と、
当該レーザ光源からの出射光を光記録媒体に集光する対
物レンズと、光記録媒体からの戻り光を光検出器に導く
光学素子とを有する光ピックアップ装置において、光記
録媒体からの戻り光を光検出器に導くための偏光分離素
子として用いることができる。このように本発明の偏光
分離素子を光ピックアップ装置に用いる場合には、外光
の進入方向に応じて偏光分離素子を配置すれば良い。
【0013】例えば、紫外線を含んだ外光が対物レンズ
を通って進入する場合には、偏光分離素子を、紫外線遮
断膜が形成された表面が対物レンズを介して導かれた戻
り光の光入射面となるように配置しておけば良い。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照して本発明を
適用した偏光分離素子を説明する。図1は偏光分離素子
の斜視図である。この図に示すように、偏光分離素子1
は、第1および第2の表面101、102を備えた光学
的等方性基板としてのガラス基板10と、このガラス基
板10の第1の表面101に所定の膜厚で形成された薄
膜11と、この薄膜11に選択的に紫外線を照射するこ
とにより形成された周期格子12とを有している。
【0015】薄膜11は、ポリジアセチレン誘電体膜か
ら形成されており、このポリジアセチレン誘電体膜は、
以下の化学式(1)に示されるポリジアセチレン誘電体
から形成されている。ガラス基板10の表面101に
は、ポリジアセチレン誘電体膜11を配向するための下
地膜としてのフィルム層(図示せず)が成膜されてい
る。
【0016】
【化1】
【0017】ここで、ポリジアセチレン誘電体として
は、化学式(1)における側鎖基R、R’が以下の化学
式(2)〜(9)で表されるものを用いることができ
る。なお、化学式(2)〜(9)によって構成されるポ
リジアセチレン誘電体は、ジアセチレンモノマーをポリ
マー化したものである。
【0018】
【化2】
【0019】
【化3】
【0020】
【化4】
【0021】
【化5】
【0022】
【化6】
【0023】
【化7】
【0024】
【化8】
【0025】
【化9】
【0026】ポリジアセチレン誘電体膜11は、図1か
ら分かるように、X−Y平面内で配向されており、主鎖
方向(配向方向)矢印Hで示すようにY軸方向となって
いる。
【0027】このようなポリジアセチレン誘電体膜11
は、紫外線が照射されると、分子鎖が切断され、青色、
赤色、透明の順に、あるいは、青色にならず赤色、透明
の順に色相変化を起こし、この変化に伴って配向方向H
における屈折率が下がる性質を持っている。なお、色相
変化を起こす方法としては、熱処理、有機溶媒浸漬等が
ある。
【0028】本例では、この性質を利用して、ポリジア
セチレン誘電体膜11の配向方向における屈折率が周期
的に変化するように形成してある。すなわち、ポリジア
セチレン誘電体膜11に選択的に紫外光を照射して色相
変化させた色相変化部121と、紫外光が照射されずに
色相変化しなかった非色相変化部122とによって周期
格子12を形成してある。従って、本例の偏光分離素子
1では、配向方向Hの屈折率は周期的に変化し、それに
対して垂直な方向Iの屈折率はほとんど変化しない。こ
のため、配向方向Hの偏光には回折格子として機能し、
配向方向Hに垂直な偏光は透過する。
【0029】このように構成された偏光分離素子1にお
いては、次のような回折特性が得られる。図2には、偏
光分離素子1の各部分に、それらの厚さおよび屈折率を
表す符号を付してある。これらの内容は次の通りであ
る。
【0030】t :ガラス基板10の厚さ d :ポリジアセチレン誘電体膜11の膜厚 ns:ガラス基板10の屈折率 nc:周期格子12の色相変化部121の屈折率 no:周期格子12の非色相変化部122の常光屈折率 ne:周期格子12の非色相変化部122の異常光屈折
率 また、偏光分離素子1の通過光としては、波長がλの半
導体レーザを用いるものとし、k=2π/λとする。以
下の説明において、常光とは、図1に矢印Iで示すよう
に配向方向Hと直交する方向に振動する偏光であり、異
常光とは、配向方向Hに振動する偏光である。
【0031】まず、色相変化部121は、配向性を失っ
ているので、色相変化部121の常光に対する屈折率n
cと非色相変化部122の常光に対する屈折率noとは
ほぼ等しくなる。従って、本例の偏光分離素子1は、常
光に対しては回折格子としては機能せず全てを透過させ
る。一方、色相変化部121の異常光に対する屈折率n
eと、非色相変化部122の異常光に対する屈折率nc
との関係は、ne>ncであるので、本例の偏光分離素
子1は、異常光に対しては回折格子として機能する。
【0032】この回折格子としての機能に関し、非色相
変化部122(図2におけるAの経路)を通過する異常
光の位相は、 {ns・t+ne・d}・k ・・・式(1) で表される。
