JPH1114062A - 調理器 - Google Patents

調理器

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JPH1114062A
JPH1114062A JP15909298A JP15909298A JPH1114062A JP H1114062 A JPH1114062 A JP H1114062A JP 15909298 A JP15909298 A JP 15909298A JP 15909298 A JP15909298 A JP 15909298A JP H1114062 A JPH1114062 A JP H1114062A
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boiling
heating
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▲よし▼男 赤松
Mitsuo Yokohata
光男 横畑
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 調理器において、鍋の材質や被調理物の内容
に関わらず焦げ付きの程度を略同程度とする。 【解決手段】 鍋を加熱する加熱手段10と、加熱手段
の発熱量を制御する加熱制御手段11と、鍋の温度を検
知する温度検知手段25と、前記温度検知手段の温度の
変化特性により水物調理か油物調理かを判別する水分有
無判定手段26と、水物調理時における焦げ付き判定温
度を被加熱対象によって複数設定し、前記温度検知手段
25の温度が前記焦げ付き判定温度に達したとき警告、
および発熱量制御の少なくとも一方の動作を行う焦げ付
き防止判定手段27とを有する。よって被調理物や鍋が
多枝にわたっても焦げの程度を略同程度に管理すること
が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は被調理物の内容に水
分があるか否かを自動判定し、水分を有するものにあっ
ては焦げ付きを防止し、水分を有しない被調理物にあっ
ては油火災を防止する安全安心調理を実現させるための
調理器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来例のこの種の調理器を図11〜図1
3に示す。図11は従来のこの種のガス調理器の前面斜
視図を示し図12は操作パネル1の拡大図を示す。
【0003】(従来例1)図11に示すごとく調理器は
操作パネル1、こんろバーナ2、ごとく3、火力調節摘
み4、鍋底温度センサー5、点火消火ボタン6等によっ
て構成され、調理を行うときは操作パネル1内の調理メ
ニュー(図12)から調理目的にあったキーを選択し、
点火消火ボタン6を押して使用する必要があった。従っ
て目的の調理内容と操作パネル1の調理モードが一致し
ていなければ目的を達成しないという不便さがあり、過
熱防止装置(250℃で自動消火させ油火災を未然に防
ぐ)は自動的に作動しても焦げ付き防止装置は老年者若
年者の器具の使用方法不明、煩わしさ等から使用される
頻度が多くは期待できなかった。
【0004】(従来例2)また水分を含んだ調理物判定
には図12に示す操作パネル1のキーにある湯沸しキー
7(湯が沸いたら自動消火させる)、煮物キー8(沸騰
したら予め設定された沸騰後に作動する自動消火用タイ
マーを作動させると同時に火力を弱火に自動切り替えす
る等)の調理目的を正確に実現させるため高精度な沸騰
検知手段を備えていた。従来の沸騰検知方法の一事例を
記載すると図13に示すごとく鍋底センサー温度が78
℃になったときから、時間当り(dt)の温度上昇値
(da)を算出しその温度傾斜の大小(daの大小)の
状態から水量の大小を推測し、温度傾斜状態(da)に
応じて沸騰予測点(ka)を推定し、沸騰予測点(k
a)に達してから単位経過時間毎の温度上昇値(da
1,da2……)と水量の大小毎に設けられた前記温度
上昇値の所定比較数値によって沸騰点(fp)を検出す
るといった相当複雑なプログラムで構成されていた。従
ってマイクロコンピュター(以下マイコンと称する)の
エリヤを多く使用することとなり、多数個のこんろを1
個のマイコンで制御する場合全てのこんろに沸騰検知方
法を採用することは素子の容量から困難であった。また
沸騰精度向上のため78℃以上沸騰判定までの間はかき
混ぜたり水を追加することも禁止事項となっていたため
不便なところがあった。
