JP3975257B2 - 水離解性粘着剤組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は紙ラベル、クラフトテープなどに使用されるタック紙用の粘着剤に関し、更に、資源保護等の目的で再パルプ化するときは簡単に水に離解できて古紙の回収が可能で、また再生紙に悪影響を与えない水離解性粘着剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、紙のリサイクル化の重要性が高まり、それらの要求を満たすことができる粘着剤の開発に種々の努力がなされてきた。その試みの例として特開平5−156222号公報には、例えば(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基含有ビニル系モノマーを主成分とするコポリマーに可塑性付与可能な界面活性剤を添加してなるアルカリ可溶型粘着剤組成物が記載されている。該出願は、アルカリ水に可溶な粘着剤であり、古紙からの再パルプ化工程で排出される廃水の汚染を伴うため水質環境の保護の点から問題がある。これに対して特開平5ー70755号公報に於いては、ベースポリマーとしてアクリル酸アルコキシエチル20〜99重量%とスチレンスルホン酸塩30〜1重量%と他の共重合性モノマー50〜0重量%との共重合体からなる粘着剤が水に再分散性であることが記載されている。
【0003】
再分散タイプは、再パルプ化の工程で粘着剤皮膜が適当なサイズに解裂または分散することで固体として回収できるため廃水の汚染を防止できる特長があり、環境保全とリサイクルのニーズにかなったものではあるが、現状は、湿熱環境下での経時による性能劣化や再パルプ化性の低下、再生紙に混入する粘着剤成分による紙質の低下などの問題がある。
【0004】
一般的に、再パルプ化性を重視した粘着剤は、ポリマーの親水性を高める方向で設計されるためカルボキシル基、ヒドロキシル基などの極性基を比較的多量に導入することになり、カルボキシル基の場合にはアルカリとの中和により親水性が高められる。中和剤としては、苛性アルカリ、アンモニア、アミン類が一般的に使用される。例えば、特公昭52ー22768号公報には、アクリル酸エステルとビニルカルボン酸よりなる共重合体が第2級または第3級アルカノールアミンで中和された水分散性粘着剤組成物が開示されている。しかし、この方法においても経時における粘着力と凝集力のバランスが変化するという問題がある。このような経時変化の一因として、基材の紙の製造工程で使用される炭酸カルシウムやクレーなどの填料が、ポリマー中のカルボキシル基と反応して物性が変化することが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、優れた粘着物性を有し、且つ湿熱環境下に於いても粘着物性と再分散性の経時変化の少ない粘着剤であり、また、粘着剤相が水に対して適当なサイズで再分散し、水質を汚染すること無く、再生紙の性能に悪影響を与えない粘着剤を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、水溶性または水再分散性粘着剤の抱える上記問題点を解決するものであって、カルボキシル基含有モノマーおよび特定のアクリル系モノマ−を主成分として乳化共重合して得られた共重合体に中和アルカリと塩基性リン酸塩および特定の界面活性剤を含有してなる水分散液であり、優れた粘着物性と水再分散性を与える粘着剤組成物に関するものである。
【0007】
具体的には、(a)炭素数が4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル50〜90重量%と、(b)アルコキシアルキル(メタ)アクリレレート5〜45重量%と、(c)カルボキシル基含有モノマー5〜20重量%、および(d)その他の共重合性モノマー0〜30重量%とを乳化共重合して得られた共重合体中のカルボキシル基の一部または全部をアルカリで中和した水分散液に対して、該共重合体100重量部当たり塩基性リン酸塩を1〜10重量部、およびHLB9〜18の非イオン性界面活性剤を5〜40重量部含有してなる水離解性粘着剤組成物である。
【0008】
更に、本発明は上記の粘着剤組成物に、該組成物の共重合体100重量部当たり脂肪酸石鹸を0.2〜3重量部添加してなる粘着剤組成物である。
【0009】
本発明の共重合体に使用される(a)成分の炭素数が4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシルなどが挙げられる。この(a)成分は粘着力と内部凝集力を与える成分であり、少なくとも50重量%が必要である。(b)成分のアルコキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシプロピルなどを5〜45重量%使用するが、特にアクリル酸メトキシエチルまたはアクリル酸メトキシプロピルを10〜30重量%共重合せしめることが本発明の粘着剤組成物の粘着物性と水再分散性の両物性を向上せしめる上で好ましい。
