JPH11143265A - セラミックスヒーター - Google Patents

セラミックスヒーター

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JPH11143265A
JPH11143265A JP30236097A JP30236097A JPH11143265A JP H11143265 A JPH11143265 A JP H11143265A JP 30236097 A JP30236097 A JP 30236097A JP 30236097 A JP30236097 A JP 30236097A JP H11143265 A JPH11143265 A JP H11143265A
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JP
Japan
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ceramic heater
substrate
fixing
powder material
image
Prior art date
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Application number
JP30236097A
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English (en)
Inventor
Masuhiro Natsuhara
益宏 夏原
Hirohiko Nakada
博彦 仲田
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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  • Resistance Heating (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速の画像定着のために、急速な温度の上昇
に耐えるセラミックスヒーター用基板を提供する。 【解決手段】 基板5に発熱体を設置したセラミックス
ヒーター4と、一方の面はセラミックスヒーター4に摺
接し他方の面は記録材に接して記録材と共に移動する定
着フィルムと、セラミックスヒーターとの間で定着フィ
ルムを介して記録材を挟持移動させる加圧ローラとから
成る未定着画像を定着させる画像定着装置において、そ
のセラミックスヒーター用基板5を、酸化ジルコニウム
(ZrO2)粉末材料を添加した酸化アルミニウム(Al
2O3)粉末材料の焼結体で構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙等の記録材面上
に未定着トナー等の画像を前記記録材上に定着する画像
定着装置のセラミックスヒーターに関する。
【0002】
【従来の技術】ファクシミリ、複写機、あるいはプリン
ター等の加熱式の画像定着装置では、感光ドラム上に形
成した未定着トナー等の画像を加熱、加圧して被加熱体
である紙等の記録材上に定着させている。従来、この定
着装置は加熱ローラと樹脂製の加圧ローラから成るもの
であり、このうち加熱ローラは円筒状の金属製ロール中
にハロゲンランプなどの熱源を設置し、その熱で金属製
ロール表面部を加熱し、画像を定着する装置であった。
【0003】近年、セラミックスヒーターを用いて未定
着トナー等の画像を定着する装置が提案され、実用化さ
れている。この装置は特許第2646444号公報、特
許第2516886号公報、特開平1−263679号
公報等に示されている。
【0004】セラミックスヒーターは、セラミックスヒ
ーターの熱容量が前記ハロゲンランプを用いたヒーター
の熱容量に比して非常に小さいために、記録材などの被
加熱体を加熱するのに適した温度まで昇温させるのに時
間がかからない、いわゆるクイックスタート性にも優れ
ており、また待機中にセラミックスヒーター等を高温に
維持する必要が無く、消費電力を低減できるなどの利点
もある。
【0005】最近は、特にプリンタ−の印刷速度の向上
が望まれ、その結果、上記セラミックスヒーターを使用
