JPH11140408A - リサイクル可能なタック紙用粘着剤組成物 - Google Patents

リサイクル可能なタック紙用粘着剤組成物

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JPH11140408A
JPH11140408A JP32704997A JP32704997A JPH11140408A JP H11140408 A JPH11140408 A JP H11140408A JP 32704997 A JP32704997 A JP 32704997A JP 32704997 A JP32704997 A JP 32704997A JP H11140408 A JPH11140408 A JP H11140408A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた粘着物性を有し、且つ湿熱環境下に於
いても粘着物性と再分散性の経時変化の少ない粘着剤で
あり、また、粘着剤層が水に対して適当なサイズで再分
散し、水質を汚染すること無く、再生紙の性能に悪影響
を与えない粘着剤の提供。 【構成】 少なくとも(メタ)アクリル酸アルキルエス
テルとアルコキシアルキル(メタ)アクリレートおよび
(メタ)アクリル酸からなるモノマー混合物を塩基性リ
ン酸塩の存在下に乳化共重合せしめて得られたアクリル
系共重合体の水分散液に、第三級アミノアルコールを添
加してなるリサイクル可能なタック紙用粘着剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は紙ラベル、クラフトテー
プなどに使用されるタック紙用の粘着剤に関し、更に、
資源保護等の目的で再パルプ化するときは簡単に水に離
解できてリサイクルが可能で、また再生紙に悪影響を与
えないタック紙用粘着剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、紙のリサイクル化の重要性が高ま
り、それらの要求を満たすことができる粘着剤の開発に
種々の努力がなされてきた。その試みの例として特開平
5−156222号公報には、例えば(メタ)アクリル
酸等のカルボキシル基含有ビニル系モノマーを主成分と
するコポリマーに可塑性付与可能な界面活性剤を添加し
てなるアルカリ可溶型粘着剤組成物が記載されている。
該出願は、アルカリ水に可溶な粘着剤であり、古紙から
の再パルプ化工程で排出される廃水の汚染を伴うため水
質環境の保護の点から問題がある。これに対して特開平
5ー70755号公報に於いては、ベースポリマーとし
てアクリル酸アルコキシエチル20〜99重量%とスチ
レンスルホン酸塩30〜1重量%と他の共重合性モノマ
ー50〜0重量%との共重合体からなる粘着剤が水に再
分散性であることが記載されている。再分散タイプは、
再パルプ化の工程で粘着剤皮膜が適当なサイズに解裂ま
たは分散することで固体として回収できるため廃水の汚
染を防止できる特長があり、環境保全とリサイクルのニ
ーズにかなったものではあるが、一般の粘着剤に比較し
て、特に湿熱環境下での経時による性能劣化や再パルプ
化性の低下などの問題がある。
【0003】一般的に、再パルプ化性を重視した粘着剤
は、ポリマーの親水性を高める方向で設計されるためカ
ルボキシル基、ヒドロキシル基などの極性基を比較的多
量に導入することになり、カルボキシル基の場合にはア
ルカリ性化合物との中和により親水性が高められる。中
和剤としては、苛性アルカリ、アンモニア、アミン類が
一般的に使用される。例えば、特公昭52ー22768
号公報には、アクリル酸エステルとビニルカルボン酸よ
りなる共重合体が第2級または第3級アルカノールアミ
ンで中和された水分散性粘着剤組成物が開示されてい
る。しかし、この方法においても経時における粘着力と
凝集力のバランスが変化するという問題がある。このよ
うな経時変化の一因として、基材の紙の製造工程で使用
される炭酸カルシウムやクレーなどの填料が、ポリマー
中のカルボキシル基と反応して物性が変化することが知
られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、優
れた粘着物性を有し、且つ湿熱環境下に於いても粘着物
性と再分散性の経時変化の少ない粘着剤であり、また、
粘着剤層が水に対して適当なサイズで再分散し、水質を
汚染すること無く、再生紙の性能に悪影響を与えない粘
着剤を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、水溶性または
