JPH11147767A - 窒化アルミニウム焼結体の製造方法 - Google Patents

窒化アルミニウム焼結体の製造方法

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JPH11147767A
JPH11147767A JP9312170A JP31217097A JPH11147767A JP H11147767 A JPH11147767 A JP H11147767A JP 9312170 A JP9312170 A JP 9312170A JP 31217097 A JP31217097 A JP 31217097A JP H11147767 A JPH11147767 A JP H11147767A
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JP
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aluminum nitride
nitride sintered
sintered body
degreasing
temperature
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JP9312170A
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Taku Yamamura
卓 山村
Takekazu Sakai
豪一 境
Yasuyuki Sugiura
康之 杉浦
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Furukawa Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 全体に組織が均一で緻密な熱伝導率の高い窒
化アルミニウム焼結体を製造する。 【解決手段】 窒化アルミニウム粉末に焼結助剤と有機
質バインダーとを添加した混合物を成形し、脱脂熱処理
を行った後焼成する窒化アルミニウム焼結体の製造方法
において、脱脂熱処理工程の途中で雰囲気を大気から窒
素に切り替えることにより、窒化アルミニウム焼結体の
残留カーボン量を小さくし、酸化を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、窒化アルミニウム
焼結体、特に電子・半導体用部品、構造用部品として要
求の高い、熱伝導性、電気絶縁性に優れた窒化アルミニ
ウム焼結体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、LSI(大規模集積回路)などの
半導体素子は、その集積度が上がるにしたがって発熱量
が増大するために、その発生した熱を速やかに外部へ伝
熱、放熱する必要が生じている。また、パワートランジ
スタ、レーザーダイオードなどの高出力半導体素子を実
装するための基板およびパッケージにおいても、素子の
動作時に発生する熱を短時間のうちに素子外へ放出しな
ければならない。
【0003】そこで、このような発熱量の大きい半導体
素子を実装するための熱伝導率の高い基板材料が求めら
れている。従来、熱伝導率の高い絶縁性基板として、酸
化ベリリウム(BeO)系焼結体が用いられてきたが、
毒性があるため使用範囲が限定されていた。
【0004】また、半導体製造装置のサセプターなどに
おいて、ウェハーの大口径化に伴い均熱性が要求され、
さらには、半導体素子の集積化、微細化への対応でプラ
ズマ、ハロゲンが使用されるため、耐プラズマ性、耐ハ
ロゲン性が要求されている。
【0005】窒化アルミニウムは、毒性がなく、熱伝導
率が高く、熱膨張率がAl2 3 より小さくシリコンウ
ェハーと同程度であり、耐プラズマ性、耐ハロゲン性を
有するため、好適な基板材料として注目されている。
【0006】窒化アルミニウムは、工業的に使用する場
合、次のような条件を満たす必要がある。 焼結体の組織が均一で緻密であり、その外観は色ムラ
がなく均一な色調であること。 熱伝導率が高いこと。 体積抵抗が大きいこと(>1012Ωcm)。 機械的強度が大きいこと。
【0007】上記のうちの条件は、窒化アルミニウム
焼結体を商品として考えた場合特に重要な問題となって
くる。この条件は、上記〜の窒化アルミニウムが本
来具有する優れた特性を実現するための要因となるから
である。また、窒化アルミニウム焼結体の表面に回路を
