JPH11147765A - Bi−Sr−Ta−O系強誘電体薄膜の成膜用スパッタリングターゲット材 - Google Patents
Bi−Sr−Ta−O系強誘電体薄膜の成膜用スパッタリングターゲット材Info
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- JPH11147765A JPH11147765A JP9316804A JP31680497A JPH11147765A JP H11147765 A JPH11147765 A JP H11147765A JP 9316804 A JP9316804 A JP 9316804A JP 31680497 A JP31680497 A JP 31680497A JP H11147765 A JPH11147765 A JP H11147765A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 成膜された薄膜相互間のBi成分の含有量に
バラツキのきわめて少ないBi−Sr−Ta−O系強誘
電体薄膜を形成するためのスパッタリングターゲット材
を提供する。 【解決手段】 組成式:BiαSrβTaγO
δ(ただし、原子比で、Taを基準とし、γを2.0
とした場合、α:1.8〜2.4、β:0.8〜1.
1、δ:8.5〜9.8を示す)を満足するBi−Sr
−Ta−O系強誘電体薄膜を形成するためのスパッタリ
ングターゲット材が、1〜100μmの平均粒径を有す
るBi粉末、酸化ストロンチウム粉末、およびTa粉末
からなる混合粉末の温間プレス成形体で構成され、この
温間プレス成形体は、原子比で、同じくTaを基準の
2.0とした場合、Bi:0.8〜2.0、Sr:0.
8〜1.2、を満足する配合組成、Biの素地に酸化ス
トロンチウムとTaが均一に分散分布した組織、および
99.5%以上の理論密度比を有する。
バラツキのきわめて少ないBi−Sr−Ta−O系強誘
電体薄膜を形成するためのスパッタリングターゲット材
を提供する。 【解決手段】 組成式:BiαSrβTaγO
δ(ただし、原子比で、Taを基準とし、γを2.0
とした場合、α:1.8〜2.4、β:0.8〜1.
1、δ:8.5〜9.8を示す)を満足するBi−Sr
−Ta−O系強誘電体薄膜を形成するためのスパッタリ
ングターゲット材が、1〜100μmの平均粒径を有す
るBi粉末、酸化ストロンチウム粉末、およびTa粉末
からなる混合粉末の温間プレス成形体で構成され、この
温間プレス成形体は、原子比で、同じくTaを基準の
2.0とした場合、Bi:0.8〜2.0、Sr:0.
8〜1.2、を満足する配合組成、Biの素地に酸化ス
トロンチウムとTaが均一に分散分布した組織、および
99.5%以上の理論密度比を有する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、Bi−Sr−T
a−O系強誘電体薄膜をスパッタリング法にて成膜する
に際して、成膜された薄膜相互間のBi成分の含有量に
バラツキのきわめて少ないスパッタリングターゲット材
に関するものである。
a−O系強誘電体薄膜をスパッタリング法にて成膜する
に際して、成膜された薄膜相互間のBi成分の含有量に
バラツキのきわめて少ないスパッタリングターゲット材
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、一般に、 組成式:BiαSr
βTaγOδ、(ただし、原子比で、Taを基準
とし、γを2.0とした場合、α:1.8〜2.4、
β:0.8〜1.1、δ:8.5〜9.8を示す)、を
満足するBi−Sr−Ta−O系強誘電体薄膜をスパッ
タリング法を用いて成膜することが行われている。な
お、上記組成式におけるBi、Sr、Ta、およびOの
原子比は経験的に定められたものであって、これらの成
分がそれぞれの範囲内にある原子比を満足する場合に、
