JPH11142617A - ブラックマトリックス用ブランクスおよび液晶ディスプレイ用カラーフィルタ - Google Patents

ブラックマトリックス用ブランクスおよび液晶ディスプレイ用カラーフィルタ

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JPH11142617A
JPH11142617A JP32381597A JP32381597A JPH11142617A JP H11142617 A JPH11142617 A JP H11142617A JP 32381597 A JP32381597 A JP 32381597A JP 32381597 A JP32381597 A JP 32381597A JP H11142617 A JPH11142617 A JP H11142617A
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正泰 高橋
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 透明基板面側の反射率が低く、クロムを主成
分としないブラックマトリックス用ブランクスと、高品
質の画像表示を可能とする液晶ディスプレイ用カラーフ
ィルタを提供する。 【解決手段】 透明基板の一方の面に、ニッケルおよび
/またはコバルトを主成分とする化合物ないし混合物か
らなる半透明性を有する膜である第1反射防止膜3と第
2反射防止膜4をこの順に積層し、第2反射防止膜4上
に、ニッケルおよび/またはコバルトを主成分とする化
合物ないし混合物からなる遮光膜5を形成し、透明基板
2の屈折率ns、第1反射防止膜3の複素屈折率の実数
部n1、第2反射防止膜4の複素屈折率の実数部n2、
遮光膜5の複素屈折率の実数部n3がほぼ可視光全領域
でns<n1<n2<n3となるようにしてブラックマ
トリックス用ブランクス1とし、このブランクスを用い
て形成した液晶ディスプレイ用カラーフィルタ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はブラックマトリック
ス用ブランクスと、これを用いた液晶ディスプレイ用カ
ラーフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、フラットディスプレーとして、モ
ノクロあるいはカラーの液晶ディスプレイが注目されて
いる。液晶ディスプレイには、3原色の制御を行うため
にアクティブマトリックス方式および単純マトリックス
方式とがあり、いずれの方式においてもカラーフィルタ
が用いられている。そして、カラーの液晶ディスプレイ
は構成画素部を3原色(R,G,B)とし、液晶の電気
的スイッチングにより3原色の各光の透過を制御してカ
ラー表示を行うものである。
【0003】液晶ディスプレイ用のカラーフィルタは、
透明基板上に各着色パターンと透明電極膜を形成して構
成されている。そして、発色効果や表示コントラストを
上げるために、着色パターンのR,G,Bの各画素の境
界部分に遮光膜(ブラックマトリックス)が形成され
る。また、アクティブマトリックス方式の液晶ディスプ
レイでは、薄膜トランジスタ(TFT)をスイッチング
素子として用いているため、光リーク電流を抑制する必
要がある。このため、ブラックマトリックスに対してよ
り高い遮光性が要求される。
【0004】従来、ブラックマトリックスとしては、ク
ロム薄膜をフォトエッチングしてレリーフ形成したも
の、親水性樹脂レリーフを染色したもの、黒色顔料を分
散した感光液を用いてレリーフ形成したもの、黒色電着
塗料を電着して形成したもの、印刷により形成したもの
等がある。
【0005】上述のクロム薄膜からなるブラックマトリ
ックスは、通常、透明基板上にクロム薄膜(遮光膜)を
設けたブランクスにレジストパターンを形成してエッチ
ング加工することにより作製される。そして、液晶ディ
スプレイのさらなる表示品質の向上の要求に伴い、液晶
ディスプレイの視認性をより向上させるために、ブラッ
クマトリックスに対して遮光性とともに透明基板面側の
反射率低減が求められている。これに対応するものとし
て、透明基板とクロム薄膜(遮光膜)との間に酸化クロ
ム等の反射防止膜を介在させたブランクスが提案されて
いる(特開昭61−39024号公報等)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
構成のブランクスを使用して作製したブラックマトリッ
クスでは、可視光領域全域における透明基板面側の反射
率を低いレベル(例えば、10%以下)にまで低減でき
ず、また、反射防止膜が可視光領域内の特定波長に反射
率の極小値をもつため、反射防止膜の微妙な膜厚の変化
により各波長での反射率が変化しやすく、ひいては反射
色の色調の変化を生じるという問題があった。
【0007】また、従来のブランクスでは遮光膜として
クロム薄膜を使用しているため、フォトエッチングの廃
液に混入する6価クロムの処理施設が必要であり、工程
管理が煩雑であるとともに製造コストの低減に支障を来
すという問題があった。
【0008】本発明は上述のような事情に鑑みてなされ
たものであり、透明基板面側の反射率が低く、かつ、ク
ロムを主成分としないブラックマトリックス用ブランク