した定着方式に関して、年々定着速度が向上し、現在で
は1分間にA4用紙を8枚迄定着できるようになっている
ものの、さらに定着速度の高速化が望まれている。
【0006】現在の定着装置のセラミックスヒーター
は、基板として酸化アルミニウムの焼結体を用い、基板
上に通常は層状の発熱体を設け、更にその上に絶縁性で
耐熱性の定着フィルムとの摺動性を確保するためにガラ
ス層を被覆(オーバーコート)したものである。その時
のセラミックスヒーター4の構造は、図1に示すように
基板5上に発熱体3を設置し、その上を前記ガラス2で
被覆したものである。
【0007】なお、図1の(a)は、セラミックスヒー
ター4を上部から示したもので、図1(b)は図1
(a)のA−A’の断面を基板5を下にして示したもの
である。基板5の端部に設けられた電極1によって、発
熱体3は通電されるようになっている。
【0008】図2に示すように、樹脂製の円筒状支持体
(ステー6と称される。)にセラミックスヒーター4が
取り付けられており、そしてステー6及び前記セラミッ
クスヒーター4の各外周部を耐熱性の定着フィルム7が
加圧ローラー10の回転で加圧ローラー面の移動速度と
ほぼ同一の速度で移動する。この定着フィルム7の移動
は、加圧ローラー10によって伝達された回転によるも
のである。また、加圧ローラーはゴム等の弾性的に可塑
性を有するものを用いて、セラミックスヒーターと記録
材との加圧面の確保を容易にしている。
【0009】さらに、加圧ローラー10とセラミックス
ヒーター4の間に、上記移動する定着フィルム7ととも
に加圧ローラー10の回転によって移動する紙等の記録
材13が配置される。そして、定着フィルム7と記録材
13の移動とともに、紙等の記録材13の上に、未定着
トナー9−1等による画像が、加圧ローラーによる加圧
とセラミックスヒーターによる加熱によって、加熱定着
される。(図2、3に示すように、未定着トナー9−1
は、記録材13の移動にともない、加熱溶融トナー9−
2、定着トナー9となり、定着する。)その間、前記定
着トナー9は、未定着9−1、加熱溶融9−2トナーを
含めて、前記定着フィルム7に接着することのない材質
のものが採用されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】高速での印刷がプリン
ターに要求されてきている昨今、セラミックスヒーター
の消費電力も大きくなり、使用される加熱温度も、低速
での印刷に対応した従来の低速機に比較して高くなって
きている。しかし、このような高速で印刷するプリンタ
ーに対しても、クイックスタート性、及び消費電力の低
減が求められており、このため当然の如くヒーターの昇
温速度も大きくなっている。
【0011】すなわち従来の低速機ではヒーターを遅く
とも数秒の間に200℃程度の温度に上昇させればよか
ったが、高速化に伴い同じ時間で250℃、300℃ま
でヒーター温度を上昇させる必要がある。
【0012】このため熱衝撃に対して弱い酸化アルミニ
ウム焼結体を基板としてセラミックスヒーターに使用し
た場合、発熱体に通電開始時(スタート時)の急激な温
度上昇や、通電終了時(定着終了時)などの急激な温度
降下によって基板が破断してしまうという問題点があっ
た。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するため、基板に発熱体を設置したセラミックスヒータ
ーと、一方の面はセラミックスヒーターに摺接し他方の
面は記録材の面に接して記録材と共に移動する定着フィ
ルムと、セラミックスヒーターとの間で定着フィルムを
介して記録材を挟持移動させる加圧ローラとからなる未
定着画像を定着させる画像定着装置において、前記セラ
ミックスヒーターを構成する基板を、酸化ジルコニウム
(ZrO2)粉末材料を添加した酸化アルミニウム(Al
2O3)粉末材料の焼結体で形成する。
【0014】また、前記セラミックスヒーターを構成す
る前記基板の発熱体設置面と反対の面を記録材への定着
面とし、前記基板が、酸化ジルコニウム(ZrO2)粉末材
料を添加した酸化アルミニウム(Al2O3)粉末材料の焼
結体で形成することも有用である。