成膜された薄膜は所定の強誘電体特性を具備するように
なるものであり、したがって、それぞれの成分の原子比
が上記の範囲からいずれかでも外れると、所望の強誘電
体特性を示さなくなるものである。また、上記強誘電体
薄膜の成膜には、酸化ビスマス(以下、Bi2 O3 で示
す)、酸化ストロンチウム(以下、SrOで示す)、お
よび酸化タンタル(以下、Ta2 O5 で示す)を上記強
誘電体薄膜の組成式に対応した割合で含有し、かつBi
とSrとTaの複合酸化物からなる単相組織を有するス
パッタリングターゲット材が用いられている。さらに、
上記スパッタリングターゲット材が、原料粉末として、
Bi2 O3 粉末、炭酸ストロンチウム(以下、SrCO
3 で示す)粉末、およびTa2 O5 粉末を用い、これら
原料粉末を上記強誘電体薄膜の組成式に対応する割合に
配合し、ボールミルで湿式混合し、乾燥した後、例えば
大気中、温度:1000℃に5時間保持の条件で焼成し
て複合酸化物を生成し、ついで、この複合酸化物を、ボ
ールミルで湿式解砕し、粒度調整を行った状態で、2t
on/cm2 の圧力で冷間静水圧プレス(CIP)成形
し、この成形体を、例えば酸素雰囲気中、温度:100
0℃に5時間保持の条件で焼結することにより製造され
ることも知られている。さらに、また上記強誘電体薄膜
が、例えば高周波スパッタリング装置にて、10-2To
rrのAr雰囲気中、周波数:13.56MHz 、出
力:3.3W/cm2 の条件で上記ターゲット材をスパ
ッタして、例えば厚さ:200nmの非晶質薄膜を形成
し、ついでこれに酸素雰囲気中、温度:800℃に高速
昇温後、直ちに放冷の条件で結晶化処理を施すことによ
り形成されることも知られている。
βTaγOδ、(ただし、原子比で、Taを基準
とし、γを2.0とした場合、α:1.8〜2.4、
β:0.8〜1.1、δ:8.5〜9.8を示す)、を
満足するBi−Sr−Ta−O系強誘電体薄膜をスパッ
タリング法を用いて成膜することが行われている。な
お、上記組成式におけるBi、Sr、Ta、およびOの
原子比は経験的に定められたものであって、これらの成
分がそれぞれの範囲内にある原子比を満足する場合に、
成膜された薄膜は所定の強誘電体特性を具備するように
なるものであり、したがって、それぞれの成分の原子比
が上記の範囲からいずれかでも外れると、所望の強誘電
体特性を示さなくなるものである。また、上記強誘電体
薄膜の成膜には、酸化ビスマス(以下、Bi2 O3 で示
す)、酸化ストロンチウム(以下、SrOで示す)、お
よび酸化タンタル(以下、Ta2 O5 で示す)を上記強
誘電体薄膜の組成式に対応した割合で含有し、かつBi
とSrとTaの複合酸化物からなる単相組織を有するス
パッタリングターゲット材が用いられている。さらに、
上記スパッタリングターゲット材が、原料粉末として、
Bi2 O3 粉末、炭酸ストロンチウム(以下、SrCO
3 で示す)粉末、およびTa2 O5 粉末を用い、これら
原料粉末を上記強誘電体薄膜の組成式に対応する割合に
配合し、ボールミルで湿式混合し、乾燥した後、例えば
大気中、温度:1000℃に5時間保持の条件で焼成し
て複合酸化物を生成し、ついで、この複合酸化物を、ボ
ールミルで湿式解砕し、粒度調整を行った状態で、2t
on/cm2 の圧力で冷間静水圧プレス(CIP)成形
し、この成形体を、例えば酸素雰囲気中、温度:100
0℃に5時間保持の条件で焼結することにより製造され
ることも知られている。さらに、また上記強誘電体薄膜
が、例えば高周波スパッタリング装置にて、10-2To
rrのAr雰囲気中、周波数:13.56MHz 、出
力:3.3W/cm2 の条件で上記ターゲット材をスパ
ッタして、例えば厚さ:200nmの非晶質薄膜を形成
し、ついでこれに酸素雰囲気中、温度:800℃に高速
昇温後、直ちに放冷の条件で結晶化処理を施すことによ
