JPH11147002A - 元素周期表第viii族金属錯体化合物の回収方法 - Google Patents

元素周期表第viii族金属錯体化合物の回収方法

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JPH11147002A
JPH11147002A JP31566997A JP31566997A JPH11147002A JP H11147002 A JPH11147002 A JP H11147002A JP 31566997 A JP31566997 A JP 31566997A JP 31566997 A JP31566997 A JP 31566997A JP H11147002 A JPH11147002 A JP H11147002A
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polar adsorbent
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JP31566997A
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Masato Kawabe
正人 河辺
Michihiro Sugawara
道弘 菅原
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Publication date
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  • Treatment Of Liquids With Adsorbents In General (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 元素周期表第VIII族金属錯体化合物を、触媒
反応混合物などから効率よく回収することができる方法
を提供する。 【解決手段】 (1)脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素
及びこれらの組合せよりなる群から選択される有機溶媒
を、元素周期表第VIII族金属錯体化合物を含有する被処
理液に配合し、その混合液を極性吸着剤に接触させるこ
とにより、当該元素周期表第VIII族金属錯体化合物を極
性吸着剤に吸着させ、次いで(2)前記有機溶媒よりも
高い極性を有する溶離剤を用いて、極性吸着剤に吸着さ
れた元素周期表第VIII族金属錯体化合物を溶離する工程
を含む元素周期表第VIII族金属錯体化合物の回収方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、元素周期表第VIII
族金属錯体化合物の回収方法に関する。更に詳細には、
本発明は、カルボニル化反応などの重要な化学反応に対
する触媒活性を有する、有機リン化合物等を配位子とす
る元素周期表第VIII族金属錯体化合物を、その触媒活性
を保持した状態で高収率にて回収するための方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、有機リン化合物等を配位子とす
る、元素周期表第VIII族金属錯体化合物で構成されたカ
ルボニル化触媒が開発されている。この触媒は、例え
ば、エチレン系またはアセチレン系不飽和化合物のヒド
ロホルミル化及びカルボキシル化反応によるアルデヒ
ド、カルボン酸及びその誘導体等の製造において有用で
ある。
【0003】例えば、特開平8−84933号公報に
は、パラジウム以外の元素周期表第VIII族金属源、有機
リン化合物の配位子及び電子供与性化合物で構成された
カルボニル化触媒系と、この触媒系を用いてエチレン系
またはアセチレン系不飽和化合物とを反応させるカルボ
ニル化方法が開示されている。
【0004】しかしながら、前記方法にて用いられる触
媒系でカルボニル化反応を行い、生成物を定法のごとく
蒸留分離すると、蒸留法によっては分離できない高沸点
副生成物が触媒液中に蓄積し、その結果、次第に触媒濃
度が低下してついには反応を停止せざるをえない状態を
招く。この副生成物は、原料であるエチレン系及びアセ
チレン系不飽和化合物の重合物などを主として含み、極
めて沸点が高いために、触媒液中から蒸留分離するため
には触媒液を高温に曝す必要が生じ、これによって触媒
液に含まれる高価な触媒成分を変質させてしまうことに