【0010】
(c)成分のカルボキシル基含有モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸ダイマー、(メタ)アクリル酸のカプロラクタン付加物、エチレンオキサイド付加コハク酸モノアクリレートおよびイタコン酸、フマル酸、マレイン酸、あるいはそれらのモノアルキルエステルなどから選ばれた一種または二種以上を用いる。これらのカルボキシル基含有モノマーは、アルカリによって中和して粘着剤に水再分散性を付与する作用をするもので、少なくとも5重量%は必要である。また、共重合割合が多過ぎると粘着剤の水溶解性が高まり再パルプ化時の廃水汚染につながるとともに本発明の粘着剤組成物の粘着物性が低下することから20重量%以下を使用する。
【0011】
(d)成分のその他の共重合性モノマーとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、酢酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレン、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸のジアルキルエステル、(メタ)アクリル酸2ーヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、(メタ)アクリル酸のプロピレンオキサイド付加物、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、(メタ)クリル酸グリシジルなどが挙げられる。これらの中から選ばれた一種または二種以上のモノマーを0〜30重量%使用できる。これらの共重合性モノマーのうちアミド基、水酸基あるいはエポキシ基などの官能基を有するビニルモノマーを用いる場合は、共重合体中の該ビニルモノマー単位の好ましい量は5重量%以下であり、それ以上増えると粘着性能が低下する。
【0012】
上記のモノマー混合物は、少なくとも重合開始剤、乳化剤の存在下で通常の乳化重合法により共重合される。その際、必要に応じて連鎖移動剤、pH緩衝剤およびアルカリ等を添加してもよい。得られた共重合体は共重合体中のカルボキシル基の一部または全部をアルカリによって中和されるが、中和反応の時点は重合反応前であっても重合反応後であってもよい。中和に使用するアルカリとしては、アンモニア、苛性アルカリ、アミン類を使用することができるが、アンモニアや揮発性の高いアミン類を使用すると揮散により粘着物性や再分散性が低下しタック紙の経時変化の原因となるので、苛性アルカリおよび低揮発性のアミン類から選ばれたアルカリを使用することが好ましい。
【0013】
本発明において特に好ましいアルカリは、沸点(760mmHg)が約220℃以上の第三級アミノアルコール類である。第三級アミノアルコールとしては、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミンなどのヒドロキシル基を1〜3個有する第三級アミンである。これらの第三級アミノアルコールから選ばれた一種または二種以上の化合物を、本発明の共重合体の水分散液に該共重合体中のカルボキシル基の50〜120モル%に相当する量添加する。50モル%以下では該粘着剤皮膜の粘着性および水再分散性が不足し、また120モル%以上では基材紙へのブリードが起こりタック紙の経時変化の原因となる場合がある。より好ましい第三級アミノアルコールの添加量は、60〜100モル%である。本発明の共重合体水分散液に中和剤として上記のような沸点が約220℃以上の第三級アミノアルコールを使用すると共重合体の可塑剤としての機能を発揮し、経時での揮散による粘着性能の変化が少ない。また再パルプ化時の水再分散性の経時変化を防止する効果があるのみならず、粘着性能、特に粘着力と凝集力のバランスをとるのに好都合である。
【0014】
更に、本発明の粘着剤組成物には、塩基性リン酸塩を上記の共重合体100重量部当たり1〜10重量部使用する。塩基性リン酸塩は、上記のモノマー混合物の乳化重合の際にその一部または全部を使用することもできる。塩基性リン酸塩の使用は、紙基材に填料として使用される炭酸カルシウムと粘着剤中のカルボキシル基との反応を抑制して、粘着性能の経時変化を防止する効果がある。本発明に使用する塩基性リン酸塩としては、トリポリリン酸ソーダ、ヘキサメタリン酸ソーダ、ピロリン酸カリ、ピロリン酸ソーダ、第二リン酸ソーダ、第三リン酸ソーダ、ピロリン酸ソーダなどが挙げられる。これらのリン酸塩を使用することにより、本発明の粘着剤組成物から製造されたタック紙は、湿熱環境下に於いても粘着物性と再分散性の経時変化が著しく減少する。塩基性リン酸塩の含有量が1重量%以下では経時変化の改善効果が低く、また、10重量%以上の場合は粘着性能が低下し好ましくない。
【0015】