スと、高品質の画像表示を可能とする液晶ディスプレイ
用カラーフィルタを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明のブラックマトリックス用ブランクス
は、透明基板と、該透明基板の一方の面に順次積層され
た第1反射防止膜、第2反射防止膜および遮光膜とを少
なくとも備え、前記第1反射防止膜および第2反射防止
膜はニッケルおよび/またはコバルトを主成分とする化
合物ないし混合物からなる半透明性を有する膜であり、
前記遮光膜はニッケルおよび/またはコバルトを主成分
とする化合物ないし混合物からなる遮光性を有する膜で
あり、前記透明基板の屈折率ns、前記第1反射防止膜
の複素屈折率の実数部n1、前記第2反射防止膜の複素
屈折率の実数部n2、前記遮光膜の複素屈折率の実数部
n3が、ほぼ可視光全領域でns<n1<n2<n3な
る関係を有するような構成とした。
【0010】また、本発明のブラックマトリックス用ブ
ランクスは、上記のニッケルを主成分とする化合物ない
し混合物が、第2元素としてモリブデン,タングステ
ン,銅,アルミニウム,タンタル,ジルコニウム,コバ
ルトからなる群から選ばれた1種以上の元素を原子百分
率0〜40%の範囲内で含有し、第3元素としてチタン
を原子百分率0〜20%の範囲内で含有し、かつ、第2
元素と第3元素の少なくとも1種を必ず含有するもので
あり、上記のコバルトを主成分とする化合物ないし混合
物が、第2元素としてモリブデン,タングステン,銅,
アルミニウム,タンタル,ジルコニウム,ニッケルから
なる群から選ばれた1種以上の元素を原子百分率0〜4
0%の範囲内で含有し、第3元素としてチタンを原子百
分率0〜20%の範囲内で含有し、かつ、第2元素と第
3元素の少なくとも1種を必ず含有するものであり、上
記のニッケルおよびコバルトを主成分とする化合物ない
し混合物が、第2元素としてモリブデン,タングステ
ン,銅,アルミニウム,タンタル,ジルコニウムからな
る群から選ばれた1種以上の元素を原子百分率0〜40
%の範囲内で含有し、第3元素としてチタンを原子百分
率0〜20%の範囲内で含有し、かつ、第2元素と第3
元素の少なくとも1種を必ず含有するものであるような
構成とした。
【0011】また、本発明のブラックマトリックス用ブ
ランクスは、可視光領域の少なくとも波長400〜70
0nmの領域で上記ns<n1<n2<n3なる関係が
成立するような構成とした。
【0012】また、本発明のブラックマトリックス用ブ
ランクスは、前記第1反射防止膜が、ニッケルおよび/
またはコバルトを主成分とする化合物ないし混合物を原
子百分率30〜50%の範囲で含有するとともに、さら
に、酸素、酸素と窒素、酸素と炭素、酸素と窒素と炭素
の各組み合わせからなる群から選ばれた1組の元素を含
有し、前記第2反射防止膜が、ニッケルおよび/または
コバルトを主成分とする化合物ないし混合物を原子百分
率45〜65%の範囲で含有するとともに、さらに、酸
素、酸素と窒素、酸素と炭素、酸素と窒素と炭素の各組
み合わせからなる群から選ばれた1組の元素を含有する
ような構成とした。
【0013】さらに、本発明のブラックマトリックス用
ブランクスは、前記遮光膜が、ニッケルおよび/または
コバルトを主成分とする化合物ないし混合物を原子百分
率60〜100%の範囲で含有するとともに、さらに、
酸素、酸素と窒素、酸素と炭素、酸素と窒素と炭素の各
組み合わせからなる群から選ばれた1組の元素を含有す
るような構成とした。
【0014】本発明の液晶ディスプレイ用カラーフィル
タは、上記のようなブラックマトリックス用ブランクス
を用いて形成したブラックマトリックス基板を使用して
着色パターンおよび透明電極膜を設けたような構成とし
た。
【0015】上記のような本発明では、ほぼ可視光全領
域でns<n1<n2<n3なる関係を有する透明基
板、第1反射防止膜、第2反射防止膜、および、遮光膜
によって、透明基板側からの反射率が低いものとされ、
また、第1反射防止膜、第2反射防止膜、および、遮光
膜はいずれもクロムを主成分としていなので、ブラック
マトリックス形成時のエッチング工程で生じた廃液中の
クロム処理を不要とすることができ、本発明のブランク
スを使用して作製されたブラックマトリックスを備える
液晶ディスプレイ用カラーフィルタは、視認性が極めて
良好なものとなる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。ブラックマトリックス用ブランクス 図1は、本発明のブラックマトリックス用ブランクスの
一例を示す概略断面図である。図1において、ブラック
マトリックス用ブランクス1は、透明基板2と、この透
明基板2の一方の面に積層された第1反射防止膜3、第
2反射防止膜4および遮光膜5を備えるものである。そ
して、透明基板2の屈折率ns、第1反射防止膜3の複
素屈折率の実数部n1、第2反射防止膜4の複素屈折率
の実数部n2、遮光膜5の複素屈折率の実数部n3の間
に、ほぼ可視光全領域で、少なくとも波長400〜70
0nmの領域で、ns<n1<n2<n3なる関係が成
立するものである。
【0017】ブラックマトリックス用ブランクス1を構
成する透明基板2としては、石英ガラス、低膨張ガラ