形成する場合、窒化アルミニウム焼結体の一部分に色ム
ラがあると特性差を生じるとともに回路検査が困難とな
り、しかも商品イメージが損なわれるので、事実上商品
価値がなくなる。その他に、外観の異常として網目状の
模様が焼結体の表面に発生することもあるが、この様な
異常も避けなければならない。
【0008】即ち、窒化アルミニウム焼結体に、優れた
特性を発揮させるためには、窒化アルミニウム焼結体
は、表面に色ムラや網目状の模様のような外観の異常が
なく、一様な色調となるように製造することが求められ
る。
【0009】窒化アルミニウムは本来難焼結性であるの
で、Y2 3 などの焼結助剤を添加する製造方法が検討
されている(特開昭60−127267号参照)。ま
た、窒化アルミニウム焼結体製造の際には、窒化アルミ
ニウム粉末に成形用のバインダーが添加される。
【0010】窒化アルミニウム焼結体の熱伝導率を高く
するためには、緻密な焼結体を製造し、かつ、焼結体中
の酸素や不純物量を減らすことが重要であることが知ら
れている。
【0011】そのため、バインダーの脱脂熱処理が、窒
化アルミニウム成形体の酸化を防止するため、窒素気流
中で行われる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、窒素気
流中で脱脂熱処理を行った場合、得られる窒化アルミニ
ウム焼結体の熱伝導率は向上するが、脱脂熱処理後に残
留するバインダー成分のカーボン量が大で、成形体の表
面と内部のカーボン量の濃度分布が不均一となって焼結
を阻害するので、組織が不均一となりやすい。これは窒
化アルミニウム焼結体が大型、肉厚形状である場合顕著
に発生する。
【0013】脱脂熱処理を大気気流中で行えば、残留カ
ーボン量を小さくできるが、窒化アルミニウム粉末が酸
化するので製品の熱伝導率の低下をきたす。本発明は、
窒化アルミニウム焼結体の製造におけるかかる問題を解
決するものであって、バインダーの脱脂熱処理工程にお
いて、カーボンを十分に除去し、かつ、窒化アルミニウ
ム粉末の酸化を防止することができ、大型、肉厚形状で
も全体に組織が均一で緻密な熱伝導率の高い窒化アルミ
ニウム焼結体を製造することのできる窒化アルミニウム
焼結体の製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、窒化アルミニ
ウム粉末に焼結助剤と有機質バインダーとを添加した混
合物を成形し、脱脂熱処理を行った後焼成する窒化アル
ミニウム焼結体の製造方法において、脱脂熱処理工程の
途中で雰囲気を大気から窒素に切り替えることにより、
残留カーボン量を小さくし、かつ、酸化を防止して、上
記課題を解決している。
【0015】本発明者は窒化アルミニウム粉末の酸化挙
動を鋭意研究の結果、大気気流中における窒化アルミニ
ウム粉末は、450℃以上で酸化を開始することを見出
した。有機質バインダーは、種類によるが、一般的に使
用されるポリビニールブチラール(PVB)系、アクリ
ル系などは200から500℃で熱分解する。
【0016】従って、400℃までの昇温ではカーボン
の除去が不十分になり、組織の不均一性を招く。しか
し、バインダーの熱分解で生成するカーボンを十分に除
去するために、大気気流中で500℃以上まで昇温する
と酸化して熱伝導率の低下をきたす。
【0017】よって、脱脂熱処理工程の途中の大気から
窒素への雰囲気の切り替えを300〜400℃で行な
い、その後、窒素雰囲気で昇温することで、カーボンを
十分に除去し、かつ、窒化アルミニウム粉末の酸化を防
止することができる。
【0018】その後、窒化アルミニウム成形体は窒素気
流中において1750から1900℃で焼成する。雰囲
気の切り替えが300℃以下の場合はカーボンの除去が
十分に行われず、焼結を阻害するとともに組織の不均一
化を招き、500℃以上の場合には酸化を招き熱伝導率
が低下するので、雰囲気の切り替えは300から400
℃が好ましく、350から400℃の範囲がより好まし
い。
【0019】また、カーボン除去をさらに十分に行うた
めには、雰囲気を切り替える前に保持工程を設けること
が好ましい。温度が低い場合には保持時間を長くするこ
とが望ましく、300℃では20時間以上、350℃で
は10時間以上の保持時間をとることが望ましい。これ
は、窒化アルミニウム焼結体が大型、肉厚形状である場
合とくに必要である。
【0020】
【発明の実施の形態】使用する窒化アルミニウム粉末