再分散性粘着剤の抱える上記問題点を解決するものであ
って、特定のアクリル系モノマ−を主成分として、これ
に塩基性リン酸塩を存在させて乳化共重合して得られた
共重合体水分散液に、限定されたアミノアルコールを添
加することにより優れた粘着物性と水再分散性を与える
リサイクル可能なタック紙用粘着剤組成物に関するもの
である。
【0006】具体的には、(a)炭素数が4〜12のア
ルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル
50〜90重量%と、(b)アルコキシアルキル(メ
タ)アクリレレート5〜45重量%と、(c)(メタ)
アクリル酸5〜15重量%、および(d)その他の共重
合性モノマー0〜30重量%とを塩基性リン酸塩の存在
下で乳化共重合させて得られた共重合体の水分散液に対
して、該共重合体中のカルボキシル基の50〜120モ
ル%に相当する沸点が約220℃以上の第三級アミノア
ルコールを添加してなる粘着剤組成物である。
【0007】更に、本発明は上記の粘着剤組成物に、該
組成物の共重合体100重量部当たりHLB9〜18の
非イオン性界面活性剤を5〜40重量部、および/また
は、脂肪酸石鹸を0.2〜3重量部添加してなる粘着剤
組成物である。
【0008】本発明の共重合体に使用される(a)成分
の炭素数が4〜12のアルキル基を有する(メタ)アク
リル酸アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸
ブチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリ
ル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソノニ
ル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ド
デシルなどが挙げられる。この(a)成分は粘着力と内
部凝集力を与える成分であり、少なくとも50重量%が
必要である。(b)成分のアルコキシアルキル(メタ)
アクリレートとしては、(メタ)アクリル酸メトキシエ
チル、(メタ)アクリル酸メトキシプロピル、(メタ)
アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキ
シプロピルなどを5〜45重量%使用するが、特にアク
リル酸メトキシエチルまたはアクリル酸メトキシプロピ
ルを10〜30重量%共重合せしめることが本発明の粘
着剤組成物の粘着物性と水再分散性の両物性を向上せし
める上で好ましい。(c)成分の(メタ)アクリル酸と
は、アクリル酸もしくはメタクリル酸のことであるが、
これらはそのカルボキシル基を第三級アミノアルコール
によって中和して粘着剤に水再分散性を付与する作用を
するもので、少なくとも5重量%は必要である。また、
(メタ)アクリル酸の共重合割合が多過ぎると粘着剤の
水溶解性が高まり、再パルプ化時の廃水汚染につなが
り、更に本発明の粘着剤組成物の粘着物性が低下するこ
とから15重量%以下を使用する。
【0009】(d)成分のその他の共重合性モノマーと
しては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル
酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、酢酸ビニ
ル、スチレン、α−メチルスチレン、イタコン酸、フマ
ル酸、マレイン酸あるいはそれらのモノアルキルエステ
ルやジアルキルエステル、(メタ)アクリル酸2ーヒド
ロキシエチル、(メタ)アクリル酸のカプロラクトン付
加物、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加
物、(メタ)アクリル酸のプロピレンオキサイド付加
物、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミ
ド、N−メチロールアクリルアミド、メタクリル酸グリ
シジルなどが挙げられる。これらの中から選ばれた一種
または二種以上のモノマーを0〜30重量%使用でき
る。これらの共重合性モノマーのうちカルボキシル基、
アミド基、水酸基あるいはエポキシ基などの官能基を有
するビニルモノマーを用いる場合は、共重合体中の該ビ
ニルモノマー単位の好ましい量は5重量%以下であり、
それ以上増えると粘着性能が低下する。
【0010】上記のモノマー混合物は、少なくとも重合