り形成されることも知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年、例えば半
導体素子は高集積化すると共に、その製造装置は大型化
する傾向にあり、これに伴ってスパッタリング装置も大
型化し、当然これに用いられるターゲット材も大型化
し、広い面積の強誘電体薄膜の成膜が行われるようにな
るが、上記の従来スパッタリングターゲット材では、こ
れを大型化すると、成膜された強誘電体薄膜相互のBi
含有量にバラツキが生じ、この結果強誘電体特性が薄膜
ごとに変化するようになり、このことは高集積化の点か
らも好ましくないものである。
導体素子は高集積化すると共に、その製造装置は大型化
する傾向にあり、これに伴ってスパッタリング装置も大
型化し、当然これに用いられるターゲット材も大型化
し、広い面積の強誘電体薄膜の成膜が行われるようにな
るが、上記の従来スパッタリングターゲット材では、こ
れを大型化すると、成膜された強誘電体薄膜相互のBi
含有量にバラツキが生じ、この結果強誘電体特性が薄膜
ごとに変化するようになり、このことは高集積化の点か
らも好ましくないものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、成膜された強誘電体薄膜相互の
Bi含有量にバラツキ発生のないスパッタリングターゲ
ット材を開発すべく研究を行った結果、 (a) 上記の従来スパッタリングターゲット材におい
ては、これら構成成分であるSrおよびTaはスパッタ
に対して、きわめて安定で、規則的に分解するが、Bi
は著しく不安定な成分であり、したがってBiはスパッ
タによる規則的分解、およびこれに伴う雰囲気放出が行
われず、Biの結合酸素が不規則に分解して雰囲気放出
された状態でのスパッタ、および/または結合酸素が不
足した状態のターゲット材表面に対するスパッタなど、
Biに関しては不安定な条件でスパッタが行われること
から、雰囲気中へのBiの安定な放出が行われず、この
ように雰囲気中のBiの含有割合が常に変化する条件下
では、薄膜中のBi含有量にバラツキが生じるようにな
るのを避けることができないこと。 (b) しかし、ターゲット材中に金属Bi(以下、B
iで示す)を含有させると、スパッタ時に前記複合酸化
物を用いた場合に生ずる不安定性を無くすることがで
き、Biはターゲット材表面から安定的に放出されるよ
うになり、この場合Biを用いたことによる不足酸素は
スパッタ雰囲気中に酸素を存在させることにより補充で
き、これによって薄膜中のBi含有量は相互に一定とな
り、薄膜相互のBi含有量のバラツキはきわめて小さい
ものとなること。 (c) Biを含有したターゲット材は、原料粉末とし
て、いずれも1〜100μmの平均粒径を有するBi粉
末、並びにいずれもスパッタに対して安定なSrO粉末
およびTa粉末を用い、これら原料粉末を上記組成式に
おけるBi、Sr、およびTaの割合に対応した割合、
すなわち、原子比で、Taを基準とし、Taを2.0と
した場合、 Bi:0.8〜2.0、 Sr:0.8〜1.2、 を満足した割合に配合し、混合した後、この混合粉末を
低融点金属であるBiの融点付近の温度、すなわち25
0〜300℃の温度で温間プレス成形して、99.5%
以上の理論密度比とすることにより製造でき、この結果
のターゲット材は、Biの素地にSrOとTaが均一に
分散分布した組織をもつようになること。以上(a)〜
(c)に示される研究結果を得たのである。
上述のような観点から、成膜された強誘電体薄膜相互の
Bi含有量にバラツキ発生のないスパッタリングターゲ
ット材を開発すべく研究を行った結果、 (a) 上記の従来スパッタリングターゲット材におい
ては、これら構成成分であるSrおよびTaはスパッタ
に対して、きわめて安定で、規則的に分解するが、Bi
は著しく不安定な成分であり、したがってBiはスパッ
タによる規則的分解、およびこれに伴う雰囲気放出が行