【0005】(従来例3)また鍋底温度センサー5が沸
騰温度から13deg温度上昇したとき焦げ付き温度
(fg)と定め自動消火させていたが、鍋の材質や厚さ
による熱伝導の良否の問題や、被調理物の内容が汁気の
多い場合と少ない場合では同一温度上昇値(13de
g)で焦げ付き防止温度(fg)と判定させることは、
汁気の少ないものは焦げ付き傾向となる欠点がある。し
かし13deg温度を下げ過ぎると煮詰まる前に焦げ付
き防止装置が作動して早切れとなることがあったため、
13deg以下に設定することはできない問題があっ
た。
【0006】(従来例4)従来の過熱防止装置は鍋底セ
ンサー5の温度が250℃前後で作動するよう設定され
ているため、例えば操作パネル1でキー入力しない場
合、自動的に過熱防止装置が設定され鍋底センサー温度
が250℃になると自動消火するため気付いたときは消
火しているといった不便さがあった。
【0007】発明が解決しようとする課題上記の従来例
1において、点火消火ボタンを操作するのみで調理物に
水分があるか否か判定し、各々焦げ付き防止もしくは過
熱防止を働かせる、操作キー不要の簡単な安全安心こん
ろの提供にある。
【0008】上記の従来例2において、高精度な沸騰検
知の場合、マイコンのRAM,ROMのエリヤを多く必
要とし多数個のこんろに対応する場合容量不足となるた
め、1個のマイコンで対応できる沸騰判定手段が必要と
なる。同時に沸騰精度を若干低下させても前記沸騰判定
までの規制事項を取り除くことが使いやすい器具を提供
することとなる。
【0009】従来例3において、焦げ付き防止温度を一
点管理することは前記鍋の材質や厚さによる熱伝導の良
否の問題や被調理物の汁気の大小から発生する焦げの程
度を同程度に管理することは無理があった。
【0010】従来例4において、自動消火する前に例え
ば手動で火力を絞って若干温度を低くするといった配慮
がなされていなかった。このことはほとんどの調理が2
50℃以下でできるにも係わらず過熱防止装置付きの器
具は限られた調理しかできないといった誤解を招く結果
となっていた。
【0011】本発明は以上のような課題のうち従来例3
に記載の課題を解決する調理器を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め本発明は、鍋を加熱する加熱手段と、加熱手段の発熱
量を制御する加熱制御手段と、鍋の温度を検知する温度
検知手段と、前記温度検知手段の温度の変化特性により
水物調理か油物調理かを判別する水分有無判定手段と、
水物調理時における焦げ付き判定温度を被加熱対象によ
って複数設定し、前記温度検知手段の温度が前記焦げ付
き判定温度に達したとき警告、および発熱量制御の少な
くとも一方の動作を行う焦げ付き防止判定手段とを有す
る構成としてある。
【0013】本発明は上記した構成によって、被調理物
が水物調理か油物調理かを自動判定するので、調理メニ
ュー選択が不要となり、子供、老年に係わらず安心して
使用できるとともに、うっかりミスが防げ確実に調理物
にあった焦げ付き、もしくは過熱防止の作動が行えるよ
うになる。
【0014】そして、上記焦げ付き防止は被加熱対象に
よって複数の焦げ付き判定温度を設定し、当該焦げ付き
防止温度に温度検知手段の温度が達すると、警告、およ
び発熱量制御の少なくとも一方の動作を行うので、被調
理物や鍋が多枝にわたっても焦げの程度を略同程度に管
理することが可能となる。
【0015】
【実施の形態】以下、本発明の実施例を添付図面に基づ
いて説明する。
【0016】なお、従来と同一機能を有する部分には同
一符号をつけてその詳細な説明は省略する。図1〜図3
に於て、図1は本発明の一実施例のガス調理器の斜視図
であり、図2は加熱手段であるガスの制御経路とマイコ
ンを含んだ電子回路の概略構成を示すブロック図であ
る。図3〜図6はマイコンを主体とした構成及びフロー
を示している。
【0017】図1において操作を必要とするのは点火消
火ボタン6、火力調節摘み4のみであることを示してい
る。
【0018】図2は加熱手段である複数個のこんろで構
成されている中の一つのこんろブロックの構成を示し、
大別して加熱手段10、電子回路ブロック11により構
成されている。
【0019】加熱手段10は、本実施例ではガス導管1
2、点火消火ボタン6、火力調節レバー4、点火消火ボ
タン6の操作により機械的にガスの開閉を行うメインバ
ルブ13、電子制御によりガスの開閉を行う安全弁1
4、前記安全弁のリード線14a、火力調節レバー4の