開始剤、乳化剤の存在下に通常の乳化重合法により共重
合させるが、その際、塩基性リン酸塩を共存させる必要
がある。使用できる塩基性リン酸としては、トリポリリ
ン酸ソーダ、ヘキサメタリン酸ソーダ、ピロリン酸カ
リ、ピロリン酸ソーダ、第二リン酸ソーダ、第三リン酸
ソーダ、ピロリン酸ソーダなどが挙げられる。これらの
リン酸塩から選ばれた一種または二種以上をモノマー混
合物に対して0.5〜5重量%使用する。これらのリン
酸塩を使用することにより、本発明の粘着剤組成物から
製造されたタック紙は、湿熱環境下に於いても粘着物性
と再分散性の経時変化が著しく減少する。塩基性リン酸
塩の使用量が0.5重量%以下では、経時変化の改善効
果が低く、また、5重量%以上の場合は、乳化重合の安
定性が低下し好ましくない。
【0011】次に、得られた共重合体中のカルボキシル
基は第三級アミノアルコールの添加によって中和され
る。中和反応の時点は重合反応前であっても重合反応後
であってもよいが、カルボキシル基含有モノマーと他の
共重合成分との共重合体組成を均一化するために重合反
応後に添加することが好ましい。第三級アミノアルコー
ルとしては、トリエタノールアミン、トリプロパノール
アミン、トリイソプロパノールアミン、N−メチルジエ
タノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミンな
どのヒドロキシル基を1〜3個有する第三級アミンであ
り、且つ、沸点(760mmHg)が約220℃以上のア
ミノアルコール類を使用する。これらの第三級アミノア
ルコールから選ばれた一種または二種以上の化合物を、
本発明の共重合体の水分散液に該共重合体中のカルボキ
シル基の50〜120モル%に相当する量添加する。5
0モル%以下では該粘着剤皮膜の粘着性および水再分散
性が不足し、また120モル%以上では基材紙へのブリ
ードが起こりタック紙の経時変化の原因となる場合があ
る。より好ましい第三級アミノアルコールの添加量は、
60〜100モル%である。
【0012】中和反応にアンモニアや低級アルキルアミ
ンなどを使用するとそれらの揮散とともに粘着剤の水再
分散性が低下するという欠点がある。本発明の共重合体
水分散液に中和剤として上記のような沸点が約220℃
以上の第三級アミノアルコールを使用すると共重合体の
可塑剤としての機能を発揮し、経時での揮散による粘着
性能の変化が少ない。また再パルプ化時の水再分散性の
経時変化を防止する効果があるのみならず、粘着性能、
特に粘着力と凝集力のバランスをとるのに好都合であ
る。
【0013】また、本発明の粘着剤組成物には、HLB
9〜18の非イオン性界面活性剤を含有させることが好
ましい。かかる界面活性剤の使用は、再パルプ化工程で
の粘着剤皮膜の再分散化を容易にし、また分散粒子のサ
イズを微細にする効果がある。非イオン性界面活性剤と
しては、エチレンオキサイド鎖を有する常温で水溶性の
界面活性剤を用いることができ、例えば、ポリオキシエ
チレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリ
ルエーテルなどのエーテル型、ポリオキシエチレンノニ
ルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェ
ニルエーテルなどのアルキルフェノール型、ポリオキシ
エチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノオレ
ートなどのエステル型、およびポリオキシエチレンソル
ビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタン
モノオレートなどのソルビタンエステルエーテル型など
の非イオン性界面活性剤から選ばれた一種または二種以
上を用いる。本発明の共重合体水分散液に、これらの非
イオン性界面活性剤を上記の共重合体100重量部当た
り、5〜40重量部配合する。5重量部以下では再分散
性改良の効果が少なく、また40重量部以上では粘着物
性が低下し、また基材紙面にブリードを起こす場合があ
り好ましくない。
【0014】更に、本発明の粘着剤組成物には、脂肪酸
石鹸を上記の共重合体100重量部当たり0.2〜3重
量部使用することが好ましい。脂肪酸石鹸の使用は、再
パルプ化工程で再分散された粘着剤の微細皮膜が抄紙さ
れた再生紙に付着することによってもたらされる僅かな
タック感を取り除くのに効果的であり、再生紙の製造工
程などでの粘着剤による紙面の毛羽立ちを防止するのに