ス、ソーダライムガラス等の可撓性のないリジット材、
あるいは透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を
有するフレキシブル材等を用いることができる。このな
かで、特にコーニング社製7059ガラスは、熱膨脹率
の小さい素材であり寸法安定性および高温加熱処理にお
ける作業性に優れ、また、ガラス中にアルカリ成分を含
まない無アルカリガラスであるため、アクティブマトリ
ックス方式による液晶ディスプレイ用のカラーフィルタ
に適している。
【0018】ブラックマトリックス用ブランクス1を構
成する第1反射防止膜3と第2反射防止膜4は、ニッケ
ルおよび/またはコバルトを主成分とする化合物ないし
混合物からなる半透明性を有する膜である。また、ブラ
ックマトリックス用ブランクス1を構成する遮光膜5
は、ニッケルおよび/またはコバルトを主成分とする化
合物ないし混合物からなる遮光性を有する膜である。そ
して、第1反射防止膜3、第2反射防止膜4および遮光
膜5は、実質的にクロムを含有しないものである。
【0019】より具体的には、ニッケルを主成分とする
化合物ないし混合物として、第1元素のニッケルに加
え、第2元素としてモリブデン,タングステン,銅,ア
ルミニウム,タンタル,ジルコニウム,コバルトからな
る群から選ばれた1種以上の元素を原子百分率0〜40
%の範囲内で含有し、第3元素としてチタンを原子百分
率0〜20%の範囲内で含有し、かつ、第2元素と第3
元素の少なくとも1種を必ず含有するものを挙げること
ができる。
【0020】また、コバルトを主成分とする化合物ない
し混合物として、第1元素のコバルトに加え、第2元素
としてモリブデン,タングステン,銅,アルミニウム,
タンタル,ジルコニウム,ニッケルからなる群から選ば
れた1種以上の元素を原子百分率0〜40%の範囲内で
含有し、第3元素としてチタンを原子百分率0〜20%
の範囲内で含有し、かつ、第2元素と第3元素の少なく
とも1種を必ず含有するものを挙げることができる。
【0021】さらに、ニッケルおよびコバルトを主成分
とする化合物ないし混合物としては、第1元素のニッケ
ルおよびコバルトに加え、第2元素としてモリブデン,
タングステン,銅,アルミニウム,タンタル,ジルコニ
ウムからなる群から選ばれた1種以上の元素を原子百分
率0〜40%の範囲内で含有し、第3元素としてチタン
を原子百分率0〜20%の範囲内で含有し、かつ、第2
元素と第3元素の少なくとも1種を必ず含有するものを
挙げることができる。
【0022】上述のようなニッケルおよび/またはコバ
ルトを主成分とする化合物ないし混合物を構成する第2
元素や第3元素は、遮光膜5のウエットエッチングにお
けるエッチングレートを制御することができるものであ
り、第2元素や第3元素の含有量が大きくなるとエッチ
ングレートが低下するが、含有量が上記の範囲を超える
場合、エッチングレートが極めて遅くなり好ましくな
い。
【0023】このような第1反射防止膜3、第2反射防
止膜4および遮光膜5は、スパッタリング法、蒸着法、
イオンプレーティング法等の公知の成膜手段により、上
記のように第1反射防止膜3の複素屈折率の実数部n
1、第2反射防止膜4の複素屈折率の実数部n2、遮光
膜5の複素屈折率の実数部n3がほぼ可視光全領域でn
1<n2<n3となるようにして形成することができ
る。また、第1反射防止膜3の厚みは、100〜600
Å、好ましくは200〜400Åの範囲、第2反射防止
膜4の厚みは、100〜600Å、好ましくは200〜
400Åの範囲、遮光膜5の厚みは、500〜1500
Å、好ましくは800〜1200Åの範囲で設定するこ
とができる。
【0024】このような本発明のブラックマトリックス
用ブランクス1では、上述のように透明基板2の屈折率
ns、第1反射防止膜3の複素屈折率の実数部n1、第
2反射防止膜4の複素屈折率の実数部n2、遮光膜5の
複素屈折率の実数部n3の間に、ほぼ可視光全領域で、
少なくとも波長400〜700nmの領域で、ns<n
1<n2<n3なる関係が成立するので、透明基板側か
ら入射する光の反射率が極めて低いものとなる。
【0025】本発明のブラックマトリックス用ブランク
スでは、第1反射防止膜3および第2反射防止膜4に、
あるいは、第1反射防止膜3、第2反射防止膜4および
遮光膜5に、酸素を必須として窒素と炭素の任意の組み
合わせからなる元素を含有させてもよい。
【0026】この場合、具体的には、第1反射防止膜3
を、ニッケルおよび/またはコバルトを主成分とする化
合物ないし混合物が原子百分率30〜50%の範囲で含
有され、さらに、酸素、酸素と窒素、酸素と炭素、酸素
と窒素と炭素の各組み合わせからなる群から選ばれた1
組の元素が含有されるものとする。また、第2反射防止
膜4を、ニッケルおよび/またはコバルトを主成分とす
る化合物ないし混合物が原子百分率45〜65%の範囲
で含有され、さらに、酸素、酸素と窒素、酸素と炭素、
酸素と窒素と炭素の各組み合わせからなる群から選ばれ
た1組の元素が含有されるものとする。さらに、遮光膜
5を、ニッケルおよび/またはコバルトを主成分とする
化合物ないし混合物が原子百分率60〜100%の範囲
で含有され、さらに、酸素、酸素と窒素、酸素と炭素、
酸素と窒素と炭素の各組み合わせからなる群から選ばれ