【0015】そして、酸化ジルコニウム(ZrO2)粉末材
料の酸化アルミニウム(Al2O3)粉末材料への添加量が
1.0体積%以上25.0体積%以下とする。さらに酸
化アルミニウム(Al2O3)粉末材料に添加される前記酸
化ジルコニウム(ZrO2)粉末材料の平均粉末粒径が10
μm以下とすることも有用である。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の対象とする定着装置の構
成は、図1及び図2に示すように、基板5に発熱体3を
設置した静止固定のセラミックスヒーター4と、一方の
面がセラミックスヒーターに摺接し、他方の面は記録材
の面に接して記録材と共に移動する定着フィルム7と、
セラミックスヒーター4との間で定着フィルム7を介し
て記録材13を挟持移動させる加圧ロール10とを有す
る。記録材13上の未定着トナ−9−1による未定着画
像をセラミックスヒーター4を用いて加熱し、定着トナ
−9として定着させる画像定着装置8におけるセラミッ
クスヒーター用基板5が、酸化ジルコニウム粉末材料を
含有する酸化アルミニウム粉末材料の焼結体から形成さ
れる。
【0017】セラミックスヒーター用基板として用いら
れている従来の汎用酸化アルミニウム基板は、酸化アル
ミニウム粉末材料が80〜99体積%で、Ca,Mg等のア
ルカリ土類金属やSi等の酸化物粉末材料が添加されてい
る。これらの酸化物粉末材料は汎用酸化アルミニウム基
板の焼結温度を低下させるために添加しているものであ
る。このため、これらのCa,Mg等のアルカリ土類金属や
Si等の酸化物粉末材料を添加した汎用酸化アルミニウム
基板の耐熱衝撃性には限界がある。従って、より高速化
を求められる定着装置に前記Ca,Mg等のアルカリ土類金
属やSi等の酸化物粉末材料を添加した汎用酸化アルミニ
ウム基板を用いることは難しい。
【0018】すなわち、Ca,Mg等のアルカリ土類金属や
Si等の酸化物粉末材料を添加した酸化アルミニウム粉末
材料の焼結体の基板からなるセラミックスヒーターは、
熱衝撃に対して弱い。これに対して本発明では酸化アル
ミニウム粉末材料に酸化ジルコニウム粉末材料を添加し
た焼結体をセラミックスヒーターの基板として用いるこ
とで同基板の靱性を高め、熱衝撃性に対して強くするこ
とで、基板の破断の問題を解決することができる。
【0019】セラミックスヒーター用基板の製造方法は
以下の様である。まず、原料の酸化アルミニウム粉末材
料と酸化ジルコニウム粉末材料を、所定の比率で混合す
る。その後プレス成形、もしくはドクターブレード法
(調整した原料の粉末材料を、搬送ベルトに供給して成
形する方法。)にて所定の形状に成形する。
【0020】このときの酸化ジルコニウム粉末材料の添
加量としては1.0体積%から25.0体積%が好まし
い。添加量が1.0体積%未満の場合、基板の靱性向上
の効果が小さくなり、また添加量が25体積%を超える
と、従来の汎用酸化アルミニウム基板よりも熱衝撃性が
低下する傾向がある。所定形状に成形した成形体は、酸
素含有又は窒素等の不活性ガスを含有する雰囲気中で焼
成し、焼結体とする。
【0021】また添加される酸化ジルコニウム粉末材料
の平均粉末粒径は10μm以下が好ましく、平均粉末粒
径が10μmを超えると、基板の熱衝撃性が低下する傾
向にある。
【0022】酸化ジルコニウム粉末材料の添加による基
板の靱性向上のメカニズムは、粉末材料を基板に焼結す
るに際して、焼結温度からの冷却工程で酸化ジルコニウ
ム粉末のマルテンサイト型相転移による体積膨張により
焼結体中に多数の微細クラックが生じ、これが焼結体の
破断時に生じるクラックを分岐させるため、その靱性が
向上するものと考えられる。
【0023】また酸化ジルコニウム粉末材料を添加した
酸化アルミニウム粉末材料の焼結体を基板としたセラミ
ックスヒーターは、上記のように靱性が向上するため
に、セラミックスヒーターの基板の厚みを薄くしても、
従来の汎用酸化アルミニウム基板より耐熱衝撃性に優れ
たセラミックスヒーターを得ることができる。
【0024】具体的には添加する酸化ジルコニウム粉末
の平均粒径、酸化ジルコニウム粉末材料の添加量により
異なるが、その最適な条件下では、従来の汎用酸化アル
