JPH11142625A - 屈折反射フィルム及びその製造方法 - Google Patents

屈折反射フィルム及びその製造方法

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JPH11142625A
JPH11142625A JP9301872A JP30187297A JPH11142625A JP H11142625 A JPH11142625 A JP H11142625A JP 9301872 A JP9301872 A JP 9301872A JP 30187297 A JP30187297 A JP 30187297A JP H11142625 A JPH11142625 A JP H11142625A
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light
layer
refraction
reflection
reflection film
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JP9301872A
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Inventor
Koichiro Kawate
恒一郎 川手
Naoyuki Chokai
尚之 鳥海
Yoshinori Takeyasu
義紀 武安
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3M Japan Ltd
Original Assignee
Sumitomo 3M Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 出射される光の散乱を防止して出射光量を増
加させ、視認性を向上できる屈折反射フィルムを提供す
る。 【解決手段】 光反射面を有する光反射層、及び前記光
反射面に密着し、光屈折面を有する透光層を備え、前記
光屈折面及び前記光反射面が互いに傾斜をなしており、
前記透光層に入射した光の方向とは異なる方向に、前記
透光層から光を出射させることができる屈折反射フィル
ム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、屈折反射フィルム
及びその製造方法に関する。より詳細には、本発明は、
光の反射と屈折の両方を利用した屈折反射フィルム及び
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光の入射方向と同じ方向に光を反射する
フィルム状の光反射体が従来から知られ、昼夜を問わず
道路情報などを提供できる道路標識等として用いられて
いる。例えば、特開昭48−72290号公報、特開昭
57−27748号公報及び米国特許第305832号
に開示されている光反射体は、フィルム上に精密にコー
ティングされたきわめて微細なガラスビーズを備えてい
たり、又は、フィルム上に形成された特殊なプリズムレ
ンズを含んでいたりして、再帰反射性を有している。
【0003】しかしながら、上記従来技術の光反射体
は、光の入射方向と同じ方向に光を反射させるようにな
っているために、反射光の強度が、光反射体と光反射体
からの反射光を観測する観測者との距離と共に単調に変
化する。このため、光反射体からの特定の距離を認識し
難い傾向がある。特に、夜間に光反射体が用いられる場
合にその傾向が顕著に表れる。そこで、このような視認
性を改善するための光反射体が、特開平6−28920
7号公報に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平6−2
89207号公報に開示された光反射体は、それに入射
する光の方向と異なる方向に光を出射させることができ
るものの、その方向をそろえて光を出射させることはで
きない。このため、例えば光源が自動車のヘッドライト
等のように平行光線を発することができるものである場
合、光反射体から出射される光は散乱し、その照度が低
下するので、視認性の向上をそれ程期待することはでき
ない。そこで、本発明は、光の反射と屈折の両方を利用
することにより、出射される光の光量を増加させて、上
記課題を解決することができる屈折反射フィルム及びそ
の製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、光反射
面を有する光反射層、及び前記光反射面に密着し、光屈
折面を有する透光層を備え、前記光屈折面及び前記光反
射面が互いに傾斜をなしており、前記透光層に入射した
光の方向とは異なる方向に、前記透光層から光を出射さ
せることができることを特徴とする屈折反射フィルムが
提供される。
【0006】このような構成では、フィルム内での光の
屈折と反射により、例えば透光層に平行光線が入射した