た1組の元素が含有されるものとする。
【0027】ニッケルおよび/またはコバルトを主成分
とする化合物ないし混合物は、膜中における原子百分率
が小さいほど膜の透明性が高く、逆に大きいほど膜の遮
光性が高くなる。したがって、上記のようにニッケルお
よび/またはコバルトを主成分とする化合物ないし混合
物の原子百分率が30〜50%の範囲内にある第1反射
防止膜3の透明性が最も高く、ニッケルおよび/または
コバルトを主成分とする化合物ないし混合物の原子百分
率が60〜100%の範囲内にある遮光膜5の透明性が
最も低い(遮光性が最も高い)ものとなる。
【0028】上記のように第1反射防止膜3、第2反射
防止膜4、遮光膜5に含有される酸素は、その原子百分
率量が大きくなるにしたがって膜の透明性を高くする。
また、窒素は、その原子百分率量が大きくなるにしたが
って膜の透明性を高くする点では酸素と同様であるが、
酸素と比較するとその効果は小さく、膜の透明性をより
微妙に調整する場合に適している。さらに、炭素は、そ
の原子百分率量が大きくなるにしたがって膜のエッチン
グレートが小さくなる。液晶ディスプレイ用カラーフィルタ 本発明の液晶ディスプレイ用カラーフィルタは、本発明
のブラックマトリックス用ブランクスを用いて形成した
ブラックマトリックス基板を使用して着色パターンおよ
び透明電極膜とを設けたものである。図2は本発明の液
晶ディスプレイ用カラーフィルタの一例を示す概略断面
図である。図2において、液晶ディスプレイ用カラーフ
ィルタ11は、透明基板13上にブラックマトリックス
14を形成したブラックマトリックス基板12と、この
ブラックマトリックス基板12のブラックマトリックス
14間に形成された着色パターン15と、このブラック
マトリックス14と着色パターン15を覆うように設け
られた透明電極膜16を備えている。
【0029】ブラックマトリックス基板12は、上述の
本発明のブラックマトリックス用ブランクス1をエッチ
ング加工することにより作製したものである。したがっ
て、透明基板13は上述の透明基板2と同じものであ
り、ブラックマトリックス14は、第1反射防止膜3、
第2反射防止膜4および遮光膜5からなる積層構造を有
している。本発明のブラックマトリックス用ブランクス
1に対するエッチング加工は、第1反射防止膜3、第2
反射防止膜4および遮光膜5がいずれもニッケルおよび
/またはコバルトを主成分とする化合物ないし混合物か
らなっているので、従来のウエットエッチングにより行
うことができる。
【0030】着色パターン15は赤色パターン15R、
緑色パターン15G、青色パターン15Bからなる。各
着色パターンの配列は、特に限定はなく、モザイク配
列、三角配列、ストライプ配列等、適宜設定することが
できる。
【0031】透明電極膜16としては、例えば酸化イン
ジウムスズ(ITO)膜を用いることができる。ITO
膜は蒸着法、スパッタリング法等の公知の方法により形
成することができ、厚さは200〜2000Å程度が好
ましい。
【0032】尚、液晶ディスプレイ用カラーフィルタ1
1の表面平滑化、信頼性の向上、および液晶層への汚染
防止等を目的として、着色パターン15と透明電極膜1
6との間に保護膜を設けてもよい。このような保護膜
は、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹
脂等の透明樹脂、あるいは二酸化ケイ素等の透明無機化
合物等を用いて形成することができる。保護膜の厚さは
0.5〜50μm程度が好ましい。
【0033】このような液晶ディスプレイ用カラーフィ
ルタ11は、透明電極膜16が液晶層側に位置するよう
にして液晶ディスプレイに組み込まれる。そして、各着
色パターン15R,15G,15Bが画素を構成し、透
明基板13(2)側を表示側として、照明光を照射した
状態で各画素に対応する表示電極をオン、オフさせるこ
とで液晶層がシャッタとして作動し、着色パターン15
R、15G、15Bのそれぞれの画素を光が透過してカ
ラー表示が行われる。そして、本発明の液晶ディスプレ
イ用カラーフィルタ11は、本発明のブラックマトリッ
クス用ブランクス1を用いて形成したブラックマトリッ
クス基板12を使用して着色パターンおよび透明電極膜
を設けたものであので、表示側(透明基板13(2)
側)の反射率が低く視認性が極めて良好であり、高品質
の画像表示が可能である。
【0034】
【実施例】次に、具体的な実施例を示して本発明を更に
詳細に説明する。ブラックマトリックス用ブランクスの作製 (試料1) 透明基板として厚み700μmのガラス基板(コーニン
グ社製7059ガラス、波長400〜700nmの領域
での屈折率ns≒1.5)を準備し、このガラス基板上
にアルゴンガス、二酸化炭素を用いたマグネトロンスパ
ッタリング装置により第1反射防止膜(厚み350Å)
を成膜した。次に、この第1反射防止膜上に、アルゴン
ガス、二酸化炭素を用いたマグネトロンスパッタリング
装置により第2反射防止膜(厚み350Å)を成膜し
た。さらに、この第2反射防止膜上に、アルゴンガスを
用いたマグネトロンスパッタリング装置により遮光膜
(厚み1000Å)を成膜してブラックマトリックス用
ブランクス(試料1)を作製した。
【0035】上記のように作製したブラックマトリック