ミニウム基板を用いたセラミックスヒーターに比べ基板
の厚みを半分程度にすることができる。
【0025】このことにより、セラミックスヒーターの
軽量化はもちろんのこと、ヒーター自体の熱容量も小さ
くすることができるため、セラミックスヒーターの消費
電力の低減も可能になる。更に、このように基板の厚み
を薄くすることにより、厚み方向での熱抵抗を小さくす
ることができるため、セラミックスヒーターの基板上の
発熱体を、基板の定着面(記録材上の未定着トナーを定
着させる面、すなわち記録材及び加熱溶融トナーと接す
る面)と反対側の面に形成することも可能となる。
【0026】すなわち、図2(b)に示すセラミックス
ヒーターは、基板5上に設置した発熱体を被覆したガラ
ス面側11を定着面としているのに対し、図3(b)で
は、基板5の発熱体3を設置した面と反対の面12を定
着面としている。この図3(b)に示す構造では、発熱
体3から発生した熱が基板5を伝導し、フィルム7を通
じて未定着トナー9−1等に熱を伝えて、加熱溶融トナ
ー9−2、定着トナ−9とするものである。
【0027】このときの熱は、図2(b)に示すような
構造に比べて容易に伝達される。これは図2(b)に示
す構造のセラミックスヒーターの定着面には熱伝導性の
悪いガラス層が被覆されているのに対し、図3(b)の
構造にすることによってセラミックスヒーターの定着面
にガラス層がなくなるために、セラミックスヒーターの
熱伝導が良くなるためである。従って、発熱体から未定
着トナー9−1等にスムースに熱を伝えて加熱溶融トナ
−9−2とすることが可能となるため、高速の画像定着
が可能となる。以下に本発明のさらに具体的な実施例、
及びその他の比較例を示す。
【0028】実施例(1)〜(4)として、酸化アルミ
ニウム(Al2O3)粉末材料95体積%と、平均粉末粒径
5.0μmの酸化ジルコニウム(ZrO2)粉末材料5.0
体積%との粉末材料に、所定量の有機溶剤、バインダー
を加えたものを、ボールミルによる24時間の混合を行
った。その混合したものを用いて、ドクターブレード法
にて所定の厚みのシート状成形品を作製した。
【0029】上記の他にも種々の平均粉末粒径の酸化ジ
ルコニウム粉末材料を用意し、酸化アルミニウム粉末材
料に対する酸化ジルコニウム粉末材料の添加量を変化さ
せたシート状成形品を、同様に作製した。
【0030】作成したシート状成形品を大気中で温度5
00℃で脱脂した後、窒素中で温度1600℃で焼結し
た。そのシート状焼結体を厚み1mmに研磨し、縦10
mm横300mmの長方形の大きさに切断しセラミック
スヒーターの基板5とした。その後、Ag-Pdペーストを
前記基板5にスクリーン印刷し、発熱体3を形成した。
【0031】更にAgペーストを同様にスクリーン印刷し
て、発熱体3に給電するための電極1を形成し、発熱体
3及び電極1を大気中820℃で前記基板5に焼き付け
た。この後、ガラスをスクリーン印刷して、発熱体を保
護するためのガラス2を形成し、大気中で温度750℃
で焼成して、セラッミクスヒーターを形成し、図1に示
す形状のものを作製した。
【0032】次にこれら実施例(1)〜(4)に示すセ
ラッミクスヒーターを実際の定着装置に装着し、セラミ
ックスヒーターの定着面を基板側12としてその耐久性
について評価した。評価方法は定着装置12の加圧ロー
ラ10の回転開始と同時に発熱体3に通電し、5秒間で
所定温度(表1に示すように300℃:サーミスター貼
り付けにより温度測定実施した。以下同じ。)まで上昇
させ、その後30秒所定温度に保持した後、発熱体への
給電と加圧ローラ10の回転を同時に停止させた。この
後、セラッミクスヒーター4が破断しているかどうかを
目視にて確認した結果を表1に示す。なお、破断回数1
000は、1000に到達しても、なおセラミックスヒ
ーターが破断しない状況を示している。
【0033】
【表1】
【0034】次に実施例(1)〜(4)に示すセラミッ
クスヒーターを定着装置に装着したまま毎分30枚の速
度でA4用紙に未定着トナーによる画像を定着させるテ
ストを行い画像定着の評価を行った。なお、このような
高速での定着は、発熱体到達温度が300℃にて達成さ
れるものである。表1の実施例(1)〜(4)のいずれ