われず、Biの結合酸素が不規則に分解して雰囲気放出
された状態でのスパッタ、および/または結合酸素が不
足した状態のターゲット材表面に対するスパッタなど、
Biに関しては不安定な条件でスパッタが行われること
から、雰囲気中へのBiの安定な放出が行われず、この
ように雰囲気中のBiの含有割合が常に変化する条件下
では、薄膜中のBi含有量にバラツキが生じるようにな
るのを避けることができないこと。 (b) しかし、ターゲット材中に金属Bi(以下、B
iで示す)を含有させると、スパッタ時に前記複合酸化
物を用いた場合に生ずる不安定性を無くすることがで
き、Biはターゲット材表面から安定的に放出されるよ
うになり、この場合Biを用いたことによる不足酸素は
スパッタ雰囲気中に酸素を存在させることにより補充で
き、これによって薄膜中のBi含有量は相互に一定とな
り、薄膜相互のBi含有量のバラツキはきわめて小さい
ものとなること。 (c) Biを含有したターゲット材は、原料粉末とし
て、いずれも1〜100μmの平均粒径を有するBi粉
末、並びにいずれもスパッタに対して安定なSrO粉末
およびTa粉末を用い、これら原料粉末を上記組成式に
おけるBi、Sr、およびTaの割合に対応した割合、
すなわち、原子比で、Taを基準とし、Taを2.0と
した場合、 Bi:0.8〜2.0、 Sr:0.8〜1.2、 を満足した割合に配合し、混合した後、この混合粉末を
低融点金属であるBiの融点付近の温度、すなわち25
0〜300℃の温度で温間プレス成形して、99.5%
以上の理論密度比とすることにより製造でき、この結果
のターゲット材は、Biの素地にSrOとTaが均一に
分散分布した組織をもつようになること。以上(a)〜
(c)に示される研究結果を得たのである。
【0005】この発明は、上記の研究結果にもとづいて
なされたものであって、組成式:BiαSrβTa
γOδ、(ただし、原子比で、Taを基準とし、γ
を2.0とした場合、α:1.8〜2.4、β:0.8
〜1.1、δ:8.5〜9.8を示す)、を満足するB
i−Sr−Ta−O系強誘電体薄膜を形成するためのス
パッタリングターゲット材にして、このスパッタリング
ターゲット材は、1〜100μmの平均粒径を有するB
i粉末、SrO粉末、およびTa粉末からなる混合粉末
の温間プレス成形体で構成され、この温間プレス成形体
は、原子比で、同じくTaを基準の2.0とした場合、 Bi:0.8〜2.0、 Sr:0.8〜1.2、 を満足する配合組成、Biの素地にSrOとTaが均一
に分散分布した組織、および99.5%以上の理論密度
比を有する、Bi−Sr−Ta−O系強誘電体薄膜の成
膜用スパッタリングターゲット材に特徴を有するもので
ある。
なされたものであって、組成式:BiαSrβTa
γOδ、(ただし、原子比で、Taを基準とし、γ
を2.0とした場合、α:1.8〜2.4、β:0.8
〜1.1、δ:8.5〜9.8を示す)、を満足するB
i−Sr−Ta−O系強誘電体薄膜を形成するためのス
パッタリングターゲット材にして、このスパッタリング
ターゲット材は、1〜100μmの平均粒径を有するB
i粉末、SrO粉末、およびTa粉末からなる混合粉末
の温間プレス成形体で構成され、この温間プレス成形体
は、原子比で、同じくTaを基準の2.0とした場合、 Bi:0.8〜2.0、 Sr:0.8〜1.2、 を満足する配合組成、Biの素地にSrOとTaが均一
に分散分布した組織、および99.5%以上の理論密度
比を有する、Bi−Sr−Ta−O系強誘電体薄膜の成
膜用スパッタリングターゲット材に特徴を有するもので
ある。
【0006】この発明のスパッタリングターゲット材に
おいて、これを構成する温間プレス成形体の酸素以外の
Bi、Sr、およびTaの配合原子比は、成膜される強
誘電体薄膜の上記組成式にもとづいて定めたものであ
り、したがって前記温間プレス成形体のBi、Sr、お
よびTaの配合原子比が、Taを基準とし、Taを2.