は、平均粒径0.5から2μm程度、粉末に含有される
酸素量は1%未満が好ましい。焼結助剤としては、Y2
3 粉末0.5から10重量%を窒化アルミニウム粉末
に添加する。Y2 3 粉末は、純度99.9%以上、平
均粒径5μm以下が好ましい。窒化アルミニウム粉末成
形用の有機質バインダーとしては、ポリビニールブチラ
ール(PVB)を適量添加する。
【0021】この窒化アルミニウム粉末に焼結助剤と有
機質バインダーとを添加した混合物を成形する。この成
形体を、まず脱脂炉にて、10から200l/minの
大気気流中で、温度300から400℃にて0から20
時間保持した後、窒素を導入し、10から100l/m
inの窒素気流中で昇温し600℃にて脱脂熱処理す
る。
【0022】次に、得られた脱脂体を、カーボンヒータ
ーを有する焼結炉にて、炉内雰囲気のカーボンを遮断す
るため窒化アルミニウム坩堝に充填し、常圧のもと窒素
気流中で焼成する。焼結温度は1750から1900℃
とする。1750℃未満では完全な緻密体を得られな
い。1950℃を超えると窒化アルミニウム焼結体の粒
成長が著しく特性が低下すると共に、焼成にかかるエネ
ルギーコストが増大するので実際的ではない。窒素流量
は、1から100l/minとする。
【0023】
【実施例】〔実施例1〜3〕平均粒径0.8μm、酸素
含有量1.0%、純度98%以上の窒化アルミニウム粉
末を主成分とし、これに平均粒径1.0μmのY2 3
を3重量%添加した。成形用有機質バインダーとしてポ
リビニールブチラール(PVB)を適量添加し、成形圧
力1000kg/cm2 を加えて50mm×50mmの
正方形で厚みが2mm、10mm、30mmとなる成形
体をそれぞれ成形した。
【0024】この3種の成形体を、まず脱脂炉におい
て、大気気流10から200l/minで、温度300
℃で10時間、それぞれ保持した後、窒素を導入し、1
0から100l/minの窒素気流中で昇温し600℃
にて脱脂熱処理した。
【0025】次に、得られた脱脂体を、焼結炉にて、窒
化アルミニウム坩堝に充填し、常圧のもと1から100
l/minの窒素気流中で、焼結温度を1750から1
900℃で4時間焼成して窒化アルミニウム焼結体を得
た。
【0026】〔実施例4〜6〕平均粒径0.8μm、酸
素含有量1.0%、純度98%以上の窒化アルミニウム
粉末を主成分とし、これに平均粒径1.0μmのY2
3 を3重量%添加した。成形用有機質バインダーとして
ポリビニールブチラール(PVB)を適量添加し、成形
圧力1000kg/cm2 を加えて50mm×50mm
の正方形で厚みが2mm、10mm、30mmとなる成
形体をそれぞれ成形した。
【0027】この3種の成形体を、まず脱脂炉におい
て、大気気流10から200l/minで、温度300
℃で20時間それぞれ保持した後、窒素を導入し、10
から100l/minの窒素気流中で昇温し600℃に
て脱脂熱処理した。
【0028】次に、得られた脱脂体を、焼結炉にて、窒
化アルミニウム坩堝に充填し、常圧のもと1から100
l/minの窒素気流中で、焼結温度を1750から1
900℃で4時間焼成して窒化アルミニウム焼結体を得
た。
【0029】〔実施例7〜9〕平均粒径0.8μm、酸
素含有量1.0%、純度98%以上の窒化アルミニウム
粉末を主成分とし、これに平均粒径1.0μmのY2
3 を3重量%添加した。成形用有機質バインダーとして
ポリビニールブチラール(PVB)を適量添加し、成形
圧力1000kg/cm2 を加えて50mm×50mm
の正方形で厚みが2mm、10mm、30mmとなる成
形体をそれぞれ成形した。
【0030】この3種の成形体を、まず脱脂炉におい
て、大気気流10から200l/minで、温度350
℃で5時間それぞれ保持した後、窒素を導入し、10か
ら100l/minの窒素気流中で昇温し600℃にて
脱脂熱処理した。
【0031】次に、得られた脱脂体を、焼結炉にて、窒
化アルミニウム坩堝に充填し、常圧のもと1から100
l/minの窒素気流中で、焼結温度を1750から1
900℃で4時間焼成して窒化アルミニウム焼結体を得
た。
【0032】〔実施例10〜12〕平均粒径0.8μ
m、酸素含有量1.0%、純度98%以上の窒化アルミ
ニウム粉末を主成分とし、これに平均粒径1.0μmの
2 3 を3重量%添加した。成形用有機質バインダー
としてポリビニールブチラール(PVB)を適量添加
し、成形圧力1000kg/cm2 を加えて50mm×