場合にも、屈折反射フィルムから光を等方的に散乱させ
ることなく高い照度で所定の方向へ出射させることがで
きる。透光層が、屈折率が互いに異なる入射層及び光屈
折層を含み、且つ、光屈折面が、入射層と光屈折層との
間に形成され、光反射面に対して傾斜をなしている界面
であってもよい。この場合は、透光層の表面を光反射面
と平行な平坦面にすることができるので、透光層への光
の入射を妨げる埃や塵等の堆積物が容易に除去できる。
【0007】本発明の屈折反射フィルムの典型的な製造
方法は、光反射面を有する光反射層を形成する工程、前
記光反射面に対して傾斜した光屈折面を有する光屈折層
を形成する工程、及び前記光反射層と前記光屈折層とを
密着させる工程を含み、前記光反射層及び前記光屈折層
のいずれか一方の層を、傾斜した面を有する突起部を含
む型を用いて形成し、他方の層を、前記一方の層の上に
形成することを特徴としている。このような製造方法
は、複数の傾斜面を同時に形成することができるので、
工程の効率化及びコストの削減につながる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施形態にしたが
って説明する。なお、図面中、同一又は相当の部分には
同一の符号を付してある。図1は、本発明の屈折反射フ
ィルムの一実施形態を示した(一部切り欠き)斜視図で
ある。屈折反射フィルム10は、図2の拡大断面図に示
されるように、複数の小傾斜面を有する透光層12と、
透光層12の傾斜面を有する主要面上に密着して形成さ
れ、光を反射することができる光反射層14とを備えて
いる。
【0009】図2を参照して屈折反射フィルム10をよ
り詳細に説明する。透光層12は、空気の屈折率と異な
る屈折率(n)を有しており、好適にはアクリレート系
の樹脂、より好適には、分子内に(メタ)アクリロイル
基を少なくとも1つ有するオリゴマー化合物とそのオリ
ゴマー化合物と共重合しうる反応性の2重結合を少なく
とも1つ有する低分子化合物とよりなる樹脂からなって
いる。このため、透光層12の連続した平坦な表面13
は空気との境界面での屈折を生じさせる光屈折面として
機能する。また、このような連続した平坦な表面13
に、透光層12への光の入射及びそこからの出射を妨げ
る埃や塵が堆積しても、容易に除去される。一方、従来
からよく知られたプリズムフィルムは、表面に微小な凹
部を形成しているため、埃や塵がそこに堆積した場合は
除去されにくい。すなわち、プリズムフィルムは埃や塵
の存在により低下した性能を回復させることが困難であ
る。それに対して、連続した平坦な表面13を有する屈
折反射フィルム10は、低下した性能を容易に回復させ
ることができる。透光層12の裏面には、透光層12の
表面13に対して所定の角度(θ)で傾斜している傾斜
面16が、一定方向に沿って規則的に形成されている。
この傾斜面16の周期幅は10cm以下であればよい。
透光層12による光の吸収を防止する観点からである。
傾斜面の周期幅の下限は特に限定されないが、通常0.
01mm以上である。
【0010】傾斜面16上には、例えば金箔やアルミニ
ウム箔等の金属箔、金属蒸着フィルム又は高分子多層フ
ィルムからなる光反射層14が設けられている。光反射
層14は、傾斜面16に密着させために、傾斜面16に
対してネガとポジの関係にある相補的な光反射面18を
有している。なお、この屈折反射フィルムを例えば壁等
に取り付けるために、光反射層の表面上に粘着層(図示
せず)を設けてもよい。
【0011】この構成では、図2に矢印で示されるよう
に。透光層12の表面13に光が垂直に入射した場合、
その表面に対して傾斜している光反射面18により、入
射方向と異なる方向に反射される。その結果、反射され
た光は透光層12の表面13に対して垂直でなくなるの
で、表面13で屈折される。その結果、透光層12の表
面に入射した方向と異なる方向θR=sin-1{nsin(2θ)}
に偏向され、屈折反射フィルム10から出射される。光
が透光層の表面に斜めに入射した場合も、光が透光層に
入射したときにも屈折される以外は、上記と同じ現象が
起きる。
【0012】上述のように、屈折反射フィルム10に入
射した方向と異なる所定の方向に出射されるということ
は、その方向以外には光が出射されないことを意味す
る。このことは、図3に示すように、運転中の2台の自
動車20,22の車間距離を、前方の自動車20の後部
に取り付けられた屈折反射フィルム10と後方の自動車
22のヘッドライト24の光を利用して、後方の自動車
22の運転者が確認しようとするときに非常に有効であ
る。このような状況では、ヘッドライト24の光が屈折
反射フィルム10に入射する角度は基本的には大きく変
わらないので、屈折及び反射によって屈折反射フィルム
10から出射される光の方向も基本的に不変である。し
たがって、後方の自動車22が一定の距離まで前方の自