なる。
【0005】また、触媒液中に蓄積した高沸点副生成物
を分離するために抽出操作を行う方法も考えられるが、
そのための抽出溶媒として、触媒液と良好に相分離し、
且つ触媒成分を触媒液中に残したままで当該高沸点副生
成物を選択的に抽出することができ、価格面や、抽出後
の廃棄、回収等の点からも好ましい溶媒を見出すことは
非常に困難である。
【0006】そこで、特公昭53−3993号及び特公
昭53−3994号公報には、元素周期表第VIII族金属
錯体を含有する液体にメタノールを共存させ、活性炭に
目的の金属錯体を吸着させて回収する方法が提案されて
いる。この方法では、活性炭に金属錯体を吸着させた後
燃焼することにより、金属体として目的の金属が回収さ
れる。ところが、得られる金属体はもはや触媒活性を有
する金属錯体ではないので、これを有用な金属錯体とし
て使用できるようにするために、さらに様々な工程を経
る処理を施す必要がある。また、かかる燃焼時に金属錯
体の配位子である有機リン化合物が焼失してしまうとい
う点でも不都合があった。さらに、この方法では、活性
炭への吸着時に触媒液1容量に対して10倍容量程度の
メタノールを添加する必要があり、そのメタノールの回
収コストが無視できないことや、金属錯体が吸着された
活性炭の濾過回収に要する手間も無視できないものであ
るという問題点も有していた。
【0007】特公昭53−5879号公報には、元素周
期表第VIII族金属錯体を含有する液体を燃焼し、燃焼生
成物を吸収液中に導入して元素周期表第VIII族金属を回
収する方法が提案されている。この方法においても、や
はり回収されるのは金属錯体ではなく金属体であるた
め、触媒活性を有する金属錯体に再度変換するための処
理が必要となり、また配位子が回収しえないことも、前
記方法と同様に不都合であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように、望ましい
触媒活性を保持した状態で元素周期表第VIII族金属錯体
化合物を回収することができる経済性に優れた方法は、
これまでに提案されていない。本発明はかかる現状に鑑
みてなされたものであり、以下の回収方法を提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の目的を
達成するために鋭意検討した結果、(1)脂肪族炭化水
素、脂環式炭化水素及びこれらの組合せよりなる群から
選択される有機溶媒を、元素周期表第VIII族金属錯体化
合物を含有する被処理液に配合し、その混合液を極性吸
着剤に接触させることにより、当該元素周期表第VIII族
金属錯体化合物を極性吸着剤に吸着させ、次いで(2)
前記有機溶媒よりも高い極性を有する溶離剤を用いて、
極性吸着剤に吸着された元素周期表第VIII族金属錯体化
合物を溶離する工程を含む回収方法によって、効率よく
目的の金属錯体化合物を回収することができることを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0010】さらに本発明の、元素周期表第VIII族金属
原子またはイオンの供給源と有機リン化合物とで構成さ
れるカルボニル化触媒を用いて行ったカルボニル化反応
混液から前記触媒を回収するための方法であって、
(1)脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素及びこれらの組
合せよりなる群から選択された抽出溶媒と前記カルボニ
ル化反応混合物とを混合して、抽出溶媒相及び極性溶媒
相に相分離させて、極性溶媒相から前記触媒を回収し、
(2)脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素及びこれらの組
合せよりなる群から選択される有機溶媒を、前記抽出溶
媒相に配合し、混合液を極性吸着剤に接触させることに
より、前記触媒を極性吸着剤に吸着させ、次いで(3)
前記工程(2)で用いた有機溶媒よりも高い極性を有す
る溶離剤を用いて、極性吸着剤に吸着された触媒を溶離
する工程を含む回収方法によって、特に従来分離が困難
であった、カルボニル化反応に伴って発生する高沸点を
有する副生成物が除去され、活性を保持するカルボニル
化触媒の選択的な回収が成し遂げられる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明において回収される元素周
期表第VIII族金属錯体化合物(以下、錯体化合物と称す