効果がある。使用する脂肪酸石鹸の例としては、パルミ
チン酸、ステアリン酸、オレイン酸などのナトリウムま
たはカリウム塩などを挙げることができる。
【0015】本発明の粘着剤組成物には、その性能を高
め、また性状を調整する目的で公知の接着剤、粘着性付
与剤、着色剤、増粘剤、消泡剤、レベリング剤等を適宜
添加することができる。特に、エチレンー酢酸ビニルー
アクリル系共重合体の水分散液を配合することにより、
一層の粘着性能、特にポリオレフィンなどの被着体に対
する接着力や凝集力などの物性を高める効果がある。該
エチレンー酢酸ビニルーアクリル系共重合体としては公
知の商品化されているものが使用できるが、例えば特公
平1−48953号公報に記載されているようなエチレ
ン5〜30重量%、酢酸ビニル20〜90重量%および
アルキル基の炭素数が1〜12個である(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステル5〜50重量%とを共重合させて
えられる共重合体、あるいは特開平2−212542号
公報に記載されているようなエチレン5〜40重量%、
酢酸ビニル5〜60重量%およびアルキル基の炭素数が
4〜18個である(メタ)アクリル酸アルキルエステル
15〜70重量%を共重合させて得られる共重合体など
があり、それらのガラス転移温度は−30℃以下のもの
が好ましい。
【0016】以上のように、本発明のリサイクル可能な
タック紙用粘着剤組成物は粘着物性に優れていると共
に、タック紙や粘着テープ用などとして使用した後に再
パルプ化するときは、簡単に水に離解できて、しかも湿
熱環境下に於いて粘着物性と再分散性の経時変化の少な
い粘着剤である。更に、従来のように粘着剤を廃水中に
流し出すのではなく、再分散させてパルプ内に留めるの
で廃水の水質を悪化させないで良質の再生紙を製造し得
るという特長を備え持っている。
【0017】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
る。文中の部および%は全て重量基準によるものであ
る。下記の略号を使用した。 2-EHA 2−エチルヘキシルアクリレ-ト iNA イソノニルアクリレ-ト AAc アクリル酸 Me-EA メトキシエチルアクリレ-ト VAc 酢酸ビニル 非イオン性界面活性剤A : 日本油脂(株)製の商品
名NS−210(HLB13.3)
【0018】実施例1 アクリル酸2−エチルヘキシル65部、アクリル酸10
部、アクリル酸メトキシエチル25部、水140部、ト
リポリリン酸ソーダ3部、過硫酸アンモニウム0.4
部、アニオン性界面活性剤(商品名ニュ−コ−ル560
SF,日本乳化剤(株)製)2部を常法のエマルション
重合方法で反応して、粘度210センチポイズ、蒸発残
分42.5%、pH2.1、粒子径0.6μmの共重合
体水分散液を得た。次にこの共重合体水分散液中のカル
ボキシル基1当量に対して、0.75当量に相当するト
リエタノ−ルアミン15.5部を計量し、これを上記の
共重合体水分散液に加えて中和させた後、HLB13.
3の非イオン性界面活性剤(商品名ノニオンNS−21
0,日本油脂(株)製)10部を添加し、更に、増粘剤
(商品名ボンコート3750,大日本インキ(株)製)
5部を加えて、25%アンモニア水でpH7.5に調整
して本発明の粘着剤組成物を得た。
【0019】実施例2〜4 モノマ−組成、中和剤および配合成分を表1に示すよう
に変更し、その他は実施例1の方法に準じて粘着剤組成
物を得た。ここで、ステアリン酸ソーダを添加する場合
は、3%の水溶液として所定量配合した。
【0020】比較例1〜3 モノマ−組成、中和剤および配合成分を表1に示すよう
に変更した他は、実施例1の方法に準じて粘着剤組成物
を得た。
【0021】実施例および比較例で得た粘着剤組成物を
以下の方法にて試験し、その結果を表1に併記した。こ
こで、使用するタック紙の基材には上質紙55Kを用
い、塗布量25g-dry/m2で剥離紙に塗布し、120
℃、1分乾燥後前記基材に転写した。この試料を25
℃、湿度65%で1日放置後に測定した結果を初期と
し、一方40℃、湿度80%で7日経時させた後測定し
た結果を湿熱経時とした。
【0022】
【表1】
【0023】粘着物性の試験方法 接着力:試験片を25×150mmに切断し剥離紙を剥し
た後、JIS Z−0237で規定される圧着装置を用
いてSUS304板、およびポリエチレン板の上に圧着
した。20分経過後に(株)オリエンテック社製のテン
シロン万能試験機;モデルLTM−4を用い180゜引