のセラミックスヒーターにおいても良好な画像定着を得
ることができた。
【0035】なお、表1の画像定着の評価(○印)は、
用紙に定着した定着トナーによる文字等の形状、模様等
の画像を紙でこすっても固化している定着トナーの脱
落、剥離がまったく無い状態を示している。
【0036】添加される酸化ジルコニウム粉末材料の添
加量が1.0体積%から25体積%で、その平均粉末粒
径は10μm以下が高速での定着性に優れており、且つ
定着面を基板側とした場合においても、耐久性、及び定
着性に優れていることが判明した。
【0037】表2に示す実施例(5)〜(14)とし
て、酸化アルミニウム粉末材料95.0体積%に、平均
粉末粒径1.25μmの酸化ジルコニウム粉末材料を
5.0体積%加え、実施例(1)〜(4)に示した手法
を用い、厚みの異なる基板5を作製した。なお、基板5
の寸法は実施例(1)〜(4)と同様に縦10mm横3
00mmの長方形とした。
【0038】
【表2】
【0039】これら各基板5に対して前述の実施例と同
様にセラッミクスヒーターを作製し、定着面をガラス面
側11若しくは基板側12として、定着画像の評価、及
び消費電力の測定を行った。なお定着速度はA4用紙を
1分間に6枚定着する速度であって、一枚目の画像定着
について評価し、また、消費電力については、前記用紙
1枚定着時の消費電力について測定した。なお発熱体の
到達温度は200℃である。その結果を表2に示す。
【0040】なお、表2の画像定着の評価(○、□若し
くは△印)は、以下の様な基準で記載した。 ○:前記表1に示したのと同じで、用紙に定着した定着
トナーによる文字等の形状、模様等の画像を紙でこすっ
ても定着トナーの脱落、剥離がまったく無い状態。 □:定着画像を紙でこすると、若干の定着トナーの脱落
が生じる状態。 △:定着画像を紙でこすると、定着トナーの半分程度が
脱落する状態。
【0041】基板厚みが薄くなるほど、より良好な定着
画像が得られるとともに、低い消費電力で良好な画像定
着の得られることが判る。
【0042】比較例(1)〜(3)は、実施例(1)〜
(4)と同様に、酸化ジルコニウム粉末材料の添加量と
平均粉末粒径を変えたシート状成形品を製作し、それを
用いて同様にセラミックスヒーターを完成した。その耐
久性について評価した結果を、前記表1の下欄に実施例
(1)〜(4)と対比して示した。なお、比較例(1)
〜(3)のセラッミックスヒーターの耐久性については
少ない定着回数で破断が生じているため、その後の画像
定着の評価は実施しなかった。
【0043】比較例(4)〜(9)は、比較のために酸
化アルミニウム粉末85体積%に酸化カルシウム(Ca
O)、酸化珪素(SiO2)、酸化マグネシウム(MgO)の各
粉末材料を各々5.0体積%加え、実施例(1)〜
(4)と同様の方法で厚みの異なる種々の基板を作製
し、基板5とした。なお、その寸法は前述の実施例と同
様にした。
【0044】
【表3】
【0045】この基板は、厚みが0.4mm以下のもの
については、発熱体の昇温時に破断したので、以下の画
像定着の評価、消費電力の測定はできなかった。したが
って、表3には、その結果は記載していない。また、表
3に記載の画像定着の評価(○、□若しくは△)は、上
記表1、2について示したのと同様である。また、発熱
体の到達温度は200℃で、定着速度等も実施例(5)
〜(14)同様である。
【0046】基板厚みが薄くなるほど、良好な定着画像
が得られるが、消費電力が前記酸化ジルコニウム粉末材
料添加のものより大きいことが判明した。
【0047】比較例(10)〜(15)は、表4に示す
ように、酸化アルミニウム粉末材料に所定量の酸化カル
シウム、酸化珪素、酸化マグネシウムである各粉末材料
を各々同量加えて作製した基板を用いて、実施例(1)
〜(4)と同様の手法により作製したセラミックスヒー
ターを形成したものである。そして、作製したセラミッ
クスヒーターに関して実施例(5)〜(14)と同様の
評価を行い、その結果を表4に併せて示した。
【0048】
【表4】
【0049】この結果より発熱体到達温度が200℃を
越えて上昇するとセラミックスヒーターの耐久性は、著
しく低下することが判る。実施例(1)〜(4)に示し
