JPH11145887A - 漏洩同軸ケーブルを用いた無線中継システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 広い閉空間のサービス領域をカバーし、かつ
ダイナミックレンジの小さい安価な増幅器の使用を可能
とする。 【解決手段】 トンネル８内に沿って複数の無線中継端
末１２が間隔をおいて配置され、これらは伝送路７でト
ンネル外の中継装置２と接続され、中継装置２は基地局
１との電波の送受を行い、各無線中継端末１２に漏洩同
軸ケーブル２１の一端が接続され、かつこれら同軸ケー
ブル２１はトンネル８に沿って敷設される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は移動通信方式にお
いて、基地局からの電波が到達しない、地下街やトンネ
ル内等の閉空間での通信を可能にするために基地局と閉
空間の間に設置され、基地局からの電波及び移動局から
の電波を中継する無線中継システムに関する。

【０００２】

【従来の技術】図３、図４に従来のこの種の無線中継シ
ステムの例を示す。図３において、基地局１からの下り
の電波は無線中継装置の対基地局アンテナ４で受信さ
れ、増幅器３−１で増幅後、電気／光変換器５で光信号
に変換されて、光ファイバ伝送路７によって伝送され、
トンネル８内に配置された無線中継端末装置１２内の光
／電気変換器１０で再び電気信号に変換された後、対移
動局アンテナ９からトンネル８内の移動局１３に対して
放射される。

【０００３】移動局１３からの上りの電波は無線中継端
末装置１２に接続された対移動局アンテナ９で受信さ
れ、電気／光変換器１１によって光信号に変換後、光フ
ァイバ伝送路７で無線中継装置２に伝送されて、無線中
継装置２内の光／電気変換器６で電気信号に変換された
後、増幅器３−２で増幅されて対基地局アンテナ４から
基地局１に対して放射される。図４は基地局１と無線中
継装置２が直接接続された形態のものであり、基地局１
と無線中継装置２の間が図３の様に空間を電波によって
飛ばす必要がない為、対基地局アンテナ４及び増幅器３
−１，３−２を必要としない以外は図３と同じ構成であ
る。

【０００４】この様なシステムにおいて、無線中継端末
装置１２にアンテナを接続した場合、無線中継端末装置
１２に漏洩同軸ケーブルを接続したグレーディングの場
合の各電界強度の特性を図５にそれぞれ曲線１５，１６
として示す。アンテナによる電界強度は、アンテナから
離れれば離れるほど電界強度は減衰していく。一方、漏
洩同軸ケーブルのグレーディングの場合、つまりある程
度電界強度が減衰すると結合減衰量が小さい漏洩同軸ケ
ーブルを接続し、グレーディング量Ｅ_G の範囲で電界強
度をある程度一定に保つことが出来る。通信の品質は、
電界強度が高ければ良く、低ければ悪くなる傾向にあ
る。アンナテによる方式の場合、無線中継端末装置に近
ければ品質は良いが、アンテナから離れれば品質は悪く
なっていく。

【０００５】漏洩同軸ケーブルのグレーディングでは、
先に述べたようにある程度の電界強度に保つことが出来
るので、品質についてもある程度に保つことが出来る。
また、ある距離Ｘだけ離れた位置まで不感地のサービス
を行うことを目標とするとき、アンテナを用いる場合は
変動量Ｅ_V を考慮した装置構成としなければならず、例
えば入力レベルに対して増幅器等でレベルを増幅するよ
うな機器構成の場合、最大入力レベルを考慮した増幅器
の規模を考慮したものとしなければならず、つまり、低
レベル信号を十分増幅し、しかも高レベル信号で飽和し
ないようにする必要があり、経済的な装置にならない場
合があった。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】従来の無線中継システ
ムでは、不感地（閉空間）内に設置する無線中継端末装
置にアンテナを接続してサービスを行う場合には、サー
ビス品質を一定に保つことが出来ない、変動量を考慮し
た場合に必ずしも経済的な装置にならないという問題点
があった。この発明は、サービス品質を一定に保ち、変
動量を小さくでき、経済的な装置にすることが出来る無
線中継システムを提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この発明の無線中継シス
テムによれば、基地局又は無線中継装置と閉空間内に設
置された複数の無線中継端末装置を光ファイバ等の伝送
路で接続し、各無線中継端末装置に漏洩同軸ケーブルを
接続し、その漏洩同軸ケーブルを不感地内のサービス領
域にそれぞれ敷設する。