操作により手動で火力調節を行う火力調節機構15、電
子制御により最小ガス流量に設定するための電磁弁1
6、電磁弁のリード線16a、電磁弁16が閉時、最小
ガス流量を設定するバイパスノズル17、最大ガス量を
設定するメインノズル18、及び点火消火ボタン6と連
動して作動するスイッチ19、スイッチリード線19
a、こんろバーナ2、鍋底温度センサー5、点火電極2
0、点火電極リード線20aで少なくとも構成されてい
る。
【0020】電子回路ブロック11はAC100V用電
源コード21から電源スイッチ22を介して電源回路2
3に接続され電源回路23から各電子回路ブロック11
に電源供給がなされている。こんろの口数に応じて必要
とする電子回路ブロック11は大別して加熱制御手段2
4、温度検知手段25、水分有無判定手段26、焦げ付
き防止判定手段27、過熱防止判定手段28、点火装置
30、警告ブザー29、警告ランプ9から構成されてい
る。
【0021】上記構成において、電子回路に電源を接続
し電源スイッチ22をonにし点火消火ボタン6を操作
することにより、こんろスイッチ19が連動してon状
態となり、加熱制御手段24によって制御される安全弁
14、電磁弁16に電力が供給され安全弁14、電磁弁
16は開状態となる。加熱手段10のガスはガス導管1
2、メインバルブ13、安全弁14、火力調節機構15
から一方は電磁弁16、他方はバイパスノズル17を通
りメインノズル18に達しバーナ2に供給され、こんろ
スイッチ19がon状態になったときから限定時間作動
する点火装置30の点火電極からの火花によりバーナ2
のガスに着火し燃焼を開始する。通常点火初期状態は被
調理物の温度も室温に近く、従って鍋底温度センサー5
の温度も室温に近い。この状態においては安全弁14、
電磁弁16は開状態となっており発熱量の調節は火力調
節レバー4により火力調節機構15を操作し使用者の任
意の火力に設定できる構成としている。また前記火力調
節機構15の最小火力調節時の発熱量は電磁弁16がo
ff状態となり、バイパスノズル17から流出する最小
規制ガス量と同程度に予め設定している。従って電磁弁
16がなくても手動によって火力調節レバー4を最小位
置に調節することにより電磁弁16の代用となり得る構
成としている。また消火は点火消火ボタン6操作するか
安全弁14への電力供給を停止することにより行われ
る。
【0022】上記の燃焼状態を継続すると被調理物の温
度が上昇していくが、サーミスタを測温素子とした鍋底
温度センサー5の抵抗変化も同時に変化する。この抵抗
変化の状態は鍋底温度センサーリード線5aを介して電
子回路ブロック11に入力される。電子回路ブロック1
1内では前記鍋底温度センサー5の温度変化により変化
する抵抗値に所定係数を加減し温度に変換する温度検知
手段25を構成する。
【0023】図3は各種判定手段の基本構成を示すもの
で、加熱制御手段24によって制御された加熱手段10
の発熱により被調理物をいれた鍋の加熱状態を温度検知
手段25により検知し、水分有無判定手段26により水
物調理か油物調理か判定し、水物調理時には焦げ付き防
止判定手段27を動作させ被調理物の焦げ付きを監視
し、焦げ付き温度に達すると加熱制御手段24と警告手
段29に制御信号を送出する。一方油物調理時には過熱
防止判定手段28を動作させ、被調理物の過熱を監視し
過熱防止温度に達すると加熱制御手段24と警告手段2
9に制御信号を送出する構成となっている。
【0024】以上説明したように図3に示した基本構成
をとることにより、従来では予め調理選択用の操作パネ
ル1内(図12)の調理メニューから調理しようとする
メニューを選択する操作が省略でき、安全機能を有さな
い普通こんろと同感覚で使用できることとなり、老人や
若年者等の使用に際しても支障なく使用できる共に安全
性が確保できることとなる。
【0025】ここで、図12に示す加熱手段10で加熱
する被調理物をいれた鍋31は、こんろバーナ2の炎に
より鍋底の加熱点32が加熱され鍋31に熱が伝達され
加熱される。加熱された鍋31の熱は加熱点32から鍋
31に拡散すると同時に被調理物に伝熱し被調理物は対
流が発生することにより均熱化が始まる。鍋底中央に設
けた鍋底温度測定用の鍋底センサー5は前記の2種類の
熱の状態を検知することになる(但し鍋底温度センサー
5は炎(a)の熱の影響を緩和する目的で冷却用2次空
気33で冷却されている)。
【0026】前記状態において鍋31の材質、厚さによ
って被調理物に伝熱し置換しながら、鍋31の中央部に