ス用ブランクス(試料1)の各膜を構成する元素、元素
の原子百分率をオージェ電子分析法により測定したとこ
ろ、下記の結果を得た。また、ブラックマトリックス用
ブランクス(試料1)を構成する各膜の波長400〜7
00nmの領域での複素屈折率の実数部(n1,n2,
n3)を下記方法で測定したところ、下記の結果が得ら
れ、波長400〜700nmの領域でns<n1<n2
<n3なる関係が成立することが確認された。 ・第1反射防止膜(複素屈折率の実数部 1.5≦n1<1.8) Ni75%,Mo15%,Ti10% Ni−Mo−Ti合金40%,O40%,N17%,C3% ・第2反射防止膜(複素屈折率の実数部 1.8≦n2<2.3) Ni75%,Mo15%,Ti10% Ni−Mo−Ti合金55%,O8%,N35%,C2% ・遮光膜(複素屈折率の実数部 2.3≦n3<3.0) Ni75%,Mo15%,Ti10% Ni−Mo−Ti合金85%,O5%,N10% (複素屈折率の測定方法)シリコンウエハ基板上に第1
反射防止膜、第2反射防止膜および遮光膜を各膜ごとに
同様の条件で成膜し、SOPRA社(仏国)製分光エス
プソメータMOSS ES−4Gを用いて測定する。
【0036】さらに、ブラックマトリックス用ブランク
ス(試料1)のガラス基板側からの反射率を波長400
〜700nmの領域で測定したところ9%以下であり、
従来のブラックマトリックス用ブランクスに比べて極め
て低いことが確認された。
【0037】(反射率の測定方法)反射分光光度計
((株)日立製作所製330型)にて60mmφ積分球
を用い、レファレンスをアルミニウム蒸着膜として測定
する。尚、測定値はガラス基板面の反射率も含む。 (試料2)アルゴンガスに窒素ガス、酸素ガス、二酸化
炭素ガスを適宜混合した混合ガスを用いたマグネトロン
スパッタリング装置により、第1反射防止膜、第2反射
防止膜および遮光膜を順次積層してブラックマトリック
ス用ブランクス(試料2)を作製した。
【0038】上記のように作製したブラックマトリック
ス用ブランクス(試料2)の各膜を構成する元素、元素
の原子百分率をオージェ電子分析法により測定したとこ
ろ、下記の結果を得た。また、ブラックマトリックス用
ブランクス(試料2)を構成する各膜の波長400〜7
00nmの領域での複素屈折率の実数部(n1,n2,
n3)を上記と同様の方法で測定したところ、下記の結
果が得られ、波長400〜700nmの領域でns<n
1<n2<n3なる関係が成立することが確認された。 ・第1反射防止膜(複素屈折率の実数部 1.8≦n1<2.1) Co75%,Mo15%,Ti10% Co−Mo−Ti合金45%,O35%,N17%,C3% ・第2反射防止膜(複素屈折率の実数部 2.1≦n2<2.4) Co75%,Mo15%,Ti10% Co−Mo−Ti合金60%,O8%,N30%,C2% ・遮光膜(複素屈折率の実数部 2.4≦n3<3.0) Co75%,Mo15%,Ti10% Co−Mo−Ti合金85%,O5%,N10% さらに、ブラックマトリックス用ブランクス(試料2)
のガラス基板側からの反射率を波長400〜700nm
の領域で上記と同様に測定したところ12%以下であ
り、従来のブラックマトリックス用ブランクスに比べて
極めて低いことが確認された。 (試料3)アルゴンガスに窒素ガス、酸素ガス、二酸化
炭素ガスを適宜混合した混合ガスを用いたマグネトロン
スパッタリング装置により、第1反射防止膜、第2反射
防止膜および遮光膜を順次積層してブラックマトリック
ス用ブランクス(試料3)を作製した。
【0039】上記のように作製したブラックマトリック
ス用ブランクス(試料3)の各膜を構成する元素、元素
の原子百分率をオージェ電子分析法により測定したとこ
ろ、下記の結果を得た。また、ブラックマトリックス用
ブランクス(試料3)を構成する各膜の波長400〜7
00nmの領域での複素屈折率の実数部(n1,n2,
n3)を上記と同様の方法で測定したところ、下記の結
果が得られ、波長400〜700nmの領域でns<n
1<n2<n3なる関係が成立することが確認された。 ・第1反射防止膜(複素屈折率の実数部 1.6≦n1<1.9) Ni−Co75%,Mo15%,Ti10% Ni−Co−Mo−Ti合金40%,O38%,N19%,C3% ・第2反射防止膜(複素屈折率の実数部 1.9≦n2<2.2) Ni−Co75%,Mo15%,Ti10% Ni−Co−Mo−Ti合金60%,O8%,N30%,C2% ・遮光膜(複素屈折率の実数部 2.2≦n3<3.0) Ni−Co75%,Mo15%,Ti10% Ni−Co−Mo−Ti合金85%,O5%,N10% さらに、ブラックマトリックス用ブランクス(試料3)
のガラス基板側からの反射率を波長400〜700nm
の領域で上記と同様に測定したところ10%以下であ
り、従来のブラックマトリックス用ブランクスに比べて
極めて低いことが確認された。 (試料4)アルゴンガスに窒素ガス、酸素ガス、二酸化
炭素ガスを適宜混合した混合ガスを用いたマグネトロン
スパッタリング装置により、第1反射防止膜、第2反射
防止膜および遮光膜を順次積層してブラックマトリック
ス用ブランクス(試料4)を作製した。
【0040】上記のように作製したブラックマトリック
ス用ブランクス(試料4)の各膜を構成する元素、元素