る)を構成する元素周期表第VIII族に属する金属元素に
は、例えば、鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、
ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム及び白金
が含まれる。本発明の方法において好ましい元素として
は、ロジウム、コバルト、ニッケル、パラジウム及び白
金、特に好ましくは白金が挙げられる。金属元素の酸化
数が特に限定されることはない。
【0012】上記錯体化合物の配位子は、有機リン化合
物、特に有機ホスフィンであるとよく、一種または二種
以上組合せたものでもよい。有機ホスフィンは、第1ホ
スフィン、第2ホスフィン及び第3ホスフィンより選択
でき、好ましい有機ホスフィンは第3有機ホスフィンで
ある。かかる有機ホスフィンにおいて、リン原子に結合
する3つの置換基は、それぞれ置換基を有していてもよ
いアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロア
ルキル基、またはアリール基であるとよい。特に好まし
くは、前記3つの置換基のうち少なくとも1つの置換基
が、フェニル基や置換フェニル基などのアリール基であ
る。また、アリール基とともに2つの置換基の結合によ
り形成されるアルキレン基も好ましい。好ましい第3有
機ホスフィンとしては、例えば、置換基を有していても
よいトリアリールホスフィン、モノアルキルジアリール
ホスフィン、ジアルキルモノアリールホスフィン、トリ
アルキルホスフイン、モノシクロアルキルジアリールホ
スフィン、ジシクロアルキルモノアリールホスフィン、
トリシクロアルキルホスフィンなどが例示され、特にト
リフェニルホスフィンが好ましい。なお、配位子は、上
記例示のリン化合物に対応するヒ素化合物(特に第3有
機アルシン)およびアンチモン化合物(特に第3有機ス
チビン)であってもよい。
【0013】本発明の方法において、回収対象である錯
体化合物を含有する被処理液の混在物、溶媒等は特に限
定されないが、当該被処理液として、例えば、エチレン
系、アセチレン系炭化水素化合物等のカルボニル化反応
などにおいて使用された反応混合物が使用できる。この
反応混合物には、反応触媒たる錯体化合物の他に、例え
ば、反応生成物、未反応基質、反応基質の重合体等の反
応副生成物や、水、アルコール及びカルボン酸より選択
される求核性化合物、その他反応を補助する成分が混在
する場合が多い。この反応混合物の溶媒は、例えば、ヘ
キサン、オクタンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、ア
ニソールなどの芳香族炭化水素誘導体、クロロホルム、
ジクロロメタン、四塩化炭素、クロロベンゼンなどのハ
ロゲン化炭化水素及びこれらの混合溶媒などが含まれう
る。
【0014】また、このような反応混合物に種々の物理
的または化学的処理(例えば、抽出、濃縮、蒸留、濾過
等)を施した処理物も、前記被処理液として好適に使用
され、特に、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素及びこれ
らの組合せよりなる群から選択された抽出溶媒と反応混
合物を混合し、相分離させて得られる抽出溶媒相も、前
記被処理液として好ましい。かかる抽出は、α,β−不
飽和カルボン酸の共存下で行われると、カルボニル化反
応時に生成する高沸点副生成物とカルボニル化触媒との
分離の効率がよくなる点で好ましい。
【0015】この場合、抽出溶媒は、脂肪族炭化水素、
脂環式炭化水素及びこれらの組合せよりなる群から選択
される。ここで炭化水素は、飽和炭化水素であっても不
飽和炭化水素であってもよく、脂肪族炭化水素は、直鎖
または分岐状炭化水素のいずれでもよい。脂肪族炭化水
素としては、例えば、ブタン、イソブタン、ペンタン、
イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、イソオクタン、オ
クタン、デカン、ドデカン、テトラデカンなどの炭素数
4〜14を有する直鎖状もしくは分岐鎖状の脂肪族飽和
炭化水素;1−ブテン、2−ブテン、ブタジエン、3−
メチル−1−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、ペ
ンタジエン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセ
ン、1−ドデセン、1−ブチンなどの炭素数4〜14を
有する直鎖状、または分岐鎖状の不飽和脂肪族炭化水
素;シクロペンタン、1−メチルシクロペンタン、シク
ロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロ
デカンなどの炭素数6〜10を有する、置換基を有して
もよい飽和脂環式炭化水素などが挙げられる。特にn−
ブタン、イソブタン、ブタジエン、n−ペンタン、ペン
タジエン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタ
ン、n−デカン、流動パラフィン、シクロヘキサンまた
はこれらの組合せが好ましい。また、灯油、軽油を含む
石油類などの、実質的に脂肪族炭化水素及び/または脂
環式炭化水素を主成分とする溶媒を使用することもでき
る。抽出溶媒の量は、前記反応混合物100重量部に対
して10〜1000重量部、好ましくは50〜500重
量部、さらに好ましくは100〜300重量部程度であ
る。
【0016】さらに、抽出の際に共存することが好まし
いα,β−不飽和脂肪酸として、アクリル酸、メタクリ
ル酸、2−エチル−2−プロペン酸、2−プロピル−2
−プロペン酸、2−ブチル−2−プロペン酸、クロトン
酸、2−エチル−2−ブテン酸、3−フェニル−2−プ
ロペン酸、3−メチル−2−ブテン酸、2−ペンテン
酸、2−ヘキサン及びこれらの組合せなどが挙げられ
る。α,β−不飽和脂肪酸の使用量は、カルボニル化触
媒の前記配位子のモル数に応じて変動し、通常は、配位
子1モルに対して1〜100モル、好ましくは2〜50
モル、さらに好ましくは5〜30モル程度である。
【0017】以上説明した錯体化合物を含有する被処理
液から、本発明の方法に従って錯体化合物を回収するた
めに、まず、当該被処理液に有機溶媒が配合される。こ
の有機溶媒は、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素及びこ
れらの組合せよりなる群から選択され、実質的に、前掲
の抽出溶媒と同様の溶媒が使用される。
【0018】被処理液に配合される、脂肪族炭化水素、
脂環式炭化水素及びこれらの組合せよりなる群から選択
される有機溶媒の量は、有機溶媒及び被処理液の双方が
有する極性の強さに応じて増減できる。通常は、被処理
液100重量部に対して50〜2000重量部、好まし
くは100〜1000重量部の有機溶媒が配合される。
使用する有機溶媒量が多いほど目的の錯体化合物が極性
吸着剤に良好に吸着されて回収率が高くなるものの、そ
の一方でこれら有機溶媒の回収コストが大きくなってし
まう不都合が生じてくる。
【0019】錯体化合物を吸着及び溶離して回収するた
めに使用される極性吸着剤としては、シリカ、アルミ
ナ、マグネシア、シリカ−アルミナ、チタニア、ジルコ
ニア、シリカ−マグネシア、ゼオライトなどの金属酸化
物が好ましい。極性吸着剤は、如何なる形状のものでも
かまわないが、一般的には下記のカラムクロマトグラフ
ィー操作やバッチ法での操作などにおいて優れた使用性
が発揮される、適切な粒子サイズ(例えば、およそ1μ
m〜10mmの粒径)にまで破砕された、または、球
状、円筒状などに成型された粒子であることが好まし
い。
【0020】また、用いる極性吸着剤の量は、被処理液
中に含まれる第VIII族金属の総量に応じて調整すべきで
ある。例えば、第VIII族金属原子1重量部に対して10
0〜10,000重量部、好ましくは500〜5,00
0重量部の極性吸着剤を使用するとよい。極性吸着剤の
量が少なすぎると、吸着できない錯体化合物が流出する
ためにロスが生じて回収率が低下し、また、極性吸着剤
の量が多すぎても、吸着剤への残存の可能性が高くなっ
てやはり回収率が低下することがあり、さらに溶離剤の
必要量も増大するので回収物の処理が煩雑になりうるた
め、好ましくない。
【0021】極性吸着剤を用いた処理工程において、例
えば、極性吸着剤を充填したカラムを利用し、被処理
液、溶離剤等が通液される連続または反連続法や、極性
吸着剤をバッチ処理するバッチ法などが採用される。好
ましくは、処理前に吸着剤を予め、被処理液に配合され
たと同様の有機溶媒を用いて洗浄しておくとよい。
【0022】まず、前記のごとき錯体化合物を含有する
被処理液と有機溶媒の混合液を、極性吸着剤に接触させ
て、錯体化合物の吸着を許容する。カラムを利用する場