き剥し接着力を測定した。ただし引っ張り速度は300
mm/分で行なった。 保持力(ズレ距離):JIS Z−0237に準拠し、
試験片を研磨したSUS304板の一端に、試験片の2
5×25mmの面積が接するように貼り付けローラーで圧
着した。60分経過後、試験片の一端を留金で止め試験
片が垂直に垂れ下がるようにし、その先端に1kgの錘を
取り付けた。40℃の雰囲気下で5時間後のズレた距離
を測った。途中で落下した場合は時間で表した。
【0024】ループタック:試験は上記のテンシロン万
能試験機を用いて実施した。試験片を25×140mmに
切断し、両端20mmを合わせてテンシロン万能試験機の
チャックにはさみ込み、直径31.85mmのループを作
る。次にJIS Z−0237で規定されている研磨し
たT型のSUS304板を300mm/分の速度で上昇さ
せ平面をループと接触させた。ループの短径が20mmに
なった点でSUS板を同上の速度で下降させ、このとき
のSUS板と試験片の間の引き剥がし強度をもってルー
プタックとした。
【0025】再パルプ化性:再分散した粘着剤粒子の大
きさを測定するために、粘着剤組成物100部に対して
着色剤(メチルバイオレット)を0.01部加えて着色
したタック紙を作製した。該タック紙32gを10mm×
10mmの大きさに切断して容器に採り、水150mlを加
えて60分間浸漬した。次に水1850mlを加えて希釈
し熊谷理機工業(株)製の標準離解機を用いて3000
rpmのスピードで50000回転作動して離解した。離
解液500mlを用いて手抄シートを作製し、再生紙中に
再分散した粘着剤粒子の大きさを測定し、全く肉眼で観
察されないものを(◎)とし、直径が50μm 以下のも
のを(○)とし、50〜100μmを(△)、100μm
越えるものを不合格(×)として再パルプ化性を評価し
た。
【0026】再生紙の耐ブロッキング性:上記の離解条
件で作成した手抄シートを湿潤状態のまま濾紙の間には
さみ、面圧3.5Kg/cm2で2分間加圧後風乾し
た。濾紙を剥がして濾紙面に付着した手抄シートのパル
プの状態を観察し、全く付着のないものを(○)、僅か
に毛羽が付着したものを(△)、付着の多いものを
(×)として評価した。
【0027】
【発明の効果】本発明の粘着剤組成物は、特定のアクリ
ル系共重合体と第三級アミノアルコールを主成分とし
て、これに非イオン性界面活性剤および、脂肪酸石鹸を
加えてなるものであるから、この粘着剤組成物を使用し
たタック紙やクラフトテ−プを再パルプ化する際には容
易に離解でき、しかも湿熱環境下に於いても優れた粘着
物性と離解性を長期に保持するという特長がある。ま
た、古紙中の粘着剤はパルプ化中は微細に再分散されパ
ルプと共に抄紙されて、粘着剤の混入による悪影響を与
えない再生紙を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09J 133:02)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)炭素数が4〜12のアルキル基を
    有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル50〜90
    重量%と、(b)アルコキシアルキル(メタ)アクリレ
    ート5〜45重量%と、(c)(メタ)アクリル酸5〜
    15重量%、および(d)その他の共重合性モノマー0
    〜30重量%とを塩基性リン酸塩の存在下に乳化共重合
    させて得られた共重合体の水分散液に対して、該共重合
    体中のカルボキシル基の50〜120モル%に相当する
    沸点が約220℃以上の第三級アミノアルコールを添加
    してなるリサイクル可能なタック紙用粘着剤組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の粘着剤組成物に、該組成
    物の共重合体100重量部当たりHLB9〜18の非イ
    オン性界面活性剤を5〜40重量部配合してなるリサイ
    クル可能なタック紙用粘着剤組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の粘着剤組
    成物に、該組成物の共重合体100重量部当たり脂肪酸
    石鹸を0.2〜3重量部配合してなるリサイクル可能な
    タック紙用粘着剤組成物。
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