【0033】また、色相変化部121(図2におけるB
の経路)を通過する異常光の位相は、 {ns・t+nc・d}・k ・・・式(2) で表される。
【0034】従って、各経路A、Bに対応する異常光の
位相差OPD(e)は[式(2)−式(1)]より、 位相差OPD(e)=(ne−nc)・d・k ・・・式(3) となる。
【0035】よって、本例の偏光分離素子1は、異常光
に対して式(3)で表される回折格子として機能する。
【0036】本例の偏光分離素子1は、例えば、MO等
の光磁気記録媒体に対する光ピックアップにおいて、そ
れを構成する光学素子の1つとして用いることができ
る。このような用途では、偏光分離素子1は、異常光の
全てを回折させるようにすることが望ましい。
【0037】このように回折させるようにするには、 位相差OPD(e)=(ne−nc)・d・k =π ・・・式(4) となるような膜厚dを成膜すればよい。
【0038】なお、本例の偏光分離素子1の回折効率に
ついては、例えば、図3に示すように、ポリジアセチレ
ン誘電体膜11の膜厚が2.5μmとされた偏光分離素
子1に波長が780nmの光が入射した場合、この光の
偏光面と偏光分離素子10の配向方向の角度によって、
透過光(0次光)と、回折光(±1次回折光)の回折効
率が変化する。このため、回折光の回折効率を良くする
ためには、光の偏光面と配向方向を合わせればよい。
【0039】図1に戻り、本例の偏光分離素子1におい
て、ガラス基板10の第2の表面102には紫外線遮断
膜13が形成されている。この紫外線遮断膜13は、S
iO2 とTiO2 の組み合わせ膜、またはMgF2 とT
iO2 の組み合わせ膜からなり、350〜500nm以
下の波長帯域の光を遮断可能な光学特性が付与されてい
る。このため、偏光分離素子1を、太陽光等の外光が進
入してくる方向に対して紫外線遮断膜13が位置するよ
うに配置すれば、外光に含まれる紫外線を紫外線遮断膜
13によって遮断でき、ポリジアセチレン誘電体膜11
を当該紫外線から保護することができる。従って、外光
によってポリジアセチレン誘電体膜13の光学特性が変
化してしまうことを防ぐことができるので、外光に対す
る耐久性に優れた偏光分離素子を提供できる。
【0040】なお、偏光分離素子1では、ガラス基板1
0の第2の表面102に紫外線遮断膜13が形成されて
いる。この代わりに、周期格子12の表面に紫外線遮断
膜13を形成しても良い。この場合には、偏光分離素子
を、周期格子12が外光の進入方向に位置するように配
置すれば、ポリジアセチレン誘電体膜13を紫外線が含
まれる外光から保護することができる。また、ガラス基
板10の第2の表面102および周期格子12の表面の
双方に紫外線遮断膜13を形成しても良いのは勿論であ
る。
【0041】また、偏光分離素子1において、光学的等
方性基板として基板自身が紫外線を遮断可能な光学特性
を備えた光学的等方性基板を用いた場合には、必ずしも
紫外線遮断膜13を形成しなくても良い。この場合に
は、偏光分離素子を、外光が進入してくる方向に光学的
等方性基板の第2の表面102が位置するように配置す
れば、紫外線からポリジアセチレン誘電体膜11を保護
することができる。
【0042】次に、本例の偏光分離素子1の製造方法を
説明する。本例の偏光分離素子1の製造方法としては、
まず、図4(A)に示すように、ガラス基板10の第2
の表面102にSiO2 とTiO2 の組み合わせ膜、ま
たはMgF2 とTiO2 の組み合わせ膜からなる紫外線
遮断膜13を成膜する。
【0043】次に、ガラス基板10の第1の表面101
にポリエチレンテレフタレートからなるフィルム層を成
膜する。このフィルム層は、ポリエチレンテレフタレー
トを少量の1,1,1,3,3,3-Hexafluoro-2-propanol に飽和
するまで溶解させた後、1,1,2,2-Tetrachloroethane で
十倍に希釈し、この希釈した溶液から沈殿物などを取り
除いたものを光学的等方性を有するガラス基板10の第
1の表面にスピンコートする。フィルム層の膜厚は、例
えば、100nm〜200nmである。
【0044】次に、フィルム層の表面をシリコン、レー
ヨン、ポリエステル等のクロスで一方向にラビング処理
する。
【0045】次に、フィルム層の表面に、化学式(1)
に示すポリジアセチレン誘導体膜11を形成するための
ジアセチレンモノマーを真空蒸着法により成膜する。こ
の真空蒸着時には、ジアセチレンモノマーはラビング処
理された方向に自発的に配向する。本例では、上記の真
空蒸着を行うにあたって、抵抗加熱による加熱温度を1
24℃、蒸着速度0.05nm/秒〜0.5nm/秒、
圧力を1〜4×10-3Paとして、式(1)を満たす膜
厚のジアセチレンモノマーを成膜する。