合、極性吸着剤を充填したカラムへ混合液を通液するこ
とによって接触を行う。この際カラムの流速が速すぎる
と、錯体化合物の吸着が不充分なままに液が通過してし
まうことがあるので、例えば、液空間速度(LSV)で
0.1〜100hr-1、好ましくは0.5〜20hr-1
となるように制御するとよい。一方、バッチ法による場
合には、適宜の容器の中に被処理液及び極性吸着剤を入
れ、所定時間、例えば、1分〜10時間、好ましくは3
分〜2時間攪拌混合するとよい。この後、極性吸着剤
を、好ましくは被処理液に配合されたと同様の有機溶媒
を用いて洗浄し、前記高沸点副生成物などの被処理液に
含まれる不純物を充分に除去しておくとよい。
【0023】次いで、溶離剤を用いて、吸着された錯体
化合物が溶離される。溶離剤は、前記有機溶媒よりも高
い極性を有する溶媒が好ましく、また、溶離後に留去し
たり、あるいは溶離液をそのまま触媒として使用する可
能性に鑑み、低級アルコール、特にエタノール、メタノ
ール、イソプロパノール及びこれらの組合せより選択さ
れるとよい。吸着剤処理にカラムを利用する場合、溶離
速度は、例えば、LSVで0.1〜100hr-1、好ま
しくは0.5〜20hr-1となるように制御し、できる
だけ目的の錯体化合物が拡散、希釈されないよう、且つ
完全に溶出されるようにすることが望ましい。溶離剤
は、極性吸着剤100重量部に対して100〜1000
重量部、好ましくは200〜500重量部程度を用いる
とよい。
【0024】極性吸着剤から溶離した後、蒸留などの慣
用の分離精製手段で、回収された錯体化合物を単離する
こともできる。
【0025】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をさらに詳
細に説明するが、本発明は、もとよりかかる実施例によ
って限定されるものではない。
【0026】(実施例1)メチルアセチレンを一酸化炭
素及びメタノールを用いてカルボニル化してメチルメタ
クリレートを合成する際に使用した反応混合物100g
より、本発明の回収方法のための試料を調製した。触媒
液は溶媒としてアニソールを含み、白金231.2mg
(2312 mg/kg)、トリフェニルホスフィン3.57
g(3.57重量%)、メタクリル酸17.83g(1
7.83重量%)及びカルボニル化反応の副生成物41
g(41重量%)を含有するものであった。
【0027】まず、この触媒液100gにn−ヘキサン
を200g添加し、混合後に抽出溶媒相(277g)と
極性溶媒相(23g)とに分離した。抽出溶媒相には、
副生成物の32.8g(初期値の80%)が含まれ、一
方極性溶媒相には、180.3mg(同78%)の白金
及び3.32g(同93%)のトリフェニルホスフィン
が含まれており、この白金はトリフェニルホスフィンが
配位されて錯体を形成しているものであった。このよう
に、得られた極性溶媒相は触媒活性を保持する金属錯体
化合物を多量に含み、副生成物含量が低かったので、カ
ルボニル化触媒液として再利用することができた。
【0028】上記抽出工程にて得られた抽出溶媒相に
は、約51mgに相当する量の白金が含まれるので、こ
れを錯体化合物として回収すべく、本発明の回収方法に
供した。まず、シリカゲル(Wakogel C-200、和光純薬
(株)製)60gをガラスカラム(10mmφ×150
cm)に充填し、カラム容量とほぼ同量のn−ヘキサン
を予め通液して極性吸着剤を準備した。これに、前記抽
出溶媒相とn−ヘキサン300gを混合した液体を約1
時間かけて通液し、カラム容量とほぼ同量のn−ヘキサ
ンで洗浄した。ここで得られた非吸着画分には、抽出溶
媒相中の副生成物のほぼ100%が含まれており、白金
及びトリフェニルホスフィンは認められなかった。次い
で、カラムに120gのメタノールを通液し、溶離液中
の白金、トリフェニルホスフィン及び副生成物量を測定
した。その結果、白金48.9mg及びトリフェニルホ
スフィン250mgが溶離液中に回収されていることが
明らかになった。回収率は、抽出溶媒相に含まれていた
各含量に対して、白金は96%、トリフェニルホスフィ
ンは100%であり、双方はカルボニル化触媒活性を有
する錯体化合物を形成していることが確認された。
【0029】なお、上記実施例において、それぞれの成
分の含有量は、下記によって測定した。
【0030】白金:ICP発光分析装置。
【0031】トリフェニルホスフィン:ガスクロマトグ
ラフィー。