50mmの正方形で厚みが2mm、10mm、30mm
となる成形体をそれぞれ成形した。
【0033】この3種の成形体を、まず脱脂炉におい
て、大気気流10から200l/minで、温度350
℃で10時間それぞれ保持した後、窒素を導入し、10
から100l/minの窒素気流中で昇温し600℃に
て脱脂熱処理した。
【0034】次に、得られた脱脂体を、焼結炉にて、窒
化アルミニウム坩堝に充填し、常圧のもと1から100
l/minの窒素気流中で、焼結温度を1750から1
900℃で4時間焼成して窒化アルミニウム焼結体を得
た。
【0035】〔実施例13〜15〕平均粒径0.8μ
m、酸素含有量1.0%、純度98%以上の窒化アルミ
ニウム粉末を主成分とし、これに平均粒径1.0μmの
2 3 を3重量%添加した。成形用有機質バインダー
としてポリビニールブチラール(PVB)を適量添加
し、成形圧力1000kg/cm2 を加えて50mm×
50mmの正方形で厚みが2mm、10mm、30mm
となる成形体をそれぞれ成形した。
【0036】この3種の成形体を、まず脱脂炉におい
て、大気気流10から200l/minで、温度400
℃で0時間それぞれ保持した後、窒素を導入し、10か
ら100l/minの窒素気流中で昇温し600℃にて
脱脂熱処理した。
【0037】次に、得られた脱脂体を、焼結炉にて、窒
化アルミニウム坩堝に充填し、常圧のもと1から100
l/minの窒素気流中で、焼結温度を1750から1
900℃で4時間焼成して窒化アルミニウム焼結体を得
た。
【0038】〔実施例16〜18〕平均粒径0.8μ
m、酸素含有量1.0%、純度98%以上の窒化アルミ
ニウム粉末を主成分とし、これに平均粒径1.0μmの
2 3 を3重量%添加した。成形用有機質バインダー
としてポリビニールブチラール(PVB)を適量添加
し、成形圧力1000kg/cm2 を加えて50mm×
50mmの正方形で厚みが2mm、10mm、30mm
となる成形体をそれぞれ成形した。
【0039】この3種の成形体を、まず脱脂炉におい
て、大気気流10から200l/minで、温度400
℃で5時間それぞれ保持した後、窒素を導入し、10か
ら100l/minの窒素気流中で昇温し600℃にて
脱脂熱処理した。
【0040】次に、得られた脱脂体を、焼結炉にて、窒
化アルミニウム坩堝に充填し、常圧のもと1から100
l/minの窒素気流中で、焼結温度を1750から1
900℃で4時間焼成して窒化アルミニウム焼結体を得
た。
【0041】上記の実施例1〜18の各窒化アルミニウ
ム焼結体の特性は、レーザーフラッシュ法で熱伝導率
を、アルキメデス法で密度を測定した。また、表面、お
よび、断面の組織、色ムラを観察した。
【0042】結果を表1に示す。なお、表1における組
織と色ムラの評価は、◎が良好、○がほぼ良好、△が軽
度不良、×が不良を表している。
【0043】
【表1】
【0044】〔比較例1〜3〕平均粒径0.8μm、酸
素含有量1.0%、純度98%以上の窒化アルミニウム
粉末を主成分とし、これに平均粒径1.0μmのY2
3 を3重量%添加した。成形用有機質バインダーとして
ポリビニールブチラール(PVB)を適量添加し、成形
圧力1000kg/cm2 を加えて50mm×50mm
の正方形で厚みが2mm、10mm、30mmとなる成
形体をそれぞれ成形した。
【0045】この3種の成形体を、まず脱脂炉におい
て、大気気流10から200l/minで、温度500
℃で脱脂熱処理した。次に、得られた脱脂体を、焼結炉
にて、窒化アルミニウム坩堝に充填し、常圧のもと1か
ら100l/minの窒素気流中で、焼結温度を175
0から1900℃で4時間焼成して窒化アルミニウム焼
結体を得た。
【0046】〔比較例4〜6〕平均粒径0.8μm、酸
素含有量1.0%、純度98%以上の窒化アルミニウム
粉末を主成分とし、これに平均粒径1.0μmのY2
3 を3重量%添加した。成形用有機質バインダーとして
ポリビニールブチラール(PVB)を適量添加し、成形
圧力1000kg/cm2 を加えて50mm×50mm
の正方形で厚みが2mm、10mm、30mmとなる成
形体をそれぞれ成形した。
【0047】この3種の成形体を、まず脱脂炉におい
て、大気気流10から200l/minで、温度600
℃で脱脂熱処理した。次に、得られた脱脂体を、焼結炉
にて、窒化アルミニウム坩堝に充填し、常圧のもと1か
ら100l/minの窒素気流中で、焼結温度を175
0から1900℃で4時間焼成して窒化アルミニウム焼