更にまた、本発明の粘着剤組成物には、HLB9〜18の非イオン性界面活性剤を上記共重合体100重量部当たり5〜40重量部使用する。かかる界面活性剤の使用は、再パルプ化工程での粘着剤皮膜の再分散化を容易にし、また分散粒子のサイズを微細にする効果がある。非イオン性界面活性剤としては、エチレンオキサイド鎖を有する常温で水溶性の界面活性剤を用いることができ、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテルなどのエーテル型、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルなどのアルキルフェノール型、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノオレートなどのエステル型、およびポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレートなどのソルビタンエステルエーテル型などの非イオン性界面活性剤から選ばれた一種または二種以上を用いる。これらの非イオン界面活性剤は、乳化重合の際の乳化剤の一部または全部として使用することもできるし、また、本発明の共重合体水分散液に添加しても良い。非イオン性界面活性剤の使用量が5重量部以下では再分散性改良の効果が少なく、また40重量部以上では粘着物性が低下し、更に基材紙面にブリードを起こす場合があり好ましくない。
【0016】
更により好ましくは、本発明の粘着剤組成物には、脂肪酸石鹸を上記の共重合体100重量部当たり0.2〜3重量部配合する。脂肪酸石鹸の配合は、再パルプ化工程で再分散された粘着剤の微細皮膜が抄紙された再生紙に付着することによってもたらされる僅かなタック感を取り除くのに効果的であり、再生紙の製造工程などでの粘着剤による紙面の毛羽立ちを防止するのに効果がある。使用する脂肪酸石鹸の例としては、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸などのナトリウムまたはカリウム塩などを挙げることができる。
【0017】
本発明の粘着剤組成物には、その性能を高め、また性状を調整する目的で公知の接着剤、粘着性付与剤、着色剤、増粘剤、消泡剤、レベリング剤等を適宜添加することができる。特に、エチレンー酢酸ビニルーアクリル系共重合体の水分散液を配合することにより、一層の粘着性能、特にポリオレフィンなど被着体に対する接着力や凝集力などの物性を高める効果がある。該エチレンー酢酸ビニルーアクリル系共重合体としては公知の商品化されているものが使用できるが、例えば特公平1−48953号公報に記載されているようなエチレン5〜30重量%、酢酸ビニル20〜90重量%及びアルキル基の炭素数が1〜12個である(メタ)アクリル酸アルキルエステル5〜50重量%とを共重合させてえられる共重合体、あるいは特開平2−212542号公報に記載されているようなエチレン5〜40重量%、酢酸ビニル5〜60重量%およびアルキル基の炭素数が4〜18個である(メタ)アクリル酸アルキルエステル15〜70重量%を共重合させて得られる共重合体などがあり、それらのガラス転移温度は−30℃以下のものが好ましい。
【0018】
以上のように、本発明の水離解性粘着剤組成物は粘着物性に優れていると共に、タック紙やクラフトテープなどとして使用した後に再パルプ化するときは、簡単に水に離解できて、しかも湿熱環境下に於いて粘着物性と再分散性の経時変化の少ない粘着剤である。更に、従来のように粘着剤を廃水中に流し出すのではなく、再分散させてパルプ内に留めるので廃水の水質を悪化させないで良質の再生紙を製造し得るという特長を備え持っている。
【0019】
【実施例】
以下に本発明を実施例により具体的に説明する。文中の部および%は全て重量基準によるものである。
下記の略号を使用した。
2-EHA 2−エチルヘキシルアクリレ-ト
PL-AA アクリル酸のカプロラクトン付加物(商品名アロニックスM−5300、東亞合成化学工業(株)製)
AAc アクリル酸
Me-EA メトキシエチルアクリレ-ト
VAc 酢酸ビニル
非イオン性界面活性剤A : 日本油脂(株)製の商品名NS−210(HLB13.3)
【0020】
実施例1
アクリル酸2−エチルヘキシル65部、アクリル酸10部、アクリル酸のカプロラクトン付加物(商品名アロニックスM−5300、東亞合成化学工業(株)製)5部、メトキシエチルアクリレート20部、水140部、トリポリリン酸ソーダ2部、過硫酸アンモニウム0.4部、アニオン性界面活性剤(商品名ニュ−コ−ル560SF,日本乳化剤(株)製)2部を常法のエマルション重合方法で反応して、粘度300センチポイズ、蒸発残分42.3%、pH3.1、粒子径0.65μmの共重合体水分散液を得た。次に、この共重合体水分散液中のカルボキシル基1当量に対して、0.75当量に相当するトリエタノ−ルアミン17.4部を計量し、これを上記の共重合体水分散液に加えて中和させた後、トリポリリン酸ソーダの15%水溶液を20部、およびHLB13.3の非イオン性界面活性剤(商品名ノニオンNS−210,日本油脂(株)製)10部を添加した。その後、増粘剤(商品名ボンコート3750、大日本インキ(株)製)5部を加え、25%アンモニア水でpH7.5に調整して本発明の粘着剤組成物を得た。