動車20に近づいたときに、後方の自動車22の運転者
の視界に屈折反射フィルム10からの出射光が入り、後
方の運転者は適正な車間距離を認識することができる
【0013】また、逆に、屈折反射フィルム10に入射
した方向と異なる所定の方向に出射されるということ
は、所定の方向に光が出射されるように光を入射させる
ことができることをも意味する。このような特徴は、例
えば図4に示されるように、車庫入れの際に、自動車2
6の後部と、屈折反射フィルム10が粘着剤(図示せ
ず)により取り付けられている壁28との間の距離を、
運転席から運転者Dがサイドミラー30を用いて確認す
る場合に、非常に有効である。
【0014】すなわち、自動車26が壁28に向かって
後進する際、自動車26後部のブレーキランプ31から
屈折反射フィルム10に入射する光の角度は変化する。
一方、運転者Dはサイドミラー30によって屈折反射フ
ィルム10からの光を特定の方向に観測することができ
る。したがって、自動車26が後進中に自動車26の後
部と壁28との距離が一定の値になったとき、上述の特
徴により、サイドミラー30に向かって光を出射させる
ことができる。この結果、運転者Dが運転席から離れる
ことなく、自動車26の後部と壁28との距離を確認す
ることができる。
【0015】屈折反射フィルム10は、光源からの距離
が特定の値になったときに注意を促す機能を有している
ので、例えば道路標識、工事標識又は駐車場での衝突防
止標識等にも適用可能である。入射した光の方向とは異
なる方向に光を出射させる本発明の屈折反射フィルムの
用途は、上記用途に限定されない。例えば、室内の間接
照明のため、棚や物置の中に光りを導くため、太陽光が
部分的にしか射し込まない部屋を明るくするため、又
は、看板の内部を照らすため等に、本発明の屈折反射フ
ィルムを用いてもよい。また、傾斜面は1つの向きにだ
け傾斜しているものに限定されされない。出射される光
の方向が広がるよう、傾斜面がプリズム状になって2つ
の向きに傾斜していてもよい。
【0016】つぎに、本実施形態の屈折反射フィルムの
製造方法を、図5を参照して説明する。図5は、図1及
び図2に示した屈折反射フィルムの製造方法の一実施形
態を工程順に示す概略部分断面図である。まず、突起部
を含み所望の角度で傾斜した面が、所望の間隔でもって
規則的に設けられた金型50を用意する(図5
(a))。この金型50の表面に反射膜(フィルム)を
配置し、この状態で、それを押し付けて金型50に密着
させ、金型50と同じ形状を有する光反射層14を形成
する(図5(b))。次いで、この光反射層14上に硬
化性の樹脂原料組成物を載せ、この状態で、放射線硬化
させ、透光層12を形成する(図5(c))。その後、
金型50を光反射層14から取り外し、連続した平坦な
表面を有する屈折反射フィルム10を得る(図5
(d))。このような製造方法は、複数の傾斜面を同時
に形成することができ、工程の効率化につながり、その
結果として、製造コストが削減される。
【0017】本発明の屈折反射フィルムは上記実施形態
に限定されない。図6は、本発明の屈折反射フィルムの
第2の実施形態を示した概略部分断面図である。図6の
屈折反射フィルム40の透光層42には、図2の屈折反
射フィルム10の透光層12と異なり、互いに異なる屈
折率n1及びn2をそれぞれ有する入射層44及び光屈折
層46が含まれている。このような入射層及び光屈折層
は、好適には、上述のアクリレート系の樹脂や樹脂組成
物であって組成が互いに異なり、従って屈折率が異なる
ものから形成される。
【0018】入射層44と光屈折層46との界面は、透
光層42の表面及び裏面に対して所定の角度(Q)で傾
斜して、一定方向に沿って規則的に形成されて、光を屈
折させる光屈折面として機能している。透光層42の裏
面上には、光反射層48が密着して設けられている。こ
の光反射層48は、第1実施形態の光反射層14が透光
層12の表面に対して傾斜しているのと異なり、平坦に
なっている。この場合、屈折反射フィルムが例えば壁に
取り付けられたときは、第1実施形態の屈折反射フィル
ムに比べて、光反射層表面と壁との間には空隙の形成が
抑制される傾向にある。すなわち、接触面積が増大す
る。その結果、屈折反射フィルムの取り付けが確実にな
されるようになる。
【0019】このような構成の屈折反射フィルム40で
は、図6に示されるように入射層44の表面に垂直に光
が入射した場合に、光屈折面で屈折する。媒質が異なり
表面に対しては傾斜した界面では、その光が斜めに入射
するからである。屈折した光は、光屈折層46と光反射
層48との境界面52で鏡面反射して再び光屈折面に向
かう。このときもその光屈折面へ光が斜めに入射するた
め、光屈折面で屈折され、その方向は入射層44の表面
に対して垂直ではない。したがって、光が入射層44の
表面から外部に出射するときにも屈折が生じる。その結