の原子百分率をオージェ電子分析法により測定したとこ
ろ、下記の結果を得た。また、ブラックマトリックス用
ブランクス(試料4)を構成する各膜の波長400〜7
00nmの領域での複素屈折率の実数部(n1,n2,
n3)を上記と同様の方法で測定したところ、下記の結
果が得られ、波長400〜700nmの領域でns<n
1<n2<n3なる関係が成立することが確認された。 ・第1反射防止膜(複素屈折率の実数部 1.7≦n1<2.0) Ni70%,Mo30% Ni−Mo合金45%,O35%,N18%,C2% ・第2反射防止膜(複素屈折率の実数部 2.0≦n2<2.3) Ni70%,Mo30% Ni−Mo合金65%,O10%,N23%,C2% ・遮光膜(複素屈折率の実数部 2.3≦n3<3.0) Ni70%,Mo30% Ni−Mo合金85%,O5%,N10% さらに、ブラックマトリックス用ブランクス(試料4)
のガラス基板側からの反射率を波長400〜700nm
の領域で上記と同様に測定したところ9%以下であり、
従来のブラックマトリックス用ブランクスに比べて低い
ことが確認された。 (試料5)アルゴンガスに窒素ガス、酸素ガス、二酸化
炭素ガスを適宜混合した混合ガスを用いたマグネトロン
スパッタリング装置により、第1反射防止膜、第2反射
防止膜および遮光膜を順次積層してブラックマトリック
ス用ブランクス(試料5)を作製した。
【0041】上記のように作製したブラックマトリック
ス用ブランクス(試料5)の各膜を構成する元素、元素
の原子百分率をオージェ電子分析法により測定したとこ
ろ、下記の結果を得た。また、ブラックマトリックス用
ブランクス(試料5)を構成する各膜の波長400〜7
00nmの領域での複素屈折率の実数部(n1,n2,
n3)を上記と同様の方法で測定したところ、下記の結
果が得られ、波長400〜700nmの領域でns<n
1<n2<n3なる関係が成立することが確認された。 ・第1反射防止膜(複素屈折率の実数部 1.8≦n1<2.1) Ni80%,Ti20% Ni−Ti合金45%,O35%,N18%,C2% ・第2反射防止膜(複素屈折率の実数部 2.1≦n2<2.4) Ni80%,Ti20% Ni−Ti合金60%,O10%,N29%,C1% ・遮光膜(複素屈折率の実数部 2.4≦n3<3.0) Ni80%,Ti20% Ni−Ti合金87%,O3%,N10% さらに、ブラックマトリックス用ブランクス(試料5)
のガラス基板側からの反射率を波長400〜700nm
の領域で上記と同様に測定したところ11%以下であ
り、従来のブラックマトリックス用ブランクスに比べて
低いことが確認された。 (試料6)アルゴンガスに窒素ガス、酸素ガス、二酸化
炭素ガスを適宜混合した混合ガスを用いたマグネトロン
スパッタリング装置により、第1反射防止膜、第2反射
防止膜および遮光膜を順次積層してブラックマトリック
ス用ブランクス(試料6)を作製した。
【0042】上記のように作製したブラックマトリック
ス用ブランクス(試料6)の各膜を構成する元素、元素
の原子百分率をオージェ電子分析法により測定したとこ
ろ、下記の結果を得た。また、ブラックマトリックス用
ブランクス(試料6)を構成する各膜の波長400〜7
00nmの領域での複素屈折率の実数部(n1,n2,
n3)を上記と同様の方法で測定したところ、下記の結
果が得られ、波長400〜700nmの領域でns<n
1<n2<n3なる関係が成立することが確認された。 ・第1反射防止膜(複素屈折率の実数部 1.8≦n1<2.1) Ni50%,Mo50% Ni−Mo合金45%,O35%,N17%,C3% ・第2反射防止膜(複素屈折率の実数部 2.1≦n2<2.4) Ni50%,Mo50% Ni−Mo合金65%,O8%,N25%,C2% ・遮光膜(複素屈折率の実数部 2.4≦n3<3.0) Ni50%,Mo50% Ni−Mo合金85%,O5%,N10% さらに、ブラックマトリックス用ブランクス(試料6)
のガラス基板側からの反射率を波長400〜700nm
の領域で上記と同様に測定したところ12%以下である
ことが確認された。 (試料7)アルゴンガスに窒素ガス、酸素ガス、二酸化
炭素ガスを適宜混合した混合ガスを用いたマグネトロン
スパッタリング装置により、第1反射防止膜、第2反射
防止膜および遮光膜を順次積層してブラックマトリック
ス用ブランクス(試料7)を作製した。
【0043】上記のように作製したブラックマトリック
ス用ブランクス(試料7)の各膜を構成する元素、元素
の原子百分率をオージェ電子分析法により測定したとこ
ろ、下記の結果を得た。また、ブラックマトリックス用
ブランクス(試料7)を構成する各膜の波長400〜7
00nmの領域での複素屈折率の実数部(n1,n2,
n3)を上記と同様の方法で測定したところ、下記の結
果が得られ、波長400〜700nmの領域でns<n
1<n2<n3なる関係が成立することが確認された。 ・第1反射防止膜(複素屈折率の実数部 1.9≦n1<2.2) Ni75%,Ti25% Ni−Ti合金45%,O33%,N20%,C2% ・第2反射防止膜(複素屈折率の実数部 2.2≦n2<2.4) Ni75%,Ti25% Ni−Ti合金60%,O10%,N28%,C2% ・遮光膜(複素屈折率の実数部 2.4≦n3<3.1) Ni75%,Ti25% Ni−Ti合金85%,O5%,N10% さらに、ブラックマトリックス用ブランクス(試料7)