【0020】
実施例2〜5
モノマ−組成、中和剤および配合成分を表1に示すように変更し、その他は実施例1の方法に準じて粘着剤組成物を得た。ここで、ステアリン酸ソーダは3%水溶液として所定量配合した。
【0021】
比較例1〜4
モノマ−組成、中和剤および配合成分を表1に示すように変更した他は、実施例1の方法に準じて粘着剤組成物を得た。
【0022】
実施例および比較例で得た粘着剤組成物を以下の方法にて試験し、その結果を表1に併記した。ここで、使用するタック紙の基材には上質紙55Kを用い、塗布量25g-dry/m2で剥離紙に塗布し、120℃、1分乾燥後、前記基材に転写した。この試料を25℃、湿度65%で1日放置後に測定した結果を初期とし、一方40℃、湿度80%で7日経時させた後測定した結果を湿熱経時とした。
【0023】
【表1】
Figure 0003975257
【0024】
粘着物性の試験方法
接着力:試験片を25×150mmに切断し剥離紙を剥した後、JIS Z−0237で規定される圧着装置を用いてSUS304板、およびポリエチレン板の上に圧着した。20分経過後に(株)オリエンテック社製のテンシロン万能試験機;モデルLTM−4を用い180゜引き剥し接着力を測定した。ただし引っ張り速度は300mm/分で行なった。
保持力(ズレ距離):JIS Z−0237に準拠し、試験片を研磨したSUS304板の一端に、試験片の25×25mmの面積が接するように貼り付けローラーで圧着した。60分経過後、試験片の一端を留金で止め試験片が垂直に垂れ下がるようにし、その先端に1kgの錘を取り付ける。40℃の雰囲気下で5時間後のズレた距離を測った。途中で落下した場合は時間で表した。
【0025】
ループタック:試験は上記のテンシロン万能試験機を用いて実施した。試験片を25×140mmに切断し、両端20mmを合わせて、テンシロン万能試験機のチャックにはさみ込み直径31.85mmのループを作った。次にJIS Z−0237で規定されている研磨したT型のSUS304板を300mm/分の速度で上昇させ平面をループと接触させる。ループの短径が20mmになった点でSUS板を同上の速度で下降させた。このときのSUS板と試験片の間の引き剥がし強度をもってループタックとした。
【0026】
再パルプ化性:再分散した粘着剤粒子の大きさを測定するために、粘着剤組成物100部に対して着色剤(メチルバイオレット)を0.01部加えて着色したタック紙を作製した。該タック紙32gを10mm×10mmの大きさに切断して容器に採り、水150mlを加えて60分間浸漬した。次に水1850mlを加えて希釈し熊谷理機工業(株)製の標準離解機を用いて3000rpmのスピードで50000回転作動して離解した。離解液500mlを用いて手抄シートを作製し、再生紙中に再分散した粘着剤粒子の大きさを測定し、全く肉眼で観察されないものを(◎)とし、直径が50μm 以下のものを(○)とし、50〜100μmを(△)、100μm越えるものを不合格(×)として再パルプ化性を評価した。
【0027】
再生紙耐ブロッキング性:上記の離解条件で作成した手抄シートを湿潤状態のまま濾紙の間にはさみ、面圧3.5Kg/cm2で2分間加圧後風乾した。濾紙を剥がして濾紙面に付着した手抄シートのパルプの状態を観察し、全く付着のないものを(○)、僅かに毛羽が付着したものを(△)、付着の多いものを(×)として評価した。
【0028】
【発明の効果】
本発明の粘着剤組成物は、カルボキシル基を含有する特定のアクリル系共重合体と、塩基性リン酸塩および非イオン性界面活性剤を主成分として、これに脂肪酸石鹸を加えてなるものであるから、この粘着剤組成物を使用したタック紙やクラフトテ−プを再パルプ化する際には容易に離解でき、しかも湿熱環境下に於いても優れた粘着物性と離解性を長期に保持するという特長がある。また、古紙中の粘着剤はパルプ化中は微細に再分散されパルプと共に抄紙されて、粘着剤の混入による悪影響を与えない再生紙を得ることができる。

Claims (2)

  1. (a)炭素数が4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル50〜90重量%と、(b)アルコキシアルキル(メタ)アクリレート5〜45重量%と、(c)カルボキシル基含有モノマー5〜20重量%および(d)その他の共重合性モノマー0〜30重量%とを乳化共重合して得られた共重合体中のカルボキシル基の一部または全部をアルカリで中和した水分散液に対して、該共重合体100重量部当たり塩基性リン酸塩を1〜10重量部、およびHLB9〜18の非イオン性界面活性剤5〜40重量部を含有してなる水離解性粘着剤組成物。
  2. 請求項1記載の粘着剤組成物に、該組成物の共重合体100重量部当たり脂肪酸石鹸を0.2〜3重量部配合してなる水離解性粘着剤組成物。
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