結体を得た。
【0048】〔比較例7〜9〕平均粒径0.8μm、酸
素含有量1.0%、純度98%以上の窒化アルミニウム
粉末を主成分とし、これに平均粒径1.0μmのY2
3 を3重量%添加した。成形用有機質バインダーとして
ポリビニールブチラール(PVB)を適量添加し、成形
圧力1000kg/cm2 を加えて50mm×50mm
の正方形で厚みが2mm、10mm、30mmとなる成
形体をそれぞれ成形した。
【0049】この3種の成形体を、まず脱脂炉におい
て、窒素気流10から200l/minで、温度600
℃で脱脂熱処理した。次に、得られた脱脂体を、焼結炉
にて、窒化アルミニウム坩堝に充填し、常圧のもと1か
ら100l/minの窒素気流中で、焼結温度を175
0から1900℃で4時間焼成して窒化アルミニウム焼
結体を得た。
【0050】上記比較例1〜9の各窒化アルミニウム焼
結体の特性は、レーザーフラッシュ法で熱伝導率を、ア
ルキメデス法で密度を測定した。また、表面、および、
断面の組織、色ムラを観察した。
【0051】結果を表2に示す。なお、表2における組
織と色ムラの評価は、◎が良好、○がほぼ良好、△が軽
度不良、×が不良を表している。
【0052】
【表2】
【0053】実施例1〜18では、大気から窒素へ気流
を切り替えて脱脂熱処理することにより、脱脂体分析値
の示すとおり、残留カーボンおよび酸素量が内部と表面
共に小さく、かつ、その差も小さい。得られた焼結体に
関しても、内部と表面で密度、熱伝導率に差が生じるこ
となく、180〜190W/mKと高熱伝導率で緻密で
均一な組織であり、色ムラもなかった。
【0054】特に、実施例4〜6では300℃で20時
間、実施例10〜12では350℃で10時間保持する
ことにより、残留カーボン量が小さく、かつ、内部、表
面での差も小さかった。
【0055】比較例1〜6では、大気気流にて脱脂熱処
理を行った結果、残留カーボン量は小さいが、酸素量の
増加がみられた。そのため、熱伝導率は低かった。ま
た、表面に液相のしみ出しによる色ムラがみられた。
【0056】比較例7〜9では、窒素気流にて600℃
の脱脂熱処理を行った結果、酸素量の増加はみられない
が、残留カーボン量は大きく、内部と表面とで差を生じ
ていた。そのため、内部の密度が低下しており、熱伝導
率も表面では高いが内部では低い。また、組織は不均一
であり、色ムラの発生もみられた。
【0057】
【発明の効果】本発明の窒化アルミニウム焼結体の製造
方法によれば、バインダーの脱脂熱処理工程において、
カーボンを十分に除去し、かつ、窒化アルミニウム粉末
の酸化を防止することができ、大型、肉厚形状でも全体
に組織が均一で緻密な熱伝導率の高い窒化アルミニウム
焼結体を安価に製造することができる。
【0058】脱脂熱処理工程の途中の大気から窒素への
雰囲気の切り替えは300〜400℃で行ない、その
後、窒素雰囲気で昇温すると、カーボンを十分に除去
し、かつ、窒化アルミニウム粉末の酸化を防止するうえ
でより好適な結果が得られる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒化アルミニウム粉末に焼結助剤と有機
    質バインダーとを添加した混合物を成形し、脱脂熱処理
    を行った後焼成する窒化アルミニウム焼結体の製造方法
    において、脱脂熱処理工程の途中で雰囲気を大気から窒
    素に切り替えることを特徴とする窒化アルミニウム焼結
    体の製造方法。
  2. 【請求項2】 脱脂熱処理工程の途中の大気から窒素へ
    の雰囲気の切り替えを300〜400℃で行うことを特
    徴とする請求項1記載の窒化アルミニウム焼結体の製造
    方法。
JP9312170A 1997-11-13 1997-11-13 窒化アルミニウム焼結体の製造方法 Withdrawn JPH11147767A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103204682A (zh) * 2012-01-16 2013-07-17 佛山市陶瓷研究所有限公司 一种高导热氮化铝陶瓷散热基片及其制备方法
CN117550902A (zh) * 2023-11-24 2024-02-13 苏州众芯联电子材料有限公司 一种适用于高热导率氮化铝陶瓷的排胶方法

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