【0046】次に、ジアセチレンモノマー膜を紫外光重
合してポリマー化する。この重合時には、超高圧水銀灯
の放射照度を約0.1W/cm-2とし、照射時間につい
ては膜厚120nmにつき12分(膜厚650nmで6
0分、膜厚1000nmで90分程度)として紫外光を
照射する。
【0047】次に、ポリジアセチレン上に紫外光を選択
的に照射して周期格子12を形成する。紫外光を照射す
るにあたっては、まず、図4(B)に示すように、ポリ
ジアセチレン上に回折格子のパターンが形成されたフォ
トマスク15(クロムマスク)を配置し、その上からコ
リメートされた平行な紫外光を照射する。この時の光源
としては超高圧水銀灯を用い、その強度を約0.9W/
cm-2、露光時間を膜厚650nmのもので40分〜6
0分(膜厚120nmのものでは、15分〜20分)程
度とする。これにより、図4(C)に示すように、フォ
トマスク15の透光部分に相当するポリジアセチレン
は、紫外光照射により分子鎖が切断され色相変化するの
で、前記の色相変化部122となる。一方、フォトマス
ク15の遮光部分に相当するポリジアセチレンは、色相
変化せず、前記の非色相変化部122となる。以上の工
程を経て、図1に示したような偏光分離素子1が製造さ
れる。
【0048】次に、本例の偏光分離素子1を用いた光ピ
ックアップ装置の一例を説明する。図5(A)には偏光
分離素子1を用いた光ピックアップ装置の光学系の一例
を示してある。この図に示すように、光ピックアップ装
置20の光学系は、レーザ光源として半導体レーザ21
と、光磁気記録媒体27からの戻り光を検出する光検出
器26を有している。
【0049】光ピックアップ装置20では、半導体レー
ザ21から光磁気記録媒体27に向かって、コリターレ
ンズ22、ビームスプリッター23、対物レンズ24が
この順序に配置されている。また、光磁気記録媒体27
から光検出器26に向かって、対物レンズ24、ビーム
スプリッター23、偏光分離素子1がこの順序に配置さ
れている。
【0050】光ピックアップ装置20の光学系におい
て、半導体レーザ21から出射されたレーザ光は、コリ
メータレンズ22で平行光に変換され、ビームスプリッ
ター23を通過した後、対物レンズ24を介して光磁気
記録媒体27に光スポットとして集光する。
【0051】集光したレーザ光は、光磁気記録媒体27
に記録されたデータに従って偏光面が回転されて反射さ
れる。この光磁気記録媒体27からの戻り光は、対物レ
ンズ24を介してビームスプリッター23に再び入射す
る。この入射した戻り光は、ビームスプリッター23に
よって進行方向が90度折り曲げられて、偏光分離素子
1に導かれる。
【0052】ここで、偏光分離素子1は、第2の表面1
02が対物レンズ25を介して導かれる戻り光の光入射
面となるように配置されている。また、ポリジアセチレ
ン誘電体膜11の膜厚を式(4)を満たす値としてあ
り、さらに、図5(B)に示すように、戻り光の偏光面
がポリジアセチレン誘電体膜11の配向方向に対して概
ね45度となるように配置されている。従って、偏光分
離素子10に入射する戻り光は、互いに直交する偏光の
成分(常光と異常光)に分けられ、偏光分離素子10を
透過する透過光(常光)と回折する回折光(異常光)と
に分かれる。
【0053】これらの光は光検出器26に導かれる。す
なわち、透過光は中央に位置するフォトダイオード26
1に集光し、回折光はフォトダイオード261の両サイ
ドに位置するフォトダイオード262、263に集光さ
れる。それぞれのフォトダイオード261〜263での
受光量から所定の検出が行われる。例えば、フォトダイ
オード262、263での受光量と、フォトダイオード
262での受光量との差分に基づいて、光磁気記録媒体
27に記録されたデータの検出が行われる。
【0054】このような光ピックアップ装置20におい
ては、外光が対物レンズ24を通って偏光分離素子1に
導かれる可能性がある。本例では、偏光分離素子1を、
第2の表面102が対物レンズ24を介して導かれる戻
り光の光入射面となるように配置されている。このた
め、対物レンズ24を通って偏光分離素子1に外光が導
かれたとしても、その外光に含まれている紫外線を紫外
線遮断膜13によって遮断でき、ポリジアセチレン誘電
体膜11を紫外線から保護することができる。この結
果、本発明を適用した偏光分離素子1を備えた光ピック
アップ装置20によれば、外光に対して高い信頼性を備
えた光ピックアップ装置を実現できる。
【0055】なお、光ピックアップ装置20を構成する
うえで、周期格子12が形成された表面101が戻り光
の光入射面となるように偏光分離素子を配置しなければ
ならない場合には、周期格子12の表面に紫外線遮断膜
13を形成しておけば良い。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の偏光分離