果、光が、反射と屈折とにより、下記の式にしたがっ
て、その表面に入射した方向と異なる所定の方向に出射
される。
【0020】
【数1】QR=sin-1(n1Φ) Φ=ycosQ−(1−y2)1/2sinQ y=n2/n1×(1−n1/n2×sinQ)2)1/2sin(2Q)
−sinQcos(2Q)
【0021】なお、Φ及びyは屈折反射フィルムから出
射される光の方向の角度を求めるためのパラメータであ
る。この式によれば、屈折反射フィルムに入射する角度
と、入射層及び光屈折層の屈折率だけで、屈折反射フィ
ルムから出射される光の方向を、第1実施形態と同様に
決定することができる。したがって、第1実施形態の場
合と同様の作用及び効果が得られるようになる。
【0022】つぎに、第2実施形態の屈折反射フィルム
の製造方法を、図7を参照して説明する。図7は、図6
の屈折反射フィルムの製造方法の一実施形態を工程順に
示した概略部分断面図である。断面がプリズム状である
突起部を含み所望の角度で傾斜した面が、所望の間隔で
もって規則的に設けられた金型51を用意する(図7
(a))。金型51上に硬化性の樹脂原料組成物を載せ
て、放射線硬化させ、金型51の傾斜面に対応した形状
を有する入射層44を形成する(図7(b))。入射層
44を金型51から取り外した後、傾斜面を有する入射
層44の表面上に、上記の樹脂原料組成物とは組成が異
なる硬化性の樹脂原料組成物を載せ、放射線硬化させ、
光屈折層46を形成する(図7(c))。この状態で、
光反射層48を光屈折層46の平坦面に密着させて、屈
折反射フィルム40を得る(図7(d))。
【0023】このような製造方法は、光屈折面に対して
傾斜した複数の光反射面を同時に形成することができる
第1実施形態と異なり、光反射面に対して傾斜した複数
の光屈折面を同時に形成することができる。したがっ
て、この方法は、上に述べた実施形態の方法と同様、工
程の効率化及びコストの削減につながる。
【0024】
【実施例】以下、実施例を示し、本発明をより具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。実施例1 突起部を含み、5.7°の角度で傾斜した面が10mm
の間隔でもって規則的に設けられた金型(図5参照)を
用意した。この金型の表面に、厚さが50ミクロンのア
ルミ箔を置き、この状態で、アルミ箔を押し付けて金型
に密着させ、光反射層を形成した。この光反射層上に、
ウレタンアクリレート(UX4101。日本化薬(株)
製)60重量部、メチルメタクリレート(MMA)40
重量部及び光ラジカル開始剤(D1173。チバガイギ
ー社製)1重量部からなる樹脂原料組成物を載せ、出力
が1300mJ/cm2の低圧水銀灯により紫外線硬化
させ、屈折反射フィルムを得た。
【0025】このようにして得た屈折反射フィルムの性
能を、次のようにして評価した。屈折反射フィルムのウ
レタンアクリレート樹脂面に対して垂直に、直径10c
mの平行光線を照射し、屈折反射フィルムから出射され
る光の方向と強さ(lux)の関係を、屈折反射フィルム
から250cm離れた位置で調べた。表1の(a)欄
に、その関係を示す。なお、表1の(b)欄には、光反
射層だけで透光層のないときの関係を示す。また、図8
は、それらをグラフ化して示したものである。なお、表
1及び図8中の「h」は、入射光束の中心から、フィル
ム表面に平行な面内にある測定点までの(同面上の)距
離(cm)である。
【0026】
【表1】
【0027】図8から明らかなように、この屈折反射フ
ィルムは、透光層の存在により、入射光に対して13〜
14°だけずれた方向に、光を最も強く出射させること
ができることが明らかとなった。このようなずれは、上
記実施形態で述べた距離を認識するために十分なものに
なっている。なお、24〜25°付近に第2のピークが
現れ、出射される光が広がっている。これは、透光層内
で多重反射が起きたためである。なお、このような光の
広がりを用いて、広い領域にわたって光を照らすことが
できる。
【0028】実施例2 断面がプリズム状である突起部を含み、45゜の角度で
傾斜した面が0.36mmの間隔でもって規則的に設け
られた金型(図7参照)を用意した。この金型上に、実
施例1で使用した樹脂原料組成物を載せ、出力が130
0mJ/cm2の低圧水銀灯により紫外線硬化させ、金
型のプリズム状突起に対応した形状を有する入射層を得
た。つぎに、この入射層を金型から取り外し、入射層の
傾斜面上に、ウレタンアクリレート(UX41016
0)重量部、フェノキシエチルアクリレート40重量部
及び光ラジカル開始剤(D1173)1重量部からなる
硬化性の樹脂原料組成物を載せた。そして、放射線硬化
させ、光屈折層を得た。この状態で、シルバーラックス
フィルム(商標。3M社製)からなる光反射層を光屈折
層に密着させて、透光層の厚さが1mmの屈折反射フィ
ルムを得た。