伝熱する熱の伝導が異なる。例えば熱伝導の良好な薄い
アルミの材質の場合、鍋底中央の測定点34温度と水の
温度の温度差は約2deg程度あるが、同一のアルミ材
質でも厚さが厚い鍋の場合は水との熱の置換より鍋の均
熱化が先行し結果として測定点34が上昇する。図13
は水をいれた鍋31の測定点34の沸騰時の温度を示し
たもので、水の沸騰温度は100℃であるが、鍋底の測
定点温度は鍋の材質や厚みによって102〜125℃の
範囲でバラついていることを示している。
【0027】同じく前記状態において被調理物の濃度が
高い場合は対流も緩慢で鍋底中央部には対流熱の到達が
遅くなる。また被調理物の濃度が高い場合沸騰温度も水
に比較すると高くなる。図9は、同一材質厚さの同一鍋
で水Aを沸騰させたときとカレーBのような被調理物を
沸騰させたときの測定点34の温度を示したもので、鍋
底温度が5deg程度の温度差があることを示してい
る。
【0028】以上のように鍋底の測定点34の温度は鍋
の材質、厚さ及び被調理物の内容によって異なる。そし
て鍋底の測定点での測定において沸騰温度と見なす温度
も鍋の材質、厚さ及び被調理物の内容によって異なり、
ある幅の沸騰検知温度帯域が必要となる。
【0029】この沸騰検知温度帯域は次のようにして設
定してある。すなわち図13のFは土鍋に水をいれたと
きの温度カーブで、水が沸騰した後、鍋底温度も上昇カ
ーブが緩慢となり温度傾斜が少なくなることをもって沸
騰と見なす沸騰判定の限界温度を定めている。すなわ
ち、沸騰検知温度帯域の上限温度は土鍋調理時における
土鍋の測定点34の温度から130℃前後に定めてい
る。上限温度を130℃以上に設定することは油調理の
厚焼き卵や、炒め物調理の調理温度と近接し誤判定の原
因になるので好ましくない(炒め物調理時に付いては後
記する)。また沸騰検知温度帯域の下限値は水の沸騰点
以下に機器の誤差項を加味した低い目の温度(約97
℃)に設定している。
【0030】したがって、図4に示した水分有無判定手
段26には、沸騰検知温度帯域を設け、図10の焦げ付
き防止判定手段27には前記沸騰温度が熱伝達判別所定
値と比較し大か否か判別する手段(P9)と判定結果に
応じて沸騰温度に個別に所定値を加えて焦げ付き防止温
度を決定する(P10),(P11),(P12)の手
段を設けた構成としてある。
【0031】図4はまず水分有無判定手段26の内容を
説明するもので、前記温度検知手段25の温度(以下検
知温度と称する)を予め定めた所定時間毎に水分有無判
定手段26に取り込み、前記の検知温度が沸騰検知温度
帯の帯域下限(例97℃)以上か否かを判定し(P
1)、以下の場合は条件成立まで待機し、条件成立時に
前記検知温度が沸騰検知温度帯の帯域上限(例130
℃)以下か否かを判定し(P2)、条件成立時(例13
0℃以下の場合)検知温度の60秒前との温度差を算定
し、算定した温度差が少なくとも連続して2回以上続い
て所定値以下になるか否かを判定し(P3)、条件成立
時水物調理と決定し(P4)、水物調理信号出力を次段
判定手段や表示ランプ等に出力する(P5)。(P3)
の条件不成立のまま前記検知温度が沸騰検知温度帯の帯
域上限(例130℃)以上になった時油物調理と決定し
(P6)、油物調理信号出力(P7)を次段判定手段や
表示ランプ等に出力する構成としている。
【0032】図10は焦げ付き防止判定手段27の内容
を説明するもので、前記水分有無判定手段26により水
物調理と判定されたときの前記検知温度を沸騰温度とし
て決定し(P8)、前記沸騰温度(P8)が熱伝達判別
所定値(例108℃)と比較し低いか否か判別し(P
9)、条件成立時に(前記沸騰温度が108℃より低い
時)前記沸騰温度に高熱伝達所定係数(例13deg)
を加算する(P10)。また上記条件不成立時(前記沸
騰温度が108℃より高い時)前記沸騰温度に低熱伝達
所定係数(例5deg)を加算する(P11)。上記の
結果を焦げ付き防止判定温度と決定する(P12)。前
記焦げ付き防止判定温度と比較し前記検知温度が高いか
否か比較し(P13)、条件成立した時のみ焦げ付き防
止制御用信号を出力し(P14)、次段判定手段や警告
ブザー29、加熱制御手段24へ伝達する。
【0033】焦げ付き防止判定手段27内にある限時タ
イマー手段(P15)は前記焦げ付き防止制御用信号が
出力されたときから時間をカウントし(P15a)、所
定時間(例20秒)経過したか否かを判定し(P15
b)、所定時間内に前記検知温度が加熱制御手段24の