【0032】副生成物:濃縮後、溶媒成分をガスクロマ
トグラフィーで定量し、(100−溶媒成分)%で算
出。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の回収方法
によって、効率よく目的の元素周期表第VIII族金属錯体
化合物を回収することができる。得られる錯体化合物は
変性されることが少ないので、そのまま、あるいは慣例
の処理を施した後に、触媒活性等の、当該錯体化合物が
有していた機能を果たすことができる。
【0034】また、本発明の回収方法では、例えば、白
金を含むカルボニル化触媒を用いた反応混合物から、特
に従来分離が困難であった、反応に伴って発生する高沸
点を有する副生成物が除去され、活性を保持するカルボ
ニル化触媒の選択的な回収が成し遂げられる。
【0035】本発明において使用する極性吸着剤、有機
溶媒、溶離剤等は、安定供給が可能で、比較的安価なも
のであり、操作工程も煩雑ではないので、経済性にも優
れた方法が提供される。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B01J 38/00 301 B01J 38/00 301Q

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 元素周期表第VIII族金属錯体化合物の回
    収方法であって、以下の工程すなわち、(1)脂肪族炭
    化水素、脂環式炭化水素及びこれらの組合せよりなる群
    から選択される有機溶媒を、元素周期表第VIII族金属錯
    体化合物を含有する被処理液に配合し、その混合液を極
    性吸着剤に接触させることにより、該元素周期表第VIII
    族金属錯体化合物を極性吸着剤に吸着させ、次いで
    (2)前記有機溶媒よりも高い極性を有する溶離剤を用
    いて、極性吸着剤に吸着された元素周期表第VIII族金属
    錯体化合物を溶離する工程を含む回収方法。
  2. 【請求項2】 前記元素周期表第VIII族金属の錯体の配
    位子の少なくとも1つが、有機リン化合物である請求項
    1記載の回収方法。
  3. 【請求項3】 前記有機リン化合物が、有機ホスフィン
    である請求項2記載の回収方法。
  4. 【請求項4】 前記極性吸着剤が、シリカ、アルミナ、
    マグネシア、チタニア、ジルコニア、シリカ−アルミ
    ナ、シリカ−マグネシア及びゼオライトよりなる群から
    選択された少なくとも1つの金属酸化物である請求項1
    乃至3のいずれかに記載の回収方法。
  5. 【請求項5】 前記有機溶媒が、n−ブタン、イソブタ
    ン、ブタジエン、n−ペンタン、ペンタジエン、n−ヘ
    キサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−デカン、流
    動パラフィン、シクロヘキサンまたはこれらの組合せで
    ある請求項1乃至4のいずれかに記載の回収方法。
  6. 【請求項6】 前記溶離剤が、メタノール、エタノー
    ル、イソプロパノール及びこれらの組合せよりなる群か
    ら選択される請求項1乃至5記載の回収方法。
  7. 【請求項7】 元素周期表第VIII族金属原子またはイオ
    ンの供給源と有機リン化合物とで構成されるカルボニル
    化触媒を用いて行ったカルボニル化反応混合物から前記
    触媒を回収するための方法であって、(1)脂肪族炭化
    水素、脂環式炭化水素及びこれらの組合せよりなる群か
    ら選択された抽出溶媒と前記カルボニル化反応混合物と
    を混合して、抽出溶媒相及び極性溶媒相に相分離させ
    て、極性溶媒相から前記触媒を回収し、(2)脂肪族炭
    化水素、脂環式炭化水素及びこれらの組合せよりなる群
    から選択される有機溶媒を、前記抽出溶媒相に配合し、
    混合液を極性吸着剤に接触させることにより、前記触媒
    を極性吸着剤に吸着させ、次いで(3)前記工程(2)
    で用いた有機溶媒よりも高い極性を有する溶離剤を用い
    て、極性吸着剤に吸着された触媒を溶離する工程を含む
    回収方法。
  8. 【請求項8】 前記工程(1)が、α,β−不飽和カル
    ボン酸共存下で行われる請求項7記載の回収方法。
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