素子では、外光に含まれる紫外線を、紫外線遮断膜また
は紫外線を遮断可能な光学特性を備えた光学的等方性基
板によって遮断して、当該紫外線からポリジアセチレン
誘電体膜を保護するようにしている。従って、本発明に
よれば、外光に含まれる紫外線によってポリジアセチレ
ン誘電体膜の光学特性が劣化してしまうことを防ぐこと
ができ、外光に対する耐久性に優れた偏光分離素子を提
供できる。
【0057】また、偏光分離素子を光ピックアップ装置
の光学部品の一部として採用すれば、外光に対して高い
信頼性を備えた光ピックアップ装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した偏光分離素子の斜視図であ
る。
【図2】図1に示す偏光分離素子の回折特性を説明する
ための説明図である。
【図3】図1に示す偏光分離素子の回折効率と、配向方
向と通過する光の偏光面とがなす角度との関係を示すグ
ラフである。
【図4】図1に示す偏光分離素子の製造方法の一例を示
す図である。
【図5】図1に示す偏光分離素子を用いた光ピックアッ
プ装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1 偏光分離素子 10 ガラス基板 101 第1の表面 102 第2の表面 11 ポリジアセチレン誘電体膜(薄膜) 12 周期格子 13 紫外線遮断膜 20 光ピックアップ装置 21 半導体レーザ 22 コリメータレンズ 23 ビームスプリッタ 24 対物レンズ 26 光検出器

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1および第2の表面を備えた光学的等
    方性基板と、当該光学的等方性基板の前記第1の表面に
    形成されたポリジアセチレン誘電体膜からなる薄膜と、
    当該薄膜に選択的に紫外線を照射することにより当該薄
    膜の表面に形成された周期格子とを有する偏光分離素子
    において、 前記光学的等方性基板の前記第2の表面、および前記周
    期格子の表面のうちの少なくとも一方の表面に形成され
    た紫外線遮断膜を有することを特徴とする偏光分離素
    子。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記紫外線遮断膜は
    350nm以下の波長帯域の光を遮断可能な光学特性を
    備えていることを特徴とする偏光分離素子。
  3. 【請求項3】 第1および第2の表面を備えた光学的等
    方性基板と、当該光学的等方性基板の前記第1の表面に
    形成されたポリジアセチレン誘電体膜からなる薄膜と、
    当該薄膜に選択的に紫外線を照射することにより当該薄
    膜の表面に形成された周期格子とを有する偏光分離素子
    において、 前記光学的等方性基板は350nm以下の波長帯域の光
    を遮断可能な光学特性を備えていることを特徴とする偏
    光分離素子。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記周期格子の表面
    には紫外線遮断膜が形成されていることを特徴とする偏
    光分離素子。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記紫外線遮断膜は
    350nm以下の波長帯域の光を遮断可能な光学特性を
    備えていることを特徴とする偏光分離素子。
  6. 【請求項6】 レーザ光源と、当該レーザ光源からの出
    射光を光記録媒体に集光する対物レンズと、前記光記録
    媒体からの戻り光を光検出器に導く偏光分離素子とを有
    する光ピックアップ装置において、 前記偏光分離素子は、請求項1ないし5のいずれかも項
    に規定する偏光分離素子であることを特徴とする光ピッ
    クアップ装置。
  7. 【請求項7】 請求項6において、前記偏光分離素子
    は、前記紫外線遮断膜が形成された表面が前記対物レン
    ズを介して導かれた前記戻り光の光入射面となるように
    配置されていることを特徴とする光ピックアップ装置。
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WO2008001636A1 (fr) * 2006-06-26 2008-01-03 Asahi Glass Co., Ltd. composant optique pour faisceau laser
JPWO2008001636A1 (ja) * 2006-06-26 2009-11-26 旭硝子株式会社 レーザ光用光学部品

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