のガラス基板側からの反射率を波長400〜700nm
の領域で上記と同様に測定したところ13%以下である
ことが確認された。 (試料8)アルゴンガスに窒素ガス、酸素ガス、二酸化
炭素ガスを適宜混合した混合ガスを用いたマグネトロン
スパッタリング装置により、第1反射防止膜、第2反射
防止膜および遮光膜を順次積層してブラックマトリック
ス用ブランクス(試料8)を作製した。
【0044】上記のように作製したブラックマトリック
ス用ブランクス(試料8)の各膜を構成する元素、元素
の原子百分率をオージェ電子分析法により測定したとこ
ろ、下記の結果を得た。また、ブラックマトリックス用
ブランクス(試料8)を構成する各膜の波長400〜7
00nmの領域での複素屈折率の実数部(n1,n2,
n3)を上記と同様の方法で測定したところ、下記の結
果が得られ、波長400〜700nmの領域でns<n
1<n2<n3なる関係が成立することが確認された。 ・第1反射防止膜(複素屈折率の実数部 1.5≦n1<1.7) Ni40%,O40%,N18%,C2% ・第2反射防止膜(複素屈折率の実数部 1.7≦n2<2.0) Ni60%,O10%,N28%,C2% ・遮光膜(複素屈折率の実数部 2.0≦n3<2.8) Ni85%,O5%,N10% さらに、ブラックマトリックス用ブランクス(試料8)
のガラス基板側からの反射率を波長400〜700nm
の領域で上記と同様に測定したところ9.5%以下であ
ることが確認された。液晶ディスプレイ用カラーフィルタの作製 上述のように作製した各ブラックマトリックス用ブラン
クス(試料1〜8)の遮光膜上に、フォトレジスト(東
京応化工業(株)製OFPR800C)を用いて所定の
パターンで露光、現像してレジストパターンを形成し
た。次いで、下記組成のエッチング液(23℃)に2.
5分間浸漬してエッチング加工を施しブラックマトリッ
クス基板(試料1〜8)を作製した。
【0045】 (エッチング液の組成) ・(NH4)2 Ce(NO3)6 … 165重量部 ・70%HClO4 … 43重量部 ・純水 … 1000重量部 上記のように作製したブラックマトリックス基板(試料
1〜8)に着色パターンを以下のように形成した。ま
ず、赤色顔料が分散された赤色感光性樹脂を1.2μm
厚に塗布し、70℃、30分間の条件で乾燥した後、所
定のマスクを介して露光し、水によるスプレー現像を行
い、150℃、30分間の条件で加熱硬化させて、赤色
パターンを形成すべき領域のみに赤色パターンを形成し
た。次に、同様にして、緑色パターンを形成すべき領域
のみに緑色パターンを形成し、さらに、青色パターンを
形成すべき領域のみに青色パターンを形成して、着色パ
ターンを形成した。
【0046】次いで、着色パターンおよびブラックマト
リックスを覆うようにスパッタリング法により酸化イン
ジウムスズ(ITO)膜(厚み1500Å)を透明電極
膜として形成して液晶ディスプレイ用カラーフィルタ
(試料1〜8)を得た。
【0047】このようにして作製した液晶ディスプレイ
用カラーフィルタ(試料1〜8)を用いてカラー液晶デ
ィスプレイを作製して表示品質を観察した結果、ブラッ
クマトリックス用ブランクス(試料1〜5)を用いて作
製したカラー液晶ディスプレイは、表示側(透明基板
側)の反射率が低く視認性に優れ、表示画像が高品質な
ものであった。
【0048】これに対して、ブラックマトリックス用ブ
ランクス(試料6、7、8)を用いて作製したカラー液
晶ディスプレイは、エッチング加工不良によりブラック
マトリックスの解像度が悪く、実用に供し得ないもので
あった。
【0049】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば透
明基板の一方の面に、ニッケルおよび/またはコバルト
を主成分とする化合物ないし混合物からなる半透明性を
有する膜である第1反射防止膜と第2反射防止膜をこの
順に積層し、第2反射防止膜上にニッケルおよび/また
はコバルトを主成分とする化合物ないし混合物からなる
遮光性を有する膜である遮光膜を形成し、かつ、透明基
板の屈折率ns、第1反射防止膜の複素屈折率の実数部
n1、第2反射防止膜の複素屈折率の実数部n2、遮光
膜の複素屈折率の実数部n3がほぼ可視光全領域でns
<n1<n2<n3なる関係となるようにしてブラック
マトリックス用ブランクスとするので、透明基板側から
入射する光の反射率が低いものとなり、また、第1反射
防止膜、第2反射防止膜、および、遮光膜はいずれもク
ロムを主成分としていなので、ブラックマトリックス形
成時のエッチング工程で生じた廃液中に混入する6価ク
ロムの処理を不要とすることができ、さらに、第1反射
防止膜、第2反射防止膜および遮光膜は、スパッタリン
グ法等の従来の成膜方法が使用でき、かつ、ブラックマ
トリックス形成をウエットエッチングで行うことが可能
であり、従来の製造工程の使用を可能とする。また、本
発明の液晶ディスプレイ用カラーフィルタは、このよう
な本発明のブラックマトリックス用ブランクスを用いて
形成したブラックマトリックス基板を使用して着色パタ
ーンおよび透明電極膜を設けたものであり、表示側(透
明基板側)の反射率が低いことにより視認性が極めて良