制御により発熱量が減少し、もしくは調理物をかき混ぜ
たり追加するなどの2次的操作が行われて焦げ付き防止
温度以下になったか否か判別し(P15c)、条件成立
時に(検知温度が焦げ付き防止温度より低くなったと
き)限時タイマー作動を解除し(P15d)、加熱制御
手段を復帰させ、(P13)に接続させる。一方、前記
所定時間内中前記検知温度が焦げ付き防止温度以上の状
態であるとき加熱制御手段24で加熱を停止させる(P
15e)。
【0034】このように図10に示した焦げ付き防止判
定手段27は、鍋31の材質や厚さ、被調理物の種類に
関係なく焦げ付き温度を一定とした場合、同一調理物で
あっても鍋によって焦げの程度が異なる、また煮詰まっ
ていないのに焦げ付き防止が働いて早く切れてしまうと
いった弊害を解消する目的で先に述べたような構成とし
たもので、前記のような結果に基づき沸騰時の鍋底温度
に応じて焦げ付き温度の設定もこれに対応して変化さ
せ、焦げ付き状態を出来る限り一定に保とうとするため
のものである。同時に前記検知温度が焦げ付き防止判定
手段27によって、個々に設定した焦げ付き温度になっ
たとき自動消火をすぐに実行せず、使用者が調理物をか
き混ぜる、調理物を追加するといった状況を判断可能と
せしめる目的で先の限時タイマー手段(P15)が設け
てあり、便利な使用勝手を提供している。
【0035】以上説明したように前記内容の水分有無判
定手段26を設けたことにより、 (1)130℃以内に沸騰判定が不可能なものは油料理
と見なし、油調理である旨の信号を出力する。 (2)約97℃以前の状態では水分有無判定手段26は
動作しない。 (3)沸騰判定手段(P3)は比較的簡単でマイコンの
RAM,ROMを多く必要としない。 等の特徴を有しているため、例えば現在調理中の物が水
物調理と判別しているか否か容易に解る(このことは炒
め物調理時、フライパンを熱しその後野菜などをいれ炒
めるといった調理においては、フライパンを余り熱しな
いで玉葱を炒める場合玉葱の水分と初期温度の状態から
水物調理と判別するが、炒めることにより温度上昇し設
定した焦げ付き防止判定手段27が働き途中状態で自動
消火し目的を達成しないこととなる)。このような状態
を避けるため130℃以上にフライパンを熱する判定手
段としても効果が期待できる。また97℃以下において
は水分有無判定手段26が作動しないため調理物を追加
するなどの操作が自由に行える。また1個のマイコンで
多数のこんろが制御可能となり安価に提供できる等の効
果が期待できる。
【0036】次に、図11は過熱防止判定手段28を説
明するもので、前記水分有無検知手段26で油物調理と
判定された場合、まず前記検知温度が過熱抑制温度より
高いか否か判定し(P16)、条件成立時過熱抑制信号
を出力し(P17)、次段へ伝達すると同時に、警告ブ
ザー29や加熱制御手段24に加熱量減少指令を発する
(P18)。前記検知温度が過熱抑制温度以上に上昇し
たときから過熱防止温度より低いか否か判定し(P1
9)、前記条件成立の間過熱抑制温度から所定温度(例
2℃)減算した温度より低いか否か判定し(P20)、
条件成立時過熱抑制信号出力を解除し(P21)、加熱
制御手段に発熱量復帰指令を出し(P22)、(P1
6)に接続する。一方(P19)で条件不成立の場合
(前記検知温度が過熱防止温度より高い場合)前記検知
温度が過熱防止温度以上である信号を出力し(P2
3)、警告ブザー29,加熱制御手段24に加熱停止を
指令(P24)する構成となっている。
【0037】図11に示す過熱防止判定手段28は、過
熱防止温度(P19)と過熱抑制温度(P16)の2段
階温度を設定し、従来の過熱防止機能を有したこんろは
使用しにくいといった苦情を解消させる効果を持ってい
る。即ち第5図は普通こんろを使用したときの各種調理
の温度ゾーンを表すもので、使用者が無意識に火力を調
節し調理を完成させるまでの温度帯を記録したものであ
る。その結果からフライパンによって調理する煎る
(豆,ごまめ等)、焼物調理(包焼き,ムニエル,ビフ
テキ等)をする温度は過熱防止温度を越えた調理の必要
以上に高い温度で調理されていることが判明した。従来
の過熱防止装置においては前記の調理は過熱防止装置が
調理中に作動し自動消火させる構成となっていたため使
い勝手が悪かった。本発明の過熱防止判定手段は、前記
の調理を過熱防止温度の250℃以下で調理可能とすべ
く過熱抑制温度(P16)を設け、警報を発し加熱量を
制御し(P18)、フライパンの温度が過熱防止温度
(P19)に到らないようにする。即ち鍋底温度センサ