0とした場合、それぞれ、 Bi:0.8〜2.0、 Sr:0.8〜1.2、 の範囲から外れると、上記組成式に定めるBi(1.8
〜2.4)、およびSr(0.8〜1.1)の原子比の
範囲から外れてしまい、薄膜に所望の強誘電体特性を具
備させることができなくなるのである。
おいて、これを構成する温間プレス成形体の酸素以外の
Bi、Sr、およびTaの配合原子比は、成膜される強
誘電体薄膜の上記組成式にもとづいて定めたものであ
り、したがって前記温間プレス成形体のBi、Sr、お
よびTaの配合原子比が、Taを基準とし、Taを2.
0とした場合、それぞれ、 Bi:0.8〜2.0、 Sr:0.8〜1.2、 の範囲から外れると、上記組成式に定めるBi(1.8
〜2.4)、およびSr(0.8〜1.1)の原子比の
範囲から外れてしまい、薄膜に所望の強誘電体特性を具
備させることができなくなるのである。
【0007】また、この発明のスパッタリングターゲッ
ト材において、混合粉末の平均粒径を1〜100μmと
したのは、その平均粒径が1μm未満になると、特に低
融点金属であるBi粉末が温間プレス成形時に酸化し易
くなり、Bi2 O3 が存在するようになって上記の通り
薄膜中のBi含有量にバラツキが生じるようになり、一
方その平均粒径が100μmを越えると、特に絶縁体で
あるSrOを起点に異常放電が発生するようになるとい
う理由にもとづくものである。
ト材において、混合粉末の平均粒径を1〜100μmと
したのは、その平均粒径が1μm未満になると、特に低
融点金属であるBi粉末が温間プレス成形時に酸化し易
くなり、Bi2 O3 が存在するようになって上記の通り
薄膜中のBi含有量にバラツキが生じるようになり、一
方その平均粒径が100μmを越えると、特に絶縁体で
あるSrOを起点に異常放電が発生するようになるとい
う理由にもとづくものである。
【0008】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明のスパッタリン
グターゲット材を実施例により具体的に説明する。ま
ず、原料粉末として、それぞれ表1に示される平均粒径
をもったBi粉末、SrO粉末、およびTa粉末を用意
し、これら原料粉末を同じく表1に示される通り、強誘
電体薄膜の目標組成に対応する割合に配合し、ボールミ
ルで1時間乾式混合した後、この混合粉末を、10-2T
orrの真空中、100〜200kgf/cm2 の範囲
内の所定の圧力で、200〜250℃の範囲内の所定の
温度に3時間保持の条件で温間プレス成形することによ
り、同じく表1に示される理論密度比を有し、かついず
れも直径:300mm×厚さ:10mmの寸法をもった
本発明ターゲット材1〜9をそれぞれ製造した。なお、
上記本発明ターゲット材1〜9の組織を金属顕微鏡によ
り観察したところ、いずれもBiの素地にSrOとTa
が均一に分散分布した組織を示すものであった。
グターゲット材を実施例により具体的に説明する。ま
ず、原料粉末として、それぞれ表1に示される平均粒径
をもったBi粉末、SrO粉末、およびTa粉末を用意
し、これら原料粉末を同じく表1に示される通り、強誘
電体薄膜の目標組成に対応する割合に配合し、ボールミ
ルで1時間乾式混合した後、この混合粉末を、10-2T
orrの真空中、100〜200kgf/cm2 の範囲
内の所定の圧力で、200〜250℃の範囲内の所定の
温度に3時間保持の条件で温間プレス成形することによ
り、同じく表1に示される理論密度比を有し、かついず
れも直径:300mm×厚さ:10mmの寸法をもった
本発明ターゲット材1〜9をそれぞれ製造した。なお、
上記本発明ターゲット材1〜9の組織を金属顕微鏡によ
り観察したところ、いずれもBiの素地にSrOとTa
が均一に分散分布した組織を示すものであった。
【0009】また、比較の目的で、原料粉末として、そ
れぞれ表2に示される平均粒径をもったBi2 O3 粉
末、SrCO3 粉末、およびTa2 O5 粉末を用意し、
これら原料粉末を同じく表2に示される通り、強誘電体