た値(発熱体到達温度が300℃で、その耐久性を示す
破断回数が1000を超えている。)と比較すると、そ
の低下が著しいことも判る。
【0050】
【発明の効果】以上述べてきたように、酸化アルミニウ
ム粉末材料に適正量で、適正な平均粉末粒径の酸化ジル
コニウム粉末材料を添加した焼結体をセラミックスヒー
ター用基板に用いることで、熱衝撃性に非常に優れた、
熱による破断が発生しにくいセラミックスヒーターを作
製できる。
【0051】また従来の汎用酸化アルミニウム基板と比
較して基板の厚みを薄くすることが可能であり、厚み方
向の熱抵抗が小さくなるため、基板上に形成される発熱
体を、未定着画像を加熱する面と反対面に設置すること
も可能になる。その結果、より高速な厚み方向の熱伝達
が可能となるため、より高速な画像定着が可能となり、
加えて消費電力の低減も可能に成る。そして本発明で得
られたセラミックスヒーターにより、耐久性に優れた高
速印刷用のセラミックスヒーターを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】セラミックスヒーターの構造を示す図である。
【図2】セラミックスヒーター(定着面がガラス側)が
定着装置に装着されている図である。
【図3】セラミックスヒーター(定着面が基板側)が定
着装置に装着されている図である。
【符号の説明】
1:電極 2:ガラス 3:発熱体 4:セラミックスヒーター 5:基板 6:ステー 7:定着フィルム 8:画像定着装置 9:定着トナー 9−1:未定着トナー 9−2:加熱溶融トナー 10:加圧ローラー 11:セラミックスヒーターのガラス面側 12:セラミックスヒーターの基板側 13:記録材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板に発熱体を設置したセラミックスヒ
    ーターと、一方の面がセラミックスヒーターに摺接し他
    方の面は記録材の面に接して記録材と共に移動する定着
    フィルムと、前記セラミックスヒーターとの間で前記定
    着フィルムを介して前記記録材を挟持移動させる加圧ロ
    ーラとから成る未定着画像を定着させる画像定着装置に
    おいて、前記セラミックスヒーターを構成する前記基板
    が、酸化ジルコニウム(ZrO2)粉末材料を添加した酸化
    アルミニウム(Al2O3)粉末材料の焼結体で形成されて
    いることを特徴とするセラミックスヒーター。
  2. 【請求項2】 前記セラミックスヒーターを構成する前
    記基板の発熱体設置面と反対の面を記録材への定着面と
    することを特徴とする請求項1記載のセラミックスヒー
    ター。
  3. 【請求項3】 前記酸化ジルコニウム(ZrO2)粉末材料
    の酸化アルミニウム(Al2O3)粉末材料への添加量が
    1.0体積%以上25.0体積%以下であることを特徴
    とする請求項1又は請求項2記載のセラミックスヒータ
    ー。
  4. 【請求項4】 前記酸化ジルコニウム(ZrO2)粉末材料
    の平均粉末粒径が10μm以下であることを特徴とする
    請求項3記載のセラミックスヒーター。
JP30236097A 1997-11-05 1997-11-05 セラミックスヒーター Pending JPH11143265A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1967917A3 (en) * 2007-03-06 2011-04-06 Samsung Electronics Co., Ltd. Image forming apparatus with fixing unit

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EP1967917A3 (en) * 2007-03-06 2011-04-06 Samsung Electronics Co., Ltd. Image forming apparatus with fixing unit

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