ー5が過熱抑制温度(P16)に到ったとき加熱量を抑
制しても図12に示す条件によりオーバーシュートが発
生し且つ加熱が抑制されている状態であるから熱量によ
ってフライパンの温度は急激には降下しない。前記オー
バーシュート分を見越してフライパン温度が過熱防止温
度(P19)に到らないよう過熱抑制温度(P16)と
加熱量を決定することが必要である。またフライパン温
度が過熱抑制温度(P16)以下に下降すると調理適温
が調理内容によっては維持できなくなることもあるた
め、過熱抑制温度(P16)から所定温度フライパンの
温度が下降したとき警報を発し、加熱量を復帰させるこ
とが必要となる。なお、警報を発することは、加熱制御
手段24に加熱量自動調節手段を有しない構成のこんろ
にあっては手動火力調節を行う判定手段として有効であ
る。
【0038】以上説明したように本実施例の調理器では
次のような効果が得られる。点火消火ボタンを操作する
のみで(調理メニュー選択なしで)マイコンが被調理物
に水分が含まれているか否か自動判定し水分が含まれて
いる場合は焦げ付き防止装置により被調理物の焦げ付き
を見張り、水分が含まれていないと判定すれば過熱防止
装置により油火災を見張ることにより、 (1)調理メニュー選択不要のため子供、老年に係わら
ず安心して使用できる安全安心こんろが提供可能とな
る。 (2)調理メニュー選択が不要のため、うっかりミスが
防げ確実に調理物にあった焦げ付き、もしくは過熱防止
の作動が行える。
【0039】水分有無判定手段は温度検知手段の温度が
判定下限温度(例97℃)から判定上限温度(例130
℃)の間にサチレート温度があるか否かを判定する簡単
なプログラムであるため、 (3)マイコンのRAM,ROMエリヤを多く必要とせ
ず多数個のこんろにマイコン一個で対応可能となり安価
に提供可能となった。 (4)水分有無判定手段が簡単であるため従来例のよう
に沸騰するまでは水を追加したり、かき混ぜたりしては
行けないといった規制事項がなくなり、普通のこんろと
して使用可能なため規制事項の煩わしさから解放でき
た。 (5)被調理物の水分有無の判定結果をランプ・ブザー
で表示沸騰のお知らせができることを利用し判別不可能
な調理内容(炒め物調理の一部で玉葱を炒めるときや、
厚焼き卵など)の場合予め水分有無判定表示まで空焼き
を実行するときの目安に使用することができることとな
った。
【0040】水分有無判定手段によって決定されたサチ
レート温度の大小区分を明確にすることによって、 (6)被調理物が汁気の多いものか少ないものか判定で
きることとなった。 (7)被調理物をいれた鍋の熱伝導の良否が判定できる
こととなった。
【0041】水分有無判定手段によって決定されたサチ
レート温度の大小区分を明確にしサチレート温度の区分
にあった焦げ付き防止温度を設定することによって、 (8)早切れによる誤動作を少なくし確実に水がなくな
ったとき作動させることが可能となった。 (9)遅切れによる焦げ付き過ぎを少なくし焦げ付き防
止機能の精度向上が可能となった。
【0042】温度検知手段の温度が焦げ付き防止温度に
達したとき警告し、自動的に加熱量を減少させ、自動消
火するまでにタイムラグを持たせかつ焦げ付き防止温度
以下に温度検知手段の温度が降下したとき元の火力に自
動復帰させる構成としているため、 (10)かき混ぜる等利用者の状況判断時間が持てること
となった。 (11)水を追加するなどにより調理物の温度が下がった
とき今まで通りのこんろとして使用できるため利用者の
安全こんろ使用時の拘束感が取り除けることとなった。 (12)利用者が器具の近くに存在しない場合はタイムラ
グ時間経過後自動消火し焦げ付き防止の目的を達成する
ことが可能である。 (13)警告を発することにより、自動加熱減少手段を有
しないこんろにあっては、手動火力調節の機会を知る手
段として利用できることとなった。
【0043】水分有無判定手段により水分判定上限温度
以内にサチレート温度がなかった場合(水分なしの場
合)被調理物が過熱状態となり火災の危険が生じない過
熱防止温度(約250℃)に到る以前に過熱抑制温度
(約230℃)に到ったとき警告手段(ランプ・ブザー
等)を作動させ前記加熱制御手段にて加熱量をフッソ樹
脂コーティングフライパンのサチレート温度が250℃
以下になるよう減少させ、前記状態においても前記温度
検知手段の温度が上限温度を越える場合、前記加熱制御
手段を作動させ自動消火させ、また警告手段により外部
から油を追加する等の2次的行為により温度検知手段の