薄膜の目標組成に対応する割合に配合し、ボールミルで
湿式混合し、乾燥した後、大気中、温度:1000℃に
5時間保持の条件で焼成して複合酸化物を生成し、つい
で、この複合酸化物を、ボールミルで湿式解砕し、粒度
調整を行った状態で、2ton/cm2 の圧力で冷間静
水圧プレス(CIP)成形し、この成形体を、酸素雰囲
気中、温度:1000℃に5時間保持の条件で焼結する
ことにより、同じく表2に示される理論密度比を有し、
かついずれも直径:300mm×厚さ:10mmの寸法
をもった従来ターゲット材1〜9をそれぞれ製造した。
上記従来ターゲット材1〜9の組織を同じく金属顕微鏡
により観察したところ、いずれもBiとSrとTaの複
合酸化物からなる単相組織を示した。
れぞれ表2に示される平均粒径をもったBi2 O3 粉
末、SrCO3 粉末、およびTa2 O5 粉末を用意し、
これら原料粉末を同じく表2に示される通り、強誘電体
薄膜の目標組成に対応する割合に配合し、ボールミルで
湿式混合し、乾燥した後、大気中、温度:1000℃に
5時間保持の条件で焼成して複合酸化物を生成し、つい
で、この複合酸化物を、ボールミルで湿式解砕し、粒度
調整を行った状態で、2ton/cm2 の圧力で冷間静
水圧プレス(CIP)成形し、この成形体を、酸素雰囲
気中、温度:1000℃に5時間保持の条件で焼結する
ことにより、同じく表2に示される理論密度比を有し、
かついずれも直径:300mm×厚さ:10mmの寸法
をもった従来ターゲット材1〜9をそれぞれ製造した。
上記従来ターゲット材1〜9の組織を同じく金属顕微鏡
により観察したところ、いずれもBiとSrとTaの複
合酸化物からなる単相組織を示した。
【0010】この結果得られた各種のターゲット材を用
い、通常の高周波スパッタリング装置にて、その雰囲気
を、上記本発明ターゲット材1〜9については、1気圧
のAr−20容量%O2 の雰囲気とし、上記従来ターゲ
ット材1〜9では10-2TorrのAr雰囲気とし、周
波数および出力はいずれも同じ13.56MHz および
3.3W/cm2 とする条件で、1種のターゲット材当
り10枚のSiウエハー(直径:150mm)の表面に
それぞれ厚さ:200nmの薄膜を形成し、この薄膜は
非晶質なので、これに酸素雰囲気中、温度:800℃に
高速昇温後、直ちに放冷の結晶化処理を施して強誘電体
薄膜を形成した。
い、通常の高周波スパッタリング装置にて、その雰囲気
を、上記本発明ターゲット材1〜9については、1気圧
のAr−20容量%O2 の雰囲気とし、上記従来ターゲ
ット材1〜9では10-2TorrのAr雰囲気とし、周
波数および出力はいずれも同じ13.56MHz および
3.3W/cm2 とする条件で、1種のターゲット材当
り10枚のSiウエハー(直径:150mm)の表面に
それぞれ厚さ:200nmの薄膜を形成し、この薄膜は
非晶質なので、これに酸素雰囲気中、温度:800℃に
高速昇温後、直ちに放冷の結晶化処理を施して強誘電体
薄膜を形成した。
【0011】ついで、上記強誘電体薄膜のBi含有量の
相互バラツキを評価する目的で、前記強誘電体薄膜形成
のSiウエハーのそれぞれの中心部から20mm×20
mmの寸法をもった試験片を切り出し、蛍光X線装置に
て前記試験片の中央部直径15mmの範囲におけるBi
/(Sr+Ta)の原子比を測定した。これらの1種の
ターゲット材当り10個の試験片の測定結果から、それ
ぞれ最小値および最大値をピックアップし、表1、2に
これらの平均値と共に示した。
相互バラツキを評価する目的で、前記強誘電体薄膜形成
のSiウエハーのそれぞれの中心部から20mm×20
mmの寸法をもった試験片を切り出し、蛍光X線装置に
て前記試験片の中央部直径15mmの範囲におけるBi
/(Sr+Ta)の原子比を測定した。これらの1種の
ターゲット材当り10個の試験片の測定結果から、それ
ぞれ最小値および最大値をピックアップし、表1、2に
これらの平均値と共に示した。
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】
【0014】