好なものとなり、高品質の画像表示が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のブラックマトリックス用ブランクスの
一例を示す概略断面図である。
【図2】本発明の液晶ディスプレイ用カラーフィルタの
一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1…ブラックマトリックス用ブランクス 2…透明基板 3…第1反射防止膜 4…第2反射防止膜 5…遮光膜 11…液晶ディスプレイ用カラーフィルタ 12…ブラックマトリックス基板 13…透明基板 14…ブラックマトリックス 15(15R,15G,15B)…着色パターン 16…透明電極膜

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板と、該透明基板の一方の面に順
    次積層された第1反射防止膜、第2反射防止膜および遮
    光膜とを少なくとも備え、前記第1反射防止膜および第
    2反射防止膜はニッケルおよび/またはコバルトを主成
    分とする化合物ないし混合物からなる半透明性を有する
    膜であり、前記遮光膜はニッケルおよび/またはコバル
    トを主成分とする化合物ないし混合物からなる遮光性を
    有する膜であり、前記透明基板の屈折率ns、前記第1
    反射防止膜の複素屈折率の実数部n1、前記第2反射防
    止膜の複素屈折率の実数部n2、前記遮光膜の複素屈折
    率の実数部n3が、ほぼ可視光全領域でns<n1<n
    2<n3なる関係を有することを特徴とするブラックマ
    トリックス用ブランクス。
  2. 【請求項2】 前記ニッケルを主成分とする化合物ない
    し混合物は、第2元素としてモリブデン,タングステ
    ン,銅,アルミニウム,タンタル,ジルコニウム,コバ
    ルトからなる群から選ばれた1種以上の元素を原子百分
    率0〜40%の範囲内で含有し、第3元素としてチタン
    を原子百分率0〜20%の範囲内で含有し、かつ、第2
    元素と第3元素の少なくとも1種を必ず含有するもので
    あり、 前記コバルトを主成分とする化合物ないし混合物は、第
    2元素としてモリブデン,タングステン,銅,アルミニ
    ウム,タンタル,ジルコニウム,ニッケルからなる群か
    ら選ばれた1種以上の元素を原子百分率0〜40%の範
    囲内で含有し、第3元素としてチタンを原子百分率0〜
    20%の範囲内で含有し、かつ、第2元素と第3元素の
    少なくとも1種を必ず含有するものであり、 前記ニッケルおよびコバルトを主成分とする化合物ない
    し混合物は、第2元素としてモリブデン,タングステ
    ン,銅,アルミニウム,タンタル,ジルコニウムからな
    る群から選ばれた1種以上の元素を原子百分率0〜40
    %の範囲内で含有し、第3元素としてチタンを原子百分
    率0〜20%の範囲内で含有し、かつ、第2元素と第3
    元素の少なくとも1種を必ず含有するものであることを
    特徴とする請求項1に記載のブラックマトリックス用ブ
    ランクス。
  3. 【請求項3】 可視光領域の少なくとも波長400〜7
    00nmの領域で前記ns<n1<n2<n3なる関係
    が成立することを特徴とする請求項1または請求項2に
    記載のブラックマトリックス用ブランクス。
  4. 【請求項4】 前記第1反射防止膜は、ニッケルおよび
    /またはコバルトを主成分とする化合物ないし混合物を
    原子百分率30〜50%の範囲で含有するとともに、さ
    らに、酸素、酸素と窒素、酸素と炭素、酸素と窒素と炭
    素の各組み合わせからなる群から選ばれた1組の元素を
    含有し、前記第2反射防止膜は、ニッケルおよび/また
    はコバルトを主成分とする化合物ないし混合物を原子百
    分率45〜65%の範囲で含有するとともに、さらに、
    酸素、酸素と窒素、酸素と炭素、酸素と窒素と炭素の各
    組み合わせからなる群から選ばれた1組の元素を含有す
    ることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに
    記載のブラックマトリックス用ブランクス。
  5. 【請求項5】 前記遮光膜は、ニッケルおよび/または
    コバルトを主成分とする化合物ないし混合物を原子百分
    率60〜100%の範囲で含有するとともに、さらに、
    酸素、酸素と窒素、酸素と炭素、酸素と窒素と炭素の各
    組み合わせからなる群から選ばれた1組の元素を含有す
    ることを特徴とする請求項4に記載のブラックマトリッ
    クス用ブランクス。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載
    のブラックマトリックス用ブランクスを用いて形成した
    ブラックマトリックス基板を使用して着色パターンおよ
    び透明電極膜とを設けたことを特徴とする液晶ディスプ
    レイ用カラーフィルタ。
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