温度が下降し過熱抑制温度以下になったとき前記加熱制
御手段を作動させ加熱量を元の熱量に復帰させる過熱防
止温度を有することにより、 (14)フッソ樹脂加工のフライパン(樹脂の耐熱限度約
300℃以下で使用しないと樹脂が溶けてしまう)が意
識することなく安心して使用可能となる。 (15)前記過熱防止第二温度を設けたためフライパン温
度は、加熱量が最大と最小の繰り返しにより230〜2
50℃の間で制御される結果となり殆どの調理がこの温
度範囲以下にあることから最大加熱量を絞ることによっ
て美味しい状態に仕上げることが可能となり加熱量が過
大である目安として表現する効果がある。 (16)上記の(15)はフライパンに係わらず油物の調
理、即ち煎る,炒める,蒸焼き,揚げる等の全般に適合
する効果がありほとんどの料理が失敗なく美味しく抵抗
感なく作れる器具を提供できることとなった。 (17)過熱抑制温度に鍋底温度が上昇したとき警告ブザ
ーを鳴らす手段を持っているため、コスト的に安価な構
成とする器具にあっては電磁弁を使用せず警告ブザーが
鳴ったとき手動の火力調節レバーを操作しうることが可
能となり過熱防止が働きすぐ消火して使いにくいといっ
た従来の欠点が解消できることとなった。
【0044】
【発明の効果】以上のように本発明の調理器は、被調理
物が水物調理か油物調理かを自動判定するので、調理メ
ニュー選択が不要となり、子供、老年に係わらず安心し
て使用できるとともに、うっかりミスが防げ確実に調理
物にあった焦げ付き、もしくは過熱防止の作動が行える
ようになる。
【0045】そして、上記焦げ付き防止は被加熱対象に
よって複数の焦げ付き判定温度を設定し、当該焦げ付き
防止温度に温度検知手段の温度が達すると、警告、およ
び発熱量制御の少なくとも一方の動作を行うので、被調
理物や鍋が多枝にわたっても焦げの程度を略同程度に管
理することが可能となる。
【0046】また、焦げ付き防止判定手段は、水分有無
判定手段により水分ありと判定したときの沸騰温度と、
予め定めた熱伝達判別所定値とを比較し、前記熱伝達判
別所定値より前記沸騰温度が低い場合、焦げ付き判定温
度を前記沸騰温度に高熱伝達所定係数を加えた温度と
し、前記熱伝達判別所定値より前記沸騰温度が高い場
合、焦げ付き判定温度を前記沸騰温度に低熱伝達所定係
数を加えた温度とする熱伝達速度判別手段を備え、前記
温度検知手段の温度が前記焦げ付き判定温度に達したと
き警告、および発熱量制御の少なくとも一方の動作を行
う構成としたものにあっては、一段と精度良く焦げの程
度を略同程度に管理することが可能となる。
【0047】特に熱伝達判別所定値を鍋の材質、厚さ及
び被調理物の内容によって定めた場合はその焦げの程度
を略程度にする精度をより向上することができる。
【0048】また温度傾斜検知手段を備え、この温度傾
斜検知手段が検出する温度傾斜が所定値以下になると水
物調理と判別し、前記温度傾斜が所定値以下にならない
とき油物調理と判別する構成としたものは、確実な判定
が可能となる。すなわち、温度検知器の検知温度が設定
時間経過後に予め定められた設定温度を越えるか否かで
判定するものでは、被調理物の内容や発熱量次第によっ
て上記設定時間と設定温度範囲内では水物調理と油物調
理との判定ができなかったり誤判定する場合があるが、
前記本発明の構成によれば水物調理では必ず起こる温度
傾斜値が所定値以下になる現象を利用してその温度傾斜
が所定値以下かそうでないかで判定しているので発熱量
や時間に関係なく確実に水物調理か油物調理かを判定す
ることが可能となる。
【0049】また、水分有無判定手段は温度検知手段の
温度が沸騰検知温度帯域内にあるときに温度傾斜を見て
水物調理か油物調理かを判定する構成としたものにあっ
ては、判定期間を特定することによって安定した判定が
確保できる。
【0050】更にまた、水分有無判定手段は温度検知手
段の温度が沸騰検知温度帯の帯域内にあるとき、温度傾
斜検知手段が検知する温度傾斜が複数回連続して所定値
以下になると水物調理と判別し、前記温度傾斜が所定値
以下にならないと油物調理と判別する構成としたものに
あっては、例えば風による加熱力の変動等外乱にって検
知温度が一時的に水物調理或いは油物調理に合わない変
動が生じても誤判定するおそれは少なく、水物調理か油
物調理かを正確に判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における調理器の斜視図
【図2】同調理器のガス、電子回路のブロック図