【発明の効果】表1、2に示される結果から、本発明タ
ーゲット材1〜9を用いて成膜された強誘電体薄膜にお
けるBi含有量はきわめて安定したものであり、薄膜相
互にほとんどバラツキがないのに対して、従来ターゲッ
ト材1〜9を用いて成膜された強誘電体薄膜においては
Bi含有量の薄膜相互のバラツキが大きいことが明らか
である。上述のように、この発明のスパッタリングター
ゲット材は、通常のスパッタリング装置にて、成膜雰囲
気を酸化性雰囲気とするだけで、Bi含有量が一定した
強誘電体薄膜を形成することができ、薄膜の強誘電体特
性の安定化に寄与し、例えば半導体素子の高集積化、お
よびその製造装置の大型化にも十分満足に対応すること
ができるものである。
ーゲット材1〜9を用いて成膜された強誘電体薄膜にお
けるBi含有量はきわめて安定したものであり、薄膜相
互にほとんどバラツキがないのに対して、従来ターゲッ
ト材1〜9を用いて成膜された強誘電体薄膜においては
Bi含有量の薄膜相互のバラツキが大きいことが明らか
である。上述のように、この発明のスパッタリングター
ゲット材は、通常のスパッタリング装置にて、成膜雰囲
気を酸化性雰囲気とするだけで、Bi含有量が一定した
強誘電体薄膜を形成することができ、薄膜の強誘電体特
性の安定化に寄与し、例えば半導体素子の高集積化、お
よびその製造装置の大型化にも十分満足に対応すること
ができるものである。
Claims (1)
- 【請求項1】 組成式:BiαSrβTaγO
δ、(ただし、原子比で、Taを基準とし、γを2.
0とした場合、α:1.8〜2.4、β:0.8〜1.
1、δ:8.5〜9.8を示す)、を満足するBi−S
r−Ta−O系強誘電体薄膜を形成するためのスパッタ
リングターゲット材にして、このスパッタリングターゲ
ット材は、1〜100μmの平均粒径を有するBi粉
末、酸化ストロンチウム粉末、およびTa粉末からなる
混合粉末の温間プレス成形体で構成され、この温間プレ
ス成形体は、原子比で、同じくTaを基準の2.0とし
た場合、 Bi:0.8〜2.0、 Sr:0.8〜1.2、 を満足する配合組成、Biの素地に酸化ストロンチウム
とTaが均一に分散分布した組織、および99.5%以
上の理論密度比を有することを特徴とする、Bi−Sr
−Ta−O系強誘電体薄膜の成膜用スパッタリングター
ゲット材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9316804A JPH11147765A (ja) | 1997-11-18 | 1997-11-18 | Bi−Sr−Ta−O系強誘電体薄膜の成膜用スパッタリングターゲット材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9316804A JPH11147765A (ja) | 1997-11-18 | 1997-11-18 | Bi−Sr−Ta−O系強誘電体薄膜の成膜用スパッタリングターゲット材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11147765A true JPH11147765A (ja) | 1999-06-02 |
Family
ID=18081115
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9316804A Withdrawn JPH11147765A (ja) | 1997-11-18 | 1997-11-18 | Bi−Sr−Ta−O系強誘電体薄膜の成膜用スパッタリングターゲット材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11147765A (ja) |
-
1997
- 1997-11-18 JP JP9316804A patent/JPH11147765A/ja not_active Withdrawn
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