【０００８】地下街やトンネル等の閉空間において無線
中継端末装置からの距離に関係なく通信品質を一定に保
つことができ、また、装置についても経済的な装置とす
ることができる。

【０００９】

【発明の実施の形態】この発明の実施例を図１に示し、
図３と対応する部分に同一符号を付けてある。この発明
においては各無線中継端末装置１２の電波送受端、つま
り図３において対移動局アンテナ９が接続される端部
に、図に示していないが適当な整合手段を介して、漏洩
同軸ケーブル２１の各一端が接続され、これら漏洩同軸
ケーブル２１がトンネル８内に敷設され、全漏洩同軸ケ
ーブル２１により、トンネル８内の全サービス領域をカ
バーするようにされる。つまりこの例では無線中継端末
装置１２がトンネル８内にその延長方向に沿って適当な
間隔で配置され、各漏洩同軸ケーブル２１もそれぞれト
ンネル８の延長方向に沿って敷設される。漏洩同軸ケー
ブル２１はグレーディング方式のものが好ましい。

【００１０】基地局１からの下りの電波は対基地局アン
テナ４で受信され、増幅器３−１で増幅後、電気／光変
換器５で光信号に変換されて、光ファイバ伝送路７によ
ってトンネル８内の各無線中継端末装置１２へ伝送さ
れ、その各光／電気変換器１０でそれぞれ再び電気信号
に変換された後、漏洩同軸ケーブル２１から移動局１３
に対してそれぞれ放射される。移動局１３からの上りの
電波はその近くの無線中継端末装置１２に接続された漏
洩同軸ケーブル２１で受信され、その電気／光変換器１
１によって光信号に変換後、光ファイバ伝送路７で無線
中継装置２に伝送されて、無線中継装置内の光／電気変
換器６で電気信号に変換され、増幅器３−２で増幅され
て対基地局アンテナ４から基地局１に対して放射され
る。

【００１１】図２にこの発明の他の実施例を示す。これ
は図４に示したものと対応するものであり、基地局１が
トンネル８の近くに設けられた例であり、図１の場合と
同様に、トンネル８内の各無線中継端末１２には対移動
局アンテナ９の代りに漏洩同軸ケーブル２１がそれぞれ
接続される。その動作は、図１、図４と同様であるか
ら、説明を省略する。

【００１２】上述において、伝送路７としては光ファイ
バ伝送路を用いることなく、電気信号伝送路、例えば同
軸ケーブルを用いてもよい。その場合は各電気／光変換
器及び光／電気変換器は省略され、必要に応じて増幅器
が用いられる。

【００１３】

【発明の効果】以上述べたようにこの発明によれば、閉
空間内に複数の無線中継端末装置が設けられ、これら各
無線中継端末装置にそれぞれ漏洩同軸ケーブルが接続さ
れ、これら漏洩同軸ケーブルにより、閉空間内の全サー
ビス領域をカバーするようにされているため、移動局が
送受信する電波の電界強度の変動幅が小さい、例えば前
記グレーディング量Ｅ_G 程度のものとすることができ、
電界強度がＥ_V （図５）に対応できるダイナミックレン
ジが著しく大きな増幅器と比較して増幅器の規模が小さ
い、安価なものとすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例を示すブロック図。

【図２】この発明の他の実施例を示すブロック図。

【図３】従来の無線中継システムを示すブロック図。

【図４】従来の他の無線中継システムを示すブロック
図。

【図５】アンテナと漏洩同軸ケーブルの電界強度−距離
特性図。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 基地局からの電波が到達しない地下街や
   トンネル等の閉ざされた空間（以下閉空間と記す）内の
   移動局からの電波及び基地局からの電波を中継して、上
   記基地局と移動局間の通信を可能とするシステムであっ
   て、 上記閉空間内に設けられた複数の無線中継端末装置と、 上記各無線中継端末装置の電波送受端にそれぞれ一端が
   接続され、上記閉空間内に敷設された複数の同軸ケーブ
   ルと、 基地局又はその電波を授受中継装置と上記複数の無線中
   継端末装置間とに接続され、これら間で上記電波と対応
   した信号を伝送する伝送路とを具備する漏洩同軸ケーブ
   ルを用いた無線中継システム。