【図3】同判定手段のフローチャート
【図4】同判定手段のフローチャート
【図5】同判定手段のフローチャート
【図6】同判定手段のフローチャート
【図7】同鍋の模式図
【図8】同沸騰時の鍋底温度特性図
【図9】同調理物の違いによる鍋底温度特性図
【図10】各種の調理実行温度分布と油の熱的状態の関
係を示す図
【図11】従来の過熱防止装置付きこんろの斜視図
【図12】同こんろの調理選択操作パネルの平面図
【図13】従来の沸騰検知判定を示す特性図
【符号の説明】
2 こんろバーナ 4 火力調節レバー 5 鍋底温度センサー 6 点火消火ボタン 10 加熱手段 11 電子回路ブロック 26 水分有無判定手段 27 焦げ付き防止判定手段 28 過熱防止判定手段

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鍋を加熱する加熱手段と、加熱手段の発熱
    量を制御する加熱制御手段と、鍋の温度を検知する温度
    検知手段と、前記温度検知手段の温度の変化特性により
    水物調理か油物調理かを判別する水分有無判定手段と、
    水物調理時における焦げ付き判定温度を被加熱対象によ
    って複数設定し、前記温度検知手段の温度が前記焦げ付
    き判定温度に達したとき警告、および発熱量制御の少な
    くとも一方の動作を行う焦げ付き防止判定手段とを有す
    る調理器。
  2. 【請求項2】焦げ付き防止判定手段は、水分有無判定手
    段により水分ありと判定したときの沸騰温度と、予め定
    めた熱伝達判別所定値とを比較し、前記熱伝達判別所定
    値より前記沸騰温度が低い場合、焦げ付き判定温度を前
    記沸騰温度に高熱伝達所定係数を加えた温度とし、前記
    熱伝達判別所定値より前記沸騰温度が高い場合、焦げ付
    き判定温度を前記沸騰温度に低熱伝達所定係数を加えた
    温度とする熱伝達速度判別手段を備え、前記温度検知手
    段の温度が前記焦げ付き判定温度に達したとき警告、お
    よび発熱量制御の少なくとも一方の動作を行う構成とし
    た請求項1記載の調理器。
  3. 【請求項3】熱伝達速度判別手段は、水分有無判定手段
    により水分ありと判定したときの沸騰温度と、鍋の材
    質、厚さ及び被調理物の内容によって定めた熱伝達判別
    所定値とを比較し、前記熱伝達判別所定値より前記沸騰
    温度が低い場合、焦げ付き判定温度を前記沸騰温度に高
    熱伝達所定係数を加えた温度とし、前記熱伝達判別所定
    値より前記沸騰温度が高い場合、焦げ付き判定温度を前
    記沸騰温度に低熱伝達所定係数を加えた温度とする請求
    項2記載の調理器。
  4. 【請求項4】温度検知手段の温度の時間的変化による温
    度傾斜を検知する温度傾斜検知手段を備え、水分有無判
    定手段は前記温度傾斜検知手段が検出する温度傾斜が所
    定値以下であると水物調理と判別し、前記温度傾斜が所
    定値以下にならないと油物調理と判別する請求項1ない
    し3のいずれか1項記載の調理器。
  5. 【請求項5】水分有無判定手段は温度検知手段の温度が
    沸騰検知温度帯の帯域内にあるとき、温度傾斜検知手段
    が検知する温度傾斜が所定値以下になると水物調理と判
    別し、前記温度傾斜が所定値以下にならないと油物調理
    と判別する水分有無判定手段を有する請求項4記載の調
    理器。
  6. 【請求項6】水分有無判定手段は温度検知手段の温度が
    沸騰検知温度帯の帯域内にあるとき、温度傾斜検知手段
    が検知する温度傾斜が複数回連続して所定値以下になる
    と水物調理と判別し、前記温度傾斜が所定値以下になら
    ないと油物調理と判別する水分有無判定手段を有する請
    求項4記載の調理器。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010092679A (ja) * 2008-10-07 2010-04-22 Panasonic Corp 誘導加熱調理器
JP2014105961A (ja) * 2012-11-29 2014-06-09 Harman Co Ltd 加熱調理器
JP2017189234A (ja) * 2016-04-11 2017-10-19 株式会社パロマ フライヤー

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