【0029】このようにして得た屈折反射フィルムの性
能の評価を行った。屈折反射フィルムの入射層表面に対
して垂直に、直径10cmの平行光線を照射し、屈折反
射フィルムから出射される光の方向と強さの関係を、屈
折反射フィルムから355cmだけ離れた位置で調べ
た。表2は、その関係を示す。
【0030】
【表2】
【0031】表2から明らかなように、入射光に対して
4〜5°だけずれた方向に、光が屈折反射フィルムから
最も強く出射されている。このようなずれは、上記実施
形態で述べた距離を認識するために十分なものになって
いる。本実施例の入射層と光屈折層の屈折率は、それぞ
れ1.495及び1.520である。計算によれば、光
が最も強く出射される方向は3°となり、実験の結果と
若干相違している。これは、評価のときに用いた平行光
線が完全に平行になっていないことや、接着剤の存在に
より光が拡散されたことによるものと考えられる。
【0032】実施例3 入射層及び光屈折層の形成に使用する樹脂原料組成物の
メチルメタクリレート(MMA)40重量部及びフェノ
キシエチルアクリレート(PEA)40重量部に代え
て、それぞれ、t−ブチルアクリレート40重量部及び
エポキシアクリレート(RDX51027。ダイセルU
CB社製)60重量部を用いた以外は実施例2と同じ方
法で、屈折反射フィルムを作製した。このようにして得
た屈折反射フィルムの性能を、実施例2と同様の方法で
評価した。表3に、その結果を示す。
【0033】
【表3】
【0034】表3から明らかなように、入射光に対して
約14°だけずれた方向に、光が屈折反射フィルムから
最も強く出射されている。このように、本実施例では、
実施例2の屈折反射フィルムに比べて、反射光の方向の
ずれを拡大させることができる。なお、本実施例の入射
層と光屈折層の屈折率はそれぞれ1.480及び1.5
87である。計算によれば、光が最も強く出射される方
向は13°となり、実施例1と同様の理由で実験の結果
と若干相違している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の屈折反射フィルムの第1実施形態の
斜視図である。
【図2】 図1の屈折反射フィルムの部分断面図であ
る。
【図3】 本発明の屈折反射フィルムの応用例を示す図
である。
【図4】 本発明の屈折反射フィルムの別の応用例を示
す図である。
【図5】 本発明の屈折反射フィルムの第1実施形態の
製造方法の工程を示す図である。
【図6】 本発明の屈折反射フィルムの第2実施形態の
部分断面図である。
【図7】 本発明の屈折反射フィルムの第2実施形態の
製造方法の工程を示す図である。
【図8】 実施例1で得た屈折反射フィルムと比較反射
フィルムの反射性能の測定結果を示すグラフである。
【符号の説明】
10…屈折反射フィルム、12…透光層、14…光反射
層、16…傾斜面、18…光反射面、40…屈折反射フ
ィルム、42…透光層、44…入射層、46…光屈折
層、48…光反射層、50…金型。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光反射面を有する光反射層、及び前記光
    反射面に密着し、光屈折面を有する透光層を備え、 前記光屈折面及び前記光反射面が互いに傾斜をなしてお
    り、 前記透光層に入射した光の方向とは異なる方向に、前記
    透光層から光を出射させることができることを特徴とす
    る屈折反射フィルム。
  2. 【請求項2】 前記透光層が、屈折率が互いに異なる入
    射層及び光屈折層を含み、且つ、 前記光屈折面が、前記入射層と前記光屈折層との間に形
    成され、前記光反射面に対して傾斜をなしている界面で
    あることを特徴とする請求項1に記載の屈折反射フィル
    ム。
  3. 【請求項3】 光反射面を有する光反射層を形成する工
    程、 前記光反射面に対して傾斜した光屈折面を有する光屈折
    層を形成する工程、及び前記光反射層と前記光屈折層と
    を密着させる工程を含んでなる屈折反射フィルムの製造
    方法であって、 前記光反射層及び前記光屈折層のいずれか一方の層を、
    傾斜した面を有する複数の突起部を含む型を用いて形成
    し、 他方の層を、前記一方の層の上に形成することを特徴と
    する製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009152207A (ja) * 2001-12-05 2009-07-09 Solid State Opto Ltd 発光パネルアセンブリ
JP2016061973A (ja) * 2014-09-18 2016-04-25 Necプラットフォームズ株式会社 光反射板及び光反射方法

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